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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007094
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】浮体、ガス圧力制御方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20240111BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B63B25/16 D
B63B25/16 G
F17C13/02 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108305
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】安部 和也
(72)【発明者】
【氏名】小形 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋介
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AB13
3E172BA06
3E172BB03
3E172BB12
3E172BD01
3E172CA02
3E172DA62
3E172EA03
3E172EA13
3E172EA23
3E172EB03
(57)【要約】
【課題】ドライアイスの生成を抑える。
【解決手段】浮体は、浮体本体と、浮体本体に設けられて、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、タンク内に液化二酸化炭素を供給する供給ラインと、タンク内の液化二酸化炭素をタンク外に排出する排出ラインと、タンクに接続されて二酸化炭素ガスが流通可能なガスラインと、ガスラインに設けられ、ガスラインを流通する二酸化炭素ガスを圧縮する圧縮機と、ガスラインにおける圧縮機の上流側に設けられて、ガスラインを流通する二酸化炭素ガスを加熱可能な加熱部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体本体と、
前記浮体本体に設けられて、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクと、
前記タンク内に前記液化二酸化炭素を供給する供給ラインと、
前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に排出する排出ラインと、
前記タンクに接続されて二酸化炭素ガスが流通可能なガスラインと、
前記ガスラインに設けられ、前記ガスラインを流通する前記二酸化炭素ガスを圧縮する圧縮機と、
前記ガスラインにおける前記圧縮機の上流側に設けられて、前記ガスラインを流通する前記二酸化炭素ガスを加熱可能な加熱部と、
を備える浮体。
【請求項2】
前記ガスラインは、前記タンク内の前記二酸化炭素ガスを前記タンク外に排出するガス排出ラインを含み、
前記圧縮機及び前記加熱部が、前記ガス排出ラインに設けられている
請求項1に記載の浮体。
【請求項3】
前記ガスラインは、前記二酸化炭素ガスを前記タンク外から前記タンク内に供給するガス供給ラインを含み、
前記圧縮機及び前記加熱部が、前記ガス供給ラインに設けられている
請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項4】
前記ガスラインは、前記タンク内の前記二酸化炭素ガスを前記タンク外に取り出し、前記タンク内に戻すガス循環ラインを含み、
前記加熱部及び前記圧縮機が、前記ガス循環ラインに設けられている
請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項5】
前記圧縮機の入口側における前記二酸化炭素ガスの温度を検出するセンサーと、
検出された前記温度が予め定められた下限閾値以下である場合に、前記二酸化炭素ガスを加熱する加熱制御部と、を備える
請求項1又は2に記載の浮体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の浮体におけるガス圧力管理方法であって、
前記ガスラインに流通される二酸化炭素ガスの温度を検出する工程と、
検出された前記二酸化炭素ガスの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する工程と、
前記二酸化炭素ガスの温度が前記下限閾値以下であると判定された場合、前記加熱部で前記ガスラインを流通する前記二酸化炭素ガスを加熱する工程と、を含む
ガス圧力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮体、ガス圧力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バンカリング船舶の貯蔵タンクからガス推進船舶の燃料タンクに液化ガスを供給するガス処理システムの構成が開示されている。このガス処理システムは、バンカリングラインと、蒸発ガスリターンラインと、再液化装置(バンカリング管理部)と、を備えている。バンカリングラインは、貯蔵タンクの液化ガスを燃料タンクに供給する。蒸発ガスリターンラインは、バンカリングラインを介したバンカリング時に、燃料タンクで発生する蒸発ガスをバンカリング船舶に伝達する。再液化装置は、貯蔵タンクの蒸発を再液化してリターンして貯蔵タンクの内圧を調整する。このような構成において、再液化装置の上流に、圧縮機が備えられている。圧縮機は、貯留タンクの蒸発ガスを圧縮して再液化装置に送り込む。
【0003】
ところで、液化二酸化炭素を貯留可能なタンクを備えた船舶においても、圧縮機を備えることがある。液化二酸化炭素を貯留可能なタンクでは、タンク内で液化二酸化炭素が蒸発し、二酸化炭素ガスが生成される。圧縮機は、生成された二酸化炭素ガスを圧縮する。このような船舶の場合、圧縮機は、二酸化炭素ガスが流れるタンク、タンクに接続された配管の内部における圧力を管理するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2021-517878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、二酸化炭素ガスを圧縮する圧縮機を備える場合、以下のような理由により、二酸化炭素ガスが凝固してドライアイスが生成されることがある。すなわち、圧縮機の作動時、例えば圧縮機の入口側では、二酸化炭素ガスの流速が高まる。二酸化炭素ガスの流速が高まると、二酸化炭素ガスの局所的な静圧の低下が生じる。二酸化炭素ガスの局所的な静圧の低下が生じると、ドライアイスが生成される可能性が高まる。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、ドライアイスの生成を抑えることができる浮体、ガス圧力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る浮体は、浮体本体と、タンクと、供給ラインと、排出ラインと、ガスラインと、圧縮機と、加熱部と、を備える。前記タンクは、前記浮体本体に設けられている。前記タンクは、液化二酸化炭素を貯留可能である。前記供給ラインは、前記タンク内に前記液化二酸化炭素を供給する。前記排出ラインは、前記タンク内の前記液化二酸化炭素を前記タンク外に排出する。前記ガスラインは、前記タンクに接続されて二酸化炭素ガスが流通可能である。前記圧縮機は、前記ガスラインに設けられている。前記圧縮機は、前記ガスラインを流通する前記二酸化炭素ガスを圧縮する。前記加熱部は、前記ガスラインにおける前記圧縮機の上流側に設けられている。前記加熱部は、前記ガスラインを流通する前記二酸化炭素ガスを加熱可能である。
【0008】
本開示に係るガス圧力制御方法は、上記したような浮体におけるガス圧力管理方法であって、二酸化炭素ガスの温度を検出する工程と、前記二酸化炭素ガスの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する工程と、前記二酸化炭素ガスを加熱する工程と、を含む。前記二酸化炭素ガスの温度を検出する工程では、前記ガスラインに流通される二酸化炭素ガスの温度を検出する。前記二酸化炭素ガスの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する工程では、検出された前記二酸化炭素ガスの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する。前記二酸化炭素ガスを加熱する工程では、前記二酸化炭素ガスの温度が前記下限閾値以下であると判定された場合、前記加熱部で前記ガスラインを流通する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の浮体、ガス圧力制御方法によれば、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る浮体の概略構成を示す平面図である。
図2】本開示の実施形態に係る浮体に設けられたタンク及びガスラインを示す側断面図である。
図3】本開示の実施形態に係る浮体において、タンク内に二酸化炭素ガスを供給する場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る浮体において、二酸化炭素ガスをタンク外に排出する場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図5】本開示の実施形態に係る浮体において、タンク内の二酸化炭素ガスを循環させる場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図6】本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図7】本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置の機能ブロック図である。
図8】本開示の実施形態に係る浮体におけるガス圧力管理方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る浮体、ガス圧力制御方法について、図1図8を参照して説明する。
(船舶の構成)
図1は、本開示の実施形態に係る浮体の概略構成を示す平面図である。
本開示の実施形態において、浮体である船舶(浮体)1は、液化二酸化炭素を運搬する。図1に示すように、この船舶1は、浮体本体としての船体2と、タンク設備10と、を少なくとも備えている。
【0012】
(船体の構成)
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側3A,3Bと、船底(図示せず)と、上甲板5と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を有する。船底(図示せず)は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板を有する。これら一対の舷側3A,3B及び船底(図示せず)により、船体2の外殻は、船首尾方向Daに直交する断面において、U字状を成している。この実施形態で例示する上甲板5は、外部に露出する全通甲板である。船体2には、例えば船尾2b側の上甲板5上に、居住区を有する上部構造7が形成されている。なお、上部構造7の位置や大きさは、適宜変更可能である。
【0013】
船体2内には、上部構造7よりも船首2a側に、貨物搭載区画(ホールド)8が形成されている。貨物搭載区画8は、上甲板5に対して下方の船底に向けて凹み、上方に開口している。
【0014】
(タンク設備の構成)
タンク設備10は、貨物搭載区画8内に、船首尾方向Daに並んで、複数が配置されている。本開示の実施形態において、タンク設備10は、例えば、船首尾方向Daに間隔を空けて二つ配置されている。
【0015】
図2は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられたタンク及びガスラインを示す側断面図である。
図2に示すように、タンク設備10は、タンク11と、供給ライン15と、排出ライン16と、ガスライン20と、圧縮機30と、加熱部40と、制御装置50と、を少なくとも備えている。
この実施形態において、タンク11は、船体2に配置され、例えば、船首尾方向Daに延びる円筒状をなしている。タンク11は、その内部に液化二酸化炭素Lを貯留可能である。タンク11は、筒状部12と、鏡板部13と、を備えている。筒状部12は、船首尾方向Daを長手方向Dxとして延びている。この実施形態において、筒状部12は、円筒状に形成され、その長手方向Dxに直交する断面形状が円形をなしている。鏡板部13は、筒状部12の長手方向Dxの両端部にそれぞれ配置されている。各鏡板部13は、半球状で、筒状部12の長手方向Dx両端の開口を閉塞している。なお、タンク11は、円筒状に限られるものではなく、球形、方形等、他の形状であってもよい。
【0016】
供給ライン15は、陸上の液化二酸化炭素供給施設、液化二酸化炭素を貯留した他の船舶等、船外から供給される液化二酸化炭素Lをタンク11内に積み込む。供給ライン15は、タンク11の外部からタンク11の頂部を貫通して、タンク11の下部に至っている。供給ライン15の先端15a(言い換えれば、上下方向Dvにおける下端)は、タンク11内の下部で下方を向いて開口している。
【0017】
排出ライン16は、タンク11内の液化二酸化炭素Lを、陸上の液化二酸化炭素貯蔵施設等、船外に排出する。排出ライン16の先端16aは、タンク11内の下部に配置されたポンプ18に接続されている。排出ライン16は、先端16aから上方に向かって延びてタンク11の頂部を貫通し、タンク11の外部に至っている。先端16aに接続されたポンプ18は、タンク11内の液化二酸化炭素Lを吸い込んで、この吸い込んだ液化二酸化炭素Lを、排出ライン16を介してタンク11の外部に払い出させる。
【0018】
ガスライン20は、少なくともタンク11内の二酸化炭素ガスGを流通可能とされている。タンク11内の二酸化炭素ガスGは、0℃よりも低く、二酸化炭素の三重点温度よりも高温である。タンク11内の二酸化炭素ガスGは、主に、タンク11内に貯留されている液化二酸化炭素Lが蒸発した、いわゆるボイルオフガスであり、例えば-56℃~-10℃である。
【0019】
ガスライン20は、第一管部21と、第二管部22と、第三管部23と、第四管部24と、第五管部25と、第六管部26と、を備えている。
【0020】
第一管部21は、船外から供給される二酸化炭素ガスGをタンク11内に送り込む際に用いられる。第一管部21の一端21aは、船外の設備から二酸化炭素ガスGを供給するための供給管(図示無し)が接続可能に構成されている。船外から供給される二酸化炭素ガスGは、上記ボイルオフガスと同様に、例えば-56℃~-10℃である。第一管部21の他端21bは、後述する第五管部25の一端25aに接続されている。第一管部21には、開閉弁21vが設けられている。
【0021】
第二管部22は、タンク11内の二酸化炭素ガスGを船外に排出する際に用いられる。第二管部22の一端22aは、船外の設備に二酸化炭素ガスGを排出するための排出管(図示無し)が接続可能に構成されている。第二管部22の他端22bは、後述する第六管部26の他端26bに接続されている。第二管部22には、開閉弁22vが設けられている。
【0022】
第三管部23は、二酸化炭素ガスGをタンク11内に送り込む際に用いられる。第三管部23の一端23aは、タンク11の頂部11tに接続されている。第三管部23の他端23bは、後述する第六管部26の他端26bに接続されている。第三管部23には、開閉弁23vが設けられている。
【0023】
第四管部24は、タンク11内の二酸化炭素ガスGをタンク11外に排出する際に用いられる。第四管部24の一端24aは、タンク11の頂部11tに接続されている。第四管部24の他端24bは、後述する第五管部25の一端25aに接続されている。第四管部24には、開閉弁24vが設けられている。
【0024】
第五管部25は、第一管部21の他端21b及び第四管部24の他端24bと、加熱部40と、の間に設けられている。第五管部25の一端25aは、第一管部21の他端21b及び第四管部24の他端24bに接続されている。第五管部25の他端25bは、加熱部40の入口に接続されている。第五管部25には、開閉弁25vが設けられている。開閉弁25vは、後述する加熱部40に対して二酸化炭素ガスの流通する方向における上流側に設けられている。
【0025】
第六管部26は、加熱部40と、第二管部22の他端22b及び第三管部23の他端23bと、の間に設けられている。第六管部26の一端26aは、加熱部40の出口に接続されている。第六管部26の他端26bは、第二管部22の他端22b及び第三管部23の他端23bに接続されている。第六管部26には、その途中に圧縮機30と開閉弁25wとが設けられている。開閉弁25wは、圧縮機30よりも他端26b側に設けられている。
【0026】
圧縮機30は、第五管部25及び第六管部26を介して流入した二酸化炭素ガスGを圧縮する。圧縮機30は、入口側から吸い込んだ二酸化炭素ガスGを圧縮し、第六管部26の他端26b側に吐出する。したがって、二酸化炭素ガスGは、第六管部26を一端26a側から他端26b側に流通する。
【0027】
加熱部40は、第五管部25と第六管部26との間に配置されている。つまり、加熱部40は、圧縮機30に対し、上流側に配置されている。加熱部40は、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGを加熱する。加熱部40としては、例えば、熱交換器が用いられる。加熱部40は、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGを、加熱する。加熱部40は、例えば、第五管部25を流通する-56℃~-10℃の二酸化炭素ガスGを、-10℃よりも高温で、且つ設計条件の上限温度(例えば、80℃程度)以下になるように加熱するようにしてもよい。
【0028】
第五管部25には、センサー45が設けられている。センサー45は、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGの温度を検出する。センサー45は、検出した温度の検出値の信号を、制御装置50に出力する。
【0029】
(ガスラインの運用)
上記したようなガスライン20は、ガス供給ライン20F、ガス排出ライン20E、ガス循環ライン20Rとしての機能構成をそれぞれ有する。ガスライン20は、開閉弁21v~25v、25wの開閉を切り替えることで、ガス供給ライン20F、ガス排出ライン20E、ガス循環ライン20Rの何れかを択一的に選択して使用可能である。
【0030】
図3は、本開示の実施形態に係る浮体において、タンク内に二酸化炭素ガスを供給する場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図3に示すように、ガス供給ライン20Fは、開閉弁22v、及び開閉弁24vを閉じ、開閉弁21v、開閉弁25v、25w、及び開閉弁23vを開くことで構成される。ガス供給ライン20Fは、二酸化炭素ガスGをタンク11外からタンク11内に供給する際に用いられる。この場合、タンク11の外部から供給される二酸化炭素ガスGは、第一管部21、第五管部25、第六管部26、第三管部23を経て、タンク11内に供給される。つまり、ガス供給ライン20Fは、第一管部21と、第五管部25と、第六管部26と、第三管部23とにより構成される。
【0031】
ガス供給ライン20Fは、例えば、タンク11に液化二酸化炭素Lを供給するに先立ち、タンク11内を冷却するとともに、タンク11内の圧力を高めることを目的として用いられる。また、ガス供給ライン20Fは、例えば、排出ライン16を通してタンク11内の液化二酸化炭素Lをタンク11外に排出する際、タンク11内の液化二酸化炭素Lの減少にともなってタンク11内の圧力が低下することを抑えることを目的として用いられる。なお、ガス供給ライン20Fの使用形態は、上記したもの以外であってもよい。
【0032】
ガス供給ライン20Fを通してタンク11内に二酸化炭素ガスGを供給する場合、圧縮機30を作動させることにより、タンク11に送り込む二酸化炭素ガスGが圧縮される。これにより、タンク11内の気相の圧力を、予め設定した目標圧力に合わせて高めることができる。
【0033】
図4は、本開示の実施形態に係る浮体において、二酸化炭素ガスをタンク外に排出する場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図4に示すように、ガス排出ライン20Eは、開閉弁21v、及び開閉弁23vを閉じ、開閉弁24v、開閉弁25v、25w、及び開閉弁22vを開くことで構成される。ガス排出ライン20Eは、二酸化炭素ガスGをタンク11内からタンク11外に排出する際に用いられる。この場合、タンク11内の二酸化炭素ガスGは、第四管部24、第五管部25、第六管部26、第二管部22を経て、タンク11外に排出される。つまり、ガス排出ライン20Eは、第四管部24と、第五管部25と、第六管部26と、第二管部22と、により構成される。
【0034】
ガス排出ライン20Eは、例えば、供給ライン15を通してタンク11内に液化二酸化炭素Lを供給する際、タンク11内の液化二酸化炭素Lの増加にともなって、タンク11内の圧力が高まることを抑える目的で用いられる。なお、ガス排出ライン20Eの使用形態は、上記したもの以外であってもよい。
【0035】
ガス排出ライン20Eを通して二酸化炭素ガスGをタンク11外に排出する場合、圧縮機30を作動させることにより、タンク11外に排出する二酸化炭素ガスGが圧縮される。これにより、二酸化炭素ガスGの排出を効率良く行うことができる。したがって、タンク11内の気相の圧力を、予め設定した目標圧力に合わせて効率良く管理することができる。
【0036】
図5は、本開示の実施形態に係る浮体において、タンク内の二酸化炭素ガスを循環させる場合における二酸化炭素ガスの流れを示す図である。
図5に示すように、ガス循環ライン20Rは、開閉弁21v、及び開閉弁22vを閉じ、開閉弁24v、開閉弁25v、25w、及び開閉弁23vを開くことで構成される。この場合、タンク11内の二酸化炭素ガスGは、第四管部24、第五管部25、第六管部26、第三管部23を経て、タンク11内に循環される。つまり、ガス循環ライン20Rは、第四管部24と、第五管部25と、第六管部26と、第三管部23と、により構成される。
【0037】
ガス循環ライン20Rは、タンク11内の二酸化炭素ガスGを加圧する際に用いられる。この場合、圧縮機30を作動させることにより、タンク11内からタンク11外のガス循環ライン20Rに取り出された二酸化炭素ガスGが圧縮される。これにより、二酸化炭素ガスGの圧力が高まる。圧力が高められた二酸化炭素ガスGを、タンク11内に戻すことで、タンク11内の気相の圧力が高まる。したがって、タンク11内の気相の圧力を、予め設定した目標圧力に合わせて効率良く管理することができる。なお、ガス循環ライン20Rの使用形態は、上記したもの以外であってもよい。また、本実施形態において、タンク11内で蒸発して生成された二酸化炭素ガスG(いわゆるボイルオフガス)を再液化する再液化装置(図示無し)は、ガスライン20とは別に独立して設けられている。
【0038】
上記のように、ガスライン20を、ガス供給ライン20F、ガス排出ライン20E、ガス循環ライン20Rとして用いる際、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGは、圧縮機30の上流側で、加熱部40によって加熱可能である。加熱部40による二酸化炭素ガスGの加熱は、常時行ってもよいが、本実施形態では、圧縮機30の上流側における、二酸化炭素ガスGの温度に応じて、加熱部40による加熱を行う。加熱部40の動作は、制御装置50によって制御される。
【0039】
(ハードウェア構成図)
図6は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図6に示すように、制御装置50は、CPU51(Central Processing Unit)、ROM52(Read Only Memory)、RAM53(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージ54、信号送受信モジュール55を備えるコンピュータである。信号送受信モジュール55は、センサー45からの検出値の信号を受信する。
【0040】
(機能ブロック図)
図7は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられた制御装置の機能ブロック図である。
図7に示すように、制御装置50は、CPU51がHDD等のストレージ54に記憶されたプログラムを実行することにより、信号受信部71、加熱制御部72、出力部73の各機能構成を実現する。
信号受信部71は、信号送受信モジュール55を介して、センサー45からの検出値の信号を受信する。
【0041】
加熱制御部72は、センサー45の検出値に基づいて加熱部40の動作を制御する。加熱制御部72は、加熱部40の作動、及び停止を制御する。加熱制御部72は、センサー45で検出される、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた下限閾値より低い場合に、加熱部40を作動させる。加熱制御部72は、センサー45で検出される、第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた上限閾値より高い場合に、加熱部40の作動を停止させる。加熱制御部72は、加熱部40の起動、及び停止を制御するための制御信号を生成する。
出力部73は、信号送受信モジュール55を介して、加熱制御部72で生成された制御信号を、加熱部40に出力する。
【0042】
また、制御装置50は、開閉弁21v~25v、25wの開閉、圧縮機30の動作を制御するようにしてもよい。一方、開閉弁21v~25v、25wの開閉、圧縮機30の作動、及び停止は、オペレータによる遠隔操作等により、手動で行うようにしてもよい。
【0043】
(ガス圧力管理方法の手順)
次に、上記したような船舶1における、ガス圧力管理方法S10について説明する。
図8は、本開示の実施形態に係る浮体におけるガス圧力管理方法の手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、本実施形態におけるガス圧力管理方法S10は、二酸化炭素ガスGの温度を検出する工程S11と、二酸化炭素ガスGの温度が下限閾値以下であるか否かを判定する工程S12と、二酸化炭素ガスGを加熱する工程S13と、二酸化炭素ガスGの温度が上限閾値以上であるか否かを判定する工程S14と、二酸化炭素ガスGの加熱を停止する工程S15と、を含む。
【0044】
二酸化炭素ガスGの温度を検出する工程S11では、予め設定されたサイクルで、センサー45が、ガスライン20の第五管部25を流通する二酸化炭素ガスGの温度を検出し、その検出値の信号を、制御装置50に出力する。このセンサー45から出力された検出値の信号は、制御装置50の信号受信部71によって受信される。
【0045】
二酸化炭素ガスGの温度が下限閾値以下であるか否かを判定する工程S12では、加熱制御部72が、センサー45の検出値によって示される二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する。
この判定の結果、二酸化炭素ガスGの温度が下限閾値以下であれば、二酸化炭素ガスGを加熱する工程S13に進む。一方で、二酸化炭素ガスGの温度が下限閾値以下でなければ、二酸化炭素ガスGの温度が上限閾値以上であるか否かを判定する工程S14に進む。
【0046】
二酸化炭素ガスGを加熱する工程S13では、加熱制御部72で、加熱部40を作動させる。これにより、第五管部25から加熱部40に流入した二酸化炭素ガスGが加熱されて、圧縮機30の上流側(言い換えれば、入口側)の第六管部26に流出する。
【0047】
二酸化炭素ガスGの温度が上限閾値以上であるか否かを判定する工程S14では、二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた上限閾値以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、二酸化炭素ガスGの温度が上限閾値以上であれば、二酸化炭素ガスGの加熱を停止する工程S15に進む。一方で、二酸化炭素ガスGの温度が上限閾値以上でなければ、上述した二酸化炭素ガスGの温度を検出する工程S11に戻り、上述した一連の処理を繰り返し行う。
【0048】
二酸化炭素ガスGの加熱を停止する工程S15では、加熱制御部72により、加熱部40の作動を停止させる。これにより、圧縮機30の上流側で、加熱部40による二酸化炭素ガスGの加熱が停止される。
【0049】
(作用効果)
上記実施形態の船舶1では、ガスライン20に、加熱部40と圧縮機30とが設けられている。これにより、ガスライン20を通る二酸化炭素ガスGは、加熱部40で加熱された後、圧縮機30で圧縮される。このように、圧縮機30に導入される二酸化炭素ガスGの温度が上昇しているので、ガスライン20の圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
また、加熱部40で二酸化炭素ガスGを加熱することにより、ガスライン20において、加熱部40よりも下流側においては、ガスライン20を構成する配管として、低温仕様の配管ではなく、より温度の高い条件で使用する配管、例えば常温仕様の配管等を採用することができる。具体的には、加熱部40よりも下流側の部分、第六管部26、第二管部22、及び第三管部23を、より温度の高い条件で使用する配管により形成することができる。これにより、ガスライン20の低コスト化を図ることができる。
【0050】
また上記実施形態では、ガス排出ライン20Eに、圧縮機30及び加熱部40が設けられている。これにより、タンク11内の二酸化炭素ガスGをタンク11外に排出する際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することによって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0051】
同様に上記実施形態では、ガス供給ライン20Fに、圧縮機30及び加熱部40が設けられている。これにより、二酸化炭素ガスGをタンク11内に排出する際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することができる。したがって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0052】
さらに上記実施形態では、ガス循環ライン20Rに、圧縮機30及び加熱部40が設けられている。これにより、タンク11内の二酸化炭素ガスGを、ガス循環ライン20Rを通してタンク11外に取り出した後、タンク11内へと循環させる際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することができる。したがって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0053】
そして上記実施形態では、圧縮機30及び加熱部40が、ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rで共用する第五管部25と第六管部26との間に設けられているため、圧縮機30及び加熱部40を、ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rに個別に設ける場合と比較して、圧縮機30及び加熱部40の数量を抑えることができる。その結果、部品点数の増加を抑制し、配置自由度を向上できる。
【0054】
また、上記実施形態の船舶1は、センサー45と、加熱制御部72と、を備えている。
これにより、圧縮機30の入口側における二酸化炭素ガスGの温度を検出することができる。そして、センサー45で検出された温度が、予め定められた下限閾値以下である場合に、二酸化炭素ガスGを加熱することができるため、ガスライン20の圧縮機30の入口側等において、ドライアイスの生成を有効に抑えることができる。
【0055】
また、上記実施形態のガス圧力管理方法S10によれば、圧縮機30の入口側における二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた下限閾値以下である場合に、二酸化炭素ガスGを加熱している。これにより、圧縮機30に導入される二酸化炭素ガスGの温度を下限閾値よりも上昇させることができるため、ガスライン20の圧縮機30の入口側等において、ドライアイスの生成を有効に抑えることができる。
【0056】
(他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、浮体として船舶1を一例にして説明したが、例えば、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等の浮体であってもよい。
【0057】
さらに上記実施形態では、圧縮機30の入口側における二酸化炭素ガスGの温度が下限閾値以下である場合に、二酸化炭素ガスGを加熱するようにしたが、これに限られない。例えば、加熱部40による二酸化炭素ガスGの加熱は、圧縮機30で二酸化炭素ガスGを圧縮する際に、常時行うようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、ガスライン20が、ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rを兼ね備える構成としたが、これに限られない。ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rは、それぞれ個別に設けるようにしてもよい。その場合、圧縮機30、及び加熱部40は、ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rのそれぞれに設けてもよい。また、圧縮機30、及び加熱部40は、ガス排出ライン20E、ガス供給ライン20F、ガス循環ライン20Rのうちの一部にのみ備えるようにしてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、二酸化炭素ガスGをガスライン20に流通させる際、二酸化炭素ガスGが、加熱部40及び圧縮機30を必ず通る構成となっているが、これに限られない。例えば、加熱部40及び圧縮機30を迂回するバイパスラインを設けて、圧縮機30で二酸化炭素ガスGを圧縮しない場合に、二酸化炭素ガスGをバイパスラインに通すようにしてもよい。
【0060】
<付記>
実施形態に記載の浮体1、ガス圧力管理方法S10は、例えば以下のように把握される。
【0061】
(1)第1の態様に係る浮体1は、浮体本体2と、前記浮体本体2に設けられて、液化二酸化炭素Lを貯留可能なタンク11と、前記タンク11内に前記液化二酸化炭素Lを供給可能な供給ライン15と、前記タンク11内の前記液化二酸化炭素Lを前記タンク11外に排出する排出ライン16と、前記タンク11に接続されて二酸化炭素ガスGが流通可能なガスライン20と、前記ガスライン20に設けられた圧縮機30と、前記ガスライン20における前記圧縮機30の上流側に設けられて、前記ガスライン20を流通する前記二酸化炭素ガスGを加熱可能な加熱部40と、を備える。
浮体1の例としては、船舶や洋上浮体設備が挙げられる。浮体本体2の例としては、船体や洋上浮体設備の浮体本体が挙げられる。
【0062】
このような構成の浮体1は、液化二酸化炭素Lは、供給ライン15を通してタンク11内に供給される。タンク11内に液化二酸化炭素Lを供給するにともなって、タンク11内の気相を形成する二酸化炭素ガスGが、ガスライン20を通してタンク11の外部に押し出される。
また、タンク11内の液体二酸化炭素は、排出ライン16を通してタンク11外に排出することができる。タンク11内の液体二酸化炭素が排出されるにともなって、ガスライン20を通して、タンク11外から二酸化炭素ガスGがタンク11内に導入される。
ガスライン20には、加熱部40と圧縮機30とが設けられている。ガスライン20を通る二酸化炭素ガスGは、加熱部40で加熱された後、圧縮機30で圧縮される。このように、圧縮機30に導入される二酸化炭素ガスGの温度が上昇しているので、ガスライン20の圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
また、加熱部40で二酸化炭素ガスGを加熱することにより、ガスライン20の加熱部40よりも下流側では、ガスライン20を構成する配管として、低温仕様の配管ではなく、常温仕様等の配管を採用することができる。具体的には、加熱部40よりも下流側の部分、第六管部26、第二管部22、及び第三管部23を、常温仕様の配管により形成することができる。これにより、ガスライン20の低コスト化を図ることができる。
【0063】
(2)第2の態様に係る浮体1は、(1)の浮体1であって、前記ガスライン20は、前記タンク11内の前記二酸化炭素ガスGを前記タンク11外に排出するガス排出ライン20Eを含み、前記圧縮機30及び前記加熱部40が、前記ガス排出ライン20Eに設けられている。
【0064】
これにより、タンク11内の二酸化炭素ガスGをタンク11外に排出する際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することによって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0065】
(3)第3の態様に係る浮体1は、(1)又は(2)の浮体1であって、前記ガスライン20は、前記二酸化炭素ガスGを前記タンク11外から前記タンク11内に供給するガス供給ライン20Fを含み、前記圧縮機30及び前記加熱部40が、前記ガス供給ライン20Fに設けられている。
【0066】
これにより、二酸化炭素ガスGをタンク11内に排出する際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することができる。したがって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0067】
(4)第4の態様に係る浮体1は、(1)から(3)の何れか一つの浮体1であって、前記ガスライン20は、前記タンク11内の前記二酸化炭素ガスGを前記タンク11外に取り出し、前記タンク11内に戻すガス循環ライン20Rを含み、前記加熱部40及び前記圧縮機30が、前記ガス循環ライン20Rに設けられている。
【0068】
これにより、タンク11内の二酸化炭素ガスGを、ガス循環ライン20Rを通してタンク11外に取り出した後、タンク11内へと循環させる際に、圧縮機30の上流側で二酸化炭素ガスGを加熱することができる。したがって、圧縮機30の入口等において、ドライアイスの生成を抑えることができる。
【0069】
(5)第5の態様に係る浮体1は、(1)から(4)の何れか一つの浮体1であって、前記圧縮機30の入口側における前記二酸化炭素ガスGの温度を検出するセンサー45と、検出された前記温度が予め定められた下限閾値以下である場合に、前記二酸化炭素ガスGを加熱する加熱制御部72と、を備える。
【0070】
このような構成によれば、センサー45で検出された温度が、予め定められた下限閾値以下である場合に、二酸化炭素ガスGを加熱することができるため、ガスライン20の圧縮機30の入口側等において、ドライアイスの生成を有効に抑えることができる。
【0071】
(6)第6の態様に係るガス圧力管理方法S10は、(1)から(5)の何れか一つの浮体1におけるガス圧力管理方法S10であって、前記ガスライン20に流通される二酸化炭素ガスGの温度を検出する工程S11と、検出された前記二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた下限閾値以下であるか否かを判定する工程S12と、前記二酸化炭素ガスGの温度が前記下限閾値以下であると判定された場合、前記加熱部40で前記ガスライン20を流通する前記二酸化炭素ガスGを加熱する工程S13と、を含む。
【0072】
このような構成によれば、圧縮機30の入口側における二酸化炭素ガスGの温度が、予め定められた下限閾値以下である場合に、二酸化炭素ガスGを加熱することができるため、圧縮機30に導入される二酸化炭素ガスGの温度を下限閾値よりも上昇させることができる。したがって、ガスライン20の圧縮機30の入口側等において、ドライアイスの生成を有効に抑えることができる。
【符号の説明】
【0073】
1…船舶(浮体) 2…船体(浮体本体) 2a…船首 2b…船尾 3A、3B…舷側 5…上甲板 7…上部構造 8…貨物搭載区画 10…タンク設備 11…タンク 11t…頂部 12…筒状部 13…鏡板部 15…供給ライン 15a…先端 16…排出ライン 16a…先端 18…ポンプ 20…ガスライン 20E…ガス排出ライン 20F…ガス供給ライン 20R…ガス循環ライン 21…第一管部 21a…一端 21b…他端 21v…開閉弁 22…第二管部 22a…一端 22b…他端 22v…開閉弁 23…第三管部 23a…一端 23b…他端 23v…開閉弁 24…第四管部 24a…一端 24b…他端 24v…開閉弁 25…第五管部 25a…一端 25b…他端 25v、25w…開閉弁 30…圧縮機 40…加熱部 45…センサー 50…制御装置 51…CPU 52…ROM 53…RAM 54…ストレージ 55…信号送受信モジュール 71…信号受信部 72…加熱制御部 73…出力部 Da…船首尾方向 Dv…上下方向 Dx…長手方向 G…二酸化炭素ガス L…液化二酸化炭素 S10…ガス圧力管理方法 S11…二酸化炭素ガスの温度を検出する工程 S12…二酸化炭素ガスの温度が下限閾値以下であるか否かを判定する工程 S13…二酸化炭素ガスを加熱する工程 S14…二酸化炭素ガスの温度が上限閾値以上であるか否かを判定する工程 S15…二酸化炭素ガスの加熱を停止する工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8