(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070929
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】オンライン契約システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/00 20230101AFI20240517BHJP
【FI】
G06Q30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181559
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】514080763
【氏名又は名称】フリーサイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 政人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB67
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】 受信側で契約書データの完成作業に誤りがあっても、容易に契約締結のやり直しを行うことができるオンライン契約システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 契約サーバ1が、契約書データを受信側端末3に送信する際に契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、完成契約書データについて送信側から修正を依頼する差し戻し指示が送信側端末2で入力されると、送信側端末2からの修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側端末3に送信し、契約締結のやり直しとなる再依頼を行うオンライン契約システム及びプログラムである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してオンライン契約を行う契約サーバを有するオンライン契約システムであって、
前記契約サーバは、送信側端末で作成された契約書データを受信側端末に送信する際に、前記契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、前記受信側端末で前記契約書データを完成させた完成契約書データを前記送信側端末に返信し、前記送信側端末で前記完成契約書データについて差し戻しの指示が入力されると、前記送信側端末から入力される修正指示のメッセージと前記複製契約書データを前記受信側端末に送信することを特徴とするオンライン契約システム。
【請求項2】
前記契約サーバは、前記受信側端末で前記契約書データについて却下の指示が入力されるか、前記送信側端末で前記完成契約書データについて却下の指示が入力されると、前記複製契約書データを修正可能とし、前記送信側端末から入力される再締結依頼のメッセージと修正された前記複製契約書データを修正契約書データとして前記受信側端末に送信すると共に前記修正契約書データを複製して複製修正契約書データとして記憶することを特徴とする請求項1記載のオンライン契約システム。
【請求項3】
前記契約サーバは、前記受信側端末で完成させた完成契約書データについて前記送信側端末で締結完了の指示が入力されると、前記完成契約書データを締結契約書として確定させることを特徴とする請求項1又は2記載のオンライン契約システム。
【請求項4】
前記契約サーバは、契約書データを送信する前に、送信の設定情報を保存し、前記送信側端末で検索可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載のオンライン契約システム。
【請求項5】
前記契約サーバは、前記受信側端末で署名・合意の前に契約書の書面で入力内容を確認するプレビューを行うことを特徴とする請求項1又は2記載のオンライン契約システム。
【請求項6】
ネットワークを介してオンライン契約を行う契約サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記契約サーバを、送信側端末で作成された契約書データを受信側端末に送信する際に、前記契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、前記受信側端末で前記契約書データを完成させた完成契約書データを前記送信側端末に返信し、前記送信側端末で前記完成契約書データについて差し戻しの指示が入力されると、前記送信側端末から入力される修正指示のメッセージと前記複製契約書データを前記受信側端末に送信するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記契約サーバを、前記受信側端末で前記契約書データについて却下の指示が入力されるか、前記送信側端末で前記完成契約書データについて却下の指示が入力されると、前記複製契約書データを修正可能とし、前記送信側端末から入力される再締結依頼のメッセージと修正された前記複製契約書データを修正契約書データとして前記受信側端末に送信すると共に前記修正契約書データを複製して複製修正契約書データとして記憶するよう機能させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記契約サーバを、前記受信側端末で完成させた完成契約書データについて前記送信側端末で締結完了の指示が入力されると、前記完成契約書データを締結契約書として確定させるよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン契約システムに係り、特に、契約締結のやり直しを容易に行うことができるオンライン契約システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来のクラウドを利用したオンライン契約システムでは、契約締結の一方の当事者である送信側が電子的な契約書データをクラウド上で作成し、契約締結の他方の当事者である受信側(受領者)に契約書データを送信し、受信側が契約書データを完成させて締結作業を行い、送信側に返信して、送信側が確認し、締結完了の作業を行うものとなっていた。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2011-118845号公報「確定料金表示による契約支援システム」(特許文献1)、特開2001-265980号公報「制作サービス提供装置および制作サービス提供方法」(特許文献2)がある。
【0004】
特許文献1には、顧客がコンピュータから確定的な引越料金を知ることができ、当該確定料金で引越作業依頼の契約締結を行うことができる契約支援システムが示されている。
特許文献2には、コンテンツの制作依頼から契約締結、作業完了までを行う制作サービス提供装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-118845号公報
【特許文献2】特開2001-265980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のオンライン契約システムでは、受信側(受領者)の作業に誤りがあった場合に、送信側は最初から契約書データを作成して受信側に送信する必要があり、契約締結のやり直しが面倒であるという問題点があった。
【0007】
特許文献1,2には、受信側で契約書データの完成作業に誤りがあった場合に、容易に契約締結のやり直しを行うことができる構成は記載されていない。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、受信側で契約書データの完成作業に誤りがあっても、容易に契約締結のやり直しを行うことができるオンライン契約システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワークを介してオンライン契約を行う契約サーバを有するオンライン契約システムであって、契約サーバが、送信側端末で作成された契約書データを受信側端末に送信する際に、契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、受信側端末で契約書データを完成させた完成契約書データを送信側端末に返信し、送信側端末で完成契約書データについて差し戻しの指示が入力されると、送信側端末から入力される修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側端末に送信することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記オンライン契約システムにおいて、契約サーバが、受信側端末で契約書データについて却下の指示が入力されるか、送信側端末で完成契約書データについて却下の指示が入力されると、複製契約書データを修正可能とし、送信側端末から入力される再締結依頼のメッセージと修正された複製契約書データを修正契約書データとして受信側端末に送信すると共に修正契約書データを複製して複製修正契約書データとして記憶することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記オンライン契約システムにおいて、契約サーバが、受信側端末で完成させた完成契約書データについて送信側端末で締結完了の指示が入力されると、完成契約書データを締結契約書として確定させることを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記オンライン契約システムにおいて、契約サーバが、契約書データを送信する前に、送信の設定情報を保存し、送信側端末で検索可能としたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記オンライン契約システムにおいて、契約サーバが、受信側端末で署名・合意の前に契約書の書面で入力内容を確認するプレビューを行うことを特徴とする。
【0014】
本発明は、ネットワークを介してオンライン契約を行う契約サーバで動作するコンピュータプログラムであって、契約サーバを、送信側端末で作成された契約書データを受信側端末に送信する際に、契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、受信側端末で契約書データを完成させた完成契約書データを送信側端末に返信し、送信側端末で完成契約書データについて差し戻しの指示が入力されると、送信側端末から入力される修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側端末に送信するよう機能させることを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記プログラムにおいて、契約サーバを、受信側端末で契約書データについて却下の指示が入力されるか、送信側端末で完成契約書データについて却下の指示が入力されると、複製契約書データを修正可能とし、送信側端末から入力される再締結依頼のメッセージと修正された複製契約書データを修正契約書データとして受信側端末に送信すると共に修正契約書データを複製して複製修正契約書データとして記憶するよう機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記プログラムにおいて、契約サーバを、受信側端末で完成させた完成契約書データについて送信側端末で締結完了の指示が入力されると、完成契約書データを締結契約書として確定させるよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、契約サーバが、送信側端末で作成された契約書データを受信側端末に送信する際に、契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、受信側端末で契約書データを完成させた完成契約書データを送信側端末に返信し、送信側端末で完成契約書データについて差し戻しの指示が入力されると、送信側端末から入力される修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側端末に送信するオンライン契約システムとしているので、送信側端末は契約書データを最初から再作成することなく、複製契約書データと修正指示のメッセージを受信側端末に送信することで契約締結のやり直しを容易に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】契約依頼・正常締結処理を示す説明図である。
【
図5】送信側端末での表示画面例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るオンライン契約システム(本システム)について図面を参照しながら説明する。
本システムは、クラウド上で作成された契約書データについて送信側が受信側に契約締結を依頼するために、契約サーバが、送信側から受信側に契約書データを送信するが、その送信の際に一時的に当該契約書データを複製し、受信側で合意して署名され、送信側で確認されて締結完了処理が為された場合には、当該契約書データを締結契約書として確定させ、送信側から修正を依頼する差し戻し指示が送信側で入力された場合には、修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側に送信して、契約締結のやり直しを依頼するものであり、送信側は契約書データを最初から再作成することなく、複製契約書データと修正指示のメッセージを受信側に送信することで契約締結のやり直しを容易に行うことができるものである。
【0020】
[本システム:
図1]
本システムについて
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの構成概略図である。
本システムは、
図1に示すように、契約サーバ1と、送信側端末2と、受信側端末3と、ネットワーク4とから構成されている。
本システムの構成の各部は、以下具体的に説明する。
【0021】
[契約サーバ1]
契約サーバ1は、クラウドにおけるオンライン契約の締結を制御するもので、後述する契約依頼・正常締結処理、差し戻し処理、却下処理、その他オプションとしての処理を実現するものである。
契約サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを備えている。
契約サーバ1は、記憶部12に記憶されている処理プログラムを制御部11が読み込んで実行することで、上記処理を実行する手段を実現している。
【0022】
また、記憶部12は、契約締結の当事者の情報、契約書データ、その複製データ等を記憶している。当事者の情報としては、契約書データの送受信のメールアドレス、SMS(Short Message System)の携帯の電話番号、本システムの利用ユーザであればユーザID、ログインパスワード等の登録情報である。
インタフェース部13は、ネットワーク4に接続するインタフェースである。
【0023】
[送信側端末2]
送信側端末2は、契約締結の一方の当事者(送信者/契約締結依頼者)の端末であり、パソコン(PC)、スマートフォン、タブレットが想定される。
送信側端末2のユーザは、本システムのオンライン契約の利用者で、本システムのユーザIDとログインパスワードが記憶部12に記憶されている。
【0024】
[受信側端末3]
受信側端末3は、契約締結の他方の当事者(受信者/受領者)の端末であり、パソコン(PC)、スマートフォン、タブレットが想定される。
受信側端末3のユーザは、本システムのオンライン契約の利用者であることもあるが、利用者ではない場合もある。
【0025】
[ネットワーク4]
ネットワーク4は、インターネットを利用しているが、データの送受信は暗号化されている。
【0026】
[本システムでの処理:
図2~4]
次に、本システムにおける処理について
図2~4を参照しながら説明する。
図2は、契約依頼・正常締結処理を示す説明図であり、
図3は、差し戻し処理を示す説明図であり、
図4は、却下処理を示す説明図である。
本システムの処理として、契約依頼・正常締結処理、差し戻し処理、却下処理等がある。
【0027】
[契約依頼処理:
図2]
契約依頼処理は、契約依頼者(送信側)が送信側端末2で契約書データを作成し、その契約書データを受信側端末3に送信して契約締結を依頼する。
具体的には、送信側端末2は、契約サーバ1のシステムにログインし、契約書作成のワークフローを使用して契約書データを作成する。そして、当該契約書データが契約サーバ1にアップロードされて記憶部12に記憶され、その後、受信側端末3に送信される。
受信側端末3への送信は、契約サーバ1から電子メールが受信側端末3に送信され、その電子メールに示されたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスして契約書データを受け取るようになっている。
【0028】
詳細は、契約サーバ1が、送信側端末2で作成された契約書データを受け取り(S1)、当該契約書データを複製して(S2)、複製契約書データとして記憶部12に記憶し、受信側端末3に契約書データを送信する(S3)。
【0029】
受信側端末3に送信された契約書データは、受領者で氏名等を記入し、電子印鑑で承認を行い(署名・合意)、完成させた契約書データ(完成契約書データ)が契約サーバ1にアップロードされ(S4)、その後、契約サーバ1が送信側端末2に送信(返信)される(S5)。契約サーバ1には、完成契約書データが記憶部12に記憶される。
【0030】
[正常締結処理]
正常締結処理の場合は、送信側端末2で返信された完成契約書データを参照し、確認が為され、問題がなければ、
図5に示す画面上の「締結完了(締結を完了する)」のボタンが押下され(S6)、完成契約書データが締結完了の契約書データとして確定されて記憶部12に記憶される。
尚、完成契約書データの確認を行う状態を「要確認ステータス」と呼ぶ。
【0031】
[送信側端末2での表示画面:
図5]
完成契約書データを確認した場合の送信側端末2での表示画面について
図5を参照しながら説明する。
図5は、送信側端末での表示画面例を示す概略図である。
送信側端末2において、要確認ステータスで完成契約書データを確認した場合に、
図5に示すように、下側に「差し戻しする」、「却下する」、「締結を完了する」のボタンが表示され、上側にメッセージ入力欄が表示される。
【0032】
「差し戻しする」のボタンは、後述する差し戻し処理を実行するボタンであり、「却下する」のボタンは、後述する却下処理を実行するボタンであり、「締結を完了する」のボタンは、上述した契約締結を完了させるためのボタンである。
また、メッセージ入力欄は、差し戻し処理の場合に修正指示のメッセージを入力するものであり、却下処理の場合に締結の再依頼のメッセージを入力するものである。
【0033】
[差し戻し処理:
図3]
差し戻し処理は、送信側端末2で返信された完成契約書データを参照して、確認した場合に、完成契約書データが完全ではなかった時に、
図5に示すように、画面上に設けられたメッセージ入力欄に修正指示と契約締結の再依頼のメッセージ(修正指示等のメッセージ)を入力し(S7)、「差し戻し」のボタンが押下されると(S8)、画面に「受領者に再度入力を依頼します」という確認メッセージ(確認ダイアログ)が表示され、送信者が「OK」を選択すると、契約サーバ1は、修正指示等のメッセージと複製契約書データを受信側端末3に送信する(S9,S10)。この送信の際に、複製契約書データを更に複製して記憶部12に記憶する。
ここで、複製契約書データは、受領者によって入力等が為されていないデータである。
【0034】
尚、完成契約書データが完全でなかった時とは、入力内容の不備として、代表者名を入力して欲しいのに対応者の氏名が入力されている場合等であり、添付ファイルの不備として、顔写真付きの免許証を添付して欲しいのに保険証が添付されている場合等である。
更に、契約締結の再依頼の場合は、依頼メールの有効期限はリセットされ、新たに設定されるものである。
【0035】
そして、受信側端末3では、修正指示等のメッセージと複製契約書データを受信し、当該メッセージに従って複製契約書データへの入力等を行い、完成させた契約書データ(完成複製契約書データ)を作成する。
【0036】
そして、受信側端末3は、完成複製契約書データを契約サーバ1にアップロードし(S11)、契約サーバ1が送信側端末2に完成契約書データを送信(返信)して(S12)、送信側端末2で完成複製契約書データの確認が為されて「締結完了」のボタンが押下されると、正常締結終了となり、更なる不備が見つかると、再度「差し戻し」のボタンを押下して差し戻し処理を更に行うことになる。
【0037】
[却下処理:
図4]
却下処理は、受信側端末3から返信された完成契約書データを送信側端末2で参照し、要確認ステータスで確認した結果、送信側での契約書作成に誤りがあった場合、作り直しが必要になる。
【0038】
この場合に、送信側端末2の画面に設けられた「却下」のボタンを押下して、更に「複製」のボタン(図示せず)を押下して(S13)、記憶部12に記憶されている複製契約書データを読み出し、送信側端末2の画面に表示させる。
【0039】
送信側端末2で複製契約書データを修正可能とし(S14)、契約締結の再依頼のメッセージを入力させ(S15)、送信者の送信指示により再依頼のメッセージと修正された契約書データ(修正契約書データ)を、契約サーバ1が受信側端末3に送信する(S16,S17)。契約サーバ1は、修正契約書データも複製して記憶部12に複製修正契約書データとして記憶する。
尚、送信側端末2では、画面上の「却下」のボタンを押して「複製」のボタンを押さず、最初から契約書データを作成してもよい。
【0040】
そして、受信側端末3が、修正契約書データを基に完成させた契約書データ(完成修正契約書データ)を契約サーバ1にアップロードし(S18)、契約サーバ1は、送信側端末2に完成修正契約書データを送信する(S19)。
【0041】
送信側端末2において、要確認ステータスで完成修正契約書データの確認が為され、問題がなければ「締結完了」のボタンが押下され、契約締結が完了する。
送信側端末2での確認で、問題があれば、「差し戻し」又は「却下」のボタンが押下され、上述した処理が繰り返される。
尚、「却下」ボタンは、受信側端末3の表示画面にも表示され、受領者が契約書の誤りに気付いた場合には、「却下」ボタンを押して、誤り訂正のメッセージを受信側端末3から送信側端末2に送信し、送信側端末2での修正を促すことができる。
【0042】
[応用例1:送信情報保存機能]
本システムの応用例1として、送信情報保存機能がある。
送信情報保存機能は、送信側端末2で契約書データを受信側端末3に送信する前に、送信形式の設定情報(送信情報)を契約サーバ1に保存し、当該送信情報を検索可能とし、その後、その送信情報を利用したい場合に検索によって読み出し、再利用可能とするものである。
【0043】
送信情報には、送信先のアドレス、SMSの電話番号、有効期限、電子サイン又は電子署名等のオプション設定情報等がある。
この送信情報保存機能により、以前、契約書データを送信した相手に同様の送信形式で容易に送信できるものである。
【0044】
[応用例2:入力項目配置のカスタマイズ機能]
本システムの応用例2として、入力項目配置のカスタマイズ機能がある。
入力項目配置のカスタマイズ機能は、テンプレートの契約書データ又は自作の契約書データについて、送信側端末2が送信前に入力項目の配置等を調整(カスタマイズ)可能とする機能である。
【0045】
具体的には、入力される文字の範囲(テキストボックス)の位置を微調整し、テキストボックスの横幅を調整し、テキストボックスからはみ出る文字については折り返し表示とし、テキストボックスに反映される文字の配置を左右揃え、中央揃え、均等割付に設定できるものである。
また、入力される文字のフォント・フォントサイズの変更、余白調整を可能とし、複数の入力項目の位置を揃えるためにガイド表示を行うものである。
送信側端末2は、入力項目の配置等を任意に調整することで、契約書の見栄えを向上させることができるものである。
【0046】
[応用例3:文書のプレビュー機能]
本システムの応用例3として、文書のプレビュー機能がある。
文書のプレビュー機能は、受信側端末3のユーザである受領者が、署名・合意を完了する前に、受信側端末3で契約書データに入力された内容が契約書の書面においてどのように反映されているのかを確認するために書面(文書)をプレビューする機能である。
受領者は、契約書の書面で自分の入力した内容をプレビュー機能で確認することで、安心して署名・合意を行うことができるものである。
【0047】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、契約サーバ1が、契約書データを受信側端末3に送信する際に契約書データを複製して複製契約書データとして記憶し、完成契約書データについて送信側から修正を依頼する差し戻し指示が送信側端末2で入力されると、送信側端末2からの修正指示のメッセージと複製契約書データを受信側端末3に送信し、契約締結のやり直しとなる再依頼を行うものであり、送信側端末2は契約書データを最初から再作成することなく、複製契約書データと修正指示のメッセージを受信側端末3に送信することで契約締結のやり直しを容易に行うことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、受信側で契約書データの完成作業に誤りがあっても、容易に契約締結のやり直しを行うことができるオンライン契約システム及びプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0049】
1…契約サーバ、 2…送信側端末、 3…受信側端末、 4…ネットワーク、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部