(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070847
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】アクセス・プロトコルのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20240516BHJP
H04W 76/11 20180101ALI20240516BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240516BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240516BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W76/11
H04W72/0446
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023191966
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】202221064892
(32)【優先日】2022-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】18/307,419
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.FRAM
3.HDMI
4.リナックス
5.MAC OS
6.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】318015161
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・インターナショナル・セールス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Avago Technologies International Sales Pte.Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Yishun Avenue 7,Singapore 768923,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】シンドゥ・ヴェルマ
(72)【発明者】
【氏名】シュブホディープ・アディカリ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェイ・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンコ・アーセグ
(72)【発明者】
【氏名】ビジョイ・ブカニア
(72)【発明者】
【氏名】スリカンス・グマディ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ71
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ステーション(局)(STA)とアクセス・ポイント(AP)との間の通信又は他の通信装置間の通信のためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ネットワーク通信において、装置は、オーバーラッピング基本サービスセット(OBSS)通信のエネルギーレベルを検出し、OBSS通信と関連したアイデンティティーを特定し、OBSS通信のアイデンティティーと関連した閾値を決定し、OBSS通信のエネルギーレベルを閾値と比較し、OBSS通信と同じリンクでOBSS通信にメッセージを同時に送信する。メッセージは、閾値をOBSS通信のエネルギーレベルと比較することに基づいて、送信される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、当該装置は、
オーバーラッピング基本サービスセット(OBSS)通信のエネルギーレベルを検出し、
前記OBSS通信と関連したアイデンティティを特定し、
前記OBSS通信のアイデンティティと関連した閾値を決定し、
前記OBSS通信のエネルギーレベルを前記閾値と比較し、
前記閾値と前記OBSS通信のエネルギーレベルとの比較に基づいて、前記OBSS通信と同じリンクで、メッセージを前記OBSS通信に同時に送信する、ように構成されている、装置。
【請求項2】
前記OBSS通信と関連したアイデンティティは、BSSのカラーである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、アクセス・ポイント(AP)であり、そのAPは、前記エネルギーレベルに基づいて、追加のネットワーク・ノードのためにTXOPをスケジュールし、前記APから切り離し、前記TXOPを前記追加のネットワーク・ノードに譲るように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記OBSS通信と関連したアイデンティティは、前記OBSS通信のアドレスのアイデンティティである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記OBSS通信と関連したアイデンティティは、前記OBSS通信を実施する送信機-受信機対のそれぞれのアイデンティティである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、ステーション(STA)として動作するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、アクセス・ポイントとして動作するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、同じBSSの1つ又は複数のステーションのためにルックアップテーブル(LUT)を維持するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、
追加のアクセス・ポイントのために追加のLUTを維持し、
前記アクセス・ポイント又は前記追加のアクセス・ポイントの少なくとも1つへ/からの失敗した送信を検出し、
前記失敗した送信の検出に基づいて、前記LUT又は前記追加のLUTを更新する、ように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置と前記追加のアクセス・ポイントとの間で前記LUTの一部を伝えるための有線接続を更に含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、前記送信したメッセージの送信電力を、前記OBSS通信のエネルギーレベルに基づいて調整するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
装置であって、
プライマリAPとして選定された第1のアクセス・ポイント(AP)を含み、その第1のAPは、
検出された電力レベルを第2のAPから受け取り、
前記検出された電力レベルをルックアップテーブル(LUT)に格納し、
1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードで同時に送信するための閾値を決定し、
前記第1のAPとのネットワーク通信におけるステーション(STA)装置に前記LUT又は前記閾値を送信するように構成され、
前記第2のAPは、複数のSTA装置と同時に無線通信するように構成された無線機を含む、装置。
【請求項13】
前記第1のAP及び前記第2のAPは、前記閾値に基づいた電力レベルで送信するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のAPと前記第2のAPとの間の有線接続を更に含み、
電力レベル情報が前記有線接続を介して伝えられる、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードは、前記識別されたネットワーク・ノードのBSSのカラーに基づいて、識別される、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードは、メッセージの送信機または受信機の少なくとも1つの識別子に基づいて、識別される、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のAPは、前記第1のAPのBSSの各装置と前記第2のAPのBSSの装置との間の経路損失を前記LUTに格納するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
方法であって、
第1のAPにより、BSSの第1の非AP装置の第1のリンクタイプを受け取り、
前記第1のAPにより、前記BSSの第2の非AP装置の第2のリンクタイプを受け取り、
前記第1のAPにより、前記第1の非AP装置と関連した第1の情報、前記第2の非AP装置と関連した第2の情報を特定し、
前記第1のリンクタイプ及び前記第2のリンクタイプに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の情報の通信を前記第2の情報とアラインメントする、ことを含む、方法。
【請求項19】
前記アラインメントは、
前記第1のAPにより、前記第1の非APによる第1のデータパケットの送信の開始または終了を、前記第2の非AP装置による第2のデータパケットの送信の開始または終了とアラインメントすることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のリンクタイプは、非同時送受信(NSTR)であり、前記第2のリンクタイプはNSTRであり、前記アラインメントは、前記第2のデータパケットと共に前記第1のデータパケットを同時送信することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2022年11月12日に出願されたインド国仮特許出願第2022-21064892号の優先権を主張しており、その内容全体は参照により全体として援用される。
【0002】
開示の分野
本開示は概して、ステーション(局)(STA)とアクセス・ポイント(AP)との間の通信、又は他の通信装置間の通信のためのシステム及び方法に関する。
【0003】
開示の背景
過去20~30年間において、無線通信装置の市場は、桁違いで成長しており、携帯機器の使用によって促進され、装置の全ての態様の間で接続性およびデータ転送が増大した。デジタル交換技術は、手頃な使いやすい無線通信ネットワークの大規模な配備を容易にした。更に、デジタル及び無線周波数(RF)回路製作の改善、並びに回路集積化および他の態様の進歩は、無線機器をより小さく、より安価に且つより信頼できるものにした。無線通信は、IEEE802.11x、ブルートゥース、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、符号分割多重アクセス方式(CDMA)のような、様々な規格に従って動作することができる。より高いデータスループット、ネットワーク密度、及び他の変更が発展するにつれて、IEEE802.11nからIEEE802.11ac、802.11ax、IEEE802.11beまでの進歩のように、より新しい規格が採用のために絶えず開発されている。ネットワーク密度は、ベース・ステーションセット(BSS)間またはBSS内の干渉に基づいた送信機会の低減につながる可能性がある。TXOPの喪失は、ネットワーク通信の待ち時間の増大またはスループットの減少の一因となる可能性がある。
【0004】
本開示の様々な目的、態様、特徴および利点は、添付図面に関連してなされる詳細な説明を参照することによって、より明らかになり且つより理解されるであろう。添付図面において、同様の参照符号は、全体にわたって、対応する要素を識別する。当該図面において、同様の参照符号は概して、同一の要素、機能的に類似する要素、及び/又は構造的に類似する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】幾つかの実施形態による、1つ又は複数の装置またはステーションと通信する1つ又は複数のアクセス・ポイントを含むネットワーク環境を示すブロック図である。
【0006】
【
図1B】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【
図1C】幾つかの実施形態による、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して有用なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【0007】
【
図2】幾つかの実施形態による、アクセス・ポイント(AP)(複数)及びステーション(STA)(複数)を含むネットワークを示すブロック図である。
【0008】
【
図3】幾つかの実施形態による、ルックアップ・テーブルである。
【0009】
【
図4】幾つかの実施形態による、ネットワーク通信の例示的な方法を示す流れ図である。
【0010】
【
図5】幾つかの実施形態による、複数のAP装置および非AP装置を含むBSSネットワークである。
【0011】
【
図6】幾つかの実施形態による、ネットワーク通信の例示的な方法600である。
【0012】
方法およびシステムの様々な実施形態の詳細が、添付図面および以下の説明に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
IEEE規格(単数または複数)の任意の草案を含む、以下のIEEE規格(単数または複数)、即ち、ワイファイ(WiFi)アライアンス規格、及び以下に限定されないが、IEEE802.11a(登録商標)規格、IEEE802.11b(登録商標)規格、IEEE802.11g(登録商標)規格、IEEEP802.11n(登録商標)規格、及びIEEE802.11ac(登録商標)規格を含むIEEE802.11規格は、参照により全体として本明細書に組み込まれ、全ての目的のために本開示の一部をなす。本開示は、これら規格(単数または複数)の態様を参照することができるが、本開示は、これら規格(単数または複数)により全く制限されない。
【0014】
以下の様々な実施形態に関する説明を読むために、本明細書およびそれらの個々の内容に関する以下のセクションの説明は有用であることができる。即ち、
-セクションAは、本明細書で説明される実施形態を実施するために有用であることができるネットワーク環境およびコンピューティング環境を説明する、及び
-セクションBは、アクセス・プロトコルの実施形態およびアクセス・プロトコルを用いる方法と装置を説明する。
【0015】
スループットを増大させるために又は待ち時間を低減するために、ネットワークは、空間次元にわたって複数のメッセージを同時に送信することができる。例えば、異なる装置は、同じリンク(例えば、周波数)にわたって同じ時間に同時に通信することができ、この場合、送信の相互干渉は十分に低い。例えば、送信電力は、干渉を避けるために調整され得る。ネットワークは、アクセス・ポイント(例えば、AP又はモバイルAP)を介して通信することができるクライアント装置(例えば、STA)を含む装置の基本サービスセット(BSS)のような、サブネットワーク内の送信機を決定するための調停または他の方法を含むことができる。しかしながら、幾つかのネットワークは、オーバーラッピング基本サービスセット(Overlapping BSS:OBSS)を含むことができる。例えば、幾つかのネットワークは、同じ拡張サービスセット(例えば、SSIDを共用)又は異なる拡張サービスセットのOBSS(OverlappingBSS)を含むことができる。BSSの幾つかのネットワーク装置は、1つ又は複数のOBSSとの干渉の原因となる可能性がある。無線装置は、他の装置との干渉を避けるために送信の前にクリア・チャネル評価(CCA)を行うことができる。例えば、無線装置は、OBSSのメッセージを検出するためにプリアンブル検出(PD)を利用することができる(OBSS-PD)。無線装置は、メッセージ、プリアンブル、又はそれらの一部の電力レベル又はエネルギー・レベルを更に求める(特定する)ことができる。例えば、無線装置は、別のネットワーク装置の電力レベルを求めるためにOBSS-PDを利用することができる。
【0016】
無線装置は、検出したプリアンブルの電力レベルに基づいて、送信機会(TXOP)が存在するか否かを判断することができる。例えば、無線装置は、閾値(例えば、-82dBm)を含む又は受け取ることができる。無線装置は、OBSS-PD電力レベルを閾値と比較することができる。無線装置は、閾値未満のOBSS-PD電力レベルを有する別の装置で同時に送信することができる。係るオーバーラップ通信は、空間的再使用と呼ばれ得る。低電力OBSS-PDは、遠位の装置、又は別な方法で当該無線装置との高い経路損失(パスロス)を有する装置を示すことができる。例えば、壁のような障害物が装置の中間に介在する可能性がある。かくして、閾値の使用は、TXOPの数を増大させることができる。しかしながら、閾値の使用は、ネットワーク装置間の競合を増大させる可能がある。例えば、送信しているステーションが遠位にある(又は別な方法で高い経路損失と関連付けられる)ことができるが、メッセージの1つ又は複数の意図された受信側が当該無線装置の近位にあることができ、ひいては空間的再使用が受信装置(単数)と干渉する可能性がある。
【0017】
競合を避けるため、無線装置は、ネットワークのBSSの様々な装置に関する電力レベルの平均、最大値、又は他の集合(アグリゲーション)を求めることができる。例えば、様々な802.11 BSSは、48ビットBSSID又は6ビットカラーに基づいて識別され得る。無線装置は、別のBSS(例えば、OBSS)の平均電力レベル、最大電力レベル、又は他の電力レベルを設定することができ、平均電力レベル、最大電力レベル、又は他の電力レベルに基づいて送信することができる。かくして、無線装置は、低い経路損失を有する幾つかの装置、及び高い経路損失を有する他の装置を含むOBSSの場合に、競合を避けることができる。しかしながら、係る手法において、無線装置は、準最適な数のTXOPを検出することができる。例えば、OBSS上の2つの遠位装置の通信は、低い経路損失の装置が当該通信に含まれるか否かに関わらず、低い経路損失を有するOBSSの1つ又は複数の装置に基づいて、無線装置に対する潜在的なTXOPを妨害する可能性がある。無線装置は、例えばOBSSと関連した平均電力、最大電力または他の電力に従って空間的再使用を利用する際に送信電力を低減することにより、BSSに基づいた空間的再使用と連係して電力レベルを変更することができる。無線装置は、送信の電力レベルを調整することにより競合を避けることができる。例えば、無線装置は、空間的再使用を利用しながら、OBSSとの干渉を避けるために出力レベルを低減することができる。しかしながら、送信機の平均BSS電力レベル又は電力レベルに基づいて電力レベルを調整することは、受信機毎に干渉を避けるために十分でない又は必要でない場合がある。
【0018】
かくして、無線装置は、各送信機、各受信機、又は各送信機受信機対の電力レベルを検出し、前記電力レベルに基づいて空間的再使用を利用することができる。係る手法は、カラーベースのスキームのような、技術に基づいてBSSを置き換える又は補足することができる。例えば、無線装置は、送信機または受信機の電力レベルを決定することができる。無線装置は、送信機または受信機に基づいて装置間の経路損失を推測することができる。例えば、送信機は、電力レベルを検出し、当該電力レベルを送信装置の送信電力と比較することができる。幾つかの実施形態に従って、無線装置は、OBSSの装置から(例えば、マスターAPを介して)経路損失を受ける可能性がある。経路損失は、パケットを検出するユニットにより求められ得る(例えば、受信ユニットは、検出した電力の指示を、AP又はマスターAPを介して、送信ユニットに送信することができる)。幾つかの実施形態に従って、経路損失は、別の無線装置から受信した電力レベルに基づいて、パケットを送信するユニットにより求められ得る(例えば、経路損失は、双方向として近似され得る)。
【0019】
幾つかの実施形態は、装置に関係する。装置は、OBSS通信のエネルギーレベルを検出することができる。装置は、OBSS通信と関連したアイデンティティー(身元)を特定することができる。装置は、OBSS通信のアイデンティティーと関連した閾値を決定することができる。装置は、OBSS通信のエネルギーレベルを閾値と比較することができる。装置は、閾値をOBSS通信のエネルギーレベルと比較することに基づいて、OBSS通信と同じリンクでOBSS通信にメッセージを同時に送信することができる。
【0020】
幾つかの実施形態において、OBSS通信と関連したアイデンティティーは、BSS用のカラーである。幾つかの実施形態において、装置は、エネルギーレベルに基づいて、追加のネットワーク・ノードのためにTXOPをスケジュールし、アクセス・ポイント(AP)から切り離し、TXOPを追加のネットワーク・ノードに譲るように更に構成されたAPである。幾つかの実施形態において、OBSS通信と関連したアイデンティティーは、OBSS通信のアドレスのアイデンティティーである。幾つかの実施形態において、OBSS通信と関連したアイデンティティーは、OBSS通信を実施する送信機-受信機対のそれぞれのアイデンティティーである。幾つかの実施形態において、装置は、ステーション(STA)として動作するように構成される。幾つかの実施形態において、装置は、アクセス・ポイントとして動作するように構成される。幾つかの実施形態において、装置は、同じBSSの1つ又は複数のステーションのためにルックアップテーブル(LUT)を維持するように構成される。
【0021】
幾つかの実施形態において、装置は、追加のアクセス・ポイントのために追加のLUTを維持する。装置は、アクセス・ポイント又は追加のアクセス・ポイントの少なくとも1つへの又は当該少なくとも1つからの失敗した送信を検出することができる。装置は、失敗した送信の検出に基づいて、LUT又は追加のLUTを更新することができる。幾つかの実施形態において、装置は、装置と追加のアクセス・ポイントとの間でLUTの一部を伝えるための有線接続を含む。幾つかの実施形態において、装置は、OBSS通信のエネルギーレベルに基づいて、送信されるメッセージの送信電力を調整することができる。
【0022】
幾つかの実施形態は装置に関係する。装置は、プライマリAPとして選定された第1のアクセス・ポイント(AP)を含むことができる。第1のAPは、検出された電力レベルを第2のAPから受け取ることができる。第1のAPは、検出された電力レベルをルックアップテーブル(LUT)に格納することができる。第1のAPは、1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードで同時に送信するための閾値を決定することができる。第1のAPは、第1のAPとのネットワーク通信において、LUT又は閾値をステーション(STA)装置に送信することができる。第2のAPは、複数のSTA装置と同時に
無線通信するように構成された無線機を含むことができる。
【0023】
幾つかの実施形態において、第1のAP及び第2のAPは、閾値に基づいた電力レベルで送信することができる。幾つかの実施形態において、装置は、第1のAPと第2のAPとの間に有線接続を含む。電力レベル情報は、当該有線接続を介して伝えられ得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードは、識別されたネットワーク・ノードのBSSのカラーに基づいて識別される。幾つかの実施形態において、1つ又は複数の識別されたネットワーク・ノードは、メッセージの送信機または受信機の少なくとも1つの識別子に基づいて識別される。幾つかの実施形態において、第1のAPは、第1のAPのBSSの各装置と第2のAPのBSSの装置との間の経路損失をLUTに格納することができる。
【0024】
幾つかの実施形態は方法に関係する。方法は、OBSS通信の第1のエネルギーレベルを検出することを含むことができる。方法は、OBSS通信と関連したアイデンティティーを特定することを含むことができる。方法は、OBSS通信のアイデンティティーと関連した閾値を決定することを含むことができる。方法は、OBSS通信の第1のエネルギーレベルを閾値と比較することを含むことができる。方法は、閾値をOBSS通信の第1のエネルギーレベルと比較することに基づいて、OBSS通信と同じリンクでメッセージをOBSS通信に同時に送信することを含むことができる。
【0025】
幾つかの実施形態において、方法は、装置間の経路損失を求めることを含み、この場合、閾値は経路損失に更に基づく。幾つかの実施形態において、方法は、経路損失または第2のエネルギーレベルを含むデータを、第1のネットワークのSTAから第1のネットワークのAPへ受信することを含む。方法は、経路損失を第1のAPから第2のネットワークの第2のAPへ伝えることを含むことができる。方法は、第1のネットワークで送信された第1のメッセージを検出することを含むことができる。方法は、データに基づいて、第1のメッセージと同時に、第2のネットワークで第2のメッセージを送信することを含むことができる。
【0026】
A.コンピューティング及びネットワーク環境
本解決策の特定の実施形態を検討する前に、本明細書で説明される方法およびシステムに関連して、動作環境および関連したシステム構成要素(例えば、ハードウェア要素)の態様を説明することは、有益であることができる。
図1Aを参照すると、ネットワーク環境の実施形態が示される。概要において、ネットワーク環境は、1つ又は複数のアクセス・ポイント(AP)又はネットワーク装置106、1つ又は複数のステーション又は無線通信装置102、及びネットワーク・ハードウェア構成要素またはネットワーク・ハードウェア192を含む無線通信システムを含む。無線通信装置102は例えば、ノート型パソコン、タブレット、パソコン、及び/又は携帯電話装置を含むことができる。各ステーション又は無線通信装置102、及びAP又はネットワーク装置106の実施形態の詳細は、
図1B及び
図1Cに関連して、より詳細に説明される。一実施形態において、ネットワーク環境は、アドホック・ネットワーク環境、インフラストラクチャ無線ネットワーク環境、サブネット環境などであることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ローカル・エリア・ネットワーク接続を介して、ネットワーク・ハードウェア192に動作可能に結合され得る。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106は5G基地局である。ルータ、ゲートウェイ、スイッチ、ブリッジ、モデム、システム・コントローラ、電化製品などを含むことができるネットワーク・ハードウェア192は、通信システムにローカル・エリア・ネットワーク接続を提供することができる。ネットワーク装置106又はAPのそれぞれは、その領域において無線通信装置と通信するための関連したアンテナ又はアンテナ・アレイを有することができる。無線通信装置102は、(例えば、SU-MIMO又はMU-MIMO構成を介して)通信システムからサービスを受け取るために、特定のネットワーク装置106又はAPに登録することができる。直接接続(例えば、2地点間通信)の場合、幾つかの無線通信装置は、割り当てられたチャネル及び通信プロトコルを介して、直接的に通信することができる。無線通信装置102の幾つかは、ネットワーク装置106又はAPに対して動ける又は比較的静止していることができる。
【0027】
幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、無線通信装置102がワイヤレス・フィディリティー(登録商標)(WiFi)又は他の規格を用いて、有線ネットワークに接続することを可能にする装置またはモジュール(ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む)を含む。ネットワーク装置106又はAPは、時として無線アクセス・ポイント(WAP)と呼ばれ得る。ネットワーク装置106又はAPは、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)で動作するように実現され得る(例えば、構成される、設計される及び/又は構築される)。幾つかの実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、独立型装置としてルータ(例えば、有線ネットワークを介して)に接続することができる。他の実施形態において、ネットワーク装置106又はAPは、ルータの構成要素であることができる。ネットワーク装置106又はAPは、ネットワークへの複数の装置アクセスを提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは例えば、有線イーサネット(登録商標)接続に接続することができ、その有線接続を利用するために、無線周波数リンクを用いる無線接続を他の装置102に提供することができる。ネットワーク装置106又はAPは、1つ又は複数の無線周波数を用いてデータを送受信するための規格をサポートするように実現され得る。それらが使用するこれら規格および周波数は、IEEE(例えば、IEEE802.11規格)により、定義され得る。ネットワーク装置106又はAPは、公衆インターネット・ホットスポットをサポートするように、及び/又はネットワーク上でネットワークのWi-Fi信号レンジを拡張するように構成および/または使用され得る。
【0028】
幾つかの実施形態において、アクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、(例えば、家庭内、車内または建物内)無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11、ブルートゥース、ジグビー(登録商標)、ネットワーク・プロトコル及び/又はその変化形に基づいた任意の他のタイプの無線周波数)に使用され得る。無線通信装置102のそれぞれは、組み込み式無線機を含むことができる及び/又は無線機に結合される。係る無線通信装置102、及び/又はアクセス・ポイント又はネットワーク装置106は、性能を強化するために、コスト及び/又はサイズを低減するために、及び/又はブロードバンドの応用形態を強化するために、本明細書で提示されるような本開示の様々な態様に従って動作することができる。各無線通信装置102は、1つ又は複数のアクセス・ポイント又はネットワーク装置106を介して、リソース(例えば、データ、及びサーバのようなネットワーク化されたノードへの接続)に対するアクセスを捜索するクライアント・ノードとして機能するための能力を有することができる。
【0029】
ネットワーク接続は、任意のタイプ及び/又は形態のネットワークを含むことができ、以下の何れか、即ち、ポイント・ツー・ポイント・ネットワーク、放送網、電気通信網、データ通信ネットワーク、コンピュータ・ネットワークを含むことができる。ネットワークのトポロジーは、バス型、スター型、又はリング型ネットワーク・トポロジーであることができる。ネットワークは、本明細書で説明される動作をサポートすることができる、当業者に知られているような任意の係るネットワーク・トポロジーからなることができる。幾つかの実施形態において、異なるタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。他の実施形態において、同じタイプのデータは、異なるプロトコルを介して伝送され得る。
【0030】
通信装置(単数または複数)102、及びアクセス・ポイント(単数または複数)又はネットワーク装置106は、任意のタイプ及び形態のネットワークで通信する及び本明細書で説明される動作を実施することができるコンピュータ、ネットワーク装置または電化製品のような、任意のタイプ及び形態のコンピューティング装置として配置され得る及び/又は当該コンピューティング装置で実行され得る。
図1B及び
図1Cは、無線通信装置102又はネットワーク装置106の実施形態を実施するのに有用なコンピューティング装置100のブロック図を示す。
図1B及び
図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、プロセッサ121(例えば、中央処理装置)、及び主記憶装置122を含む。
図1Bに示されるように、コンピューティング装置100は、記憶装置128、インストール装置116、ネットワーク・インターフェース118、I/Oコントローラ123、ディスプレイ装置124a~124n、キーボード126、及びマウスのようなポインティング・デバイス127を含むことができる。記憶装置128は、オペレーティング・システム及び/又はソフトウェアを含むことができる。
図1Cに示されるように、各コンピューティング装置100は、メモリ・ポート103、ブリッジ170、1つ又は複数の入力/出力装置130a~130n、及び中央処理装置またはプロセッサ121と通信するキャッシュ・メモリ140のような、追加の随意的な要素も含むことができる。
【0031】
中央処理装置またはプロセッサ121は、主記憶装置122からフェッチされた命令に応答する及び当該命令を処理する任意の論理回路である。多くの実施形態において、中央処理装置またはプロセッサ121は、カリフォルニア州サンタ・クララのインテル・コーポレーションにより製造されている、ニューヨーク州ホワイト・プレーンズのInternational BusinessMachinesにより製造されている、又はカリフォルニア州サニーベールのAdvanced Micro Devicesにより製造されているような、マイクロプロセッサ装置により提供される。コンピューティング装置100は、これらプロセッサの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他のプロセッサに基づくことができる。
【0032】
主記憶装置122は、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、強誘電体メモリ(FRAM)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ及び半導体ドライブ(SSD)の任意のタイプ又は変種のような、データを格納することができ且つ任意の記憶場所がマイクロプロセッサ又はプロセッサ121により直接的にアクセスされることを可能にする1つ又は複数のメモリチップであることができる。主記憶装置122は、上述されたメモリチップの何れか、又は本明細書で説明されるように動作することができる任意の他の利用可能なメモリチップに基づくことができる。
図1Bに示された実施形態において、プロセッサ121は、システムバス150を介して主記憶装置122と通信する(より詳細に後述される)。
図1Cは、プロセッサが、メモリポート103を介して、主記憶装置122と直接的に通信するコンピューティング装置100の実施形態を示す。例えば、
図1Cにおいて、主記憶装置122は、DRDRAMであることができる。
【0033】
図1Cは、メインプロセッサ121が、時としてバックサイドバスと呼ばれるセカンダリ側バスを介して、キャッシュメモリ140と直接的に通信する実施形態を示す。他の実施形態において、メインプロセッサ121は、システムバス150を用いて、キャッシュメモリ140と通信する。キャッシュメモリ140は一般に、主記憶装置122より速い応答時間を有し、例えばSRAM、BSRAM、又はEDRAMにより提供される。
図1Cに示された実施形態において、プロセッサ121は、ローカル・システムバス150を介して様々なI/O装置130と通信する。様々なバスは、中央処理装置またはプロセッサ121をI/O装置130の何れかに接続するために使用されることができ、例えば、VESA VLバス、ISAバス、EISAバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、PCIバス、PCI-Xバス、PCI-Expressバス、又はNuBusである。I/O装置がビデオディスプレイ124である実施形態に関して、プロセッサ121は、ディスプレイ124と通信するためにAGP(advanced graphics port)を使用することができる。
図1Cは、メインプロセッサ121が、例えばHyperTransport、RapidIO、又はInfiniBand通信技術を介して、I/O装置130bと直接的に通信することができるコンピュータ又はコンピュータシステム100の実施形態を示す。また、
図1Cは、ローカルバス及び直接通信が混合されている実施形態も示し、即ち、プロセッサ121は、I/O装置130bと直接的に通信すると同時に、ローカル相互接続バスを用いてI/O装置130aと通信する。
【0034】
多種多様のI/O装置130a~130nがコンピューティング装置100に存在することができる。入力装置は、キーボード、マウス、トラックパッド、トラックボール、マイクロホン、ダイヤル、タッチパッド、タッチスクリーン、及び作画タブレットを含む。出力装置は、ビデオディスプレイ、スピーカ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プロジェクタ、及び昇華型プリンタを含む。I/O装置は、
図1Bに示されたように、I/Oコントローラ123により制御され得る。I/Oコントローラは、キーボード126及びポインティング・デバイス127(例えば、マウス又は光学ペン)のような1つ又は複数のI/O装置を制御することができる。更に、I/O装置は、記憶装置および/またはインストール媒体をコンピューティング装置100に提供することもできる。更に他の実施形態において、コンピューティング装置100は、カリフォルニア州ロスアラミトスのTwintech Industry, Incにより製造されているデバイスのUSBフラッシュドライブ製品群のような、携帯用USB記憶装置を受け入れるためのUSB接続(図示せず)も提供することができる。
【0035】
再び
図1Bを参照すると、コンピューティング装置100は、ディスク・ドライブ、CD-ROMドライブ、CD-R/RWドライブ、DVD-ROMドライブ、フラッシュメモリ・ドライブ、様々なフォーマットのテープ・ドライブ、USB装置、ハード・ドライブ、ネットワーク・インターフェース、又はソフトウェア及びプログラムをインストールするのに適切な任意の他の装置のような、任意の適切なインストール装置116をサポートすることができる。コンピューティング装置100は更に、オペレーティングシステム及び他の関連したソフトウェアを格納するために、及び本明細書で説明されるシステム及び方法を実現するための(例えば、当該システム及び方法のために構成された及び/又は設計された)任意のプログラム又はソフトウェア120のような、アプリケーション・ソフトウェア・プログラムを格納するために、1つ又は複数のハードディスク・ドライブ又は独立ディスクの冗長なアレイのような、記憶装置を含むことができる。必要に応じて、インストール装置116の何れかは、記憶装置としても使用され得る。更に、オペレーティングシステム及びソフトウェアは、ブート可能媒体から実行され得る。
【0036】
更に、コンピューティング装置100は、様々な接続を通じてネットワークに結び付けるためのネットワーク・インターフェース118を含むことができ、当該様々な接続は、以下に限定されないが、標準電話線、LAN又はWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25、SNA、DECnet)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM、ギガビット・イーサネット、イーサネットオーバーソネット)、無線接続、又は上記の何れか又は全ての幾つかの組み合わせを含む。接続は、様々な通信プロトコル(例えば、TCP/IP、IPX、SPX、NetBIOS、イーサネット、アークネット、SONET、SDH、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、RS232、IEEE802.11、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、IEEE802.11ad、CDMA、GSM、WiMax及び直接非同期接続)を用いて確立され得る。一実施形態において、コンピューティング装置100は、SSL(Secure Sockets Layer)又はTLS(Transport Layer Security)のような、任意のタイプ及び/又は形態のゲートウェイ又はトンネリングプロトコルを介して、他のコンピューティング装置100’と通信する。ネットワーク・インターフェース118は、通信する及び本明細書で説明される動作を実行することができるコンピューティング装置100を任意のタイプのネットワークに結び付けるのに適した、内蔵式ネットワーク・アダプター、ネットワーク・インターフェース・カード、PCMCIAネットワーク・カード、カード・バス・ネットワーク・アダプター、無線ネットワーク・アダプター、USBネットワーク・アダプター、モデム、又は任意の他の装置を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、1つ又は複数のディスプレイ装置124a~124nを含むことができる、又はそれらに接続され得る。それ故に、I/O装置130a~130nの何れか及び/又はI/Oコントローラ123は、コンピューティング装置100によるディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nの接続および使用をサポートする、可能にする又は行うための、任意のタイプ及び/又は形態の適切なハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを含むことができる。例えば、コンピューティング装置100は、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nにインターフェース接続する(仲介して結び付ける)、通信する、接続する又は別な方法で使用するための、任意のタイプ及び/又は形態のビデオアダプター、ビデオカード、ドライバー及び/又はライブラリを含むことができる。一実施形態において、ビデオアダプターは、ディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nにインターフェース接続するための複数のコネクターを含むことができる。他の実施形態において、コンピューティング装置100は、複数のビデオアダプターを含むことができ、この場合、各ビデオアダプターがディスプレイ装置(単数または複数)124a~124nに接続される。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100のオペレーティングシステムの何らかの部分は、複数のディスプレイ装置124a~124nを用いるように構成され得る。更なる実施形態において、I/O装置130は、システムバス150と外部通信バスとの間のブリッジになることができ、当該外部通信バスは例えば、USBバス、アップル・デスクトップ・バス、RS-232シリアル接続、SCSIバス、ファイアワイア・バス、ファイアワイア800バス、イーサネット・バス、アップルトーク・バス、ギガビット・イーサネット・バス、非同期転送モード・バス、ファイバチャネル・バス、光ファイバ・バス、SAS(Serial Attached SCSI)バス、USB接続、又はHDMIバスである。
【0038】
図1B及び
図1Cに示された部類のコンピューティング装置100は、タスクのスケジューリング及びシステム・リソースへのアクセスを制御するオペレーティングシステムの制御下で動作することができる。コンピューティング装置100は、任意のオペレーティングシステムを実行していることができ、当該オペレーティングシステムは例えば、任意のバージョンのマイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステム、様々な公開のユニックス(登録商標)及びリナックス・オペレーティングシステム、マッキントッシュ・コンピュータ用の任意のバージョンのMAC OS、任意の組み込み式オペレーティングシステム、任意のリアルタイム・オペレーティングシステム、任意のオープンソース・オペレーティングシステム、任意の独自仕様のオペレーティングシステム、モバイル・コンピューティング装置用の任意のオペレーティングシステム、又はコンピューティング装置上で実行され且つ本明細書で説明される動作を実行することができる任意の他のオペレーティングシステムである。代表的なオペレーティングシステムは以下に限定されないが、数ある中でも、Google Inc.より製作されているアンドロイド(登録商標);ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationにより製作されているウィンドウズ(登録商標)7、8及び10;カリフォルニア州クパチーノのApple Computerにより製作されているMAC OS;ResearchIn Motion(RIM)により製作されているWebOS;ニューヨーク州アーモンクのInternationalBusiness Machinesにより製作されているOS/2;及びユタ州ソルトレイクシティのCaldera Corp.により配布されている無償で利用可能なオペレーティングシステムのLinux、又は任意のタイプ及び/又は形態のUnixオペレーティングシステムを含む。
【0039】
コンピュータ・システム又はコンピューティング装置100は、任意のワークステーション、電話機、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機または他の携帯用通信機器、メディア再生装置、ゲーム機、モバイル・コンピューティング装置、又は通信することができる任意の他のタイプ及び/又は形態のコンピューティング装置、通信機器またはメディア装置であることができる。幾つかの実施形態において、コンピューティング装置100は、様々なプロセッサ、オペレーティングシステム、及び当該装置と適合する入力装置を有することができる。例えば、一実施形態において、コンピューティング装置100は、スマートフォン、モバイル機器、タブレット又は携帯情報端末である。更に、コンピューティング装置100は、任意のワークステーション、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ型またはノート型コンピュータ、サーバ、携帯用コンピュータ、携帯電話機、任意の他のコンピュータ、又は通信することができ且つ本明細書で説明される動作を実行するのに十分なプロセッサ能力およびメモリ容量を有する他の形態のコンピューティング装置または通信機器であることができる。
【0040】
上述された動作環境および構成要素の態様は、本明細書で開示されたシステム及び方法との関連で明らかになるであろう。
【0041】
B.ステーション及びAPの通信
ネットワーク・スペクトルの空間的再使用のシステム及び方法が本明細書に開示される。例えば、複数のBSSインスタンスがOBSSを形成することができる。第1のBSSの装置は、第2のBSS、第3のBSS、第4のBSSなどで様々な装置の送信を検出することができる。第1のBSSの装置は、OBSS送信機のプリアンブル検出/パケット検出(OBSS-PD)に基づいてOBSSの各BSSの平均電力レベル、最大電力レベル、又は他の電力レベルを求める(特定する)ことができる。第1のBSSの装置は、OBSS又はその装置のそれぞれの電力レベルに基づいて、様々な送信機、受信機、又は送信機-受信機対に関して閾値または経路損失を設定することができる。第1のBSSの装置は、閾値または経路損失に基づいて、空間的再使用を利用し、送信電力レベルを調整し、送信を遅延させることができる。
【0042】
STAは、通信システムで通信するための任意の装置であり、以下に限定されないが、固定、携帯型または可動性のラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型パソコン、携帯情報端末、アクセス・ポイント、ワークステーション、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、又はWiFiフォンを含む。本明細書で使用される限り、「アクセス・ポイント」(AP)は、1つ又は複数の「非AP」装置(例えば、クライアント装置)をネットワークに通信可能に結合するための装置(デバイス)を意味する場合がある。より具体的には、APにより、非AP装置がネットワークと接続および通信することを可能にする場合がある。幾つかの実施形態において、APは、非AP装置間で無線通信を可能にするように構成された「無線アクセス・ポイント」(WAP)である場合がある。APは、以下に限定されないが、可動性、携帯型または固定のホットスポット、ルータ、ブリッジ、又は他の通信装置を含む。
【0043】
幾つかの実施形態において、OBSS(Overlapping basic service set)通信は、第2の基本サービスセットの装置により検出された、第1の基本サービスセットの装置により送信または受信された通信を意味する場合がある。例えば、OBSS通信は、無線チャネルが送信のために利用可能であるか否かを判断するためにクリア・チャネル評価に応じて検出され得る。幾つかの実施形態において、エネルギーレベルは、メッセージの平均電力、全電力、又は瞬時電力を意味することができ、電力レベルと呼ばれる場合がある。メッセージの同時送信は、1つ又は複数の実施形態に従って、部分的に又は全体的に第2のメッセージと一時的にオーバーラップする第1のメッセージの送信を意味することができる。幾つかの実施形態において、カラーは、基本サービスセット(BSS)の数値的識別を意味することができる。例えば、カラーは、BSS用の6ビット値を含むことができる。幾つかの実施形態において、アイデンティティは、システム、装置、又はその部分のための象徴を意味することができる。例えば、識別子は、無線機、装置、BSS、又は別のネットワークのバージョン、インスタンス又は能力を識別することができる。幾つかの実施形態において、ルックアップテーブル(LUT)は、様々な装置またはメッセージのための情報の集まりを意味することができる。例えば、LUTは、エネルギーレベル、送信者、受信者、タイムスロット、経路損失、それらの間の関係、又は同種のものを含むことができる。幾つかの実施形態において、TXOPは、送信機会を意味することができる。例えば、幾つかの実施形態において、TXOPは、1つ又は複数の送信機に関してチャネル占有状態のセッションを意味することができる。
【0044】
図2を参照すると、無線通信ネットワーク又はシステム200は、AP(AP1 205、AP2 210、及びAP3 215)を含む。APは、1つ又は複数の制御リンク225を含む又は当該制御リンク225と接続して機能することができ、当該制御リンク225は、APの間に有線または無線の側波帯接続を含むことができる。例えば、制御リンク225は、2.4GHzリンクのチャネルであることができる。システム200は、STA(STA a230、STA b235、STA c240、STA d245、STA e250、及びSTA f255)を含む。STAは、そのAPに対する接続に従って、様々なBSS間に配置され得る。特に、第1のBSS260は、AP1 205、STAa230、及びSTA b235を含む。第2のBSS265は、AP2 210、STAc240、及びSTA d245を含む。第3のBSS270は、AP3 215、STAe250、及びSTA f255を含む。係るシステム200は制限せず、任意の数のSTA及びAP又はBSSがネットワーク又はシステム200に含まれ得る。
【0045】
APは、別のネットワークに対する接続ポイントとしてサービスを提供するような、サービスをSTAに提供することができる。各STA及びAPは、接続を介して通信するための無線トランシーバ、及び様々なモジュールを含むことができる。モジュールは、ソフトウェア(例えば、ファームウェア)及び/又はハードウェアの構成要素であることができる。幾つかの実施形態において、各図示されたSTA及びAPは、無線媒体に対するIEEE802.11規格準拠の媒体アクセス制御(MAC)層回路および物理層(PHY)インターフェースを含み、より大きな装置またはシステムの一部であることができる。幾つかの実施形態において、STA及びAPのそれぞれは、IEEE802.11規格またはその変形態様以外の他の規格に従って、動作する。無線通信のための接続は、STAの少なくとも1つとAPとの間に確立され得る。例えば、STA a230は、AP1 205に対する接続を有する。各STAは、回路要素(例えば、第1のプロセッサ121)を含み、各APは回路要素(例えば、第2のプロセッサ121)を含む。本明細書において、STA及びAP又は他の装置により実施される動作は、その回路により実施され得る。
【0046】
さて、システム200の特定の動作が、AP1 205及び第1のBSS260に関して考察される。係る説明は、単に本開示の簡略化および明瞭化のためであり、制限することは意図されていない。幾つかの実施形態に従って、AP2 210又はAP3 215のような任意のAPは類似した動作を実施することができる。幾つかの実施形態に従って、様々なSTA装置は類似した動作を実施することができる。幾つかの実施形態に従って、システムは、本明細書で説明されるシステム及び方法に従って、空間スペクトルを再使用するように構成された装置の第1の部分、及び本明細書で説明されるシステム及び方法に従って、空間スペクトルを再使用するように構成されていない装置の第2の部分と相互運用することができる。
【0047】
AP1 205は、第2のBSS265又は第3のBSS270のAP又はSTAからOBSS-PDを受け取ることができる。AP1 205は、OBSS-PDと関連したメッセージのヘッダから情報を受け取ることができる。幾つかの実施形態において、受け取った情報は、カラー、BSSID、又はメッセージのBSSの他のしるしを含むことができる。幾つかの実施形態において、受け取った情報は、出所アドレス、宛先アドレス、又は個々のBSS内の別のアドレスを含むことができる。例えば、AP1 205は、メッセージの出所のMACアドレス、及び即時の受信側のMACアドレスを、個々のBSS内にあるそれらの少なくとも1つとして決定することができる。AP1は、OBSS-PD電力レベル(エネルギーレベルとも呼ばれ得る)を決定することができる。様々な無線機は、例えばPHYプリアンブル、MACヘッダ、パケットタイプ、又はパケットの別の識別子(例えば、パケット間持続時間情報)に従って、OBSS通信の持続時間を検出することができる。様々な無線機は、送信フレームの持続時間を検出することができる(及び検出された持続時間未満の持続時間を有するフレームを送信することができる)。例えば、空間的再使用を利用する装置は、ネットワークの使用の時間を延ばすことなく、送信を完了することができる。
【0048】
電力レベル又は変調符号化方式(MCS)インデックスは、同じ空間スペクトルでの送信が、検出された送信と干渉する可能性を示すことができる。例えば、AP2 210は、AP1 205がAP1205からの送信からOBSS-PDの比較的高い電力レベルを受け取ることができるように、AP1 205と共同設置され得る(例えば、同じ装置275に)。AP3 215は、AP1 205がAP3215からの送信からOBSS-PDの比較的低い電力レベルを受け取ることができるように、AP1 205に対して遠位であることができる。しかしながら、AP2 210及びAP3 215からの送信と関連した電力レベルは、AP1 205からの干渉の可能性を示さない場合がある。例えば、AP2からの送信は、AP1から離れて位置することができるSTAc240に送られることができ、それらの間には障害物を有するが、AP3 215からのメッセージは、障害物の無い状態でAP1に対して近位に位置することができるSTAf255に送られ得る。かくして、装置と送信機との間の経路損失を示す場合がある検出された電力レベルは、送信元の経路損失を示さない場合がある。送信機電力に依存するよりはむしろ、装置は、OBSSの電力を決定することができる。例えば、AP1 205は、第2のBSS265及び第3のBSS270のそれぞれに対して(例えば、そのカラーに従って)、又は第2のBSS265及び第3のBSS270の各送信/受信対に対して電力制限閾値を決定することができる。
【0049】
AP1 205は、観測されたOBSS-PD電力レベルの平均値(例えば、中数)、観測されたOBSS-PD電力レベルの最大値、又は別の値に基づいて、BSS、装置、又は送信機-受信機対の電力レベルを決定することができる。例えば、AP1 205は、パーセンタイル電力レベル、最新であることに基づいた重み付き電力レベル、又は同種のものを格納することができる。AP1 205は、検出されたOBSS-PD電力レベルに基づいて、送信電力レベルを決定する、又は送信機会(TXOP)を識別することができる。例えば、AP1 205は、オープンチャネル用の第1の閾値を決定することができる。オープンチャネル用の第1の閾値は、検出可能なOBSS-PDがないこと、OBSS-PDの読み出し可能なコンテンツがないこと、又は規定された閾値(例えば、-90dBm又は-80dBm)未満のOBSS-PD電力レベルを示すことができる。AP1 205は、TXOPを示す最大OBSS-PD電力レベルの第2の閾値を決定することができる。第2の閾値を超えるOBSS-PD電力レベルに応じて、AP1は、任意の保留中の送信を遅延させることができる。
【0050】
第1の閾値より大きく且つ第2の閾値未満の電力レベルに応じて、AP1 205は、送信電力を調整することができる。例えば、AP1は、OBSSの装置との競合/干渉を避けるために送信電力を低減することができる。電力調整は、第1の閾値と第2の閾値との間で線形的に調整され得る、又は1つ又は複数の中間の閾値との比較に応じることができる。AP1は、第1のBSS260の様々な無線装置に対する送信電力レベル又は空間的再使用の対を伝えることができる。例えば、AP1 205は、各BSSカラー、各送信機、各受信機、又は各送信機-受信機対の電力制限閾値を伝えることができる。AP1 205は、所定の閾値(例えば、-82dBm)に対して、空間的再使用と適合する又は適合しないBSSカラー、送信機、受信機、又は送信機-受信機対のリストを伝えることができる。電力制限またはリストを受け取ると、様々な無線装置は、空間的再使用が受信した通信に関して認可されているかを判断することができる(例えば、一意の識別子またはMACヘッダに基づいたBSSカラーのような、送信側または受信側のアイデンティティに基づいて)。様々な無線装置は、送信電力制限の指示(しるし)を受け取り、電力制限に基づいて出力電力レベルを決定する場合がある。
【0051】
幾つかの実施形態において、空間的再使用は、同様な通信に制限され得る。例えば、空間的再使用は、2つ以上のアップリンク送信間で実施され得る。空間的再使用は、2つ以上のダウンリンク送信間で実施され得る。幾つかの実施形態において、OBSS-PD電力レベルは、ダウンリンク送信に関する送信の受信機に基づいて決定されることができ、OBSS-PD電力レベルは、アップリンク送信に関する送信の送信機に基づいて決定され得る。例えば、STAは、複数のSTAが、検出された電力レベルに基づいて空間的再使用を実施することができるように、様々なAPのOBSS-PD電力レベルを決定することができる。例えば、STA a230は、AP3 215の電力レベルを求め、当該電力レベルを閾値と比較し、STA e250又はSTAf255のような別のクライアントがAP3 215に送信している際に空間的再使用が実施され得るかを判断することができ、その理由は、STA a230により受信されたAP3のOBSS-PD電力レベルがSTA a230によってAP3215においてもたらされる干渉の予測である場合があるからである。同様に、AP1 205は、第3のBSS270のSTAからの送信の電力レベルに基づいて、AP3 215と空間的再使用を利用するダウンリンク・メッセージを送信することができる。
【0052】
様々な電力レベルは、AP間通信に従ってBSS間で共用され得る。マスターAPは、通信を管理するように、又は個々のメッセージの電力レベルを含むマスター・ルックアップテーブル(LUT)を格納するように指定され得る。マスターAPは、ユーザの手入力、構成ファイル、又は様々なOBSS間の調停により決定され得る。例えば、任意の数のAPは、電化製品106に維持されることができ、様々なAPは、ローカルの側波帯通信(例えば、RS-232、イーサネット、PCIe、AXI、又は同種のもの)を含むことができる。側波帯通信は、リンクのコロケーション又は非コロケーションに依存することができる。例えば、同じチップ上の2つのAPは、AXIリンクを利用することができ、別個の電化製品の2つのAPは、イーサネット側波帯通信を利用することができる。OBSSはそれぞれ、互いと相互にオーバーラップすることができる、又はBSS間にOBSSチェーンを形成することができる(例えば、メッシュネットワークを含むことができ、この場合、2つ以上のOBSSが互いにオーバーラップしない場合がある)。マスターAPは、LUTのコピーを同じBSSのSTA、及び他のBSSのAPに分配し、次いで個々のBSSのSTAにLUTが分配される。LUTの分配は全体的に又は部分的であることができる。例えば、制限されたLUTは、無線装置のタイプに従って分配され得る。
【0053】
マスターAP又は他のAPは、その様々なクライアントから電力測定値を受け取ることができる。マスターAPは、経路損失マトリクスが各クライアント間で求められ得るように、様々な他のAPから送信電力を受け取ることができる。例えば、25mWで送信している第1のAP及び200mWで送信している第2のAPはクライアントにおいて類似した干渉を生じる可能性があるが、経路損失は変化する可能性がある。各装置は、信号対干渉雑音比(SINR)を受け取る又は求め、1つ又は複数のMCSのSINRに基づいて最大電力出力を決定することができる。マスターAPは、様々な他のAP、又は非APに対する最大送信電力を決定することができる。マスターAPは、空間的再使用の送信の最大数を決定し、例えばOBSSノードが空間的再使用を利用している際にビジービットを示すことにより、又は空間的再使用を利用しているOBSSノードのカウンタを維持し、当該数を超える際に同報メッセージを提供することにより、最大数を他のネットワーク・ノードに示すことができる。マスターAPは、電化製品毎に、ネットワーク毎に、又はバンド毎に規定され得る。例えば、6GHzバンドのマスターは、5GHzバンドのマスターと異なる場合がある。実際には、本開示の様々な技術およびシステムが、無線ネットワークの2.4GHz、5GHz又は6GHzのバンドのような、様々なバンド間で別個に動作することができる。
【0054】
閾値の決定後、送信電力レベル、互換性BSS、受信機、送信機または送信機-受信機対、検出装置は、閾値、送信電力レベル又は互換性BSS、受信機、送信機または送信機-受信機対を更新することができる。例えば、平均OBSS-PD電力レベル、最大OBSS-PD電力レベル、又は他のOBSS-PD電力レベルは、揺れている平均に基づいて調整されることができ、又は古くなったデータは別な方法で1つ又は複数のLUTから除去され得る。かくして、(例えば、環境条件、場所、又はネットワーク設定の変化に起因した)ネットワーク・パラメータの変化は、それに対する何らかの変化に基づいて更新され得る。アップデートは、OBSS-PD電力レベル又は送信の成功率に基づくことができる。例えば、高レベルの送信失敗は、過度に積極的な空間的再使用を示すことができ、TXOPの低減または送信電力の低減により調整され得る。低レベルの送信失敗は、過度に控えめな空間的再使用を示すことができ、TXOPの増加または送信電力の増加により調整され得る。例えば、マスターAP、別のAP、又は非APは、成功した空間的再使用の送信に応答してカウンタを(例えば、1だけ)インクリメントし、成功しなかった空間的再使用の送信に応答してカウンタを(例えば、1より大きい値だけ)デクリメントし、TXOP又は送信電力はカウンタの状態に基づくことができる。
【0055】
図3は、幾つかの実施形態に従って、1つ又は複数のネットワーク・ノードにより格納され得るLUT300である。LUT300の情報は、その記憶域として同じ記憶場所に集められる、又は共同設置ノード又は非共同設置ノードから受け取られ得る。ネットワーク・ノードは、LUT300から様々な情報を特定することができる。例えば、ネットワーク・ノードは、BSS毎の平均電力レベル、最大電力レベル又は他の電力レベル(例えば、そのカラー320、そのBSSID、又は同種のものに基づいて)を求める(特定する)ことができる。LUT300は、送信機リスト305又は受信機リスト310を含むことができる。幾つかの実施形態に従って、送信機リスト又は受信機リストは省略され得る。例えば、エントリは、カラー320のみを示す、送信機のみを示す、又は受信機のみを示すことができる。OBSS-PD電力レベル315の指示は、LUT300に格納され得る。例えば、OBSS-PD電力レベル315は、送信機ベースで格納されることができ、又は揺れている平均が維持され得る。図示された情報は制限することを意図されていない。例えば、リンクの健全状態に関するその他の誤り率の指示、求められた経路損失、又は他の情報がLUT300に格納され得る。
【0056】
図4は、幾つかの実施形態による、ネットワーク通信の例示的な方法400である。概要において、動作405において、ネットワーク・ノードは、OBSSノードの電力レベルを決定する。動作410において、ネットワーク・ノードは、OBSS-PD電力レベルを検出する。動作415において、ネットワーク・ノードは、OBSS-PD電力レベルを閾値と比較する。動作420において、ネットワーク・ノードは、TXOPが存在しないことを特定する。動作425において、ネットワーク・ノードは、TXOPが第1の電力レベルで存在することを特定する。動作430において、ネットワーク・ノードは、TXOPが第2の電力レベルで存在することを特定する。図示された方法は制限することを意図されていない。動作は、追加され得る、省略され得る、又は置き換えられ得る。例えば、ネットワーク・ノードは、電力レベル閾値、又は誤り率に応答する第1又は第2の電力レベルの何れか、或いは別のノードの検出された電力レベルを更新することができる。
【0057】
再び動作405を参照すると、電力レベル閾値は、検出されたOBSS-PD電力レベルに関して決定され得る。例えば、電力レベル閾値は、所定の値であることができ、又は他のネットワーク装置の検出された電力レベルに従って決定され得る。電力レベル閾値は、ネットワーク・ノードにおいて決定され、ネットワークのBSSのAPにより決定され、又はそれと関連したマスターAPにより決定され得る。電力レベル閾値は、検出されたOBSS-PDの送信装置または受信装置と関連した電力レベル又は経路損失に従って決定され得る。例えば、電力レベル閾値は、1つ又は複数のMCSにおけるネットワーク・ノードの送信電力に基づいて決定され得る。電力レベル閾値は、ネットワーク・ノードのSNIRマージンに基づいて決定され得る。例えば、SNIRマージンは、MCSに基づいて決定されることができ、又は構成ファイル又は他のユーザの好みに従って、手で入力され得る。例えば、SNIRマージンは、誤り率を低減するために上方へ調整され、又は少なくとも幾つかのネットワーク・メッセージの待ち時間を低減するために下方へ調整され得る。
【0058】
動作410を参照すると、ネットワーク・ノードは、ネットワーク・ノードのOBSS-PD電力レベルを検出する。ネットワーク・ノードは、MACヘッダに従って、送信機、受信機、又はOBSS-PDのBSSのアイデンティティを特定することができる。ネットワーク・ノードは、LUT300に局所的にデータを格納する、又はAP、マスターAP又は非APのような、別のネットワーク・ノードに情報を伝えることができる。動作415において、ネットワーク・ノードは、OBSS-PD電力レベルを1つ又は複数の閾値、関数、又はスケールと比較することができる。当該比較に基づいて、ネットワーク・ノードは、動作420、動作425、又は動作430に進むことができる。
【0059】
動作420を参照すると、ネットワーク・ノードは、OBSS-PD電力レベルがTXOPの欠如を示していることを判断することができる。当該判断は、OBSS-PD電力レベル、MCS、以前の失敗に関するメッセージの完了の履歴、又は空間的再使用を利用するネットワークの他の装置の数に基づいて、なされ得る。ネットワーク・ノードは、TXOPの欠如を別のネットワーク・ノードに伝える、又は当該情報を局所的に格納することができる。ネットワーク・ノードは、チャネルのステータスを検査し続けて、その後に送信することができる。動作425において、ネットワーク・ノードは、TXOPが第1の電力レベル(例えば、最小電力レベル)で存在することを判断することができる。例えば、ネットワーク・ノードは、他のBSS又はノードに基づいて、電力レベルを下方へ調整することができる。ネットワーク・ノードは、メッセージを送信し、当該送信の成功または失敗を判断し、その結果を格納または伝えることができる。動作430において、ネットワーク・ノードは、TXOPが第2の電力レベル(例えば、CCAに関して示される際の同じ電力レベル(例えば、最大電力レベル))で存在することを判断することができる。ネットワーク・ノードは、メッセージを送信し、当該送信の成功または失敗を判断し、その情報を格納または伝えることができる。
【0060】
様々な実施形態に従って、本明細書で説明されるシステム及び方法は、OBSS間またはBSS内で空間的再使用のために利用され得る。例えば、BSSは、様々なAPを含むことができる。ここで、
図5を参照すると、BSSネットワーク500は、複数のAP装置および非AP装置を含む。特に、BSSネットワーク500は、第1のAP505、第2のAP510、及び第3のAP515を含む。個々のAP505、510、515は、有線リンク又は無線リンクを含む場合がある側波帯520を介して、接続することができる。図示されたように、様々なAPは、共同設置されていない場合があり(例えば、異なる装置に一体化され得る)、又は別な方法で、ビームフォーミング・アンテナ方向に応答するような、変化する経路損失を含む場合がある。側波帯520は、様々なAP505、510、515をコントローラ(図示せず)に接続することができ、又は当該コントローラは、図示された1つ又は複数のAP505、510、515に存在する場合がある。
【0061】
コントローラは、第1のAP505に一体化されることができ、この場合、第1のAP505は、マスターAP505、コントローラAP又は同種のものと呼ばれる場合がある。幾つかの実施形態において、マスターAP505は、分散され得る、ネゴシエートされ得る、別な方法でメッシュにインスタンス化され得る。例えば、様々なAPは、能力、一意の識別子、又はマスターAPを決定するための調停トークンを共用するために互いとアソシエーションされ得る。最初のアソシエーションは、共同設置AP又は非共同設置APのしるし(指示)を含む場合がある。コントローラ、ハードウェア・ストラッピング、レジスタ値または他のしるしは、APのコロケーション又はそれらの間の関係を表わすことができる。例えば、複数の共同設置されたAPのそれぞれに関して、ローカル・マスターが指定される又はネゴシエートされる場合があり、その後、ローカル・マスター及び他のAPは、BSSマスターを決定するためにアソシエートする場合がある。アソシエーションは、1つ又は複数のリンクタイプを特定することを含む場合がある。リンクタイプは、リンクと関連した無線機の性能または構成を意味する場合がある。例えば、リンクタイプは、無線機が同時送受信(STR)することができることを示す同時送受信リンクであることができ、別のリンクタイプは、非同時送受信(NSTR)無線機であることができる。例えば、NSTR無線機は、単一のリンクを介して送信する、又は複数のリンクを介して送信することができる。幾つかのリンクタイプは、マルチリンク・シングル無線機リンクであることができ、この場合、無線機は、複数のリンクを介して逐次に送受信することができる。様々なリンクをアラインメントさせることにより、係る無線機は、スループットを増大させるために無線機のアクティブな時間を増加させる場合がある。係るアラインメントを利用するマルチリンク・シングル無線機は、時として拡張マルチリンク・シングル無線機(Enhanced Multi-link Single Radios:EMLSR)と呼ばれる場合がある。幾つかの実施形態において、コントローラは、図示されたAPから離れている場合がある。
【0062】
マスターAP505は、図示された他のAP510、515と、又はそれらの間のネットワーク通信におけるBSSの更なるAPと情報を交換することができる。マスターAP505は、BSSネットワーク500の様々な装置間の送信と関連した周波数、タイムスロット又は電力(パワー)をスケジュールすることができる。例えば、一時的なアラインメント、空間的再使用の決定、電力レベル制限、及び同類のものは、マスターAP505により維持され、側波帯を介したネットワーク通信により、BSSネットワーク500の他のAP510、515に伝えられ得る。マスターAP505は、例えばチャネルのリソースユニット(RU)に従って、所定の一時的なスライス又はスペクトルスライスでの送信機会の時間を調節することができる。幾つかの実施形態において、マスターAP505は、送信機会を特定するためにチャネル(例えば、無線チャネル)のパケットレベルのスペクトル使用を監視することができる。係る監視は、ネットワークの別の装置(例えば、STA又は別のAP)からチャネルの状態のしるしを受け取ることを含むことができる。例えば、マスターAP505は、他のAPにより検出されたような、チャネルの状態のしるし(例えば、電力レベル、誤り率、又は同種のもののような無線リンクの経路損失を示す)を含む、別のAPからのメッセージの受信時にチャネルの状況を判断することができる。様々なAP505、510、515は、幾つかの又は全てのパケットのコピーのような、受信バッファ情報を交換する場合がある(例えば、伝達長、重複検出などを特定するために)。
【0063】
図示された第2のAP510のようなAPは、図示されたNSTR STA1 525及びNSTR STA2 530のような、複数の非同時送受信(NSTR)非APとのネットワーク通信内にあることができる。第2のAP510は、第1のリンク555を介してNSTR STA1 525に接続し、第2のリンク560を介してNSTR STA2 530に接続することができる。第2のAP510は、NSTR STAのそれぞれに同じ時間に同時に送信することができる。例えば、第2のAP510は、第1のAP505から空間的再使用の利用可能性のしるしを受け取り、その後すぐに第1のリンク555及び第2のリンク560を介して同時に通信することができる。幾つかの実施形態において、空間的再使用は、複数のAPを含むことができる。例えば、第2のリンク560は、マスターAP505又は第3のAP515に接続することができ、又は第3のAPは、チャネル利用可能性に基づいてマスターAP505から受け取ったしるしに応答して、更なる非AP(例えば、同時送受信(STR)STA1)に連係させることができる。第1のリンク555及び第2のリンク560は、マスターAP505から受け取ったしるしに応答して、(例えば、他の時間/周波数スライスのリソースユニットの)個々の送信機会を終了することができる。
【0064】
図示された第1のAP505のようなAPは、図示されたEMSLR STA1 535のような、第1の拡張マルチリンク・シングル無線機(EMLSR)非APに、第1のリンク565を介して接続し、EMSLR STA2 540に第2のリンク570を介して接続することができる。第1のAP505は、一時的に又はチャネルのスペクトル的に異なる部分のような、チャネルの異なるリソース(例えば、異なるRU)において個々のEMSLRと通信することができる。幾つかの実施形態において、チャネル部分は、一時的にオーバーラップ(例えば、時分割)する場合があり、又は不連続な周波数バンド(例えば、それらの間にスペクトル・パディングを有する)を含む場合がある。第1のAP505は、マスターAP505として他のネットワーク装置から受け取った情報に基づいて、個々のチャネル用の時間スライスを決定する場合があり、又はマスターとして機能している別のAPからの利用可能な時間スライスのしるしを受け取る場合がある。幾つかの実施形態において、第3のリンク535及び第4のリンク540は、マスターAP505から受け取った情報に基づいてチャネルの一部を空間的に再使用する場合がある様々なAPに対するリンクであることができる。
【0065】
様々なAP505、510、515は、例えば第1のリンク575及び第2のリンク580により第1のSTR STA545装置および第2のSTR STA550装置にそれぞれ伝えることによって、同時送受信(Simultaneous Transmit Receive:STR)装置のために一時的に更に再使用、又はスペクトル空間を更に再使用することができる。かくして、ネットワークは、リンクのアグリゲーションによって増大したスループット及び減少した待ち時間を向上させることができるように、単一の装置(例えば、STR装置)に対して又は複数の装置(例えば、NSTR装置またはEMLSR装置)にわたって、全体的なSTRスループットを達成することができる。更に、クライアント装置は、複数のリンクの1つの検出に基づいてAPがビジーであることが分かっている場合があり、その結果、クライアント装置は、送信する前にクリアチャネルを待つ場合がある。かくして、増大したネットワーク・アグリゲーション性能は、望ましくないチャネル競合を低減する場合がある。
【0066】
図6は、幾つかの実施形態による、ネットワーク通信の例示的な方法600である。概要において、動作605において、APは、第1の非AP装置の第1のリンクタイプを受け取る。動作610において、APは、第2の非AP装置の第2のリンクタイプを受け取る。動作615において、APは、第1の非AP装置と関連した情報(例えば、第1の情報)、及び第2の非AP装置と関連した第2の情報(例えば、第2の情報)を特定する。動作620において、APは、通信を第1のリンク及び第2のリンクとアラインメントする。図示された方法は、制限することを意図されていない。動作は、追加され得る、省略され得る、又は置き換えられ得る。
【0067】
再び、動作605を参照すると、APは、第1の非AP装置の第1のリンクタイプを受け取る。幾つかの実施形態において、例えば、リンクタイプは、非AP装置の無線機の能力またはプロトコルを意味する場合がある。係るリンクタイプは、非AP装置(例えば、STA)のAPとのアソシエーションに伴って提供され得る。その後、APは、リンクタイプを格納し、当該リンクタイプを更なるAP、又は別のコントローラに伝えることができる。動作610において、APは、第2の非AP装置の第2のリンクタイプを受け取る。第2のリンクタイプは、第1のリンクタイプと同じタイプ又は異なるタイプである場合がある。例えば、第1又は第2のリンクタイプのどちらかは、STRリンク、NSTRリンク又はMLSRリンク(例えば、EMLSR)であることができる。
【0068】
再び、動作615を参照すると、APは、第1の非AP装置と関連した情報、及び第2の非AP装置と関連した第2の情報を特定する。例えば、当該情報は、ビーコン、又はデータパケットで伝えられ得る情報などのような、周期的通信である場合がある。AP装置は、他のネットワーク装置から(例えば、それとのネットワーク通信におけるコントローラ又は別の装置から)受け取った情報に基づいて、当該情報を特定する場合がある。再び、動作620を参照すると、APは、通信を第1のリンク及び第2のリンクとアラインメントする。アラインメントは、それらの間の関係を用いた情報の通信(例えば、送信または受信)を意味する場合がある。例えば、第1のリンク及び第2のリンクを用いた通信は、送信機会の開始または終了のために一時的にアラインメントする、或いは同じ周波数チャネル又は直交周波数分割多重アクセス(OFMDA)チャネルとスペクトル的にアラインメントすることができる。アクセス・ポイントは、チャネルの同じRU又は関連したRUにアラインメントすることができる。アラインメントは、第1のリンクタイプ及び第2のリンクタイプに依存することができる。幾つかの実施形態に従って、例えば、第1のリンクタイプ及び第2のリンクタイプが非STRリンクである場合、APは、第1のリンク及び第2のリンクと同時に通信する場合がある(例えば、非STR装置とのネットワーク・スケールのSTRスループットを達成する場合がある)。幾つかの実施形態に従って、第1のリンクタイプ及び第2のリンクタイプの少なくとも1つがSTRリンクである場合、APは、第1のリンク及び第2のリンクと逐次に通信する場合がある。例えば、当該通信は、互いにアラインメントされている第1のデータパケット及び第2のデータパケットを含むことができる。
【0069】
留意されるべきは、本開示の特定の一節は、あるものを他のもの(単数または複数)と識別する又は区別するために、送信空間ストリーム、サウンディング・フレーム、応答、及び装置のサブセットに関連して、「第1」及び「第2」のような用語を引き合いに出すことができる。これら用語は、一時的に又はシーケンスに従って、エンティティを単に関係付ける(例えば、第1の装置および第2の装置)ことは意図されてないが、場合によっては、これらエンティティは係る関係を含むことができる。又は、これら用語は、システム又は環境内で動作することができる考えられるエンティティ(例えば、STA、AP、ビームフォーマ及び/又はビームフォーミー)の数を制限しない。理解されるべきは、上述されたシステムは、これら構成要素の何れか又はそれぞれの複数のものを提供することができ、これら構成要素は、独立型マシンで、又は幾つかの実施形態において、分散型システムにおける複数のマシンで提供され得る。更に、ビットフィールド位置は変更されることができ、マルチビット・ワードが使用され得る。更に、上述されたシステム及び方法は、1つ又は複数の製品(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ・カード、PROM、RAM、ROM又は磁気テープ)で具体化された1つ又は複数のコンピュータ可読プログラム又は実行可能命令として提供され得る。プログラムは、LISP、PERL、C、C++、C#のような任意のプログラミング言語で、又はJAVA(登録商標)のような任意のバイトコード言語で実現され得る。ソフトウェア・プログラム又は実行可能命令は、オブジェクトコードとして1つ又は複数の製品に格納され得る。
【0070】
方法およびシステムの前述の説明により、当業者がその実施形態を作成および使用することを可能にするが、当業者は、本明細書の特定の実施形態、方法、及び例の変形態様、組み合わせ、及び等価物の存在を理解および認識するであろう。従って、本方法およびシステムは、上述された実施形態、方法および例により制限されない筈であるが、本開示の範囲内および思想内にある全ての実施形態および方法により制限される。
【外国語明細書】