(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007088
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】情報収集装置および情報収集方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240111BHJP
H02S 50/00 20140101ALI20240111BHJP
H04B 3/54 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H02J13/00 B
H02S50/00
H02J13/00 301A
H04B3/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108292
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】森下 裕樹
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5G064
5K046
【Fターム(参考)】
5F151KA02
5F251KA02
5G064AA09
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA02
5K046AA03
5K046BA01
5K046CC17
5K046PP02
5K046PS21
(57)【要約】
【課題】太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集する。
【解決手段】情報収集装置は、太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCS(Power Conditioning System)に電気的に接続されており、前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部と、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、
前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCS(Power Conditioning System)に電気的に接続されており、
前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部と、
前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部とを備える、情報収集装置。
【請求項2】
前記分岐ラインと前記通信部との間に、前記分岐ラインにおける電圧の直流成分を遮断するためのコンデンサが接続されており、
前記フィルタ部は、前記コンデンサと前記通信部との間に接続される、請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記情報収集装置は、さらに、
前記コンデンサと前記通信部との間に接続されるツェナーダイオードを備える、請求項2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記情報収集装置は、さらに、
前記フィルタ部のフィルタ特性を切り替える切替部を備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記フィルタ部は、複数のノッチフィルタを含み、
前記切替部は、前記複数のノッチフィルタのうちの、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続する前記ノッチフィルタを切り替える、請求項4に記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記情報収集装置は、さらに、
前記切替部による切り替え後の前記フィルタ部のフィルタ特性に関する情報を記憶する記憶部を備える、請求項4に記載の情報収集装置。
【請求項7】
前記情報収集装置は、さらに、
前記通信部による通信信号の受信品質を判定する判定部を備え、
前記切替部は、前記判定部による判定結果に応じて、前記フィルタ部のフィルタ特性を切り替える、請求項4に記載の情報収集装置。
【請求項8】
太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置、における情報収集方法であって、
前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCSに電気的に接続されており、
前記情報収集装置は、前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部を備え、
前記通信部における通信信号の受信品質を判定するステップと、
前記受信品質の判定結果に応じて、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部のフィルタ特性を切り替えるステップとを含む、情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集装置および情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電システムにおける発電部の出力を計測し、計測結果を収集する技術が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2012-205078号公報)には、以下のような太陽光発電用監視システムが開示されている。すなわち、太陽光発電用監視システムは、複数の太陽電池パネルからの出力を集約して電力変換装置に送り込む太陽光発電システムについて、前記太陽電池パネルの発電状況を監視する太陽光発電用監視システムであって、前記複数の太陽電池パネルからの出力電路が集約された場所に設けられ、各太陽電池パネルの発電量を計測する計測装置と、前記計測装置に接続され、前記計測装置による発電量の計測データを送信する機能を有する下位側通信装置と、前記下位側通信装置から送信される前記計測データを受信する機能を有する上位側通信装置と、前記上位側通信装置を介して前記太陽電池パネルごとの前記計測データを収集する機能を有する管理装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術を超えて、太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集することが可能な技術が望まれる。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集することが可能な情報収集装置および情報収集方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の情報収集装置は、太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCS(Power Conditioning System)に電気的に接続されており、前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部と、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部とを備える。
【0008】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える情報収集装置として実現され得るだけでなく、情報収集装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、情報収集装置を含むシステムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施の形態に係るPCSユニットの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る集電ユニットの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る太陽電池ユニットの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る情報収集システムの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置の構成を示す図である。
【
図7】
図7は、PCSが発するノイズの周波数特性の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置の構成を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の第2の実施の形態の変形例1に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の第2の実施の形態の変形例2に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置がフィルタ特性の切り替えを行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【
図15】
図15は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置が通信品質スコアの判定およびリレー処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の実施の形態に係る情報収集装置は、太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCSに電気的に接続されており、前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部と、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部とを備える。
【0013】
このように、分岐ラインと通信部との間にフィルタ部を接続する構成により、たとえば、計測情報の通信帯域において、PCSが発するノイズの周波数成分を減衰することができるので、通信部における計測情報の受信品質を向上することができる。したがって、太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集することができる。
【0014】
(2)上記(1)において、前記分岐ラインと前記通信部との間に、前記分岐ラインにおける電圧の直流成分を遮断するためのコンデンサが接続されていてもよく、前記フィルタ部は、前記コンデンサと前記通信部との間に接続されてもよい。
【0015】
このような構成により、発電部から出力される直流のレベルが大きい場合でも、通信部を構成する回路を保護することができる。
【0016】
(3)上記(2)において、前記情報収集装置は、さらに、前記コンデンサと前記通信部との間に接続されるツェナーダイオードを備えてもよい。
【0017】
このような構成により、PCSが発するサージ電流から、通信部を構成する回路を保護することができる。また、たとえばフィルタ部と通信部との間にツェナーダイオードを接続することにより、ツェナーダイオードがクランプすることによる計測情報の受信品質の低下を防止することができる。
【0018】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記情報収集装置は、さらに、前記フィルタ部のフィルタ特性を切り替える切替部を備えてもよい。
【0019】
このような構成により、たとえば、PCSが発するノイズの周波数成分に応じて、フィルタ部の阻止帯域およびカットオフ周波数等のフィルタ特性を切り替え、PCSが発するノイズをより確実に減衰することができる。
【0020】
(5)上記(4)において、前記フィルタ部は、複数のノッチフィルタを含んでもよく、前記切替部は、前記複数のノッチフィルタのうちの、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続する前記ノッチフィルタを切り替えてもよい。
【0021】
このような構成により、PCSが発するノイズの周波数成分に応じて、使用するノッチフィルタを切り替え、PCSが発するノイズをより確実に減衰することができる。
【0022】
(6)上記(4)または(5)において、前記情報収集装置は、さらに、前記切替部による切り替え後の前記フィルタ部のフィルタ特性に関する情報を記憶する記憶部を備えてもよい。
【0023】
このような構成により、収集装置が電源オフされた後に再起動した際に、電源オフ前の切り替え履歴に基づいて、フィルタ部のフィルタ特性を適切に設定することができる。
【0024】
(7)上記(4)から(6)のいずれかにおいて、前記情報収集装置は、さらに、前記通信部による通信信号の受信品質を判定する判定部を備えてもよく、前記切替部は、前記判定部による判定結果に応じて、前記フィルタ部のフィルタ特性を切り替えてもよい。
【0025】
このような構成により、通信部による通信信号の受信品質に応じて、フィルタ部のフィルタ特性の切り替えを自動で行うことができる。
【0026】
(8)本開示の実施の形態に係る情報収集方法は、太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置、における情報収集方法であって、前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCSに電気的に接続されており、前記情報収集装置は、前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部を備え、前記通信部における通信信号の受信品質を判定するステップと、前記受信品質の判定結果に応じて、前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部のフィルタ特性を切り替えるステップとを含む。
【0027】
このように、通信部における情報の受信品質を判定し、判定結果に応じて、分岐ラインと通信部との間に接続されるフィルタ部のフィルタ特性を切り替える方法により、通信部における通信の周波数帯域において、PCSが発するノイズの周波数成分を減衰することができる。したがって、太陽光発電システムにおける発電部の出力の計測結果をより安定して収集することができる。
【0028】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0029】
<第1の実施の形態>
[太陽光発電システムの構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。
【0030】
図1を参照して、太陽光発電システム401は、4つのPCSユニット80と、キュービクル6とを備える。キュービクル6は、銅バー73を含む。
【0031】
図1では、4つのPCSユニット80を代表的に示しているが、さらに多数または少数のPCSユニット80が設けられてもよい。
【0032】
図2は、本開示の第1の実施の形態に係るPCSユニットの構成を示す図である。
【0033】
図2を参照して、PCSユニット80は、4つの集電ユニット70と、PCS(電力変換装置)8とを備える。PCS8は、銅バー7と、電力変換部9とを含む。
【0034】
図2では、4つの集電ユニット70を代表的に示しているが、さらに多数または少数の集電ユニット70が設けられてもよい。
【0035】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る集電ユニットの構成を示す図である。
【0036】
図3を参照して、集電ユニット70は、4つの太陽電池ユニット74と、集電箱71とを含む。集電箱71は、銅バー72を有する。
【0037】
図3では、4つの太陽電池ユニット74を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池ユニット74が設けられてもよい。
【0038】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る太陽電池ユニットの構成を示す図である。
【0039】
図4を参照して、太陽電池ユニット74は、4つの発電部78と、接続箱76とを含む。発電部78は、太陽電池パネル79を有する。接続箱76は、銅バー77を有する。
【0040】
図4では、4つの発電部78を代表的に示しているが、さらに多数または少数の発電部78が設けられてもよく、たとえば20個の発電部78が設けられてもよい。
【0041】
発電部78は、この例では4つの太陽電池パネル79が直列接続されたストリングである。
【0042】
図4では、1つの発電部78に対して、4つの太陽電池パネル79を代表的に示しているが、さらに多数または少数の太陽電池パネルが設けられてもよい。
【0043】
太陽光発電システム401では、複数の発電部78からの出力ライン1および出力ライン2,5すなわち電力線が、
図2に示すPCS8に電気的に接続される。
【0044】
より詳細には、発電部78の出力ライン1は、発電部78に接続された第1端と、銅バー77に接続された第2端とを有する。各出力ライン1は、銅バー77を介して出力ライン5に集約される。銅バー77は、たとえば接続箱76の内部に設けられている。なお、本明細書において、「第1の」「第2の」の記載は、優先順位を意味するものではない。
【0045】
発電部78は、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を出力ライン1へ出力する。
【0046】
図3および
図4を参照して、出力ライン5は、対応の太陽電池ユニット74における銅バー77に接続された第1端と、銅バー72に接続された第2端とを有する。各出力ライン5は、銅バー72を介して出力ライン2に集約される。銅バー72は、たとえば集電箱71の内部に設けられている。
【0047】
図1~
図4を参照して、太陽光発電システム401では、上述のように複数の発電部78からの各出力ライン1が出力ライン5に集約され、各出力ライン5が出力ライン2に集約され、各出力ライン2がPCS8に電気的に接続される。
【0048】
より詳細には、各出力ライン2は、対応の集電ユニット70における銅バー72に接続された第1端と、銅バー7に接続された第2端とを有する。PCS8において、出力ライン3は、銅バー7に接続された第1端と、電力変換部9に接続された第2端とを有する。
【0049】
PCS8において、電力変換部9は、たとえば、各発電部78において発電された直流電力を出力ライン1、銅バー77、出力ライン5、銅バー72、出力ライン2、銅バー7および出力ライン3経由で受けると、受けた直流電力を交流電力に変換して集約ライン4へ出力する。
【0050】
集約ライン4は、電力変換部9に接続された第1端と、銅バー73に接続された第2端とを有する。
【0051】
キュービクル6において、各PCS8における電力変換部9から各集約ライン4へ出力された交流電力は、銅バー73を介して系統へ出力される。
【0052】
[情報収集システムの構成]
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る情報収集システムの構成を示す図である。
【0053】
図5を参照して、情報収集システム201は、管理装置161と、複数の監視装置111と、複数の収集装置151とを含む。収集装置151は、情報収集装置の一例である。
【0054】
図5では、1つの集電ユニット70に対応して設けられた4つの監視装置111を代表的に示しているが、1つの集電ユニット70に対応してさらに多数または少数の監視装置111が設けられてもよい。
【0055】
情報収集システム201では、子機である監視装置111におけるセンサの情報が、親機である収集装置151へ定期的または不定期に伝送される。
【0056】
監視装置111は、たとえば集電ユニット70に設けられている。より詳細には、監視装置111は、4つの太陽電池ユニット74にそれぞれ対応して4つ設けられている。各監視装置111は、たとえば、対応の出力ライン1および出力ライン5に電気的に接続されている。一例として、監視装置111は、太陽電池ユニット74における接続箱76の内部に設けられている。監視装置111は、対応の太陽電池ユニット74における発電部78を監視する。
【0057】
たとえば、監視装置111は、対応の太陽電池ユニット74における各出力ライン1の電流をセンサにより計測する。より詳細には、監視装置111は、所定の計測周期Cmに従う計測タイミングにおいて、出力ライン1を通して流れる電流を計測する電流センサを備える。
【0058】
また、たとえば、監視装置111は、対応の太陽電池ユニット74における各出力ライン1の電圧をセンサにより計測する。より詳細には、監視装置111は、計測周期Cmに従う計測タイミングにおいて、銅バー77の電圧を計測する電圧センサを備える。
【0059】
収集装置151は、各監視装置111から、発電部78の出力の計測結果を収集する。収集装置151は、たとえばPCS8の近傍に設けられている。より詳細には、収集装置151は、PCSユニット80に対応して設けられ、信号線41を介してPCS8における銅バー7に電気的に接続されている。信号線41は、分岐ラインの一例である。収集装置151は、対応のPCSユニット80における集電ユニット70に設けられた監視装置111からの計測結果を収集する。
【0060】
より詳細には、監視装置111および収集装置151は、出力ライン2,5を介して電力線通信(PLC:Power Line Communication)を行うことにより情報の送受信を行う。
【0061】
監視装置111は、所定の送信周期に従う送信タイミングにおいて、対応の出力ライン1の電流および電圧の計測結果、ならびに監視装置111のIDを含む計測情報を生成する。監視装置111は、生成した計測情報を含むPLC信号を出力ライン5へ送信する。監視装置111により送信されるPLC信号の周波数帯域は、たとえば120kHzから400kHzである。PLC信号は、通信信号の一例である。
【0062】
収集装置151は、出力ライン2,5経由で情報を送受信することが可能である。具体的には、収集装置151は、たとえば、信号線41および出力ライン2,5を介して監視装置111と電力線通信を行い、監視装置111から計測情報を含むPLC信号を受信する。
【0063】
収集装置151は、たとえばVPN(Virtual Private Network)を介して、管理装置161と情報の送受信を行う。収集装置151は、各監視装置111から受信した計測情報に収集装置151のIDを含めて、収集装置151のIDを含む計測情報を管理装置161へ送信する。
【0064】
管理装置161は、収集装置151から計測情報を受信し、受信した計測情報に基づいて、太陽光発電システム401における異常の検知、太陽光発電システム401における発電量の集計、および太陽光発電システム401における発電量の予測等の各種処理を行う。
【0065】
管理装置161の機能の一部または全部は、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、管理装置161は、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。なお、管理装置161は、クラウドサーバ等によって構成される代わりに、たとえば収集装置151に内蔵されてもよい。
【0066】
出力ライン2,3,5、信号線41、および銅バー7,72の各々は、プラス側およびマイナス側の2系統により構成される。
【0067】
より詳細には、出力ライン5は、プラス側出力ライン5pおよびマイナス側出力ライン5nを含む。銅バー72は、プラス側出力ライン5pに接続されるプラス側銅バー72pおよびマイナス側出力ライン5nに接続されるマイナス側銅バー72nを含む。出力ライン2は、プラス側銅バー72pに接続されるプラス側出力ライン2pおよびマイナス側銅バー72nに接続されるマイナス側出力ライン2nを含む。銅バー7は、プラス側出力ライン2pに接続されるプラス側銅バー7pおよびマイナス側出力ライン2nに接続されるマイナス側銅バー7nを含む。出力ライン3は、プラス側銅バー7pに接続されるプラス側出力ライン3pおよびマイナス側銅バー7nに接続されるマイナス側出力ライン3nを含む。信号線41は、プラス側銅バー7pに接続されるプラス側信号線41pおよびマイナス側銅バー7nに接続されるマイナス側信号線41nを含む。
【0068】
[収集装置の構成]
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置の構成を示す図である。
【0069】
図6を参照して、出力ライン2は、PCS8内で出力ライン3と信号線41とに分岐されている。信号線41は、電力変換部9における直流電力の入力側において、出力ライン2がPCS8内で分岐された信号線である。
【0070】
収集装置151は、コンデンサ42p,42nと、双方向ツェナーダイオード43と、トランス44と、アンプ45と、BPF(Band Pass Filter)46と、通信部31と、記憶部32と、フィルタ部51とを備える。通信部31は、送信部31Aと、受信部31Bとを含む。トランス44は、コイル44A,44Bを含む。トランス44は、収集装置151のユーザによる円滑な作業のために、太陽光発電システム401と通信部31とを絶縁するための素子である。通信部31の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部32は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。以下、コンデンサ42p,42nの各々をコンデンサ42とも称する。
【0071】
通信部31における送信部31Aは、アンプ45を介してトランス44におけるコイル44Bの第1端および第2端に接続されている。アンプ45は、送信部31Aから受けた信号を増幅してトランス44へ出力する。
【0072】
通信部31における受信部31Bは、BPF46を介してトランス44におけるコイル44Bの第1端および第2端に接続されている。BPF46は、トランス44から受けた信号からPLC信号を抽出し、抽出したPLC信号を受信部31Bへ出力する。より詳細には、BPF46は、トランス44から受けた信号の周波数成分うちの、PLC信号の周波数帯域外の周波数成分を減衰して受信部31Bへ出力する。
【0073】
コンデンサ42は、信号線41と通信部31との間に接続される。より詳細には、コンデンサ42pの第1端は、プラス側信号線41pに接続されている。コンデンサ42pの第2端は、フィルタ部51を介してトランス44におけるコイル44Aの第1端に接続されている。
【0074】
また、コンデンサ42nの第1端は、マイナス側信号線41nに接続されている。コンデンサ42nの第2端は、フィルタ部51を介してトランス44におけるコイル44Aの第2端に接続されている。
【0075】
コンデンサ42は、信号線41における電圧の直流成分を遮断する。より詳細には、コンデンサ42pは、プラス側信号線41p経由で受けた信号の直流成分を遮断し、直流成分以外の成分をフィルタ部51へ出力する。また、コンデンサ42nは、マイナス側信号線41n経由で受けた信号の直流成分を遮断し、直流成分以外の成分をフィルタ部51へ出力する。
【0076】
双方向ツェナーダイオード43は、コンデンサ42と通信部31との間に接続される。たとえば、双方向ツェナーダイオード43は、フィルタ部51と通信部31との間に接続される。より詳細には、双方向ツェナーダイオード43は、フィルタ部51とコイル44Aとの間におけるノードN1に接続された第1端と、フィルタ部51とコイル44Aとの間におけるノードN2に接続された第2端とを有する。双方向ツェナーダイオード43のクランプ電圧Vcは、たとえば24Vである。なお、双方向ツェナーダイオード43は、コンデンサ42とフィルタ部51との間に接続されてもよい。
【0077】
通信部31は、信号線41を介して、発電部78の出力の計測結果を示す計測情報を受信する。より詳細には、通信部31における受信部31Bは、信号線41、コンデンサ42、フィルタ部51、トランス44およびBPF46を介して、監視装置111により送信されたPLC信号を受信する。受信部31Bは、受信したPLC信号から計測情報を取得し、取得した計測情報を管理装置161へ送信する。
【0078】
管理装置161は、定期的または不定期に、監視装置111宛の設定情報を収集装置151へ送信する。当該設定情報は、たとえば、出力ライン1を通して流れる電流ならびに銅バー77の電圧の計測周期Cm、監視装置111のID、管理装置161のIDおよび時刻情報を含む。送信部31Aは、管理装置161から設定情報を受信し、受信した設定情報を電力線通信により監視装置111へ中継する。より詳細には、送信部31Aは、受信した設定情報を含む監視装置111宛のPLC信号を生成し、生成したPLC信号をアンプ45へ出力する。
【0079】
フィルタ部51は、信号線41と通信部31との間に接続される。たとえば、フィルタ部51は、コンデンサ42と通信部31との間に接続される。フィルタ部51は、コンデンサ42から受けた信号の周波数成分のうちの、所定の周波数成分を減衰してトランス44へ出力する。フィルタ部51は、後付けにより収集装置151に追加されてもよい。
【0080】
図7は、PCSが発するノイズの周波数特性の一例を示す図である。
図7において、横軸は周波数[Hz]を示しており、縦軸は電圧[V]を示しいてる。
図7における実線は、A社製のPCS8が発するノイズの周波数特性FAを示している。
図7における破線は、B社製のPCS8が発するノイズの周波数特性FBを示している。
図7における一点鎖線は、C社製のPCS8が発するノイズの周波数特性FCを示している。
図7における二点鎖線は、D社製のPCS8が発するノイズの周波数特性FDを示している。
【0081】
図7を参照して、PCS8は、メーカごとに異なる周波数特性のノイズを発する。たとえば、C社製のPCS8が発するノイズは、PLC信号の周波数帯域である120kHzから400kHzの帯域においてピークを有する。
【0082】
また、産業用のメガソーラ向けの大容量のPCS8は、40Vpp(Voltage peak to peak)の大きなノイズを発する場合がある。
【0083】
たとえば、フィルタ部51は、コンデンサ42から受けた信号の周波数成分のうちの、PCS8が発するノイズの周波数成分を減衰してトランス44へ出力する。
【0084】
図8は、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
図8を参照して、フィルタ部51は、ノッチフィルタNFを含む。
【0085】
より詳細には、フィルタ部51は、インダクタ61と、コンデンサ62とを含む。インダクタ61は、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN3に接続された第1端と、コンデンサ62の第1端に接続された第2端とを有する。コンデンサ62は、インダクタ61の第2端に接続された第1端と、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN4に接続された第2端とを有する。インダクタ61およびコンデンサ62は、ノッチフィルタNFとして機能する。
【0086】
インダクタ61のインダクタンスおよびコンデンサ62のキャパシタンスは、ノッチフィルタNFの阻止帯域が、PCS8が発するノイズの周波数帯域に含まれるように予め設定されている。
【0087】
なお、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置151は、コンデンサ42を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。収集装置151は、コンデンサ42を備えない構成であってもよい。この場合、たとえば、フィルタ部51は、収集装置151の外部に設けられたコンデンサ42を介して信号を受信する。フィルタ部51は、コンデンサ42を介して受信した信号の周波数成分のうちの、所定の周波数成分を減衰してトランス44へ出力する。
【0088】
また、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置151は、双方向ツェナーダイオード43を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。収集装置151は、双方向ツェナーダイオード43を備えない構成であってもよい。
【0089】
また、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置151では、通信部31における受信部31Bは、出力ライン2がPCS8内で分岐された信号線41を介して、発電部78の出力の計測結果を示す計測情報を受信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。受信部31Bは、信号線41の代わりに、出力ライン2がPCS8外で分岐された信号線を介して計測情報を受信する構成であってもよい。
【0090】
また、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置151では、フィルタ部51は、ノッチフィルタを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。フィルタ部51は、ノッチフィルタに加えて、またはノッチフィルタの代わりに、たとえばLPF(Low Pass Filter)およびHPF(High Pass Filter)の少なくともいずれか一方を備える構成であってもよい。
【0091】
図9は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
図9を参照して、フィルタ部51Aは、フィルタ部51と比べて、HPFおよびLPFをさらに含む。収集装置151は、フィルタ部51の代わりに、フィルタ部51Aを備える構成であってもよい。
【0092】
より詳細には、フィルタ部51Aは、フィルタ部51と比べて、インダクタ63およびコンデンサ64をさらに含む。インダクタ63は、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN5に接続された第1端と、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN6に接続された第2端とを有する。コンデンサ64は、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN7に接続された第1端と、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN8に接続された第2端とを有する。インダクタ63は、HPFとして機能する。コンデンサ64は、LPFとして機能する。なお、ノードN3,N5,N7の互いの位置関係は任意であり、ノードN4,N6,N8の互いの位置関係は任意である。
【0093】
インダクタ63のインダクタンスは、HPFのカットオフ周波数が、PLC信号の周波数帯域に応じてたとえば100kHzとなるように予め設定されている。コンデンサ64のキャパシタンスは、LPFのカットオフ周波数が、PLC信号の周波数帯域に応じてたとえば420kHzとなるように予め設定されている。
【0094】
なお、フィルタ部51Aは、HPFとして機能するインダクタ63の代わりに、HPFとして機能する、抵抗器およびコンデンサを含むRC回路を含む構成であってもよい。また、フィルタ部51Aは、LPFとして機能するコンデンサ64の代わりに、LPFとして機能する、抵抗器およびコンデンサを含むRC回路を含む構成であってもよい。
【0095】
ところで、太陽光発電システム401における発電部78の出力の計測結果をより安定して収集することが可能な技術が望まれる。
【0096】
より詳細には、上述したように、PCS8は、メーカごとに異なる周波数特性のノイズを発する。PCS8では、電力変換部9における交流電力の出力側すなわち系統側と比べて、電力変換部9における直流電力の入力側は、ノイズに対する対策が施されていない場合が多い。
【0097】
収集装置151において、PCS8が発するノイズを信号線41経由で受信した場合、通信部31を構成する回路が破損してしまう場合がある。また、通信部31を構成する回路を保護するために双方向ツェナーダイオード43を設けた場合、PCS8が発するノイズにより、双方向ツェナーダイオード43がクランプし、通信部31におけるPLC信号の受信不良が発生する場合がある。
【0098】
これに対して、本開示の第1の実施の形態に係る収集装置151では、通信部31は、出力ライン2が分岐された信号線41を介して、発電部78の出力の計測結果を示す計測情報を受信する。フィルタ部51は、信号線41と通信部31との間に接続される。
【0099】
このように、信号線41と通信部31との間にフィルタ部51を接続する構成により、たとえば、計測情報の通信帯域において、PCS8が発するノイズの周波数成分を減衰することができるので、通信部31における計測情報の受信品質を向上することができる。したがって、太陽光発電システム401における発電部78の出力の計測結果をより安定して収集することができる。
【0100】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0101】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る収集装置151と比べて、フィルタ部のフィルタ特性を切り替え可能な収集装置152に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る収集装置151と同様である。
【0102】
図10は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置の構成を示す図である。
【0103】
図10を参照して、収集装置152は、第1の実施の形態に係る収集装置151と比べて、フィルタ部51の代わりにフィルタ部52を備え、通信部31の代わりに通信部35を備え、判定部33および切替部34をさらに備える。通信部35は、通信部31と比べて、送信部31Aの代わりに送信部31Cを含む。送信部31Cは、送信部31Aと同様に、管理装置161から設定情報を受信し、受信した設定情報を電力線通信により監視装置111へ中継する。通信部35、判定部33および切替部34の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路により実現される。
【0104】
判定部33は、通信部35における受信部31BによるPLC信号の受信品質を判定する。より詳細には、判定部33は、受信部31BにおけるPLC信号のレベル等を監視し、受信部31BによるPLC信号の受信品質を判定する。判定部33は、判定結果を切替部34へ出力する。
【0105】
切替部34は、フィルタ部52のフィルタ特性を切り替える。より詳細には、切替部34は、判定部33から判定結果を受けて、受けた判定結果に応じて、フィルタ部52のフィルタ特性を切り替える。具体的には、切替部34は、受けた判定結果に応じて、フィルタ部52のフィルタ特性を切り替えるための制御信号をフィルタ部52へ出力する。
【0106】
図11は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
【0107】
図11を参照して、フィルタ部52は、リレー部55A,55Bと、20個のノッチフィルタNFとを含む。より詳細には、フィルタ部52は、20個のノッチフィルタNFとして、20個のインダクタ61と、20個のコンデンサ62とを含む。
図11では、インダクタ61であるインダクタ61A,61B,61Cと、コンデンサ62であるコンデンサ62A,62B,62Cとを代表的に示している。インダクタ61およびコンデンサ62の組は、ノッチフィルタNFとして機能する。なお、フィルタ部52は、より少数または多数のノッチフィルタNFを含む構成であってもよい。
【0108】
インダクタ61Aは、ノードN12に接続された第1端と、コンデンサ62Aの第1端に接続された第2端とを有する。コンデンサ62Aは、インダクタ61Aの第2端に接続された第1端と、ノードN22に接続された第2端とを有する。インダクタ61Aおよびコンデンサ62Aは、ノッチフィルタNFAとして機能する。
【0109】
インダクタ61Bは、ノードN13に接続された第1端と、コンデンサ62Bの第1端に接続された第2端とを有する。コンデンサ62Bは、インダクタ61Bの第2端に接続された第1端と、ノードN23に接続された第2端とを有する。インダクタ61Bおよびコンデンサ62Bは、ノッチフィルタNFBとして機能する。
【0110】
インダクタ61Cは、ノードN14に接続された第1端と、コンデンサ62Cの第1端に接続された第2端とを有する。コンデンサ62Cは、インダクタ61Cの第2端に接続された第1端と、ノードN24に接続された第2端とを有する。インダクタ61Cおよびコンデンサ62Cは、ノッチフィルタNFCとして機能する。
【0111】
インダクタ61のインダクタンスおよびコンデンサ62のキャパシタンスは、各ノッチフィルタNFのバンド幅が20kHzであり、かつ各ノッチフィルタNFの阻止帯域の下端が60kHzから460kHzまで20kHzごとにシフトするように予め設定されている。
【0112】
具体的には、インダクタ61Aのインダクタンスおよびコンデンサ62Aのキャパシタンスは、ノッチフィルタNFAの阻止帯域が60kHzから80kHzとなるように設定されている。また、インダクタ61Bのインダクタンスおよびコンデンサ62Bのキャパシタンスは、ノッチフィルタNFBの阻止帯域が80kHzから100kHzとなるように設定されている。また、インダクタ61Cのインダクタンスおよびコンデンサ62Cのキャパシタンスは、ノッチフィルタNFCの阻止帯域が440kHzから460kHzとなるように設定されている。
【0113】
たとえば、切替部34は、制御信号をフィルタ部52へ出力することにより、複数のノッチフィルタNFのうちの、信号線41と通信部35との間に接続するノッチフィルタNFを切り替える。
【0114】
リレー部55Aは、切替部34から制御信号を受けて、受けた制御信号に従って、ノードN11からノードN14のうちの、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN10と接続するノードを切り替える。ノードN11は、開放されたノードである。
【0115】
また、リレー部55Bは、切替部34から制御信号を受けて、受けた制御信号に従って、ノードN21からノードN24のうちの、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN20と接続するノードを切り替える。ノードN21は、開放されたノードである。
【0116】
一例として、リレー部55Aは、収集装置152の設置後の初期状態において、ノードN10とノードN11とを接続する。また、リレー部55Bは、収集装置152の設置後の初期状態において、ノードN20とノードN21とを接続する。
【0117】
(フィルタ設定処理)
再び
図10を参照して、たとえば、判定部33は、通信部35における受信部31Bを監視し、所定の判定タイミングにおいて、受信部31BによるPLC信号の受信エラーの発生率を判定する。判定タイミングは、収集装置152の運用が開始されたタイミングであってもよいし、所定周期に従うタイミングであってもよい。
【0118】
たとえば、判定部33は、受信部31BによるPLC信号の受信エラーの発生率がゼロ%である場合、新たな判定タイミングを待ち受ける。一方、判定部33は、受信部31BによるPLC信号の受信エラーの発生率がゼロ%ではない場合、フィルタ設定処理を行う。なお、判定部33は、受信部31BによるPLC信号の受信エラーの発生率と所定の閾値とを比較し、受信エラーの発生率が当該閾値以下である場合、新たな判定タイミングを待ち受け、受信エラーの発生率が当該閾値よりも大きい場合、フィルタ設定処理を行う構成であってもよい。
【0119】
より詳細には、判定部33は、フィルタ設定処理を開始すべき旨を示す開始指示を通信部35における送信部31Cおよび切替部34へ出力する。
【0120】
送信部31Cは、判定部33から開始指示を受けて、テストパケット送信要求を電力線通信により監視装置111へ送信する。より詳細には、送信部31Cは、テストパケット送信要求を含む監視装置111宛のPLC信号を生成し、生成したPLC信号をアンプ45へ出力する。
【0121】
監視装置111は、収集装置152からテストパケット送信要求を受信した場合、テストパケット送信要求に従って、所定長の期間が満了するまで、テストパケットを含むPLC信号の送信を継続する。
【0122】
判定部33は、フィルタ設定処理において、受信部31BにおけるPLC信号のレベル等を監視し、受信部31Bによる、テストパケットを含むPLC信号の受信品質を示す通信品質スコアを繰り返し判定する。判定部33は、通信品質スコアを示す判定結果を切替部34へ出力する。
【0123】
切替部34は、判定部33から開始指示を受けて、受けた開始指示に従って、フィルタ部52へ制御信号C1を繰り返し出力することにより、ノードN10,N20に接続されるフィルタを順次切り替えるリレー処理を行う。たとえば、切替部34は、リレー処理において、判定部33から判定結果を受けるたびに、フィルタ部52へ制御信号C1を出力する。
【0124】
再び
図11を参照して、リレー部55Aは、切替部34から制御信号C1を受けて、受けた制御信号C1に従って、ノードN10と接続するノードを、ノードN11からノードN12に切り替える。リレー部55Aは、切替部34から制御信号C1を受けるたびに、ノードN10と接続するノードを、順次切り替える。
【0125】
また、リレー部55Bは、切替部34から制御信号C1を受けて、受けた制御信号C1に従って、ノードN20と接続するノードを、ノードN21からノードN22に切り替える。リレー部55Bは、切替部34から制御信号C1を受けるたびに、ノードN20と接続するノードを、順次切り替える。
【0126】
切替部34は、判定部33から判定結果を受けて、受けた判定結果が示す通信品質スコアと、判定結果を受けたときにノードN10,N20に接続されているフィルタを示す接続フィルタ情報とを対応付けて記憶部32に保存する。
【0127】
切替部34は、リレー処理を完了すると、記憶部32に保存した複数の通信品質スコアのうちの、最も高い通信品質スコアに対応する接続フィルタ情報を取得する。切替部34は、取得した接続フィルタ情報が示すフィルタをノードN10,N20に接続するための制御信号C2をフィルタ部52へ出力する。
【0128】
リレー部55Aは、切替部34から制御信号C2を受けて、受けた制御信号C2に従って、ノードN10と接続するノードを切り替える。また、リレー部55Bは、切替部34から制御信号C2を受けて、受けた制御信号C2に従って、ノードN20と接続するノードを切り替える。
【0129】
記憶部32は、切替部34による切り替え後のフィルタ部52のフィルタ特性に関する情報を記憶する。
【0130】
より詳細には、切替部34は、記憶部32に保存した複数の通信品質スコアのうちの、最も高い通信品質スコアに対応する接続フィルタ情報を、フィルタ設定処理後の接続フィルタ情報として記憶部32に保存する。
【0131】
切替部34は、収集装置152が電源オフされた後に再起動した際に、フィルタ設定処理後の接続フィルタ情報を記憶部32から取得し、取得した接続フィルタ情報が示すフィルタをノードN10,N20に接続するための制御信号C2をフィルタ部52へ出力する。
【0132】
図12は、本開示の第2の実施の形態の変形例1に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
図12を参照して、フィルタ部52Aは、フィルタ部52と比べて、HPFおよびLPFをさらに含む。収集装置152は、フィルタ部52の代わりに、フィルタ部52Aを備える構成であってもよい。
【0133】
より詳細には、フィルタ部52Aは、フィルタ部52と比べて、インダクタ63およびコンデンサ64をさらに含む。インダクタ63は、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN5に接続された第1端と、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN6に接続された第2端とを有する。コンデンサ64は、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN7に接続された第1端と、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN8に接続された第2端とを有する。インダクタ63は、HPFとして機能する。コンデンサ64は、LPFとして機能する。なお、ノードN10,N5,N7の互いの位置関係は任意であり、ノードN20,N6,N8の互いの位置関係は任意である。
【0134】
インダクタ63のインダクタンスは、HPFのカットオフ周波数が、PLC信号の周波数帯域に応じてたとえば100kHzとなるように予め設定されている。コンデンサ64のキャパシタンスは、LPFのカットオフ周波数が、PLC信号の周波数帯域に応じてたとえば420kHzとなるように予め設定されている。
【0135】
図13は、本開示の第2の実施の形態の変形例2に係る収集装置におけるフィルタの詳細な構成を示す図である。
図13を参照して、フィルタ部52Bでは、フィルタ部52Aと比べて、HPFおよびLPFが切り替え対象のフィルタである。収集装置152は、フィルタ部52の代わりに、フィルタ部52Bを備える構成であってもよい。
【0136】
インダクタ63は、ノードN15に接続された第1端と、ノードN25に接続された第2端とを有する。コンデンサ64は、ノードN16に接続された第1端と、ノードN26に接続された第2端とを有する。
【0137】
たとえば、切替部34は、制御信号をフィルタ部52へ出力することにより、複数のノッチフィルタNF、HPFおよびLPFのうちの、信号線41と通信部35との間に接続するフィルタを切り替える。
【0138】
リレー部55Aは、切替部34から制御信号を受けて、受けた制御信号に従って、ノードN11からノードN16のうちの、コンデンサ42pの第2端およびノードN1の間のノードN10と接続するノードを切り替える。
【0139】
また、リレー部55Bは、切替部34から制御信号を受けて、受けた制御信号に従って、ノードN21からノードN26のうちの、コンデンサ42nの第2端およびノードN2の間のノードN20と接続するノードを切り替える。
【0140】
[動作の流れ]
図14は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置がフィルタ特性の切り替えを行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0141】
図14を参照して、まず、収集装置152は、PLC信号の受信エラーの発生率の判定タイミングを待ち受け(ステップS11でNO)、判定タイミングが到来すると(ステップS11でYES)、PLC信号の受信エラーの発生率を判定する(ステップS12)。
【0142】
次に、収集装置152は、PLC信号の受信エラーの発生率がゼロ%である場合(ステップS13でNO)、新たな判定タイミングを待ち受ける(ステップS11でNO)。
【0143】
一方、収集装置152は、PLC信号の受信エラーの発生率がゼロ%ではない場合(ステップS13でYES)、テストパケット送信要求を電力線通信により監視装置111へ送信する(ステップS14)。
【0144】
次に、収集装置152は、通信品質スコアの判定およびリレー処理を行う(ステップS15)。
【0145】
次に、収集装置152は、通信品質スコアの判定結果に応じて、フィルタ部52のフィルタ特性を切り替える。より詳細には、収集装置152は、判定した複数の通信品質スコアのうちの最も高い通信品質スコアに対応する接続フィルタ情報、が示すフィルタをノードN10,N20に接続する(ステップS16)。
【0146】
次に、収集装置152は、当該接続フィルタ情報を、フィルタ設定処理後の接続フィルタ情報として記憶部32に保存する(ステップS17)。
【0147】
次に、収集装置152は、新たな判定タイミングを待ち受ける(ステップS11でNO)。
【0148】
図15は、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置が通信品質スコアの判定およびリレー処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図15は、
図14におけるステップS15の詳細を示している。
【0149】
図15を参照して、まず、収集装置152は、監視装置111により送信される、テストパケットを含むPLC信号の受信品質を示す通信品質スコアを判定する(ステップS21)。
【0150】
次に、収集装置152は、判定した通信品質スコアと、ノードN10,N20に接続されているフィルタを示す接続フィルタ情報とを対応付けて記憶部32に保存する(ステップS22)。
【0151】
次に、収集装置152は、通信品質スコアの判定が完了していないフィルタが存在する場合(ステップS23でNO)、ノードN10,N20に接続されるフィルタを切り替える(ステップS24)。
【0152】
次に、収集装置152は、通信品質スコアの判定(ステップS21)、ならびに通信品質スコアおよび接続フィルタ情報の保存(ステップS22)を行う。
【0153】
一方、収集装置152は、すべてのフィルタに対応する通信品質スコアの判定が完了した場合(ステップS23でYES)、通信品質スコアの判定およびリレー処理を終了する。
【0154】
なお、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置152では、切替部34は、複数のノッチフィルタNFのうちの、信号線41と通信部35との間に接続するノッチフィルタNFを切り替える構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替部34は、複数のノッチフィルタNFのうちの、信号線41と通信部35との間に接続するノッチフィルタNFを切り替える代わりに、1つのノッチフィルタNFをチューニングすることにより、当該ノッチフィルタNFのフィルタ特性すなわち阻止帯域を切り替える構成であってもよい。
【0155】
また、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置152では、切替部34は、フィルタ設定処理後の接続フィルタ情報を記憶部32に保存する構成であるとしたが、これに限定するものではない。切替部34は、フィルタ設定処理後の接続フィルタ情報の記憶部32への保存を行わない構成であってもよい。この場合、たとえば、判定部33は、収集装置152の電源がオフされた後、収集装置152が再起動した場合、再びフィルタ設定処理を行う。
【0156】
また、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置152は、判定部33を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。収集装置152は、判定部33を備えない構成であってもよい。この場合、たとえば、収集装置152のユーザは、受信部31BによるPLC信号の受信品質を判定し、判定結果に応じて、ノードN10,N20に接続されるフィルタを手動で切り替える。ユーザは、切り替え後のフィルタを示す情報を記憶部32に登録する。
【0157】
また、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置152では、フィルタ部52は、バンド幅が20kHzであり、かつ阻止帯域の下端が60kHzから460kHzまで20kHzごとにシフトするように予め設定された20個のノッチフィルタNFを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。フィルタ部52は、当該20個のノッチフィルタNFの代わりに、PCS8が発する可能性のあるノイズの周波数帯域をカバーする阻止帯域を有する2以上のノッチフィルタNFを含む構成であってもよい。
【0158】
また、本開示の第2の実施の形態に係る収集装置152では、通信部35における送信部31Cは、判定部33から開始指示を受けて、テストパケット送信要求を電力線通信により監視装置111へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、送信部31Cは、テストパケット送信要求を電力線通信以外の他の通信手段により監視装置111へ送信する構成であってもよい。また、たとえば、判定部33は、開始指示を送信部31Cへ出力する代わりに、フィルタ設定処理を開始する旨を表示または音声により収集装置152のユーザに通知する。ユーザは、フィルタ設定処理を開始する旨の通知を受けて、手動で監視装置111に指示を与えることにより、監視装置111にテストパケットを含むPLC信号の送信を開始させる。このように、テストパケット送信要求を電力線通信以外の他の通信手段により監視装置111へ送信する構成、およびフィルタ設定処理を開始する旨をユーザに通知する構成により、PCS8が発するノイズにより電力線通信を行うことが困難な状態においても、フィルタ設定処理を行うことができる。
【0159】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0160】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0161】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、
前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCS(Power Conditioning System)に接続されており、
前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信する通信部と、
前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部とを備え、
前記分岐ラインは、前記PCSの電力変換部における直流電力の入力側において、前記出力ラインが分岐されたラインである、情報収集装置。
【0162】
[付記2]
太陽電池パネルを含む複数の発電部を備える太陽光発電システムにおける情報収集装置であって、
前記太陽光発電システムにおいて、前記発電部からの出力ラインがPCS(Power Conditioning System)に接続されており、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
前記出力ラインが分岐された分岐ラインを介して、前記発電部の出力の計測結果を示す計測情報を受信し、
前記情報収集装置は、さらに、
前記分岐ラインと前記通信部との間に接続されるフィルタ部を備える、情報収集装置。
【符号の説明】
【0163】
1,2,3,5 出力ライン
2p,3p プラス側出力ライン
2n,3n マイナス側出力ライン
4 集約ライン
5p プラス側集約ライン
5n マイナス側集約ライン
6 キュービクル
7 銅バー
7p プラス側銅バー
7n マイナス側銅バー
8 PCS
9 電力変換部
31,35 通信部
31A,31C 送信部
31B 受信部
32 記憶部
33 判定部
34 切替部
41 信号線
41p プラス側信号線
41n マイナス側信号線
42,42p,42n コンデンサ
43 双方向ツェナーダイオード
44 トランス
44A,44B コイル
45 アンプ
46 BPF
51,51A,52,52A,52B フィルタ部
55A,55B リレー部
61,61A,61B,61C,63 インダクタ
62,62A,62B,62C,64 コンデンサ
70 集電ユニット
71 集電箱
72,73,77 銅バー
74 太陽電池ユニット
76 接続箱
78 発電部
79 太陽電池パネル
80 PCSユニット
111 監視装置
151 収集装置
161 管理装置
201 情報収集システム
401 太陽光発電システム
N1~N8,N10~N16,N20~N26 ノード
Vc クランプ電圧
FA,FB,FC,FD 周波数特性