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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071058
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】LEDディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20240517BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240517BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240517BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 349D
G09F9/30 349A
H01L33/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181792
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木部 英敏
(72)【発明者】
【氏名】坂尾 賢治
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094BA25
5C094DA13
5C094EB02
5C094ED03
5C094ED11
5C094ED13
5C094FA03
5C094FB12
5F142CB14
5F142CB23
5F142CE03
5F142CE06
5F142CE16
5F142DA13
5F142DA36
5F142DA73
5F142DB02
5F142GA01
(57)【要約】
【課題】形成した金属膜にクラックやピンホールが発生することの少ない隔壁基板を備えるLEDディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】LED素子22の配列により画素の配列が形成されたLED基板20と、透明基板11に格子状に隔壁12が形成された隔壁基板10と、を有し、LED基板と隔壁基板は、LED素子と隔壁が対向する向きに、前記隔壁がLED素子それぞれの間を仕切る様に配置され、隔壁は、樹脂からなる隔壁本体12Aの表面に金属膜を含む薄膜からなる光反射層12Bが形成され、隔壁の頂部に、光反射層が形成されていない抜き部14がある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDディスプレイ装置であって、
LED素子の配列により画素の配列が形成されたLED基板と、
透明基板に格子状に隔壁が形成された隔壁基板と、を有し、
前記LED基板と前記隔壁基板は、前記LED素子と前記隔壁が対向する向きに、前記隔壁が前記LED素子それぞれの間を仕切る様に配置され、
前記隔壁は、樹脂からなる隔壁本体の表面に金属膜を含む薄膜からなる光反射層が形成され、
前記隔壁の頂部に、前記光反射層が形成されていない抜き部があることを特徴とするLEDディスプレイ装置。
【請求項2】
前記隔壁が、前記光反射層を覆うように積層された透明保護層を有することを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項3】
前記隔壁が、前記透明基板に対して順テーパー形状となる様に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項4】
前記LED素子が、青色LED素子であることを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項5】
前記隔壁と前記透明基板と前記LED素子で囲まれたそれぞれの領域に、光の散乱層を有することを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項6】
前記隔壁と前記透明基板と前記LED素子で囲まれたそれぞれの領域に、光の波長変換層を有することを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項7】
前記薄膜が、導電性酸化物薄膜、金属膜、導電性酸化物薄膜が順次積層された3層構成であることを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【請求項8】
前記金属膜が、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金のいずれかからなるものであることを特徴とする請求項1に記載のLEDディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDディスプレイ装置に関し、特にピクセル間に形成される隔壁の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フルカラーディスプレイ装置として、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置などが実用化され、市販されている。そのような中、新たなディスプレイ装置としてLED(Light Emmision Diode)素子を光源として、複数配置したLEDディスプレイ装置が提案され、注目されている。LEDディスプレイ装置は、LEDを光源としており、その輝度や点灯/消灯の制御が容易なことから、液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置よりも優れた表示性能が実現できるものとされている。
【0003】
LEDディスプレイ装置はLED素子の点灯/消灯制御方法によりマイクロLEDディスプレイとミニLEDディスプレイとに分類されている。ミニLEDディスプレイは、従来の液晶ディスプレイなどに見られるバックライト照明を用いる表示装置である。ミニLEDディスプレイのバックライト照明は、画面を複数に分割したエリアごとにLED素子を点灯/消灯すること(マイクロディミング方式)を特徴としている。それ以外の部分では従来の液晶ディスプレイ装置と類似する点が多い。
【0004】
一方、マイクロLEDディスプレイは、画素単位に割り当て配置されたLED素子の点灯/消灯することを特徴としている、いわゆる、自発光型のディスプレイである。LED素子を画素に相当する位置に配置しているので、画面の大型化に対応しやすく、画素単位に発光制御できるので4K、8Kといったより高精細な画像表示に適している。
【0005】
このLEDディスプレイにおいて、RGBカラーを発光させるための方式として青色LEDと色変換層を用いた方式が提案されている。この方式では、青色LEDを光源素子としており、まず、青色画素では、光源光の光量を減光調整する散乱材料を充填した層を通すことで青色光が得ている。また、赤色画素、緑色画素では、蛍光体や量子ドットを充填した変換層に、青色LEDから発せられる青色光を透過させることで赤色光、緑色光をそれぞれ得ている。これら三色の光を制御することでフルカラー表現を可能としている。
【0006】
しかし、色変換蛍光体を含む色発光部には、厚みがあるため、表示するための光が広がりやすく、隣接する画素の光と混じるいわゆる光漏れが起きることで、コントラストの低下や混色が発生するという問題があった。
【0007】
そして隣接画素への光漏れを抑制するためには、画素間に遮光性の隔壁を配置して光の広がりを抑制することが有効であると考えられることから、様々な提案がなされている(例えば特許文献1)。
【0008】
一方で、隔壁を高くすると、LEDから発せられる光が隔壁に当たり、反射する際に、反射率に基づく減光があるため、これが繰り返されると、隔壁の領域を通過できた光の量、いわゆる光の取出し効率が低下するという問題があった。特に画素サイズが小さくなる4K、8Kといった高精細表示では画素の面積が小さくなるので、画面が暗く見えるという問題があった。その対策として出願人は、特許文献2において、図7の模式図に示した様に、隔壁本体は透明な樹脂などとして、その表面を、反射率の高い金属膜を形成することで、隔壁による光の吸収を抑え、かつ、光の透過、漏れを防ぐ隔壁を提案した。
【0009】
しかしながら出願人は、さらなる検討を加えたところ、樹脂の隔壁本体の表面に金属反射層を形成して高い隔壁を形成した場合、以下の様な2点の事象の発生が懸念されることを見出した。
1点目は、高い隔壁を透明な樹脂で形成するため、樹脂の体積が大きくなる。そのためLEDを点灯した際の熱により樹脂から発生するガスの影響で、金属膜にクラックやピンホール(欠損)が発生することがある。特に金属膜が薄くなりやすい角部や裾部で発生し易い。
2点目は、上記の熱による応力や貼り合わせ時の応力等により、クラックが発生することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2018-182282号公報
【特許文献2】特開2021-173926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、隔壁に形成した金属膜にクラックやピンホールが発生することの少ない隔壁基板を備えるLEDディスプレイ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、
LEDディスプレイ装置であって、
LED素子の配列により画素の配列が形成されたLED基板と、
透明基板に格子状に隔壁が形成された隔壁基板と、を有し、
前記LED基板と前記隔壁基板は、前記LED素子と前記隔壁が対向する向きに、前記隔壁が前記LED素子それぞれの間を仕切る様に配置され、
前記隔壁は、樹脂からなる隔壁本体の表面に金属膜を含む薄膜からなる光反射層が形成され、
前記隔壁の頂部に、前記光反射層が形成されていない抜き部があることを特徴とするLEDディスプレイ装置である。
【0013】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記隔壁が、前記光反射層を覆うように積層された透明保護層を有していて良い。
【0014】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記隔壁が、前記透明基板に対して順テーパー形状となる様に形成されていて良い。
【0015】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記LED素子が、青色LED素子であって良い。
【0016】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記隔壁と前記透明基板と前記LED素子で囲まれたそれぞれの領域に、光の散乱層を有していて良い。
【0017】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記隔壁と前記透明基板と前記LED素子で囲まれたそれぞれの領域に、光の波長変換層を有していて良い。
【0018】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記薄膜が、導電性酸化物薄膜、金属膜、導電性酸化物薄膜が順次積層された3層構成であって良い。
【0019】
上記LEDディスプレイ装置において、
前記金属膜が、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金のいずれかからなるものであって良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、より輝度の高いLED発光素子が使えるようになるので、コントラストが高く、色再現性の高いLEDディスプレイ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明のLEDディスプレイ装置の一形態の部分断面模式図である。
図2図1のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の部分断面模式図である。
図3】本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁部分の拡大図である。
図4】本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁を平面視した図である。
図5】本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の第二形態の部分断面模式図である。
図6】本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の第三形態の部分断面模式図である。
図7】従来のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の一例の部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下に示す実施形態では、発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
【0023】
図1は、本発明のLEDディスプレイ装置(以下、「本装置」と記すことがある)の一形態の部分断面模式図である。本発明のLEDディスプレイ装置1は、基板21上に、図示しない薄膜トランジスタ(TFT)により駆動されるLED発光素子22が一定のピッチで2次元のマトリクス状に配列されたLED基板20と、透明基板11上に、透明基板11の法線方向から見る平面視において隔壁12が格子状となる様に形成された隔壁基板10とを有し、LED発光素子22と隔壁12が対向する向きに組み合わされ当接されている。隔壁12は、LED発光素子22それぞれの間に位置する様に組み合わされ、従ってそれぞれのLED発光素子22は、隔壁12に取り囲まれたような態様の画素を形成する。
【0024】
上記の各画素には、それぞれ光の散乱層または光の波長変換層(合わせて光調整層と記すことがある。)13R、13G、13Bが形成されている。光の散乱層または光の波長変換層は、LED発光素子22から発光される光が、光の3原色である赤、緑、青の3色となる様に調整するために設けられる。図1において、光調整層13Rは赤色光を発光するための光調整層、光調整層13Gは緑色光を発光するための光調整層、光調整層13Bは青色光を発光するための光調整層として例示しているが、光調整層の色、色数、その組み合わせはこれに限定されない。
【0025】
光調整層は、例えば、LED発光素子22を赤色LED、緑色LED、青色LEDの3種で構成して、LED素子自体から赤、緑、青の光がそれぞれ発光される構成とすると、光調整層13R、13G、13Bはそれぞれの光の散乱層とすることができる。また、L
ED発光素子22を青色LEDのみで構成することもでき、その場合は光調整層13Bを光の散乱層とし、光調整層13Rは青色光を赤色光に波長変換する光の波長変換層、光調整層13Gは青色光を緑色光に波長変換する光の波長変換層とすることができる。
【0026】
光の散乱層としては、光散乱粒子としての透明樹脂粒子や金属酸化物粒子を透明樹脂中に分散したものを用いることができる。光の散乱層には、例えば、平均粒径が0.03μm以上5.0μm以下の大きさの光散乱粒子を用いることが好ましい。
【0027】
光の波長変換層としては、量子ドットや公知の蛍光色素から適宜選択して用いることができ、これらを併用しても良い。蛍光色素は、耐熱性などに優れる無機蛍光体を採用すると好ましい。波長変換層に適用する無機蛍光体粒子の粒形は、1.0μm以上10.0μm以下の範囲内であると波長変換効率や塗膜中の分散性が良い。波長変換層の厚さは無機蛍光体や量子ドット材料が光源から発せられる励起光を十分に吸収し、変換することが求められ、その厚さは例えば2μmから200μmの範囲内とすることができる。
【0028】
基板21および透明基板11としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板、プラスチック基板などを用いることができる。
【0029】
図2は、図1のLEDディスプレイ装置1の隔壁基板10の部分の詳細を示した図である。隔壁12は、樹脂からなる隔壁本体12Aの表面を、金属膜を含む薄膜(以下、単に「薄膜」と記すこともある)からなる光反射層12Bが覆うように形成されている。LED発光素子22の光が光反射層12Bで反射することで、遮光と同様の効果が得られ、コントラストの低下や隣接画素へ光漏れがないので、隔壁本体12Aには必ずしも遮光性を持たせる必要がない。
【0030】
隔壁本体12Aは、例えば感光性樹脂を透明基板11上にコーティングし、パターニング露光し、現像することで形成できるが、これに限定されるものではない。
【0031】
隔壁12の頂部、すなわちLED基板20に当接する部位には、薄膜が形成されていない抜き部14が形成されている。
【0032】
LED素子22を点灯したとき、発生する熱の影響で隔壁本体12Aの樹脂から微量のガスが放出されることがある。抜き部14が設けられていない場合、隔壁本体12Aの表面が、ガスが透過しない金属膜を含む薄膜で覆われた態様であるために、ガスが逃げることができず、隔壁本体12Aと薄膜の界面に達したガスが薄膜に膨れやクラック、ピンホールなどを生じさせてしまうことがある。膨れやクラック、ピンホールなどが生じると、光の反射が不規則になり、光洩れの原因となることがあり、またLEDディスプレイ装置の耐久性に影響が出ることがある。抜き部14を設けることでガスが抜き部14から抜けることができ、この様な事象の発生を抑制することができる。
【0033】
抜き部14を設ける位置は、隔壁本体12Aの側面側とすると、光調整層の蛍光体との接触や、LED素子22の光が入射してしまうなどの影響があるため、頂部に設けるのが好ましい。
【0034】
隔壁12には、信頼性を向上させるために、図3(a)に示す様に透明樹脂層12Cをさらに積層して形成してもよい。抜き部14も覆う形となるが、樹脂層であるため、ガスが透過することができるので支障は少ない。
【0035】
隔壁12の高さは、隔壁内に波長変換層を充填する場合には波長変換層の厚みと同じかもしくは波長変換層の厚みよりも厚いことが求められ、例えば2μmから200μmの範
囲内とすることができる。なお、隔壁の高さは、200μm以上の高さとしても良いが、カーテンコーターやスリットコーターなど一般的な塗布装置を用いて隔壁を形成する場合、乾燥後の膜厚で厚みのある塗膜での形成はむずかしいので、200μmを上限とすることが適切である。
【0036】
金属膜を含む薄膜で形成される光反射層12Bは、金属膜単体の膜でも良く、反射率の高い銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金の薄膜が好適に適用できる。ただし、銀薄膜あるいは銀合金薄膜は、ガラス基板や樹脂に対する密着力が弱いので、図3(b)に示す様に、銀薄膜あるいは銀合金薄膜121Bを導電性酸化物薄膜121Aで挟持する3層構成とすることにより、密着力向上が図れる。
【0037】
導電性酸化物としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化ガリウムなどの複合酸化物が例示できる。これら金属酸化物の組み合わせ、組成により導電性や酸に対する溶解度などを調整できる。銀、また銅などにおいても、これら導電性酸化物で挟持する3層構成とすることで、ガラス基板などへの密着力の向上が改善される。
【0038】
抜き部14の形状は、特に限定するものではないが、例えば図4(a)に示す様に、格子状の隔壁12の頂部に、溝状に連続して設けることができる。あるいは、図4(b)に示す様に、不連続なスポット状の抜き部14としても良い。
【0039】
光反射層12Bとなる金属膜を含む薄膜の形成には、例えば金属層スパッタとパターンエッチンングを組合せた工程が例示できるが、これに限定されるものではない。
【0040】
図5は、本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の第二形態の部分断面模式図である。本実施形態の隔壁基板10Bでは、隔壁12が透明基板11に対して順テーパー形状に形成されている。すなわち、側壁部分が透明基板に対してなす内側の角度が90°よりも小さい鋭角となっている。順テーパー形状とすると、隔壁を形成し易く、LED基板20に対しては逆テーパー状となり、光反射層12Bでの反射光が隣接画素により漏洩しにくくなる。
【0041】
図6は、本発明のLEDディスプレイ装置の隔壁基板の第三形態の部分断面模式図である。本実施形態の隔壁基板10Cでは、透明基板10に、隔壁12の基部を覆うようにブラックマトリクス15が設けられている。ブラックマトリクス15を設けることで、LED素子からの光が本装置の表面側、すなわち本装置を使用者が目視する側で隣接画素に漏れるのをより効果的に防ぐことができる。
【0042】
上述の実施形態に係るLEDディスプレイ装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカードなどの電子デバイス等が挙げられる。上記の各実施形態は、自由に組み合わせて用いることができる。本発明の実施形態に係る表示装置が搭載された電子デバイスには、さらにアンテナを搭載して通信や非接触での受電給電を行うことが望ましい。
【0043】
本発明のLEDディスプレイ装置は、ミニLEDディスプレイとマイクロLEDディスプレイのいずれにおいても適用が可能であるが、特に光反射層の欠陥の影響が出やすい高精細のマイクロLEDディスプレイに採用すると効果が大きい。そして遮光性に優れ、パターン形状が良好な隔壁を形成出来、薄膜のクラック発生を抑制することができるため、
輝度とコントラストが高く、隣接画素間における光の混色を抑制可能なLEDディスプレイ装置ができる。
【符号の説明】
【0044】
1・・・LEDディスプレイ装置
10、10B、10C・・・隔壁基板
11・・・透明基板
12・・・隔壁
12A・・・隔壁本体
12B・・・光反射層
12C・・・透明樹脂層
13R、13G、13B・・・光の散乱層または光の波長変換層(光調整層)
14・・・抜き部
15・・・ブラックマトリクス
20・・・LED基板
21・・・基板
22・・・LED素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7