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特開2024-70824透明導電層、イオン貯蔵層及び/又はエレクトロクロミック層としてN-ドープ導電性ポリマーを有するエレクトロクロミック装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070824
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】透明導電層、イオン貯蔵層及び/又はエレクトロクロミック層としてN-ドープ導電性ポリマーを有するエレクトロクロミック装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/155 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
G02F1/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187646
(22)【出願日】2023-11-01
(31)【優先権主張番号】PCT/US2022/048711
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/099,850
(32)【優先日】2023-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521095259
【氏名又は名称】アンビライト・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジアングオ・メイ
(72)【発明者】
【氏名】アシュカン・アブタヒ
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101DB04
2K101DB06
2K101DC02
2K101DC13
2K101DC43
2K101DC44
2K101DC45
2K101DC52
2K101DC53
2K101DC54
2K101DC66
2K101EA11
2K101EG27
2K101EG52
2K101EG65
2K101EJ01
2K101EJ02
(57)【要約】
【課題】n-ドープ有機導電性ポリマーを含むエレクトロクロミック装置を提供すること。
【解決手段】この開示は、エレクトロクロミック装置において、透明導体、及び/又はイオン貯蔵材料、及び/又はエレクトロクロミック材料として機能することができる、n-ドープ有機導電性ポリマーを組み込んだエレクトロクロミック装置を提示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁性基材、
第1の絶縁性基材の上に配置された第1の導電層、
第1の導電層の上に配置されたイオン貯蔵層、
イオン貯蔵層の上に配置された電解質層、
電解質層の上に配置されたエレクトロクロミック層、
エレクトロクロミック層の上に配置された第2の導電層、及び
第2の導電層の上に配置された第2の絶縁性基材
を含み、
第1の導電層若しくは第2の導電層、若しくはイオン貯蔵層、又は第1の導電層、第2の導電層及びイオン貯蔵層の任意の組合せが、式
【化1】
(式中、Xは、O、S又はSeであり、m及びnの各々は、ゼロよりも大きい整数であり、R及びRの各々は、独立して、水素又はC~C10アルキルの1つから選択され、Mはカチオンである)のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む、
エレクトロクロミック装置。
【請求項2】
XがOであり、R及びRの各々が水素であり、Mがプロトンである、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項3】
第1の導電層、若しくは第2の導電層、若しくはイオン貯蔵層、又は第1の導電層、第2の導電層及びイオン貯蔵層の任意の組合せが、前記n-ドープ有機導電性ポリマーからなる、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項4】
第1の導電層とイオン貯蔵層との両方が、前記n-ドープ有機導電性ポリマーを含み、1つの単一層に統合されている、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項5】
エレクトロクロミック層が、WO、NiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項6】
電解質層が固体電解質又はゲル電解質を含む、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項7】
イオン貯蔵層が前記n-ドープ有機導電性ポリマーを含まない場合、イオン貯蔵層が、4~12族における金属元素の1種若しくは複数の酸化物、又は酸化物の混合物、又は任意の他の金属酸化物をドーピングされた酸化物の1種を含む、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項8】
第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方が透明である、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項9】
第1の導電層と第2の導電層との両方が透明である、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項10】
第1の導電層又は第2の導電層が、反射型導電層を含む、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項11】
第1の絶縁性基材、
第1の絶縁性基材の上に配置された第1の導電層、
第1の導電層の上に配置されており、式
【化2】
(式中、Xは、O、S又はSeであり、m及びnの各々は、ゼロよりも大きい整数であり、R及びRの各々は、独立して、水素又はC~C10アルキルの1つから選択され、Mはカチオンである)のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む第1のエレクトロクロミック層、
第1のエレクトロクロミック層の上に配置された電解質層、
電解質層の上に配置されており、p-ドープエレクトロクロミック材料を含む第2のエレクトロクロミック層、
第2のエレクトロクロミック層の上に配置された第2の導電層、及び
第2の導電層の上に配置された第2の絶縁性基材
を含む、エレクトロクロミック装置。
【請求項12】
XがOであり、R及びRの各々が水素であり、Mがプロトンである、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項13】
第1の導電層の上に配置された第1のエレクトロクロミック層が、前記n-ドープ有機導電性ポリマーからなる、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項14】
前記p-ドープエレクトロクロミック材料が、NiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーの1つ又は複数を含む、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項15】
前記p-ドープエレクトロクロミック材料が、p-ドープエレクトロクロミックポリマーである、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項16】
電解質層が固体電解質又はゲル電解質を含む、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項17】
第1の導電層又は第2の導電層の一方が、無機導電性材料を含む、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項18】
無機導電性材料が、酸化インジウムスズ又は金属を含む、請求項17に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項19】
第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方が透明である、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項20】
第1の導電層又は第2の導電層が、反射型導電層を含む、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2023年1月20日に出願された米国出願第18/099,850号、及び2022年11月2日に出願された国際出願PCT/US2022/048711号の優先権を主張する。上記出願の内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、透明導電層、又は/及びイオン貯蔵層、又は/及びエレクトロクロミック層としての役割を果たすことができるn-ドープ有機導電性ポリマーを有する、エレクトロクロミック装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロクロミック装置(ECD)は、典型的には、基材としての2層の非導電性層、1層又は2層の透明導電(TC)層、作用電極(WE)としてのエレクトロクロミック層、対電極(CE)としてのイオン貯蔵層及び電解質層を含む7層からなる。エレクトロクロミック層は、外的な電気的偏りが適用されると、色が変化する。その間に、イオン貯蔵層では、エレクトロクロミック層における反応とは反対の反応が起こり、エレクトロクロミック層で発生した電荷を平衡させる。エレクトロクロミック層とイオン貯蔵層との間には、イオン供給源及びイオン伝導チャネルとして機能する、電解質層がある。エレクトロクロミック層及びイオン貯蔵層は、装置のための集電体である透明導体上に配置される。2層の透明導電層が選択される場合、装置は透過型装置として機能する。1層の透明導体を使用する(例えば、他方の導電層が反射型導電層である)場合、典型的には反射型装置として機能する。ECDにおいて最も使用されるTC層は、大部分のEC材料には低いシート抵抗、高い光透過性、及び十分に大きな電位窓のため、酸化インジウムスズ(ITO)である。しかしながら、ITOは、曲げ半径及び曲げ歪みが小さく、機械的に脆弱であり、ロールツーロール製造及びフレキシブルエレクトロニクスにおける用途は限定的である。加えて、インジウムは希土類金属であり、鉱物埋蔵量が乏しい。ITOの需要の増加に伴い、インジウムの入手性は、20年以内に非常に抑制されるようになるであろうが、近年でも価格の高騰が見られている。したがって、高い性能を提供すると同時に低コストなITO代替物を見つけることは非常に望ましいことであり、ECDの層数を減少させて装置構造を単純化し、コストを更に下げることは、更に価値が認められる。更に、溶液処理が可能で、色変化が最小限の透過型イオン貯蔵材料を、エレクトロクロミック材料と組み合わせて、性能及び耐久性を改善することも所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、n-ドープ有機導電性ポリマーを含むエレクトロクロミック装置に関する。
【0005】
一態様では、本開示のエレクトロクロミック装置は、第1の絶縁性基材、第1の絶縁性基材の上に配置された第1の導電層、第1の導電層の上に配置されたイオン貯蔵層、イオン貯蔵層の上に配置された電解質層、電解質層の上に配置されたエレクトロクロミック層、エレクトロクロミック層の上に配置された第2の導電層、及び第2の導電層の上に配置された第2の絶縁性基材を含む。このエレクトロクロミック装置において、第1の導電層若しくは第2の導電層、若しくはイオン貯蔵層、又はこれらの任意の組合せは、式
【化1】
のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む。この式中、Xは、O、S又はSeであり、m及びnの各々は、ゼロよりも大きい整数であり、R及びRの各々は、独立して、水素又はC~C10アルキルの1つから選択され、Mはカチオンである。いくつかの実施形態では、XはOであり、R及びRの各々は水素であり、Mはプロトンである。いくつかの実施形態では、第1の導電層、若しくは第2の導電層、若しくはイオン貯蔵層、又は第1の導電層、及び第2の導電層、及びイオン貯蔵層の任意の組合せは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる。いくつかの実施形態では、第1の導電層とイオン貯蔵層との両方が、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含み、1つの単一層に統合されている。
【0006】
無機及び有機エレクトロクロミック材料のいずれも、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるエレクトロクロミック層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるエレクトロクロミック層は、WO、NiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーの1つ又は複数を含む。種々のタイプの電解質材料(例えば、液体電解質、ゲル電解質又は固体電解質)を、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層は、固体電解質又はゲル電解質を含む。無機及び有機イオン貯蔵材料のいずれも、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるイオン貯蔵層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、イオン貯蔵層が本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まない場合、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるイオン貯蔵層は、4~12族における金属元素の1種若しくは複数の酸化物、又は酸化物の混合物、又は任意の他の金属酸化物をドーピングされた酸化物の1種を含む。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との少なくとも一方は透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層とは、両方透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層は、反射型導電層を含む。
【0007】
別の態様では、本開示のエレクトロクロミック装置は、第1の絶縁性基材、第1の絶縁性基材の上に配置された第1の導電層、第1の導電層の上に配置されており、式
【化2】
のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む第1のエレクトロクロミック層、第1のエレクトロクロミック層の上に配置された電解質層、電解質層の上に配置されており、p-ドープエレクトロクロミック材料を含む第2のエレクトロクロミック層、第2のエレクトロクロミック層の上に配置された第2の導電層、及び第2の導電層の上に配置された第2の絶縁性基材を含む。この式中、Xは、O、S又はSeであり、m及びnの各々は、ゼロよりも大きい整数であり、R及びRの各々は、独立して、水素又はC~C10アルキルの1つから選択され、Mはカチオンである。いくつかの実施形態では、XはOであり、R及びRの各々は水素であり、Mはプロトンである。いくつかの実施形態では、第1の導電層の上に配置された第1のエレクトロクロミック層は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる。
【0008】
無機及び有機p-ドープエレクトロクロミック材料のいずれも、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における第2のエレクトロクロミック層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるp-ドープエレクトロクロミック材料は、1種又は複数のNiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、p-ドープエレクトロクロミック材料は、p-ドープエレクトロクロミックポリマーである。種々のタイプの電解質材料(例えば、液体電解質、ゲル電解質又は固体電解質)を、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるエレクトロクロミック層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層は、固体電解質又はゲル電解質を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層の一方は、無機導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、無機導電性材料は、酸化インジウムスズ又は金属を含む。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方は透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との両方が透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層は、反射型であり、反射型導電性材料を含む。
【0010】
本技術の様々な実施形態のある特定の特質を、特に添付の特許請求の範囲に述べる。本開示の原理を利用している、説明のための実施形態を述べた以下の詳細な説明を参照することによって、本技術の特質及び利点のより良好な理解が得られる。添付図面は、以下のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の1つの例示的実施形態による、透明導電層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの層を含む、エレクトロクロミック装置の断面図である。
図2(A)】いくつかの例示的実施形態による、異なる厚さにおける例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDF薄膜の電気伝導率を含有する図である。
図2(B)】いくつかの例示的実施形態による、異なる厚さにおける例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDF薄膜の透過率を含有する図である。
図2(C)】いくつかの例示的実施形態による、異なる厚さにおける例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDF薄膜のシート抵抗と550nmにおける透過率とを含有する図である。
図3(A)】エレクトロクロミック装置のTC層として機能する、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFの層を含む、3電極エレクトロクロミック装置の例示的設計を示す図である。1つの例示的実施形態による、3電極エレクトロクロミック装置の模式図である。
図3(B)】エレクトロクロミック装置のTC層として機能する、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFの層を含む、3電極エレクトロクロミック装置の例示的設計を示す図である。図3(A)における作用電極の断面図である。
図4(A)】ITO/基材上、及び例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDF/基材上のエレクトロクロミックポリマー(ECP)-Bのサイクリックボルタモグラム、並びに白金ボタン電極上のn-PBDFのサイクリックボルタモグラムを含有する図である。
図4(B)】n-PBDF/基材上のECP-Bの分光電気化学分析の図である。
図5(A)】例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFの電荷容量を示す図である。プロピレンカーボネート(PC)中、0.2Mのテトラブチルアンモニウム-ビス-トリフルオロメタンスルホンイミデート(TBA-TFSI)において、異なる速度におけるITO上の30nm厚n-BDF薄膜のサイクリックボルタモグラムである。
図5(B)】例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFの電荷容量を示す図である。走査速度に対してプロットした、0.3V(対Ag/AgCl)における平均電流密度を示す図である。
図6】本開示のいくつかの例示的実施形態による、イオン貯蔵層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの層を含む、エレクトロクロミック装置の断面図である。
図7(A)】1つの例示的実施形態による、イオン貯蔵層として機能するn-PBDFの層を含む、例示的なITO/例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Bエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、有色及び退色状態における分光電気化学分析の図である。
図7(B)】1つの例示的実施形態による、イオン貯蔵層として機能するn-PBDFの層を含む、例示的なITO/例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Bエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、段階的電位高速クロノアンペロメトリー(SPFC)由来のスイッチング動態を示す図である。
図8】本開示のいくつかの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能する、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの層、及び作用電極用のTC層として機能する、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの別の層とを含む、エレクトロクロミック装置の断面図である。
図9(A)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Bエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、有色及び退色状態における分光電気化学分析の図である。
図9(B)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Bエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、SPFC由来のスイッチング動態を示す図である。
図10(A)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Mエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、有色及び退色状態における分光電気化学分析の図である。
図10(B)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-Mエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、SPFC由来のスイッチング動態を示す図である。
図11(A)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-BKエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、有色及び退色状態における分光電気化学分析の図である。
図11(B)】1つの例示的実施形態による、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能するn-PBDFの層、及び作用電極用のTC層として機能するn-PBDFの別の層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/ECP-BKエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、SPFC由来のスイッチング動態を示す図である。
図12】印加電圧を-0.3Vから0.9Vまで上昇させた、PC中0.2MのTBA-TFSIにおける、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDFの吸光分光電気化学分析の図である。
図13】1つの例示的実施形態による、対電極用のエレクトロクロミック層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの層を含む、エレクトロクロミック装置の断面図である。
図14(A)】1つの例示的実施形態による、対電極用のエレクトロクロミック層として機能するn-PBDFの層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/PEDOT:PSSエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、有色及び退色状態における分光電気化学分析の図である。
図14(B)】1つの例示的実施形態による、対電極用のエレクトロクロミック層として機能するn-PBDFの層を含む、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDF/PEDOT:PSSエレクトロクロミック装置の図である。1つの例示的実施形態による、SPFC由来のスイッチング動態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、本開示の様々な実施形態の十分な理解を提供するために、ある特定の具体的な詳細を述べる。しかしながら、本開示は、これらの詳細によらずに実施してもよいことを、当業者は理解するであろう。更に、本開示の様々な実施形態をここに開示するが、当業者が共通して持つ一般的知識によって、本開示の範囲内で多くの調節及び修正がなされうる。このような修正には、実質的に同じ方法で同じ結果を達成するために、本開示の任意の態様についての公知の等価物で置換することを含む。
【0013】
文脈による別段の要求がない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて、「comprise(~を含む)」の語並びにその変化形、例えば「comprises」及び「comprising」は、制限のない包含的な意味において、すなわち、「~を含むが、それに限定されない」として解釈されるものとする。本明細書全体を通じて、値の数的範囲の列挙は、範囲を画定する値を含めて、範囲内にある各別々の値を個別に参照する省略表記としての役割を果たすことを意図し、各別々の値は、ここに個別に列挙したように、本明細書に組み込まれる。加えて、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に別段の指示をしない限り、複数の参照事項を含む。
【0014】
この明細書全体を通じて、「一実施形態」又は「ある実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載される特定の特質、構造又は特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体を通じた様々な場所における、「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも、すべてが同じ実施形態を参照しているわけではないが、いくつかの例では、同じ実施形態を参照していてもよい。更に、1つ又は複数の実施形態では、特定の特質、構造又は特徴を、任意の好適な様式で組み合わせてもよい。
【0015】
ここに記載される様々な実施形態は、式
【化3】
のn-ドープ有機導電性ポリマーを含むエレクトロクロミック装置を対象とする。この式中、Xは、O、S又はSeであり、m及びnの各々は、ゼロよりも大きい整数であり、R及びRの各々は、独立して、水素又はC~C10アルキルの1つから選択され、Mはカチオンである。いくつかの実施形態では、XはOであり、R及びRの各々は水素であり、Mはプロトンであり、これらの実施形態によるn-ドープ有機導電性ポリマーは、n-PBDFと呼ばれる。本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、透明導電(TC)層、及び/又はイオン貯蔵層、及び/又はエレクトロクロミック層として機能しうる。この明細書全体を通じて、例示的な目的のために、3種の特定のエレクトロクロミックポリマーが使用される。この開示は、これらの例に限定されるものではないことが理解されるべきである。ECP-マゼンタ(ECP-M)は、例示的なマゼンタ色のECPである。ECP-ブルー(ECP-B)は、例示的な青色のECPである。ECP-ブラック(ECP-BK)は、例示的な黒色のECPである。例示的なECP-M、ECP-B及びECP-BKの構造を、下にそれぞれ次の通り示すが、nは、ゼロよりも大きい整数である。
【0016】
【化4】
【0017】
従来のECDは、基材としての2層の非導電性層、それぞれ基材上に配置された1層又は2層の透明導電(TC)層(1層は作用電極用、1層は対電極用)、作用電極(WE)としてのエレクトロクロミック層、対電極(CE)としてのイオン貯蔵層、及びWEとCEとの間に挿入された電解質層を含む7層からなる。本開示において、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、TC層、又は/及びイオン貯蔵層、又は/及びエレクトロクロミック層としての役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、従来のITOと置き換えて非常に透明な導体とすることができ、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、ECDにおけるTC層の少なくとも1層として機能することができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、ECDにおけるイオン貯蔵層として機能することができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、対電極用のTC層とイオン貯蔵層との両方として、別々に機能することができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、対電極用のTC層とイオン貯蔵層との両方として同時に(例えば、1つの単一層として統合される)機能することができ、その結果、層が減少し、エレクトロクロミック装置の構造が単純化する。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、対電極用のイオン貯蔵層及び作用電極用のTC層として、別々に機能することができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、対電極用のTC層とイオン貯蔵層との両方として同時に(例えば、1つの単一層として統合される)、及び作用電極用のTC層として機能することができ、その結果、層が減少し、エレクトロクロミック装置の構造が単純化する。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、対電極用のTC層とイオン貯蔵層との両方として別々に、及び作用電極用のTC層として機能することができる。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、酸化還元反応を行ってエレクトロクロミック特性を呈し、エレクトロクロミック層として機能することができ(対電極として、従来のイオン貯蔵層と置き換える)、作用電極としてのp-ドープエレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック層と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、本開示のECDは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる層を含む。TC層及び/又はイオン貯蔵層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの他に、電解質塩(例えば、Li塩、Na塩、TBA(テトラブチルアンモニウム))、又は機械的特性を調節するためのいくつかの安定剤(例えば、PEG(ポリエチレングリコール)、ポリスチレン)等の、層の光学特性及び電気伝導率に有意に影響を与えない他の成分を含んでもよい。エレクトロクロミック層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの他に、電解質塩(例えば、Li塩、Na塩、TBA(テトラブチルアンモニウム))、若しくは機械的特性を調節するためのいくつかの安定剤(例えば、PEG(ポリエチレングリコール)、ポリスチレン)等の、層の光学特性及び電気伝導率に有意に影響を与えない他の成分、又はWO、ビオロゲン若しくはn-ドープエレクトロクロミックポリマー等の、いくつかの他のn-ドープエレクトロクロミック材料を含んでもよい。p-ドープエレクトロクロミック材料とは、材料が酸化されると、エレクトロクロミックプロセスを起こすことを意味する。n-ドープエレクトロクロミック材料とは、材料が還元されると、エレクトロクロミックプロセスを起こすことを意味する。
【0018】
本開示において、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、大部分のEC材料には低いシート抵抗、高い光透過性、及び大きな電位窓を示し、これによって、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、ECDのための有機透明導体となる。これに加えて、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、機械的に可撓性であり、ロールツーロール製造及びフレキシブルECDに容易に適用することができ、従来の透明導体ITOに対抗している。本開示において開示されるECDにおいて、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層が、対電極用のイオン貯蔵層とTC層との両方として同時に機能する場合、ECDの構造を単純化することができ、したがって、より少ないコスト且つ改善されたスループットで製造することができる。そのため、本開示の技術は、高性能ECDをより低コストで提供することができる。
【0019】
一態様では、本開示のエレクトロクロミック装置は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層を含み、この層は、適用された装置の電位窓の範囲内では酸化還元反応が起こらず、透明なままである。3つの主要な異なるタイプの、本開示のエレクトロクロミック装置の構成がある。各タイプから各々の例示的な構成を示し、以下の通り論じる。
【0020】
本開示のエレクトロクロミック装置の第1のタイプは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む少なくとも1層のTC層を有する。図1に示されるように、このような例示的な構成は、第1の絶縁性基材102、第1の絶縁性基材102の上に配置されており、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む第1の導電層104、第1の導電層104上に配置されたイオン貯蔵層106、イオン貯蔵層106の上に配置された電解質層108、電解質層108の上に配置されたエレクトロクロミック層110、エレクトロクロミック層110の上に配置された第2の導電層112、第2の導電層112の上に配置された第2の絶縁性基材114、及びエレクトロクロミック装置100を動作させるための回路配線116を有しうる。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方は透明である(導電層が透明である場合、TC層と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との両方が透明である(これらの本開示のECDの場合、2層のTC層を有する)。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層は、反射型導電層、例えば金属層を含み、反射型ECDを形成する。いくつかの実施形態では、第1の導電層104は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まない透明導体(例えばITO)を含んでもよく、第2の導電層112は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の導電層104と第2の導電層112との両方が、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の導電層104と第2の導電層112との少なくとも一方が、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる。
【0021】
本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、高性能透明導体として機能することができる。これを実証するため、n-PBDFを例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーとして使用し、様々な厚さにおける光学的透過率、電気伝導度及びシート抵抗を調査する。図2(A)は、16nm~94nmの範囲にわたる厚さを有する薄膜の導電性を示す図である。薄膜の導電性は、膜厚が増加するにつれて上昇する。94nmの厚さの前後では、6100S/cmに達する。n-PBDF薄膜の光学的透過率を、図2(B)に図示する。図2(B)に示されるように、n-PBDF薄膜は、可視領域(例えば400~700nm)において、高い透過率を示す。薄膜の導電性及び可視領域における透過率が高いことは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーが、透明導体として使用するのに好適であることを示す。これは、シート抵抗及び光学的透過率が膜厚とともにプロットされた、図2(C)において更に明らかとなる。ヒトの目が最も高感度となる550nmの波長において、最適化されたn-PBDF薄膜は、45Ω/sqという低いシート抵抗と、高い透過率(T550>80%)を呈し、従来の透明導体ITOに対抗することができる。したがって、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、高性能透明導体として確立される。
【0022】
ECDにおいてTC層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの実証を単純化するため、3電極エレクトロクロミック装置300を採用する。図3(A)における模式図に示されるように、本明細書で開示されるECD300は、対電極(例えばPt)CE、参照電極(例えばAg/AgCl)RE及び作用電極WEを含む。図3(B)における作用電極WEの断面図を描いた図に示されるように、作用電極WEは、基材としてガラス又はPETのピース、透明導体として本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの層、及びエレクトロクロミック層としてエレクトロクロミック材料(例えばECP-B)の層を含む。一実施形態では、T550(波長550nmにおける透過率)>85%且つR(シート抵抗)<80Ω/sqである例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDFの層がまず、剥き出しのガラス基材上にコーティングされ、続いてエレクトロクロミック層、例えばECP-Bがコーティングされる。次いでこのガラススライドを液体電解質に浸して、3電極エレクトロクロミック装置を準備する。一実施形態では、最大0.7V(対Ag/AgCl)の正電位を印加すると、ECP-Bは徐々に酸化され、透過型となる。このプロセスは、図4(B)に示されるように、n-PBDF/基材構造体における、ECP-Bの分光電気化学分析測定において捕捉される。印加電圧が上昇するにつれて、可視領域(例えば400~700nm)におけるECP-Bの透過率が上昇する。透明電極としてITOを使用した場合に同じ測定を実行すると、非常に類似したエレクトロクロミック応答が記録される。ITO/基材上のECP-B、n-PBDF/基材上のECP-B、及び白金ボタン作用電極上で取得したn-PBDF自体についてのCV測定結果を図4(A)に示すが、ECP-Bエレクトロクロミック層は、ECP-Bが、ITO透明導体上とn-PBDF透明導体上との両方で、-0.2V前後(対Ag/AgCl)における同じ酸化開始点を有することを示しており、これは、n-PBDFの酸化開始点(Ag/AgClに対して0.58V)よりも約0.8V低い。したがって、n-PBDFに印加される電圧が0.58Vよりも低い場合、n-PBDFは酸化還元反応を起こさない。総じて、これらの結果は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、エレクトロクロミック装置の光学特性及び電気特性に悪影響を及ぼすことなく、エレクトロクロミック装置におけるTC層として使用することができ、無機TC(例えばITO)に匹敵しうることを実証している。
【0023】
透過性に加えて、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、高い電荷密度を呈する。例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFを、実証のために使用する。図5(A)に示されるように、0.2MのTBA-TFSI(PC)電解質中、異なる走査速度でサイクリックボルタモグラムを記録することによって、n-PBDF薄膜の体積比容量(C)を測定した。サイクリックボルタモグラムによれば、-0.2V~+0.4Vの範囲における非ゼロ電流プラトーは、二重層容量を表す。図5(B)に示されるように、容量性挙動は、走査速度に伴って電流密度が直線的に増加することによっても確認される。高い光学的透過性と大きな電荷容量との両方によって、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、ECDにおけるイオン貯蔵材料に使用されることが確保される。
【0024】
本開示のエレクトロクロミック装置の第2のタイプは、イオン貯蔵層として、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層を有する。イオン貯蔵層として機能する本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層を有する、例示的なECDスキームを図6に示す。ECDは、第1の絶縁性基材602、第1の絶縁性基材602の上に配置された第1の導電層604、第1の導電層604上に配置されており、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含むイオン貯蔵層606、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含むイオン貯蔵層606の上に配置された電解質層608、電解質層608の上に配置されたエレクトロクロミック層610、エレクトロクロミック層610の上に配置された第2の導電層612、第2の導電層612の上に配置された第2の絶縁性基材614、及びエレクトロクロミック装置600を動作させるための回路配線616を含む。本開示のn-ドープ有機導電性ポリマー層は、イオン貯蔵層として機能し、エレクトロクロミック層610(作用電極)における、無機又は有機エレクトロクロミック材料のいずれかとともに作用することができる。いくつかの実施形態では、イオン貯蔵層606は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方は透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との両方が透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層は、反射型導電層、例えば金属層を含み、反射型ECDを形成する。
【0025】
エレクトロクロミック装置のためのイオン貯蔵層(対電極)としての、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層の性能を実証するため、次のECD実施形態では、作用電極として、エレクトロクロミック層においてECP-Bを例示的なECPとして使用し、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFを使用する。in situで架橋した1:1のPEGDA:PC中0.2Mを、電解質層608として使用する。本開示のn-PBDF薄膜を、対電極用のイオン貯蔵層606として用いる。図7(A)は、本開示のエレクトロクロミック装置の透過率スペクトルを図示した図である。透過率スペクトルは、着色プロセス中の大きな変化を示しており、有色状態と退色状態との間で、エレクトロクロミック装置が首尾よくスイッチしたことを示す。段階的電位高速クロノアンペロメトリー(SPFC)由来のスイッチング動態を図7(B)に示すが、これは、エレクトロクロミック装置が、612nmにおいて、5%から55%への高速スイッチングを達成していることを示す。この結果は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーが、エレクトロクロミック装置のためのイオン貯蔵材料として、優れた働きをすることを実証している。
【0026】
本開示のエレクトロクロミック装置の第3のタイプは、TC層とイオン貯蔵層との両方として機能する、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層を有する。エレクトロクロミック装置800の1つの例示的な構成を、図8に示す。ECD800は、第1の絶縁性基材802、第1の絶縁性基材802の上に配置されており、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層804、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層804の上に配置された電解質層806、電解質層806の上に配置されたエレクトロクロミック層808、エレクトロクロミック層808の上に配置されたTC層810、及び導電層810の上に配置された第2の絶縁性基材812を含む。導電層810は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含んでもよく、若しくは本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなってもよく、又は本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まないTC層、例えばITOであってもよく、又は反射型導電層、例えば金属であってもよい。エレクトロクロミック装置800は、エレクトロクロミック装置800を動作させるための回路配線814を更に含む。この例示的な装置800において、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む単一層804は、対電極用のTC層とイオン貯蔵層との両方として同時に機能し、したがって、より低コスト且つより高いスループットで装置の構造が単純化される。いくつかの実施形態では、各層における他の成分由来の変形に起因して、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層804は、2つの別々の層に分割され、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む一方の層がTC層として機能し、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む他方の層がイオン貯蔵層として機能してもよい。TC層810はまた、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含んでもよく、若しくは本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなってもよく、又は本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まないTC層、例えばITOであってもよい。いくつかの実施形態では、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む層804は、2つの別々の層に分割され、イオン貯蔵層として本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む1つの層と、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まない1つのTC層、例えばITOを有してもよく、TC層810はまた、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含んでもよく、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなってもよい。いくつかの実施形態では、本開示のエレクトロクロミック装置は、TC層とイオン貯蔵層との両方として機能する、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる層を有する。
【0027】
一実施形態では、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFを、エレクトロクロミック層808(作用電極)としてのECP-B、電解質層806としてのin situで架橋した1:1のPEGDA:PC中0.2MのTBATFSI、作用電極808用の透明導電層810としてのn-PBDF薄膜、及びn-PBDF層804を使用したエレクトロクロミック装置に組み立てる。n-PBDF層804は、対電極用の透明導体とイオン貯蔵層との両方として同時に機能する。エレクトロクロミック装置の光学的性能を、図9(A)及び図9(B)に示す。図9(A)は、エレクトロクロミック装置の透過率スペクトルを図示した図である。透過率スペクトルは、着色プロセス中の大きな変化を示しており、有色状態と退色状態との間で、エレクトロクロミック装置が首尾よくスイッチしたことを示す。SPFC由来のスイッチング動態を図9(B)に示すが、これは、エレクトロクロミック装置が、612nmにおいて、18%から70%への高速スイッチングを達成していることを示す。この結果は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーが、対電極用の透明導体及びイオン貯蔵材料として、優れた働きをすることを実証している。
【0028】
上記の構造的構成は、他のタイプのECPにも適用することができる。例えば、エレクトロクロミック層808のECP-Bは、ECP-M又はECP-BKと置き換えてもよい。ECP-Mエレクトロクロミック層808を有するエレクトロクロミック装置の光学的性能を、図10(A)及び図10(B)に示す。図10(A)は、エレクトロクロミック装置の透過率スペクトルを図示した図である。透過率スペクトルは、着色プロセス中の大きな変化を示しており、有色状態と退色状態との間で、エレクトロクロミック装置が首尾よくスイッチしたことを示す。SPFC由来のスイッチング動態を図10(B)に示すが、これは、エレクトロクロミック装置が、550nmにおいて、22%から78%への高速スイッチングを達成していることを示す。この結果は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーが、透明導体及びイオン貯蔵材料として、ECP-Mエレクトロクロミック層808とともに優れた働きをすることを実証している。
【0029】
ECP-BKエレクトロクロミック層808を有するエレクトロクロミック装置の光学的性能を、図11(A)及び図11(B)に示す。図11(A)は、エレクトロクロミック装置の透過率スペクトルを図示した図である。透過率スペクトルは、着色プロセス中の大きな変化を示しており、有色状態と退色状態との間で、エレクトロクロミック装置が首尾よくスイッチしたことを示す。SPFC由来のスイッチング動態を図11(B)に示すが、これは、エレクトロクロミック装置が、550nmにおいて、7%から40%への高速スイッチングを達成していることを示す。この結果は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーはまた、透明導体及び/又はイオン貯蔵材料として、ECP-BKエレクトロクロミック層808とともに優れた働きをすることを実証している。
【0030】
無機及び有機エレクトロクロミック材料のいずれも、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるエレクトロクロミック層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるエレクトロクロミック層は、WO、NiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーの1つ又は複数を含む。種々のタイプの電解質材料(例えば、液体電解質、ゲル電解質又は固体電解質)を、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層は、固体電解質又はゲル電解質を含む。
【0031】
無機及び有機イオン貯蔵材料のいずれも、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるイオン貯蔵層に使用してもよい。いくつかの実施形態では、イオン貯蔵層が本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まない場合、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置におけるイオン貯蔵層は、4~12族における金属元素の1種若しくは複数の酸化物、又は酸化物の混合物、又は任意の他の金属酸化物をドーピングされた酸化物の1種を含む。基材102及び114は、任意の絶縁性基材、例えばガラス又はプラスチックであってもよい。基材102及び114は、ロールツーロール製造プロセスに適応するように、可撓性であってもよい。
【0032】
別の態様では、本開示はまた、エレクトロクロミック層としての本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの使用に関する。例示的な有機導電性ポリマーPBDFと、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDFとは、酸化還元対である。したがって、これらは電位によって、エレクトロクロミック材料として機能することができる。PC中0.2MのTBA-TFSIにおいて、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーn-PBDFの分光電気化学的特性評価を実行する。図12に示されるように、n-PBDFは、酸化還元反応を起こすことができ、850nm前後における最大吸光度で色を提示し、印加電圧の上昇に伴って吸光度が上昇する。図13は、1つの例示的実施形態による、対電極用のエレクトロクロミック材料として本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを用いた、エレクトロクロミック装置1300の構成を図示している。エレクトロクロミック装置1300は、第1の絶縁性基材1302、第1の絶縁性基材1302の上に配置された第1の導電層1304、第1の導電層1304の上に配置されており、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む第1のエレクトロクロミック層1306、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含む第1のエレクトロクロミック層1306の上に配置された電解質層1308、電解質層1308の上に配置されており、p-ドープエレクトロクロミック材料を含む第2のエレクトロクロミック層1310、p-ドープエレクトロクロミック材料を含む第2のエレクトロクロミック層1310の上に配置された第2の導電層1312、及び第2の導電層1312の上に配置された第2の絶縁性基材1314を含む。いくつかの実施形態では、第1又は第2の導電層1304及び1312の一方は、有機又は無機導電性材料(例えばITO)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との一方が、反射型導電材料、例えば金属を含み、反射型ECDを形成する。いくつかの実施形態では、第1の導電層又は第2の導電層の少なくとも一方は透明である。いくつかの実施形態では、第1の導電層と第2の導電層との両方が透明である。いくつかの実施形態では、ここに示したようなデュアルポリマーECDについての印加電位窓のもとでは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーが発色しうるため、第1の導電層1304と第2の導電層1312とは、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーを含まない。第1のエレクトロクロミック層1306における本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーは、n-ドープECPとして機能する。エレクトロクロミック装置1300は、エレクトロクロミック装置1300を動作させるための回路配線1316を更に含む。いくつかの実施形態では、第1のエレクトロクロミック層1306は、本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーからなる。
【0033】
無機及び有機p-ドープエレクトロクロミック材料のいずれも、第2のエレクトロクロミック層1310に使用してもよい。いくつかの実施形態では、第2のエレクトロクロミック層1310におけるp-ドープエレクトロクロミック材料は、NiO、IrO、V、イソインジゴ、ポリ(デシルビオロゲン)及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリ(プロピレンジオキシチオフェン)及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリカルバゾール及びその誘導体を含むエレクトロクロミック共役ポリマー、並びにこれらのコポリマー、又はベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール若しくはジケトピロロピロールを含むアクセプターユニットを含有するコポリマーの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、p-ドープエレクトロクロミック材料は、p-ドープエレクトロクロミックポリマーである。種々のタイプの電解質材料(例えば、液体電解質、ゲル電解質又は固体電解質)を、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層1308に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるエレクトロクロミック装置における電解質層1308は、固体電解質又はゲル電解質を含む。
【0034】
EC層としての本開示のn-ドープ有機導電性ポリマーの性能を実証するために、例示的なn-ドープ有機導電性ポリマーであるn-PBDFを、例示的なp-ドープポリマーであるPEDOT:PSSと組み合わせて、デュアルポリマーエレクトロクロミック装置を作製する。一実施形態では、n-PBDFを、p-ドープECPとしてのPEDOT:PSS、電解質としてのin situで架橋した1:1のPEGDA:PC中0.2MのTBATFSI、n-ドープECPとしてのn-PBDFを使用したエレクトロクロミック装置に組み立てる。略図を図13に描画する。図14(A)に見られるように、0.2V刻みで-0.5Vから1.5Vの間で、分光電気化学測定を記録した(例として、少数の電圧のみを示した)。一方の電極において、酸化時にn-PBDFが電子を失い、中性状態に戻り、これに伴って850nm前後の吸光度ピークが上昇する。他方の電極において、PEDOT:PSSが還元され、中性状態に戻り、これに伴って700nm前後の吸光度ピークが上昇する。エレクトロクロミック装置は、高速スイッチング動態と、50%という高い光学的コントラストとを示す。図14(B)に示されるように、-0.5Vの印加電圧において、0.2秒以内に退色状態に達し、1.5Vの印加電圧において、3秒以内に有色となる。この装置は、1900cm/Cという高い着色効率を示し、公知のエレクトロクロミック装置の中で最高記録の数値である。
【0035】
上述の本開示の記載は、例証及び説明のために提供されている。本開示は、網羅的であること、又は厳密な開示された形態に限定することを意図するものではない。本開示の幅広さ及び範囲は、上記の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。当業者には、多くの修正及び変形が明らかであろう。修正及び変形としては、本開示の特質の任意の関連する組合せが挙げられる。実施形態は、本開示の原理及びその実践的な応用を最も良好に説明するために選択及び記載されており、これによって、当業者は、様々な実施形態について、及び企図される特定の使用に好適な様々な修正によって、本開示を理解することができる。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその等価物によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0036】
100 エレクトロクロミック装置
102 第1の絶縁性基材
104 第1の導電層
106 イオン貯蔵層
108 電解質層
110 エレクトロクロミック層
112 第2の導電層
114 第2の絶縁性基材
116 回路配線
CE 対電極
RE 参照電極
WE 作用電極
600 エレクトロクロミック装置
602 第1の絶縁性基材
604 第1の導電層
606 イオン貯蔵層
608 電解質層
610 エレクトロクロミック層
612 第2の導電層
614 第2の絶縁性基材
616 回路配線
800 エレクトロクロミック装置
802 第1の絶縁性基材
804 n-ドープ有機導電性ポリマーを含む層
806 電解質層
808 エレクトロクロミック層
810 導電層
812 第2の絶縁性基材
814 回路配線
1300 エレクトロクロミック装置
1302 第1の絶縁性基材
1304 第1の導電層
1306 第1のエレクトロクロミック層
1308 電解質層
1310 第2のエレクトロクロミック層
1312 第2の導電層
1314 第2の絶縁性基材
1316 回路配線
図1
図2(A)】
図2(B)】
図2(C)】
図3(A)】
図3(B)】
図4(A)】
図4(B)】
図5(A)】
図5(B)】
図6
図7(A)】
図7(B)】
図8
図9(A)】
図9(B)】
図10(A)】
図10(B)】
図11(A)】
図11(B)】
図12
図13
図14(A)】
図14(B)】
【外国語明細書】