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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070795
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】圧力容器
(51)【国際特許分類】
   F17C 1/06 20060101AFI20240516BHJP
   F16J 13/10 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
F17C1/06
F16J13/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122754
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0150840
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523286440
【氏名又は名称】ドクサン エーテルシーティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ホ、ソク ボン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、サン ジン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ ソン
【テーマコード(参考)】
3E172
3J046
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD03
3E172CA12
3E172DA90
3J046AA07
3J046BA01
3J046BB10
3J046BC15
3J046CA01
3J046DA05
(57)【要約】
【課題】弾性材質の封止パッドを封止ナットで圧迫してノズルとライナーの接合箇所から流体が流出することを効果的に防止することができる圧力容器を提供する。
【解決手段】内部に流体が充填されるように中空形成されるライナーと、円筒状の締結部がライナーの内部に位置されるようにライナーの片側または両側端部に結合されるノズルと、締結部が中心を貫通して弾性材質で形成され、縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きに傾斜した傾斜封止部が形成されるリング状の封止パッドと、封止パッドの下部で締結部に締結される封止ナットと、を含む
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が充填されるように中空形成されるライナーと、
円筒状の締結部が前記ライナーの内部に位置されるように前記ライナーの片側または両側端部に結合されるノズルと、
前記締結部が中心を貫通して弾性材質で形成され、縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きに傾斜した傾斜封止部が形成されるリング状の封止パッドと、
前記封止パッドの下部で前記締結部に締結される封止ナットと、を含むことを特徴とする圧力容器。
【請求項2】
前記封止パッドと封止ナットとの間に具備され、前記締結部が中心を貫通し前記封止パッドより硬質で形成されるリング状の封止プレートをさらに含み、
前記封止プレートは、前記傾斜封止部に密着するように縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きに傾斜した傾斜支持部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記封止パッドは、前記傾斜封止部から内側に延びて水平に形成される第1の水平封止部と、前記傾斜封止部から外側に水平に延びる第2の水平封止部と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記傾斜封止部は、前記第1の水平封止部及び第2の水平封止部の厚さよりも厚く形成されることを特徴とする請求項3に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記封止プレートは、前記傾斜支持部から内側に延びて前記第1の水平封止部を支持するように水平に形成される第1の水平支持部と、前記傾斜支持部から外側に延びて前記第2の水平封止部を支持するように水平に形成される第2の水平支持部と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の圧力容器。
【請求項6】
前記封止パッドの内径が、前記封止プレートの内径よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の圧力容器。
【請求項7】
前記封止パッドの外径が前記封止プレートの外径よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の圧力容器。
【請求項8】
前記ノズルは、前記締結部の上部に拡径されたフランジ部が形成され、
前記フランジ部の下部には、前記ライナーの側壁から延びる延在部が形成され、
前記第1の水平封止部は前記ノズルに密着し、前記第2の水平封止部は前記延在部の下部に密着することを特徴とする請求項3に記載の圧力容器。
【請求項9】
前記延在部の端部には、前記ノズルとの結合力を強化するための係止爪が形成されることを特徴とする請求項8に記載の圧力容器。
【請求項10】
前記封止ナットの上面は、縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きの傾斜面が形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
【請求項11】
前記封止ナットは、前記ライナーの内部に貯蔵された流体の圧力が前記封止パッドまたは封止プレートに伝達されるように、貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の流体を貯蔵する圧力容器に関し、より詳しくは、弾性材質の封止パッドを封止ナットで圧迫してノズルとライナーの接合箇所から流体が流出することを効果的に防止することができる圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力容器は、酸素、天然ガス及び窒素などの各種流体を保管するために用いられるが、近年は環境に優しい水素電気車の燃料である水素を貯蔵する容器として用いられる。
【0003】
従来は、金属性材料でノズル及びライナーを製造し、ノズル及びライナーの外部に炭素繊維やガラス繊維を巻き取るか、または積層して製造した。しかし、従来の金属性ライナーとして製造される圧力容器は、金属の特性上、重量が重く、腐食に非常に弱いとともに製造コストも高いという問題が生じた。
【0004】
これを解決するために、合成樹脂を用いたプラスチックライナーを製造するようになり、プラスチックという特性上、金属材に比べて、重量を軽くして、耐腐食性を向上させることができた。
【0005】
従来の改善された圧力容器は、プラスチック材質のライナーを形成する。前記ライナーは、内部が中空である円筒状であり、両側には端面が曲面で形成されるドーム(Dome)状のショルダー部が具備される。
【0006】
また、前記ライナーの外周面に炭素繊維とガラス繊維を積層し、ガス排出のためのノズルが装着される。前記ノズルは前記ライナーに接合されるフランジ部が形成される。
【0007】
また、圧力に脆いショルダー部の強度を補強するための補強部が具備される。
【0008】
特に、前記圧力容器の耐火性能を向上させるために、ショルー部には耐火材50をコーティングする。前記耐火材は、前記圧力容器が火災に露出した時、圧力に最も脆弱なショルダー部の表面に塗布される。
【0009】
通常、前記耐火材は、バインダーとしてエポキシ樹脂を用いる。前記エポキシ樹脂は、耐候性に優れて前記圧力容器が火災に露出した時に爆発の危険を減少させる。
【0010】
図1は、プラスチック材質のライナー10に金属材ノズル60が結合された状態を示すものである。金属材ノズル60を設けた後、ライナー10を射出するための金型にノズル60を装着したままライナー10を射出成形することで、ライナー10にノズル60を結合させることである。
【0011】
しかし、プラスチック材質のライナー10と、金属材であるノズル60とは、材質の特性によって接合に不具合がある。つまり、圧力容器が高温と低温に繰り返し露出すると、ライナーとノズルとが接合箇所で分離されてライナーの内部に充填された流体が接合箇所から流出するという問題が発生する。このような問題は、内部に充填された流体が流出し、それが爆発して大型事故につながる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、弾性材質の封止パッドを封止ナットで圧迫してノズルとライナーとの接合箇所から流体が流出することを効果的に防止することができる圧力容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような技術的課題を解決するために、本発明による圧力容器は、内部に流体が充填されるように中空形成されるライナーと、円筒状の締結部が前記ライナーの内部に位置されるように前記ライナーの片側または両側端部に結合されるノズルと、前記締結部が中心を貫通して弾性材質で形成され、縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きに傾斜した傾斜封止部が形成されるリング状の封止パッドと、前記封止パッドの下部で前記締結部に締結される封止ナットと、を含む。
【0014】
また、前記封止パッドと封止ナットとの間に具備され、前記締結部が中心を貫通し前記封止パッドより硬質で形成されるリング状の封止プレートをさらに含み、前記封止プレートは、前記傾斜封止部に密着するように縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きに傾斜した傾斜支持部が形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記封止パッドは、前記傾斜封止部から内側に延びて水平に形成される第1の水平封止部と、前記傾斜封止部から外側に水平に延びる第2の水平封止部と、を含むことが好ましい。
【0016】
また、前記傾斜封止部は、前記第1の水平封止部及び第2の水平封止部の厚さよりも厚く形成されることが好ましい。
【0017】
また、前記封止プレートは、前記傾斜支持部から内側に延びて前記第1の水平封止部を支持するように水平に形成される第1の水平支持部と、前記傾斜支持部から外側に延びて前記第2の水平封止部を支持するように水平に形成される第2の水平支持部と、を含むことが好ましい。
【0018】
さらに、前記封止パッドの内径が、前記封止プレートの内径よりも大きいことが好ましい。
【0019】
なお、前記封止パッドの外径が前記封止プレートの外径よりも小さいことが好ましい。
【0020】
また、前記ノズルは、前記締結部の上部に拡径されたフランジ部が形成され、前記フランジ部の下部には、前記ライナーの側壁から延びる延在部が形成され、前記第1の水平封止部は前記ノズルに密着し、前記第2の水平封止部は前記延在部の下部に密着することが好ましい。
【0021】
一方、前記延在部の端部には、前記ノズルとの結合力を強化するための係止爪が形成されることが好ましい。
【0022】
また、前記封止ナットの上面は、縦断面が前記ノズルの中心方向に下向きの傾斜面が形成されることが好ましい。
【0023】
また、前記封止ナットは、前記ライナーの内部に貯蔵された流体の圧力が前記封止パッドまたは封止プレートに伝達されるように、貫通孔が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、弾性材質の封止パッドを封止ナットで圧迫してノズルとライナーとの接合箇所から流体が流出することを効果的に防止することができる。
【0025】
また、封止パッドと封止ナットとの間に封止プレートを具備して封止パッドを均一に加圧することができる。
【0026】
特に、封止パッドの縦断面がノズルの中心方向に行くほど下向きになるように形成することで、ノズルとライナーとの接合箇所における流体の漏れ発生を効果的に防止することができる。
【0027】
さらに、封止パッドは、封止プレートよりも内径を大きく形成し、外径はより小さく形成して封止ナットの締結によって封止パッドを厚さ方向に圧迫して長さが伸びることができる空間を付与することで効果的に封止することができる。
【0028】
また、封止ナットに貫通孔を形成することで、流体の圧力が封止プレートを圧迫して封止パッドをノズルとライナーとの接合箇所に強い圧力で密着させて封止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、従来の圧力容器の構成を説明するための概路図である。
図2図2は、本発明による実施形態の全体的な様子を示した図である。
図3図3は、本発明による実施形態の主要構成を説明するために示した図である。
図4図4は、本発明による実施形態の主要構成を説明するために示した図である。
図5図5は、本発明による実施形態の主要構成を説明するために示した図である。
図6図6は、本発明による実施形態の作用を説明するために示した図である。
図7図7は、本発明による他の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明による実施形態の構成及び作用を具体的に説明する。
【0031】
図2図5を参照すると、本発明による圧力容器100は、合成樹脂材や弾性重合体材のライナー110を含む。前記ライナー110は、中空の円筒部111と、該円筒部111の両側に端面が曲面で形成されるドーム(Dome)状のショルダー部112とが形成される。前記ライナー100は内部に流体が充填されるように中空形成される。
【0032】
前記ライナーには流体が出入りするノズル150が結合される。前記ノズル150は、通常、アルミニウム、黄銅、鋼またはニッケル合金のような金属で形成するのが一般的であるが、場合によって、非金属材料で形成してもよい。前記ノズル150は、流体が出入りするように円筒状の通孔151が形成されており、前記ライナー110との接合のために拡径されるフランジ部152が形成され、前記フランジ部152の下部には、外周面にねじ山が形成された締結部153を含む。
【0033】
前記締結部153は、前記ライナー110の内部に位置付けられ、前記ライナー110は、前記フランジ部152の上部および下部に接合される。
【0034】
具体的に説明すると、合成樹脂材のライナー110を射出成形する際に金型に前記ノズル150をインサート成形して一体的に形成されることができる。前記ノズル150は、前記ライナー110の一端または両端に具備されることができる。
【0035】
特に、前記フランジ部152の上部にライナー110の側壁が一体的に射出成形される。接触面を広くするために、前記フランジ部152にはライナー110を成形するための樹脂が流入するように溝が形成される。
【0036】
また、前記ライナー110は、側壁で前記フランジ部152の下部に水平または水平に近接するように直線状に延びる延在部113が形成され、前記延在部113の端部は係止爪114が形成される。したがって、圧力容器の内部に高圧の流体が充填されて内部圧力が高くなる場合、ライナーが膨脹されてノズルと分離されることがあるが、前記係止爪114がノズル150とライナー110との分離を防止するものである。
【0037】
また、前記通孔151の内周面にもねじ山が形成されているが、これは流体を供給または排出するための配管(図示せず)が締結されるためのものである。
【0038】
また、前記ライナー110の外周面に炭素繊維またはガラス繊維など複合素材を巻き取って積層することで保護層(図示せず)を形成することが好ましい。
【0039】
図3及び図6を参照すれば、本発明による圧力容器100は、前記ノズル150とライナー110との接合箇所、特に、フランジ部152と延在部113との接合箇所における流体の流出を防ぐための構成であって、前記締結部153を取り囲む封止パッド120と、封止プレート130と、封止ナット140と、を含む。
【0040】
より具体的には、前記封止パッド120は、前記ノズル150と延在部113との接合箇所に密着して封止できるように弾性材質で形成され、前記締結部153が中心を貫通するようにリング状に形成される。すなわち、前記封止パッド120が締結部153を取り囲むように位置されるものである。
【0041】
前記封止パッド120は、全体的にリング状に形成されるが、前記ノズル150と延在部113との連結部分に密着できるように傾斜面を持つように折曲形成される。具体的に説明すると、前記封止パッド120は、一端122が前記締結部153または締結部の上部に密着して上面が前記ノズルの突設部154に密着する第1の水平封止部123と、前記第1の水平封止部123から外側へ行くほど上向きに傾くように形成されて前記突設部154と延在部113との接合箇所に密着する傾斜封止部124と、前記傾斜封止部124から外側へ水平に延びて前記延在部113の下部に密着する第2の水平封止部125とを含むことが好ましい。
【0042】
なお、前記突設部154は前記第1の水平封止部123および傾斜封止部124にそれぞれ密着するように前記締結部153の上部から外側に突出形成される。
【0043】
また、前記傾斜封止部124の厚さ(図6の「d2」)は、前記第1の水平封止部123及び第2の水平封止部125の厚さよりも厚く形成されていることが分かる。このように傾斜封止部124を一層厚く形成した理由は、封止パッド120が上方に押圧されて突設部154及び延在部113に密着する時、相対的に両側端部である第1の水平封止部123および第2の水平封止部125は上方に密着するが、その間に介在する傾斜封止部124は、浮き立つことがあるからである。このように封止パッド120の中間である傾斜封止部124が浮き立つことなく突設部154及び延在部113の連結部分に強固に密着できるように肉厚に形成したものである。
【0044】
前記封止プレート130は、前記封止パッド120を下部から支持し、封止ナット140の締結によって封止パッド120が圧迫する時に押圧力を均一に伝達させるためのものである。
【0045】
前記封止プレート130は、金属材質など、封止パッドよりも硬質材質で形成され、中心が開口されたリング状に形成される。前記封止プレート130は、前記締結部153が中心を貫通するようにリング状に形成されるが、一端132が前記締結部153に接するか、または近接する第1の水平支持部133と、前記第1の水平支持部133から外側へ上向きに傾斜する傾斜支持部134と、前記傾斜支持部134から外側へ水平に延びる第2の水平支持部135と、を含むことが好ましい。
【0046】
すなわち、前記封止プレート130は、前記第1の水平封止部123と、傾斜封止部124と、第2の水平封止部125をそれぞれ支持する第1の水平支持部133と、傾斜支持部134と、第2の水平支持部135と、を含んでなる。
【0047】
前記封止パッド120と異なり、前記封止プレート130は、第1の水平支持部133と、傾斜支持部134と、第2の水平支持部135の厚さが同一に形成される。すなわち、厚さが同一な金属プレートを2回折り曲げて形成する。
【0048】
前記封止パッド120および封止プレート130は、円形状の内径面に直線部120a、130aが形成されている。これと対応して前記ノズルの締結部153も外径面に直線部(図示せず)が形成される。したがって、前記締結部153に前記封止パッド120および封止プレート130を装着する時、前記直線部120a、130aに合わせて装着しなければならない。このように装着された状態で前記封止ナット140を回転して締結するとき、これら前記直線部120a、130aによって前記封止パッド120および封止プレート130が回転することを防止することができる。
【0049】
前記封止ナット140は、内周面にねじ山141が形成されて外周面にねじ山が形成された締結部153に螺合される構成要素である。
【0050】
前記封止ナット140が締結部153に締結されながら上方に移動すると、前記封止プレート130および封止パッド120を上向きに圧迫するようになる。
【0051】
したがって、前記封止ナット140を締結することによって封止パッド120を上向きに圧迫して、締結部153と、ノズル150の突設部154と延在部113との接合箇所に密着させることで流体の流出が防止されるように封止することである。
【0052】
前記封止ナット140は、貫通孔142が形成されてもよい。したがって、ライナー110の内部に高圧の流体が充填されれば、流体が貫通孔142に流入して封止プレート130を流体の圧力で押し付けるようになり、封止パッド120を締結部153と、突設部154と延在部113との接合箇所に密着させて封止するようになる。
【0053】
尚、前記第1の水平支持部133は、前記第1の水平封止部123よりも内側に一層突出する(図3図6の(a)と(b)参照)。つまり、前記封止パッド120の内径が前記封止プレート130の内径よりも大きいことが好ましい。
【0054】
これにより、前記ライナー110の内部において、前記締結部153に封止パッド120および封止プレート130を装着して封止ナット140で押圧する前の状態であれば、前記封止プレートの一端132は、前記締結部153に接するか、または近接するようになるが、前記封止パッドの一端122と締結部153との間には微細な隙間が形成される。
【0055】
封止ナット140が締結部153に締結されて上方に移動するに伴い、弾性材質の封止パッド120が圧縮されて第1の水平封止部123の厚さは薄くなる代わりに長さが伸びる。このように封止パッド120の長さが伸張されることができるように空間のマージンを与えたものである。その結果、封止ナット140が圧迫する前には締結部153と封止パッド120の一端122との間に隙間が形成されるが、封止ナット140が締結部153に締結されて封止パッド120を圧迫すると、前記隙間が埋め込まれながら締結部153に封止パッドの一端122が密着されながら前記隙間を埋め込むとともに封止されるようになる。したがって、部品の製造段階では、前記封止パッド120の内径が前記封止プレート130の内径よりも大きく形成されるが、封止ナット140までも締結された圧力容器100の完成品では、前記封止パッド120の内径面が前記締結部153に密着していることから、封止パッドの一端122は封止プレートの一端132と同一垂直線上にあるか、若しくは封止プレートの一端132よりも奥側に位置される(図6の(c)参照)。
【0056】
また、前記第2の水平支持部135は、前記第2の水平封止部125よりも外側にさらに突出する(図6の「d1」参照)。すなわち、前記封止パッド120の外径が前記封止プレート130の外径よりも小さいことが好ましい(図6の(a)と(b)参照)。
【0057】
前記封止ナット140が封止パッド120を圧迫すれば、弾性材質の第2の水平封止部125も伸びて封止パッド120の他端121が封止プレートの他端131と等しいかまたは近似する長さに伸びる(図6の(c)参照)。
【0058】
完成品において、前記封止ナット140が締結されて封止パッド120を圧迫しても、封止パッドの他端121が封止プレートの他端131を超えて突出しないようにすることが好ましい。
【0059】
もし、封止パッド120および封止プレート130の外径を同一に形成すると、封止パッドの他端121と封止プレートの他端131とが同一垂直線上に位置するようになるが、この状態で、封止ナット140が圧迫して封止パッド120が伸びることで、封止パッドの他端121が封止プレートの他端131よりも外側に位置するようになる(図6(d)参照)。
【0060】
このように封止パッドの他端121が封止プレートの他端131よりも外側に位置すると封止パッドの他端121は下部から支持されず、上向きに押圧する押圧力も伝達されなくなる。このため、封止パッドの他端121は、封止プレートによって支持されることができなく微細な垂れが生じる恐れがあり、垂れが生じた個所と延在部113との間の空間へ流体が流出するという問題が発生する。
【0061】
結論的に、封止ナット140を締結して封止パッド120を圧迫しても封止パッドの他端121が封止プレートの他端131を外側へ外れることがないように空間的マージンを形成するためには、前記封止パッド120の外径が前記封止プレート130の外径よりも小さく形成するのが好ましい。
【0062】
このように、本発明による圧力容器100は、封止ナット140を締結部153に締結することで物理的に弾性材質の封止パッド120を押圧して封止し、また、ライナー110に流体を充填した後、封止ナット140に形成された貫通孔142を介した流圧で封止パッド120を押圧して封止する二重シール構造である。
【0063】
本発明の圧力容器100は、前述の実施形態と異なり、封止ナットに貫通孔142を形成しない実施形態も可能である。
【0064】
さらに、本発明は、封止プレート130が排除された実施形態も可能である。具体的に説明すると、締結部153に装着される封止パッド120と、前記封止パッド120の下部において、前記締結部153に螺合される封止ナット140とで構成されるものである。この場合、封止ナット140が直接弾性材質の封止パッド120を押圧して延在部113及び締結部153に封止パッド120を密着させて封止するものであり。この場合も、封止ナット140に貫通孔142を形成すると、貫通孔142に流入した流体が前記封止パッド120を直接的に高圧で延在部113及び締結部153に密着させて流体の流出を阻止する。
【0065】
図7は、本発明の他の実施形態を示す図である。図示のように、封止パッド120の第1の水平封止部123および第2の水平封止部125の端部が厚く形成されていることが分かる。このように形成すると、前記封止ナット140が封止パッド120を上向きに圧迫する時、図6に示された実施形態に比べて、第1の水平封止部123がさらに圧縮されて締結部153に一層密着するようになる。
【0066】
同様に、前記封止ナット140が封止パッド120を上向きに圧迫する際に、図6に示された実施形態に比べて、第2の水平封止部125がさらに圧縮されて延在部113に一層密着されるようになる。
【符号の説明】
【0067】
100 圧力容器
110 ライナー
120 封止パッド
130 封止プレート
140 封止ナット
150 ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7