(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071059
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】自立性包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20240517BHJP
B65D 33/02 20060101ALI20240517BHJP
B65D 30/02 20060101ALI20240517BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240517BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65D30/16 C
B65D33/02
B65D30/02
B65D65/40 D
B32B27/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181793
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】永井 暁
(72)【発明者】
【氏名】小野 靖方
【テーマコード(参考)】
3E064
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA29
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA07
3E064EA30
3E064FA04
3E064GA04
3E064HM01
3E064HN05
3E064HN65
3E064HS04
3E086AA23
3E086AD01
3E086BA13
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BB01
3E086BB41
3E086BB51
3E086BB62
3E086BB63
3E086BB71
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA11
3E086CA35
4F100AK01A
4F100AK03B
4F100AT00A
4F100CB03B
4F100GB16
4F100JK07B
4F100JK10
4F100JL12B
(57)【要約】
【課題】モノマテリアル化された自立性包装袋において、外観面での変更をすることなく、あるいは補強のための別部材や過剰な材料構成を必要とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包装袋の提供。
【解決手段】一対の本体部と底テープとを備え、基材層及び前記シーラントが同系の樹脂材料からなり、本体部の底辺から前記山折り部までの距離Lに対する前記底シール部の最小幅aの比a/Lが、0.15以上0.50以下であり、底シール部と未シール部の境界線を底シール線と定義したとき、前記山折り部と前記底シール線とが交差する点における、前記山折り部と前記底シール線とのなす角度αが、20°以上45°以下であり、本体部に用いられるシーラントの弾性率をA、底テープに用いられるシーラントの弾性率をBとしたとき、B<800MPa かつ A≧B である、自立性包装袋。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層及びシーラント層をそれぞれ含む一対の本体部と、基材層及びシーラント層を含み且つ山折り部を有する底テープと、をヒートシールして形成されている自立性包装袋であって、
前記一対の本体部同士を、当該自立性包装袋の縦方向に接着している一対のサイドシール部と、
前記一対の本体部と前記底テープとを、当該自立性包装袋の横方向にそれぞれ接着している底シール部と、を備え、
前記基材層及び前記シーラントが同系の樹脂材料からなり、
前記本体部の底辺から前記山折り部までの距離Lに対する前記底シール部の最小幅aの比a/Lが、0.15以上0.50以下であり、
前記底シール部と未シール部の境界線を底シール線と定義したとき、前記山折り部と前記底シール線とが交差する点における、前記山折り部と前記底シール線とのなす角度αが、20°以上45°以下であり、
前記本体部に用いられるシーラントの弾性率をA、底テープに用いられるシーラントの弾性率をBとしたとき、
B<800MPa かつ A≧B である、自立性包装袋。
【請求項2】
前記なす角度αが、25°以上30°未満である、請求項1に記載の自立性包装袋。
【請求項3】
前記なす角度αが、40°以上45°以下である、請求項1に記載の自立性包装袋。
【請求項4】
前記本体部に用いられるシーラントの弾性率をA、底テープに用いられるシーラントの弾性率をBとしたとき、少なくとも
弾性率B≦600MPa である、請求項1に記載の自立性包装袋。
【請求項5】
下記不等式(1)で表される条件を満たす、請求項1に記載の自立性包装袋。
0.4≦W/2L≦0.8・・・(1)
(式中、当該自立性包装袋の開き幅をWで示し、前記本体部の底辺から前記山折り部までの距離を底部高さLで示す)。
【請求項6】
前記底テープの両サイドに切り欠き部がそれぞれ設けられることで、
前記一対の本体部同士が前記切り欠き部を通じて接着している接合部を更に備え、
前記本体部の底辺から前記山折り部までの間にあり、
前記本体部の側辺からの距離がその鉛直方向に10mmとなるまでの領域R1の面積S1に対する、
前記接合部の面積S2の比S2/S1が、0.35以上0.60以下である、請求項1に記載の自立性包装袋。
【請求項7】
前記一対の本体部及び前記底テープが、ガスバリア層を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の自立性包装袋。
【請求項8】
80℃以上の加熱処理を施す用途に用いられる、請求項7に記載の自立性包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムを基材とする包装袋に係るものである。特に本体部は表側本体部、及び後ろ側本体部からなり、本体部の下部には拡張可能な底材を配置した自立性包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装材料の一種である包装袋は、プラスチックフィルムを基材とするフィルム単体、またはプラスチックフィルムを基材とした積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、現代の人々の生活にとって不可欠なものとなっている。
【0003】
すなわち積層体を構成するプラスチックフィルム、あるいはプラスチック材料などを、包装袋の用途によって適宜選択することによって、要求品質に応じたきめ細かな材料設計が可能となる。
【0004】
包装袋は、例えばプラスチックフィルムの有する優れた耐水性から、液体容器としても用いられ、飲料の容器をはじめとしてレトルト食品などの食品分野でも広く用いられているほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。そのほかにも、液体容器を中心に様々な用途展開がなされている。
【0005】
包装袋の利点は、缶や瓶などの容器に比べて、価格が安いことや、要求品質によってそれに応じた材料設計で対応できる点、あるいは内容物充填前、及び流通や保管においても軽量で省スペースであることが挙げられる。また包装袋は、廃棄物を減らすという観点からは環境適応型であるといえる。
【0006】
また包装袋の表面から見える層への高精細の印刷によって、商品のイメージアップを図ることができ、内容物に関する情報を表示することが可能であり、印刷されたバーコードなどは、商品の流通やマーケティング情報の源泉ともなっている。
【0007】
また包装袋の中には、本体部の下部に底材を配置して自立性を持たせたものも商品化されており、一般にスタンディングパウチとも呼ばれている。包装袋に自立性を持たせることにより、自立性包装袋として、商品として陳列がしやすいなどの利点を有するほか、電子レンジなどで内容物を調理する場合や、内容物の取り出しにおいて一層の利便性を有するものである。
【0008】
このような自立性包装袋は、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体をシーラント層同士を対向させて重ねて本体部を形成し、表裏の本体部の間に、底材を、シーラント層を外側にして山折りにして挿入し、シールして底部を形成して包装袋としている。
【0009】
一方で、近年の環境問題への意識の高まりから、包装袋を構成するプラスチックフィルムおよびシーラント層を同系統の材料で構成して、包装袋を一体の素材として再利用する技術が検討されている。これが包装袋のモノマテリアル化である。
【0010】
従来の包装袋は、前述のように、様々な異種材料を組み合わせて積層体の材料設計を行っているために、耐落下衝撃性を含む様々な要求品質の向上にも対応してきた。
【0011】
例えば落下衝撃による破袋を防止するには、ポリオレフィンフィルムに加えて、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなどを組み合わせた積層体が用いられてきた。
【0012】
特許文献1及び特許文献2に記載された包装袋は、積層体の材料構成や厚さを選択することによって、落下衝撃による破袋といった問題の解決を図ろうとするものであるが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムとポリオレフィンフィルムを組み合わせて強度の向上を図ろうとするものであって、モノマテリアル化とは相いれないものである。また破袋強度を上げることによって、他の特性に影響する場合もあり、一方で過剰品質とならざるを得なかった。
【0013】
しかしながら、モノマテリアル化された包装袋においては、材料選択の自由度は狭まり、例えば内容物を充填した包装袋に、落下衝撃が加わった場合に、底材のシール部分などから破袋する恐れがあった。
【0014】
特に積層体の材料構成がオールポリエチレン、オールポリプロピレンなどオールポリオレフィンである場合に、落下衝撃によって破袋する恐れがあった。これは特に包装袋の温度が低温である場合に顕著に現れるものである。
【0015】
一方で、プラスチック材料に起因する環境問題は深刻さを増しており、モノマテリアル包装材料として、リサイクルの徹底が可能な材料構成は歓迎されるべきものであり、オールポリエチレン、オールポリプロピレンなどオールポリオレフィンの材料構成の場合にも、その性能の向上が強く求められているところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平7-237281号公報
【特許文献2】特開平7-241967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、モノマテリアル化された自立性包装袋において、外観面での変更をすることなく、あるいは補強のための別部材や過剰な材料構成を必要とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包装袋の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を解決するための手段として、本開示の一側面は、
基材層及びシーラント層をそれぞれ含む一対の本体部と、基材層及びシーラント層を含み且つ山折り部を有する底テープと、をヒートシールして形成されている自立性包装袋であって、
前記一対の本体部同士を、当該自立性包装袋の縦方向に接着している一対のサイドシール部と、
前記一対の本体部と前記底テープとを、当該自立性包装袋の横方向にそれぞれ接着している底シール部と、を備え、
前記基材層及び前記シーラントが同系の樹脂材料からなり、
前記本体部の底辺から前記山折り部までの距離Lに対する前記底シール部の最小幅aの比a/Lが、0.15以上0.50以下であり、
前記底シール部と未シール部の境界線を底シール線と定義したとき、前記山折り部と前記底シール線とが交差する点における、前記山折り部と前記底シール線とのなす角度αが
、20°以上45°以下であり、
前記本体部に用いられるシーラントの弾性率をA、底テープに用いられるシーラントの弾性率をBとしたとき、
B<800MPa かつ A≧B である、自立性包装袋
である。
【0019】
本開示の他の一側面は、
前記なす角度αが、25°以上30°未満である自立性包装袋
である。
【0020】
本開示の更に他の一側面は、
前記なす角度αが、40°以上45°以下である自立性包装袋
である。
【0021】
本開示の更に他の一側面は、
前記本体部に用いられるシーラントの弾性率をA、底テープに用いられるシーラントの弾性率をBとしたとき、少なくとも
弾性率B≦600MPa である自立性包装袋
である。
【0022】
本開示の更に他の一側面は、
下記不等式(1)で表される条件を満たす自立性包装袋
0.4≦W/2L≦0.8・・・(1)
(式中、当該自立性包装袋の開き幅をWで示し、前記本体部の底辺から前記山折り部までの距離を底部高さLで示す。)
である。
【0023】
本開示の更に他の一側面は、
前記底テープの両サイドに切り欠き部がそれぞれ設けられることで、
前記一対の本体部同士が前記切り欠き部を通じて接着している接合部を更に備え、
前記本体部の底辺から前記山折り部までの間にあり、
前記本体部の側辺からの距離がその鉛直方向に10mmとなるまでの領域R1の面積S1に対する、
前記接合部の面積S2の比S2/S1が、0.35以上0.60以下である自立性包装袋
である。
【0024】
本開示の更に他の一側面は、
前記一対の本体部及び前記底テープが、ガスバリア層を更に含む自立性包装袋
である。
【0025】
本開示の更に他の一側面は、
80℃以上の加熱処理を施す用途に用いられる自立性包装袋
である。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、底テープを備え自立性を有する包装袋において、補強のための過剰な材料構成とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な包装袋の提供が可能である。
【0027】
自立性包装袋は基材層及びシーラント層をそれぞれ含む一対の本体部と、基材層及びシーラント層を含み且つ山折り部を有する底テープと、をヒートシールして形成されていることによって、内容物が充填された際には、その自重で底テープが舟形に開いて拡張して底面を形成し、包装袋は自立可能となる。
【0028】
本体部の周縁部のうち、左右両サイドはサイドシール部でシールされており、このサイドシール部の内側のエッジは未シール部との間の境界線であって、サイドシール線とする。
【0029】
また、本体部の下部において、積層体のシーラント層を外側にして山折に折込んだ底テープを、本体部の2枚の積層体の間に水平に挟み込んで、ボトムシール部でシールされて底部が形成されていることによって、前側本体部と後ろ側本体部との間の未シール部によって、内容物を充填することのできる空間を形成することが可能である。この境界線はボトムシール線とする。
【0030】
ここに定義した、サイドシール線及びボトムシール線の交点において、下方に湾曲した凸形のボトムシール線の傾きと、底テープの山折り部の水平方向の稜線とがなす角度αが、20°≦角度α≦45°であることによって、補強のための過剰な材料構成とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な包装袋の提供が可能となる。
【0031】
あるいは、ポリエチレン単体、あるいはポリオレフィン単体からなる、モノマテリアル包材のように比較的耐落下衝撃性が低い包装袋からなる自立性を有する包装袋においても、課題とするところの補強のための過剰な材料構成とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包装袋とすることが可能である。この場合にはリサイクルの徹底を図るなどの目的に対しても有効である。
【0032】
また、角度αは25°以上30°未満、であることがより耐落下衝撃性の向上に効果的である。
【0033】
また、角度αは40°以上45°以下であることがより自立性を損なわず、耐落下衝撃性の向上にも効果的である。
【0034】
また、本体部を構成する積層体のシーラントの弾性率をA、底テープを構成する積層体のシーラント層の弾性率をBとするとき、
B≦600MPa
であることによって、シーラントの柔軟性が高く、また衝撃吸収の役割を担うことを可能にするゴム成分を多く含むことが可能になる。
【0035】
また、自立性包装袋の、底面の前後の開き幅をW、本体部の底辺から前記山折り部までの距離をLとするとき、
0.4≦W/2L≦0.8
であることによって、耐落下衝撃性の改善に効果的である。すなわち、底部の高さに対して開き幅が小さいほど落下時に底部への付加が軽減されるため、耐落下衝撃性の改善が可能になる。
【0036】
また、底テープの両サイドには切欠き部が設けられており、前側本体部と後ろ側本体部とから構成される本体部が、切欠き部で直接接着している接合部を備え、接合部は、本体部の底辺から山折の水平方向の稜線の高さまでの間にあって、本体部の両端部からの距離がその鉛直方向に10mmまでの領域の面積S1に対する、接合部の面積S2の比は、
0.35≦S2/S1≦0.6
であることによって耐落下衝撃性の改善に効果的である。
【0037】
すなわち、一般に底部から接地した場合に接合部が破袋のきっかけになりやすい。しかし接合部の面積割合を規定の範囲内にすることによって、接合部が破れにくく、また底部のシール部の自立性が保たれた状態が保持され、底部への衝撃緩和に効果的である。
【0038】
また、規定の範囲を超える場合には、底部のフィルム面積に対して接合部の面積が過剰に広く製袋に困難を伴う。あるいは規定の範囲を下回る場合には、落下衝撃によって接合部が破壊されやすく耐落下衝撃性の改善効果に乏しい。
【0039】
また、包装袋の前側本体部、後ろ側本体部、および底面を形成する底テープを形成する積層体は、ガスバリア層を更に含むことによって、内容物に対して環境の影響による変質、劣化を防止して保存性を向上させることができる。あるいは、内容物の成分や臭気などの包装袋外部への漏出などを防止することができる。
【0040】
また、包装袋は、80℃以上の加熱処理を施す用途に用いられることによって、例えば内容物を湯煎による加熱や、電子レンジによる加熱調理などに供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様において、その構成要素を説明するための、自立性包装袋を縦に切断したときの断面模式図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様を説明するための、平面(一部透視)模式図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る自立性包装袋の、特に底部において他の実施態様を説明するための、平面(一部透視)模式図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様の、自立した様子を説明するための、斜視(一部透視)模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本開示を
図1~
図4を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本開示は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本開示は、請求項によって特定されるものである。
【0043】
図1は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様において、その構成要素を説明するための、自立性包装袋を縦に切断したときの断面模式図である。
【0044】
本開示による自立性包装袋(100)は、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体からなる包装袋である。
図1に示す断面図模式図は、自立性包装袋(100)の本体部の中央で、縦方向に切断した時の断面図模式図である。
【0045】
但し、
図1に示す断面模式図は、自立式包装袋(100)の構成要素を説明するために用いることを意図しており、製袋に伴なうシール部は示していない。
【0046】
自立性包装袋(100)は前側本体部(10)、及び後ろ側本体部(20)から構成される本体部、および底部(40)に配置される底テープ(30)から構成される。前述の
ように、これらは、プラスチックフィルムを基材としてシーラント層を有する積層体であって、同系のプラスチック材料からなる。また、これらの積層体には、ガスバリア層を更に設けることができる。
【0047】
前側本体部(10)と後ろ側本体部(20)とは同じ構成の積層体であって、シーラント層(12)同士を対向させて重ね、左右両端部をサイドシール部で縦方向にシールされて形成され製袋されているが、シール部分は
図1に示す断面模式図においては
図1の手前側及び奥側にあって不可視である。またプラスチックフィルム(11)は、前側本体部(10)及び後ろ側本体部(20)において、いずれも自立性包装袋(100)の外側に配置されている。
【0048】
底部(40)の底テープ(30)は本体部の下部において、前側本体部(10)と後ろ側本体部(20)の間に配置される。底テープ(30)もまた、プラスチックフィルム(31)を基材としてシーラント層(32)を有する積層体である。
【0049】
積層体のシーラント層(32)を外側にして山折りにした底テープ(30)を、本体部の2枚の積層体の間に水平に挟み込んで、ボトムシール部でシールされて底部(40)が形成されている。自立性包装袋(100)はボトムシール部で密閉され、かつ底テープ(30)の拡張によって形成可能な底面によって自立可能であり、この自立の様子は改めて
図4を用いて後述する。
【0050】
図2は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様を説明するための、平面(一部透視)模式図である。
【0051】
本開示において自立性包装袋(100)は、本体部は前側本体部(10)、及び後ろ側本体部(20)の積層体のシーラント層同士を対向させて重ね、左右両端部をサイドシール部(1)で縦方向にシールされて製袋されている。
【0052】
このサイドシール部(1)の内側のエッジは未シール部との間の境界線であって、この境界線をサイドシール線(2)と定義する。内容物は、このサイドシール線(2)、及び後述のボトムシール線(4)の内側に収納することができる。
【0053】
サイドシール部(1)の幅は、例えば3mm以上18mm以下とすることができ、5mm以上15mm以下であってもよい。3mm以上18mm以下であることによって、十分なシール強度を有し、かつ内容量の確保もしやすい利点を有する。
【0054】
底部(40)は本体部の下部において、積層体のシーラント層(32)を外側にして山折にした底テープ(30)を、本体部の一対の積層体の間に水平に挟み込んで、ボトムシール部(3)でシールされて底部(40)が形成されている。
【0055】
自立性包装袋(100)はボトムシール部(3)のシールで密閉され、かつ底テープ(30)の拡張によって形成可能な底面によって自立可能である。当初山折りにされていた底テープ(30)の拡張は、例えば包装袋内部に内容物を充填した際の、内容物の自重によっても可能である。
【0056】
底部(40)において、底テープ(30)の拡張前の山折りにした平面の状態で、ボトムシール部(3)の内側のエッジは未シール部との間の境界線であって、下方に湾曲した凸形のエッジを形成しており、この境界線をボトムシール線(4)と定義する。
【0057】
我々は本開示が課題とするところの、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包
装袋(100)の提供について、鋭意その破袋の原因に注目して詳細な検討を進めてきた。
【0058】
すなわち、包装袋の落下時において、接地面との衝突、また内容物の流動による衝撃によって破袋が発生する。この時底部(40)に最も負荷がかかると考えられ、更には跳ね返りの衝撃も発生して、本体部にも負荷がかかる。
【0059】
これらの負荷によってシーラント層、特にその内部で亀裂が生じると考えられるため、シーラント層の耐衝撃性に注目し、最適なものを選択するとともに、底シール部(3)の形状についても改善を検討し、総合的に耐落下衝撃性の改善を図り、良好な結果を得た。
【0060】
本開示において、本体部の底辺から底テープの山折り部までの距離Lに対する底シール部の最小幅aの比a/Lは、
0.15≦a/L≦0.50
の範囲とする。我々は本開示を鋭意検討する過程で、a/Lがこの範囲であるときに、耐落下衝撃性を向上させることに効果的であることを見出した。
【0061】
すなわち、a/Lをこの範囲とすることによって、自立性包装袋(100)は、落下して接地する際に、底テープ(30)が直接接地しにくくなり、内容物の変形、及びそれに伴う底部(40)への衝撃を緩和することができ、他方で自立性にも優れた包装袋とすることが可能となる。
【0062】
耐落下衝撃性の点からは、a/Lは0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることが更に好ましい。また自立性を考慮すれば0.45以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましい。
【0063】
また、本開示においては、サイドシール線(2)と前記ボトムシール線(4)との交点において、下方に湾曲した凸形のボトムシール線(4)と、底テープ(30)の山折りの水平方向の稜線(33)との角度をαとするとき、
20°≦角度α≦45°
の範囲である。我々は本開示を鋭意検討する過程で、角度αがこの範囲であるときに耐落下衝撃性を向上させることに効果的であることを見出した。
【0064】
ちなみに、角度αは底テープ(30)の山折の水平方向の稜線(33)と、ボトムシール線(4)の交差する点における、稜線(33)とボトムシール線(4)への接線とがなす角度として規定される。
【0065】
一方で、我々は角度αが
20°≦角度α≦45°
であるときに自立性を向上させることにも効果的であることを見出した。
更に角度αは25°以上30°未満、又は40°以上45°以下であることが、より好ましい。
【0066】
自立性は、自立性包装袋(100)を水平な面に置いて自立が可能であることに加えて、土台とする面がある程度の傾きを持つ場合にも、自立が保持されることを示すものである。
【0067】
前述のように、我々は耐落下衝撃性に関して、包装袋の落下時、接地面との衝突、また内容物の流動的な衝撃によって破袋が発生することに注目してきた。この時底部(40)に最も負荷がかかると考えられ、更には跳ね返りの衝撃も発生して、本体部にも負荷がか
かる。これらの負荷はシーラント層、特にその内部で亀裂が生じると考えられるため、シーラント層の弾性率にも注目し、低弾性なものを選択して衝撃の吸収を図ることとした。
【0068】
具体的には、弾性率が800MPa以上の場合に、衝撃に弱い傾向にあり、また底部(40)において本体部よりシーラント層の弾性率が低い場合には、接地直後の衝撃に対して耐性を示すことを見出した。
【0069】
すなわち、本開示において、本体部を構成する積層体のシーラント層(12)の弾性率をA、底テープ(30)を構成する積層体のシーラント層(32)の弾性率をBとするとき、
B<800MPa、かつA≧B
の範囲と関係である。我々は本開示を鋭意検討する過程で、弾性率A、及び弾性率をBがこの範囲、この関係であるときに耐落下衝撃性を向上させることに効果的であることを見出した。
【0070】
さらに、本体部を構成する積層体のシーラントの弾性率をA、底テープを構成する積層体のシーラント層の弾性率をBとするとき、
B≦600MPa
であることがより好ましい。一般にシーラント層の弾性率が600MPa以下の場合、シーラント層の柔軟性が高いことを表しており、例えば衝撃吸収の役割を担うゴム成分が多く含まれている場合などである。
【0071】
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
【0072】
本開示において、その課題とするところは、モノマテリアル化された自立性包装袋において、外観面での変更をすることなく、あるいは補強のための別部材や過剰な材料構成を必要とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることであるから、シーラント層にポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、基材フィルムもまたポリオレフィン系を用いる。
【0073】
また、ポリオレフィン系樹脂の含有量は、リサイクル適性の観点から包装袋全体の、70質量%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
【0074】
これらの樹脂は、1種類を用いるのでもよく、積層体の各層ごとに異なるものを組み合わせて用いるのでもよい。あるいは、単一の層であってもよく、複数の層から構成されるのでもよい。
【0075】
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、積層体の表面にシーラント層を形成することも可能である。
【0076】
ラミネートによって積層体を構成する方法には、例えば接着剤によるラミネートと、熱処理によるラミネートがある。
【0077】
接着剤によるラミネート方法としては、ドライラミネート、ウエットラミネート、ノンソルベントラミネートなどの公知のラミネート方法を用いることができる。これらのラミネート方法に用いられる接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどの主剤に対し、2官能基以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂が挙げられる。これらのポリオールは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0078】
熱処理によるラミネート方法としては、大別して下記の方法が挙げられる。
(1)接着剤樹脂を、各層との間に押し出し、ラミネートする方法。
(2)上記(1)の方法で得られたラミネート基材を更にロールで加熱しながら加圧する
ことにより接着させる方法。
(3)上記(1)の方法で得られたラミネート基材を、更に高温雰囲気下で保管する、あ
るいは高温雰囲気下の乾燥・焼付け炉を通過させる方法。
【0079】
熱処理によるラミネート方法で用いられる接着性樹脂としては、例えば酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。
【0080】
各層の間には、接着性プライマー(アンカーコート)を設けることも可能であり、その材料として、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアリルアミン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素-酢酸ビニル系などを用いることが可能である。接着性プライマーには、必要に応じて、接着剤として使用可能な各種硬化剤や添加剤を配合してもよい。
【0081】
本開示において、底テープ(30)の両サイドには切欠き部を設けることができる。なお切り欠き部は、その形成方法によってパンチ穴とも表記することもある。この時、前側本体部(10)と後ろ側本体部(20)とから構成される本体部が、切欠き部で直接接着している接合部(34)を備え、接合部(34)は、本体部底辺(21)から山折りの水平方向の稜線(33)の高さまでの間にあって、本体部の両端部からの距離がその鉛直方向に10mmまでの領域の面積S1に対する、
前記接合部(34)の面積S2の比は、
0.35≦S2/S1≦0.6
とすることができる。
【0082】
我々は、これによって耐落下衝撃性の向上が見られることを見出したがその理由については以下のとおりである。
・落下して、底部(40)から接地した場合、接合部(34)が破壊されることによって衝撃を吸収、緩和することが可能である。
・接合部(34)の面積比の範囲を規定することにより、包装袋の自立性が保持され底部(40)への衝撃が緩和される。また、接合部(34)の位置は、上限以上の場合には製袋が困難であり、下限値以下の場合には接合部(34)が破れやすく耐落下衝撃性の向上につながらない。
【0083】
前述のように、本開示による自立性包装袋(100)の、前側本体部(10)、後ろ側本体部(20)、および底面を形成する底テープ(30)を形成する積層体は、ガスバリア層を更に含むことができる。
【0084】
すなわち、積層体がガスバリア層を含むことによって、内容物に対して環境の影響によ
る変質、劣化を防止して保存性を向上させることができる。あるいは、内容物の成分や臭気などの包装袋外部への漏出などを防止することができる。
【0085】
ガスバリア層としては、例えばアルミニウムなどの金属箔もガスバリア層として有効であるが、不透明な層であり透明性が要求される場合には不適当である。また金属類を用いることが不適当な用途は避けなくてはならない。これらは、用途、要求品質によって適宜使い分けをすればよい。
【0086】
例えば電子レンジでの調理には、高周波によるスパークなどが発生するために不適当である。それに対し無機化合物層を表面に設けた、ガスバリアフィルムを用いることが可能である。
【0087】
ガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。特にポリプロピレンをプラスチックフィルム基材とする場合は、フィルム強度と価格、またモノマテリアルの観点からもより好ましい。
【0088】
ガスバリアフィルムの場合、ガスバリア層は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
【0089】
ガスバリアフィルムのアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
【0090】
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けたプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。ちなみに蒸着層の厚みは15nm~30nmが良い。
【0091】
コーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
【0092】
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
【0093】
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成される。
【0094】
そのため、ガスバリアフィルムとしてより高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現す
るとともに、外力による変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
【0095】
ガスバリア層として、たとえばSiOxを用いる場合にはその被膜は透明であるために、内容物を包装袋の外側から目で見ることが可能である。ガスバリアフィルムはガスバリア層を、包装袋の外側、内側いずれに向けて積層することも可能である。
【0096】
また、必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や意匠性の向上を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体中の、包装袋外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層は包装袋の最外層に設けるのでも構わない。
【0097】
印刷層は、包装袋の一部に設けるのでもよく、また包装袋の全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえば包装袋の表面に印刷されたシールを貼着することも可能である。
【0098】
ここで、印刷方法、および印刷インキには、とくに制約を設けるものではないが、既知の印刷方法の中からプラスチックフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮すれば適宜選択してよい。
【0099】
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既知の印刷方法から選択して用いることができる。中でもグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
【0100】
図3は、本開示に係る自立性包装袋の、特に底部において他の実施態様を説明するための、平面(一部透視)模式図である。
【0101】
本開示において自立性包装袋(100)の底部(4)において、ボトムシール部(3)の内側のエッジは未シール部との間の境界線であって、下方に湾曲した凸形のエッジを形成しており、この境界線をボトムシール線(4)と定義するが、ボトムシール線は
図2に示すような円弧状ではなく、例えば下方に湾曲した凸形のエッジであれば、ボトムシール部(3)の形状、角度が本開示に規定する範囲内で、
図3に示す例のような形状でも構わない。
図3に示す例においては、本体部底辺(21)からボトムシール線(4)までの距離は、底シール部の最小幅aとして
図3中の矢印で示してある。
【0102】
図4は、本開示に係る自立性包装袋の一実施態様の、自立した様子を説明するための、斜視(一部透視)模式図である。
【0103】
図4に示す例は、自立性包装袋(100)に内容物(50)が充填され、底面の形成によって包装袋が自立している状態を示している。
【0104】
図4に示す例は、包装袋上部角に液体の内容物(50)取り出しのための口栓(60)が装着された例であるが、口栓(60)を設けずに包装袋の一部を切り裂くなどして開口部を設けて、内容物(50)を取り出す形式の包装袋でも構わない。また、包装袋の上辺は、内容物(50)の充填後、上辺シール部(8)でシールして密封された状態である。
【0105】
底テープ(30)は、包装袋の内容物(50)の自重によって押し広げられ、舟形の底面を形成する。この時、底面の前後の開き幅Wは、
図4中破線の矢印で示してある。
自立性包装袋(100)の、底面の前後の開き幅をW、底テープの山折の水平方向の稜
線(31)の、本体部底辺(21)からの距離を、底部高さLとするとき、
0.4≦W/2L≦0.8
とすることができる。W/2Lがこの範囲であるとき、落袋時に底部(40)にかかる衝撃が軽減され、耐耐落下衝撃性が向上する。
【0106】
また上限を超える場合には、特に角度αが35°以上の場合には、底部(40)への衝撃が大きくなり耐耐落下衝撃性に乏しい。また下限に満たない場合には、底部(40)の開き幅が小さくなり、自立性の低下や内容量の減少となる。
【0107】
本開示による自立性包装袋(100)は、その用途として例えば食品の包装袋として用いることができる。例えばスープなどの液成物、野菜などの固形物、あるいはカレーなどの液状物と固形物の固液混合物等に用いることができる。これらを80℃以上の加熱処理を施して調理することが可能である。また、125℃以上の温度でレトルト殺菌処理を施す用途に好適に用いることができる。
【0108】
このようにして、本開示によれば、モノマテリアル化された自立性包装袋において、外観面での変更をすることなく、あるいは補強のための別部材や過剰な材料構成を必要とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包装袋の提供が可能である。
【実施例0109】
以下本開示を、実施例及び比較例によって更に具体的な説明を加える。ただし本開示は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本開示は、請求項によって特定されるものである。
【0110】
自立性包装袋を作成し、評価した。
1、包装袋の外形寸法
横幅:140mm×高さ:180mm
2、包装袋を構成する積層体の構成
包装袋外側から、
延伸ポリプロピレンフィルム1(厚さ20μm)/延伸ポリプロピレンフィルム2(
厚さ20μm)/無延伸ポリプロピレン(シーラント層 厚さ60μm)
3、材料構成
・延伸ポリプロピレンフィルム1:フタムラFOR
・延伸ポリプロピレンフィルム2:(ガスバリアフィルム)無機化合物蒸着層付き延伸ポリプロピレンフィルム
・無延伸ポリプロピレン:A A´;非開示(物性のみ開示)、
B;東レ ZK207、
C;非開示(物性のみ開示)。
【0111】
評価項目及び評価方法
測定項目として、シーラント層の弾性率の測定を行った。
また評価項目として、落袋試験、自立性を評価した。
測定方法、及び評価方法は以下のとおりである。
【0112】
(弾性率)
JIS K 7161に準拠して測定をした。単位MPaで表示した。
・試験片サイズ:TD方向300mm×幅20mm
・試験片数:n=5とした。
・測定条件:チャック間距離 250mm、引張速度 5mm/分
・弾性率算出方法:2点の傾き(ひずみ 0.05% 0.25%)
とした。
【0113】
(落袋試験)
作成した評価用包装袋に内容物として水を250ml充填し、包装袋上部をヒートシールして封止した。
常温にて、高さ1mから底テープが下になるように垂直落下させ、破袋するまでの落下回数を数えた。
同一条件で10サンプルを評価し、下記の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
◎◎:10サンプルすべてが10回未満で破袋なし(平均破袋回数25回以上)
◎:10サンプルすべてが10回未満で破袋なし(平均破袋回数10回以上25回未満)○:10回未満で破袋するサンプルあり(10回未満で破袋しなかったサンプル数6個~9個)
△:10回未満で破袋するサンプルあり(10回未満で破袋しなかったサンプル数1個~5個)
×:10サンプルすべてが10回未満で破袋
とした。
【0114】
(自立性)
作成した評価用包装袋に内容物として水250mlを充填し、包装袋上部をヒートシールして封止した。
平らな台の上で自立した状態で、台を傾け自立の状態を確認した。(開き幅方向に傾ける)
(評価基準)
○:10度傾けた台の上で自立可能
△:平らな場所においては自立可能であるが、10度傾けた台の上では転倒
×:平らな場所においても自立不可能
とした。
【0115】
以下実施例1~実施例22、及び比較例1~比較例4のサンプルの構成を示す。各部の名称、記号などは本文のほか、
図1、
図2、及び
図4に示すものである。
【0116】
<実施例1>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0117】
<実施例2>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0118】
<実施例3>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0119】
<実施例4>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄C 弾性率 505MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0120】
<実施例5>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=10mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=60mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.25
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.75
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0121】
<実施例6>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=10mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=60mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.25
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.75
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0122】
<実施例7>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=10mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=60mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.25
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.75
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0123】
<実施例8>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=52mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.65
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0124】
<実施例9>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=52mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.65
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0125】
<実施例10>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=52mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.65
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0126】
<実施例11>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄C 弾性率 505MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=52mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.65
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0127】
<実施例12>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=36mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=53mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.17
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.74
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0128】
<実施例13>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=36mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=53mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.17
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.74
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0129】
<実施例14>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=36mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=53mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.17
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.74
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0130】
<実施例15>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=10mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=51mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.25
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.64
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0131】
<実施例16>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=10mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=51mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.25
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.64
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0132】
<実施例17>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=45mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.56
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0133】
<実施例18>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部>底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=45mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.56
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0134】
<実施例19>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=45mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.56
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0135】
<実施例20>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄C 弾性率 505MPa
底部 銘柄C 弾性率 505MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=45mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.56
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0136】
<実施例21>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=50mm
パンチ穴
半径:6mm 個数:2
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.63
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.37
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0137】
<実施例22>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=25°
a(底シール部の最小幅)=15mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=50mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:2
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.38
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.63
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.44
とした。
これらはすべて、本開示に規定する範囲内である。
【0138】
<比較例1>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄A 弾性率 850MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらのうち、CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)の弾性率は、本開示に規定する範囲を逸脱するものである。
【0139】
<比較例2>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄A 弾性率 850MPa
底部 銘柄A´ 弾性率 1090MPa
弾性率 本体部<底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=45°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=66mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらのうち、CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)の弾性率は、本開示に規定する範囲を逸脱するものである。
【0140】
<比較例3>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=55°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=68mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.15
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.83
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらのうち、ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度α(度)は、本開示に規定する範囲を上方に逸脱するものである。
【0141】
<比較例4>
CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)物性
本体部 銘柄B 弾性率 660MPa
底部 銘柄B 弾性率 660MPa
弾性率 本体部=底部
底形状
α(ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度)=18°
a(底シール部の最小幅)=6mm
L(底部高さ)=40mm
横幅=140mm 高さ=180mm
W(開き幅)=68mm
パンチ穴
半径:7.5mm 個数:1
パラメーター
a/L(底シール部の最小幅/底部高さ)=0.21
W/2L(開き幅/底部高さ)=0.55
S2/S1(パンチ穴面積比)=0.22
とした。
これらのうち、ボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度αは、本開示に規定する範囲を下方に逸脱するものである。
【0142】
評価結果を表1に示す。
【0143】
【0144】
表1に示す結果からは、CPP(シーラント層 無延伸ポリプロピレン)の弾性率が、本開示に規定する範囲を逸脱するもの、及びボトムシール線と、底テープの水平方向の稜線との角度αが、本開示に規定する範囲を逸脱するものはすべて落袋試験において、×評価、自立性についても一部×評価である。
【0145】
これに対し、本開示に規定する範囲内である、実施例1~実施例22は落袋試験、自立性いずれにおいても、すべて△以上の評価であり、本開示による自立性包装袋が優位であることが明らかである。
【0146】
このようにして、モノマテリアル化された自立性包装袋において、外観面での変更をすることなく、あるいは補強のための別部材や過剰な材料構成を必要とすることなく、また自立性を損なうことなく、耐落下衝撃性を向上させることが可能な自立性包装袋の提供が可能であることを検証することができた。