(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070764
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】状態監視装置及び状態監視方法
(51)【国際特許分類】
B61K 5/00 20060101AFI20240516BHJP
E01B 35/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B61K5/00
E01B35/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201359
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2022181208
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】水野 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】宇津山 堅彦
(72)【発明者】
【氏名】村松 憲
(72)【発明者】
【氏名】岡野 光
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓馬
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AB01
2D057AB06
(57)【要約】
【課題】脱線復旧作業における作業負荷の低減及び安全性の向上を実現できる状態監視装置を提供する。
【解決手段】本開示は、脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる状態監視装置である。状態監視装置は、鉄道車両の車輪が載せられるレールの上に設置されると共に、復旧作業中の車輪とレールとを撮影するように構成された少なくとも1つの撮影機器と、少なくとも1つの撮影機器が撮影した画像を表示するように構成された表示機器と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる状態監視装置であって、
前記鉄道車両の車輪が載せられるレールの上に設置されると共に、復旧作業中の前記車輪と前記レールとを撮影するように構成された少なくとも1つの撮影機器と、
前記少なくとも1つの撮影機器が撮影した画像を表示するように構成された表示機器と、
を備える、状態監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の状態監視装置であって、
前記少なくとも1つの撮影機器は、
カメラと、
前記カメラを支持する台座と、
を有し、
前記台座は、
前記レールの頂面に重ね合わされるように構成された基部と、
前記基部の前記レールの幅方向における両端部からそれぞれ下方に延伸すると共に、前記レールを幅方向に挟むように構成された2つの側壁と、
を有する、状態監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の状態監視装置であって、
前記台座は、前記基部から上方に延伸する取っ手を有する、状態監視装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の状態監視装置であって、
前記少なくとも1つの撮影機器は、前記カメラの光軸が、前記レールの長手方向と平行であり、かつ、前記レールの幅方向の中心線よりも前記レールが構成する軌道の内側に位置するように設置される、状態監視装置。
【請求項5】
請求項1に記載の状態監視装置であって、
前記少なくとも1つの撮影機器として、前記鉄道車両の1つの台車が有する4つの車輪をそれぞれ撮影する位置に設置されるように構成された4つの撮影機器を備える、状態監視装置。
【請求項6】
請求項5に記載の状態監視装置であって、
前記4つの撮影機器は、撮影方向が同じになるように設置される、状態監視装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の状態監視装置であって、
前記表示機器は、前記4つの撮影機器がそれぞれ撮影した4つの画像を上下左右に並べて表示するように構成され、
前記表示機器は、前記4つの撮影機器のうち、同じレールに設置された他の撮影機器よりも、前記台車を移動させる操作が行われる操作位置から離れた位置に設置された撮影機器の画像を上段に表示すると共に、前記4つの撮影機器のうち、前記操作位置から視て左側のレールに設置された2つの撮影機器の画像を左列に表示する、状態監視装置。
【請求項8】
脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる状態監視方法であって、
前記鉄道車両の車輪が載せられるレールの上に少なくとも1つの撮影機器を設置する工程と、
前記少なくとも1つの撮影機器によって復旧作業中の前記車輪と前記レールとを撮影すると共に、前記少なくとも1つの撮影機器が撮影した画像を表示させる工程と、
を備える、状態監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、状態監視装置及び状態監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両に脱線が発生した場合、車体を持ち上げて車輪をレール上に載せる復旧作業が行われる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脱線復旧作業では、車輪の位置の確認、及びレール上の異物の確認のために、作業者が車体の下に潜り込んで目視による点検を行う。しかし、このような点検作業は、作業者への負担が大きく、また、作業者が車体に挟まれるおそれもある。
【0005】
本開示の一局面は、脱線復旧作業における作業負荷の低減及び安全性の向上を実現できる状態監視装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる状態監視装置である。状態監視装置は、鉄道車両の車輪が載せられるレールの上に設置されると共に、復旧作業中の車輪とレールとを撮影するように構成された少なくとも1つの撮影機器と、少なくとも1つの撮影機器が撮影した画像を表示するように構成された表示機器と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、撮影機器が撮影した画像によって車輪の位置及びレール上の異物の確認を行うことができる。その結果、復旧作業における目視による点検が不要となるため、作業負荷の低減及び安全性の向上が実現できる。
【0008】
本開示の一態様では、少なくとも1つの撮影機器は、カメラと、カメラを支持する台座と、を有してもよい。台座は、レールの頂面に重ね合わされるように構成された基部と、基部のレールの幅方向における両端部からそれぞれ下方に延伸すると共に、レールを幅方向に挟むように構成された2つの側壁と、を有してもよい。このような構成によれば、撮影機器をレールの長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、カメラの光軸のレールに対する向きの調整も容易となる。
【0009】
本開示の一態様では、台座は、基部から上方に延伸する取っ手を有してもよい。このような構成によれば、撮影機器のレールへの設置及び撤去が容易となる。
【0010】
本開示の一態様では、少なくとも1つの撮影機器は、カメラの光軸が、レールの長手方向と平行であり、かつ、レールの幅方向の中心線よりもレールが構成する軌道の内側に位置するように設置されてもよい。このような構成によれば、車輪のフランジとレールとの距離の把握が容易となるため、復旧作業の効率が向上する。
【0011】
本開示の一態様は、少なくとも1つの撮影機器として、鉄道車両の1つの台車が有する4つの車輪をそれぞれ撮影する位置に設置されるように構成された4つの撮影機器を備えてもよい。このような構成によれば、4つの車輪を同時に監視することができる。
【0012】
本開示の一態様では、4つの撮影機器は、撮影方向が同じになるように設置されてもよい。このような構成によれば、4つの車輪それぞれのレールに対する位置の把握が容易となる。
【0013】
本開示の一態様では、表示機器は、4つの撮影機器がそれぞれ撮影した4つの画像を上下左右に並べて表示するように構成されてもよい。表示機器は、4つの撮影機器のうち、同じレールに設置された他の撮影機器よりも、台車を移動させる操作が行われる操作位置から離れた位置に設置された撮影機器の画像を上段に表示すると共に、4つの撮影機器のうち、操作位置から視て左側のレールに設置された2つの撮影機器の画像を左列に表示してもよい。このような構成によれば、4つの車輪とレールとの位置関係を同時に、かつ、混同せずに把握することができる。
【0014】
本開示の別の態様は、脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる状態監視方法である。状態監視方法は、鉄道車両の車輪が載せられるレールの上に少なくとも1つの撮影機器を設置する工程と、少なくとも1つの撮影機器によって復旧作業中の車輪とレールとを撮影すると共に、少なくとも1つの撮影機器が撮影した画像を表示させる工程と、を備える。
【0015】
このような構成によれば、復旧作業における目視による点検が不要となるため、作業負荷の低減及び安全性の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態における状態監視装置の構成図である。
【
図2】
図2は、
図1の状態監視装置の撮影機器の配置を示す模式図である。
【
図3】
図3は、
図2の撮影機器の車輪に対する位置を示す模式図である。
【
図6】
図6は、
図1の状態監視装置の表示機器に表示される画面の一例である。
【
図7】
図7は、実施形態における状態監視方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す状態監視装置1は、脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる。具体的には、状態監視装置1は、脱線した鉄道車両を持ち上げて軌道に載せる作業の間、レール及び復旧させる鉄道車両の車輪の状態を監視するために用いられる。
【0018】
状態監視装置1は、第1撮影機器2と、第2撮影機器3と、第3撮影機器4と、第4撮影機器5と、表示機器11とを備える。
【0019】
<撮影機器>
図2に示すように、第1撮影機器2、第2撮影機器3、第3撮影機器4及び第4撮影機器5は、それぞれ、鉄道車両の車輪が載せられる第1レールR1又は第2レールR2の上に設置される。
【0020】
第1撮影機器2及び第2撮影機器3は、復旧機器の操作者Oから視て(つまり操作者Oの視線方向Dにおいて)右側の第1レールR1に設置される。第3撮影機器4及び第4撮影機器5は、操作者Oから視て左側の第2レールR2に設置される。
【0021】
操作者Oは、鉄道車両を持ち上げて軌道上に降ろす復旧機器(例えば、ジャッキ、横送り装置、クレーン等)のコントローラCを操作する作業者である。コントローラCは、操作位置Aに設置されており、操作者Oは操作位置Aから復旧させる鉄道車両(具体的には鉄道車両の台車)を目視する。
【0022】
台車を移動させる操作が行われる操作位置Aは、軌道の外側かつ、復旧位置(つまり4つの撮影機器2,3,4,5が設置された位置)よりもレールの長手方向にずれた位置(
図2における手前)に設けられている。
【0023】
第1撮影機器2は、第1レールR1上において、第2撮影機器3よりも操作者Oに近い位置に設置されている。第3撮影機器4は、第2レールR2上において、第4撮影機器5よりも操作者Oに近い位置に設置されている。
【0024】
図3に示すように、第1撮影機器2、第2撮影機器3、第3撮影機器4及び第4撮影機器5は、復旧させる鉄道車両の1つの台車が有する4つの車輪Wのいずれかを撮影する位置に設置される。
【0025】
具体的には、各撮影機器は、撮影対象の車輪Wが載置される領域よりも操作位置Aに近い領域に設置されている。各撮影機器は、復旧作業中の台車における1つの車輪Wと、撮影機器自身が設置された第1レールR1又は第2レールR2とを同時に撮影するように構成されている。
【0026】
各撮影機器の撮影方向は、レールの長手方向と平行、かつ、操作位置A(つまり操作者O)とは反対側を視る方向である。4つの撮影機器2,3,4,5は、撮影方向が同じになるように設置される。
【0027】
図4に示すように、第1撮影機器2は、カメラ21と、台座22とを有する。第2撮影機器3は、第1撮影機器2と同じ構成を有する。また、第3撮影機器4及び第4撮影機器5は、台座22に対するカメラ21のレールの幅方向における位置が異なる点を除いて、第1撮影機器2と同じ構成である。
【0028】
カメラ21としては、市販されている汎用品が使用できる。カメラ21は、防水性及び防塵性があるとよい。また、カメラ21は、焦点距離、絞り、感度等が自動調整されるものが好ましい。なお、カメラ21は、白黒画像を撮影するものであってもよい。
【0029】
台座22は、カメラ21を支持している。台座22は、例えば、金属板で構成されている。台座22は、基部221と、第1側壁222と、第2側壁223と、取っ手224とを有する。
【0030】
基部221は、第1レールR1の頂面に重ね合わされるように構成されている。基部221の上面には、カメラ21及び取っ手224が固定されている。基部221の幅は、第1レールR1の頂部の幅に第1側壁222の厚みと第2側壁223の厚みとを加えたものである。
【0031】
第1側壁222及び第2側壁223は、基部221の第1レールR1の幅方向における両端部からそれぞれ下方に延伸している。第1側壁222及び第2側壁223は、第1レールR1を幅方向に挟むように構成されている。第1側壁222と第2側壁223との距離は、第1レールR1の頂部の幅と略同じである。
【0032】
基部221の上面及び下面はそれぞれ、第1レールR1の頂面と平行である。また、第1側壁222及び第2側壁223の内面は、それぞれ第1レールR1の側面と平行である。そのため、基部221を第1レールR1の頂面に載置することで、光軸Pが第1レールR1の長手方向と平行となるようにカメラ21を設置することができる。
【0033】
取っ手224は、基部221の上面から上方に延伸している。取っ手224は、上方に延伸する延伸部224Aと、延伸部224Aの端部から第1レールR1の長手方向に延伸する把持部224Bとを有する。作業者は、把持部224Bを直接把持するか、又は棒状の器具に把持部224Bを係止もしくは吸引させた状態で、第1レールR1の上に設置することができる。
【0034】
第1撮影機器2が第1レールR1に設置された状態で、カメラ21の光軸Pは、第1レールR1の長手方向と平行となる。また、
図5に示すように、第1撮影機器2が第1レールR1に設置された状態で、カメラ21の光軸Pは、第1レールR1の幅方向の中心線よりも第1レールR1が構成する軌道の内側(つまり左側)に位置する。換言すれば、光軸Pは、第1レールR1の中心線に対し、第2レールR2に近づく方向にずれている。
【0035】
つまり、カメラ21の光軸Pは、復旧状態(つまり第1レールR1に載った状態)における車輪Wの軸方向外側の端部よりも、車輪Wの軸方向内側に設けられたフランジFの近くに存在する。
【0036】
なお、
図5は、カメラ21が撮影した画像I1の一例である。画像I1には、台車B、車輪W及び第1レールR1が含まれる。すなわち、第1撮影機器2は、少なくともレールの頂面とレールの周囲とを撮影する。
【0037】
また、第2撮影機器3、第3撮影機器4及び第4撮影機器5も、第1撮影機器2と同様に、それぞれのカメラ21の光軸Pが、レールの長手方向と平行であり、かつ、レールの幅方向の中心線よりも軌道の内側に位置するように設置される。
【0038】
<表示機器>
図6に示すように、表示機器11は、4つの撮影機器2,3,4,5が撮影した画像を表示するように構成されている。
【0039】
表示機器11としては、汎用のモニタが使用できる。各撮影機器が撮影した画像は、有線又は無線で表示機器11にリアルタイムで送信される。表示機器11は、4つの撮影機器2,3,4,5がそれぞれ撮影した4つの画像I1,I2,I3,I4を上下左右に並べて表示するように構成されている。
【0040】
具体的には、表示機器11は、4つの撮影機器2,3,4,5のうち、同じレールに設置された他の撮影機器よりも、操作位置Aから離れた位置に設置された撮影機器(つまり、第2撮影機器3及び第4撮影機器5)の画像I2,I4を上段に表示する。また、表示機器11は、4つの撮影機器2,3,4,5のうち、操作位置Aから視て左側の第2レールR2に設置された2つの撮影機器(つまり、第3撮影機器4及び第4撮影機器5)の画像I3,I4を左列に表示する。
【0041】
したがって、表示機器11には、右上から時計回りに、右側奥の第2撮影機器3の画像I2、右側手前の第1撮影機器2の画像I1、左側手前の第3撮影機器4の画像I3、及び左側奥の第4撮影機器5の画像I4が表示される。
【0042】
表示機器11には、復旧開始から復旧完了までの間、各撮影機器からの映像が供給される。表示機器11は、例えば、
図2に示す操作者OのコントローラCへの視認方向Dの延長線上に設置される。これにより、操作者Oの視線の動きを小さくできる。
【0043】
<状態監視方法>
図7に示す状態監視方法は、脱線した鉄道車両の復旧作業に用いられる。本実施形態の状態監視方法は、
図1の状態監視装置1を用いて実施される。本実施形態の状態監視方法は、設置工程S10と、表示工程S20と、撤去工程S30とを備える。
【0044】
<設置工程>
本工程では、鉄道車両の車輪が載せられる第1レールR1及び第2レールR2の上に4つの撮影機器2,3,4,5を設置する。
【0045】
具体的には、
図2に示すように、第1レールR1上に、操作位置Aに対する手前から順に、第1撮影機器2及び第2撮影機器3を設置すると共に、第2レールR2上に、操作位置Aに対する手前から順に、第3撮影機器4及び第4撮影機器5を設置する。なお、各撮影機器の設置順は問われない。
【0046】
<表示工程>
本工程では、4つの撮影機器2,3,4,5によって復旧作業中の車輪とレールとを撮影すると共に、4つの撮影機器2,3,4,5が撮影した画像を表示機器11に表示させる。
【0047】
本工程は、復旧作業が完了するまで継続される。復旧機器の操作者Oは、表示機器11に表示された画像を見ながら、復旧させる台車の位置を調整する。また、操作者Oは、レール上又はレールの周囲に異物がないかを確認する。
【0048】
<撤去工程>
本工程では、復旧作業の完了後、4つの撮影機器2,3,4,5をそれぞれレールから取り外す。
【0049】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)撮影機器2,3,4,5が撮影した画像によって車輪の位置及びレール上の異物の確認を行うことができる。その結果、復旧作業における目視による点検が不要となるため、作業負荷の低減及び安全性の向上が実現できる。
【0050】
また、復旧作業中に画像によってレールの周囲も含む状態監視を継続して行うことができるため、目視による定期的な確認作業が不要となる。そのため、復旧作業の時間を短縮できる。
【0051】
(1b)撮影機器2,3,4,5が台座22を有することで、撮影機器2,3,4,5をレールの長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、カメラ21の光軸のレールに対する向きの調整も容易となる。
【0052】
(1c)台座22が取っ手224を有することで、撮影機器2,3,4,5のレールへの設置及び撤去が容易となる。
【0053】
(1d)カメラ21の光軸がレールの幅方向の中心線よりも軌道の内側に位置することで、車輪のフランジとレールとの距離の把握が容易となる。そのため、復旧作業の効率が向上する。
【0054】
(1e)4つの撮影機器2,3,4,5により、4つの車輪を同時に監視することができる。
(1f)4つの撮影機器2,3,4,5の撮影方向が同じであることで、4つの車輪それぞれのレールに対する位置の把握が容易となる。
【0055】
(1g)表示機器11が4つの撮影機器2,3,4,5の画像を操作位置との関係に基づいて上下左右に並べて表示することで、4つの車輪とレールとの位置関係を同時に、かつ、混同せずに把握することができる。
【0056】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0057】
(2a)上記実施形態の状態監視装置において、撮影機器の構成は一例である。例えば、撮影機器の台座は必ずしも上述した形状でなくてもよい。また、台座は必ずしも取っ手を有しなくてもよい。
【0058】
(2b)上記実施形態の状態監視装置において、カメラの光軸は、必ずしもレールの長手方向と平行でなくてもよく、また、必ずしもレールの幅方向の中心線よりも軌道の内側に位置しなくてもよい。
【0059】
(2c)上記実施形態の状態監視装置において、表示機器は、必ずしも4つの画像を並べて表示しなくてもよい。また、状態監視装置は、必ずしも4つの撮影機器を備えなくてもよい。例えば、状態監視装置は、1つ又は2つの撮影機器を備えてもよい。
【0060】
(2d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0061】
1…状態監視装置、2…第1撮影機器、3…第2撮影機器、4…第3撮影機器、
5…第4撮影機器、11…表示機器、21…カメラ、22…台座、221…基部、
222…第1側壁、223…第2側壁、224…取っ手、224A…延伸部、
224B…把持部。