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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024070998
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】作業支援システム及び作業支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240517BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240517BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181679
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】武田 利継
(72)【発明者】
【氏名】田所 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】神田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】帯田 敬悟
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L049CC15
5L050CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業者が作業工程を間違えず、共同作業者が遠隔でも作業状態がわかるとともに、携帯端末にて作業者が作業中の工程を含めた作業工程の全体像を視認できる作業性を良好なものとした作業支援システム及び作業支援方法を提供する。
【解決手段】作業支援システム10は、サーバ10と、管理PC20と、作業者が所持する携帯端末50と、を備える。携帯端末50の表示部53は、少なくとも作業情報を表示する。管理PC20は、複数の作業グループに区分けして、各作業グループ毎に複数の作業手順及び各作業手順の作業内容を設定可能である作業情報を、携帯端末50の表示部53において、複数の作業グループの一覧と、複数の作業グループのうち、作業中の作業グループに属する複数の作業手順及び作業内容と、作業ステータスと共に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が所持する携帯端末の表示部に少なくとも作業情報を表示する作業支援システムであって、
前記作業情報は、管理PCにおいて、複数の作業グループに区分けして、各作業グループ毎に複数の作業手順及び各作業手順の作業内容を設定可能であり、
前記表示部において、前記複数の作業グループの一覧と、前記複数の作業グループのうち、作業中の作業グループに属する複数の作業手順及び作業内容とが、作業ステータスと共に表示されることを特徴とする作業支援システム。
【請求項2】
前記管理PCにおいて、各作業グループに属する複数の作業手順に対して作業順を設定可能であり、
前記表示部に表示される各作業手順の作業ステータスは、各作業手順の作業内容に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものであり、
前記管理PCにおいて、各作業グループに属する前記複数の作業手順に含まれる第1の作業手順、第2の作業手順の作業順がこの順に設定されている場合、前記携帯端末において、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態でなければ第2の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができないように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記管理PCにおいて、前記作業順の設定として、前記複数の作業手順のうち、一部の作業手順を順不同に設定することが可能であり、
前記管理PCにおいて、各作業グループに属する前記複数の作業手順に含まれる第1の作業手順、第2の作業手順、第3の作業手順の作業順がこの順に設定され、且つ、第2の作業手順と第3の作業手順とが順不同に設定されている場合、前記携帯端末において、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態でなければ第2の作業手順及び第3の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができない一方、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態であれば、第2の作業手順及び第3の作業手順の何れに対しても前記所定の作業完了動作を行うことができるように制御することを特徴とする請求項2に記載に記載の作業支援システム。
【請求項4】
前記表示部に表示される各作業手順の作業ステータスは、各作業手順の作業内容に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものであり、
同一の前記作業情報を複数の作業者が所持する各携帯端末の表示部に表示して共有することが可能であり、
前記管理PCにおいて、各作業手順は作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順の作業者が第1の作業者に設定されている場合、第1の作業者が所持する携帯端末において前記特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御するとともに、第1の作業者とは異なる第2の作業者が所持する携帯端末において前記特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができないように制御することを特徴とする請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項5】
前記管理PCにおいて、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順の作業者が第1の作業者及び第2の作業者に設定されている場合、第1の作業者及び第2の作業者が所持する携帯端末において前記特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御するとともに、第1の作業者及び第2の作業者とは異なる第3の作業者が所持する携帯端末において前記特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができないように制御することを特徴とする請求項4に記載の作業支援システム。
【請求項6】
作業者が所持する携帯端末の表示部に少なくとも作業情報を表示する作業支援方法であって、
管理PCにおいて、前記作業情報を、複数の作業グループに区分けして、各作業グループ毎に複数の作業手順及び各作業手順の作業内容を設定し、
前記表示部において、前記複数の作業グループの一覧と、前記複数の作業グループのうち、作業中の作業グループに属する複数の作業手順及び作業内容とを、作業ステータスと共に表示することを特徴とする作業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業現場で作業する作業者が所持する携帯端末の表示部に少なくとも作業情報を表示する作業支援システム及び作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製鉄所などの工場等の現場において作業者が行う日常点検や定常作業等は、チェックリストが記載された作業手順を紙で出力し、作業者がその出力された紙に記載されたチェックリストを確認しながら行っていた。
しかしながら、紙のチェックリストでは、全ての作業手順を事細かに記載すると膨大な量となるため、一部記載を簡略化することになり、また、一見してどこまで作業が完了したかがわからず、作業員による作業抜けや作業ミスが発生し、重大な事故につながる可能性があった。
この紙のチェックリストによる問題を解決するものとして、従来、例えば、特許文献1に示す作業支援システムが提案されている。この特許文献1に示す作業支援システムは、作業者が装着可能なウェアラブル通信端末及び作業者が携帯する通信端末装置を用いて作業者の支援を行うものである。この作業支援システムにおいて、通信端末装置の受付部は、作業者から作業進捗に関する情報を受け付ける。また、通信端末装置のCPUは、作業データベースより、受け付けた情報に応じて、作業手順に関する情報である作業手順情報を取得し、通信端末装置の通信I/Fを制御して、ウェアラブル通信端末へ送信する。ウェアラブル通信端末において、制御部は、受信した作業手順情報を、作業者が出力デバイスにて視認可能に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-114111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1に示す作業支援システムにあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示す作業支援システムの場合、ウェアラブル通信端末の出力デバイスにて、N番目の作業手順情報を作業者が視認可能に表示し、N番目の作業が完了した後に、N+1番目の作業手順情報を表示するようになっている。しかし、この作業支援システムにおいては、作業中の工程のみがウェアラブル通信端末の出力デバイスに表示され、作業工程の全体像(作業中の工程に加え、完了済みの工程、今後行う工程)が認識できず、作業性に問題があった。
【0005】
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、作業者が作業工程を間違えず、共同作業者が遠隔でも作業状態がわかるとともに、携帯端末にて作業者が作業中の工程を含めた作業工程の全体像を視認できる作業性を良好なものとした作業支援システム及び作業支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る作業支援システムは、作業者が所持する携帯端末の表示部に少なくとも作業情報を表示する作業支援システムであって、前記作業情報は、管理PCにおいて、複数の作業ブループに区分けして、各作業グループ毎に複数の作業手順及び各作業手順の作業内容を設定可能であり、前記表示部において、前記複数の作業グループの一覧と、前記複数の作業グループのうち、作業中の作業グループに属する複数の作業手順及び作業内容とが、作業ステータスと共に表示されることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る作業支援方法は、作業者が所持する携帯端末の表示部に少なくとも作業情報を表示する作業支援方法であって、管理PCにおいて、前記作業情報を、複数の作業グループに区分けして、各作業グループ毎に複数の作業手順及び各作業手順の作業内容を設定し、前記表示部において、前記複数の作業グループの一覧と、前記複数の作業グループのうち、作業中の作業グループに属する複数の作業手順及び作業内容とを、作業ステータスと共に表示することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る作業支援システム及び作業支援方法によれば、作業者が作業工程を間違えず、共同作業者が遠隔でも作業状態がわかるようにするとともに、携帯端末にて作業者が作業中の工程を含めた作業工程の全体像を視認できる作業性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る作業支援システムの構成例を示す図である。
図2図1に示す作業支援システムにおける管理PCで作成される作業情報の一例の一部を示す図である。
図3図1に示す作業支援システムにおける管理PCで作成される作業情報の一例の図1からの続きの残部を示す図である。
図4】作業を開始する前に特定の作業者aとしての甲又はbとしての乙が自身が所持する携帯端末50A又は50Bからサーバ30にアクセスしたときの携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示されるログイン画面の一例を示す図である。
図5】特定の作業者甲又は乙が図4に示すログイン画面でログインした後の携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される作業情報の選択画面一例を示す図である。
図6】特定の作業者甲又は乙が図5に示す作業情報の選択画面で特定の作業情報(工事点検作業)を選択した後の携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される作業開始情報入力画面の一例を示す図である。
図7】特定の作業者甲又は乙が図6に示す作業開始情報入力画面で作業開始情報を入力した後の携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される特定複数の作業グループA,B,Cの一覧の一例を示す図である。
図8】特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面の一例を示す図である。
図9】特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される図8に示す状態から続く作業画面の一例を示す図である。
図10】特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される図9に示す状態から続く作業画面の一例を示す図である。
図11】作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として撮影画像登録が設定されている場合の、特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面の一例を示す図である。
図12】作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として添付図への手書き入力が設定されている場合の、特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明の一実施形態に係る作業支援システムの構成例が示されている。
図1に示す作業支援システム10は、管理PC20と、サーバ30と、複数の携帯端末50A、50B、・・・、50Nとを備えている。
【0010】
管理PC20は、工場等の日常点検、点検作業の種別ごとの作業情報60(図2及び図3参照)を作成するための、演算処理機能を有するコンピュータシステムである。
ここで、作業情報60は、管理者が例えば所定のフォーマットの電子ファイル(エクセル等)に所定の情報を入力することにより管理PC20で作成される。入力される作業情報60は、図2及び図3に示すように、作業グループ情報61、作業手順情報62、及び作業記録情報63が含まれる。
作業グループ情報61は、一連の作業を複数の作業グループ(図2に示す例では作業グループはA,B,Cの3つであるがそれ以上であってもよい)にグループ分けする際に、どの作業がどの作業グループに属するかを設定するものである。例えば、図2に示す作業グループ情報61においては、事前準備作業を作業グループA、第1設備点検作業を作業グループB、第2点検作業を作業グループCに設定している。図2に示すように、作業グループ情報61において、各作業グループA、B、Cには作業名称を設定することが可能である。
【0011】
また、作業手順情報62は、図2に示すように、作業順と、作業内容詳細と、作業者割り当て情報とを含んでいる。
作業順は、例えば、エクセルの上位の行に記載された作業手順から下位の行に記載の作業手順(図2に示す例では作業手順1、2、・・・、7の7つの作業手順であるがそれ以上であってもそれ以下であってもよい)に向かって自動的に順位づけされることとする。但し、作業順としては、一部の作業手順(作業手順1、2、・・・、7のうちの任意の作業手順)に順不同のフラグを設定することが可能であり、順不同のフラグが設定された作業手順同士は作業順が同位となる。図2に示す例では、作業手順4と作業手順5とに順不同のフラグが設定されており、順不同のフラグが設定された作業手順4、5同士は作業順が同位となっている。
【0012】
また、作業内容詳細には、各作業手順において行うべき作業内容の詳細を設定可能である。図2に示す例では、作業手順1において行うべき作業内容A1として「・・・・を行う」が設定される。作業手順2において行うべき作業内容A2として「・・・・を行う」が設定されている。作業手順3において行うべき作業内容B3として「第1バルブを開とする」が設定される。作業手順4において行うべき作業内容B4として「第2バルブを開とする」が設定される。作業手順5において行うべき作業内容B5として「第3バルブを開とする」が設定されている。作業手順6において行うべき作業内容C6として「第1油圧温度を測定する」が設定される。作業手順7において行うべき作業内容C7として「第2油圧温度を測定する」が設定される。なお、作業内容の詳細の入力方式としては、テキスト入力の他、画像、動画、及びPDFでの入力も可能である。
【0013】
また、作業者割り当て情報には、特に複数人により作業が行われる場合に、複数の作業手順のうち、どの作業を誰が行うかを設定するものである。各作業手順において作業の効率化、作業の難易度等に応じて作業手順毎に作業者を割り当てる。この割り当ては、実作業を行う個人名を割り当てるものではなく、作業者a、作業者b、作業者c(リーダークラス)、・・・、作業者nといった記号で設定する。例えば、一連の作業手順が2ヶ所の異なる現場で行う作業手順が含まれている場合に、一方の現場で行う作業手順の作業については作業者a、他方の現場で行う作業手順の作業については作業者bと設定することが可能である。なお、1つの作業手順に対して複数の作業者を設定することが可能である。図2に示す例では、作業手順1の作業については作業者bが、作業手順2の作業については作業者bが、作業手順3の作業については作業者aが設定されている。また、作業手順4の作業については作業者aが、作業手順5の作業のついては作業者bが、作業手順6の作業については作業者a及び作業者bが、作業手順7の作業については作業者a及び作業者bが設定されている。
【0014】
また、作業記録情報63には、作業手順情報62に含まれる各作業手順の作業内容が行われたかに対する記録を要求する場合に、当該記録の入力態様が設定される。当該記録の入力態様としては、スイッチボタン(例えば、開閉アイコン)入力、測定値(温度や圧力等の測定値)の数値入力、QRコード(登録商標)の読込、テキストの入力、時間入力(タイマーのスタート、ストップ操作)、撮影画像登録、添付図への手書き入力が例示される。図3に示す例では、作業手順3、4、5の作業内容B3、B4、B5が行われたかに対する記録の入力は、スイッチボタン(開閉アイコン)入力が設定されている。また、作業手順6、7の作業内容C6、C7が行われたかに対する記録の入力は、温度の測定値の数値入力が設定されている。作業記録情報63が設定されている場合、後述するように、各携帯端末50A、50B、・・・、50Nにおいて設定された入力態様により入力されなければ作業完了条件が成立せず、各作業者a、b、・・・、nによる作業完了動作を行うことができない。なお、測定値の数値入力や時間入力に際しては、上限値及び下限値の双方、あるいは上限値及び下限値のいずれか一方を設定可能である。この場合、入力された測定値、時間が設定された上限値、下限値の範囲にない場合、作業完了条件を成立させないことが可能である。
【0015】
管理PC20は、図1に示すように、サーバ30に有線あるいは無線で接続されており、管理PCにより作成された作業情報60がサーバ30に格納される。
サーバ30は、図1に示すように、複数の携帯端末50A、50B、・・・、50Nとネットワーク40を介して通信可能に接続される。ネットワーク40は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
また、複数の携帯端末50A、50B、・・・、50Nについては、図1に示すように、第1の作業者aが携帯端末50Aを所持し、第2の作業者bが携帯端末50Bを所持し、・・・、第nの作業者nが携帯端末50Nを所持している。
【0016】
そして、各携帯端末50A、50B、・・・、50Nは、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット型端末などのモバイル端末であり、通信部51と、制御部52と、表示部53とを備えている。各携帯端末50A、50B、・・・、50Nは、演算処理機能を有するコンピュータであり、ハードウェアに予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムの命令により、表示機能等をソフトウェア上で実行する。
各携帯端末50A、50B、・・・、50Nの通信部51は、ネットワーク40と通信可能に接続される。
また、各携帯端末50A、50B、・・・、50Nの制御部52は、通信部51及びネットワーク40を介してサーバ30との情報の送受信を行うことができる。そして、制御部52は、サーバ30からサーバ30に格納された作業情報60等の情報を取得し、取得した情報に基づく画像を表示部53に表示させる。また、制御部52は、表示部53に表示されたアイコン等からの情報の入力を制御し、アイコン等をアクティブ化したり、非アクティブ化したりする。
【0017】
表示部53は、制御部52から出力される画像を表示する。表示部53は、表示部53に表示されたアイコン等から入力された情報を制御部52に送出する。制御部52は、表示部53から入力された情報を通信部51を介してサーバ30に格納する。
次に、作業者aとしての甲と作業者bとしての乙とが共同作業を行う場合を例に、作業者甲が携帯端末50Aを所持し、作業者乙が携帯端末50Bを所持しているものとして各種設定から作業完了までの流れについて図4乃至図10を参照して説明する。作業者甲及び乙は、工場点検作業である図2及び図3に示す管理PC20で作成された作業情報に基づいて、共同作業を行う。
【0018】
先ず、作業を開始する前において、作業者甲又は乙が自身が所持する携帯端末50A又は50Bからサーバ30にアクセスし、特定の情報にアクセスする。これにより、携帯端末50A又は50Bの表示部53には、制御部52によって図4に示すログイン画面が表示される。作業支援システム10へのログインはIDとパスワードにより管理されており、作業者甲又は乙は自身の所持する携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示されるログイン画面のIDの入力欄71に自身のIDを入力し、パスワードの入力欄72にパスワードを入力してログインする。
このログインに際し、作業者甲又は乙はモードを選択可能であり、作業モードと参照モードとを選択可能である。作業モードは実際の作業時に使用するものであり、参照モードは管理PC20で作成された作業情報60を参照するときに使用するものである。作業者甲又は乙は自身の所持する携帯端末50A又は50Bに表示されるログイン画面のモードの選択欄73において、現場で作業を行う場合は作業モードでログインするため、作業モードを選択し、ログイン74にてログインする。
【0019】
作業者甲又は乙が自身の所持する携帯端末50A又は50Bでログインすると、例えば、図5に示す作業情報の選択画面が制御部52によって携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される。図5に示す例においては、携帯端末50A又は50Bの表示部53には作業情報として、設計資料確認作業81a、事前確認作業81b、工場点検作業81c、弁作業81d、及びライン点検作業81eが選択可能となっており、本例では、工場点検作業を行うので、作業者甲又は乙は工場点検作業81cをクリックする。なお、作業情報を選択する際に、キーワードの入力欄82にキーワードを入力して作業情報を検索することもできる。
【0020】
作業者甲又は乙が自身の所持する携帯端末50A又は50Bで作業情報を選択すると、例えば、図6に示す作業開始情報の入力画面が制御部52によって携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される。管理PC20からサーバ30に格納された作業情報60には、前述した通り、作業者割り当て情報が含まれて入り、作業者a、b、・・・、nとして実際に誰が行うかを設定する。本例の場合には、作業者甲又は乙は、自身が所持する携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される作業者aの入力欄92aにおいて甲を設定し、作業者bの入力欄92bにおいて乙を設定し、それ以外の作業者の入力部(作業者nの入力欄92nを含む)には誰も設定しない。なお、この際に、作業タイトルを作業タイトルの入力欄91から設定可能である。キャンセルアイコン93をクリックすることで、前述の入力した情報をキャンセルし、開始アイコン94をクリックすることで、作業を開始することができる。
【0021】
作業者甲又は乙が自身の所持する携帯端末50A又は50Bで作業者a、bの設定を行い、開始アイコン94をクリックすると、作業を開始することが可能となる。これにより、図7に示す作業グループA(事前準備作業),B(第1設備点検作業),C(第2設備点検作業)の一覧が制御部52によって携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される。設定を行った作業者甲又は乙に対して他の作業者乙又は甲もシステムにログインすることにより、図7に示す作業グループA,B,Cの一覧を自身が所持する携帯端末50B又は50Aで閲覧することができる。設定を行った作業者甲又は乙自身が所持する携帯端末50A又は50Bから設定を行った情報がネットワーク40を介してサーバ30に格納されるからである。
【0022】
以下、作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業情報60の作業画面について、図8乃至図10を参照して説明する。
前述したように、作業者甲又は乙が自身の所持する携帯端末50A又は50Bで作業者a、bの設定を行うと、図7に示すように、作業グループA(事前準備作業),B(第1設備点検作業),C(第2設備点検作業)の一覧が制御部52によって携帯端末50A又は50Bの表示部53に表示される。
作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53において、最初は、作業グループAの作業手順、作業内容しか見ることができず、作業グループBの作業手順、作業内容については作業グループAの作業が完了した後でなければ見ることができない。また、作業グループCの作業手順、作業内容については作業グループBの作業が完了した後でなければ見ることができない。
【0023】
図8は、作業グループAの作業が完了した後、作業グループBが作業中の画像の例を示すものである。
ここで、図8に示す作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面には、制御部52によって作業情報60を構成する複数の作業グループA,B,Cの一覧101と、複数の作業グループA,B,Cのうち、作業中の作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5及び作業内容B3,B4,B5とが、作業ステータス102と共に表示される。
図8では、画面左側には複数の作業グループの一覧101として、A,B,Cの作業グループ名(作業グループAは事前準備作業、作業グループBは第1設備点検作業、作業グループCは第2設備点検作業)とステータス(作業グループAは完了、作業グループBは作業中、作業グループCは未完了)とが表示されている。ここで、作業中の作業グループBに関しては、ステータスとして作業手順3,4,5の総数3を分母にし、完了済みの作業手順の数0を分子にした分数表示(0/3)にて作業進捗状況が確認できるようにステータスが表示される。
【0024】
また、図8では、画面右側には、作業中の作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5が表示されており、画面をスクロールすることにより作業グループBに属する全ての作業手順を閲覧することができる。
ここで、各作業手順3,4,5には、作業No.(即ち作業順)、作業ステータス102、作業者名103、作業内容B3,B4,B5、作業記録欄(作業記録情報に基づく表示)が表示されている。作業ステータス102としては、完了、作業中、未完了が表示される。作業中と表示されている作業手順が次にすべき作業手順であり、図8の例では、作業手順3が作業中、作業手順4が未完了、作業手順5が未完了となっている。作業記録欄(作業記録情報に基づく表示)としては、作業手順3,4,5のいずれにおいても、スイッチボタン(開閉アイコン)105aが表示されている。また、記録項目の欄104には、管理PCにおいて、各作業内容B3,B4,B5に対する作業ポイントを設定した場合にその作業ポイントが表示される。また、特記の欄106には、記録項目外のメモ、写真、動画を特記として登録する。また、共有アイコン108は、クリックすることで共同作業者がメモ、画像、動画のデータを確認することができる。
【0025】
また、各作業手順3,4,5には、作業完了アイコン107が配置されており、作業完了アイコン107をタッチ操作することで当該作業手順3,4,5の作業ステータス102が作業中から作業完了に変更される。なお、作業記録欄が存在する場合、当該作業記録欄に入力されるまで作業完了アイコン107が非アクティブ状態となってタッチ操作を無効化し、作業記録欄に入力されることを条件に作業完了アイコン107をアクティブ化するよう制御部52は表示部53からの入力を制御する。即ち、表示部53に表示される各作業手順3,4,5の作業ステータス102は、各作業手順3,4,5の作業内容B3,B4,B5に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものである。
【0026】
作業完了アイコン107のアクティブ化について、具体的には、作業手順3においては、作業者aとしての甲が作業(第1バルブを開とした)後に、スイッチボタン105aをクリックし、クリア条件を持たしていれば次の作業完了アイコン107がアクティブ化する。また、作業手順4においては、作業ステータス102が作業中において、作業者aとしての甲が作業(第2バルブを開とした)後に、スイッチボタン105aをクリックし、クリア条件を持たしていれば次の作業完了アイコン107がアクティブ化する。作業手順5においては、作業ステータス102が作業中において、作業者bとしての乙が作業(第2バルブを開とした)後に、スイッチボタン105aをクリックし、クリア条件を持たしていれば次の作業完了アイコン107がアクティブ化する。
【0027】
そして、作業ステータスが未完了の作業手順はそれより上位に設定されている作業手順が完了していなければ操作不可である。つまり、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順に含まれる第1の作業手順、第2の作業手順の作業順がこの順に設定されている場合、携帯端末50A又は50Bにおいて、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態でなければ第2の作業手順に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。図8に示す例では、管理PC20において(図2参照)、作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4の作業順がこの順に設定されている。この際に、作業者甲が所持する携帯端末50A(作業者乙が所持する携帯端末50Bでも同様)の表示部53において、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御部52が表示部53からの入力を制御する。
【0028】
また、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順に含まれる第1の作業手順、第2の作業手順、第3の作業手順の作業順がこの順に設定され、且つ、第2の作業手順と第3の作業手順とが順不同に設定されているとする。この場合、携帯端末50A又は50Bにおいて、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態でなければ第2の作業手順及び第3の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができない一方、第1の作業手順の作業ステータスが作業完了状態であれば、第2の作業手順及び第3の作業手順の何れに対しても所定の作業完了動作を行うことができるように制御する。図8に示す例では、管理PC20において(図2参照)、作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4、第3の作業手順5の作業順がこの順に設定され、且つ、第2の作業手順4と第3の作業手順5とが順不同に設定されている。この際に、作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53(作業者乙が所持する携帯端末50Bでも同様)において、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4及び第3の作業手順5に対して所定の作業完了動作を行うことができない。その一方、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態であれば(図9参照)、第2の作業手順4及び第3の作業手順5の何れに対しても所定の作業完了動作を行うことができるように制御部52が表示部53からの入力を制御する。
【0029】
但し、図9の場合、後述するが、第2の作業手順4の作業者が甲に設定され、第3の作業手順5の作業者が乙に設定されているので、第3の作業手順5に対して作業者甲が所持する携帯端末50Aからは所定の作業完了動作を行うことができない。また、第2の作業手順4の作業者が甲に設定され、第3の作業手順5の作業者が乙に設定されているので、第2の作業手順4に対して作業者乙が所持する携帯端末50Bからは所定の作業完了動作を行うことができない。
図8に示す例において、作業手順3の作業完了アイコン107がタッチ操作されると、作業手順3についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報がネットワーク40を介してサーバ30に送信するよう制御部52が制御する。そして、作業手順3についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報が送信されると、図9に示すように、作業手順3の作業ステータスが完了となり、作業手順4及び作業手順5の作業ステータスが作業中となる。
【0030】
ここで、管理PC20において、各作業手順は作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順の作業者が第1の作業者に設定されているとする。この場合、第1の作業者が所持する携帯端末において特定の作業手順に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御するとともに、第1の作業者とは異なる第2の作業者が所持する携帯端末において特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。図9に示す例では、管理PC20において(図2参照)、作業手順4の作業者が甲に設定されているので、作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53において作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御部52が表示部53からの入力を制御する。また、作業者乙が所持する携帯端末50Bの表示部53において作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御部52が表示部53からの入力を制御する。作業者乙が所持する携帯端末50Bの表示部53において作業手順4は全てグレーアウトで非アクティブ化されており、当該作業手順4に対して乙が操作することができない。また、管理PC20において(図2参照)、作業手順5の作業者が乙に設定されているので、作業者乙が所持する携帯端末50Bの表示部53において作業手順5に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御部52が表示部53からの入力を制御する。また、作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53において作業手順5に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御部52が表示部53からの入力を制御する。作業者甲が所持する携帯端末50Aの表示部53において作業手順5は全てグレーアウトで非アクティブ化されており、当該作業手順5に対して甲は操作することができない。
【0031】
図9に示す例において、作業手順4について作業記録欄に入力されることを条件に作業手順4の作業完了アイコン107が甲によりタッチ操作されると、作業手順4についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報がネットワーク40を介してサーバ30に送信するよう制御部52が制御する。また、作業手順5について作業記録欄に入力されることを条件に作業手順5の作業完了アイコン107が乙によりタッチ操作されると、作業手順5についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報をネットワーク40を介してサーバ30に送信し、格納するよう制御部52が制御する。
そして、作業手順4、5についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報が送信されると、図10に示すように、作業グループBのステータスが完了となり、作業グループCのステータスが作業中となり、作業グループCに属する作業手順6の作業ステータス102が作業中、作業手順7の作業ステータス102が未完了となる。
【0032】
なお、作業手順6及び7における作業記録欄(作業記録情報に基づく表示)としては、作業手順6において、第1油圧温度の測定値の欄105bが表示され、作業手順7において、第2油圧温度の測定値の欄105bが表示されている。作業手順6においては、作業者甲又は乙が第1油圧温度の測定値の欄105bに測定値を入力する前は、作業完了アイコン107が非アクティブ状態となってタッチ操作を無効化している。そして、作業者甲又は乙が第1油圧温度の測定値の欄105bに測定値を入力し、その入力値が20℃≦入力値≦50℃を満たさなければ、作業完了アイコン107の非アクティブ状態が維持される。一方、第1油圧温度の測定値の入力値が20℃≦入力値≦50℃満たすと、作業完了アイコン107がアクティブ化され、タッチ操作が有効化する。また、作業手順7においては、作業者甲又は乙が第2油圧温度の測定値の欄105bに測定値を入力する前は、作業完了アイコン107が非アクティブ状態となってタッチ操作を無効化している。そして、作業者甲又は乙が第2油圧温度の測定値の欄105bに測定値を入力し、その入力値が20℃≦入力値≦50℃を満たさなければ、作業完了アイコン107の非アクティブ状態が維持される。一方、第2油圧温度の測定値の入力値が20℃≦入力値≦50℃満たすと、作業完了アイコン107がアクティブ化され、タッチ操作が有効化する。
【0033】
ここで、管理PC20において、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順の作業者が第1の作業者及び第2の作業者に設定されている場合、第1の作業者及び第2の作業者が所持する携帯端末において特定の作業手順に対して前記所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御する。図9に示す例では、管理PC20において(図2参照)、作業手順6,7の作業者が第1の作業者甲及び第2の作業者乙に設定され、作業者名103に甲及び乙の氏名が表示されている。この場合、作業者甲、乙が所持する携帯端末50A、50Bのそれぞれの表示部53において作業手順6、7に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御部52が表示部53からの入力を制御する。
【0034】
この場合において、第1の作業者甲及び第2の作業者乙とは異なる第3の作業者c,・・・、nが所持する携帯端末50C,・・・,50Nの表示部53において、作業手順6,7に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御部52が表示部53からの入力を制御する。
そして、作業グループCに属する作業手順6,7が全て完了すると、作業グループCのステータスが完了となり、作業グループA,B,Cの全ての作業が完了することになる。結果として、作業手順1、2・・・、7についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報がネットワーク40を介してサーバ30に送信され、格納される。
【0035】
なお、作業モードでログインした場合、図8乃至図10において作業画面の右側に表示可能な作業中の作業グループ(図8及び図9では作業グループB、図10では作業グループC)に属する作業手順(図8及び図9では作業手順3,4,5、図10では作業手順6,7)のみである。完了或いは未完了の作業グループ(図8及び図9では作業グループA,C、図10では作業グループA,B)に属する作業手順は閲覧できない。一方、参照モードでは、任意の作業グループの作業手順を閲覧することが可能である。
作業完了後においては、管理PC20においてサーバ30にアクセスし、格納された作業手順1、2・・・、7についての作業記録欄の入力情報及び作業完了情報を元に、作業報告書を出力することが可能である。
【0036】
このように、本実施形態に係る作業支援システム10によれば、作業者a,b,・・・,nが所持する携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に少なくとも作業情報60を表示する。この作業支援システム10において、作業情報60は、管理PC20において、複数の作業グループA,B,Cに区分けして、各作業グループA,B,C毎に複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7及び各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7を設定可能である。そして、携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53において、複数の作業グループA,B,Cの一覧101と、複数の作業グループA,B,Cのうち、作業中の作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5及び作業内容B3,B4,B5とが、作業ステータス102と共に表示される。
【0037】
これにより、作業者a,b,・・・,nが作業工程を間違えず、共同作業者が遠隔でも作業状態がわかるようにすることができる。また、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにて作業者a,b,・・・,nが作業中の工程を含めた作業工程の全体像を視認できる作業性を良好なものとすることができる。
また、本実施形態に係る作業支援システム10によれば、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に対して作業順を設定可能である。そして、携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に表示される各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業ステータス102は、各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものである。また、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4の作業順がこの順に設定されているとする。この場合、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにおいて、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0038】
これにより、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4の作業順がこの順に設定されている場合において、第2の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行う際に第1の作業手順3に対して所定の作業完了動作を行っていることが条件となり、第1の作業手順3及び第2の作業手順4を順番通り確実に行うことができる。これにより、作業抜けを確実に回避することができる。
また、本実施形態に係る作業支援システム10によれば、管理PC20において、作業順の設定として、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7のうち、一部の作業手順を順不同に設定することが可能である。また、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4、第3の作業手順5の作業順がこの順に設定され、且つ、第2の作業手順4と第3の作業手順5とが順不同に設定されているとする。この場合、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにおいて、第1の作業手順の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4及び第3の作業手順5に対して所定の作業完了動作を行うことができない一方、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態であれば、第2の作業手順4及び第3の作業手順5の何れに対しても所定の作業完了動作を行うことができるように制御する。
【0039】
これにより、作業手順の作業内容に応じ、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7のうち、一部の作業手順を順不同に設定することで、作業を効率的に進めることができる。また、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4、第3の作業手順5の作業順がこの順に設定され、且つ、第2の作業手順4と第3の作業手順5とが順不同に設定されている場合において、第2の作業手順4及び第3の作業手順5に対して所定の作業完了動作を行う際に第1の作業手順3に対して所定の作業完了動作を行っていることが条件となり、第1の作業手順3及び第2の作業手順4、第3の作業手順5を順番通り確実に行うことができる。これにより、作業抜けを確実に回避することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る作業支援システムによれば、表示部53に表示される各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業ステータス102は、各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものである。また、同一の作業情報60を複数の作業者a,b,・・・,nが所持する各携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に表示して共有することが可能である。そして、管理PC20において、各作業手順1;2,3;4;5,6;7は作業者a,b,・・・,nを指定することが可能であって、特定の作業手順4の作業者が第1の作業者aに設定されている場合、第1の作業者aが所持する携帯端末50Aにおいて特定の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御する。また、第1の作業者aとは異なる第2の作業者bが所持する携帯端末50Bにおいて特定の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0041】
これにより、作業者が異なることによる作業ミスを回避することができる。
また、本実施形態に係る作業支援システム10によれば、管理PC20において、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順6の作業者が第1の作業者a及び第2の作業者bに設定されている場合、第1の作業者a及び第2の作業者bが所持する携帯端末50A,50Bにおいて特定の作業手順6に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御する。また、第1の作業者a及び第2の作業者bとは異なる第3の作業者c,・・・,nが所持する携帯端末50C,・・・,50Nにおいて特定の作業手順6に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0042】
これにより、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定した場合において、指定された作業者以外の作業者が自身が所持する携帯端末において所定の作業完了動作を行うことによる作業ミスを回避することができる。
また、本実施形態に係る作業支援方法によれば、作業者a,b,・・・,nが所持する携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に少なくとも作業情報60を表示する。この作業支援方法において、管理PC20において、作業情報60を、複数の作業グループA,B,Cに区分けして、各作業グループA,B,C毎に複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7及び各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7を設定する。そして、携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53において、複数の作業グループA,B,Cの一覧101と、複数の作業グループA,B,Cのうち、作業中の作業グループBに属する複数の作業手順3,4,5及び作業内容B3,B4,B5とを、作業ステータス102と共に表示する。
【0043】
これにより、作業者a,b,・・・,nが作業工程を間違えず、共同作業者が遠隔でも作業状態がわかるようにすることができる。また、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにて作業者a,b,・・・,nが作業中の工程を含めた作業工程の全体像を視認できる作業性を良好なものとすることができる。
また、本実施形態に係る作業支援方法によれば、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に対して作業順を設定する。そして、携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に表示される各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業ステータス102は、各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものである。また、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4の作業順をこの順に設定しているとする。この場合、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにおいて、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0044】
これにより、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4の作業順をこの順に設定している場合において、第2の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行う際に第1の作業手順3に対して所定の作業完了動作を行っていることが条件となり、第1の作業手順3及び第2の作業手順4を順番通り確実に行うことができる。これにより、作業抜けを確実に回避することができる。
また、本実施形態に係る作業支援方法によれば、管理PC20において、作業順の設定として、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7のうち、一部の作業手順を順不同に設定する。また、管理PC20において、各作業グループA,B,Cに属する複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4、第3の作業手順5の作業順をこの順に設定し、且つ、第2の作業手順4と第3の作業手順5とを順不同に設定しているとする。この場合、携帯端末50A,50B,・・・,50Nにおいて、第1の作業手順の作業ステータス102が作業完了状態でなければ第2の作業手順4及び第3の作業手順5に対して所定の作業完了動作を行うことができない一方、第1の作業手順3の作業ステータス102が作業完了状態であれば、第2の作業手順4及び第3の作業手順5の何れに対しても所定の作業完了動作を行うことができるように制御する。
【0045】
これにより、作業手順の作業内容に応じ、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7のうち、一部の作業手順を順不同に設定することで、作業を効率的に進めることができる。また、複数の作業手順1;2,3;4;5,6;7に含まれる第1の作業手順3、第2の作業手順4、第3の作業手順5の作業順をこの順に設定し、且つ、第2の作業手順4と第3の作業手順5とを順不同に設定している場合において、第2の作業手順4及び第3の作業手順5に対して所定の作業完了動作を行う際に第1の作業手順3に対して所定の作業完了動作を行っていることが条件となり、第1の作業手順3及び第2の作業手順4、第3の作業手順5を順番通り確実に行うことができる。これにより、作業抜けを確実に回避することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る作業支援方法によれば、表示部53に表示される各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業ステータス102は、各作業手順1;2,3;4;5,6;7の作業内容A1;A2,B3;B4;B5,C6;C7に対して所定の作業完了動作を行うことで作業未完了状態から作業完了状態に変更されるものである。また、同一の作業情報60を複数の作業者a,b,・・・,nが所持する各携帯端末50A,50B,・・・,50Nの表示部53に表示して共有することが可能である。そして、管理PC20において、各作業手順1;2,3;4;5,6;7は作業者a,b,・・・,nを指定することが可能であって、特定の作業手順4の作業者を第1の作業者aに設定している場合、第1の作業者aが所持する携帯端末50Aにおいて特定の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御する。また、第1の作業者aとは異なる第2の作業者bが所持する携帯端末50Bにおいて特定の作業手順4に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0047】
これにより、作業者が異なることによる作業ミスを回避することができる。
また、本実施形態に係る作業支援方法によれば、管理PC20において、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定することが可能であって、特定の作業手順6の作業者を第1の作業者a及び第2の作業者bに設定している場合、第1の作業者a及び第2の作業者bが所持する携帯端末50A,50Bにおいて特定の作業手順6に対して所定の作業完了動作を行うことが可能なように制御する。また、第1の作業者a及び第2の作業者bとは異なる第3の作業者c,・・・,nが所持する携帯端末50C,・・・,50Nにおいて特定の作業手順6に対して所定の作業完了動作を行うことができないように制御する。
【0048】
これにより、特定の作業手順の作業者として複数の作業者を指定した場合において、指定された作業者以外の作業者が自身が所持する携帯端末において所定の作業完了動作を行うことによる作業ミスを回避することができる。
次に、管理PC20において、作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として撮影画像登録が設定されている場合の、作業完了作の仕方について、図11を参照して説明する。図11には、作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として撮影画像登録が設定されている場合の、特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面の一例が示されている。
【0049】
この場合、作業者甲は携帯端末50Aの表示部53に表示された写真撮影部105gをクリックし、携帯端末50Aのカメラ(図示せず)を起動する。そして、そのカメラで現場のバルブの状態を撮影する。これにより、作業完了アイコン107がアクティブ化される。そして、作業者甲が作業完了アイコン107をクリックすることで作業完了となる。一方、バルブ状態を撮影しなければ、作業完了アイコン107は非アクティブ化された状態を維持する。
また、管理PC20において、作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として添付図への手書き入力が設定されている場合の、作業完了作の仕方について、図12を参照して説明する。図12には、作業内容が行われたかに対する記録の入力態様として添付図への手書き入力が設定されている場合の、特定の作業者aとしての甲が所持する携帯端末50Aの表示部53に表示される作業画面の一例が示されている。
【0050】
この場合、作業者甲は作業現場で携帯端末50Aの表示部53に表示されたチェックリスト105h(添付図)を確認し、編集アイコン105iをクリックしてチェックリスト105hに必要事項を記載する。これにより、作業完了アイコン107がアクティブ化される。そして、作業者甲が作業完了アイコン107をクリックすることで作業完了となる。一方、チェックリスト105hに必要事項を記載しなければ、作業完了アイコン107は非アクティブ化された状態を維持する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
【0051】
例えば、作業グループは、図7乃至図10に示す例では、作業グループA(事前準備作業)、B(第1設備点検作業)、C(第2設備点検作業)の3つのグループに区分けされているが、3つ以外の作業グループに区分けするにしてもよい。
また、管理PC20において、作業手順を作業手順1、2、・・、7の7つに設定し、作業グループAの作業手順を1、2、作業グループBの作業手順を3、4、5、作業グループCの作業手順を6、7に設定している。しかし、作業手順を7つの作業手順に設定する必要は必ずしもない。また、各作業グループの作業手順はこのように設定する必要は必ずしもない。また、各作業手順の作業内容についても任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0052】
1~7 作業手順
10 作業支援システム
20 管理PC
30 サーバ
40 ネットワーク
50A~50N 携帯端末
60 作業情報
61 作業グループ情報
62 作業手順情報
63 作業記録情報
71 IDの入力欄
72 パスワードの入力欄
73 モードの選択欄
74 ログイン
81a 設計資料確認作業
81b 事前確認作業
81c 工場点検作業
81d 弁作業
81e ライン点検作業
82 キーワードの入力欄
91 作業タイトルの入力欄
92a~92n 作業者の入力欄
93 キャンセルアイコン
94 開始アイコン
101 作業グループの一覧
102 作業ステータス
103 作業者名
104 記録項目の欄
105a スイッチボタン
105b 測定値の欄
105g 写真撮影部
105h チェックリスト
105i 編集アイコン
106 特記の欄
107 作業完了アイコン
108 共有アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12