(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007102
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】感光性組成物、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240111BHJP
G03F 7/038 20060101ALI20240111BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240111BHJP
C09B 67/20 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
G03F7/004 505
G03F7/038 501
G02B5/20 101
C09B67/20 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108321
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE09
2H148BE16
2H148BE33
2H148BG02
2H148BG06
2H148BG11
2H225AC36
2H225AC43
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC47
2H225AC49
2H225AC58
2H225AC72
2H225AD02
2H225AD06
2H225AD15
2H225AE12P
2H225AE14P
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM25P
2H225AM32P
2H225AM38P
2H225AM66P
2H225AM67P
2H225AM86P
2H225AM92P
2H225AM95P
2H225AN34P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN42P
2H225AN51P
2H225AN56P
2H225AN58P
2H225AN65P
2H225AN82P
2H225AN94P
2H225AN95P
2H225AN96P
2H225AN97P
2H225AN98P
2H225BA01P
2H225BA16P
2H225BA17P
2H225BA32P
2H225BA33P
2H225BA35P
2H225CA17
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】本発明は、優れたパターン形成性(線幅、断面形状、残膜性)を有し、溶剤耐性に優れたパターンを形成できる感光性組成物の提供を目的する。
【解決手段】上記課題は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含む感光性組成物であって、前記着色剤(A)が、下記一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、一般式(2)で表される化合物を含む着色剤(A1)とを含み、
前記重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)を含む、感光性組成物。
一般式(1)
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記着色剤(A)が、下記一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含む着色剤(A1)を含み、
前記重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)を含む、感光性組成物。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1及びR
2は、それぞれ独立してOH、NH
2、又はNHR
5を表し、R
3及びR
4は、それぞれ独立して=O、又は=NR
5を表し、R
5は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。Meは、Ni、Zn、Cu、Al、Fe、Co、及びMnからなる群から選ばれる金属イオンである。)
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、3個のR
6は、それぞれ独立して水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
【請求項2】
前記1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)が、下記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1に記載の感光性組成物。
一般式(3)
【化3】
(一般式(3)中、X
1及びX
2は、それぞれ独立して-CO-、又は単結合を表す。X
3は、単結合、又は硫黄原子を表す。R
1は、炭素数1~20のアルキル基を表し、R
2及びR
3は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。R
4及びR
5は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。2個のR
6は、それぞれ独立して水素原子、又はニトロ基を表す。)
【請求項3】
前記アルカリ可溶性樹脂(B)が、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)、及び重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1)を含む、請求項1に記載の感光性組成物。
【請求項4】
更に、熱硬化性化合物(E)を含む、請求項1に記載の感光性組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性組成物を含む、膜。
【請求項6】
請求項5に記載の膜を有する、カラーフィルタ。
【請求項7】
請求項5に記載の膜を有する、固体撮像素子。
【請求項8】
請求項5に記載の膜を有する、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物、及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置、有機EL表示装置、デジタルカメラ、スマートフォン、赤外線センサ等の普及から、これらに使用されるカラーフィルタの需要が伸びている。カラーフィルタは、通過光を色分解し、それらの色が合成され画像を形成する。そのため、カラーフィルタには、高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上が求められる。
【0003】
特許文献1~4には、着色性能を改良した顔料として、アゾバルビツール酸と、2種類以上の金属イオンと、メラミン化合物とを含む金属顔料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-171912号公報
【特許文献2】特開2017-171913号公報
【特許文献3】特開2017-171914号公報
【特許文献4】特開2017-171915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カラーフィルタは、例えば、以下の工程を経て作製される。感光性組成物を、ガラス等の透明基板に塗布し、乾燥によってこの塗膜から溶剤を除去する工程、この塗膜を、所望するパターン形状を有するフォトマスクを介して紫外線等を照射・硬化(以下、露光という)する工程、次いで、この塗膜の未露光部を現像液で洗浄・除去(以下、現像という)する工程、その後、必要に応じて硬化膜を十分に硬化させるために加熱処理(以下、ポストベークという)する工程により1色目のパターンを得る。そして、これと同様の操作を行うことにより他の色のパターンを形成してカラーフィルタを作製する。そのため、カラーフィルタを形成するための感光性組成物には、パターン形成性(線幅、断面形状、残膜性)が求められる。また、カラーフィルタの上に配向膜やオーバーコート層を形成するために用いられる組成物に含まれる溶剤に対して、耐性が求められる。
【0006】
アゾバルビツール酸と、2種類以上の金属イオンと、メラミン化合物とを含む金属顔料について鋭意検討したところ、この金属アゾ顔料を含む感光性組成物は、パターン形成性、及び溶剤耐性に問題があった。
【0007】
一方、特許文献1~4には、パターン形成性(線幅、断面形状、残膜性)、及び溶剤耐性についての検討はなされていない。
【0008】
本発明は、優れたパターン形成性(線幅、断面形状、残膜性)を有し、溶剤耐性に優れたパターンを形成できる感光性組成物の提供を目的する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記着色剤(A)が、下記一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物を含む着色剤(A1)とを含み、
前記重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)を含む、感光性組成物。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1及びR
2は、それぞれ独立してOH、NH
2、又はNHR
5を表し、R
3及びR
4は、それぞれ独立して=O、又は=NR
5を表し、R
5は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。Meは、Ni、Zn、Cu、Al、Fe、Co、及びMnからなる群から選ばれる金属イオンである。)
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、3個のR
6は、それぞれ独立して水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0010】
上記の本発明によれば、優れたパターン形成性(線幅、断面形状、残膜性)を有し、溶剤耐性に優れたパターンを形成できる感光性組成物を提供できる。また、本発明は、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の感光性組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
【0012】
本発明において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、または「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/またはメタアクリロイル」、「アクリル及び/またはメタアクリル」、「アクリル酸及び/またはメタアクリル酸」、「アクリレート及び/またはメタクリレート」、または「アクリルアミド及び/またはメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値(式量)、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
単量体は、重合により樹脂を形成する化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体が重合後に樹脂を形成している状態である。重合性化合物は、重合により被膜を形成する化合物である。
【0013】
<感光性組成物>
本発明の一実施形態は、感光性組成物に関する。本発明の感光性組成物は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記着色剤(A)が、下記一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを含む着色剤(A1)を含み、
前記重合開始剤(D)が、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)を含むことを特徴とする。
一般式(1)
【化3】
(一般式(1)中、R
1及びR
2は、それぞれ独立してOH、NH
2、又はNHR
5を表し、R
3及びR
4は、それぞれ独立して=O、又は=NR
5を表し、R
5は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。Meは、Ni、Zn、Cu、Al、Fe、Co、及びMnからなる群から選ばれる金属イオンである。)
【0014】
一般式(2)
【化4】
(一般式(2)中、3個のR
6は、それぞれ独立して水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。)
【0015】
上記構成の感光性組成物で、本発明の課題を解決できるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測している。
【0016】
着色剤(A1)の使用で低下するパターン形成性、及び溶剤耐性に対して、分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)は、ラジカル発生能が高く、少量でも高い反応性が得られるため、前記欠点を補うことで現像工程での欠けや剥がれ、未反応物の溶出を抑制し、優れたパターンが形成できると推測する。また、硬化が十分に進むため、溶剤耐性の高い膜が形成されると推測する。
【0017】
以下、一実施形態の感光性組成物に含まれるか、または含まれ得る成分を詳細に説明する。
【0018】
[着色剤(A)]
(着色剤(A1))
本発明の感光性組成物は、着色剤(A)として、下記一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物を含む着色剤(A1)(以下、単に着色剤(A1)ともいう)を含む。なお、少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物とは、相互に金属イオンの種類が異なる金属アゾ化合物を2種類以上含むことを意味する。
【0019】
【0020】
一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立してOH、NH2、又はNHR5を表し、R3及びR4は、それぞれ独立して=O、又は=NR5を表し、R5は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。R5が表すアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれであってもよく、直鎖が好ましい。置換基は、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、及びアミノ基が挙げられる。
【0021】
一般式(1)中、R1及びR2は、OHであることが好ましい。また、R3及びR4は、=Oであることが好ましい。
【0022】
一般式(1)中、Meは、Ni、Zn、Cu、Al、Fe、Co、及びMnからなる群から選ばれる金属イオン(以下、特定金属イオンともいう)である。
【0023】
Meは、Niと、Zn、Cu、Al、Fe、Co、及びMnからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであることが好ましく、Niと、Zn又はCuであることがより好ましく、NiとZnであることが特に好ましい。
【0024】
一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物のモル比は、金属原子のモル比から算出できる。金属アゾ化合物のモル比は、例えば、Niと、Zn又はCuのモル比が、97:3~10:90が好ましく、90:10~10:90がより好ましい。また、Ni、Zn、Cuである金属イオンの合計量が、全金属イオンの1モルに対して、95~100モル%であることが好ましい。
【0025】
少なくとも2種の特定金属イオンを含む態様としては、共通した結晶格子中に少なくとも2種の特定金属イオンが含まれる態様と、別の結晶格子中にそれぞれ1種ずつ含まれる態様が挙げられる。なかでも、共通した結晶格子中に少なくとも2種の特定金属イオンが含まれる態様が好ましい。共通した結晶格子中に少なくとも2種の特定金属イオンが含まれる態様か、別の結晶格子中にそれぞれ1種ずつ含まれる態様かは、例えば、特開2014-12838号公報に記載のX線回折法により判断できる。
【0026】
一般式(1)中のMeは、特定金属イオン以外の金属イオンを含んでもよい。特定金属イオン以外の金属イオンは、例えば、Li、Cs、Mg、Na、K、Ca、Sr、Ba、La、Pr、Nd、Cd、Zr、Ce等が挙げられる。
【0027】
【0028】
一般式(2)中、3個のR6は、それぞれ独立して水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、及び環状であり、直鎖が好ましい。置換基は、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、及びアミノ基が挙げられる。
【0029】
一般式(2)中、R6は、水素原子であることが好ましい。
【0030】
一般式(2)で表される化合物の含有量は、一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物1モルに対して、0.1~4モルが好ましく、0.5~2モルがより好ましい。
【0031】
着色剤(A1)は、一般式(1)で表される金属アゾ化合物、及びその互変異性構造の金属アゾ化合物からなる群から選ばれる少なくとも金属種が異なる2種以上の金属アゾ化合物と、一般式(2)で表される化合物との付加体が形成されていることが好ましい。付加体とは、分子集合体を意味する。これらの分子間の結合は、例えば、分子間相互作用によるものであってもよく、ルイス酸-塩基相互作用によるものであってもよく、配位結合又は鎖結合によるものであってもよい。また、付加体は、ゲスト分子がホスト分子を構成する格子に組み込まれている包接化合物のような構造であってもよい。また、付加体は、複合層間結晶のような構造であってもよい。複合層間結晶とは、少なくとも2つの要素からなる化学的な非化学量論的結晶化合物のことである。また、付加体は、2つの物質が共同結晶を形成し、第一の成分の規則的な格子の位置に第二の成分の原子が位置しているような混合置換結晶であってもよい。
【0032】
着色剤(A1)は、例えば、特開2014-12838号公報、特開2017-171912号公報、特開2017-171913号公報、特開2017-171914号公報、特開2017-171915号公報、特開2022-61494号公報等に記載の顔料が挙げられる。
【0033】
着色剤(A1)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~80質量%が好ましく、5~75質量%がより好ましい。
【0034】
(着色剤(A2))
着色剤(A)は、着色剤(A1)以外の着色剤(以下、単に着色剤(A2)ともいう)を含有できる。
【0035】
着色剤(A2)は、特に制限がなく、公知の顔料、及び染料のいずれでもよく、併用できる。
【0036】
(顔料)
顔料としては、特に限定されず、例えば、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物が挙げることができる。
【0037】
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。
【0038】
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
【0039】
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が挙げられる。
【0040】
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。
【0041】
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。
【0042】
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。
【0043】
黒色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。
【0044】
また、例えば、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等の無機顔料が挙げられる。
【0045】
顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
【0046】
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。樹脂を添加することにより、顔料が樹脂で被覆され、安定性、耐光性等が向上する。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
【0047】
(染料)
染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料は、これらの誘導体、または染料をレーキ化したレーキ顔料も使用できる。
【0048】
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。直接染料は、酸性染料の無機塩、または酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物を形成することが好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
【0049】
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸またはその金属塩と造塩化する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
【0050】
染料は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、およびローダミン系染料、ならびにこれらの金属錯体系染料等が挙げられる。これらの中でも、色相、色分離のし難さ、色むらなどの色特性の観点で、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料がより好ましい。
【0051】
着色剤(A2)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0052】
着色剤(A2)として、緑色を呈する着色剤(A2)を用いた場合、緑色を呈する着色剤(A2)の含有量は、着色剤(A1)100質量部に対して、5~95質量部が好ましい。緑色を呈する着色剤(A2)は、C.I.ピグメントグリーン7,36,58,59,63が好ましい。
【0053】
着色剤(A2)として、赤色を呈する着色剤(A2)を用いた場合、赤色を呈する着色剤(A2)の含有量は、着色剤(A1)100質量部に対して、5~95質量部が好ましい。赤色を呈する着色剤(A2)は、C.I.ピグメントレッド177,254,269,272,291,296が好ましい。
【0054】
着色剤(A)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~80質量%が好ましく、5~75質量%がより好ましい。
【0055】
[アルカリ可溶性樹脂(B)]
本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂(B)を含む。
【0056】
アルカリ可溶性樹脂(B)は、アルカリ現像液に溶解する樹脂であればよく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。
【0057】
アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、3,000~50,000が好ましく、4,000~40,000がより好ましい。
【0058】
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、30~200mgKOH/gが好ましく、40~180mgKOH/gがより好ましい。
【0059】
アルカリ可溶性樹脂(B)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0060】
アルカリ可溶性樹脂(B)は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~90質量%が好ましく、5~80質量%がより好ましい。
【0061】
(アルカリ可溶性樹脂(B1))
アルカリ可溶性樹脂(B)は、残膜性、及び溶剤耐性の観点から、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)、及び重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1)(以下、単にアルカリ可溶性樹脂(B1)ともいう)を含むことが好ましい。疎水性が高く、剛直性な脂環式炭化水素構造は、強靭な膜を形成でき、更に、重合性不飽和基を有することで、露光により樹脂同士が架橋することで、残膜性、及び溶剤耐性が良好な膜が得られると推測する。
【0062】
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、例えば、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体と、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を形成する単量体との共重合体や、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体に、重合性不飽和基を有する化合物を反応させて重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を導入した共重合体や、特開2008-165059号公報に記載の方法で得られた共重合体等が挙げられる。
【0063】
〔脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)〕
脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体は、例えば、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0064】
脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)の含有量は、残膜性、及び溶剤耐性の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~60モル%が好ましく、1~40モル%がより好ましい。
【0065】
〔重合性不飽和基含有単量体単位(b2)〕
アルカリ可溶性樹脂(B1)に、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を含有させる方法は、例えば、以下に示す(i)~(iii)の方法がある。
【0066】
<方法(i)>
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体(変性化合物)を付加する。
【0067】
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0068】
カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0069】
現像性の観点から、エポキシ基含有単量体単位のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させた部位に、酸無水物を反応させた部位も重合性不飽和基含有単量体単位(b2)として好ましい。
【0070】
酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0071】
<方法(ii)>
方法(ii)は、例えば、まず、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のカルボキシル基にエポキシ基含有単量体(変性化合物)を付加する。
【0072】
<方法(iii)>
方法(iii)は、例えば、まず、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体(変性化合物)のイソシアネート基を反応させる。
【0073】
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、またはシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0074】
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0075】
重合性不飽和基含有単量体単位(b2)の含有量は、残膜性、及び溶剤耐性の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、5~80モル%が好ましく、10~80モル%がより好ましい。
【0076】
〔ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b3)〕
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、断面形状の観点から、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b3)を有することがより好ましい。特に好ましくは、ホモポリマーのガラス転移温度が-30℃以下である単量体単位(b3)である。なお、ホモポリマーとは、各単量体の単独重合体のことであり、ガラス転移温度の値は、Brandrup,J.Immergut,E.H.編集「Polymer Handbook,Third edition,John wiley & sons,1989」に示された値を使用する。
【0077】
ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b3)を形成する単量体は、例えば、フェノキシエチルアクリレート(-22℃)、ラウリルアクリレート(-3℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(-50℃)、n-ヘキシルアクリレート(-57℃)、n-ブチルアクリレート(-48℃)、イソブチルアクリレート(-40℃)、エチルアクリレート(-24℃)、ラウリルメタクリレート(-65℃)、n-ヘキシルメタクリレート(-5℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(-10℃)、2-メトキシエチルアクリレート(-50℃)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(-12℃)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(-15℃)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(-60℃)等が挙げられる。これらの中でも、2-エチルヘキシルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレートが好ましい。
【0078】
ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b3)の含有量は、断面形状の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~50モル%が好ましく、5~40モル%がより好ましい。
【0079】
〔その他単量体単位(b4)〕
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、(b1)~(b3)以外の単量体単位(以下、単にその他単量体単位(b4)ともいう)を含有できる。
【0080】
その他単量体単位(b4)を形成する単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート類;
スチレン、α-メチルスチレン、p-ビニルトルエン、p-クロロスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物類;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
マロン酸-2-[[[2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル]オキシ]エチル]アミノ]カルボニル]-1,3-ジエチルエステル)、メタクリル酸2-(3,5-ジエチルピラゾール-1-イル)カルボニルアミノエチル、メタクリル酸2-[O-(1’-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチル等のブロックイソシアネート基含有アクリレート類;
フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン、1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、上述した水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有(メタ)アクリレート類等;
ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(n-プロピル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(イソプロピル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(2-エチルヘキシル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート等が挙げられる。これらの単量体は、単独または2種以上併用して使用できる。
【0081】
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0082】
アルカリ可溶性樹脂(B1)の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量%中、30~100質量%が好ましく、50~100質量%がより好ましい。
【0083】
(アルカリ可溶性樹脂(B2))
本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂(B)として、アルカリ可溶性樹脂(B1)以外のアルカリ可溶性樹脂(B2)(以下、単にアルカリ可溶性樹脂(B2)ともいう)を含有することができる。
【0084】
本発明の感光性組成物は、重合性化合物(C)を含む。
【0085】
重合性化合物(C)は、特に制限がなく、公知の化合物が挙げられる。例えば、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー等が挙げられる。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合のビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。重合性化合物(C)は、例えば、ラクトン変性された重合性化合物(C1)、酸性基を有する重合性化合物(C2)、水酸基を有する重合性化合物(C3)、ウレタン結合を有する重合性化合物(C4)、3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)、デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6)、その他重合性化合物(C7)等が挙げられる。
【0086】
(ラクトン変性された重合性化合物(C1))
重合性化合物(C)は、溶剤耐性の観点から、ラクトン変性された重合性化合物(C1)を含むことが好ましい。
【0087】
ラクトン変性された重合性化合物(C1)は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンもしくはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。ラクトン変性された重合性化合物(C1)は、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0088】
【0089】
一般式(4)中、6個のRは全て下記一般式(5)で表される基、または6個のRのうち1~5個が下記一般式(5)で表される基であり、残りが下記一般式(6)で表される基である。
【0090】
【0091】
一般式(5)中、R1は水素原子、またはメチル基を表し、mは1、または2の整数であり、*は一般式(4)の酸素原子と結合する結合手である。
【0092】
【0093】
一般式(6)中、R1は水素原子、またはメチル基を表し、*は一般式(4)の酸素原子と結合する結合手である。
【0094】
ラクトン変性された重合性化合物(C1)は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCAシリーズとして市販されている。例えば、DPCA-20(一般式(4)~(16)において、m=1、一般式(5)に表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-30(一般式(4)~(6)において、m=1、一般式(5)に表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-60(一般式(4)~(16)において、m=1、一般式(5)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-120(一般式(4)~(6)において、m=2、一般式(5)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
【0095】
ラクトン変性された重合性化合物(C1)は、溶剤耐性の観点から、一般式(4)~(6)において、m=1、一般式(5)に表される基の数=2~6、R1が全て水素原子である化合物が好ましく、一般式(4)~(6)において、m=1、一般式(5)に表される基の数=2または3、R1が全て水素原子である化合物がより好ましい。
【0096】
ラクトン変性された重合性化合物(C1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0097】
ラクトン変性された重合性化合物(C1)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、5~90質量%が好ましく、10~85質量%がより好ましい。
【0098】
(酸性基を有する重合性化合物(C2))
重合性化合物(C)は、パターン形成性の観点から、酸性基を有する重合性化合物(C2)を含むことが好ましい。
【0099】
酸性基を有する重合性化合物(C2)の酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。酸性基を有する重合性化合物(C2)は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。なお、酸性基を有する重合性化合物(C2)は、ウレタン結合を有しない化合物である。
【0100】
上記多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0101】
上記ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸イタコン酸等が挙げられる。
【0102】
上記多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
【0103】
上記モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0104】
酸性基を有する重合性化合物(C2)の市販品は、大阪有機化学工業社製のビスコート#2500P、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521、共栄社化学社製のライトアクリレートHOA-MS(N),HOA-HH(N),HOA-MPE(N),P-1A(N)、ダイセル・オルネクス社製のβ-CEA等が挙げられる。
【0105】
酸性基を有する重合性化合物(C2)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、5~90質量%が好ましく、10~85質量%がより好ましい。
【0106】
(水酸基を有する重合性化合物(C3))
水酸基を有する重合性化合物(C3)は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、エポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0107】
水酸基を有する重合性化合物(C3)の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H,R-167、日油製のブレンマーGLM,GLM-R,GMR-M,GMR-R,GAM,GAM-R,G-FA80、東亞合成社製のアロニックスM-5700,M-920、新中村化学社製のNKエステル701A、共栄社化学社製のライトエステルHOP(N)、HOA(N),HOP-A(N),HOB(N),G-201P、エポキシエステルM-600A,40EM,70PA,200PA,80MFA,3002M(N),3002A(N),3000A、大阪ガスケミカル社製のOGSOL GA-5060P,GA-2800等が挙げられる。
【0108】
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C4))
ウレタン結合を有する重合性化合物(C4)は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0109】
上記水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド(PO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0110】
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0111】
ウレタン結合を有する重合性化合物(C4)は、更に、酸性基を有することもできる。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
【0112】
ウレタン結合を有する重合性化合物(C4)に酸性基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基含有(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
【0113】
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
【0114】
ウレタン結合を有する重合性化合物(C4)の市販品は、例えば、共栄社化学社製のAH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、新中村化学社製のUA-1100H、U-6LPA、UA-33H、U-10HA、U-15HA、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL1290、KRM8452等が挙げられる。
【0115】
(3級アミン構造を有する重合性化合物(C5))
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)は、例えば、トリス(アクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アミンや、(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物等が挙げられる。
【0116】
(メタ)アクリレート化合物(X)は、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジペンエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ、ペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイド変性における、アルキレンオキサイド単位は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート化合物(X)としては、酸性基を有する(メタ)アクリレート化合物も挙げられる。
【0117】
(メタ)アクリレート化合物(X)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0118】
アミン化合物(Y)は、例えば、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、ベンジルアミン、アミノカプロン酸、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール等の1級アミン;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モルフォリン、ピペリジン、1-メチルピペラジン、プロリン、N-メリルエタノールアミン、N-アセチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、3-アニリンフェノール、4-アニリンフェノール等の2級アミン等が挙げられる。
【0119】
アミン化合物(Y)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0120】
(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用できる。例えば、国際公開第2006/075754号、特表2008-545859号公報、特開2017-066347号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0121】
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)は、酸性基又は/及び水酸基を有してもよい。酸性基又は/及び水酸基を導入する方法は、例えば、(メタ)アクリレート化合物(X)やアミン化合物(Y)に、酸性基又は/及び水酸基を有する化合物を使用する方法や、マイケル付加反応後に、酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。
【0122】
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)の市販品は、例えば、東亞合成社製のアロニックスMT-3041,3042等が挙げられる。
【0123】
(デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6))
デンドリマー構造を有する重合性化合物は、コアを構成する化学構造(以下、コア部ともいう)から、その外側へ規則的に分岐を繰り返し、その末端に重合性不飽和基が結合した化学構造を有するものであり、球状の高度に制御された化学構造及び分子量を有している。ハイパーブランチ構造は、デンドリマー構造と類似の化学構造を有する。
【0124】
デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6)の市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#1000LT(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数14)、Miwon Specialty Chemical社製のMiramer SP-1106(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数18)、Miramer SP-1108(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数13)、SARTOMER社製のCN2301(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数9)、CN2302(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、CN2303(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数6)、CN2304(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数18)、Eternal Materials社製のEtercure6361-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数8)、Etercure6362-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数12)、Etercure6363(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、EtercureDR-E522(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数15)等が挙げられる。
【0125】
(その他重合性化合物(C7))
その他重合性化合物(C7)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0126】
その他重合性化合物(C7)の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD NPGDA,PEG400DA,FM-400,HX-200,HX-620,R-551,R-712,R-604,R-684,GPOD-303,TMPTA,T-1420(T),RP-1040,DPEA-12,D-310、東亞合成社製のアロニックスM-101A,M-102,M-111,M-113,M-120,M-140,M-208,M-211B,M-220,M-225,M-270,M-240,M-309,M-310,M-321,M-350,M-360,M-408,M-460,M-930、大阪有機化学工業社製のビスコート#150,#155,#160,#192,#MTG,#200,#196,#195、#230、#260、#310、#700HV、#295、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,EA-0300、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060,6100,6200、新中村化学工業社製のNKエステルA-HD-N,A-NPG,A-200,A-400,APG-200,APG-400,A-DCP,ABE-300,A-BPE-4,A-BPE-10,A-TMPT,A-TMPT-9EO,A-GLY-3E,A-GLY-9E,A-TMMT,ATM-35E,AD-TMP等が挙げられる。
【0127】
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0128】
重合性化合物(C)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。
【0129】
[重合開始剤(D)]
(1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1))
本発明の感光性組成物は、重合開始剤(D)として、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)を含む。
【0130】
1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)は、特に制限がなく、公知の化合物を使用できる。例えば、特開2005-215378号公報、特開2011-105713号公報、特表2017-523465号公報、特開2021-011486号公報等に記載の化合物等が挙げられる。なかでも、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0131】
【0132】
一般式(3)中、X1及びX2は、それぞれ独立して-CO-(カルボニル結合)、又は単結合を表す。X3は、単結合、又は硫黄原子を表す。R1は、炭素数1~20のアルキル基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。R4及びR5は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。2個のR6は、それぞれ独立して水素原子、又はニトロ基を表す。
【0133】
一般式(3)中、X1及びX2は、それぞれ独立して-CO-(カルボニル結合)、又は単結合を表す。なかでも、有機溶剤への溶解性の観点から、X1及びX2の少なくとも1つは-CO-であることが好ましく、2つとも-CO-であることがより好ましい。
【0134】
一般式(3)中、X3は、単結合、又は硫黄原子を表す。なかでも、単結合が好ましい。
【0135】
一般式(3)中、R1は、炭素数1~20のアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、またはこれらの組合せのアルキル基のいずれであってもよく、また、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換されたアルキル基であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
【0136】
一般式(3)中、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環、炭素数6~30のアリール基、または炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、またはこれらの組合せのアルキル基のいずれであってもよく、また、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換されたアルキル基であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基が好ましい。
炭素数2~30の複素環基は、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基は、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。アリール基は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。
炭素数7~30のアリールアルキル基は、例えば、ベンジル基、α-メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。アリールアルキル基は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。
これらの中でも、R2及びR3は、有機溶剤への溶解性の観点から、少なくとも1つは炭素数1~20の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、有機溶剤への溶解性、及び水しみの抑制の観点から、炭素数1~20の直鎖状のアルキル基と炭素数1~20の環状のアルキル基であることがより好ましい。
【0137】
一般式(3)中、R4及びR5は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~30の複素環基、炭素数6~30のアリール基、または炭素数7~30のアリールアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、またはこれらの組合せのアルキル基のいずれであってもよく、また、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換されたアルキル基であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
炭素数2~30の複素環基は、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基は、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。アリール基は、また、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。これらの中でも、反応性の観点から、フェニル基が好ましい。
炭素数7~30のアリールアルキル基は、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。アリールアルキル基は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基等で置換された基であってもよい。
これらの中でも、R4及びR5は、反応性の観点から、メチル基、エチル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基、またはエチル基がより好ましい。
【0138】
一般式(3)中、2個のR6は、それぞれ独立して水素原子、又はニトロ基を表す。なかでも、水素原子が好ましい。
【0139】
一般式(3)で表される化合物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2017-523465号公報、特開2021-011486号公報等に記載の方法を用いることができる。
【0140】
以下、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0141】
【0142】
1分子中にオキシム基を2つ含有する重合開始剤(D1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0143】
1分子中にオキシム基を2つ含有する重合開始剤(D1)の含有量は、重合開始剤(D)100質量%中、30~100質量%が好ましく、40~100質量%がより好ましい。
【0144】
(その他重合開始剤(D2))
重合開始剤(D)は、1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1)以外の重合開始剤(D2)(以下、単にその他重合開始剤(D2)ともいう)を含むことが好ましい。
【0145】
その他重合開始剤(D2)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、光又は熱の作用によってラジカルを発生させて、ラジカル重合反応を開始または促進させる化合物が挙げられる。
光によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に光重合開始剤ともいう)は、紫外線から可視領域の光線に対してラジカルを発生させる化合物が好ましい。
熱によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤ともいう)は、熱及び光の作用によってラジカルを発生させる化合物であってもよい。
【0146】
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシム系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物等が挙げられる。
【0147】
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad907,369E,379EG,127,184,1173,2959、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO、オキシム系化合物として、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919T,NCI-730,NCI-831E,NCI-930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOmnirad1312,1314,1316,サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306,EOX-01等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開第2015/036910号、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報、国際公開第2021/175855号等に記載の化合物も挙げられる。
【0148】
熱重合開始剤は、例えば、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(tert-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-tert-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等のピナコール系化合物;
2,2’-アゾビス(4-メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)2-メチルプロピオンアミド]、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系化合物;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ブタン、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0149】
その他重合開始剤(D2)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0150】
重合開始剤(D)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
【0151】
[熱硬化性化合物(E)]
本発明の感光性組成物は、溶剤耐性の観点から、熱硬化性化合物(E)を含むことが好ましい。これにより、加熱工程で熱硬化性化合物(E)が反応し、架橋密度が高まるため耐性が向上する。
【0152】
熱硬化性化合物(E)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(E)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でも、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。
【0153】
(エポキシ化合物(E1))
エポキシ化合物(E1)は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0154】
エポキシ化合物(E1)の市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、エポリードGT401、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S、DIC社製のEPICLON 830,840,850,860,1050,3050,4050,N-660、N-670,N-740,N-770,N865,HP-7200,HP-4700,HP-4770,HP-5000,HP-6000,HP-9500等が挙げられる。
【0155】
エポキシ化合物(E1)は、分子内に2~50個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、10~30個のエポキシ基を有する化合物がより好ましい。また、エポキシ化合物(E1)は、芳香族環及び/又は脂肪族環を有するエポキシ化合物が好ましく、脂肪族環を有するエポキシ化合物より好ましい。エポキシ基は、単結合又は連結基を介して、芳香族環及び/又は脂肪族環に結合していることが好ましい。連結基は、例えば、アルキル基、アリーレン基、-O-、-NR-(Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を表す)、-SO2-、-CO-、-O-、-S-が挙げられる。脂肪族環を有する構造の場合、エポキシ基は単結合を介して、脂肪族環に結合していることがより好ましい。
【0156】
エポキシ化合物(E1)のエポキシ当量は、50~400g/eqが好ましく、100~200g/eqがより好ましい。なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量で定義される。
【0157】
脂肪族環を有するエポキシ化合物は、例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-エポキシエチルシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
【0158】
脂肪族環を有するエポキシ化合物は、下記一般式(7)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0159】
【0160】
一般式(7)中、Rはm価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表し、mは1~6の整数、nは1~30の整数を表す。
【0161】
Rは、m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表す。
m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基は、炭素数2~20のアルキル基が好ましく、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。炭素数2~20のアルキル基は、例えば、エチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、3,3-ジメチルブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数3~12の分岐のアルキル基がより好ましい。
【0162】
mは1~6の整数、nは1~30の整数を表す。
mが2以上の場合、一般式(7)中のそれぞれのカッコ内の基におけるnは同一でもよく、異なっていてもよい。
【0163】
一般式(7)で表される化合物は、具体的には、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物が挙げられる。市販品としては、ダイセル社製のEHPE-3150、EHPE-3150CE等が挙げられる。
【0164】
エポキシ化合物(E1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0165】
エポキシ化合物(E1)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
【0166】
(オキセタン化合物(E2))
オキセタン化合物(E2)は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0167】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
【0168】
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
【0169】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0170】
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
【0171】
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0172】
オキセタン化合物(E2)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
【0173】
(メラミン化合物(E3))
メラミン化合物(E3)は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物(E3)は、メチロール基を有する化合物が好ましい。
【0174】
市販品は、例えば、三和ケミカル社製のニカラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MS-001,MX-002,MX-730,MX-750,MX-708,MX-706,MX-042,MX-45,MX-500,MX-520,MX-43,MX-417,MX-410、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370等が挙げられる。
【0175】
メラミン化合物(E3)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
【0176】
熱硬化性化合物(E)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0177】
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性組成物は、熱硬化性化合物(E)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0178】
硬化剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0179】
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(E)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
【0180】
[増感剤(F)]
本発明の感光性組成物は、増感剤(F)を含有できる。
【0181】
増感剤(F)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、パターン形成性の観点から、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
【0182】
(チオキサントン系化合物)
チオキサントン系化合物は、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
【0183】
(ベンゾフェノン系化合物)
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0184】
増感剤(F)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0185】
増感剤(F)の含有量は、重合開始剤(D)100質量部に対して、5~200質量部が好ましく、10~150質量部がより好ましい。
【0186】
[色素誘導体(G)]
本発明の感光組成物は、色素誘導体(G)を含有できる。
【0187】
色素誘導体(G)は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体(G)は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
【0188】
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001-220520号公報、国際公開第2009/081930号、国際公開第2011/052617号、国際公開第2012/102399号、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007-226161号公報、国際公開第2016/163351号、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、国際公開第2009/025325号、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基としては、特開2004-307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報等に記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
【0189】
色素誘導体(G)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0190】
色素誘導体(G)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましい。
【0191】
[分散樹脂(H)]
本発明の感光性組成物は、分散樹脂(H)を含有できる。
【0192】
分散樹脂(H)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。分散樹脂(H)は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、およびこれらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
【0193】
分散樹脂(H)の分子構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ブロック構造、またはくし型構造が好ましい。
【0194】
分散樹脂(H)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0195】
分散樹脂(H)の含有量は、分散安定性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0196】
(酸性基を有する分散樹脂(H1))
本発明の感光性組成物は、パターン形成性の観点から、分散樹脂(H)として酸性基を有する分散樹脂(H1)を含むことが好ましい。
【0197】
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
【0198】
酸性基を有する分散樹脂(H1)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸エスエル共重合体、リン酸エステル等が挙げられる。また、特開2007-23195号公報、国際公開第2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2009-251481号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
【0199】
酸性基を有する分散樹脂(H1)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,102,103,106,110,111,118,170,171,174,2096、BYK-P104、BYK-P105、BYK-220S、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,21000,26000,36600,41000,41090,43000,45000,53095等が挙げられる。
【0200】
酸性基を有する分散樹脂(H1)の酸価は、20~250mgKOH/gが好ましく、30~200mgKOH/gがより好ましい。
【0201】
酸性基を有する分散樹脂(H1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0202】
(塩基性基を有する分散樹脂(H2))
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、分散樹脂(H)として塩基性基を有する分散樹脂(H2)を含むことが好ましい。
【0203】
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
【0204】
塩基性基を有する分散樹脂(H2)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、ポリエステルポリアミン、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の共重合体のアミン塩、ポリエチレンイミン化合物等が挙げられる。また、特開2013-119568号公報、特開2018-203795号公報、特開2019-089953号公報、特開2019-089954号公報、国際公開第2020/031634号等に記載の樹脂が挙げられる。
【0205】
塩基性基を有する分散樹脂(H2)の市販品としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-108、109,161,162,164,167,168,182,184,185,2000,2008,2013,2022,2050,2055、2150,2155,2163、BYK-LPN6919,21116、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-9000,13240,13650,13940,17000,18000,24000SC,24000GR,28000,31845,32000,32500,34750,35100,35200,36600,38500、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等が挙げられる。
【0206】
塩基性基を有する分散樹脂(H2)のアミン価は、20~250mgKOH/gが好ましく、30~150mgKOH/gがより好ましい。
【0207】
塩基性基を有する分散樹脂(H2)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0208】
[レベリング剤(I)]
本発明の感光性組成物は、レベリング剤(I)を含有できる。
【0209】
レベリング剤(I)は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0210】
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
【0211】
シリコーン系界面活性剤の市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコーニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0212】
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する化合物が挙げられる。
【0213】
フッ素系界面活性剤の市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
【0214】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
【0215】
ノニオン性界面活性剤の市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0216】
カチオン性界面活性剤は、例えば、アルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0217】
カチオン性界面活性剤の市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0218】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0219】
アニオン性界面活性剤の市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0220】
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0221】
両性界面活性剤の市販品としては、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0222】
レベリング剤(I)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0223】
レベリング剤(I)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。
【0224】
[有機溶剤(J)]
本発明の感光性組成物は、有機溶剤(J)を含有できる。
【0225】
有機溶剤(J)は、特に制限はなく、公知の化合物を使用できる。例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、トルエン、o-クロロトルエン、ベンゼン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
【0226】
本発明の感光性組成物は、環境面の観点から、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン等)である有機溶剤は、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、感光性組成物中、50質量ppm以下が好ましく、30質量ppm以下がより好ましく、10質量ppm以下がさらに好ましい。
【0227】
有機溶剤(J)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0228】
有機溶剤(J)の含有量は、感光性組成物の不揮発分が5~70質量%となる量であることが好ましい。
【0229】
[その他成分(K)]
本発明の感光性組成物は、上記以外の成分(K)(以下、単にその他成分(K)という)を含有できる。その他成分(K)は、例えば、硬化剤、酸発生剤、硬化触媒、連鎖移動剤、重合禁止剤、酸化防止剤、密着向上剤、紫外線吸収剤、及び近赤外線吸収剤等が挙げられる。その他成分(K)の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲において、適宜設定することができる。
【0230】
[水の含有量]
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、感光性組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
【0231】
感光性組成物に含まれる水の含有量は、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。また、水の含有量の下限は、少ないほど好ましく、特に制限はない。
【0232】
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を使用できる。例えば、上述した各成分について十分に乾燥等を行い、成分に含まれる水分量を減らしたもの使用する。また、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。
【0233】
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
【0234】
[感光性組成物の製造方法]
本発明の感光性組成物は、上述の各成分を混合して調整できる。調整に際しては、各成分を一括配合してもよいし、各成分を有機溶剤に溶解や分散した後に逐次配合してもよい。例えば、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、及び有機溶剤(J)等を加えて分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、前記分散体に、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)等を配合し混合することで製造できる。なお、配合する成分及びその配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
【0235】
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等が挙げられる。
【0236】
分散体中の着色剤(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い感光性組成物が得やすい。
【0237】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モード、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0238】
感光性組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
【0239】
<膜>
本発明の膜は、上述した感光性組成物を用いて形成されたものである。膜はパターンを形成した膜が好ましいが、平坦膜として用いることもできる。
【0240】
[膜の製造方法]
膜の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、本発明の感光性組成物を基材上に塗工する工程を経て製造できる。
【0241】
基材は、例えば、ガラス、樹脂、シリコン等の材質で構成された基板が挙げられる。これらの基材上には有機発光層が形成されてもよい。また、基材には、CCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基材上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
【0242】
塗工方法は、公知の方法を使用できる。例えば、滴下法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、インクジェット法、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
【0243】
膜の厚さは、目的に応じて適宜調節できる。膜の厚さは、0.05~20.0μmが好ましく、0.3~10.0μmがより好ましい。
【0244】
次に、パターンを形成する。パターンを形成する方法は、フォトリソグラフィー法やドライエッチング法が挙げられ、フォトリソグラフィー法が好ましい。なお、平坦膜として使用する場合は、パターンを形成する工程を行わなくてよく、塗工後、必要に応じて乾燥や全面を露光する。
【0245】
以下、フォトリソグラフィー法でパターンを形成する方法について詳細に説明する。
【0246】
フォトリソグラフィー法でパターンを形成する場合、基板上に本発明の感光性組成物を塗工して形成した層を、必要に応じてプレベークした後、マスクを介してパターン状に露光(露光工程)し、未露光部分をアルカリ現像により除去(現像工程)後、パターンを加熱処理(ポストベーク工程)する。
【0247】
〔露光工程〕
露光工程は、塗工で形成した層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に用いる活性エネルギー線は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。また、波長300nm以下の光を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)等が挙げられる。
また、露光は、光を連続的に照射して露光してもよく、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光(パルス露光)してもよい。
【0248】
〔現像工程〕
次に、アルカリ現像液で処理を行うことで、未露光部分の層がアルカリ現像液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の膜が得られる。
アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
アルカリ現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
【0249】
〔ポストベーク工程〕
現像後、加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベークにより、膜の耐性が向上する。
温度は、80~300℃が好ましい。また、時間は、2分間~1時間程度が好ましい。基材に耐熱性の低い素材を用いた場合や、発光層として有機エレクトロルミネッセンス素子を有する基材を用いた場合などは、温度は、150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
【0250】
<カラーフィルタ>
本発明の膜は、カラーフィルタに用いることができる。本発明のカラーフィルタは、CCDやCMOS等の固体撮像素子や画像表示装置等に用いることができる。カラーフィルタは、着色剤(A)を適宜選択することで、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、マゼンタ色カラーフィルタ、シアン色カラーフィルタ、イエローカラーフィルタ、グレー色カラーフィルタ、ブラック色カラーフィルタ等を得ることができる。カラーフィルタの製造は、上述の膜と同様の方法で製造できる。
【0251】
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、膜を有する。固体撮像素子の形態は、特に制限されないが、例えば、基材上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、フィルタを有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であってフィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、フィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、フィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素を形成する本発明の膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は、各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。
本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、例えば、デジタルカメラ、撮像機能を有する電子機器(スマートフォン、タブレット端末等)、車載カメラ、監視カメラ、センサ等様々な用途に使用できる。
【0252】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、膜を有する。画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。画像表示装置に用いる形態は、特に制限されないが、カラーフィルタ、ブラックマトリックスとして用いることができる。
画像表示装置に用いる形態は、画像表示装置として機能すればよく、特に制限されない。例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男著、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている構成等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
【実施例0253】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本発明において、不揮発分もしくは不揮発分濃度は、230℃で30分間オーブン静置後の、質量残分をいう。
【0254】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)は、以下の通りである。
【0255】
(樹脂の平均分子量)
樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。平均分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0256】
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0257】
(樹脂のアミン価)
樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
【0258】
<着色剤(A1)の製造>
(着色剤(A1-1))
85℃の蒸留水1,100部中に、ジアゾバルビツール酸46.2部、バルビツール酸38.4部を加えた。次に、水酸化カリウム水溶液を加えpHを約5とした後、90分間撹拌しアゾバルビツール酸前駆体を調整した。
アゾバルビツール酸前駆体0.3モルと82℃の蒸留水1,500部を混合し、30%の塩酸10部を滴下後、メラミン0.6モルを加えた。次に、塩化ニッケル溶液0.195モルと塩化亜鉛溶液0.105モルを混合して滴下し、82℃で3時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5.2に調整し、蒸留水100部を加え90℃まで昇温した。次に、30%の塩酸21部滴下し、12時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5に調整後、濾過により生成物を取り出した。生成物をイオン交換水で洗浄し、濾過した。80℃で乾燥後、粉砕しNiとZnのモル比が65:35である着色剤(A1-1)を得た。
得られた着色剤(A1-1)50部、塩化ナトリウム500部、ジエチレングリコール60部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過及びイオン交換水での洗浄を5回繰り返した後、80℃で一昼夜乾燥させ粉砕することにより微細化した。
【0259】
(着色剤(A1-2))
85℃の蒸留水1,100部中に、ジアゾバルビツール酸46.2部、バルビツール酸38.4部を加えた。次に、水酸化カリウム水溶液を加えpHを約5とした後、90分間撹拌しアゾバルビツール酸前駆体を調整した。
アゾバルビツール酸前駆体0.3モルと82℃の蒸留水1,500部を混合し、30%の塩酸10部を滴下後、メラミン0.3モルを加えた。次に、塩化ニッケル溶液0.195モルと塩化亜鉛溶液0.105モルを混合して滴下し、82℃で3時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5.2に調整し、蒸留水100部を加え90℃まで昇温した。次に、30%の塩酸21部滴下し、12時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5に調整後、濾過により生成物を取り出した。生成物をイオン交換水で洗浄し、濾過した。80℃で乾燥後、粉砕しNiとZnのモル比が65:35である着色剤(A1-2)を得た。
得られた着色剤(A1-2)を、着色剤(A1-1)と同様の方法で微細化した。
【0260】
(着色剤(A1-3))
85℃の蒸留水1,100部中に、ジアゾバルビツール酸46.2部、バルビツール酸38.4部を加えた。次に、水酸化カリウム水溶液を加えpHを約5とした後、90分間撹拌しアゾバルビツール酸前駆体を調整した。
アゾバルビツール酸前駆体0.3モルと82℃の蒸留水1,500部を混合し、30%の塩酸10部を滴下後、メラミン0.6モルを加えた。次に、塩化ニッケル溶液0.21モルと塩化銅溶液0.09モルを混合して滴下し、82℃で3時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5.2に調整し、蒸留水100部を加え90℃まで昇温した。次に、30%の塩酸21部滴下し、12時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5に調整後、濾過により生成物を取り出した。生成物をイオン交換水で洗浄し、濾過した。80℃で乾燥後、粉砕しNiとCuのモル比が70:30である着色剤(A1-3)を得た。
得られた着色剤(A1-3)を、着色剤(A1-1)と同様の方法で微細化した。
【0261】
(着色剤(A1-4))
85℃の蒸留水1,100部中に、ジアゾバルビツール酸46.2部、バルビツール酸38.4部を加えた。次に、水酸化カリウム水溶液を加えpHを約5とした後、90分間撹拌しアゾバルビツール酸前駆体を調整した。
アゾバルビツール酸前駆体0.3モルと82℃の蒸留水1,500部を混合し、30%の塩酸10部を滴下後、メラミン0.6モルを加えた。次に、塩化ニッケル溶液0.195モル、塩化亜鉛溶液0.09モル、及び塩化銅溶液0.015モルを混合して滴下し、82℃で3時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5.2に調整し、蒸留水100部を加え90℃まで昇温した。次に、30%の塩酸21部滴下し、12時間撹拌した。その後、水酸化カリウムを加えpHを約5に調整後、濾過により生成物を取り出した。生成物をイオン交換水で洗浄し、濾過した。80℃で乾燥後、粉砕しNi、Zn及びCuのモル比が65:30:5である着色剤(A1-4)を得た。
得られた着色剤(A1-4)を、着色剤(A1-1)と同様の方法で微細化した。
【0262】
<アルカリ可溶性樹脂(B)の製造>
(アルカリ可溶性樹脂(B1-1))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)262.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管より2-エチルヘキシルアクリレート(以下、2-EHA)49.7部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)99.4部、ジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPMA)6.6部と、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート19.0部、PGMAcの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌し前駆体を得た。その後、フラスコ内を空気に置換し、変性化合物としてアクリル酸(以下、AA)50.4部と、触媒であるトリフェニルホスフィン0.6部及びメチルハイドロキノン0.2部を投入し、110℃で10時間反応させた。これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させた単量体単位(以下、GMA+AA)を得て、重合性不飽和基を導入した。
次いで、変性化合物としてテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)21.3部を加え、110℃で4時間反応させた。これにより、GMA+AAの水酸基の一部とTHPAを反応させた。その後、不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加して、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)、及びホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b3)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1-1)を調製した。アルカリ可溶性樹脂(B1-1)は、酸価38mgKOH/g、重量平均分子量12,000であった。
【0263】
(アルカリ可溶性樹脂(B1-2)~(B1-6))
表1に記載の構成比率になるように配合種、及び量を変え、アルカリ可溶性樹脂(B1-1)と同様の方法で、アルカリ可溶性樹脂(B1-2)~(B1-6)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を20質量%とした。
【0264】
【0265】
表1に記載のMAA+GMAは、前駆体中のメタクリル酸(以下、MAA)のカルボキシル基に、GMAのエポキシ基を付加させた重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を表す。GMA+AA+SHAは、GMA+AAの水酸基の一部と無水コハク酸(以下、SHA)を反応させた重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を表す。
【0266】
(アルカリ可溶性樹脂(B2-1))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート25.1部、n-ブチルメタクリレート23.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート14.3部、メタクリル酸13.4部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)24.1部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応させた。室温まで冷却した後、不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加して、アルカリ可溶性樹脂(B2-1)を調製した。酸価87mgKOH/g、重量平均分子量25,000であった。
【0267】
(アルカリ可溶性樹脂(B2-2)、及び(B2-3))
表2に記載の構成比率になるように配合種、及び量を変え、アルカリ可溶性樹脂(B2-2)、及び(B2-3)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を20質量%とした。
【0268】
【0269】
<分散樹脂(H)の製造>
(酸性基を有する分散樹脂(H1-1))
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分30%となるようPGMAcを加えて酸性基を有する分散樹脂(H1-1)を得た。酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500であった。
【0270】
(酸性基を有する分散樹脂(H1-2))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、1-チオグリセロール108部、ピロメリット酸無水物174部、PGMAc650部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.2部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間反応させた(第一工程)。酸価の測定で95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次に、第一工程で得られた化合物を不揮発分換算で160部、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート200部、エチルアクリレート200部、t-ブチルアクリレート150部、2-メトキシエチルアクリレート200部、メチルアクリレート200部、メタクリル酸50部、PGMAc663部を仕込み、反応容器内を80℃に加熱して、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.2部を添加し、12時間反応した(第二工程)。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。最後に、第二工程で得られた化合物の不揮発分50%のPGMAc希釈溶液を500部、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)27.0部、ヒドロキノン0.1部を仕込み、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認するまで反応を行った(第三工程)。ピーク消失の確認後、反応溶液を冷却して、不揮発分30%となるようPGMAcを加えて酸性基を有する分散樹脂(H1-2)を得た。酸価は68mgKOH/g、不飽和二重結合当量は1,593、重量平均分子量は13,000であった。
【0271】
(塩基性基を有する分散樹脂(H2-1))
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業社製、ファンクリルFA-711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。不揮発分30%となるようPGMAcを加えて、塩基性基を有する分散樹脂(H2-1)を得た。アミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)であった。
【0272】
(塩基性基を有する分散樹脂(H2-2))
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)250質量部及び開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81質量部を、添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm-クロロベンゾエートの1モル/Lアセトニトリル溶液0.5質量部を、シリンジを用いて注入し、親溶剤性を有するブロック用モノマーのメタクリル酸2-ヒドロキシエチル19.7質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル7.5質量部、メタクリル酸n-ブチル12.9質量部、メタクリル酸ベンジル10.7質量部、メタクリル酸メチル30.9質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。反応フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、色材吸着機能ブロック用モノマーであるジメチルアミノプロピルメタクリルアミド18.3質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行った。
続いて、100mL丸底フラスコ中でPGMAc35質量部に、得られたブロック共重合体15.0質量部を溶解させ、塩形成成分であるフェニルホスフィン酸1.1質量部(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに対し、0.5モル等量)加え、反応温度30℃で20時間攪拌した。不揮発分30%となるようPGMAcを加えて、塩基性基を有する分散樹脂(H2-2)を得た。
【0273】
<分散体の製造>
(分散体1)
直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で、3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、以下の組成の分散体1を作製した。有機溶剤(J-1)は、PGMAcである。
着色剤(A1-1) :15.0部
色素誘導体(G-1) :1.0部
酸性基を有する分散樹脂(H1-1) :20.0部
有機溶剤(J-1) :64.0部
【0274】
【0275】
表3に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様に分散体2~13を作製した。
【0276】
【0277】
表3に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
【0278】
[着色剤(A)]
A2-1:ピグメントグリーン36
A2-2:ピグメントグリーン58
A2-3:ピグメントグリーン59
A2-4:ピグメントグリーン63
A2-5:ピグメントレッド254
A2-6:ピグメントレッド291
A2-7:ピグメントレッド177
A2-8:ピグメントイエロー138
A2-9:ピグメントブルー15:3
【0279】
【0280】
<感光性組成物の製造>
[実施例1]
(感光性組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性組成物1を得た。
分散体1 :10.0部
分散体6 :30.0部
アルカリ可溶性樹脂(B1-2) :9.0部
アルカリ可溶性樹脂(B2-1) :3.0部
重合性化合物(C1-1) :4.0部
重合性化合物(C2-1) :1.2部
重合性化合物(C3-1) :0.5部
重合性化合物(C7-1) :0.5部
重合開始剤(D1-1) :0.6部
重合開始剤(D2-1) :0.6部
熱硬化性化合物(E1-1) :0.3部
増感剤(F-1) :0.3部
レベリング剤(I) :1.0部
有機溶剤(J) :39.0部
【0281】
[実施例2~37、比較例1]
(感光性組成物2~38)
実施例1の感光性組成物1を、表4-1~表4-4に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして感光性組成物2~38を作製した。
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
表4-1~表4-4に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
【0287】
[重合性化合物(C)]
(ラクトン変性された重合性化合物(C1))
C1-1:KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)
C1-2:KAYARAD DPCA-20(日本化薬社製)
【0288】
(酸性基を有する重合性化合物(C2))
C2-1:アロニックスM-520(東亞合成社製)
【0289】
(水酸基を有する重合性化合物(C3))
C3-1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
【0290】
(その他重合性化合物(C7))
C7-1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
【0291】
[重合開始剤(D)]
(1分子中にオキシム基を2つ有する重合開始剤(D1))
D1-1:上述した(D1-1)の化合物
D1-4:上述した(D1-4)の化合物
D1-6:上述した(D1-6)の化合物
【0292】
(その他重合開始剤(D2))
D2-1:下記化合物
【化16】
【0293】
D2-2:Omnirad 369(IGM Resins社製)
D2-3:Omnirad 907(IGM Resins社製)
D2-4:IRGACURE OXE01(BASFジャパン社製)
【0294】
[熱硬化性化合物(H)]
(エポキシ化合物(E1))
E1-1:EHPE-3150(ダイセル社製、一般式(7)で表される化合物、エポキシ基数が約15個、エポキシ当量が170~190g/eq)
E1-2:EPICLON N-770(DIC社製、芳香族環を有するエポキシ化合物、エポキシ基数が8個、エポキシ当量が180~200g/eq)
【0295】
[増感剤(F)]
F-1:2,4-ジエチルチオキサントン
【0296】
[レベリング剤(I)]
I-1:BYK-330(ビックケミー社製)
I-2:メガファックF-551(DIC社製)
以上、(I-1)及び(I-2)をそれぞれ1部混合し、PGMAc98部に溶解させた混合溶液をレベリング剤(I)とした。
【0297】
[有機溶剤(J)]
J-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
J-2:シクロヘキサノン 30部
J-3:3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
J-4:プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
J-5:シクロヘキサノールアセテート 10部
J-6:ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(J-1)~(J-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、有機溶剤(J)とした。
【0298】
<感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物1~38(実施例1~37、比較例1)について、線幅、断面形状、残膜率、及び溶剤耐性の評価を下記の方法で行った。評価結果を表5に示す。
【0299】
[線幅]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、25μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。この際、露光量は、現像後に得られるパターンのライン部の幅の50ヵ所の平均値が25μmとなるように調整した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。
得られた基板を、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、50箇所のパターンの線幅を測定し、線幅のバラつき(3σ)を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:線幅のバラつきが、1.0μm未満
4:線幅のバラつきが、1.0μm以上、1.5μm未満
3:線幅のバラつきが、1.5μm以上、3.0μm未満
2:線幅のバラつきが、3.0μm以上、3.5μm未満
1:線幅のバラつきが、3.5μm以上
【0300】
[断面形状]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、100μm幅のストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S-3000H」)を用いて、パターンの断面形状を確認した。評価は、幅100μmのストライプ型パターンの断面のSEM画像を取り込み、基材とパターン断面の端部とのテーパー角度を測定することで断面形状評価を行った。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:テーパー角度30度以上50度未満
4:テーパー角度50度以上60度未満
3:テーパー角度30度以上40度未満、もしくは60度以上70度未満
2:テーパー角度20度以上30度未満、もしくは70度以上90度未満
1:テーパー角度20度未満、もしくは90度以上
【0301】
[残膜率]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、100μm幅のストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像を行い、イオン交換水で洗浄・風乾した塗膜の膜厚を測定した。この膜厚を現像後膜厚とする。スプレー現像は、それぞれの感光性組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
その後、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱し、現像後膜厚を測定した同じ場所の膜厚を測定した。この膜厚をベーク後膜厚とする。2つの膜厚から下記数式により残膜率を算出した。3以上が実用可能である。なお、膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
数式:残膜率(%)=ベーク後膜厚÷現像後膜厚×100
5:残膜率85%以上
4:残膜率80%以上85%未満
3:残膜率75%以上80%未満
2:残膜率70%以上75%未満
1:残膜率70%未満
【0302】
[溶剤耐性]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、100μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を室温に冷却後、23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。得られた基板をクリーンオーブン中230℃で30分間加熱し、評価基板を得た。スプレー現像は、それぞれの感光性組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価基板を、室温で15分間N-メチルピロリドンに浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾して、幅100μmのストライプパターン部分について光学顕微鏡を用いて観察した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:外観、色に変化がない。
4:わずかにシワ等が発生するが、色に変化はない。
3:一部にシワ等が発生するが、色に変化はない。
2:全面にシワ等が発生し、少し退色する。
1:剥がれや退色が発生。
【0303】