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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070872
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】鉄鉱石の還元方法
(51)【国際特許分類】
   C21B 13/00 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
C21B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181484
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】堀田 謙弥
(72)【発明者】
【氏名】樋口 隆英
(72)【発明者】
【氏名】岩見 友司
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 一洋
【テーマコード(参考)】
4K012
【Fターム(参考)】
4K012DA05
(57)【要約】
【課題】COを発生させることなく鉄鉱石を還元できる鉄鉱石の還元方法を提供する。
【解決手段】鉄鉱石の還元方法であって、酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して鉄鉱石を還元する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して前記鉄鉱石を還元する、鉄鉱石の還元方法。
【請求項2】
前記鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱する、請求項1に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項3】
前記鉄鉱石の気孔量は0.02cc/g以上である、請求項1又は請求項2に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項4】
前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、請求項1又は請求項2に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項5】
前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、請求項3に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項6】
前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、請求項4に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項7】
前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、請求項5に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項8】
前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、請求項4に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項9】
前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、請求項5に記載の鉄鉱石の還元方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COを発生させることなく鉄鉱石を還元する鉄鉱石の還元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鉱石の還元により金属鉄を生成する方法で、商業規模で実施されているものは、従来高炉やシャフト炉等が挙げられるが、どの手法も根底は「Fe+CO→Fe+CO」の反応に由来しており、COが排出されるという課題がある。
【0003】
COを発生させることなく、鉄鉱石を還元する技術として、水素を用いた還元が検討されている。この方法ではFe+H→Fe+HOの反応で鉄が還元されるので副産物は水のみである。しかしながら、水素供給量の観点から国内の全てを水素を用いた還元に置き換えるには課題がある。このため、水素を用いた還元に代わるCOを排出しない鉄鉱石の還元方法の開発が求められている。
【0004】
水素を用いた還元以外の還元方法として、特許文献1には、固体電解質を用いて酸素分圧を下げ、標準生成自由エネルギーに基づいて還元が進行する温度でアルミナを加熱処理する方法が開示されている。特許文献1によると、上記温度でアルミナを加熱することで酸素を熱解離させて還元し、アルミニウムを生成できるとしている。特許文献2には、標準生成自由エネルギーに基づいてアルミナを炭素還元する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/061012号
【特許文献2】特開昭52-15409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2によれば、アルミナの還元と標準生成自由エネルギーと酸素分圧とは密接に関係しており、当該知見を鉄鉱石の還元に利用できる可能性がある。しかしながら、酸化鉄を低酸素分圧の雰囲気中で還元した例は報告されていない。さらに、製造現場で使用される鉄鉱石には、Al、SiO、水分や結晶水等の不純物が含まれており、このような不純物を含む鉄鉱石の熱解離による還元については全く知見がない。本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、その目的はCOを発生させることなく鉄鉱石を還元できる鉄鉱石の還元方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して前記鉄鉱石を還元する、鉄鉱石の還元方法。
[2]前記鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱する、[1]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[3]前記鉄鉱石の気孔量は0.02cc/g以上である、[1]又は[2]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[4]前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の鉄鉱石の還元方法。
[5]前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、[4]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[6]前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、[5]に記載の鉄鉱石の還元方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鉄鉱石の還元方法の実施により、COを発生させることなく鉄鉱石を還元できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、金属酸化物から金属を製造する反応のエリンガム図である。
図2図2は、図1に示したエリンガム図の2FeO=2Fe+Oから計算される酸素分圧と温度との関係を示すグラフである。
図3図3は、鉄鉱石の熱解離挙動を確認するのに用いた実験装置の模式図である。
図4図4は、加熱温度と還元率との関係を示すグラフである。
図5図5は、酸素分圧ごとに加熱時間と還元率との関係を示すグラフである。
図6図6は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における鉄鉱石の断面画像である。
図7図7は、鉄鉱石の気孔量と還元率との関係を示すグラフである。
図8図8は、鉄鉱石の水分及び結晶水と還元率との関係を示すグラフである。
図9図9は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における4質量%の結晶水を含有する鉄鉱石の断面画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。本実施形態に係る鉄鉱石の還元方法では、酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、600℃より高い温度で鉄鉱石を加熱し、酸化鉄の酸素の熱解離(2FeO→2Fe+O)を進行させて鉄鉱石を還元する。まず、鉄鉱石を加熱する温度について説明する。
【0011】
図1は、金属酸化物から金属を製造する反応のエリンガム図である。図2は、図1に示したエリンガム図の2FeO=2Fe+Oから計算される酸素分圧と温度との関係を示すグラフである。図2から、例えば、雰囲気の酸素分圧を10-30atmにすれば、500℃に加熱することで酸素の熱解離によりFeOをFeに還元できることがわかる。また、Fe、Feについても同様に、6Fe=4Fe+O、2Fe=6FeO+Oについて標準生成自由エネルギーから平衡酸素分圧及び平衡温度がわかり、図2に示す曲線が同様に引け、各還元段階における酸素分圧と温度の関係がわかる。
【0012】
しかしながら、エリンガム図は、あくまで不純物を含まない酸化鉄(例えばFeO)を用いた場合に適用できるのであって、不純物を含有する鉄鉱石にそのまま適用できないことが予測される。そこで、不純物を含有する鉄鉱石を用いた場合の酸素の熱解離挙動を確認した。
【0013】
図3は、鉄鉱石の熱解離挙動を確認するのに用いた実験装置10の模式図である。実験では、酸素イオンを透過する酸化ジルコニウムで作成された固体電解質パイプ12を用いて酸素を除去して、不活性ガスであるアルゴン中の酸素分圧を10-30atmに調整した。
【0014】
このようにして調整した極低酸素濃度のアルゴンガスを電気炉14に供給した。この極低酸素濃度の雰囲気中、電気炉14を用いて4gの鉄鉱石16を所定の温度で加熱するとともに、当該温度で24時間加熱して鉄鉱石から酸素を熱解離させて還元し、加熱温度と鉄鉱石の還元率を確認した。この確認では、SiO及びAlの含有量が8.0質量%であって一般的には低品位とされる鉄鉱石を用いた。また、鉄鉱石の還元率(質量%)は、還元前に鉄鉱石に含まれる酸素量A(g)と加熱前後の鉄鉱石の質量減少量B(g)とを用いて(B/A)×100で算出される値である。なお、還元率100質量%は、鉄鉱石中の全ての酸化鉄が金属鉄に還元されたことを意味する。
【0015】
図4は、加熱温度と還元率との関係を示すグラフである。図4において、横軸は加熱温度(℃)であり、縦軸は鉄鉱石の還元率(質量%)である。図1、2からエリンガム図によれば500℃で加熱すれば金属鉄に還元できるはずであるが、図4に示すように、600℃で24時間加熱しても鉄鉱石の還元率は6質量%程度にとどまった。これは、鉄鉱石に含まれる不純物が、鉄と酸素の熱解離に必要なエネルギーに影響を与えたためであると推定された。一方、鉄鉱石の還元速度(図4の直線の傾き)は、600℃より高い温度で加熱することで急激に上昇した。以上の結果から、熱解離による鉄鉱石の還元では、酸素分圧10-30atmの雰囲気中において鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱することが必要であり、鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱することが好ましいことがわかる。
【0016】
次に、酸素分圧の影響について説明する。加熱温度を900℃とし、酸素分圧及び加熱時間を変えて鉄鉱石から酸素を熱解離させて還元し、鉄鉱石の還元率を確認した。図5は、酸素分圧ごとに加熱時間と還元率との関係を示すグラフである。図5において、横軸は加熱時間(h)であり、縦軸は鉄鉱石の還元率(質量%)である。
【0017】
図5に示すように、アルゴンガス中の酸素分圧を10-20atm以下にすることで、鉄鉱石の還元速度が急激に上昇した。この結果から、熱解離による鉄鉱石の還元は、ガスの拡散よりもガスと鉄鉱石界面との反応が律速になっていることが考えられ、これから、雰囲気中の酸素分圧がある値以下になると、還元が急激に進行することが推定された。以上の結果から、熱解離による鉄鉱石の還元は、酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で実施することが好ましいことがわかる。なお、固体電解質パイプ12を用いる装置では、アルゴンガスの酸素分圧を10-30atm未満に制御できなかったので、酸素分圧10-30atm未満の確認はしていない。但し、図5に示すように、雰囲気中の酸素分圧を下げるほど鉄鉱石の還元率は高くなっていることから、雰囲気中の酸素分圧を10-30atm未満としてもよい。
【0018】
図6は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における鉄鉱石の断面画像である。図6(a)は、還元前の鉄鉱石の断面画像であり、図6(b)は、900℃で3時間加熱して還元率が25質量%になった鉄鉱石の断面画像である。図6(c)は、900℃で24時間加熱して還元率が66質量%になった鉄鉱石の断面画像であり、図6(d)は、900℃で66時間加熱して還元率が92質量%になった鉄鉱石の断面画像である。
【0019】
図6(a)~(d)に示すように、熱解離による鉄鉱石の還元は、鉄鉱石の周囲から進行していることが確認された。この結果から、熱解離による鉄鉱石の還元は、トポケミカルに進行していると考えられ、熱解離による還元には、気孔を多く含み、ガスとの接触面積が広い鉄鉱石を用いることが好ましいことが推定された。
【0020】
次に、鉄鉱石の気孔量の影響について説明する。酸素分圧が10-30atmであるアルゴンガス雰囲気中にて、加熱温度を900℃とし、加熱時間を24時間として、気孔量が異なる各鉄鉱石から酸素を熱解離させて還元し、各鉄鉱石の還元率を確認した。図7は、鉄鉱石の気孔量と還元率との関係を示すグラフである。図7において、横軸は鉄鉱石の気孔量(cc/g)であり、縦軸は鉄鉱石の還元率(質量%)である。なお、鉄鉱石の気孔量は、水銀圧入法で測定した。この確認ではSiO及びAlの含有量が3~4質量%の鉄鉱石を用いた。
【0021】
図7に示すように、気孔量が少ない鉄鉱石を用いた場合には、鉄鉱石の還元率が一定の値で停滞し、それ以上上昇しなかった。気孔量が少ない鉄鉱石では還元率が33質量%近傍で停滞していることから、FeOまで還元した時点で周囲が金属鉄に覆われてしまい、内部まで還元が進行しなかったと推定された。この条件では、鉄鉱石の熱解離による還元がガスの拡散律速であったと考えられる。
【0022】
一方、気孔量が0.02cc/g以上である鉄鉱石を用いたところ鉄鉱石の還元率は急激に上昇した。この結果から、鉄鉱石の気孔量がある一定以上になると、ガスの拡散が促進され、鉄鉱石の熱解離による還元が急激に進行することが確認された。以上の結果から、熱解離による鉄鉱石の還元には、気孔量が0.02g/cc以上の鉄鉱石を用いることが好ましいことがわかる。なお、図7に示すように、鉄鉱石の気孔量が増加するほど鉄鉱石の還元率が高くなっていることから、鉄鉱石の気孔量の上限は定めなくてもよい。ただし、多孔質になるほど鉄鉱石の密度が低下するので、結果として、最終的に確保できる金属鉄の量が減少する。このため、鉄鉱石の気孔量は0.1cc/g未満であることが好ましい。
【0023】
次に、鉄鉱石に含まれる結晶水の影響について説明する。一般に、SiO及びAlを含有する鉄鉱石には結晶水が含まれるので、当該結晶水が熱解離による鉄鉱石の還元に与える影響を確認した。酸素分圧が10-30atmであるアルゴンガス雰囲気中にて、加熱温度を900℃とし、加熱時間を24時間として、水分及び結晶水の含有量を変えた各鉄鉱石から酸素を熱解離させて還元し、各鉄鉱石の還元率を確認した。図8は、鉄鉱石の水分及び結晶水と還元率との関係を示すグラフである。図8において、横軸は水分、結晶水の含有量(質量%)であり、縦軸は還元率(質量%)である。この確認では、SiO及びAlの含有量が5~10質量%の鉄鉱石を用いた。また、鉄鉱石中の結晶水とは300℃程度で揮発する結合水であり、結晶水の含有量は、カールフィッシャー滴定法(JIS M 8211:1995)で測定した。
【0024】
図8に示すように、鉄鉱石の水分及び結晶水の含有量が増加するとともに鉄鉱石の還元率は上昇した。これは、揮発した水分がH-HO-O系となり系内を循環することで、水素還元が生じたことが原因であると推定された。また、結晶水の含有量が1質量%以上の鉄鉱石を用いるか、水分の含有量が2質量%以上の鉄鉱石を用いると、鉄鉱石の還元速度が急激に上昇した。これは、ガスの拡散律速であった熱解離による鉄鉱石の還元が分子の小さいHがある程度以上生じることで鉄鉱石の還元が促進されたことが原因であると推定された。
【0025】
このように、結晶水の含有量が2質量%以上の鉄鉱石を用いることで、鉄鉱石の還元率が著しく高くなったことから、本実施形態に係る鉄鉱石の還元方法では、結晶水の含有量が2質量%以上の鉄鉱石を用いることが好ましいことがわかる。同様に、水分の含有量が4質量%以上の鉄鉱石を用いることで、鉄鉱石の還元率が著しく高くなったことから、本実施形態に係る鉄鉱石の還元方法では、水分の含有量が4質量%以上の鉄鉱石を用いることが好ましいことがわかる。なお、図8に示すように、鉄鉱石の結晶水含有量及び水分含有量が増加するほど鉄鉱石の還元率が高くなっていることから、鉄鉱石の結晶水含有量及び水分含有量の上限は定めなくてもよい。ただし、水分含有量及び結晶水含有量が多いほど、最終的に確保できる金属鉄の量が少なくなる。このため、鉄鉱石の水分含有量は10質量%未満であることが好ましく、鉄鉱石の結晶水含有量は6質量%未満であることが好ましい。
【0026】
また、図8に示すように結晶水を含有する鉄鉱石を用いた方が、水分を含有する鉄鉱石を用いた場合よりも還元率が高くなった。この原因を確認するため、還元前及び900℃で所定時間加熱後の鉄鉱石の断面形状を確認した。図9は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における4質量%の結晶水を含有する鉄鉱石の断面画像である。図9(a)は、還元前の鉄鉱石の断面画像を示す。図9(b)は、酸素分圧が10-30atmであるアルゴンガス雰囲気中にて、900℃で3時間加熱した後の鉄鉱石の断面画像を示す。また、図9(c)は、同じ環境で12時間加熱した後の鉄鉱石の断面画像を示し、図9(d)は、同じ環境で24時間加熱した後の鉄鉱石の断面画像を示す。
【0027】
図9(a)、(b)に示すように、酸素分圧が10-30atmであるアルゴンガス雰囲気中にて、900℃で3時間加熱することで、鉄鉱石に亀裂が生じることが確認された。また、図9(c)、(d)に示すように、同じ環境で12時間以上加熱することで、亀裂や気孔の周囲で還元がさらに進行していることが確認された。これらの断面画像から、結晶水が揮発することで鉄鉱石に多数の亀裂を生じさせ、これによりガスとの接触面積が増加して還元が進行するので、結晶水を含有する鉄鉱石の方が水分を含有する鉄鉱石よりも還元率が高くなったものと考えられる。
【0028】
以上の結果をまとめると、本実施形態に係る鉄鉱石の還元方法では、酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、600℃より高い温度で鉄鉱石を加熱して鉄鉱石を還元するが、更に、下記1~4を実施することが好ましい。これにより、熱解離による鉄鉱石の還元率を高めることができる。
1.鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱する。
2.気孔量が0.02cc/g以上である鉄鉱石を用いる。
3.結晶水含有量が2質量%以上である鉄鉱石を用いる。
4.水分含有量が4質量%以上である鉄鉱石を用いる。
【符号の説明】
【0029】
10 実験装置
12 固体電解質パイプ
14 電気炉
16 鉄鉱石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9