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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070850
(43)【公開日】2024-05-23
(54)【発明の名称】波形支持構造を有する電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/287 20210101AFI20240516BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
A61B5/287
A61B5/287 200
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023192161
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】63/383,445
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/485,002
(32)【優先日】2023-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ババク・エブラヒミ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】フアン・ロドリゲス・ソト
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127LL08
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK16
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】カテーテルエンドエフェクタを提供すること。
【解決手段】1つ又は2つ以上の波形支柱を含む支持フレームを有するエフェクタが、本明細書に提示される。支柱の波形は、同様の厚さの直線状非波形支柱と比較して、支柱の横方向剛性を増加させ、支柱の軸方向屈曲剛性を減少させる。波形の幾何学形状は、エンドエフェクタの電極間の所望の空間的関係を維持しながら、エンドエフェクタの組織への共形接触を提供するように選択され得る。選択され得る幾何学形状は、起伏の振幅、起伏の波長、及びエンドエフェクタ内の特定の幾何学形状の設置を含むことができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
長手方向軸に沿って延在し、かつ前記長手方向軸に直交する第1の直交軸において振幅を有する起伏を含む波形支柱と、
前記波形支柱の少なくとも一部分の周りに配設され、かつ前記起伏の前記振幅よりも大きい幅を含む電気絶縁構造体であって、前記幅が、前記長手方向軸に直交し、かつ前記第1の直交軸に直交する第2の直交軸に沿って測定されたものである、電気絶縁構造体と、
前記電気絶縁構造体に結合された1つ又は2つ以上の電極と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
各々が前記長手方向軸に沿って延在し、各々が前記第1の直交軸において起伏を含む、複数の波形支柱と、
前記複数の波形支柱の周りに配設された1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体と、
前記1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体上に配設された電極のアレイと、を更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記電極のアレイが、前記第1の直交軸に直交する平面内に配置されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記起伏の前記振幅は、前記第1の直交軸に沿って間隙を画定し、前記1つ又は2つ以上の電極が、主に、前記間隙の外側に配設されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記起伏の波長は、前記波形支柱の長さに沿って変化する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記長手方向軸に沿って延在するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配設されたエンドエフェクタであって、前記波形支柱と、前記電気絶縁構造体と、前記1つ又は2つ以上の電極とを備える、エンドエフェクタと、を更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記波形支柱と、前記電気絶縁構造体と、前記1つ又は2つ以上の電極とを備える直線状スパインを更に備え、前記1つ又は2つ以上の電極が、前記電気絶縁構造体を取り囲むリング電極を備え、前記リング電極が、前記起伏の前記振幅よりも大きい内径を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記直線状スパインの前記電気絶縁構造体が、内部を通る管腔を有する細長い部材を備え、前記波形支柱の少なくとも一部分が、前記管腔を通って延在し、前記波形支柱が中を通って延在する前記細長い部材の幅が、前記管腔内の前記波形支柱の前記一部分の前記起伏の前記振幅よりも大きい、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記電気絶縁構造体が、前記第1の直交軸に直交する一対の平面膜を備え、前記波形支柱が、前記一対の平面膜の間に位置付けられている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記1つ又は2つ以上の電極が、前記波形支柱の両側の前記一対の平面膜上に互いに反対に位置付けられた一対の電極を備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
カテーテルのエンドエフェクタであって、
前記カテーテルの長手方向軸が前記エンドエフェクタの平面に平行であり、第1の直交軸が前記エンドエフェクタの前記平面に直交し、第2の直交軸が前記長手方向軸に直交し、かつ前記第1の直交軸に直交するような平面構成で配置された複数のループ部材と、
前記複数のループ部材のうちの第1のループ部材を通って延在する第1の波形支柱を備える第1の支持フレームと、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項12】
前記複数のループ部材のうちの第2のループ部材を通って延在する第2の波形支柱を備える第2の支持フレーム、を更に備える、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記第1の波形支柱が、前記第2の波形支柱に平行であり、前記長手方向軸に平行に延在する、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に平行な外側スパインを備え、前記第1の波形支柱及び前記第2の波形支柱が、前記外側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に平行な内側スパインを備え、前記第1の波形支柱及び前記第2の波形支柱が、前記内側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記複数のループ部材が、前記第1のループ部材と、第2のループ部材と、第3のループ部材と、を備え、
前記第1のループ部材及び前記第3のループ部材が各々、外側スパイン及び内側スパインをそれぞれ備え、
前記第2のループ部材が、前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材の外側スパインと内側スパインとの間に各々中心スパインを備える、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
前記第1の波形支柱が、前記第1のループ部材の遠位湾曲部分上に位置付けられている、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項18】
前記第1のループ部材が、前記第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む第1の管状ハウジングを備え、前記第1の管状ハウジングが、前記第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい幅を含み、前記幅が、前記第2の直交軸に沿って測定されたものであり、前記振幅が、前記第1の直交軸に沿って測定されたものである、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項19】
前記第1のループ部材が、前記第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む管状ハウジングを備え、前記エンドエフェクタが、
前記管状ハウジング上に配設され、かつ前記エンドエフェクタの前記平面内に直線的に配置された1つ又は2つ以上の電極を更に備え、前記1つ又は2つ以上の電極が、前記管状ハウジングを取り囲むリング電極を備え、前記リング電極が、前記第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい内径を含み、前記振幅が、前記第1の直交軸に沿って測定されたものである、請求項18に記載のエンドエフェクタ。
【請求項20】
前記第1の波形支柱の起伏の波長が、前記第1の波形支柱の長さに沿って変化する、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年11月11日に出願された先行出願の米国特許仮出願第63/383,445号の優先権を主張するものであり、この仮出願は、その全体が本明細書に記載されているように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、カテーテルベースの医療デバイスに関し、特に、多電極エンドエフェクタを有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動などの心不整脈は、心組織の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、これにより、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを引き起こす。望ましくない信号源は、心房又は心室の組織に位置する場合がある。望ましくない信号は、心臓組織を通って他の箇所に伝導し、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させる場合がある。
【0004】
不整脈を治療するための処置は、心内膜及び心容積の電気的特性をマッピングすることと、典型的には無線周波数(radiofrequency、RF)信号、より最近では、不可逆性電気穿孔(irreversible electroporation、IRE)を誘導するためのパルス信号の形態の電気エネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることと、を含むことができる。この処置を通して、心臓のある部分から他の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能である。アブレーション過程では、非伝導病巣の形成によって望ましからざる電路を壊す。
【0005】
この処置は、典型的には、多電極エンドエフェクタを有する少なくとも1つのカテーテルを利用する。そのような多電極エンドエフェクタは、組織をマッピング及び/又はアブレーションするように構成されている。多電極エンドエフェクタは、いくつかの幾何学形状があり、典型的な幾何学形状は、球形、平面、及びレイ形状である。いくつかの多電極エンドエフェクタは、処置中にエンドエフェクタが操作される際にエンドエフェクタに構造的支持を提供するスパインを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に提示される実施例は、概して、1つ又は2つ以上の波形支柱を含む支持フレームを有するカテーテルエンドエフェクタを含む。支柱の波形は、同様の厚さの直線状非波形支柱と比較して、支柱の横方向剛性を増加させ、支柱の軸方向屈曲剛性を減少させる。波形の幾何学形状は、エンドエフェクタの電極間の所望の空間的関係を維持しながら、エンドエフェクタの組織への共形接触を提供するように選択され得る。選択され得る波形の幾何学形状は、起伏の振幅、起伏の波長、及びエンドエフェクタ内の特定の幾何学形状の設を含むことができる。電極設置を支持するために剛性又は半剛性支持フレームを現在利用する様々な幾何学形状を有するエンドエフェクタは、本発明の態様による1つ又は2つ以上の波形支柱を含むように修正され得る。本開示は、まだ開発されていないエンドエフェクタ幾何学形状に波形支柱を含めることを更に企図する。
【0007】
例示的なカテーテルは、波形支柱と、波形支柱の少なくとも一部分の周りに配設された電気絶縁構造体と、電気絶縁構造体に結合された1つ又は2つ以上の電極と、を含むことができる。波形支柱は、長手方向軸に沿って延在し得、長手方向軸に直交する第1の直交軸において振幅を有する起伏を有することができる。電気絶縁構造体は、起伏の振幅よりも大きい幅を有することができる。幅は、長手方向軸に直交し、かつ第1の直交軸に直交する第2の直交軸に沿って測定されたものである。
【0008】
カテーテルは、複数の波形支柱と電極のアレイとを更に含むことができる。支柱は各々、長手方向軸に沿って延在し得、各々第1の直交軸において起伏を有することができる。1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体は、複数の波形支柱の周りに配設され得る。電極のアレイは、1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体上に配設され得る。電極のアレイは、第1の直交軸に直交する平面内に配置され得る。
【0009】
起伏の振幅は、第1の直交軸に沿って間隙を画定し得、1つ又は2つ以上の電極が、主に、間隙の外側に配設されている。間隙は、起伏の山と谷との間に延在する柱として画定され得る。したがって、スパインを取り囲む電極は、第1の直交軸に沿った起伏の振幅よりも大きく寸法決めされている。
【0010】
起伏の波長は、波形支柱の長さに沿って変化することができる。
【0011】
カテーテルは、シャフトと、エンドエフェクタと、を更に含むことができる。シャフトは、長手方向軸に沿って延在し得る。エンドエフェクタは、シャフトの遠位端に配設され得る。エンドエフェクタは、波形支柱と、電気絶縁構造体と、1つ又は2つ以上の電極とを含むことができる。エンドエフェクタは、平面構成、マルチレイ構成、バスケット構成、又はラッソ構成を有することができる。
【0012】
カテーテルは、波形支柱と、電気絶縁構造体と、1つ又は2つ以上の電極とを含む直線状スパインを更に含むことができる。直線状スパインの絶縁構造体は、内部を通る管腔を有する細長い部材を備えることができ、波形支柱の少なくとも一部分が、管腔を通って延在する。波形支柱が中を通って延在する細長い部材の幅は、管腔内の波形支柱の一部分の起伏の振幅よりも大きくすることができる。細長い部材は、円形の外面を有することができる。
【0013】
1つ又は2つ以上の電極は、波形支柱を取り囲むリング電極を含むことができる。リング電極は、起伏の振幅よりも大きい内径を有することができる。
【0014】
絶縁構造体は、第1の直交軸に直交する一対の平面基板を含むことができ、波形支柱が、一対の平面基板間に位置付けられている。1つ又は2つ以上の電極は、波形支柱の両側の一対の平面基板上に互いに反対に位置付けられた一対の電極を含むことができる。
【0015】
カテーテルの例示的なエンドエフェクタは、複数のループ部材と、第1の支持フレームと、を含むことができる。カテーテルの長手方向軸がエンドエフェクタの平面に平行であり、第1の直交軸がエンドエフェクタの平面に直交し、第2の直交軸が長手方向軸に直交し、かつ第1の直交軸に直交するような平面構成で複数のループ部材が配置され得る。第1の支持フレームは、複数のループ部材のうちの第1のループ部材を通って延在する第1の波形支柱を含むことができる。
【0016】
エンドエフェクタは、複数のループ部材のうちの第2のループ部材を通って延在する第2の波形支柱を含む第2の支持フレームを更に含むことができる。第1の波形支柱は、第2の波形支柱に平行であり得る。第1の波形支柱及び第2の波形支柱は、長手方向軸に平行に延在し得る。
【0017】
複数のループ部材は、長手方向軸に平行な外側スパインを含むことができる。第1の波形支柱及び第2の波形支柱は、外側スパイン内にそれぞれ位置付けられ得る。複数のループ部材は、長手方向軸に平行な内側スパインを含むことができる。第1の波形支柱及び第2の波形支柱が外側スパイン内に位置付けられている代替例として、第1の波形支柱及び第2の波形支柱は、内側スパイン内にそれぞれ位置付けられ得る。エンドエフェクタは、外側スパイン、かつ同様に内側スパイン、又はそれらの何らかのサブコンビネーションを通る波形支柱を含むことができる。
【0018】
複数のループ部材は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を含むことができる。第1のループ部材及び第3のループ部材は各々、外側スパイン及び内側スパインをそれぞれ含むことができる。第2のループ部材は、第1のループ部材及び第2のループ部材の外側スパインと内側スパインとの間に各々中心スパインを含むことができる。
【0019】
エンドエフェクタは、第2の支持フレーム及び第3の支持フレームを更に含むことができる。第2の支持フレームは、第2のループ部材を通って延在し得る。第3の支持フレームは、第3のループ部材を通って延在し得る。第1の支持フレームは、第1のループ部材の長さの大部分にわたって波形であり得る。第3の支持フレームは、第3のループ部材の長さの大部分にわたって波形であり得る。第2の支持フレームは、非波形であり得る。
【0020】
第1の波形支柱は、第1のループ部材の遠位湾曲部分上に位置付けられ得る。
【0021】
第1のループ部材は、第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む第1の管状ハウジングを含むことができる。管状ハウジングは、円形の外面を有することができる。
【0022】
第1の管状ハウジングは、第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい幅を有することができる。幅は、第2の直交軸に沿って測定され得る。起伏の振幅は、第1の直交軸に沿って測定され得る。
【0023】
エンドエフェクタは、第1の管状ハウジング上に配設された1つ又は2つ以上の電極を更に含むことができる。1つ又は2つ以上の電極は、直線状に配置された複数の電極を含むことができる。複数の電極は、エンドエフェクタの平面内にあり得る。
【0024】
1つ又は2つ以上の電極は、波形支柱を取り囲むリング電極を含むことができる。リング電極は、第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい内径を有することができる。振幅は、第1の直交軸に沿って測定され得る。
【0025】
第1の波形支柱の起伏の波長は、第1の波形支柱の長さに沿って変化し得る。
【0026】
カテーテルの別の例示的なエンドエフェクタは、電極のアレイと、複数の細長い支柱とを含むことができる。電極のアレイは、平面内に配置され得る。平面は、カテーテルの長手方向軸に沿って、第1の直交軸に直交して延在し得る。複数の波形支柱は各々、長手方向軸に沿って延在し得る。支柱は各々、電極のアレイの空間配置を維持するように構成され得る。
【0027】
エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延在する複数のスパインを更に含むことができる。複数の波形支柱は、複数のスパインを通って延在し得る。電極のアレイは、複数のスパイン上に配設され得る。
【0028】
エンドエフェクタは、略平面の第1の表面を画定するように、エンドエフェクタの第1の側で1つ又は2つ以上の支柱によって支持される第1の膜を更に含むことができる。電極のアレイは、第1の表面に取り付けられ得る。エンドエフェクタは、第1の表面に平行な略平面の第2の表面を画定するように、エンドエフェクタの第2の側で1つ又は2つ以上の支柱によって支持される第2の膜を更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明の態様による、カテーテルの遠位部分にあるエンドエフェクタと、カテーテルの近位部分にある近位ハンドルとを有するカテーテルの図である。
図2A】本発明の態様による、エンドエフェクタの支持フレームの等角投影図の図である。
図2B図2Aに示される支持フレームの平面図の図である。
図3A】本発明の態様による、エンドエフェクタの別の支持フレームの図である。
図3B】本発明の態様による、エンドエフェクタの別の支持フレームの図である。
図4A】本発明の態様による、スパインの一部分の図である。
図4B】本発明の態様による、図4Aに示されたようなスパインの断面図の図である。
図4C】本開示の態様による、図4Aに示されたようなスパインの断面の図である。
図5A】本発明の態様による、スパインの長さに沿って変化する波長を有するスパインの断面の図である。
図5B】本発明の態様による、スパインの長さに沿って変化する可変振幅を有するスパインの断面の図である。
図5C】本発明の態様による、スパインの長さに沿って変化する可変厚さを有するスパインの断面の図である。
図5D】本発明の態様による、波形の波の形状の図である。
図6A】本発明の態様に係る、様々な力を加えることによる例示的な支持フレームの変形の図である。
図6B】本発明の態様に係る、様々な力を加えることによる例示的な支持フレームの変形の図である。
図6C】本発明の態様に係る、様々な力を加えることによる例示的な支持フレームの変形の図である。
図6D】本発明の態様に係る、様々な力を加えることによる例示的な支持フレームの変形の図である。
図7A】本発明の態様による、別の例示的なカテーテルの図である。
図7B】本発明の態様による、図7Aに示されたエンドエフェクタの断面の図である。
図8】本発明の態様による、レイ形状の別の例示的なエンドエフェクタの図である 。
図9】本発明の態様による、バスケット形状を有する別の例示的なエンドエフェクタの図である。
図10】本発明の態様による、円形又はラッソ形状を有する別の例示的なエンドエフェクタの図である。
図11】本発明の態様による、例示的なカテーテルベースの電気生理学的マッピング及びアブレーションシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0031】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0032】
更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、操作者に近い方の位置を示す一方、「遠位部」は、操作者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0033】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0034】
多電極エンドエフェクタは、電極設置を支持するための剛性又は半剛性支持フレームを含むことができる。支持フレームは、ニチノール又は他の生体適合性材料を含むことができ、絶縁材料、電極、電極への導体、及び他のエンドエフェクタ構成要素が支持フレーム上に装着される。支持フレームは、エンドエフェクタが操作されて組織に対向する際に、電極間の空間的関係を維持するように構成されている。特定のカテーテル幾何学形状、特に平面エンドエフェクタ幾何学形状に関して、機械的設計要件は、相反する可能性があり、設計上の妥協をもたらす。例えば、図6A図6Dに示される負荷条件の間では、図6A及び図6Bに示される負荷条件下での変形に抵抗するように増大した横方向剛性を有する一方で、図6Dに示される負荷条件下での屈曲を可能にするように最小限の軸方向剛性を有し、また、図6Cに示されるように負荷条件の範囲内での変形に抵抗して変形を可能にするように屈曲剛性を維持することが望ましい。
【0035】
本明細書に提示される実施例では、エンドエフェクタの支持フレームの1つ又は2つ以上の支柱は、波形であり得る。支柱の波形は、同様の厚さの直線状非波形支柱と比較して、支柱の横方向剛性を増加させ、支柱の軸方向屈曲剛性を減少させる。波形の幾何学形状は、エンドエフェクタの電極間の所望の空間的関係を維持しながら、エンドエフェクタの組織への共形接触を提供するように選択され得る。選択され得る幾何学形状は、起伏の振幅、起伏の波長、及びエンドエフェクタ内の特定の幾何学形状の設置を含むことができる。波形支柱は、平面エンドエフェクタに特に有利であり得るが、波形支柱はまた、エンドエフェクタ支持フレームの所望の機械的機能性を達成するために、多くの他のエンドエフェクタ幾何学形状において使用されることもできる。波形は、改善された共形組織接触を達成するのに特に有利であり得、したがって、線維柱帯及び櫛状筋肉構造におけるより高いマッピング詳細を達成するのに特に有利であってもよい。
【0036】
図1は、カテーテル100の遠位部分におけるエンドエフェクタ110と、カテーテル100の近位部分における近位ハンドル106と、ハンドル106とエンドエフェクタ110との間に延在するシャフト109とを含むカテーテル100の図である。細長いシャフト109は、細長いカテーテル本体の形状にある近位部分102と、中間偏向部分104と、遠位部分104Aと、を有する。偏向制御ハンドル106は、カテーテル本体102の近位端に取り付けられる。シャフト109の遠位部分104Aは、コネクタ管105を介してエンドエフェクタ110に結合される。細長いシャフト109は、脈管系を通過するようにサイズ決めされるか、他の方法で構成された管状カテーテル本体を形成する。エンドエフェクタ110は、複数のループ部材1、2、3を有し、複数のループ部材1、2、3は、共通の遠位頂点50で重なり合い、当該遠位頂点にて機械的リンク部によって締結されている。
【0037】
デバイスが拘束されておらず、かつ整列しているとき、近位部分102、中間セクション104、遠位部分104A、及びエンドエフェクタ110は、長手方向軸L-Lに沿って略一直線になる。中間セクション104は、長手方向軸L-Lから遠位部分104A及びエンドエフェクタ110を偏向させるように曲がるように構成され得る。
【0038】
エンドエフェクタ110は、ガイドシース又はカテーテル(図示せず)内に収まるように、折り畳まれる(長手方向軸L-Lに向かって圧縮する)ことができる。シャフト109を遠位側に押すことによって、エンドエフェクタ110を、ガイドシースを通して遠位側に移動させることができる。エンドエフェクタ110は、シャフト109及び/又は制御ハンドル106の操作により、ガイドシースの遠位端から出るように移動させることができる。この目的のために好適なガイドシースの一例は、Biosense Webster,Inc.(Irvine、California、USA)より市販されているPreface Braided Guiding Sheathである。
【0039】
エンドエフェクタ110は、第1のループ部材1、第2のループ部材2、及び第3のループ部材3を有する。各ループ部材1、ループ部材2、ループ部材3は、2つのスパイン1A、スパイン1B、スパイン2A、スパイン2B、スパイン3A、スパイン3Bと、それぞれのループ部材1、ループ部材2、ループ部材3の2つのスパインを接続するコネクタ1C、コネクタ2C、コネクタ3Cを有する。第1のループ部材1のスパイン1A、スパイン1Bは、第1のコネクタ1Cによって接続され、第2のループ部材2のスパイン2A、スパイン2Bは、第2のコネクタ2Cによって接続され、第3のループ部材3のスパイン3A、スパイン3Bは、第3のコネクタ3Cによって接続されている。コネクタ1C、2C、3Cは、示されたような弓形部材とすることができるか、又は代替的な形状を有することができる。
【0040】
エンドエフェクタ100が、図1に示されるように、非拘束構成に拡張されている場合には、各ループ部材1、2、3に関して、それぞれのスパインの対中の、スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、それぞれの長さの大部分に沿って実質的に互いに平行であり得る。エンドエフェクタ110は、ループ部材1、2、3のうちの1つ又は2つ以上を通って延在する1つ又は2つ以上の支持フレームを含む支持フレームアセンブリを含むことができる。支持フレームアセンブリは、スパインの所望の横方向剛性を提供し、かつスパインの屈曲剛性を減少させるためにスパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bのうちの一部又は全部を通る1つ又は2つ以上の波形支柱を含むことができる。波形の幾何学形状は、エンドエフェクタの電極間の所望の空間的関係を維持しながら、エンドエフェクタの組織への共形接触を提供するように選択され得る。
【0041】
好ましくは、エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるとき、エンドエフェクタの全てのスパインは、それらのそれぞれの長さの大部分に沿って互いに平行である。エンドエフェクタは、概して平面P1内にある電極37のアレイを提供する。拘束されていないとき、エンドエフェクタ110がハンドル106及びシャフト109の操作によって平面に押し付けられるときに、電極37は各々平面に接触し、正確に平面になるように、電極はほぼ同一平面上にある。シャフト109の中間セクション104が偏向されていないときに、長手方向軸L-Lは、平面P1に平行である。第1の直交軸O1は、平面P1及び長手方向軸L-Lに直交する。第2の直交軸O2は、長手方向軸L-L及び第1の直交軸O1に直交する。平面P1は、第2の直交軸O2に平行である。
【0042】
各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、約5~50mmの範囲、好ましくは約10~35mmの範囲、より好ましくは約28mmの長さを有してもよい。各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bの平行な部分は、約1mm~約20mmの範囲、好ましくは約2~10mmの範囲、より好ましくは約4mmの距離だけ互いに離間してもよい。代替的には、スパインの少なくとも一部の平行な部分が、接触し得るか、個別のスパインが、固着され得るか、又は複数の支柱が単一スパインを通って延在し得る。各スパイン1A、1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、好ましくは、スパイン部材あたり少なくとも8つの電極を担持する。エンドエフェクタは、好ましくは、示されるように6つのスパインを含む。6つのスパインが8個の電極を有する場合、エンドエフェクタ100は48個の電極を含む。スパインの数、電極の数、スパインの寸法、及び電極の間隔は、特定のエンドエフェクタ設計の設計目的を満たすように変化し得る。
【0043】
シャフト109の遠位部分104Aの近くには、遠位電極103D及び近位電極103Pが位置付けられている。電極103D及び103Pは、一緒になって(例えば、一方の電極の一部分をマスキングし、他方の電極の異なる部分をマスキングすることによって)基準電極(組織と接触していない電極)を画定するように構成され得る。米国特許第5,944,022号、同第5,983,126号、及び同第6,445,864号に記載されているように、1つ以上のインピーダンス検知電極103Rを、インピーダンス位置検知技術による位置検知を可能にするように構成することができ、これらの複製が、参照により本明細書に組み込まれ、優先権特許出願米国第63/383,445号の付録に添付される。シャフト109の遠位部分104上の電極103D、103P、103Rの構成及び設置は、特定のカテーテル設計の設計目的を満たすように変更され得る。
【0044】
図2Aは、非拘束構成にあるエンドエフェクタの支持フレームアセンブリ180の等角投影図の図である。支持フレームアセンブリ180は、第1の支持フレーム181、第2の支持フレーム182、及び第3の支持フレーム183を含む。第1の支持フレーム181は波形であり、第3の支持フレーム183は波形である。第2の支持フレーム182は波形ではない。支持フレームアセンブリ180は、当業者によって理解されるように、第1の支持フレーム181及び第3の支持フレーム183のループ経路を修正することによって、又は第1のループ1及び第3のループ3のループ経路を修正することによって、図1に示されるエンドエフェクタ110と同様のエンドエフェクタを支持するように構成され得る。支持フレーム181、182、183は、プラスチック若しくは金属の切り出し(cut-off)シート、プラスチック若しくは金属の丸形ワイヤ、プラスチック若しくは金属の正方形ワイヤ、又は他の好適な生体適合性材料を含むことができる。好ましい実施形態では、支持フレームは、例えばニチノールなどの形状記憶材料から作製される。
【0045】
図2Bは、図2Aに示される支持フレームアセンブリ180の平面図の図である。エンドエフェクタが拘束されていないときに、それぞれの支持フレーム181、182、183の各々は、(例えば、図1に示されたループ部材1、2、3と同様の)それぞれのループ部材のそれぞれのループ経路を画定する。各支持フレーム181、182、183は、エンドエフェクタ100の(例えば、図1に示されたスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bと同様の)対応するスパインを通って延在するそれぞれの平行セグメント181a、182a、183a、181b、182b、183bを含む。各支持フレーム181、182、183は、それぞれのループ部材の対応する近位セグメントを通って延在するそれぞれの近位セグメント181d、182d、183d、181e、182e、183eを含む。エンドエフェクタ110をシャフト109に接合させるために、近位セグメント181d、182d、183d、181e、182e、183eは、コネクタ管105内に延在する。各支持フレーム181、182、183は、それぞれの一対の平行セグメント181a、182a、183a、181b、182b、183bの間に延在し、それぞれのループ部材の(例えば、図1に示されたコネクタ1C、2C、3Cと同様の)それぞれのコネクタを通るそれぞれの接続セグメント181c、182c、183cを含む。
【0046】
第1の支持フレーム181及び第3の支持フレーム183の接続セグメント181c、183cは各々、第1の支持フレーム181及び第3の支持フレーム183の接続セグメント181c、183cが支持フレームアセンブリ180の遠位頂点において互いに重なり合わないように、第2の支持フレーム182の接続セグメント182cの頂点の近くにそれぞれの屈曲部181f、183fを含むことができる。
【0047】
図2A及び図2Bに示された支持フレームアセンブリ180は、4つの波形支柱181a、181b、183b、183aを含む。波形支柱は、互いに平行であり、ほぼ平面である。代替的には、支持フレームアセンブリ180の6つの支柱181a、182a、181b、183b、182a、183aの任意の組み合わせは、波形であることができる。好ましくは、少なくとも外側支柱181a、183aは、図6A及び図6Bに示される負荷条件下でエンドエフェクタの変形に抵抗するために、増加した横方向剛性を提供するように波形である。したがって、第1の支持フレーム181の内側スパイン181b、第3の支持フレーム183の内側スパイン183b、第2の支持フレーム182の中央スパイン182a、182b、及び任意の組み合わせは、図6Dに示される付加条件下での屈曲を可能にするように軸方向剛性を低減するように波形にされ得る。
【0048】
波形は、波形支柱181a、181b、183b、183aの全長に沿って示されているが、波形支柱181a、181b、183b、183aの1つ又は複数の部分は、支持フレームアセンブリ180の所望の機械的機能性を提供するために非波形であり得る。更に、波形は、波形支柱181a、181b、183b、183aの全長に沿って均一であるように示されているが、振幅及び/又は波長などの波形の幾何学形状は、波形支柱181a、181b、183b、183aの長さに沿って変化して、支持フレームアセンブリ180の所望の機械的機能性を提供することができる。
【0049】
接続セグメント181c、182c、183cは波形であり得る。示されるように、第1の支持フレーム181の接続セグメント181c及び第3の支持フレーム183の接続セグメント183cは波形である。これらの接続セグメント181c、183cの波形は、図6A及び/又は図6Bに示される負荷条件下での変形に対する抵抗を増加させることができる。接続セグメント181c、182c、183cのいずれかの波形を利用して、図6Cに示された負荷条件下で支持フレームアセンブリ180の所望の変形を達成することができる。
【0050】
支持フレームアセンブリ180は、それぞれの支持フレーム181、182、183のループ経路に沿って略均一な幅及び厚さを有する支持フレームを有して示されているが、支持フレームの断面は、支持フレームアセンブリ180の所望の機械的機能性を提供するために、ループ経路に沿って変化し得る。例えば、支持フレームの断面積は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権特許出願米国第63/383,445号の付録に添付されている米国特許出願公開第2021/0369339号に開示されているものと同様に変化させることができる。
【0051】
図3A及び図3Bは、代替的な平面エンドエフェクタ支持フレームアセンブリ構成の図である。多数の代替的な平面エンドエフェクタ幾何学形状は、本開示による関連技術の当業者によって理解されるように、波形を含むことができる。
【0052】
図3Aは、図1に示されたエンドエフェクタ110と同様のループ経路を有するエンドエフェクタの代替的な支持フレーム280の図である。第1の支持フレーム218は、第1の支持フレーム281、第2の支持フレーム282、及び第3の支持フレーム283を含む。各支持フレーム281、282、283は、エンドエフェクタ110の対応するスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bを通って延在するそれぞれの平行セグメント281A、282A、283A、281B、282B、283Bを含む。各支持フレーム281、282、283は、それぞれのループ部材1、2、3の対応する近位セグメントを通って延在するそれぞれの近位セグメント281D、282D、283D、281E、282E、283Eを含む。エンドエフェクタ110をシャフト109に接合させるために、近位セグメント281D、282D、283D、281E、282E、283Eは、コネクタ管105内に延在する。各支持フレーム281、282、283は、平行セグメント281A、282A、283A、281B、282B、283Bのそれぞれの対の間に、それぞれのループ部材1、2、3のそれぞれの接続セグメント1C、2C、3Cを通って延在するそれぞれの接続セグメント281C、282C、283Cを含む。
【0053】
平行セグメント281A、282A、283A、281B、282B、283Bは、拘束されていないときにほぼ同一平面上にあり、シャフト109の近位部分102がエンドエフェクタ110を平面に押し付けるように操作されるときに正確に同一平面上になることができる。
【0054】
支持フレーム281、282、283のいずれかの部分は、所望の機械的機能性を達成するために波形であり得る。
【0055】
図3Bは、第1の支持フレーム381、第2の支持フレーム382、及び第3の支持フレーム383を含むエンドエフェクタの別の支持フレームアセンブリ380の図である。支持フレーム381、382、383は、共通の遠位頂点50で重なり合う。支持フレームアセンブリ380は、図2A図2B、及び図3Aに示された例示的な支持フレーム180、280の近位セグメント及び平行セグメントと同様に構成された近位セグメント381D、382D、383D及び平行セグメント381A、381B、382A、382B、383A、383Bを含む。
【0056】
第1の支持フレーム381は、第1の対の平行セグメント381A、381Bの遠位端間に湾曲形状を有する第1の接続部材381Cを含む。第2の支持フレーム382は、平行セグメント382A、382Bの遠位端から延在し、長手方向軸L-Lから離れ、遠位に曲がり、長手方向軸L-Lに向かって曲がる一対の湾曲部382Fを有する第2の接続部材382Cを含む。第2の接続部材382Cは、一対の湾曲部382Fの間に湾曲形状の円弧を有する。第3の支持フレーム383は、平行セグメント383A、383Bの遠位端から延在し、長手方向軸L-Lから離れ、遠位に曲がり、長手方向軸L-Lに向かって曲がる一対の湾曲部383Fを有する第3の接続部材383Cを含む。第2の接続部材383Cは、一対の湾曲部383Fの間に湾曲形状の円弧を有する。
【0057】
平行セグメント381A、381B、382A、382B、383A、383Bの各々は、長手方向軸L-Lに対して平行に測定した場合に、長さが互いにほぼ等しくなり得る。同様に、エンドエフェクタのスパインは、長手方向軸L-Lに平行に測定して、互いにほぼ等しい長さとすることができる。
【0058】
支持フレーム381、382、383の各々は、ループ経路に沿って変化するループ経路に直交する断面形状を有するそれぞれのループ経路を画定することができる。断面形状は、屈曲部381K、382Kにおいてより小さい面積を有することができる。断面形状は、平行セグメント381A、381B、382A、382B、383A、383Bを通るループ経路の大部分と比較して、接続部材381C、382C、383Cを通るループ経路の大部分にわたってより小さい面積を有することができる。
【0059】
示された支持フレームアセンブリ380は、3つの支持フレーム381、382、383を含む。代替的には、支持フレームアセンブリ380は、第1の支持フレーム381と同様に構成された外側支持フレームと、第2の支持フレーム382と同様に構成された内側支持フレームと、第3の支持フレーム383とを含む2つの支持フレームを含むことができる。
【0060】
支持フレーム381、382、383のいずれかの部分は、所望の機械的機能性を達成するために波形であり得る。
【0061】
図4Aは、スパイン1の部分の図である。スパイン1は、1つ又は2つ以上の電極137を担持し、支持フレームの支柱81によって支持される、エンドエフェクタの一部分を含む。示されたスパイン1は直線状である。代替的には、開口部1は湾曲され得る。示されるように、スパイン1は、長手方向軸L-Lと直線状に整列され、スパイン1上の電極137は、長手方向軸L-Lとに整列される。
【0062】
図4Bは、図4Aに示されるようなスパイン1の断面の図である。
【0063】
図4Cは、図4Aに示されるようなスパイン1の断面の図である。
【0064】
図4B及び図4Cをまとめて参照すると、スパイン1は、それを通る管腔を有する細長い部材90と、細長い部材90の管腔を通って延在する灌注チューブ96と、細長い部材90の管腔を通って延在する波形支柱81と、細長い部材90の管腔を通って延在する導電体40(例えば、ワイヤ)と、細長い部材90の外面に結合された電極137と、を含む。細長い部材90は、電極137を担持するように構成された例示的な電気絶縁構造体である。細長い部材90は、示されるように、外管を含むことができる。外管は、示されるような円形断面、楕円形断面、長方形断面、又は当業者によって理解されるような代替的な断面を有することができる。電極137は、示されるように細長い部材90を取り囲むリング形状を有することができるか、又はスポット形状であるか、若しくは当業者によって理解されるような他の形状を有することができる。灌注チューブ96は任意選択である。導電体40は、示されるように絶縁ワイヤを含むことができ、代替的な断面形状を有することができ、フレックス回路に取り付けられ得るか、又は当業者によって理解されるように他の方法で構成され得る。
【0065】
細長い部材90は、第2の直交軸O2に沿って、長手方向軸L-Lに直交して測定される幅W1を有する。支柱81は、細長い部材90の幅W1よりも小さい第2の直交軸O2に沿った幅W2を有する。支柱81は、第1の直交軸O1に沿って測定される振幅A1を有する起伏を有する。振幅A1は、細長い部材90の幅W1よりも小さい。支柱81は、厚さT1を有する。支柱81を収容する細長い部材90は、示された長さにわたって実質的に直線状であるが、支柱は、複数の山及び谷(示された2周期の起伏)を有して起伏する。細長い部材90は、示されるように円形である必要はなく、第2の直交方向O2と比較して第1の直交方向O1により長い楕円形であってもよい。この場合、振幅A1は、細長い部材90の幅W1よりも大きくてもよく、細長い部材90は、支柱の複数周期の起伏にわたって実質的に直線状のままである。例えば、支柱の振幅A1は、細長い部材90の幅W1の1.5倍であってもよい。
【0066】
電極137は、細長い部材90を取り囲むリング形状であり得る。したがって、電極137の内径は、支柱81の幅W2よりも大きく、支柱81の起伏の振幅A1よりも大きくすることができる。起伏A1の振幅は、スパイン1の経路(例えば、示されるように直線状)が起伏に従わないように、十分に小さい。起伏は、振幅A1が間隙を画定し、かつ電極が完全に間隙の外側に配設されるように成形される。電極137の内径は、支柱81が、起伏の形状に従う電極137の配置なしに電極137を通って延在するように、振幅A1よりも大きい。これは、リング電極の直径よりも大きい振幅を有する波の形状を有する支持フレームを有するエンドエフェクタ支持体とは対照的であり、そのようなリング電極は、必然的に、より大きい振幅の波の形状の谷と山との間に位置付けられる電極の少なくとも一部分を有する。
【0067】
代替として、起伏は、振幅A1が間隙を画定するように成形され得、スパイン81は、電極137が主に間隙の外側に配設されるように、わずかに起伏に追従することができる。
【0068】
図5Aは、スパイン81の長さに沿って変化する可変波長λ、λを有するスパインの断面の図である。波長λ、λは、支持フレームアセンブリの所望の機械的特性を達成するために変化させることができる。
【0069】
図5Bは、スパイン81の長さに沿って変化する可変振幅A1、A2を有するスパインの断面の図である。振幅A1、A2は、支持フレームアセンブリの所望の機械的特性を達成するために変化させることができる。
【0070】
図5Cは、スパイン81の長さに沿って変化する可変厚さT1、T2を有するスパインの断面の図である。厚さT1、T2は、支持フレームアセンブリの所望の機械的特性を達成するために変化させることができる。
【0071】
図5Dは、波形の波の形状の図である。起伏は、図4C及び図5Aに示されたようなものと同様の正弦波、図5B及び図5Cに示されたようなものと同様の半月、図5Dに示されたような三角波、三角若しくはジグザグ、図5Dに示されたような他の波形の波の形状、又は当技術分野で知られているような他の波形の波の形状とすることができる。デューティサイクルなどの波形の波の形状の他の寸法は、支持フレームアセンブリの所望の機械的特性を達成するために変化させることができる。スパイン81は、支持フレームアセンブリの所望の機械的特性を達成するために、異なるセクションにわたって異なる波の形状を有することができる。
【0072】
図6A図6B図6C、及び図6Dは、様々な力を加えることによる例示的な支持フレームアセンブリ80の変形の図である。例示的な支持フレームアセンブリ80は、第1の支持フレーム81、第2の支持フレーム82、及び第3の支持フレーム83を含む。
【0073】
図6Aは、ウェッジWから支持フレームアセンブリ80の第3の支持フレーム83の外側支柱83Bへの横方向の力F1を加えることを示す。第1の支持フレーム81の反対側の外側支柱は、平面Sに当接している。変形により、第3の支持フレーム83の外側支柱83Bが第2の支持フレーム82の支柱に接触することがもたらされる。外側支柱83B上に担持される電極と第2の支持フレーム82の隣接する支柱によって担持される電極との間の分離を維持するために、エンドエフェクタ使用中に支持フレームアセンブリ80のこのタイプの変形に抵抗するように支持フレームアセンブリ80を設計することが望ましいことがある。外側支柱83Bを波形にすることは、同様の厚さの非波形支柱と比較して、図示された変形に抵抗するように外側支柱83Bを強化してもよい。
【0074】
図6Bは、支持フレームアセンブリ80の外側支柱83B、81Aに対する2つの平面S1、S2からの横方向の力F2を加えることを示す。変形により、外側支柱83B、81Aが第2の支持フレーム82の支柱に接触することがもたらされる。外側支柱83B、81A上に担持される電極と第2の支持フレーム82のそれぞれ隣接する支柱によって担持される電極との間の分離を維持するために、エンドエフェクタ使用中に支持フレームアセンブリ80のこのタイプの変形に抵抗するように支持フレームアセンブリ80を設計することが望ましいことがある。外側支柱83B、81Aを波形にすることは、同様の厚さの非波形支柱と比較して、図示された変形に抵抗するように外側支柱83B、81Aを強化してもよい。
【0075】
図6Cは、支持フレームアセンブリ80の接続セグメント81C、83Cに加えられる平面Sからの軸方向の力F3の図である。接続セグメント81C、83C及び支持フレームアセンブリ80の他の部分は、軸方向の力F3の結果として所望の偏向を提供するように波形であり得る。
【0076】
図6Dは、支持フレームアセンブリ80の遠位端に加えられる屈曲負荷の力F4の図である。屈曲負荷の力F4は、長手方向軸L-Lからの支持フレームアセンブリ80の偏向をもたらす。エンドエフェクタが組織に押し付けられたときにエンドエフェクタが容易に組織に共形となるように、屈曲負荷の力F4による偏向を可能にすることが望ましいことがある。平行セグメント及び支持フレームアセンブリ80の他の部分は、屈曲負荷の力F4の結果として所望の偏向を提供するように波形であり得る。
【0077】
図7Aは、実質的に平面の別の例示的なエンドエフェクタ710の図である。
【0078】
図7Bは、図7Aに示されるようなエンドエフェクタ710の断面の図である。
【0079】
図7A及び図7Bをまとめて参照すると、エンドエフェクタ710は、第1の膜712a、第1の電極737a、第2の膜712b、第2の電極737b、波形支柱81、及び可撓性充填材714(例えば、ポリマー)を含む。第1の膜712aは、エンドエフェクタ710の第1の側701aに位置付けられ得、第2の膜712bは、エンドエフェクタ710の第2の側701bに位置付けられ得る。第1の電極737aは、第1の表面701a上で周囲環境に露出された第1の膜712aに結合され得る。第2の電極737bは、第2の膜712bに結合され、第2の表面701b上で周囲環境に露出され得る。
【0080】
波形支柱81は、第1の膜712aと第2の膜712bとの間に位置付けられる。膜712a、712bは、互いに平行であり、第1の直交軸に直交することができる。波形支柱81の振幅は、間隙を画定することができ、電極737a、737bは、間隙の完全に外側に配設され得る。第1の電極737aの少なくとも一部分は、電極737a、737bの1つ又は2つ以上の対が、波形支柱81の両側の一対の平面膜712a、712b上で互いに反対に位置付けられるように、第2の電極737bの少なくとも一部分に反対に位置付けられ得る。
【0081】
図8は、レイ形状を有する別の例示的なエンドエフェクタ400の図である。スパイン410は、シャフト409の遠位端に接合された近位端と、自由遠位端とを有する。スパイン410のうちの1つ又は2つ以上は、図4A図4Cに示されたスパイン1と同様に構成され得る。
【0082】
図9は、バスケット形状を有する別の例示的なエンドエフェクタ500の図である。スパイン510は、シャフト509の遠位端に接合される近位端と、ハブにおいて接合される遠位端と、を有する。スパイン510のうちの1つ又は2つ以上は、図4A図4Cに示されたスパイン1と同様に構成され得る。
【0083】
図10は、円形又はラッソ形状を有する別の例示的なエンドエフェクタ600の図である。エンドエフェクタ600は、シャフト609から延在する単一スパイン610を含む。カテーテルは、スパインを直線構成から円形形状に移動させるためにスパイン610及びシャフト609を通って延在するプルワイヤを含むことができ、及び/又はスパイン610内の支柱は、拘束されていないときにスパイン610をラッソ形状に移動させるように事前設定され得る。スパイン610は、図4A図4Cに示されたスパイン1と同様に構成され得る。
【0084】
図11は、例示的なカテーテルベースの電気生理学的マッピング及びアブレーションシステム10を示す図である。システム10は、患者の血管系を通じて、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12内の所望の場所付近の左心房又は右心房に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の検知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は検知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。IEGMを検知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12の標的部位を検知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0085】
示されたカテーテル14は、遠位先端部28において複数のスパイン22にわたって任意選択で分布し、IEGM信号を検知するように構成された1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を検知するための3つの磁気コイルを含む磁気に基づく位置センサである。当業者に理解されるように、カテーテル14は、他の方法で、本明細書に提示される他の例示的なカテーテル、それらの変形例、及びそれらの代替物と同様に構成され得る。遠位部分28は、1つ又は2つ以上の波形支柱を含むことができる。
【0086】
磁気に基づく位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作してもよい。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、位置パッド25を用いて生成され、磁気に基づく位置センサ29によって検知される磁場に基づいて追跡されてもよい。磁気ベースの位置検知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号、これらは参照により本明細書に組み込まれ、また、優先権特許出願米国第63/383,445号の付録に添付されている。
【0087】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために位置付けられた1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれ、また、優先権特許出願米国第63/383,445号の付録に添付されている。
【0088】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心拍リズムをペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0089】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ又は2つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器51を含むことができる。アブレーションエネルギー発生器51によって生成されるエネルギーは、不可逆性電気穿孔(IRE)をもたらすために使用され得るような単極又は双極高電圧DCパルスを含む、無線周波数(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(pulsed-field ablation、PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0090】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテル、電気生理学的機器、電源、及びシステム10の動作を制御するためのワークステーション55の間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器51、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実施するため、かつECG計算を実行するための処理能力を含む。
【0091】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能とを含む。ワークステーション55は、複数の機能を提供するように構成することができ、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデル化し、そのモデル又は解剖学的マップ20を表示デバイス27に表示するためにレンダリングすることと、(2)表示デバイス27上に、記録された電位図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的印又は画像で表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの場所及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加されたところなどの関心部位を表示デバイス27上に表示することとを含む。システム10の各要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.31A Technology Drive,Irvine,CA,92618、から市販されている、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0092】
以下の条項は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
【0093】
条項1.カテーテルであって、長手方向軸に沿って延在し、かつ長手方向軸に直交する第1の直交軸において振幅を有する起伏を含む波形支柱と、波形支柱の少なくとも一部分の周りに配設され、かつ起伏の振幅よりも大きい幅を含む電気絶縁構造体であって、幅が、長手方向軸に直交し、かつ第1の直交軸に直交する第2の直交軸に沿って測定されたものである、電気絶縁構造体と、電気絶縁構造体に結合された1つ又は2つ以上の電極と、を備える、カテーテル。
【0094】
条項2.各々が長手方向軸に沿って延在し、各々が第1の直交軸において起伏を含む、複数の波形支柱と、複数の波形支柱の周りに配設された1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体と、1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体上に配設された電極のアレイと、を更に備える、条項1に記載のカテーテル。
【0095】
条項3.電極のアレイが、第1の直交軸に直交する平面内に配置されている、条項2に記載のカテーテル。
【0096】
条項4.起伏の振幅は、第1の直交軸に沿って間隙を画定し、1つ又は2つ以上の電極が、主に、間隙の外側に配設されている、条項1~3のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0097】
条項5.起伏の波長は、波形支柱の長さに沿って変化する、条項1~4のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0098】
条項6.長手方向軸に沿って延在するシャフトと、シャフトの遠位端に配設されたエンドエフェクタであって、波形支柱と、電気絶縁構造体と、1つ又は2つ以上の電極とを備える、エンドエフェクタと、を更に備える、条項1~5のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0099】
条項7.エンドエフェクタは、平面構成、マルチレイ構成、バスケット構成、又はラッソ構成を含む、条項6に記載のカテーテル。
【0100】
条項8.波形支柱と、電気絶縁構造体と、1つ又は2つ以上の電極とを備える直線状スパインを更に備える、条項1~7のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0101】
条項9.直線状スパインの電気絶縁構造体が、内部を通る管腔を有する細長い部材を備え、波形支柱の少なくとも一部分が、管腔を通って延在し、波形支柱が中を通って延在する細長い部材の幅が、管腔内の波形支柱の一部分の起伏の振幅よりも大きい、条項8に記載のカテーテル。
【0102】
条項10.細長い部材が、円形の外面を含む、条項9に記載のカテーテル。
【0103】
条項11.1つ又は2つ以上の電極が、波形支柱を取り囲むリング電極を備え、リング電極は、起伏の振幅よりも大きい内径を含む、条項1~10のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0104】
条項12.電気絶縁構造体が、第1の直交軸に直交する一対の平面膜を備え、波形支柱が、一対の平面膜の間に位置付けられている、条項1~7のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0105】
条項13.1つ又は2つ以上の電極は、波形支柱の両側の一対の平面膜上に互いに反対に位置付けられた一対の電極を備える、条項12に記載のカテーテル。
【0106】
条項14.カテーテルのエンドエフェクタであって、カテーテルの長手方向軸がエンドエフェクタの平面に平行であり、第1の直交軸がエンドエフェクタの平面に直交し、第2の直交軸が長手方向軸に直交し、かつ第1の直交軸に直交するような平面構成で配置された複数のループ部材と、複数のループ部材のうちの第1のループ部材を通って延在する第1の波形支柱を備える第1の支持フレームと、を備える、エンドエフェクタ。
【0107】
条項15.複数のループ部材のうちの第2のループ部材を通って延在する第2の波形支柱を備える第2の支持フレーム、を更に備える、条項14に記載のエンドエフェクタ。
【0108】
条項16.第1の波形支柱が、第2の波形支柱に平行である、条項15に記載のエンドエフェクタ。
【0109】
条項17.第1の波形支柱及び第2の波形支柱が、長手方向軸に平行に延在する、条項15又は16に記載のエンドエフェクタ。
【0110】
条項18.複数のループ部材が、長手方向軸に平行な外側スパインを備え、第1の波形支柱及び第2の波形支柱が、外側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、条項15~17のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0111】
条項19.複数のループ部材が、長手方向軸に平行な内側スパインを備え、第1の波形支柱及び第2の波形支柱が、内側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、条項15~17のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0112】
条項20.複数のループ部材が、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を備え、第1のループ部材及び第3のループ部材が各々、外側スパイン及び内側スパインをそれぞれ備え、第2のループ部材が、第1のループ部材及び第2のループ部材の外側スパインと内側スパインとの間に各々中心スパインを備える、条項15~19のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0113】
条項21.第2のループ部材を通って延在する第2の支持フレームと、第3のループ部材を通って延在する第3の支持フレームと、を更に備える、条項20に記載のエンドエフェクタ。
【0114】
条項22.第1の支持フレームが、第1のループ部材の長さの大部分にわたって波形であり、第3の支持フレームが、第3のループ部材の長さの大部分にわたって波形である、条項21に記載のエンドエフェクタ。
【0115】
条項23.第2の支持フレームが、非波形である、条項21又は22に記載のエンドエフェクタ。
【0116】
条項24.第1の波形支柱が、第1のループ部材の遠位湾曲部分上に位置付けられている、条項14に記載のエンドエフェクタ。
【0117】
条項25.第1のループ部材は、第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む第1の管状ハウジングを備える、条項14~24のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0118】
条項26.管状ハウジングは、円形の外面を含む、条項25に記載のエンドエフェクタ。
【0119】
条項27.第1の管状ハウジングが、第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい幅を含み、幅が、第2の直交軸に沿って測定されたものであり、振幅が、第1の直交軸に沿って測定されたものである、条項25又は26に記載のエンドエフェクタ。
【0120】
条項28.第1の管状ハウジング上に配設された1つ又は2つ以上の電極を更に備える、条項25~27のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0121】
条項29.1つ又は2つ以上の電極が、直線的に配置された複数の電極を含む、条項28に記載のエンドエフェクタ。
【0122】
条項30.複数の電極が、エンドエフェクタの平面内にある、条項29に記載のエンドエフェクタ。
【0123】
条項31.1つ又は2つ以上の電極が、波形支柱を取り囲むリング電極を備える、条項28~29のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0124】
条項32.リング電極が、第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい内径を備え、振幅は、第1の直交軸に沿って測定されたものである、条項31に記載のエンドエフェクタ。
【0125】
条項33.第1の波形支柱の起伏の波長が、第1の波形支柱の長さに沿って変化する、条項14~32のいずれか1つに記載のエンドエフェクタ。
【0126】
条項34.カテーテルのエンドエフェクタであって、カテーテルの長手方向軸に沿って、かつ第1の直交軸に直交する平面内に配置された電極のアレイと、各々が長手方向軸に沿って延在し、かつ電極のアレイの空間配置を維持するように構成された複数の波形支柱と、を備える、エンドエフェクタ。
【0127】
条項35.長手方向軸に沿って延在する複数のスパインを更に備え、複数の波形支柱が、複数のスパインを通って延在し、電極アレイが複数のスパイン上に配設されている、条項34に記載のエンドエフェクタ。
【0128】
条項36.略平面の第1の表面を画定するためにエンドエフェクタの第1の側で1つ又は2つ以上の支柱によって支持された第1の膜であって、電極のアレイが、第1の表面に取り付けられている、第1の膜と、第1の表面に平行な略平面の第2の表面を画定するためにエンドエフェクタの第2の側で1つ又は2つ以上の支柱によって支持された第2の膜と、を更に備える、条項34に記載のエンドエフェクタ。
【0129】
本発明に含まれる主題の例示的な実施形態について図示及び説明したが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、特許請求の範囲から逸脱することなく適切な修正によって達成することができる。更に、上記の方法及びステップが特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、特定のステップは、説明された順序で実行される必要はなく、ステップが、実施形態がそれらの意図された目的のために機能することを可能にする限り、任意の順序で実行されることが意図される。したがって、本開示の趣旨の範囲内であるか、又は特許請求の範囲に見出される本発明と同等である本発明の変形例が存在する限り、本特許はそれらの変形例も包含することが意図されている。一部のそのような修正は、当業者には明らかであるはずである。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものである。したがって特許請求の範囲は、明細書及び図面に記載される構造及び操作の特定の詳細に限定されるべきではない。
【0130】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
長手方向軸に沿って延在し、かつ前記長手方向軸に直交する第1の直交軸において振幅を有する起伏を含む波形支柱と、
前記波形支柱の少なくとも一部分の周りに配設され、かつ前記起伏の前記振幅よりも大きい幅を含む電気絶縁構造体であって、前記幅が、前記長手方向軸に直交し、かつ前記第1の直交軸に直交する第2の直交軸に沿って測定されたものである、電気絶縁構造体と、
前記電気絶縁構造体に結合された1つ又は2つ以上の電極と、を備える、カテーテル。
(2) 各々が前記長手方向軸に沿って延在し、各々が前記第1の直交軸において起伏を含む、複数の波形支柱と、
前記複数の波形支柱の周りに配設された1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体と、
前記1つ又は2つ以上の電気絶縁構造体上に配設された電極のアレイと、を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記電極のアレイが、前記第1の直交軸に直交する平面内に配置されている、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記起伏の前記振幅は、前記第1の直交軸に沿って間隙を画定し、前記1つ又は2つ以上の電極が、主に、前記間隙の外側に配設されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記起伏の波長は、前記波形支柱の長さに沿って変化する、実施態様1に記載のカテーテル。
【0131】
(6) 前記長手方向軸に沿って延在するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配設されたエンドエフェクタであって、前記波形支柱と、前記電気絶縁構造体と、前記1つ又は2つ以上の電極とを備える、エンドエフェクタと、を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記波形支柱と、前記電気絶縁構造体と、前記1つ又は2つ以上の電極とを備える直線状スパインを更に備え、前記1つ又は2つ以上の電極が、前記電気絶縁構造体を取り囲むリング電極を備え、前記リング電極が、前記起伏の前記振幅よりも大きい内径を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記直線状スパインの前記電気絶縁構造体が、内部を通る管腔を有する細長い部材を備え、前記波形支柱の少なくとも一部分が、前記管腔を通って延在し、前記波形支柱が中を通って延在する前記細長い部材の幅が、前記管腔内の前記波形支柱の前記一部分の前記起伏の前記振幅よりも大きい、実施態様7に記載のカテーテル。
(9) 前記電気絶縁構造体が、前記第1の直交軸に直交する一対の平面膜を備え、前記波形支柱が、前記一対の平面膜の間に位置付けられている、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記1つ又は2つ以上の電極が、前記波形支柱の両側の前記一対の平面膜上に互いに反対に位置付けられた一対の電極を備える、実施態様9に記載のカテーテル。
【0132】
(11) カテーテルのエンドエフェクタであって、
前記カテーテルの長手方向軸が前記エンドエフェクタの平面に平行であり、第1の直交軸が前記エンドエフェクタの前記平面に直交し、第2の直交軸が前記長手方向軸に直交し、かつ前記第1の直交軸に直交するような平面構成で配置された複数のループ部材と、
前記複数のループ部材のうちの第1のループ部材を通って延在する第1の波形支柱を備える第1の支持フレームと、を備える、エンドエフェクタ。
(12) 前記複数のループ部材のうちの第2のループ部材を通って延在する第2の波形支柱を備える第2の支持フレーム、を更に備える、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記第1の波形支柱が、前記第2の波形支柱に平行であり、前記長手方向軸に平行に延在する、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に平行な外側スパインを備え、前記第1の波形支柱及び前記第2の波形支柱が、前記外側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記複数のループ部材が、前記長手方向軸に平行な内側スパインを備え、前記第1の波形支柱及び前記第2の波形支柱が、前記内側スパイン内にそれぞれ位置付けられた、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
【0133】
(16) 前記複数のループ部材が、前記第1のループ部材と、第2のループ部材と、第3のループ部材と、を備え、
前記第1のループ部材及び前記第3のループ部材が各々、外側スパイン及び内側スパインをそれぞれ備え、
前記第2のループ部材が、前記第1のループ部材及び前記第2のループ部材の外側スパインと内側スパインとの間に各々中心スパインを備える、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(17) 前記第1の波形支柱が、前記第1のループ部材の遠位湾曲部分上に位置付けられている、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
(18) 前記第1のループ部材が、前記第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む第1の管状ハウジングを備え、前記第1の管状ハウジングが、前記第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい幅を含み、前記幅が、前記第2の直交軸に沿って測定されたものであり、前記振幅が、前記第1の直交軸に沿って測定されたものである、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
(19) 前記第1のループ部材が、前記第1の支持フレームを少なくとも部分的に囲む管状ハウジングを備え、前記エンドエフェクタが、
前記管状ハウジング上に配設され、かつ前記エンドエフェクタの前記平面内に直線的に配置された1つ又は2つ以上の電極を更に備え、前記1つ又は2つ以上の電極が、前記管状ハウジングを取り囲むリング電極を備え、前記リング電極が、前記第1の波形支柱の起伏の振幅よりも大きい内径を含み、前記振幅が、前記第1の直交軸に沿って測定されたものである、実施態様18に記載のエンドエフェクタ。
(20) 前記第1の波形支柱の起伏の波長が、前記第1の波形支柱の長さに沿って変化する、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】