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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070811
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】半導体構造及び半導体構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/861 20060101AFI20240516BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240516BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
H01L29/91 C
H01L29/91 A
H01L29/91 K
H01L29/86 301M
H01L29/86 301D
H01L29/91 F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/44 Y
H01L29/48 D
H01L29/48 E
H01L21/88 T
H01L21/20
H01L29/06 301S
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138618
(22)【出願日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】202211408804.6
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523274056
【氏名又は名称】湖南三安半導体有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭志高
(72)【発明者】
【氏名】陶永洪
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F152
【Fターム(参考)】
4M104AA03
4M104BB05
4M104BB13
4M104BB14
4M104BB16
4M104BB17
4M104BB18
4M104BB30
4M104CC01
4M104CC03
4M104DD37
4M104DD96
4M104EE06
4M104EE12
4M104EE18
4M104FF10
4M104FF35
4M104GG02
4M104GG03
4M104GG18
4M104HH18
5F033GG01
5F033GG03
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH14
5F033KK03
5F033KK07
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5F033KK21
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5F033KK33
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5F033QQ11
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5F033RR06
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5F033SS22
5F033TT04
5F033VV07
5F033WW00
5F033WW01
5F033XX17
5F033XX19
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5F152LL04
5F152LL05
5F152LL07
5F152LL08
5F152LL09
5F152LL10
5F152MM02
5F152NN03
5F152NN05
5F152NN13
5F152NQ02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デバイスの抗湿気能力が向上する半導体構造を提供する。
【解決手段】半導体構造100は、基板110と、基板110に設置されている半導体エピタキシャル層120と、半導体エピタキシャル層120内の活性区域121及び終端区域123と、半導体エピタキシャル層120に設置されているフィールド酸化層130と、活性区域121から一部のフィールド酸化層130に延伸するように設置されており、且つ、頂壁面142と、フィールド酸化層130に接続している側壁面143と、側壁面143と頂壁面142との間を連接している連接面144と、を含むアノード層140と、フィールド酸化層13及び連接面144を覆うよう側壁面143に沿って延伸するように設置されているパッシベーション層150と、を含み、連接面144は、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設置されている半導体エピタキシャル層と、
前記半導体エピタキシャル層内に設置されている活性区域及び終端区域と、
前記活性区域の周縁から前記終端区域へ延伸するように前記半導体エピタキシャル層に設置されているフィールド酸化層と、
前記活性区域から一部の前記フィールド酸化層に延伸するように設置されており、且つ、前記活性区域と反対する側にある頂壁面と、前記フィールド酸化層に接続している側壁面と、前記側壁面と前記頂壁面との間を連接している連接面と、を含むアノード層と、
前記フィールド酸化層を覆いながら少なくとも前記連接面を覆うよう前記側壁面に沿って延伸するように設置されているパッシベーション層と、を含み、
前記連接面は、前記アノード層の前記側壁面と前記頂壁面との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成されている、ことを特徴とする半導体構造。
【請求項2】
前記アノード層の前記側壁面は、前記フィールド酸化層から前記活性区域へ傾斜するように延伸する斜面状になっている、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記連接面は、前記頂壁面と接続している第1の点と、前記側壁面と接続している第2の点と、を含み、
前記第1の点が前記半導体エピタキシャル層から前記基板へ向かう方向に沿って前記半導体エピタキシャル層の前記基板と反対する側にある表面に投影される点を、第3の点とすると、
前記第3の点と前記第2の点とを連接する線と、前記第3の点と前記第1の点とを連接する線との成す角である第1の角度は、5°を超える、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記第1の角度は、45°未満である、ことを特徴とする請求項3に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記第1の角度は、15°~30°の範囲内にある、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記アノード層の前記側壁面と、前記フィールド酸化層の前記終端区域と反対する側にある頂面との成す角である第2の角度は、30°~60°の範囲内にある、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記フィールド酸化層は、前記活性区域に近接する側面と、前記終端区域と反対する側にある頂面と、を含み、
前記フィールド酸化層の前記頂面は、前記終端区域の前記フィールド酸化層が設置されている表面と平行し、
前記フィールド酸化層の前記側面は、前記活性区域の周縁から前記終端区域へ傾斜する、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記アノード層は、前記フィールド酸化層の前記頂面の少なくとも一部を覆っている、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記アノード層において前記フィールド酸化層の前記頂面を覆っている部分の、前記活性区域から前記終端区域に向かう第1の方向における延伸長さは、0μm~50μmである、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記フィールド酸化層の前記側面と前記終端区域の前記表面との成す角である第3の角度は、30°~60°の範囲内にある、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記アノード層の前記頂壁面には、凹部が設置されており、
前記凹部の周縁と前記アノード層の前記側壁面とは、接合部により連接されており、
前記接合部の少なくとも一部は、前記連接面である、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記接合部の全体が、前記連接面である、ことを特徴とする請求項11に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記接合部は、前記連接面及び一部の前記頂壁面により構成されており、
前記パッシベーション層は、前記アノード層の前記側壁面を覆いながら前記接合部を覆うように前記接合部に延伸する、ことを特徴とする請求項11に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記パッシベーション層が前記接合部を覆っている部分の長さは、2μm~100μmである、ことを特徴とする請求項13に記載の半導体構造。
【請求項15】
前記パッシベーション層の全体を覆いながら前記アノード層の前記頂壁面の一部に延伸して覆うように設置されている保護層を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体構造。
【請求項16】
基板と、前記基板に設置されている半導体エピタキシャル層と、前記半導体エピタキシャル層内に設置されている活性区域及び終端区域と、前記活性区域の周縁部から前記終端区域へ延伸するように前記半導体エピタキシャル層に設置されているフィールド酸化層と、を含むベース構造を提供するステップaと、
前記活性区域及び前記フィールド酸化層にアノード層を形成するステップであって、前記アノード層は、前記活性区域から一部の前記フィールド酸化層に延伸するように設置されており、且つ、前記アノード層は、前記活性区域と反対する側にある頂壁面と、前記フィールド酸化層に接続している側壁面と、前記側壁面と前記頂壁面との間を連接している連接面と、を含み、前記連接面は、前記アノード層の前記側壁面と前記頂壁面との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成されるステップbと、
前記フィールド酸化層及び前記アノード層にパッシベーション層を形成するステップであって、前記パッシベーション層は、前記フィールド酸化層を覆いながら少なくとも前記連接面を覆うよう前記側壁面に沿って延伸するように設置されるステップcと、を含む、ことを特徴とする半導体構造の製造方法。
【請求項17】
前記ステップaにおいて、
前記基板に前記半導体エピタキシャル層を形成するステップa-1と、
前記半導体エピタキシャル層に対して、注入技術を使用して前記活性区域及び前記終端区域を形成するステップであって、前記活性区域及び前記終端区域は、前記半導体エピタキシャル層内から、前記基板の前記半導体エピタキシャル層が形成されている表面から離れるように延伸するステップa-2と、
前記半導体エピタキシャル層に前記フィールド酸化層を形成するステップa-3と、
前記フィールド酸化層をエッチングして前記活性区域を露出させる第1のウィンドウを形成するステップa-4と、を含む、ことを特徴とする請求項16に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項18】
前記ステップbにおいて、
前記フィールド酸化層及び前記半導体エピタキシャル層に金属層を形成するステップb-1と、
前記金属層にフォトレジストを塗布するステップb-2と、
前記金属層から前記活性区域に向かって傾斜する予定の角度で前記フォトレジストを露光して現像し、前記予定の角度で傾斜するフォトレジスト層を形成するステップb-3と、
前記金属層をエッチングして前記アノード層を形成するステップb-4と、を含む、ことを特徴とする請求項16に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項19】
前記予定の角度は、30°~60°の範囲内にあり、
前記ステップb-4において、
前記フォトレジスト層の周縁に沿ってエッチングして、前記フィールド酸化層の前記終端区域と反対する側にある頂面との成す角が30°~60°の範囲内にある前記アノード層の側壁面を形成することを含む、ことを特徴とする請求項18に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項20】
前記ステップb-4において、
前記フォトレジスト層の周縁に沿ってエッチングして、前記アノード層を形成し、
前記アノード層は、前記活性区域から前記フィールド酸化層の前記終端区域と反対する側にある頂面に延伸するように該頂面に設置し、且つ、
前記アノード層において前記フィールド酸化層の前記頂面に設置される部分の、前記活性区域から前記終端区域に向かう第1の方向における延伸長さが0μm~50μmであることを特徴とする請求項18に記載の半導体構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体技術領域に関し、具体的には半導体構造及び半導体構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素は、重要な第3世代半導体材料として、高いバンドギャップ(band gap)、高い臨界破壊電場(critical breakdown electric field)、高い熱伝導率などの利点がある。従って、炭化ケイ素パワーデバイス(SiC power device)は、従来のケイ素パワーデバイス(Si power device)と比べて、より高い破壊電圧(breakdown voltage)、より速いスイッチング速度(switching speed)、より高い作動温度などの利点がある。炭化ケイ素ダイオードの技術の成熟に伴って、応用領域もより広くなっており、光起電インバータ(photovoltaic inverter)、車載型充電器(on board charger)、通信電源(communication power supply)などの領域が含まれる。
【0003】
応用領域によって、デバイスに対する信頼性の要求が異なり、例えば海沿いの地域や、高温、高塩、高湿環境においては、デバイスに対する高温高湿逆バイアス試験(High Temperature and High Humidity Reverse Bias、H3TRB)の要求が特別になり、従来のケイ素パワーデバイスのAEC-Q101(Automotive Electronics Council-Q101)の標準より厳しい。
【0004】
今のパワーデバイスは、酸化ケイ素窒化ケイ素積層構造(laminated construction)または酸窒化ケイ素パッシベーション層を介して湿気の浸食を防止する。しかし、実際の作動中にはデバイスが常に高温と低温の循環を経ることが多く、例えば特許文献1に開示されている通りであり、且つ、従来のエッチング技術は、例えば非特許文献1に開示されているように、ケイ素シートの表面に直交する方向に沿ってのみエッチングが行われ、エッチングされた構造は常に垂直の削り面になる。
【0005】
従って、パッシベーション層または材料層はエッチングされた金属の曲がり角部分において、応力が集中する現象が生じやすく、割れ目が生じて、高い電場の作用により割れ目を通した湿気の出入りが加速し、それによりデバイスが故障する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第113451416号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Michael Quirk、Julian Serda著、韓鄭生中国語訳、「半導体製造技術 (原題: Semiconductor Manufacturing Technology)」(中国)、p400-420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、金属層の曲がり角に位置する部分において応力が集中して割れ目が生じる問題を減少し、デバイスの抗湿気能力が向上する半導体構造及び半導体構造の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明は、
基板(substrate)と、
前記基板に設置されている半導体エピタキシャル層(epitaxial layer)と、
前記半導体エピタキシャル層内に設置されている活性(active)区域及び終端(termination)区域と、
前記活性区域の周縁から前記終端区域へ延伸するように前記半導体エピタキシャル層に設置されているフィールド酸化(field oxide)層と、
前記活性区域から一部の前記フィールド酸化層に延伸するように設置されており、且つ、前記活性区域と反対する側にある頂壁面と、前記フィールド酸化層に接続している側壁面と、前記側壁面と前記頂壁面との間を連接している連接面と、を含むアノード(anode)層と、
前記フィールド酸化層を覆いながら少なくとも前記連接面を覆うよう前記側壁面に沿って延伸するように設置されているパッシベーション層(passivation layer)と、を含み、
前記連接面は、前記アノード層の前記側壁面と前記頂壁面との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成されている、ことを特徴とする半導体構造を提供する。
【0010】
また、本発明は、
基板と、前記基板に設置されている半導体エピタキシャル層と、前記半導体エピタキシャル層内に設置されている活性区域及び終端区域と、前記活性区域の周縁部から前記終端区域へ延伸するように前記半導体エピタキシャル層に設置されているフィールド酸化層と、を含むベース構造を提供するステップaと、
前記活性区域及び前記フィールド酸化層にアノード層を形成するステップであって、前記アノード層は、前記活性区域から一部の前記フィールド酸化層に延伸するように設置されており、且つ、前記アノード層は、前記活性区域と反対する側にある頂壁面と、前記フィールド酸化層に接続している側壁面と、前記側壁面と前記頂壁面との間を連接している連接面と、を含み、前記連接面は、前記アノード層の前記側壁面と前記頂壁面との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成されるステップbと、
前記フィールド酸化層及び前記アノード層にパッシベーション層を形成するステップであって、前記パッシベーション層は、前記フィールド酸化層を覆いながら少なくとも前記連接面を覆うよう前記側壁面に沿って延伸するように設置されるステップcと、を含む、ことを特徴とする半導体構造の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供する半導体構造及び半導体構造の製造方法は、半導体構造のアノード層の側壁面の上方曲がり角、即ち側壁面と頂壁面との連接面をアーチ形にすることにより、アノード層の側壁面と頂壁面との間が、尖った部分及びその他の障害となる部分がないようにスムーズに連接され(なお、本願明細書及び特許請求の範囲における「スムーズに連接される」とは、「尖った部分及びその他の障害となる部分がないようにスムーズに連接される」ことを意味する)、よって、傾斜角度が急遽に変化することを避けて、パッシベーション層における側壁面の上方曲がり角に位置する部分に応力が集中することの発生を避けることができて、デバイスの信頼性が大きく向上する。従来技術と比べて、本発明が提供する半導体構造は、アノード層の側面が急であることにより応力が曲がり角に集中して生じる割れ目問題を減少し、デバイスの抗湿気能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本出願の実施例の技術方案をはっきり説明するために、以下、実施例において使用される図面を簡単に説明する。以下の図面は、本出願のいくつかの実施例を示すに過ぎず、範囲を限定するものではなく、本技術分野における通常の知識を有する者にとって、創造性の手間をかけなくても、これらの図面に従って他の関連する図面を取得することもできることを理解されたい。
図1】本発明の実施例の半導体構造を示す図である。
図2】本発明の一部の実施例の半導体構造を示す図である。
図3】本発明の一部の実施例の半導体構造を示す図である。
図4】本発明の一部の実施例のSBD型半導体構造を示す図である。
図5】本発明の一部の実施例の半導体構造を示す図である。
図6】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図7】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図8】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図9】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図10】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図11】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図12】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
図13】本発明の実施例の半導体構造の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願の実施例の目的、技術方案、及び利点をより明確に説明するために、以下、本発明の実施例の添付図面を組み合わせて、本出願の実施例における技術方案に対して明確且つ完全に説明する。説明する実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことが明らかであろう。通常、添付図面に描きまた示す本出願の実施例の部品は各種異なる配置で布置及び設計することができる。
【0014】
従って、以下、添付図面中に提供した本出願の実施例の詳細説明は、本出願の保護範囲に対していかなる制限も構成せず、単に本出願の選択された実施例を示すのみである。本出願の実施例に基づき、当業者が創造性のある働きをしないことを前提として得られるすべての他の実施例は、本出願に係る請求の範囲に属する。
【0015】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合には、参照数字または参照数字の末端部分が、対応するまたは類似する要素を示すために図間で繰り返されており、これらは任意に同様の特性を有することができることに留意されたい。
【0016】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」などの方位や位置関係を示す用語は、より簡単且つ明瞭に説明するために、図面に示される方位や位置関係、または本発明の製品を使用する際に習慣的に置かされる方位や位置関係に基づくものであり、対応する装置やデバイスが特定の方位、特定の方位における構造や操作などを有することを教示または示唆することではなく、本発明に対する限定ではない。
【0017】
また、本発明の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、ただ区別を目的として使用され、相対的な重要性を教示または示唆するものではない。
【0018】
本発明は、新しい半導体構造及び半導体構造の製造方法を提供し、矛盾しない場合、本発明の各実施例の特徴は組み合わせることができる。
【0019】
図1及び図2に示されるように、本発明の実施例は、半導体構造100を提供する。半導体構造100は、フォトリソグラフィ(photolithography)及びエッチングの条件の最適化を通して、例えば、フォトリソグラフィ及びドライエッチングの条件の最適化を通して、アノード層140の曲がり角をより緩くさせて、アノード層140が急であることにより応力が曲がり角に集中して生じる割れ目問題を減少し、デバイスの抗湿気能力が向上する。
【0020】
本実施例は、基板110と、半導体エピタキシャル層120と、フィールド酸化層130と、アノード層140と、パッシベーション層150とを含む半導体構造100を提供する。半導体エピタキシャル層120は、基板110に設置されている。且つ、半導体エピタキシャル層120内には、活性区域121及び終端区域123が設置されている。活性区域121及び終端区域123は、半導体エピタキシャル層120内から、基板110の半導体エピタキシャル層120が形成されている表面(頂面)から離れるように延伸する。フィールド酸化層130は、活性区域121の周縁から終端区域123へ延伸するように半導体エピタキシャル層120に設置されている。アノード層140は、活性区域121から一部のフィールド酸化層130に延伸するように設置されている。即ち、アノード層140は、フィールド酸化層130に設置されている。且つ、アノード層140は、活性区域121と反対する側にある頂壁面142と、フィールド酸化層130に接続している側壁面143と、連接面144とを含む。アノード層140の側壁面143とアノード層140の頂壁面142との間は連接面144により連接されている。連接面144は、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成される。パッシベーション層150は、フィールド酸化層130を覆いながら少なくとも連接面144を覆うよう側壁面143に沿って延伸するように設置されている。
【0021】
なお、実際の作動中には、デバイスが常に高温と低温の循環の過程を経るので、パッシベーション層、アノード層及び保護層それぞれの熱膨張係数が異なることから、剪断力(shear force)が大きすぎてパッシベーション層が断裂し、特にアノード層の曲がり角(即ち連接面144に対応する部分)にあるパッシベーション層が応力集中により断裂しやすく、また、この断裂による割れ目を通して、高い電場の作用により湿気の出入りが加速し、それによりデバイスが故障する。
【0022】
本実施例は、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間のアーチ形の連接面144により、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接され、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間の角度が急遽に変化することにより上方にあるパッシベーション層150の曲がり角に位置する部分に応力が集中することの発生を減少することができて、湿気がデバイス内部に進入することによるデバイスの故障を減少する。
【0023】
パッシベーション層150は、フィールド酸化層130を覆いながら連接面144を覆うよう延伸するように設置されているので、パッシベーション層150がアノード層140を覆う範囲を制限できて、熱膨張による割れ目を抑え、デバイスの抗湿気能力が更に向上する。
【0024】
また、従来技術のように、パワーデバイスが酸化ケイ素や窒化ケイ素積層構造または酸窒化ケイ素パッシベーション層を介して湿気の浸食を防止することと比べて、本発明は、アノード層自身の曲がり角構造を変更するのみで、特許文献1に開示されている緩衝材料層を追加するなどの方法が必要なく、従って、本発明は、パッシベーション層の応力集中を減少するだけでなく、デバイスの層構造を減少することができて、デバイスのパッケージ(package)高さが減り、デバイスの小型化設計に利する。
【0025】
側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接されるので、パッシベーション層150を堆積する際、パッシベーション層150の上方延伸に有利であり、それにより、アノード層140上方にあるパッシベーション層150の這い上り問題の解決に有利であり、パッシベーション層150の成形品質がより優れ、デバイスの信頼性が向上する。
【0026】
一部の実施例において、図3に示されるように、アノード層140の頂壁面142には、凹部141aが設置されている。凹部141aの周縁とアノード層140の側壁面143とは、接合部146により連接されている。接合部146の一部は、連接面144である。
【0027】
フィールド酸化層130は、半導体エピタキシャル層120に設置されており、且つ、活性区域121を露出させる第1のウィンドウ131が形成されている。
【0028】
例えば、アノード層140において、第1のウィンドウ131の周縁に対応する部分に突起部141が形成され、凹部141aは両側の突起部141の間に形成されている。アノード層140の側壁面143は、突起部141からフィールド酸化層130に延伸し、且つ、突起部141の表面とアノード層140の側壁面143とが接合する部分は、上記の接合部146である。パッシベーション層150は、側壁面143を覆いながら突起部141を覆うように突起部141に延伸する。
【0029】
一部の実施例において、図1及び図4に示されるように、凹部141aの周縁とアノード層140の側壁面143とは、接合部146により連接されている。接合部146は、アーチ形の連接面144であり得る。
【0030】
他の一部の実施例において、接合部146は、一部が連接面144であり、他の部分がアノード層140の頂壁面142の一部である。即ち、アノード層140の頂壁面142は、凹部141aと、接合部146において連接面144を除いた残りの部分とを含む。
【0031】
他の一部の実施例において、図1図3及び図4に示されるように、パッシベーション層150は、アノード層140の側壁面143を覆いながら、接合部146を覆うように接合部146に延伸する。
【0032】
他の一部の実施例において、図1及び図3に示されるように、活性区域121から終端区域123に向かう第1の方向T1においてパッシベーション層150が接合部146を覆っている部分の長さは、2μm~100μmの範囲内にある。即ち、パッシベーション層150のアノード層140の接合部146における接合幅範囲(即ち、上記の長さ)は、2μm~100μmの範囲内にある。
【0033】
ここでパッシベーション層150におけるアノード層140の接合部146を覆う接合幅とは、パッシベーション層150とアノード層140とが接合される部分の表面の幅を指し、即ちアノード層140においてパッシベーション層150を堆積するための部分表面の幅である。もちろん、接合幅は、パッシベーション層150の、連接面144と側壁面143とを接続する部分(即ち、図1中のアーチ形の連接面144と傾斜直線の側壁面143とを接続する部分である)から、接合部146(即ち連接面144)と傾斜直線の頂壁面142とが接続する部分に延伸する長さとして解してもよい。
【0034】
例えば、パッシベーション層150のアノード層140の接合部146を覆っている接合幅は、50μmとすることができる。
【0035】
上記の実施例において、パッシベーション層150がアノード層140の接合部146に延伸して覆うように設置されており、且つ、一定の接合幅を設定することにより、パッシベーション層150の覆う範囲が広すぎことを避けて、更に異なる材料の間の熱膨張係数が異なることにより剪断力が大きすぎてパッシベーション層150に割れ目が生じる問題を抑える。
【0036】
本実施例の突起部141は、アノード層140の頂壁面142の周縁区域に設置され、且つ、アノード層140の頂壁面142及び側壁面143は、接合部146により連接されており、接合部146は、全体がアーチ形とすることができ、即ち、図1に示されるように、連接面144がアーチ形になり且つ頂壁面142及び側壁面143に直接に接続している。
【0037】
他の一部の実施例において、図3に示されるように、接合部146は、連接面144及び過渡面を含むことができ、連接面144をアーチ形とし、該過渡面を平面状とし、即ち、パッシベーション層150は、アーチを通過した後、該過渡面で緩やかになり、この過渡面は、接合部146において連接面144を除いた残りの部分であり、またはアノード層140の頂壁面142の一部であるとも言える。
【0038】
ここで、アノード層140の頂壁面142は、凹部141aを有するので、アノード層140は、上方曲がり角と下方曲がり角とを有するようになり、且つ、凹部141aの周縁とアノード層140の側壁面143とを連接する接合部146の一部がアーチ形の連接面144であるので、アノード層140の上方曲がり角及び下方曲がり角は、緩やかに移行する状態になり、即ち、アノード層140の側壁面143とアノード層140の頂壁面142との間はアーチ形に移行する。それにより、パッシベーション層150がスムーズな曲がり角にある部分は、割れ目が生じにくく、デバイスの抗湿気能力が向上する。
【0039】
また、スムーズな曲がり角により、パッシベーション層150の這い上り問題の解決に利することができ、パッシベーション層150の成形品質がより優れるようになる。
【0040】
また、パッシベーション層150は、突起部141の頂端を覆うように該頂端に延伸し、且つ、第1のウィンドウ131の周縁区域の位置に対応する。具体的に言うと、パッシベーション層150は、フィールド酸化層130からアノード層140の側壁面143に向かって延伸しながら突起部141の頂端まで登り、アノード層140の外部との電気的な接続に影響せずに、良好なパッシベーション効果をもたらすと共に、パッシベーション層150によりアノード層140の側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角が完全に覆われる。パッシベーション層150は、酸化ケイ素及び窒化ケイ素の両層媒質であってもよく、酸窒化ケイ素(silicon oxynitride)媒質であってもよい。パッシベーション層150の厚さは、8000A~15000Aの範囲内にある(1Aは10-10mである)。もちろん、上記パッシベーション層150の材料及び厚さは、単に例示されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0041】
他の一部の実施例において、図2に示されるように、アノード層140の頂壁面142は、平面状(即ち凹部141aがない)とすることもでき、具体的には、アノード層140における活性区域121の上方にある部分が平面状構造である。
【0042】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、アノード層140の側壁面143は、フィールド酸化層130から活性区域121へ傾斜するように延伸する斜面状になっている。
【0043】
一部の実施例において、アノード層140の側壁面143とフィールド酸化層130の終端区域123と反対する側にある頂面との間の成す角は、非特許文献1に記載されている先進集積回路応用において通常必要されている角度より小でよく、また、先進集積回路応用には通常88°~89°の側壁が必要とされる。従って、本実施例において、アノード層140の側壁面143とフィールド酸化層130の終端区域123と反対する側にある頂面との間の成す角(即ち例えば図1中の第2の角度α)は、0°~88°の範囲内にある。
【0044】
本実施例において、アノード層140の側壁面143は、非垂直で且つフィールド酸化層130に傾斜するように設置されていることにより、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接され、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間の傾斜角度が急遽に変化する(間になす角度が大きすぎる)ことによりその部分に位置するパッシベーション層150に応力が集中することの発生を減少することができて、湿気がデバイス内部に進入することによるデバイスの故障を減少する。
【0045】
一部の実施例において、図中の連接面144の頂壁面142に近接するアーチ形の一端の、半導体エピタキシャル層120に向かう方向における投影は、フィールド酸化層130の半導体エピタキシャル層120から離れる側にある一側の投影と交差する(即ち位置が対応する)。
【0046】
即ち、連接面144のアーチ形と頂壁面142との交差点の、半導体エピタキシャル層120から基板110に向かう方向に沿う投影は、半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側である側にある。
【0047】
一部の実施例において、図1及び図4に示されるように、連接面144は、頂壁面142と接続している第1の点A1と、側壁面143と接続している第2の点A2とを含む。第1の点A1が、半導体エピタキシャル層120から基板110に向かう方向に沿って半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面に投影される点は、第3の点A3とする。第3の点A3と第2の点A2とを連接する線と、第3の点A3と第1の点A1とを連接する線との成す角である第1の角度θは、5°を超える。
【0048】
第1の角度θは、5°より小さくすると、パッシベーション層150における側壁面143の曲がり角に位置する部分に応力が依然として集中するようになる。従って、パッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角に位置する部分に応力が集中することを解決して、その応力の集中によりパッシベーション層150における側壁面143の曲がり角に位置する部分に割れ目が生じる問題を減少するために、第1の角度θを5°を超えるように設定することにより、第1の角度θが小さすぎて連接面140のアーチ長さが短くなってパッシベーション層150における側壁面143の曲がり角に位置する部分に応力が集中して割れ目が生じる問題を減少することができて、デバイスの抗湿気能力が向上し、更にデバイスの信頼性が向上する。
【0049】
一部の実施例において、図1及び図4に示されるように、連接面144は、頂壁面142と接続している第1の点A1と、側壁面143と接続している第2の点A2と、を含む。第1の点A1が、半導体エピタキシャル層120から基板110に向かう方向に沿って半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面に投影される点は、第3の点A3とする。第3の点A3と第2の点A2とを連接する線と、第3の点A3と第1の点A1とを連接する線との成す角である第1の角度θは、45°未満である。
【0050】
第1の角度θが大きすぎる、例えば45°以上であると、連接面144のアーチ形に沿って下へ曲がる側壁面143の下方曲がり角が急になって、パッシベーション層150における側壁面143とフィールド酸化層130との接続部分にある部分も急になって割れやすくなる。従って、パッシベーション層150が側壁面143の下方曲がり角で急になることを減少するために、第1の角度θを45°未満に設定し、それにより、連接面144のアーチ形に沿って下へ曲がる側壁面143は緩やかな坂になり、パッシベーション層150におけるアノード層140の側壁面143の下方曲がり角に位置する部分に応力が集中して割れ目が生じることを減少することができる。
【0051】
更に、第1の角度θを45°未満に設定するので、連接面144のアーチ形に沿って下へ曲がる側壁面143は緩やかな坂(アーチ形から下へ向かう接線)になり、それにより、パッシベーション層150は、緩やかな坂に沿って這い上るように成長することができるので、パッシベーション層150の均一的な成長に有利である。
【0052】
パッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角に位置する部分に応力が集中して割れ目が生じる問題を減少して、デバイスの抗湿気能力を向上させるために、一部の実施例において、連接面144は、側壁面143と接続している第1の点A1と、頂壁面142と接続している第2の点A2とを含む。第1の点A1が、半導体エピタキシャル層120から基板110に向かう方向に沿って半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面に投影される点は、第3の点A3とする。第3の点A3と第2の点A2とを連接する線と、第3の点A3と第1の点A1とを連接する線との成す角である第1の角度θは、5°を超え且つ45°未満である。
【0053】
このように、第1の角度θを5°を超え且つ45°未満に設定することにより、パッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角に位置する部分に応力が集中して割れ目が生じる問題を同時に減少することができる。
【0054】
パッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角に位置する部分に応力が集中して割れ目が生じる問題を更に減少して、デバイスの抗湿気能力を向上させるために、一部の実施例において、第1の角度θは、15°~30°の範囲内にある。
【0055】
一部の実施例において、図1に示されるように、半導体エピタキシャル層120から基板110への第2の方向T2において、連接面144のアーチ形において頂壁面142に近接する側から、半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面までの距離は距離aである。理想的な状況において、連接面144のアーチ形は、正円形の一部またはそれに近いものであり、連接面144の弧長は、a*2πθ/360になるように配置されることができる。他の状況において、連接面144のアーチ形は、正円形の一部ではない時に、他の計算方法に基づいて、弧長を計算することができるので、弧長の計算方法を特に限定しない。
【0056】
距離aの長さは、連接面144と頂壁面142と接続する第1の点A1から、第1の点A1が半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面に投影される第3の点A3までの距離である。
【0057】
一部の実施例において、図1に示されるように、第1の点A1と第3の点A3とを連接する線は、フィールド酸化層130の前記頂面と交差する。即ち、アノード層140の連接面144は、完全にフィールド酸化層130の該頂面の上方に位置し、よってアノード層140の曲がり角における応力を減少することができる。例えば、アノード層140は、等厚のアノード層140であり、且つ、フィールド酸化層130は、前記頂面が半導体エピタキシャル層120の前記表面と平行する場合、半導体エピタキシャル層120から基板110への方向において、アノード層140の厚さとフィールド酸化層130の厚さとの和は、aであり得る。
【0058】
他の一部の実施例において、図4に示されるように、フィールド酸化層130の活性区域121に近接する側面が半導体エピタキシャル層120の終端区域123に向かって傾斜するので、第1の点A1と第3の点A3とを連接する線は、フィールド酸化層130の該側面と交差し、即ち、アノード層140の連接面144は、少なくとも一部がフィールド酸化層130の該側面の上方にある。
【0059】
もちろん、一部の実施例において、図5に示されるように、第1の点A1と第3の点A3とを連接する線は、フィールド酸化層130と交差しなく、即ち、アーチ形の連接面144は、完全にフィールド酸化層130の上方に位置しない。
【0060】
一部の実施例において、アノード層140の側壁面143とフィールド酸化層130の表面との成す角である第2の角度αは、30°~60°の範囲内にある。
【0061】
本実施例においては、フォトリソグラフィ及びエッチングの条件の最適化を通して、例えば、フォトリソグラフィ及びドライエッチングの条件の最適化を通して、側壁面143とフィールド酸化層130の表面との成す角である第2の角度αを、30°~60°の範囲内にさせる。アノード層140の側壁面143は活性区域121へ傾斜し且つフィールド酸化層130の表面との成す角が例えば30°~60°の範囲内にあるので、パッシベーション層150は、側壁面143と頂壁面142との間に更にスムーズに延存するようになり、よって、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間の角度が急遽に変化することにより上方にあるパッシベーション層150に応力が集中することの発生を減少することができて、湿気がデバイス内部に進入することによるデバイスの故障を減少する。
【0062】
また、アノード層140の側壁面143は活性区域121へ傾斜し且つフィールド酸化層130の表面との成す角が例えば30°~60°の範囲内にあるので、パッシベーション層150は、よりアノード層140の側壁面143に沿って這い上るように成長することができるので、パッシベーション層150の成形が更に最適化され、デバイスの信頼性も最適化される。
【0063】
例として、側壁面143及びフィールド酸化層130の表面との成す角は、45°であり得る。
【0064】
なお、側壁面143及びフィールド酸化層130の表面との成す角とは、側壁面143と、フィールド酸化層130の終端区域123と反対する側にある頂面(上側の表面)とが成す鋭角であり、即ち、側壁面143の傾斜角である。
【0065】
本実施例における半導体構造100は、主に炭化ケイ素ダイオード構造を指し、即ち、本発明は、高信頼性の炭化ケイ素ダイオード構造を提供し、光レジスト(photoresist)の角度が最適化された後の金属エッチング(metal etching)方法を通して、正面金属(即ちアノード層140、front side metal)の上方曲がり角を円弧状に形成し、下方曲がり角を30°~60°の間に制御することにより、アノード層の金属側壁が急であることにより応力が曲がり角に集中してパッシベーション層が割れる問題を減少し、デバイスの抗湿気能力が向上する。
【0066】
更に、正面金属(即ちアノード層140)の上方曲がり角を円弧状に形成し、下方曲がり角を30°~60°の間に制御することにより、パッシベーション層150の這い上り角度が緩くなり、パッシベーション層150の這い上り問題を上手く解決し、デバイスの信頼性が大幅に向上する。
【0067】
一部の実施例において、連接面144は、頂壁面142と接続している第1の点A1と、側壁面143と接続している第2の点A2とを含む。第1の点A1が、半導体エピタキシャル層120から基板110へ向かう方向に沿って半導体エピタキシャル層120の基板110と反対する側にある表面に投影される点は、第3の点A3とする。第3の点A3と第2の点A2とを連接する線と、第3の点A3と第1の点A1とを連接する線との成す角である第1の角度θは、5°を超え且つ45°未満であり、且つ、アノード層140の側壁面143とフィールド酸化層130の終端区域123と反対する側にある頂面との成す角である第2の角度αは、30°~60°の範囲内にある。
【0068】
第1の角度θを5°を超え且つ45°未満に設定し且つ、第2の角度αを30°~60°の範囲内に設定することにより、パッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角に位置する部分に応力が集中することを減少して、更にパッシベーション層150における側壁面143の上方曲がり角及び下方曲がり角に位置する部分において応力の集中による割れ目が生じる問題を減少することができる。
【0069】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、基板110及び半導体エピタキシャル層120は、いずれも炭化ケイ素であり得る。基板110は、結晶型が4H-SiCであり、厚さ範囲が250μm~350μmにあり、ドーピング濃度(doping concentration)が1E19~5E20/cmの範囲にある。炭化ケイ素エピタキシー(epitaxy)は、厚さが5μm~40μmの範囲にあり、濃度範囲が5E15~5E16/cmにある。
【0070】
基板110は、ケイ素(Si)、サファイア(Saphhire)などの材料であることができ、ヘテロエピタキシャル成長(heteroepitaxial growth)により半導体エピタキシャル層120を形成することに使用される。基板110の堆積方法は、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition、CVD)、気相エピタキシー(Vapour Phase Epitaxy、VPE)、金属有機化学蒸着(Metal-organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD)、低圧化学蒸着(Low Pressure Chemical Vapor Deposition、LPCVD)、プラズマ加速化学蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVD)、パルスレーザ堆積(Pulsed Laser Deposition、PLD)、原子層エピタクシー(atomic layer epitaxy)、分子ビームエピタクシー(Molecular Beam Epitaxy、MBE)、スパッタリング(sputtering)、蒸着(vapor deposition)などを含むことができるが、ここで、基板110の堆積方法を具体的に限定しない。
【0071】
半導体エピタキシャル層120も、化学気相堆積、気相エピタキシー、金属有機化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ加速化学蒸着、パルスレーザ堆積、原子層エピタクシー、分子ビームエピタクシーなどの工程によりエピタキシャル成長(epitaxial growth)を実現することができる。基板110及び半導体エピタキシャル層120の具体的な構造及び成型方法は、従来の半導体構造を参考できる。
【0072】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、フィールド酸化層130は、活性区域121に近接する側面と、終端区域123と反対する側にある頂面とを含む。フィールド酸化層130の前記頂面は、終端区域123のフィールド酸化層130が設置されている表面と平行する。フィールド酸化層130の前記側面は、フィールド酸化層130から終端区域123へ傾斜する。
【0073】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、フィールド酸化層130の前記側面と、終端区域123の前記表面との成す角である第3の角度βは、30°~60°の範囲内にあり、即ち、フィールド酸化層130の前記側面の傾斜角度は、30°~60°の範囲内にある。
【0074】
フィールド酸化層130の前記側面と終端区域123の前記表面との成す角とは、フィールド酸化層130の前記側面と終端区域123の上側の前記表面と成す鋭角のことであり、即ち、フィールド酸化層130の前記側面の傾斜角である。
【0075】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、アノード層140は、フィールド酸化層130の前記頂面を覆っている。具体的に、アノード層140は、第1のウィンドウ131を完全に覆いながら、フィールド酸化層130の前記頂面の一部を覆っている。
【0076】
一部の実施例において、図1及び図2に示されるように、活性区域121内の少なくとも一部の区域に、アノード層140と接触する注入区域(図示における網掛け区域)が設置されている。具体的には、半導体エピタキシャル層120を形成した後、高エネルギーイオン注入(high-energy ion injection)によりソース区域(source area)と終端区域123とを同時に形成することが必要であり、注入区域はP型ドーピング(P type doping)構造であることができ、注入濃度範囲は、1E17~5E18/cmにあり、活性区域121内の注入区域の上視による形状は、棒形、四方形、六角形または他の組み合わせ構造を含むがそれらに限らず、ここで注入区域の形状を具体的に限定しない。
【0077】
半導体デバイスは、アノード層140が活性区域121のP+区域にオーム接触(ohmic contact)し、N区域にショットキー接触(Schottky contact)するJBSデバイス(ジャンクションバリアショットキーダイオード、junction barrier Schottky diode)またはMPSデバイス(合併式PINショットキーダイオード、merged PIN Schottky diode)であることができる。図1に示されるように、P+区域の表面とN区域の表面は互いに接続されており、P+区域は、N区域の表面に沿って基板110へ延伸する1つの注入区域である。
【0078】
他の一部の実施例において、図4に示されるように、半導体デバイスは、アノード層140と活性区域121との間の金属接触方法がショットキー接触であるSBDデバイス(ショットキーバリアダイオ―ド、Schottky barrier diode)である。
【0079】
JBSデバイス、MPSデバイス及びSBDデバイスの具体的な構造及び原理は、公知技術の関係記載を参照することができる。
【0080】
アノード層140は、ショットキー金属及び電極厚み付け用正面金属をスパッタリングまたは蒸着することにより形成することができる。スパッタリング温度は、400℃~500℃の範囲内にあり、スパッタリング時間は、5分~10分の範囲内にある。且つ、ショットキー金属の具体的な材料は、Ti、TiN、TiW、W、Mo、Ta、Ni、Alまたはそれらの組み合わせを含むが、それらに限らず、且つ、厚さ範囲が500A~3000Aの範囲内にある。電極厚み付け用正面金属の具体的な材料は、Al、Ag、Cuまたはそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。
【0081】
本実施例におけるアノード層140は、多層構造であることができ、即ちショットキー金属及び電極厚み付け用正面金属を含むことができる。もちろん、他の実施例において、アノード層140は、単層構造であることができ、例えば銅層である。
【0082】
一部の実施例において、アノード層140は、活性区域121からフィールド酸化層130の前記頂面に延伸するように設置されている。
【0083】
一部の実施例において、アノード層140においてフィールド酸化層130の前記頂面に位置する部分の第1の方向T1における延伸長さLは、0μm~50μmの範囲内にあり、第1の方向T1は、活性区域121から終端区域123に向かう方向である。例えば、アノード層140はフィールド酸化層130に接合しており、且つ、パッシベーション層150は、フィールド酸化層130及びアノード層140に同時に重ねっている。
【0084】
アノード層140のフィールド酸化層130の前記頂面に位置する部分の第1の方向T1における延伸長さLにより、パッシベーション層150がフィールド酸化層130の前記頂面に重ねっている長さを定めることができる。それにより、アノード層140が一定面積のフィールド酸化層130を覆うことにより、活性区域121が直接に暴露されるリスクが減少し、デバイスの信頼線が向上する。また、アノード層140が一定面積のフィールド酸化層130を覆うことにより、アノード層140とフィールド酸化層130の周縁との間に間隔を開けることができて、よってパッシベーション層150がフィールド酸化層130の前記頂面に重ねることができるようになって、パッシベーション層150がフィールド酸化層130及びアノード層140の側壁面143を同時に覆いやすくなり、パッシベーション層150を堆積する際、アノード層140の側壁面143に沿って這い上ることに有利になり、パッシベーション層150の成形品質がより優れる。
【0085】
例えば、パッシベーション層150がフィールド酸化層130の前記頂面に重ねっている長さは、30μmである。
【0086】
上記の実施例において、フィールド酸化層130の厚さは6000A~12000Aの範囲内にあり、フィールド酸化層130が形成された後、湿式エッチング(wet etching)工程により第1のウィンドウ131を形成でき、且つエッチング角度が30°~60°の範囲内にあることにより、フィールド酸化層130の側面が下から上へ且つ終端区域123へ傾斜し、即ち第1のウィンドウ131は逆台形であり、且つ、第1のウィンドウ131の周縁の傾斜角度は、30°~60°の範囲内にある。
【0087】
一部の実施例において、図1図5に示されるように、半導体構造100は、保護層160を更に含む。保護層160は、パッシベーション層150の全体を覆いながらアノード層140の頂壁面142の一部に延伸して該一部を覆うように設置されている。
【0088】
例えば、保護層160に、アノード層140まで貫通する第2のウィンドウ161が形成されていてもよい。この場合、アノード層140は、保護層160の周縁から活性区域121に延伸するパッド区域を有するように更に設置されることができる。保護層160は、ポリイミド(polyimide)であることができ、アノード層140及びパッシベーション層150が形成された後、パッシベーション層150にポリイミドを回転塗布(spin coating)して、露光及びベーキングの後に第2のウィンドウ161が形成され、また、保護層160は、パッシベーション層150の全体及びアノード層140の一部を覆って、パッシベーション層150を内部に包む。また、第2のウィンドウ161も、周縁が傾斜状になって逆台形構造になっている。保護層160の厚さ範囲は、3.5μm~12μmとすることで、良好な保護作用をもたらすことができる。
【0089】
本実施例は、上記の半導体構造100を製造する半導体構造100の製造方法を更に提供し、該製造方法は以下のステップを含む。
【0090】
S1:ベース構造を提供する。
【0091】
一部の実施例において、該ベース構造は、基板110と、基板110に設置されている半導体エピタキシャル層120と、半導体エピタキシャル層120に設置されている活性区域121及び終端区域123と、活性区域121の周縁から終端区域123へ延伸するように半導体エピタキシャル層120に設置されているフィールド酸化層130とを含む。活性区域121及び終端区域123は、半導体エピタキシャル層120内から、基板110の半導体エピタキシャル層120が形成されている表面から離れるように延伸する。
【0092】
ステップS1は、例えば、以下のステップにより行うことができる。
【0093】
S11:基板110を提供する。
【0094】
例えば、図6に示されるように、基板110は、炭化ケイ素基板110であることができ、ヘテロエピタキシャル成長に使用される。基板110は、結晶型が4H-SiCであり、厚さ範囲が250μm~350μmにあり、ドーピング濃度が1E19~5E20/cmの範囲にある。基板110の堆積方法は、化学気相堆積、気相エピタキシー、金属有機化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ加速化学蒸着、パルスレーザ堆積、原子層エピタクシー、分子ビームエピタクシー、スパッタリング、蒸着などを含むことができるが、ここで、基板110の堆積方法を具体的に限定しない。なお、基板110は、ケイ素、サファイアなどの材料であってもよく、基板110の材料も具体的に限定しない。
【0095】
S12:基板110に半導体エピタキシャル層120を形成する。
【0096】
例えば、図7に示されるように、半導体エピタキシャル層120は、炭化ケイ素であることができ、炭化ケイ素エピタキシーは、厚さが5μm~40μmの範囲にあり、濃度範囲が5E15~5E16/cmにある。半導体エピタキシャル層120は、基板110に、化学気相堆積、気相エピタキシー、金属有機化学蒸着、低圧化学蒸着、プラズマ加速化学蒸着、パルスレーザ堆積、原子層エピタクシー、分子ビームエピタクシーなどの工程によりエピタキシャル成長を実施することができる。
【0097】
炭化ケイ素基板110を用いたエピタキシャル成長は基本的な工程であり、S11及びS12により炭化ケイ素基板110及び炭化ケイ素エピタキシーが得られる。半導体エピタキシャル層120構造を形成した後、半導体エピタキシャル層120に注入により活性区域121及び終端区域123を形成することが必要であり、活性区域121及び終端区域123は、半導体エピタキシャル層120内から、基板110の半導体エピタキシャル層120が形成されている表面から離れるように延伸する。具体的には、高エネルギーイオン注入により活性区域121及び終端区域123のP型ドーピング注入区域を同時に形成することができ、注入濃度範囲は、1E17~5E18/cmにあり、活性区域121内の注入区域の形状は、棒形、四方形、六角形または他の組み合わせ構造を含むがそれらに限らない。
【0098】
S13:半導体エピタキシャル層120にフィールド酸化層130を形成する。
【0099】
例えば、図8に示されるように、半導体エピタキシャル層120にCVD方法(化学気相堆積)でフィールド酸化層130を成長して形成することができ、フィールド酸化層130の厚さ範囲は、6000A~12000Aにある。
【0100】
S14:フィールド酸化層130をエッチングして活性区域121を露出させる第1のウィンドウ131を形成する。
【0101】
例えば、図9に示されるように、第1のウィンドウ131は、湿式エッチング工程により半導体エピタキシャル層120まで貫通するように形成できる。エッチング角度は30°~60°の範囲内にあり、それにより第1のウィンドウ131は逆台形であり、且つ、第1のウィンドウ131の周縁の傾斜角度は、30°~60°の範囲内にある。実際に製造する際、湿式エッチング工程により終端区域123から30°~60°傾斜するエッチング角度で活性区域121にあるフィールド酸化層130をエッチングして、終端区域123の表面に対して30°~60°になったフィールド酸化層130の側面により囲んで画成するようにして、活性区域121を露出させる第1のウィンドウ131を形成する。
【0102】
S2:活性区域121及びフィールド酸化層130にアノード層140を形成する。
【0103】
一部の実施例において、図10図12に示されるように、アノード層140は、活性区域121から一部のフィールド酸化層130に延伸するように設置されており、且つ、アノード層140は、活性区域121と反対する側にある頂壁面142と、フィールド酸化層130に接続している側壁面143とを含み、アノード層140の側壁面143とアノード層140の頂壁面142との間は連接面144により連接されており、連接面144は、アノード層140の側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接されるようにアーチ形に形成される。
【0104】
一部の実施例において、アノード層140を製造する際、活性区域121及びフィールド酸化層130に凹部141aを有するアノード層140を形成することができ、凹部141aは、アノード層140の頂壁面142に配置されており、凹部141aの周縁とアノード層140の側壁面143とは、接合部146により連接されている。接合部146は、少なくとも一部が連接面144である。
【0105】
実際に製造する際、図10に示されるように、先ずスパッタリングまたは蒸着によりフィールド酸化層130及び半導体エピタキシャル層120に金属層145を形成することができ、そして、図11に示されるように、金属層145にフォトレジストを塗布して、活性区域121に向かって傾斜する予定の角度で該フォトレジストを露光して現像し、フォトレジスト層147を形成する。該予定の角度は30°~60°の範囲内にあり、それにより、フォトレジスト層147の周縁傾斜角度は30°~60°の範囲内にある。最後に、図12に示されるように、フォトレジスト層147をマスクとして、金属層145をエッチングして、アーチ形の連接面144を有するアノード層140を形成する。
【0106】
早くにフォトレジスト層147を製造したので、エッチングによりアノード層140を曲度を有する金属形態に形成することができ、アノード層140の側壁面143は、上方曲がり角が円弧状であり、下方曲がり角の傾斜角度が30°~60°の範囲内にあり、且つ、アノード層140の周縁はフィールド酸化層130に重なっている必要があるので、図13に示されるように、アノード層140の周縁とパッシベーション層150の周縁との距離は、0μm~50μmの範囲内にある。
【0107】
例えば、金属層145をエッチングする際、例えばドライエッチングで金属層145をエッチングする際、フォトレジスト層147の周縁に沿ってエッチングして、フィールド酸化層130の終端区域123と反対する側にある頂面との成す角が30°~60°の範囲内にあるアノード層140の側壁面143を形成することができる。具体的には、フォトレジスト層147の周縁に沿ってエッチングすることにより、活性区域121からフィールド酸化層130の前記頂面に延伸するよう設置されており、且つ、活性区域121から終端区域123に向かう第1の方向T1における延伸長さが0μm~50μmであるアノード層140を形成することができる。
【0108】
一部の実施例において、エッチングによりアノード層140を形成した後、フォトレジスト層147を除去することができ、且つ、アノード層140の第1のウィンドウ131の周縁に対応する部分に突起部141が形成され、突起部141は、凹部141aを囲んで画成することができ、アノード層140の側壁面143は、突起部141からフィールド酸化層130に延伸し、且つ、突起部141の表面とアノード層140の側壁面143との接続する部分は、円弧である。
【0109】
S3:フィールド酸化層130及びアノード層140にパッシベーション層150を形成する。
【0110】
例えば、図13に示されるように、パッシベーション層150は、フィールド酸化層130を覆いながらアノード層140の頂壁面142の一部を覆うよう延伸するように設置される。製造する際、先ずフィールド酸化層130及びアノード層140に高抵抗材料層(high resistance material)を堆積してから、高抵抗材料層をエッチングして、アノード層140の側壁面143を覆いながら連接面144に延伸して連接面144を覆うパッシベーション層150を形成する。
【0111】
実際に製造する際、CVDでパッシベーション層150を堆積し、パッシベーション層150は側壁面143を覆いながら突起部141を覆うように突起部141に延伸する。パッシベーション層150は、酸化ケイ素及び窒化ケイ素の両層媒質であってもよく、酸窒化ケイ素媒質であってもよい。パッシベーション層150の厚さは、8000A~15000Aの範囲内にある。
【0112】
パッシベーション層150を堆積する際、パッシベーション層150がアノード層140の連接面144を覆う幅は、大きすぎてはいけない。例えば、パッシベーション層150がアノード層140の連接面144を覆う接合幅範囲は、2μm~100μmの範囲内として、パッシベーション層150の覆う範囲が広すぎることを避け、更に熱膨張係数が異なることにより剪断力が大きすぎてパッシベーション層150に割れ目が生じる問題を抑える。もちろん、一部の実施例において、接合部146は、連接面144及び過渡面を含む場合、図3に示されるように、パッシベーション層150がアノード層140の接合部146を覆う接合幅範囲も、大きすぎてはいけなく、2μm~100μmの範囲内とする。
【0113】
S4:パッシベーション層150に保護層160を形成する。
【0114】
例えば、図1に示されるように、保護層160は、パッシベーション層150及びアノード層140を覆っている。保護層160は、パッシベーション層150にポリイミドを回転塗布して、露光及びベーキングを経て成形されると共に、第2のウィンドウ161が形成され、また、保護層160の厚さ範囲は、3.5μm~12μmにある。
【0115】
上記の内容によれば、本実施例で提供する半導体構造100は、フィールド酸化層130に第1のウィンドウ131を設置し、且つアノード層140を第1のウィンドウ131を覆うように形成することにより、アノード層140の第1のウィンドウ131の周縁に対応する部分に突起部141を形成し、且つ、アノード層140の側壁面143は、突起部141からフィールド酸化層130に延伸し、突起部141の表面とアノード層140の側壁面143との接合する部分は円弧状であり、パッシベーション層150は、アノード層140の側壁面143を覆いながら、突起部141を覆うように突起部141に延伸する。アノード層140の側壁面143の上方曲がり角、即ち側壁面143と突起部141との接合する部分を円弧状にすることにより、アノード層140の側壁面143と突起部141との間がスムーズに連接され、傾斜角度が急遽に変化することを避けて、パッシベーション層150において側壁面143の上方曲がり角に位置する部分に応力が集中することの発生を避けることができる。従来技術と比べて、本実施例の半導体構造100は、アノード層140が急であることにより応力が曲がり角に集中して生じる割れ目問題を減少し、デバイスの抗湿気能力が向上する。
【0116】
同時に、パッシベーション層150の幅を合理的に規制することにより、パッシベーション層150の覆う範囲が広すぎることを避けて、更に熱膨張係数が異なることにより剪断力が大きすぎてパッシベーション層150に割れ目が生じる問題を抑える。
【0117】
側壁面143と頂壁面142との間がスムーズに連接されるので、パッシベーション層150を堆積する際、パッシベーション層150の上方延伸に有利であり、それにより、パッシベーション層150の這い上り問題を上手く解決し、パッシベーション層150の成形品質がより優れ、デバイスの信頼性が向上する。
【0118】
本発明は、例示的な実施例と考えられるものに関連して説明されてきたが、本開示は、開示された実施例に限定されるものではなく、そのような修正及び同等の配置をすべて包含するように最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な配置を対象とすることが意図されていることが理解される。
【0119】
上記実施例は例示的に本発明の原理及び効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する当業者であれば本発明の精神及び範囲から離れないという前提の下、上記の実施例に対して若干の変更や修飾が可能で有る。従って、当業者が本発明の主旨から離れないという前提の下、行った全ての変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の半導体構造及び半導体構造の製造方法は、信頼性が高い半導体構造の提供に適する。
【符号の説明】
【0121】
100 半導体構造
110 基板
120 半導体エピタキシャル層
121 活性区域
123 終端区域
130 フィールド酸化層
131 第1のウィンドウ
140 アノード層
141 突起部
141a 凹部
142 頂壁面
143 側壁面
144 連接面
145 金属層
146 接合部
147 フォトレジスト層
150 パッシベーション層
160 保護層
161 第2のウィンドウ
A1 第1の点
A2 第2の点
A3 第3の点
a 距離
L 延伸長さ
T1 第1の方向
T2 第2の方向
θ 第1の角度
α 第2の角度
β 第3の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13