(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070782
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】蓋体及び調理器具
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
A47J27/00 103M
A47J27/00 103N
A47J27/00 103E
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023056131
(22)【出願日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202223034654.5
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】盛 金旺
(72)【発明者】
【氏名】周 毅
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 策
(72)【発明者】
【氏名】江 小勇
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 育▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】何 国▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】李 家孔
(72)【発明者】
【氏名】周 忠宝
(72)【発明者】
【氏名】秦 ▲偉▼▲偉▼
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA09
4B055CA24
4B055CA25
4B055CB08
4B055CC03
4B055CD02
4B055GB03
4B055GB09
(57)【要約】
【課題】新規な蓋体及び調理器具を提供すること。
【解決手段】本開示はキッチン用品の技術分野に関し、特に、蓋体及び調理器具に関する。当該蓋体は、内蓋と蒸気弁とコイルモジュールとを含み、内蓋の片側に凹部が設けられ、蒸気弁の少なくとも一部は凹部内に配置され、コイルモジュールは内蓋の片側に設けられ、コイルモジュールに温度制御器が設けられ、温度制御器のコイルモジュールの中心から外れる側は、蒸気弁に近接して設けられる。蓋体は、調理器具の炊飯過程において、鍋中の蒸気を、蒸気弁を介して鍋外に排出し、温度制御器のコイルモジュールの中心から外れる側を蒸気弁に近接して設けることにより、温度制御器が鍋中の蒸気の温度を測定することに有利であり、内釜に対する調理器具の加熱温度を調整するよう鍋内の温度を測定する正確性を向上させ、内釜の加熱温度を調整する正確性を向上させ、それにより調理器具の炊飯の品質を効果的に向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片側に凹部が設けられた内蓋と、
少なくとも一部が前記凹部内に配置された蒸気弁と、
前記内蓋の片側に設けられたコイルモジュールであって、前記コイルモジュールに温度制御器が設けられ、前記温度制御器の前記コイルモジュールの中心から外れる側が前記蒸気弁に近接して設けられたコイルモジュールと、を含むことを特徴とする蓋体。
【請求項2】
保温蓋板をさらに含み、前記保温蓋板は、前記内蓋の前記コイルモジュールから離れる側に設けられ、前記温度制御器の温度測定端は、前記内蓋を介して前記保温蓋板と前記内蓋との間に延在することを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記保温蓋板の前記内蓋から離れる側にボスが形成され、前記保温蓋板の前記内蓋に向かう側に前記ボスに対応することに適する凹溝が形成され、前記温度制御器の温度測定端は、前記凹溝内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記ボスの前記内蓋から離れる側面に開孔が設けられ、前記温度制御器は、前記開孔に対応して設けられることを特徴とする請求項3に記載の蓋体。
【請求項5】
前記保温蓋板における前記温度制御器の温度測定端の正投影は、前記開孔の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記温度制御器の温度測定端は、前記ボスに当接することを特徴とする請求項4に記載の蓋体。
【請求項7】
前記コイルモジュールはコイルディスクを含み、前記コイルディスクに交流コイルが巻設され、前記交流コイルは、前記温度制御器の外周側に配置され、前記保温蓋板における前記交流コイルの少なくとも一部の正投影は、前記凹溝内にあることを特徴とする請求項3に記載の蓋体。
【請求項8】
前記凹溝が前記内蓋に向かう側面における前記交流コイルの正投影面積は、前記凹溝が前記内蓋に向かう側面の面積の1/4以上であることを特徴とする請求項7に記載の蓋体。
【請求項9】
前記凹溝は、前記保温蓋板における前記交流コイルの正投影の縁部で囲まれる領域内に配置されることを特徴とする請求項7に記載の蓋体。
【請求項10】
前記交流コイルは、楕円形構造であり、前記内蓋は、前記楕円形構造の短軸側に前記蒸気弁が設けられることを特徴とする請求項7に記載の蓋体。
【請求項11】
前記内蓋に前記コイルモジュールに対応することに適する開口が開設され、前記開口に保温座板が設けられることを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
【請求項12】
前記保温座板に前記温度制御器を延出させることに適する貫通孔が開設されることを特徴とする請求項11に記載の蓋体。
【請求項13】
前記保温蓋板は、導電性材質を含むことを特徴とする請求項2に記載の蓋体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の蓋体を含むことを特徴とする調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キッチン用品の技術分野に関し、特に、蓋体及び調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、炊飯器には、鍋本体の底部に温度制御器を設け、温度制御器により内釜の温度を測定して鍋本体内の温度を推定することで、炊飯器に対する温度制御を実現するものが多い。しかし、炊飯器の底部に温度制御器を設けて内釜の温度を測定することにより、鍋本体内の温度を直接的に測定することができないので、温度測定の正確性が悪く、米飯の食感が悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上記の技術的課題を解決するために、蓋体及び調理器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、
片側に凹部が設けられた内蓋と、
少なくとも一部が前記凹部内に配置された蒸気弁と、
前記内蓋の片側に設けられたコイルモジュールであって、前記コイルモジュールに温度制御器が設けられ、前記温度制御器の前記コイルモジュールの中心から外れる側が前記蒸気弁に近接して設けられたコイルモジュールと、を含む、蓋体を提供する。
【0005】
選択可能に、保温蓋板をさらに含み、前記保温蓋板は、前記内蓋の前記コイルモジュールから離れる側に設けられ、前記温度制御器の温度測定端は、前記内蓋を介して前記保温蓋板と前記内蓋との間に延在する。
【0006】
選択可能に、前記保温蓋板の前記内蓋から離れる側にボスが形成され、前記保温蓋板の前記内蓋に向かう側に前記ボスに対応することに適する凹溝が形成され、前記温度制御器の温度測定端は、前記凹溝内に配置される。
【0007】
選択可能に、前記ボスの前記内蓋から離れる側面に開孔が設けられ、前記温度制御器は、前記開孔に対応して設けられる。
【0008】
選択可能に、前記保温蓋板における前記温度制御器の温度測定端の正投影は、前記開孔の少なくとも一部を覆う。
【0009】
選択可能に、前記温度制御器の温度測定端は、前記ボスに当接する。
【0010】
選択可能に、前記コイルモジュールはコイルディスクを含み、前記コイルディスクに交流コイルが巻設され、前記交流コイルは、前記温度制御器の外周側に配置され、前記保温蓋板における前記交流コイルの少なくとも一部の正投影は、前記凹溝内にある。
【0011】
選択可能に、前記凹溝が前記内蓋に向かう側面における前記交流コイルの正投影面積は、前記凹溝が前記内蓋に向かう側面の面積の1/4以上である。
【0012】
選択可能に、前記凹溝は、前記保温蓋板における前記交流コイルの正投影の縁部で囲まれる領域内に配置される。
【0013】
選択可能に、前記交流コイルは、楕円形構造であり、前記内蓋は、前記楕円形構造の短軸側に前記蒸気弁が設けられる。
【0014】
選択可能に、前記内蓋に前記コイルモジュールに対応することに適する開口が開設され、前記開口に保温座板が設けられる。
【0015】
選択可能に、前記保温座板に前記温度制御器を延出させることに適する貫通孔が開設される。
【0016】
選択可能に、前記保温蓋板は、導電性材質を含む。
【0017】
本願は、上記蓋体を含む調理器具をさらに提供する。
【発明の効果】
【0018】
本願にて提供される蓋体において、内蓋の片側に凹部が設けられ、蒸気弁の少なくとも一部は、凹部内に配置され、コイルモジュールは、内蓋の片側に設けられ、且つコイルモジュールの中央部位置に温度制御器が設けられ、温度制御器のコイルモジュールの中心から外れる側は、蒸気弁に近接して設けられる。調理過程において、鍋中の蒸気を、蒸気弁を介して鍋外に排出し、温度制御器のコイルモジュールの中心から外れる側を蒸気弁に近接して設けることにより、温度制御器が鍋中の蒸気の温度を測定することに有利であり、内釜に対する調理器具の加熱温度を調整するように、鍋内の温度を測定する正確性を向上させ、内釜の加熱温度を調整する正確性を向上させ、それにより調理器具の炊飯の品質を効果的に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここに記される図面は、本明細書を構成する部分として明細書に組み込まれ、本開示に適合する実施例を示しており、明細書と共に本開示の原理の解釈に供する。
次に、本開示の実施例又は従来の技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は従来の技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、言うまでもないが、当業者は、創造的な労力をせず、これらの図面からさらに他の図面を得ることができる。
【0020】
【
図1】本開示の実施例に記載の蓋体の分解図である。
【
図2】本開示の実施例に記載の蓋体の部分断面図である。
【
図3】本開示の実施例に記載の蓋体の断面図である。
【
図5】本開示の実施例の調理器具の炊飯フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本開示の上記の目的、特徴及び利点をより明瞭に理解できるように、本開示の解決手段を一層説明する。なお、矛盾が生じない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0022】
下記の説明では本開示の充分な理解のために多くの詳細を記しているが、本開示は、ここで説明されるのと違う他の方式で実施されてもよく、言うまでもないが、明細書の実施例は、本開示の実施例の全てではなく、実施例の一部に過ぎない。
【0023】
現在、炊飯器には、鍋本体の底部に温度制御器を設け、温度制御器により内釜の温度を測定して鍋本体内の温度を推定することで、炊飯器に対する温度制御を実現するものが多い。しかし、炊飯器の底部に温度制御器を設けて内釜の温度を測定することにより、鍋本体内の温度を直接的に測定することができないので、温度測定の正確性が悪く、米飯の食感が悪くなる。
【0024】
本開示の実施例は、上記の技術的課題を効果的に解決することができる蓋体及び調理器具を開示する。
【0025】
図1から
図5に示すように、本開示の実施例は、
片側に凹部11が設けられた内蓋と、
少なくとも一部が凹部11内に配置された蒸気弁と、
内蓋の片側に設けられたコイルモジュールであって、コイルモジュールに温度制御器が設けられ、温度制御器のコイルモジュールの中心から外れる側が蒸気弁に近接して設けられたコイルモジュールと、を含む、蓋体を提供する。
【0026】
本開示の実施例にて提供される蓋体において、内蓋1の片側に凹部11が設けられ、蒸気弁4の少なくとも一部が凹部11内に配置され、コイルモジュール2が内蓋1の片側に設けられ、且つコイルモジュール2の中央部位置に温度制御器22が設けられ、温度制御器22のコイルモジュール2の中心から外れる側が蒸気弁4に近接して設けられる。調理器具の炊飯過程は、吸水段階と、急速加熱段階と、沸騰保持段階と、炊飯段階とを含み、上記の炊飯過程において、鍋中の蒸気は、蒸気弁4を介して鍋外に排出され、温度制御器22のコイルモジュール2の中心から外れる側を蒸気弁4に近接して設けることにより、温度制御器22が鍋中の蒸気の温度を測定することに有利であり、内釜に対する調理器具の加熱温度を調整するように、鍋内の温度を測定する正確性を向上させ、内釜の加熱温度を調整する正確性を向上させ、それにより調理器具の炊飯の品質を効果的に向上させる。
【0027】
具体的には、上記の調理器具は、保温蓋板をさらに含み、保温蓋板は、内蓋のコイルモジュール2から離れる側に設けられ、温度制御器の温度測定端は、内蓋を介して保温蓋板と内蓋との間に延在する。
【0028】
上記の蓋体において、内蓋1の片側にコイルモジュール2が設けられ、他方側に保温蓋板3が設けられ、コイルモジュール2に温度制御器22が設けられ、温度制御器22の一端は、内蓋1を貫通して保温蓋板3と内蓋1との間に延在する。調理器具の炊飯過程は、吸水段階と、急速加熱段階と、沸騰保持段階と、炊飯段階とを含み、吸水段階、急速加熱段階、沸騰保持段階の過程において、保温蓋板3は、発熱せず、鍋内の温度は、保温蓋板3と内蓋1との間に伝達することができ、温度制御器22は、内釜に対する調理器具の加熱温度を調整するように、鍋内の温度を測定することができ、炊飯段階において、コイルモジュール2に通電して保温蓋板3を発熱させ、温度制御器22は、保温蓋板3を予め設定された温度範囲内に保持させるように、保温蓋板3の温度を測定することができ、保温蓋板3の表面に凝縮水が形成されることを回避すると共に保温蓋板3の温度が高すぎることを回避し、保温蓋板3の使用上の安全性を保証する。
【0029】
上記の調理器具は、
図5に示すように、炊飯過程において、
吸水段階であるS1と、
温度制御器は、鍋内の温度をリアルタイムに検出し、制御システムは、温度制御器が取得した温度データに基づいて鍋内の温度及び温度増速が予め設定された範囲内にあるか否かを判断し、予め設定された範囲内にない場合、制御システムは、鍋内の温度データを予め設定された範囲内にさせるために、温度制御器により鍋内の温度が沸騰温度に達することが測定されるまで、底部加熱装置を制御して加熱電力を上昇又は低下させる急速加熱段階であるS2と、
沸騰保持段階であるS3と、
保温蓋板は、自己発熱し、温度制御器は、保温蓋板の温度を監視し、制御システムは、保温蓋板の発熱温度が予め設定された範囲内にあるか否かを判断し、予め設定された範囲内にない場合、炊飯段階が終了するまで、コイルモジュールにおける電流値を増加又は減少させることにより保温蓋板の発熱温度を調整する炊飯段階であるS4と、を含む。
【0030】
具体的には、温度制御器は、炊飯過程の急速加熱段階において、調理器具のプログラム設定で鍋内の温度及び温度増速を予め設定し、温度制御器は、鍋内の温度をリアルタイムに測定し、温度及び温度増速が予め設定された範囲内にある場合、調理器具は、この時の加熱状態を保持して内釜を加熱し続け、温度制御器により測定された温度データに基づいて得られた温度値及び温度増速が予め設定された範囲よりも小さい場合、調理器具の制御システムは、内釜に対する加熱電力を増加し、温度制御器が取得したデータが予め設定された範囲に達するとき、当該加熱電力を保持して内釜を加熱する。温度制御器により測定された温度データに基づいて得られた鍋内の温度値及び温度増速が予め設定された範囲よりも大きい場合、制御システムは、内釜に対する加熱電力を減少し、温度制御器が取得したデータが予め設定された範囲に達するとき、当該加熱電力を保持して内釜を加熱する。
【0031】
そして、温度制御器は、鍋内の温度が沸騰温度に達することを測定する場合、沸騰保持段階に移行する。
【0032】
沸騰保持段階が終了した後、炊飯段階に移行し、当該段階において、温度制御器は、保温蓋板に対して温度測定を行い、温度制御器が保温蓋板に対して温度測定を行うことにより、保温蓋板を予め設定された温度範囲内に保持することができ、保温蓋板の表面に凝縮水が発生することを効果的に回避し、それにより炊飯段階において凝縮水が米飯に滴下し、米飯が白っぽくなり、食感に影響を与えることを回避し、それと共に保温蓋板の温度が高すぎることによる潜在的な安全上の問題を防止する。
【0033】
いくつかの実施例において、保温蓋板3の内蓋1から離れる側にボス31が形成され、保温蓋板3の内蓋1に向かう側にボス31に対応することに適する凹溝が形成され、温度制御器22の温度測定端は、凹溝内に配置される。
【0034】
上記の保温蓋板3にボス31を設け、ボス31を内鍋の中心に近接して設け、内鍋に延在するようにし、温度制御器22の温度測定端をボス31内に設けることにより、温度制御器22と内鍋の中心との距離を効果的に減少させることができ、温度制御器22を内鍋の中心に近接して設けるようにし、内鍋に対する温度制御器22の温度測定の正確性を向上させる。
【0035】
具体的には、温度制御器22の温度測定端は、凹溝の内蓋1に向かう側に当接する。
【0036】
上記の温度制御器22の温度測定端は、凹溝の内蓋1に向かう側に当接し、すなわち、温度制御器22は、保温蓋板3に当接することで、保温蓋板3上の熱量は温度制御器22に直接的に伝達することができる。内鍋の温度が保温蓋板3に伝達され、保温蓋板3が自己発熱する場合、温度制御器22は、保温蓋板3に接触することにより温度測定を行い、温度制御器22の温度測定の正確性を効果的に向上させ、それにより内鍋に対する温度測定及び保温蓋板3の自己発熱温度に対する測定の正確性を向上させる。
【0037】
上記の凹溝の表面は、平面であり、凹溝の表面を滑らかで平坦な平面のように設けることにより、温度制御器のハウジングを凹溝の表面に貼り合わせて接触させ、保温蓋板に対する温度制御器の温度検出の正確性を効果的に向上させることができる。
【0038】
いくつかの実施例において、凹溝の内蓋1に向かう側に温度制御器22に対応して設けられることに適する開孔32が設けられる。
【0039】
具体的には、保温蓋板における温度制御器の温度測定端の正投影は、開孔32の少なくとも一部を覆う。
【0040】
すなわち、凹溝と内蓋1との当接位置に開孔32が設けられ、内鍋中の蒸気は、開孔32を介して温度制御器22に接触することができ、すなわち、内鍋中の蒸気は、温度制御器22に直接的に接触することができ、制御システムが鍋中の蒸気温度に基づいて内釜に対する調理器具の底部の加熱温度を制御するために、温度制御器22は、内鍋中の蒸気の温度を測定することにより鍋内の温度を取得し、それにより内鍋温度に対する測定を実現し、内鍋温度に対する温度制御器22の測定の正確性をさらに向上させる。
【0041】
すなわち、温度制御器を設け、急速加熱段階において鍋内の温度を測定することにより、内釜に対する調理器具の底部の加熱電力の効果的な制御を実現し、炊飯段階において保温蓋板の温度に対する監視を実現して凝縮水の発生を効果的に回避し、調理器具の炊飯全過程における各段階の段階的な進行を保証し、米飯の食感を向上させ、調理器具の炊飯効率を効果的に保証し、調理器具の炊飯の品質及び調理器具の使用上の安全性を向上させる。
【0042】
いくつかの実施例において、コイルモジュール2は、コイルディスク21を含み、コイルディスク21に交流コイル23が巻設され、交流コイル23は、温度制御器22の外周側に配置され、保温蓋板3における交流コイル23の少なくとも一部の正投影は、凹溝内にある。具体的には、凹溝が内蓋1に向かう側面における交流コイル23の正投影面積は、凹溝が内蓋1に向かう側面の面積の1/4以上であるように設けられることができる。また、凹溝は、保温蓋板3における交流コイル23の正投影の縁部で囲まれる領域内に配置される。
【0043】
具体的には、保温蓋板3は、導電性材質を含み、例えば、保温蓋板3は、304ステンレス鋼であってもよい。
【0044】
コイルディスク21に交流コイル23を巻設し、且つ交流コイル23が配置される平面を保温蓋板3と平行にし、保温蓋板3を、導電性材料を含むように設けることにより、交流コイル23に交流電流を入力する場合、交流電流の電流方向が絶えず変化するため、交流コイル23が生じる磁界が絶えず変化し、保温蓋板3は、磁束線を横切る運動を行うことに相当し、保温蓋板3内に熱を発生させ、それにより保温蓋板3の自己発熱を実現する。
【0045】
また、上記の保温蓋板3は、熱伝導材質を含む。保温蓋板3が熱伝導材質を含むことにより、熱量が保温蓋板3上を急速に伝達され、保温蓋板3全体の温度が均一になることで、保温蓋板3の凝縮水防止効果を保証する。
【0046】
上記の交流コイル23は、ボス31を保温蓋板3の自己発熱時の高温領域に位置させるために、温度制御器22の外周側に配置される。温度制御器22がボス31に密着に貼り合わせるため、ボス31領域は、保温蓋板3の高温領域であり、温度制御器22の温度測定及び電気加熱プログラムの制御により、保温蓋板3の高温領域が過度に発熱することを効果的に回避することができる。
【0047】
いくつかの実施例において、交流コイル23は、楕円形構造であり、内蓋1は、楕円形構造の短軸側に蒸気弁4が設けられる。
【0048】
すなわち、内蓋1は、コイルモジュール2を取り付けるための領域と、蒸気弁4と嵌合して取り付けるための領域との2つの領域を含む。コイルモジュール2と蒸気弁4の取り付けに必要な空間を減少させるために、交流コイル23を楕円構造のコイルのように設けることで、楕円構造の短軸側に蒸気弁を取り付けるための空間を形成される。交流コイル23が楕円構造であるため、コイルディスク21に交流コイル23が巻設され、コイルディスク21の占有空間を減少させるために、交流コイル23の短軸方向に沿うコイルディスク21の寸法は、交流コイル23の長軸方向に沿うコイルディスク21の寸法よりも小さい。具体的には、コイルディスク21の形状は、楕円形、円形、方形など種々の形状とすることができるが、D字形が好ましい。
【0049】
すなわち、保温蓋板3と内蓋1との間に蒸気弁が設けられ、保温蓋板3に蒸気弁に対応して設けられた吸気孔と還流口が設けられ、蒸気弁4と嵌合して取り付けるための内蓋1における領域に蒸気弁を収容するための凹部11が設けられる。
【0050】
具体的には、蒸気弁を、それぞれ内蓋1と保温蓋板3に密閉して接続することで、内鍋中の蒸気が蒸気弁の排気口しかを介して排出できず、蒸気が保温蓋板3と内蓋1との間に入ることを回避する。
【0051】
さらに、
図3から
図4に示すように、温度制御器22の外面にシールカバー10が設けられ、温度制御器22と保温蓋板3との当接位置において、シールカバー10の端部は、鍋中の蒸気が保温蓋板3と内蓋1との間に入ることを回避するように、保温蓋板3に当接する。
【0052】
具体的には、保温蓋板3は、内蓋1と密閉して接続しやすく、すなわち、保温蓋板3の縁部にシール用環状物及びシール用環状物留め輪が設けられ、シール用環状物留め輪は、保温蓋板3の縁部と内蓋1を密閉させるように、シール用環状物を保温蓋板3の縁部に押圧することができ、蒸気が保温蓋板3と内蓋1との間に入ることを回避する。
【0053】
いくつかの実施例において、内蓋1にコイルモジュール2に対応することに適する開口が開設され、開口に保温座板5が設けられる。
【0054】
上記の保温座板5は、断熱作用を効果的に果たすことができ、保温蓋板3の熱量及び水蒸気がコイルモジュール2及び内蓋1の保温蓋板3から離れる側に設けられた部品に伝達することを効果的に回避し、内蓋1の保温蓋板3から離れる側に設けられたコイルモジュール2などの部品に対して保護作用を効果的に果たす。
【0055】
いくつかの実施例において、保温座板5に温度制御器22を延出させることに適する貫通孔が開設される。
【0056】
上記の温度制御器22は、コイルディスク21に設けられ、一端が保温座板5上の貫通孔を貫通し加熱板に当接する。
【0057】
保温蓋板3の熱量が上記の貫通孔を介してコイルモジュール2側に入ることを回避するために、保温座板5を温度制御器22に密閉して接続することができる。
【0058】
上記の保温座板5は、ガラス材質を選択することができ、ガラスは、良好な強度、耐久性、耐熱性を有する。ガラスが可視性を有するため、保温蓋板3が取り外されると、ユーザはコイルディスク21を直感的に見ることができる。
【0059】
具体的には、貫通孔内にシールリング7を設けることができ、シールリング7は、温度制御器22と保温座板5との間に当接する。
【0060】
いくつかの実施例において、保温蓋板3は、内蓋1に取り外し可能に接続される。保温蓋板3は、内鍋中の食材に直接的に接触することができるため、保温蓋板3を内蓋1に取り外し可能に接続することにより、保温蓋板3を洗浄しやすく、本装置の洗浄利便性を向上させる。
【0061】
いくつかの実施例において、コイルモジュール2の内蓋1から離れる側に磁気遮蔽板6が設けられる。磁気遮蔽板6を設けることにより交流コイル23が生じる磁界が調理器具の外に放射することを効果的に回避することができ、それによりユーザに対する電磁放射を回避し、調理器具の使用上の安全性を効果的に保証する。
【0062】
具体的には、蓋体は、面蓋をさらに含むことができ、面蓋が内蓋1に接続されて、面蓋と内蓋1との間に空間を形成させ、コイルモジュール2などの複数種類の部品は、いずれも当該空間内に設けられる。
【0063】
本開示の実施例は、上記の蓋体を含む調理器具をさらに提供する。
【0064】
本開示の実施例にて提供される調理器具は、上記蓋体を含む。蓋体の内蓋1の片側に凹部11が設けられ、蒸気弁4の少なくとも一部が凹部11内に配置され、コイルモジュール2が内蓋1の片側に設けられ、且つコイルモジュール2の中央部位置に温度制御器22が設けられ、温度制御器22のコイルモジュール2の中心から外れる側が蒸気弁4に近接して設けられる。調理器具の炊飯過程は、吸水段階と、急速加熱段階と、沸騰保持段階と、炊飯段階とを含み、上記の炊飯過程において、鍋中の蒸気は、蒸気弁4を介して鍋外に排出され、温度制御器22のコイルモジュール2の中心から外れる側を蒸気弁4に近接して設けることにより、温度制御器22が鍋中の蒸気の温度を測定することに有利であり、内釜に対する調理器具の加熱温度を調整するように、鍋内の温度を測定する正確性を向上させ、内釜の加熱温度を調整する正確性を向上させ、それにより調理器具の炊飯の品質を効果的に向上させる。
【0065】
なお、本明細書では、「第1」や「第2」などの関係性のある用語は、1つの実体又は動作を別の実体又は動作と区分するために使用されるものに過ぎず、必ずしもこれらの実体又は動作の間に実際にもこのような関係又は順番があることを求めたり、示唆したりするものではない。また、用語の「含む」、「包含する」又は他の任意の類似する用語は、非排他的な包括をカバーすることによって、一連の要素を含む過程、方法、物体又は機器はそれらの要素を含みだけではなく、明記していない他の要素をさらに含み、又はそのような過程、方法、物体若しくは機器に固有の要素をさらに含む。特に限定がない限り、文の「1つの…を含む」により定義される要素は、前記要素を含む過程、方法、物体又は機器に別の同じ要素がさらに存在することを排除しないものである。
【0066】
上述したのは、当業者が本開示を理解又は実現できるように、本開示の特定の実施形態を記載したものに過ぎない。それら実施例に対する様々な修正は、当業者にとって明らかなものであり、本明細書において定義される一般的な原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施例において実現できる。そのため、本開示は、本明細書に記載の実施例に限定されず、本明細書において開示される原理及び新規な特徴に一致する最大の範囲に適合するものである。
【符号の説明】
【0067】
1…内蓋
11…凹部
2…コイルモジュール
21…コイルディスク
22…温度制御器
23…交流コイル
3…保温蓋板
31…ボス
32…開孔
4…蒸気弁
5…保温座板
6…磁気遮蔽板
7…シールリング
8…シール用環状物
9…シール用環状物留め輪
10…シールカバー
【外国語明細書】