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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070822
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】小型クロス方向Cフレームスキャナ
(51)【国際特許分類】
   G01B 15/02 20060101AFI20240516BHJP
   G01G 9/00 20060101ALI20240516BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20240516BHJP
   G01N 21/3554 20140101ALN20240516BHJP
【FI】
G01B15/02 Z
G01G9/00
G01N21/17 A
G01N21/3554
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186509
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】17/985,276
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ヒューズ
【テーマコード(参考)】
2F067
2G059
【Fターム(参考)】
2F067AA27
2F067BB01
2F067EE02
2F067FF14
2F067GG08
2F067HH09
2F067JJ08
2F067KK06
2F067KK07
2F067NN03
2F067PP03
2F067PP16
2F067RR24
2G059AA03
2G059BB10
2G059CC09
2G059DD12
2G059EE01
2G059FF01
2G059FF08
2G059HH01
2G059HH05
2G059KK03
2G059MM14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型のクロス方向Cフレームスキャナを提供する。
【解決手段】小型のC字形スキャナは、少なくとも2つのセンサを採用し、センサを標準化又は較正する機構を有する。Cフレームの上下の細長いビームは、中間センサ22及び外側センサ20を含む。スキャナは、シート幅の約半分だけの走査距離に沿って前後にスキャナを前進させることによって、シート26の全幅を監視することができ、それによって、必要なオフシート距離を、監視されているシート幅の半分に近づく量だけ最小限に抑える。シート26の縁から横方向に位置決めされた基準材料からなる標準化タイル40、42は、透過モード又は反射モードのいずれかで動作するセンサの較正を可能にする。シート材料の選択されたシート特性又は特徴を測定することができる。2つのセンサは透過モードで動作することができ、又は4つのセンサは反射モードで動作することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械方向に進み、第1の側と第2の側とを有する材料の連続シートの特性を監視するためのシステムであって、
前記シートの前記第1の側に隣接して配置された第1の部材であって、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、かつ(i)前記シートの特性を測定するための、前記第1の遠位端に位置決めされた第1のセンサ手段と、(ii)前記シートの特性を測定するための、前記第1の近位端と前記第1の遠位端との間に位置決めされた第2のセンサ手段と、を有する、第1の部材と、
前記シートの前記第2の側に隣接して配置された第2の部材であって、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、前記第1の部材及び前記第2の部材が平行であり、かつ測定ギャップを画定しており、前記測定ギャップを通って前記材料の連続シートが進む、第2の部材と、
前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記材料のシートの複数の場所で前記シートの特性を測定するように、前記第1の部材及び前記第2の部材をクロス方向に沿って前後に駆動するための手段と、を備える、システム。
【請求項2】
センサ装置であって、
移動シートを収容する測定ギャップを画定する第1のアームと第2のアームとを有する支持体を含むCフレームであって、前記第1のアームが第1の近位端及び第1の遠位端を有し、前記第2のアームが第2の近位端及び第2の遠位端を有する、Cフレームと、
第1のセンサ及び第2のセンサであって、前記第1のセンサが、前記第1のアームの第1の位置に装着されており、前記第2のセンサが、前記第1のアームの第2の位置に装着されており、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記第1のアームの長さに沿って横方向に離隔されている、第1のセンサ及び第2のセンサと、
第1の標準化タイルと、
前記第1標準化タイルから横方向に離隔されている第2の標準化タイルと、
前記第1のセンサが、前記シートの第1の縁と前記シートの中間領域との間の前記シートの特徴を測定し、前記第2のセンサが、前記シートの前記中間領域と前記シートの第2の縁との間の前記シートの特徴を測定するように、前記Cフレームを走査経路に沿って横方向に前後に誘導するための第1の手段と、
前記Cフレームを前記走査経路に沿って、前記第1の標準化タイルが前記第1のセンサを較正する第1の較正位置と、前記第2の標準化タイルが前記第2のセンサを較正する第2の較正位置と、に誘導するための第2の手段と、を備える、センサ装置。
【請求項3】
機械方向とクロス方向とを有する連続シートプロセスにおけるプロセス変数を測定する方法であって、
(i)第1のセンサと第2のセンサとを支持する第1の細長い部材であって、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記第1の細長い部材に沿って横方向に分離されている、第1の細長い部材を提供するステップと、
(ii)材料の連続移動シートであって、前記シートは、第1の側及び第2の側と、第1の縁及び第2の縁とを有し、前記第1の細長い部材は、前記材料の連続移動シートに隣接して、クロス方向に沿って位置決めされている、材料の連続移動シートを機械方向に沿って方向付けるステップと、
(iii)前記第1のセンサが、前記材料のシートの前記第1の縁と中間領域との間の前記シートの特性を測定し、前記第2のセンサが、前記中間領域と前記第2の縁との間の前記シートの特性を測定するように、前記第1の細長い部材を、第1の走査位置と第2の走査位置との間で前後に誘導するステップと、
(iv)第1の標準化タイルを、前記第1の縁に隣接して位置決めするステップと、
(v)第2の標準化タイルを、前記第2の縁に隣接して位置決めするステップと、
(vi)前記第1の細長い部材を第1の較正位置に誘導するステップであって、前記第1のセンサが、前記第1の標準化タイルを使用して基準測定値を取得する、誘導するステップと、
(vii)前記第1の細長い部材を第2の標準化位置に誘導するステップであって、前記第2のセンサが、前記第2の標準化タイルを使用して基準測定値を取得する、誘導するステップと、を含み、
ステップ(v)が、第2の細長い部材を前記第1の較正位置に誘導することを含み、
ステップ(vii)が、前記第2の細長い部材を前記第2の標準化位置に誘導することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、連続シート材料のパラメータを決定するためのスキャナ測定システムに関し、より詳細には、センサを較正するための標準化タイルを有するCフレームスキャナを採用し、従来のCフレームスキャナと比較して、システムの走査動作が必要とするオフシート変位距離又は空間が著しく少ない、非接触測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナシステムは、連続的に移動するウェブ又はシートの特性を測定するために採用される。典型的には、放射線源及び検出器は、連続的に生産されたウェブにまたがるビーム又はフレーム上で往復移動のために支持されたヘッドに装着されている。ヘッドは、ウェブの移動方向に対してほぼ直角にウェブ上を往復させられ、ヘッドはウェブを横切って一定速度で移動する。ヘッドを支持するビーム又はフレームは、ウェブ移動の経路上を通過し、放射線源及び検出器を支持する直線単一ビームであってもよい。代替的に、スキャナは、源及び検出器が、ウェブの対向する面上にあり得るように、ウェブ移動の経路を取り囲んでいる、C字形状又はO字形状のフレームを有し得る。
【0003】
ほとんどのO字形スキャナでは、フレームは静止しており、デュアルヘッドは、移動ウェブ上をクロス方向に前後に横断する。O字形スキャナは、ウェブ又はシートが、紙の製造時などの、幅が数十メートルであり得る工業プロセスに特に適している。
【0004】
対照的に、C字形スキャナの動作中、フレーム全体は、移動ウェブ上をクロス方向に前後に移動する。このようにして、上部アーム及び下部アームにそれぞれ整列され固定された上部ヘッド及び下部ヘッドは、移動ウェブを縁から縁まで走査することができる。C字形スキャナは、床面積が限られている設備におけるリチウムイオン電池用のアノード及びカソードの製造時などの、移動ウェブの幅が比較的狭い用途に特に適している。しかしながら、現在のC字形スキャナの汎用性は、少なくとも監視されているウェブの幅に等しい距離をフレームが移動しなければならないことを必要とする設計によって制限されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、2つ以上のセンサを採用し、センサを標準化又は較正する機構を有する小型のC字形スキャナの開発に部分的に基づいている。スキャナは、シート幅の約半分のみに等しい走査距離に沿って前後にスキャナを前進させることによって、連続シートの全幅を監視することができる。本発明は、必要なオフシートスキャナ変位距離を、監視されているシートの幅の半分に近い量だけ減少させる。
【0006】
一態様では、本発明は、機械方向(machine direction、MD)に進み、第1の側と第2の側とを有する材料の連続シートの特性又は特徴を監視するためのシステムであって、
シートの第1の側に隣接して配置された第1の部材であって、第1の近位端及び第1の遠位端を有し、かつ(i)シートの特性を測定するための、第1の遠位端に位置決めされた第1のセンサ手段と、(ii)シートの特性を測定するための、第1の近位端と第1の遠位端との間に位置決めされた第2のセンサ手段と、を有する、第1の部材と、
シートの第2の側に隣接して配置された第2の部材であって、第2の近位端及び第2の遠位端を有し、第1の部材及び第2の部材が平行であり、かつ測定ギャップを画定しており、測定ギャップ通って材料の連続シートが進む、第2の部材と、
第1のセンサ及び第2のセンサが、材料のシートの複数の場所でシートの特性を測定するように、第1の部材及び第2の部材を、MDに垂直なクロス方向(cross direction、CD)に沿って前後に駆動するための手段と、を備える、システムを対象とする。
【0007】
別の態様では、本発明は、センサ装置であって、
平行であり、移動シートを収容する測定ギャップを画定する第1のアーム又はビームと第2のアーム又はビームとを有する支持体を含むCフレームであって、第1のアームが第1の近位端及び第1の遠位端を有し、第2のアームが第2の近位端及び第2の遠位端を有する、Cフレームと、
第1のセンサ及び第2のセンサであって、第1のセンサが、第1のアームの第1の位置に装着されており、第2のセンサが、第1のアームの第2の位置に装着されており、第1のセンサ及び第2のセンサが、第1のアームの長さに沿って横方向に離隔されている、第1のセンサ及び第2のセンサと、
第1の標準化タイル又はプレートと、
第1標準化タイルから横方向に離隔されている第2標準化タイル又はプレートと、
第1のセンサが、シートの第1の縁とシートの中間領域との間のシートの特徴を測定し、第2のセンサが、シートの中間領域とシートの第2の縁との間のシートの特徴を測定するように、Cフレームを走査経路に沿って横方向に前後に誘導するための第1の手段と、
Cフレームを走査経路に沿って、第1の標準化タイルが第1のセンサを較正する第1の較正位置と、第2の標準化タイルが第2のセンサを較正する第2の較正位置と、に誘導するための第2の手段と、を含む、センサ装置を対象とする。タイル又はプレートは、特性が既知であり、シート材料をシミュレートする安定した基準材料を含む。
【0008】
更なる態様では、本発明は、機械方向とクロス方向とを有する連続シート又はウェブプロセスにおけるプロセス変数を測定する方法であって、
第1のセンサと第2のセンサとを支持する第1の細長い部材であって、第1のセンサ及び第2のセンサが、第1の細長い部材に沿って横方向に分離されている、第1の細長い部材を提供することと、
材料の連続移動シートであって、シートは、第1の側及び第2の側と、第1の縁及び第2の縁とを有し、第1の細長い部材は、材料の連続移動シートに隣接して、CDに沿って位置決めされている、材料の連続移動シートを機械方向に沿って方向付けることと、
第1のセンサが、材料のシートの第1の縁と中間領域との間のシートの特性を測定し、第2のセンサが、中間領域と第2の縁との間のシートの特性を測定するように、第1の細長い部材を、第1の走査位置と第2の走査位置との間で前後に誘導することと、
第1の標準化タイルを、第1の縁に隣接して位置決めすることと、
第2の標準化タイルを、第2の縁に隣接して位置決めすることと、
第1の細長い部材を第1の較正位置に誘導することであって、第1のセンサが、第1の標準化タイルを使用して基準測定値を取得する、誘導することと、
第1の細長い部材を第2の標準化位置に誘導することであって、第2のセンサが、第2の標準化タイルを使用して基準測定値を取得する、誘導することと、を含む、方法を対象とする。
【0009】
センサは、細長い部材又はビームに固定され得るか、又はセンサ部品をCフレームの部材に組み込まれ得る。スキャンシステムは、紙、プラスチック、薄い金属基板、布などの材料の特徴を検出するために採用され得る。センサは、透過モード又は反射モードのいずれかで動作することができる。連続的に移動する材料を横切って前後に周期的に横断することによって、基本重量、厚さ、水分含有量、組成及び温度などの、選択されたシート特性の値を測定することができる。監視されている移動シートは、各走査中に縁から縁まで横断する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】並進機構上で搬送されるCフレーム構造に装着されたスキャナヘッドを有するオンラインスキャンシステムの断面図である。
図2】並進機構上で搬送されるCフレーム構造に装着されたスキャナヘッドを有するオンラインスキャンシステムの断面図である。
図3】スキャンセンサシステムの動作を示す平面図である。
図4】基準材料で作製され、移動フィルム又は基板の両側に位置決めされている標準化タイル又はプレートを備えた、較正モードで動作するオンラインスキャンシステムの断面図である。
図5】基準材料で作製され、移動フィルム又は基板の両側に位置決めされている標準化タイル又はプレートを備えた、較正モードで動作するオンラインスキャンシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、互いに平行な上部の細長いアーム6及び下部の細長いアーム8の近位端を固定する垂直支持体4を含む、スキャンセンサシステム2を示す。下部アーム8は、サーボモータ12及び線形スライド又はレール24を含む並進機構10に移動可能に固定されている。上側アーム6は、その遠位端に装着されたセンサ16と、その近位端に向かう場所に装着されたセンサ18とを有する。同様に、下部アーム8は、その遠位端に装着されたセンサ20と、その近位端に向かう場所に装着されたセンサ22とを有する。垂直支持体及び細長いアームは、一体構造として構築され得る。センサ16及びセンサ20は垂直軸に沿って整列され、センサ18及びセンサ22は別の垂直軸に沿って整列される。
【0012】
上部アーム及び下部アームは、監視されている連続移動ウェブ又はシート26を収容する測定ギャップ又はチャネル14を画定する。ウェブ又はシート26は、機械方向(MD)に下流に進む。サーボモータ12は、駆動ベルト、ケーブル又はチェーンを駆動して、MDに垂直なクロス方向(CD)に沿ってCフレームを前後に前進させる。本プロセスでは、センサ16及びセンサ18はウェブ又はシート26の上側を横切って走査し、一方、センサ20及びセンサ22はウェブ又はシート26の下側を横切って走査する。細長いアームの各々に装着されたデュアルセンサを用いると、Cフレームは、材料のウェブ又はシート全体を縁部から縁部まで監視するために、ウェブ又はシート26の幅の約半分だけ進めばよい。本明細書に記載のように、Cフレームは、完全挿入位置と完全後退位置との間で前後に進む。
【0013】
図1に示すように、スキャンセンサシステム2は、上部アーム6及び下部アーム8が測定ギャップ14を囲んでいる完全挿入位置にある。外側センサ16は、ウェブ又はシート26の外縁28又はその近くで材料の上面の特性を測定するように位置決めされている一方で、中間センサ18は、縁28及び縁30から等距離である、ウェブ又はシート26の幅に沿った中間点32で材料の特性を測定するように位置決めされている。中間センサ18は、シートのCD幅の半分に等しい距離だけ、センサ16から横方向に離隔されていることが好ましい。同様に、外側センサ20は、ウェブ又はシート26の縁28又はその近くで材料の底面の特性を測定するように位置決めされている一方で、中間センサ22は、縁28及び縁30から等距離である、ウェブ又はシート26の幅に沿った中間点34で材料の特性を測定するように位置決めされている。中間センサ22は、シートのCD幅の半分に等しい距離だけ、センサ20から横方向に離隔されていることが好ましい。この初期走査位置から、CフレームがCDに沿って後方に移動するにつれて、センサ16は、材料の上面上を縁28から中間点32まで走査し、一方、センサ18は、中間点32から縁30まで走査する。同時に、センサ20は、縁28から中間点34まで材料の下面上を走査し、一方、センサ22は、中間点34から縁30まで走査する。
【0014】
図2は、完全後退位置に移動したスキャンセンサシステム2を示しており、Cフレームは、CDに沿ってレール24上を前進するために方向を反転する前に、一時的に停止している。ここで、外側センサ16は、ウェブ又はシート26の中間点32で材料の上面の特性を測定するように位置決めされている一方で、中間センサ18は、内縁30又はその近くで材料の特性を測定するように位置決めされている。同様に、ここで、外側センサ20は、ウェブ又はシート26の中間点34で材料の底面上の特性を測定するように位置決めされている一方で、中間センサ22は、内縁30又はその近くで材料の特性を測定するように位置決めされている。この後退した走査位置から、Cフレームが方向を反転してCDに沿って前方に移動するにつれて、センサ16は、材料の上面上を中間点32から縁28まで走査し、一方、センサ18は、上面を縁30から中間点32まで走査する。同時に、センサ20は、中間点34から縁28まで材料の下面上を走査し、一方、センサ22は、縁30から中間点34まで走査する。
【0015】
図1及び図2に示されるスキャンセンサシステム2では、センサは、透過モードで動作するものとして示されている。例えば、センサ16及びセンサ18は各々、放射線のビームを移動ウェブ又はシート26内に向ける放射線源を備え得、センサ20及びセンサ22は各々、材料を透過した放射線を検出する放射線受信器を備え得る。2組のセンサは、ウェブ又はシート26の1つ以上の特性を測定するように動作する。CフレームがCDに沿って前後に進むにつれて、センサ16及びセンサ20は、ウェブ又はシート26の1つ以上の特性を縁28から中間点32まで測定し、センサ18及びセンサ22は、ウェブ又はシート26の同じ1つ以上の特性を中間点32と縁30との間で測定する。透過モードで動作するセンサは、例えば、Tixier及びHughesに対する米国特許第9,182,360号、Hughes及びTixierに対する米国特許第8,527,212号、Tixierに対する米国特許第7,298,492号、Hughesらに対する米国特許出願公開第2021/0382173号、並びにTixier及びHughesに対する米国特許出願公開第2021/0262776号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
代替的に、スキャンセンサシステム2のセンサは、反射モードで動作することができる。例えば、センサ16及びセンサ18の各々は、ウェブ又はシート26の1つ以上の特徴を測定するために、放射線源及び検出器の両方を備え得る。この構成では、CフレームがCDに沿って前後に進むにつれて、センサ16は、縁28と中間点32との間のウェブ又はシート26の1つ以上の特性を測定し、センサ18は、中間点32と縁30との間のウェブ又はシート26の同じ1つ以上の特性を測定する。更に、この反射モード構成では、センサ20及びセンサ22の各々はまた、ウェブ又はシート26の1つ以上の特徴を測定するために、放射線源及び検出器の両方を備え得る。CフレームがCDに沿って前後に進むにつれて、センサ20は、ウェブ又はシート26の1つ以上の特性を縁28と中間点34との間で測定し、センサ22は、ウェブ又はシート26の同じ1つ以上の特性を中間点34と縁30との間で測定する。明らかなように、上部センサ16及び上部センサ18は、下部センサ20及び下部センサ22によって測定された特性とは異なる特性を測定するように構成され得る。反射モードで動作するセンサは、例えば、米国特許第9,182,360号、米国特許第8,527,212号、米国特許第7,298,492号、及び米国特許出願公開第2020/0096308号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。センサはまたは、反射型センサと透過型センサとの組み合わせを含み得る。
【0017】
図3は、シート50がMDに進むときに、その1つ以上の特徴を測定することによって移動シート50を監視する際の、Cフレーム56を含むスキャンセンサシステムの動作を示す。一対のローラ58、78は、連続シート50を支持し導く。モータ62は、ローラ78を動作させ、エンコーダ64は、その速度を監視する。Cフレーム56が、ほぼ一定速度でシート50を周期的に横断するとき、2対のゲージ(すなわち、図1及び図2に示すセンサ16、20及びセンサ18、22)は、それぞれ調査スポット又は領域72及び74を測定する。スポット72及びスポット74は、固定されたオフセット距離だけ横方向に分離されている。本例では、センサは透過モードで動作するように構成されている。Cフレーム56は、点線76によって表されている完全後退位置と、実線56によって示される完全挿入位置との間で移動可能である。Cフレームは、完全後退位置と完全挿入位置との間を周期的に走査するにつれて、スポット72とスポット74との間のオフセット距離に等しい距離を進む。
【0018】
2つのセンサは、シート50の長手方向縁部52、54に正確に垂直に整列されている場所で選択された特性を測定しない。代わりに、シート速度のために、スキャンCフレームは、基板表面を横切って斜めに進み、結果として、連続する走査経路は、長手方向縁部50、54に垂直な方向に対してジグザグパターンを有する。
【0019】
そのようなジグザグパターンの例は、Cフレームが前後の連続走査中にシート50の表面を横断するときに2対のゲージによってトレースされる、スキャン計測経路又はプロファイル68及び70である。真のCDに対する走査経路の各々の角度は、走査デバイスのクロス方向速度、及び既知の基板60の機械方向速度に依存する。2つのジグザグパターンの各々は、基板表面の比較的小さな部分をカバーし、測定プロファイル68は、縁52と中線66との間のシートをカバーし、測定プロファイル70は、中線66と縁55との間のシートをカバーする。
【0020】
Cフレーム76が、反射モードで動作する4つのセンサを有し、各細長いアームがデュアルセンサを支持する場合、4つのセンサの各々は、別個のジグザグ測定プロファイルを生成する。
【0021】
標準化タイル又はプレート40はモータ44に接続され、標準化タイル又はプレート42はモータ46に接続されている。システム56が較正モードで動作しているとき、各タイルは、回転ソレノイドユニットによってユニバーサルポイントを通して駆動されるシャフトの回転によって旋回することができる。各標準化タイル40及び42は、シミュレートされた特性レベルの範囲を通じて再較正を可能にするように、異なる既知の特性を有するプラスチックフィルムなどの基準材料を有する複数のタイルを表すことができることが理解される。安定した基準材料は、ばね付勢されたプラスチックカバーを有するタイル状又はプレート状のコンパートメント内に保管することができる。ソレノイドは、較正中にカバーを引き出して、基準材料を露出させる。
【0022】
図3に示すように、モータに接続される代わりに、標準化タイル40及び42は、それぞれ縁52及び縁54に並置された定位置に恒久的に位置決めされ得る。タイルは、センサの再較正が必要なときはいつでも利用可能である。
【0023】
センサが反射モードで動作している場合、各標準化タイルは、上部センサ及び下部センサを同時に較正するように構成されていることが好ましい。タイルは、反射性金属であって、両側に固定された基準材料を有する反射性金属を含む。
【0024】
図4に示すように、標準化タイル42は、電動機構46(図3)を用いて、シート26の外縁に隣接する位置に移動され、標準化タイル40は、電動機構44(図3)を用いて、シート26の内縁に隣接する位置に移動される。この挿入された較正位置では、標準化タイル42は、外側センサ16と外側センサ20との間に縦一列に位置決めされている。図5に示すスキャンセンサシステム2は、後退された較正位置にあり、標準化タイル40は、中間センサ18と中間センサ22との間に縦一列に位置決めされている。
【0025】
典型的には、センサが透過モードで動作している場合、例えば、図1の放射線源16及び検出器20が工場で組み立てられた後、放射線源16と検出器20との間のギャップにサンプルが存在しない場合、センサは、厚さなどの選択された特性のセンサ測定を通して「基準」値を確立することによって、最初に較正される。次に、センサは、既知の特性(例えば、厚さ)レベルを有する連続する実際のサンプルをギャップ内に位置決めすることによって、経験的に較正される。検出器によって測定された放射線の関数として計算されたシート厚レベルを表す較正曲線、ルックアップテーブル、及び/又は数学的モデル(まとめて「較正データ」と呼ぶ)が生成され、コンピュータメモリに記憶される。センサは、設備に設置されると、顧客が利用できる状態となる。
【0026】
走査動作中、標準化タイル40、42の各々は、センサの周期的なオンライン再較正を可能にする。シート材料をシミュレートするために、安定した較正基準材料が選択される。本発明によると、センサ16及びセンサ20の標準化又は再較正は、例えば、標準化タイルを有するセンサからの読み取り値に基づくことができる。
【0027】
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、考察される特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、上述の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態において変形が行われ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】