(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071047
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】管理装置、管理状態情報の生成方法および管理状態情報を生成するためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/33 20210101AFI20240517BHJP
A61B 5/1455 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61B5/33 300
A61B5/1455
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181773
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】重松 壱
(72)【発明者】
【氏名】小林 勝昭
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
4C127AA02
(57)【要約】
【課題】センサの管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握することが可能な管理装置、管理状態情報の生成方法および管理状態情報を生成するためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】センサ10が被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、センサ10のセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、センサ10の管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する生成部324を備える、管理装置30。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する生成部を備える、管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記センサが前記被検者に装着された時刻である装着開始時刻から現在時刻までの時間のうちの所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つに基づいて、前記管理状態情報を生成する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理状態情報は数値情報である、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記継続時間情報と、前記センサを継続して使用することができる許容時間を示す許容指標と、に基づいて、前記管理状態情報を生成する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記許容指標は、前記センサの種類ごとに設定されている、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記生成部は、複数の被検者ごとの前記センサに関する前記管理状態情報を生成する、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記管理状態情報に基づく表示データを生成可能であり、
前記表示データは、前記管理状態情報が時系列で表示されているデータである、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項8】
前記表示データは、複数のセンサごとに、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つが所定の時間間隔で時系列で表示されているデータである、請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記生成部は、前記管理状態情報として、前記所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つに基づく集計情報を生成する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記管理状態情報として、前記所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の双方に基づく集計情報を生成する、請求項2に記載の管理装置。
【請求項11】
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成するステップを、コンピュータに実行させる、管理状態情報の生成方法。
【請求項12】
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理状態情報の生成方法および管理状態情報を生成するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、センサが生体に連続して装着されている継続時間が所定の基準時間に達したか否かを判別し、継続時間が基準時間に達した場合、その旨を報知するセンサ装着時間報知装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、病院では、電極等のセンサを適切に管理し、使用することが求められている。例えば、被検者に装着した電極から心電図波形を取得する場合、電極外れや同じ電極の長時間の使用といった問題を防ぐために、電極の交換は適宜行われる必要がある。しかし、電極の交換等は、医療従事者が主観的に行っていることも多く、医療従事者ごとにばらつきがある。このため、センサの管理には更なる改良の余地があった。
【0005】
本開示は、センサの管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握することが可能な管理装置、管理状態情報の生成方法および管理状態情報を生成するためのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための一態様に係る管理装置は、
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する生成部を備える。
【0007】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る管理状態情報の生成方法は、
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成するステップを、コンピュータに実行させる。
【0008】
また、上記の目的を達成するための一態様に係るコンピュータプログラムは、
センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する機能をコンピュータに実現させる。
【0009】
上記構成に係る管理装置によれば、生成部は、継続時間情報およびアラート情報の少なくとも一つに基づいて、被検者に装着されるセンサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する。管理状態情報は、継続時間情報およびアラート情報の少なくとも一つに基づく客観的な情報であるので、ユーザは、管理状態情報を用いて、被検者に装着されるセンサの管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握できる。また、上記構成に係る管理状態情報の生成方法およびコンピュータプログラムにおいても、同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、センサの管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握することが可能な管理装置、管理状態情報の生成方法および管理状態情報を生成するためのコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る管理システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、生体情報の取得開始から取得終了までの間に行われる処理のフローチャート図である。
【
図3】
図3は、ユーザが所定の入力操作を行ってから第一表示画像が表示されるまでの間に行われる処理のフローチャート図である。
【
図5】
図5は、ユーザが所定の入力操作を行ってから第二表示画像が表示されるまでの間に行われる処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1を参照しつつ、本実施形態の管理システム1について説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る管理システム1を例示する概略図である。管理システム1は、例えば、病院等の医療施設で用いられる。
図1に例示するように、管理システム1は、センサ10と、送信機20と、管理装置30と、端末装置40と、を備えている。なお、
図1では、説明の都合上、一つのセンサ10と一つの送信機20のみ図示しているが、管理システム1は、複数のセンサ10と、複数の送信機20と、を備えていてもよい。
【0014】
センサ10は、被検者に装着されて生体情報を測定する。なお、本実施形態において、センサ10は、パッシブ方式により生体情報を測定するが、アクティブ方式により生体情報を測定してもよい。なお、パッシブ方式による生体情報の測定では、例えば、センサ10から対象物に対して光や電磁波等の信号を発信することなく、対象物から信号を受信することで生体情報を測定する。アクティブ方式による生体情報の測定では、例えば、センサ10から対象物に信号を発信し、当該対象物で反射または当該対象物を透過した信号を受信することで生体情報を測定する。当該生体情報は、例えば、心電図波形データ、経皮的動脈血酸素飽和度データ等である。センサ10は、例えば、心電図波形データを取得するための電極、経皮的動脈血酸素飽和度データを取得するためのプローブ等である。なお、当該プローブは、例えば、貼付式のプローブ(ディスポーザブルプローブ)やクリップ形態のプローブ(リユーザブルプローブ)である。センサ10は、有線または無線により、送信機20と電気的に接続されている。本実施形態では、センサ10は、ケーブルを介して送信機20と電気的に接続されている。センサ10は、装着部11と、取得部12と、を備えている。
【0015】
装着部11は、センサ10を被検者の生体表面の一部(例えば、被検者の指先、腹部、額等)に装着されるように構成されている。センサ10が電極である場合、装着部11は、粘着ゲルや金属箔が配置された装着面と、剥離シートと、を含む電極パッドである。センサ10がディスポーザブルプローブである場合、装着部11は、センサ10に備わる粘着テープである。センサ10がリユーザブルプローブである場合、装着部11は、センサ10に備わるクリップである。
【0016】
取得部12は、センサ10が装着された被検者から生体情報を取得する。取得部12は、例えば、取得した生体情報を順次、送信機20に送信する。ただし、取得部12は、例えば、送信機20からの要求信号に応じて、取得した生体情報を送信機20に送信してもよい。また、取得部12が取得した生体情報は、送信機20が読取可能なアナログの電気信号としてケーブルを介して送信機20に伝わり、送信機20によって読み取られるように構成されていてもよい。なお、当該生体情報は、接触インピーダンスや吸光度に関する情報を含みうる。
【0017】
送信機20は、例えば、患者の生体情報を測定および表示するための携帯型の医用テレメータ等である。送信機20は、例えば、医療施設に設置された通信ネットワークを介して、生体情報等の各種情報を管理装置30に送信する。送信機20は、受信部21と、制御部22と、出力部23と、を備えている。これらはバス24を介して互いに通信可能に接続されている。
【0018】
受信部21は、センサ10から、生体情報を受信する。受信部21は、センサ10から受信した生体情報を制御部22に送信する。また、受信部21は、例えば、センサ10と送信機20がケーブルを介して電気的に接続されている場合、当該ケーブルが接続された送信機20の接続口の種類に応じてセンサ10の種類を特定し、センサ10の種類情報を生成する。受信部21は、生成したセンサ10の種類情報を制御部22に送信する。
【0019】
制御部22は、ハードウェア構成として、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、例えば、各種コンピュータプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種コンピュータプログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。制御部22は、計測部221と、記憶部222と、を含む。
【0020】
計測部221は、センサ10から生体情報を受信し始めた時刻(装着開始時刻)に基づいて開始時刻情報を生成する。計測部221は、センサ10から最後に生体情報を受信した時刻(装着終了時刻)に基づいて終了時刻情報を生成する。
【0021】
記憶部222は、例えば、計測部221によって生成された開始時刻情報および終了時刻情報等を記憶する。
【0022】
出力部23は、生体情報、センサ10の種類情報、開始時刻情報および終了時刻情報等の各種情報を管理装置30に出力する。
【0023】
管理装置30は、例えば、セントラルモニタやサーバ等である。管理装置30は、例えば、病院等の医療施設等に配置される。管理装置30は、有線または無線により、送信機20および端末装置40と電気的に接続されている。管理装置30は、入出力インターフェース31と、制御部32と、を備えている。これらはバス33を介して互いに通信可能に接続されている。
【0024】
入出力インターフェース31は、送信機20と管理装置30のインターフェースとして機能する。また、入出力インターフェース31は、管理装置30と端末装置40のインターフェースとしても機能する。
【0025】
制御部32は、制御部22と同様のハードウェア構成であってもよい。制御部32は、計算部321と、記憶部322と、判断部323と、生成部324と、を含む。制御部32は、例えば、制御部32のプロセッサがRAMとの協働でコンピュータプログラムを実行することで、生成部324の処理を実現するようこれらを制御する。
【0026】
計算部321は、送信機20から受信した開始時刻情報および終了時刻情報に基づいて、センサ10の継続使用時間を計算し、当該継続使用時間を示す継続時間情報を生成する。計算部321は、継続時間情報を記憶部322に送信する。
【0027】
記憶部322には、送信機20がセンサ10から正常に生体情報を受信できているかどうか判断するための基準情報が記憶されている。基準情報は、例えば、センサ10が電極である場合、接触インピーダンスに関する適正数値情報であり、センサ10がプローブである場合、吸光度に関する適正数値情報である。記憶部322には、センサ10を継続して使用することができる許容時間を示す許容指標が記憶されている。なお、当該許容指標はセンサ10の種類ごとに設定されている。本実施形態において、電極に係る許容指標は24時間であり、ディスポーザブルプローブに係る許容指標は8時間であり、リユーザブルプローブに係る許容指標は4時間である。記憶部322は、センサ10が装着されている被検者に関する被検者情報を記憶している。被検者情報は、例えば、被検者が使用しているベッド名、被検者名、被検者ID、被検者に装着されているセンサ10の種類および被検者に装着されているセンサ10に接続されている送信機20の送信機ID等である。記憶部322は、開始時刻情報、終了時刻情報および継続時間情報等を記憶する。
【0028】
判断部323は、例えば、接触インピーダンスや吸光度に関する情報と、基準情報と、に基づいて、センサ10についてセンサ外れが生じているかどうか判断する。なお、センサ外れとは、センサ10が被検者の生体表面から外れていることをいい、例えば、電極外れやプローブ外れである。判断部323は、センサ10についてセンサ外れが生じていると判断すると、センサ10のセンサ外れに関するアラート情報を生成する。判断部323は、アラート情報を記憶部322に送信する。判断部323は、送信機20から継続的に生体情報を受信しているかどうかについて判断することができる。判断部323は、継続時間情報および許容指標に基づいて、センサ10が許容時間を超えて継続して使用されているかどうかについて判断することができる。判断部323は、センサ10が許容時間を超えて継続して使用されていると判断した場合、センサ10が許容時間を超えて継続して使用され始めた時刻である超過時刻を示すフラグ情報を生成する。判断部323は、フラグ情報を記憶部322に送信する。
【0029】
生成部324は、継続時間情報およびアラート情報の少なくとも一つに基づいて、センサ10の管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する。なお、継続時間情報または継続時間情報およびアラート情報に基づいて管理状態情報が生成される場合、生成部324は、継続時間情報および許容指標に基づいて、管理状態情報を生成してもよい。この場合、生成部324は、継続使用時間を許容指標で除した値を算出する。管理状態情報は、例えば、継続使用時間、アラート回数、継続使用時間を許容指標で除した値等の数値に関する数値情報である。ただし、管理状態情報は、数値情報に限られず、文字情報等であってもよい。
【0030】
生成部324は、管理状態情報として、装着開始時刻から現在時刻までの時間のうちの所定時間における、継続時間情報およびアラート情報の少なくとも一つに基づく集計情報を生成することができる。なお、集計情報は、管理状態情報の一態様である。集計情報とは、例えば、当該所定時間における継続時間情報やアラート情報に対して統計処理を行うことで得られる情報であり、具体的には、継続使用時間やアラート回数の最大値、最小値、平均値、継続使用時間の累積値、アラート回数の合計値等である。
【0031】
生成部324は、管理状態情報に基づいて、表示データを生成する。表示データとしては、例えば、当該管理状態情報を画面上で表示するための画像データ等である。なお、生成部324は、後述する端末装置40から送信される要求信号に応じて、管理状態情報および表示データを生成してもよいし、所定の間隔で自動的に管理状態情報および表示データを生成してもよい。生成部324は、生成した表示データを端末装置40に送信する。
【0032】
端末装置40は、医療従事者、管理装置30の製造業者や販売業者等のユーザによって操作される装置であって、例えば、医療機関の医療機器の管理を行う端末装置、製造業者や販売業者の社内に設置された端末装置である。端末装置40は、例えば、デスクトップタイプのPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器である。端末装置40は、入出力インターフェース41と、操作部42と、表示部43と、を備えている。これらはバス44を介して互いに通信可能に接続されている。
【0033】
入出力インターフェース41は、管理装置30と端末装置40のインターフェースとして機能する。
【0034】
操作部42は、端末装置40を操作するユーザの入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する要求信号を生成するように構成されている。操作部42は、例えば、表示部43上に重ねて配置されたタッチパネル、端末装置40の筐体に取り付けられた操作ボタン等である。操作部42は、表示部43に所望の画像を表示させるための入力操作等を受け付けて、当該入力操作に対応する要求信号を生成する。生成された要求信号は、入出力インターフェース41を介して管理装置30に送信される。
【0035】
表示部43は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイ等である。表示部43は、例えば、管理装置30から受信した表示データに基づく画像を表示するように構成されている。
【0036】
次に、
図2を参照しつつ、生体情報の取得開始から取得終了までの間に行われる処理について説明する。
図2は、生体情報の取得開始から取得終了までの間に行われる処理のフローチャート図である。
【0037】
図2に例示するように、センサ10の取得部12は、センサ10が装着された被検者から生体情報を取得する(STEP01)。当該生体情報は、例えば、接触インピーダンスや吸光度に関する情報を含む。
【0038】
送信機20の受信部21は、センサ10から、生体情報を受信する(STEP02)。受信部21は、センサ10と送信機20を繋ぐケーブルが接続されている送信機20側の接続口の種類に基づいて、センサ10の種類を特定し、センサ10の種類情報を生成する(STEP03)。
【0039】
出力部23は、生体情報、センサ10の種類情報、開始時刻情報および終了時刻情報等の各種情報を管理装置30に出力する(STEP04)。出力部23は、これらの情報を時間的に連続して管理装置30に出力する。ただし、出力部23は、これらの情報を所定の時間間隔で断続的に管理装置30に出力してもよい。
【0040】
管理装置30は、開始時刻情報に対応する装着開始時刻を記憶部322に記憶させる(STEP05)。
【0041】
判断部323は、継続時間情報および許容指標に基づいて、センサ10が許容時間を超えて継続して使用されており、かつフラグ情報が未生成かどうか判断する(STEP06)。判断部323は、センサ10が許容時間を超えて継続して使用されており、かつフラグ情報は未生成であると判断すると(STEP06においてYES)、フラグ情報を生成し(STEP07)、その後にSTEP08の処理を実行する。一方で、判断部323は、センサ10が許容時間を超えて継続して使用されていない、またはフラグ情報が既に生成されていると判断すると(STEP06においてNO)、STEP08の処理を実行する。
【0042】
判断部323は、接触インピーダンスや吸光度に関する情報と、基準情報と、に基づいて、センサ10についてセンサ外れが生じているかどうか判断する(STEP08)。判断部323は、センサ10についてセンサ外れが生じていると判断すると(STEP08においてYES)、センサ10のセンサ外れに関するアラート情報を生成し(STEP09)、STEP06の処理を再度実行する。一方で、判断部323は、センサ10についてセンサ外れが生じていないと判断すると(STEP08においてNO)、STEP10の処理を実行する。
【0043】
判断部323は、生体情報の受信が継続しているどうかを判断する(STEP10)。判断部323は、生体情報の受信が継続していると判断すると(STEP10においてYES)、STEP06の処理を再び行う。一方で、判断部323が、生体情報の受信が継続していないと判断すると(STEP10においてNO)、管理装置30は、終了時刻情報に対応する装着終了時刻を記憶部322に記憶させる(STEP11)。なお、生体情報の受信が継続していない場合とは、例えば、被検者に装着中のセンサ10から新しいセンサ10に交換するために、被検者に装着中のセンサ10を外した場合である。また、被検者に新しいセンサ10を装着させると、管理装置30は、取り外したセンサ10に関する装着終了時刻を記憶部322に記憶させた後に、被検者に新たに装着されたセンサ10について、再びSTEP01からSTEP11を実行する。
【0044】
(第一実施例)
次に、
図3および
図4を参照しつつ、管理状態情報の生成方法および当該管理状態情報に基づく第一表示画面が表示されるまでの間に行われる処理について説明する。
図3は、ユーザが所定の入力操作を行ってから第一表示画像が表示されるまでの間に行われる処理のフローチャート図である。
図4は、第一表示画面を例示する図である。なお、本実施例では、同じ病室(101号室)にいる4名の被検者(被検者A、被検者B、被検者Cおよび被検者D)に装着された各センサ10に関する管理状態情報を表示させる例を用いて説明する。なお、被検者Aには電極が、被検者Bにはディスポーザブルプローブが、被検者Cおよび被検者Dにはリユーサブルプローブが装着されているものとする。また、現在時刻は2022年8月4日0:00であるものとする。なお、各被検者に各センサが取り付けられた時刻は、2022年8月2日0:00であるものとする。また、各被検者には、2022年8月2日0:00から現在時刻まで、電極またはプローブが装着され続けられていたものとする。なお、ユーザの入力操作は、現在時刻(2022年8月4日0:00)に行われるものとする。また、ユーザの入力操作は、
図2で例示する処理が実行された後に行われるものとする。
【0045】
ユーザは、端末装置40の操作部42に対して、所定の入力操作を行う(STEP21)。操作部42は、ユーザによる入力操作に基づき、要求信号を生成し、当該要求信号を管理装置30に送信する(STEP22)。なお、本実施例では、ユーザは、2022年8月2日0:00から現在時刻までの被検者Aに装着された電極に関する管理状態情報と、2022年8月2日0:00から2022年8月3日0:00までの被検者B、被検者Cおよび被検者Dに装着された各プローブに関する管理状態情報と、を端末装置40の表示部43に表示させるための入力操作を行ったものとする。
【0046】
管理装置30の生成部324は、端末装置40から受信した要求信号に応じて、管理状態情報を生成する(STEP23)。生成部324は、継続時間情報およびアラート情報に基づいて、管理状態情報を生成する。
【0047】
生成部324は、生成した管理状態情報に基づく表示データを生成する(STEP24)。生成部324は、生成した表示データを端末装置40に送信する(STEP25)。
【0048】
端末装置40が表示データを受信すると、端末装置40の表示部43には、当該表示データに基づく第一表示画面が表示される(STEP26)。本実施例において、表示部43に表示される第一表示画面は
図4に例示する表示画面である。
【0049】
図4に例示するように、第一表示画面には、被検者情報(本実施例においては、ベッド名、被検者名、被検者ID、センサ10の種類および送信機ID)が表示されている。第一表示画面には、フラグ情報が表示されている。第一表示画面には、管理状態情報として、複数のセンサ10ごとに、継続時間情報およびアラート情報が1時間間隔で時系列で表示されている。なお、以下で、被検者ごとに、第一表示画面の詳細について説明する。
【0050】
被検者Aについて見ると、第一表示画面の領域R1には、被検者Aに係る被検者情報が表示されている。
【0051】
次に、第一表示画面の領域R2および領域R3について説明する。被検者Aに電極が装着された日時は2022年8月2日0:00であるので、送信機20が被検者Aに装着された当該電極から心電図波形データを受信し始めた時刻(装着開始時刻)は2022年8月2日0:00である。2022年8月2日0:00から同日1:00の時間帯において、被検者Aには電極が装着され続けられていた。このため、領域R2には、同時間帯において、被検者Aに電極が1時間装着され続けていたことを示す「1:00」の文字が表示されている。なお、当該「1:00」の文字は、継続時間情報に基づいている。また、当該装着開始時刻から電極に係る許容指標である24時間を経過した2022年8月2日23:00から2022年8月3日0:00の箇所(
図4における領域R3)には、「連続使用フラグ」という文字が表示されている。なお、当該「連続使用フラグ」の文字は、フラグ情報に基づいている。
【0052】
次に、第一表示画面の領域R4から領域R7について説明する。被検者Aには、装着開始時刻から現在時刻まで、電極が装着され続けていたので、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの当該電極の継続使用時間が表示される領域R4には「24時間」という文字が表示されている。また、装着開始時刻から現在時刻までの当該電極の継続使用時間が表示される領域R5には「48時間」という文字が表示されている。なお、当該「24時間」の文字および「48時間」の文字は、継続時間情報に基づいている。さらに、領域R6には、領域R4に表示されている継続使用時間(24時間)を電極に係る許容指標(24時間)で除した値である「1」という数字が表示されている。領域R7には、領域R5に表示されている継続使用時間(48時間)を電極に係る許容指標(24時間)で除した値である「2」という数字が表示されている。なお、当該「1」という数字および「2」という数字は、継続時間情報および許容指標に基づいている。
【0053】
領域R8は、2022年8月2日0:00から同日1:00までに発生した被検者Aに装着された電極に関する電極外れの回数を示す。
図4に例示するように、同時間帯において発生した電極外れの回数は3回である。また、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までに発生した電極外れの回数の合計は領域R9に、装着開始時刻から現在時刻までに発生した電極外れの回数の合計は領域R10に、それぞれ表示されている。なお、当該電極外れの回数およびその合計は、アラート情報に基づいている。
【0054】
次に、被検者Bについて見ると、第一表示画面の領域R11には、被検者Bに係る被検者情報が表示されている。なお、被検者Bに関する表示データは、2022年8月2日0:00から2022年8月3日0:00までの被検者Bに装着されたディスポーザブルプローブに関する管理状態情報に基づいている。このため、被検者Bに関し、2022年8月3日0:00から現在時刻までの管理状態情報は、
図4に例示する第一表示画面において、表示されていない。
【0055】
次に、第一表示画面の領域R12および領域R13について説明する。被検者Bにディスポーザブルプローブが装着された日時は2022年8月2日0:00であるので、送信機20が被検者Bに装着された当該ディスポーザブルプローブから経皮的動脈血酸素飽和度データを受信し始めた時刻(装着開始時刻)は2022年8月2日0:00である。2022年8月2日0:00から同日1:00の時間帯において、被検者Bにはディスポーザブルプローブが装着され続けられていた。このため、領域R12には、同時間帯において、被検者Bにディスポーザブルプローブが1時間装着され続けていたことを示す「1:00」の文字が表示されている。なお、当該「1:00」の文字は、継続時間情報に基づいている。また、当該装着開始時刻からディスポーザブルプローブに係る許容指標である8時間を経過した2022年8月2日7:00から2022年8月2日8:00の箇所(
図4における領域R13)には、「連続使用フラグ」という文字が表示されている。なお、当該「連続使用フラグ」の文字は、フラグ情報に基づいている。
【0056】
次に、第一表示画面の領域R14および領域R15について説明する。被検者Bには、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの間、ディスポーザブルプローブが装着され続けていたので、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの当該ディスポーザブルプローブの継続使用時間が表示される領域R14には「24時間」という文字が表示されている。なお、当該「24時間」の文字は、継続時間情報に基づいている。さらに、領域R15には、領域R14に表示されている継続使用時間(24時間)をディスポーザブルプローブに係る許容指標(8時間)で除した値である「3」という数字が表示されている。なお、当該「3」という数字は、継続時間情報および許容指標に基づいている。
【0057】
領域R16は、2022年8月2日0:00から同日1:00までに発生した被検者Bに装着されたディスポーザブルプローブに関するプローブ外れの回数を示す。
図4に例示するように、同時間帯において発生したプローブ外れの回数は1回である。また、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までに発生したプローブ外れの回数の合計は領域R17に表示されている。なお、当該プローブ外れの回数およびその合計は、アラート情報に基づいている。
【0058】
次に、被検者Cについて見ると、第一表示画面の領域R21には、被検者Cに係る被検者情報が表示されている。なお、被検者Cに関する表示データは、2022年8月2日0:00から2022年8月3日0:00までの被検者Cに装着されたリユーサブルプローブに関する管理状態情報に基づいている。このため、被検者Cに関し、2022年8月3日0:00から現在時刻までの管理状態情報は、
図4に例示する第一表示画面において、表示されていない。
【0059】
次に、第一表示画面の領域R22および領域R23について説明する。被検者Cにリユーサブルプローブが装着された日時は2022年8月2日0:00であるので、送信機20が被検者Cに装着された当該リユーサブルプローブから経皮的動脈血酸素飽和度データを受信し始めた時刻(装着開始時刻)は2022年8月2日0:00である。2022年8月2日0:00から同日1:00の時間帯において、被検者Cにはリユーサブルプローブが装着され続けられていた。このため、領域R22には、同時間帯において、被検者Cにリユーサブルプローブが1時間装着され続けていたことを示す「1:00」の文字が表示されている。なお、当該「1:00」の文字は、継続時間情報に基づいている。また、当該装着開始時刻からリユーサブルプローブに係る許容指標である4時間を経過した2022年8月2日3:00から2022年8月2日4:00の箇所(
図4における領域R23)には、「連続使用フラグ」という文字が表示されている。なお、当該「連続使用フラグ」の文字は、フラグ情報に基づいている。
【0060】
次に、第一表示画面の領域R24および領域R25について説明する。被検者Cには、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの間、リユーサブルプローブが装着され続けていたので、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの当該リユーサブルプローブの継続使用時間が表示される領域R24には「24時間」という文字が表示されている。なお、当該「24時間」の文字は、継続時間情報に基づいている。さらに、領域R25には、領域R24に表示されている継続使用時間(24時間)をリユーサブルプローブに係る許容指標(4時間)で除した値である「6」という数字が表示されている。なお、当該「6」という数字は、継続時間情報および許容指標に基づいている。
【0061】
領域R26は、2022年8月2日0:00から同日1:00までに発生した被検者Cに装着されたリユーサブルプローブに関するプローブ外れの回数を示す。
図4に例示するように、同時間帯において発生したプローブ外れの回数は2回である。また、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までに発生したプローブ外れの回数の合計は領域R27に表示されている。なお、当該プローブ外れの回数およびその合計は、アラート情報に基づいている。
【0062】
次に、被検者Dについて見ると、第一表示画面の領域R31には、被検者Dに係る被検者情報が表示されている。なお、被検者Dに関する表示データは、2022年8月2日0:00から2022年8月3日0:00までの被検者Dに装着されたリユーサブルプローブに関する管理状態情報に基づいている。このため、被検者Dに関し、2022年8月3日0:00から現在時刻までの管理状態情報は、
図4に例示する第一表示画面において、表示されていない。
【0063】
次に、第一表示画面の領域R32および領域R33について説明する。被検者Dにリユーサブルプローブが装着された日時は2022年8月2日0:00であるので、送信機20が被検者Dに装着された当該リユーサブルプローブから経皮的動脈血酸素飽和度データを受信し始めた時刻(装着開始時刻)は2022年8月2日0:00である。2022年8月2日0:00から同日1:00の時間帯において、被検者Dにはリユーサブルプローブが装着され続けられていた。このため、領域R32には、同時間帯において、被検者Dにリユーサブルプローブが1時間装着され続けていたことを示す「1:00」の文字が表示されている。なお、当該「1:00」の文字は、継続時間情報に基づいている。また、当該装着開始時刻からリユーサブルプローブに係る許容指標である4時間を経過した2022年8月2日3:00から2022年8月2日4:00の箇所(
図4における領域R33)には、「連続使用フラグ」という文字が表示されている。なお、当該「連続使用フラグ」の文字は、フラグ情報に基づいている。
【0064】
次に、第一表示画面の領域R34および領域R35について説明する。被検者Dには、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの間、リユーサブルプローブが装着され続けていたので、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの当該リユーサブルプローブの継続使用時間が表示される領域R34には「24時間」という文字が表示されている。なお、当該「24時間」の文字は、継続時間情報に基づいている。さらに、領域R35には、領域R34に表示されている継続使用時間(24時間)から許容指標(4時間)を減算した値である「20」という数字が表示されている。なお、当該「20」という数字は、許容される継続使用時間から超過した時間を示している。つまり、当該「20」という数字は、2022年8月3日0:00において、超過時刻から20時間を経過したことを示している。なお、当該「20」という数字は、継続時間情報および許容指標に基づいている。
【0065】
領域R36は、2022年8月2日0:00から同日1:00までに発生した被検者Dに装着されたリユーサブルプローブに関するプローブ外れの回数を示す。
図4に例示するように、同時間帯において発生したプローブ外れの回数は2回である。また、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までに発生したプローブ外れの回数の合計は領域R37に表示されている。なお、当該プローブ外れの回数およびその合計は、アラート情報に基づいている。
【0066】
ところで、病院では、電極やプローブ等を適切に管理し、使用することが求められている。例えば、被検者に装着した電極から心電図波形を取得する場合、電極外れや同じ電極の長時間の使用といった問題を防ぐために、電極の交換は適宜行われる必要がある。しかし、電極の交換等は、医療従事者が主観的に行っていることも多く、医療従事者ごとにばらつきがある。そのため、センサの管理には更なる改良の余地があった。
【0067】
上記構成に係る管理装置30によれば、生成部324は、継続時間情報およびアラート情報に基づいて、被検者に装着されるセンサ10の管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する。管理状態情報は、継続時間情報およびアラート情報に基づく客観的な情報であるので、ユーザは、管理状態情報を用いて、被検者に装着されるセンサ10の管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握できる。また、上記構成に係る管理状態情報の生成方法およびコンピュータプログラムによっても、同様の効果を奏することができる。
【0068】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、管理状態情報は数値情報であるので、ユーザは、管理状態情報を用いて、センサの管理が適切に行われていたかどうかを定量的に把握することができる。
【0069】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、管理状態情報は、装着開始時刻から現在時刻までの時間のうちの所定時間における、継続時間情報およびアラート情報に基づいて、生成される。したがって、管理装置30によれば、ユーザは確認したい時間におけるセンサの管理状態を容易に把握することができる。
【0070】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、管理状態情報は、継続時間情報と、センサ10を継続して使用することができる許容時間を示す許容指標と、に基づいて、生成される。つまり、管理状態情報は、客観的な指標に基づいて生成されるので、ユーザは、管理状態情報を用いて、センサ10の管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握することができる。
【0071】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、許容指標はセンサ10の種類ごとに設定されているので、管理状態情報は、センサ10の種類に応じたセンサの管理状態を適切に示す情報である。したがって、管理装置30によれば、センサ10の種類まで考慮して、センサ10の管理が適切に行われていたかどうかを客観的に把握することができる。
【0072】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、生成部324は、複数の被検者ごとのセンサ10に関する管理状態情報を生成する。したがって、ユーザは、例えば、複数の被検者がいる病室において、センサ10が適切に管理されていたかどうかを把握したいとき、このような管理状態情報を利用することで、病室におけるセンサの管理状態を客観的に把握することができる。
【0073】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、生成部324は、管理状態情報が時系列で表示されている表示データを生成可能である。ユーザは、このような表示データを利用することで、センサ10の経時的な管理状態の変化を視覚的に把握することができる。
【0074】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、表示データは、複数のセンサ10ごとに、継続時間情報およびアラート情報が1時間間隔で時系列で表示されているデータである。ユーザは、このような表示データを用いることで、センサ10ごとに所定の時間間隔で管理状態情報を一覧的に視認することができる。
【0075】
(第二実施例)
次に、
図5および
図6を参照しつつ、集計情報(管理状態情報の一態様)の生成方法および当該集計情報に基づく第二表示画面が表示されるまでの間に行われる処理について説明する。
図5は、ユーザが所定の入力操作を行ってから第二表示画像が表示されるまでの間に行われる処理のフローチャート図である。
図6は、第二表示画面を例示する図である。なお、本実施例において、第一実施例と説明が重複する部分については適宜説明を省略する。本実施例では、2021年8月5日から2022年8月4日までの一年間におけるA病院とB病院における各センサ10の管理状態を示す第二表示画面が端末装置40の表示部43に表示される。なお、本実施例では、送信機20がA病院とB病院の被検者に装着されたセンサ10から生体情報を受信し始めた時刻(装着開始時刻)は2021年8月5日であり、現在時刻は2022年8月4日0:00であるものとする。また、ユーザの入力操作は、現在時刻に行われたものとする。さらに、ユーザの入力操作は、A病院およびB病院にいる被検者に対して
図2で例示する処理が実行された後に行われるものとする。
【0076】
STEP31は、STEP21と同様である。ただし、本実施例において、ユーザは、2021年8月5日から2022年8月4日までの集計情報を端末装置40の表示部43に表示させるための入力操作を行ったものとする。
【0077】
STEP32は、STEP22と同様である。
【0078】
管理装置30の生成部324は、端末装置40から受信した要求信号に応じて、管理状態情報として、2021年8月5日から2022年8月4日までの継続時間情報およびアラート情報に基づく集計情報を生成する(STEP33)。
【0079】
生成部324は、生成した集計情報に基づく表示データを生成する(STEP34)。
【0080】
STEP35は、STEP25と同様である。
【0081】
端末装置40が管理装置30の生成部324から表示データを受信すると、端末装置40の表示部43には、当該表示データに基づく第二表示画面が表示される(STEP36)。なお、本実施例において、表示部43に表示される第二表示画面は
図6に例示する表示画面である。
【0082】
図6に例示するように、第二表示画面の領域R50には、A病院に関する集計情報が表示されている。具体的には、センサ10の種類ごとに、2021年8月5日から2022年8月4日までにおけるアラート回数の合計回数、一日あたりの平均アラート回数、最大継続使用時間、許容指標を超えた日数および許容指標を超えた一ヶ月あたりの平均日数が領域R50に表示されている。例えば、A病院において、2021年8月5日から2022年8月4日までに発生した電極に係るアラート回数は合計で33215回であり、電極に係る一日あたりの平均アラート回数は91回である。また、A病院において、2021年8月5日から2022年8月4日までに発生した電極に係る最大継続使用時間は51時間であり、許容指標を超えた日数は180日、許容指標を超えた一ヶ月あたりの平均日数は15日である。ディスポーザブルプローブおよびリユーサブルプローブに係るアラート回数等についても電極と同様に、領域R50に表示されている。
【0083】
第二表示画面の領域R60には、B病院に関する集計情報が表示されている。具体的には、センサ10の種類ごとに、2021年8月5日から2022年8月4日までにおけるアラート回数の合計回数、一日あたりの平均アラート回数、最大継続使用時間、許容指標を超えた日数および許容指標を超えた一ヶ月あたりの平均日数が領域R60に表示されている。例えば、B病院において、2021年8月5日から2022年8月4日までに発生した電極に係るアラート回数は合計で3650回であり、電極に係る一日あたりの平均アラート回数は10回である。また、B病院において、2021年8月5日から2022年8月4日までに発生した電極に係る最大継続使用時間は29時間であり、許容指標を超えた日数は36日、許容指標を超えた一ヶ月あたりの平均日数は3日である。ディスポーザブルプローブおよびリユーサブルプローブに係るアラート回数等についても電極と同様に、領域R60に表示されている。
【0084】
図6に例示するように、第二表示画面には、A病院およびB病院におけるセンサ10の管理状態の概要がセンサ10ごとに表示される。また、本実施例では、B病院におけるセンサ10の管理状態は、A病院におけるセンサ10の管理状態と比べて良好であることが、第二表示画面から読み取れる。このため、ユーザは、第二表示画面を視認することで、A病院およびB病院におけるセンサ10の管理状態に係る概要の把握と、A病院およびB病院におけるセンサ10の管理状態の比較と、を行うことができる。
【0085】
第二実施例においても、上記構成に係る管理装置30によれば、第一実施例と同様の効果を奏することができる。
【0086】
また、上記構成に係る管理装置30によれば、生成部324は、管理状態情報として、所定時間における、継続時間情報およびアラート情報に基づく集計情報を生成する。ユーザは、このような集計情報を用いることで、確認したい時間(期間)におけるセンサ10の管理状態の概要を容易に把握することができる。
【0087】
なお、本実施形態においては、コンピュータ可読媒体が利用されうる。コンピュータ可読媒体は、プロセッサが読み取ることのできる情報やデータを記憶しうる、あらゆるタイプの物理メモリ(RAM、ROM等)を指す。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによる実行処理に関する命令を記憶しうる。なお、「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の品目を包含し、かつ搬送波や一時的な信号は除外する(すなわち、非一時的なものを指す)。非一時的コンピュータ可読媒体とは、例えば、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM)である。
【0088】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0089】
上記の実施形態において、センサ10は、
図1において破線で示すように、センサ情報記憶部13をさらに備えていてもよい。センサ情報記憶部13は、センサ情報記憶手段として機能し、センサ10の種類を記憶する。センサ情報記憶部13は、センサ10の種類に関する種類情報を抵抗またはメモリ(ROM)等の記憶素子に記憶している。記憶素子は、例えば、センサ10と送信機20を接続するケーブルのセンサ側のコネクタに埋め込まれている。センサ10が、センサ情報記憶部13を備えている場合、送信機20の受信部21は、センサ情報記憶部13からセンサ10の種類情報を受信し、当該種類情報を制御部22に送信する。
【0090】
センサ10の種類を特定する手段は、上記の実施形態に限られない。例えば、管理装置30の判断部323が、センサ10と送信機20を繋ぐケーブルが接続されている送信機20側の接続口に関する情報を送信機20から受信し、当該情報に基づいて、センサ10の種類を特定し、センサ10の種類情報を生成してもよい。
【0091】
継続時間情報を生成する手段は、上記の実施形態に限られない。例えば、送信機20の計測部221が、開始時刻情報および終了時刻情報に基づいて、センサ10の継続使用時間を計算し、当該継続使用時間を示す継続時間情報を生成してもよい。
【0092】
上記の実施形態において、被検者には複数のセンサ10が装着されていてもよい。例えば、上記の第一実施例において、被検者Aには電極が装着されているが、電極およびディスポーザブルプローブが被検者Aに装着されていてもよい。
【0093】
上記の実施形態において、生成部324は、継続時間情報およびアラート情報の双方に基づいて管理状態情報を生成するが、継続時間情報またはアラート情報に基づいて、管理状態情報を生成してもよい。
【0094】
上記の第一実施例において、第一表示画面には、管理状態情報として、複数のセンサ10ごとに、継続時間情報およびアラート情報が1時間間隔で時系列で表示されているが、当該時間間隔は1時間に限られず、任意に定められうる。
【0095】
上記の第一実施例において、第一表示画面の領域R1、領域R11、領域R21および領域R31には、各被検者の係るベッド名、被検者名、被検者ID、センサ10の種類および送信機IDが表示されているが、本開示はこれに限られない。第一表示画面の領域R1、領域R11、領域R21および領域R31には、これらの情報(ベッド名、ベッドID、被検者名、被検者ID、センサ10の種類および送信機ID)の一部のみが表示されてもよいし、これらの情報に加えて他の情報が表示されてもよい。
【0096】
上記の第一実施例において、生成部324は、装着開始時刻から現在時刻までの被検者Aに装着された電極に関する管理状態情報と、装着開始時刻から2022年8月3日0:00までの被検者B、被検者Cおよび被検者Dに装着された各プローブに関する管理状態情報と、を生成しているが、本開示はこれに限られない。生成部324は、例えば、超過時刻から現在時刻までの被検者Aに装着された電極に関する管理状態情報と、超過時刻から2022年8月3日0:00までの被検者B、被検者Cおよび被検者Dに装着された各プローブに関する管理状態情報と、を生成してもよい。
【0097】
上記の第一実施例において、第一表示画面には、例えば、アラート回数が所定回数以上の箇所や許容指標を超えた継続使用時間が表示されている領域R4,R5,R14,R24,R34に、着色やハッチング等が施されてもよい。この場合、ユーザは、第一表示画面を視認することで、管理状態が良好ではないセンサ10が存在することを容易に把握することができる。
【0098】
上記の第二実施例において、第二表示画面には、A病院およびB病院に関する集計情報が表示されているが、一つの病院(例えば、A病院)に関する集計情報のみが表示されてもよいし、三つ以上の病院に関する集計情報が表示されてもよい。
【0099】
上記の第二実施例において、第二表示画面には、A病院およびB病院に関する集計情報が表示されているが、各病院に関する集計情報ではなく、各病室に関する集計情報が表示されてもよいし、各医療従事者に関する集計情報が表示されてもよい。
【0100】
上記の第二実施例において、第二表示画面には、センサ10ごとに集計情報が表示されているが、集計情報はセンサ10ごとに表示されなくてもよい。
【0101】
上記の第二実施例において、生成部324は、一年間におけるA病院とB病院における各センサ10の管理状態を示す集計情報を生成しているが、集計情報を生成する期間は一ヶ月間や二年間等、任意に定められうる。
【0102】
上記の第二実施例において、第二表示画面には、例えば、合計アラート回数が所定回数以上であるとき、合計アラート回数の箇所に着色やハッチング等が施されてもよい。この場合、ユーザは、第二表示画面を視認することで、管理状態が良好ではないセンサ10が存在することを容易に把握することができる。
【0103】
上記の実施形態において、管理システム1は、センサ10と、送信機20と、管理装置30と、端末装置40と、を備えているが、送信機20の代わりに、例えば、ベッドサイドモニタを備えていてもよい。この場合、ベッドサイドモニタが送信機20の機能を発揮する。また、管理システム1が、送信機20の代わりに、ベッドサイドモニタを備えている場合、ベッドサイドモニタが管理状態情報や集計情報を生成してもよい。この場合、ベッドサイドモニタは管理装置の一例であり、管理装置30の制御部32と同様の制御部を備えている。なお、この場合、管理システム1は、管理装置30を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。ベッドサイドモニタは、生成した管理状態情報や集計情報を直接または管理装置30を介して端末装置40に送信してもよいし、ベッドサイドモニタに備わる表示部に第一表示画面または第二表示画面を表示させてもよい。
【0104】
上記の実施形態において、管理状態情報や集計情報は管理装置30によって生成されているが、例えば、端末装置40によって生成されてもよい。この場合、端末装置40は、管理装置30の制御部32と同様の制御部を備えている。また、この場合、端末装置40は管理装置の一例である。
【0105】
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する生成部を備える、管理装置。
(2)前記生成部は、前記センサが前記被検者に装着された時刻である装着開始時刻から現在時刻までの時間のうちの所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つに基づいて、前記管理状態情報を生成する、(1)に記載の管理装置。
(3)前記管理状態情報は数値情報である、(1)または(2)に記載の管理装置。
(4)前記生成部は、前記継続時間情報と、前記センサを継続して使用することができる許容時間を示す許容指標と、に基づいて、前記管理状態情報を生成する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の管理装置。
(5)前記許容指標は、前記センサの種類ごとに設定されている、(4)に記載の管理装置。
(6)前記生成部は、複数の被検者ごとの前記センサに関する前記管理状態情報を生成する、(1)から(5)のいずれか一つに記載の管理装置。
(7)前記生成部は、前記管理状態情報に基づく表示データを生成可能であり、
前記表示データは、前記管理状態情報が時系列で表示されているデータである、(1)から(6)のいずれか一つに記載の管理装置。
(8)前記表示データは、複数のセンサごとに、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つが所定の時間間隔で時系列で表示されているデータである、(7)に記載の管理装置。
(9)前記生成部は、前記管理状態情報として、前記所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の少なくとも一つに基づく集計情報を生成する、(2)に記載の管理装置。
(10)前記生成部は、前記管理状態情報として、前記所定時間における、前記継続時間情報および前記アラート情報の双方に基づく集計情報を生成する、(2)に記載の管理装置。
(11)センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成するステップを、コンピュータに実行させる、管理状態情報の生成方法。
(12)センサが被検者に装着され続けている時間である継続使用時間に基づく継続時間情報と、前記センサのセンサ外れに関するアラート情報と、の少なくとも一つに基づいて、前記センサの管理が適切に行われていたかどうかを示す管理状態情報を生成する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0106】
1:管理システム、10:センサ、11:装着部、12:取得部、13:センサ情報記憶部、20:送信機、21:受信部、22,32:制御部、23:出力部、24,33,44:バス、30:管理装置、31,41:入出力インターフェース、40:端末装置、42:操作部、43:表示部、221:計測部、222,322:記憶部、321:計算部、323:判断部、324:生成部