(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071063
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】携帯端末収納具
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20240517BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B62B5/00 L
H04M1/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181797
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】392025238
【氏名又は名称】株式会社サンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中筋 保
【テーマコード(参考)】
3D050
5K023
【Fターム(参考)】
3D050AA02
3D050GG06
5K023AA07
5K023BB01
5K023BB11
5K023DD06
5K023MM03
5K023PP12
5K023PP13
(57)【要約】
【課題】利便性が高くかつ見た目の良い携帯端末収納具を提供する。
【解決手段】携帯端末の背面側に位置する背壁部11と、左右方向に互いに対向して配置された左側壁部12及び右側壁部13と、携帯端末を下側から受ける底壁部14と、背壁部と対向するように設けられかつ携帯端末の正面が露出可能なように部分的に開放された前壁部15と、を備え、背壁部11、左側壁部12、右側壁部13、底壁部14、及び前壁部15により、収納部3が形成され、左側壁部12と前壁部15との間、及び右側壁部13と前壁部15との間の少なくとも一方には、端末ケースのカバー部を差し込み可能な間隙Sが形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の正面を露出させるように見開くカバー部と該カバー部と連結されかつ前記携帯端末を保持する端末保持部とを有する端末ケースに保持された携帯端末を、該端末ケースごと収納可能な収納部を有する携帯端末収納具であって、
前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、
左右方向に互いに対向して配置された左側壁部及び右側壁部と、
前記携帯端末を下側から受ける底壁部と、
前記背壁部と対向するように設けられかつ前記携帯端末の正面が露出可能なように部分的に開放された前壁部と、を備え、
前記背壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、前記底壁部、及び前記前壁部により、前記収納部が形成され、
前記左側壁部と前記前壁部との間、及び前記右側壁部と前記前壁部との間の少なくとも一方には、前記カバー部を挿し込み可能な間隙が形成されていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末収納具において、
前記左側壁部及び前記右側壁部のうち前記間隙が形成された側の壁部は、前記底壁部から離れるほど前記間隙の幅が広くなるように傾斜していることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末収納具において、
前記前壁部における前記間隙側の端部は、前側に向かって突出した突出部を有することを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の携帯端末収納具において、
前記左側壁部及び前記右側壁部のうち前記間隙が形成された側の壁部は、前記前壁部よりも前側に突出しかつ前記カバー部を支持するカバー支持部を有することを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末収納具において、
前記カバー支持部は、前側に向かって前記前壁部から離れるように傾斜していることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯端末収納具において、
前記左側壁部及び前記右側壁部の、左右方向及び前後方向に直交する所定方向の高さは、前記背壁部の前記所定方向の高さよりも低くなっており、
前記背壁部の左側端部及び右側端部の少なくとも一方には、前記携帯端末が左右方向に回動した際に、該携帯端末が収納部から脱落することを抑制するためのストッパーが設けられており、
前記ストッパーは、前記左側壁部又は前記右側壁部に対して前記所定方向に離間していることを特徴とする携帯端末収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、携帯端末収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ショッピングカートやキャリーなどの手押し車に取り付けられる携帯端末収納具が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、携帯端末を保持する保持部と、携帯端末を背面側から受ける背面受け部と携帯端末の一側面を受ける第一の側面当接部との間に設けられ、携帯端末の正面を露出させるように見開くカバーが差し入れられる間隙と、第一の側面当接部と対向しかつ第一の側面当接部よりも高い位置へ延び出る案内部が上端に連結した第二の側面当接部と、を備える、携帯端末保持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、携帯端末を、手帳型の端末ケースに収納しているユーザーが一定数存在する。特許文献1に記載の携帯端末保持具は、携帯端末が手帳型の端末ケースのカバーを挿入するための間隙が、背面受け部と第一の側面当接部との間に形成されており、端末ケースを開いたまま保持具に保持させることができるようになっている。
【0006】
ところで、手帳型の端末ケースには、カードホルダが設けられていることがほとんどであり、ショッピングでは、カードホルダに収納したポイントカードやプリペイドカードを取り出しやすくしたいという要求がある。
【0007】
特許文献1に記載の携帯端末保持具は、カバーが携帯端末保持具の後側に位置するようになるため、カードホルダに収納したカードを取り出すには、カバーを一方の手で支えた上で他方の手でカードを取り出す操作が必要になり面倒である。また、カバー部分が携帯端末保持具の後側にぶら下がったような状態となるため、見た目が悪くなってしまう。
【0008】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこは、利便性が高くかつ見た目の良い携帯端末収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、携帯端末の正面を露出させるように見開くカバー部と該カバー部と連結されかつ前記携帯端末を保持する端末保持部とを有する端末ケースに保持された携帯端末を、該端末ケースごと収納可能な収納部を有する携帯端末収納具を対象として、前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、左右方向に互いに対向して配置された左側壁部及び右側壁部と、前記携帯端末を下側から受ける底壁部と、前記背壁部と対向するように設けられかつ前記携帯端末の正面が露出可能なように部分的に開放された前壁部と、を備え、前記背壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、前記底壁部、及び前記前壁部により、前記収納部が形成され、前記左側壁部と前記前壁部との間、及び前記右側壁部と前記前壁部との間の少なくとも一方には、前記カバー部を挿し込み可能な間隙が形成されている、という構成とした。
【0010】
この構成によると、カバー部を挿し込み可能な間隙が、前側(正面側)に位置するため、カバー部は前側に向かって立った状態で間隙に挿し込まれる。間隙にカバー部を挿し込んだ後には、左側壁部又は右側壁部がカバー部を支持することができる。これにより、カバー部が携帯端末収納具の後側に垂れ下がるのを抑制することができる。また、カバー部が携帯端末収納具の後側に垂れ下がりにくくなることで、カバー部にカードホルダが設けられている場合には、カードホルダからカードを取り出しやすくなる。したがって、利便性を高くできるとともに、見た目も改善することができる。
【0011】
前記携帯端末収納具において、前記左側壁部及び前記右側壁部のうち前記間隙が形成された側の壁部は、前記底壁部から離れるほど前記間隙の幅が広くなるように傾斜している、という構成でもよい。
【0012】
この構成によると、間隙における入口部分をできる限り広くすることができるため、カバー部を挿入しやすくなる。これにより、利便性をより向上させることができる。
【0013】
前記携帯端末収納具において、前記前壁部における前記間隙側の端部は、前側に向かって突出した突出部を有する、という構成でもよい。
【0014】
この構成によると、カバー部が閉じるように回動したときには、カバー部は突出部に当接して、閉じきらないように支持される。これにより、収納部に携帯端末を収納した状態では常にカバー部が開いた状態にすることができ、利便性をより向上させることができる。
【0015】
前記携帯端末収納具の一実施形態では、前記左側壁部及び前記右側壁部のうち前記間隙が形成された側の壁部は、前記前壁部よりも前側に突出しかつ前記カバー部を支持するカバー支持部を有する。
【0016】
この構成によると、カバー支持部は前壁部よりも前側に突出しているため、間隙にカバー部を挿し込んだ後、カバー部を前側に向かって立ち上がった状態にすることができる。これにより、見た目をより改善することができる。また、カバー部が支持されていることで、カバー部にカードホルダが設けられている場合には、該カードホルダからカードを取り出す際に片手で作業しやすくなり、利便性についてもより向上する。
【0017】
前記一実施形態において、前記カバー支持部は、前側に向かって前記前壁部から離れるように傾斜している、という構成でもよい。
【0018】
この構成によると、カバー部をできる限り大きく開いた状態で支持できるようになる。これにより、カバー部が携帯端末を閉じるように回動するのを抑制することができる。また、カバー部にカードホルダが設けられている場合には、該カードホルダからカードを取り出す作業がより容易になる。したがって、利便性をより向上させることができる。
【0019】
前記携帯端末収納具において、前記左側壁部及び前記右側壁部の、左右方向及び前後方向に直交する所定方向の高さは、前記背壁部の前記所定方向の高さよりも低くなっており、前記背壁部の左側端部及び右側端部の少なくとも一方には、前記携帯端末が左右方向に回動した際に、該携帯端末が収納部から脱落することを抑制するためのストッパーが設けられており、前記ストッパーは、前記左側壁部又は前記右側壁部に対して前記所定方向に離間している、という構成でもよい。
【0020】
この構成によると、左側壁部及び右側壁部が背壁部と比較して低くなっていたとしても、携帯端末が左右方向から脱落するのをストッパーにより抑制することができる。これにより、利便性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、利便性が高くかつ見た目の良い携帯端末収納具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態1に係る携帯端末収納具を有するスタンドを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図3のVIII-VIII線相当の平面で切断した断面図である。
【
図9】
図9は、手帳型ケースに保持された状態の携帯端末を収納した状態を示す正面図である。
【
図10】
図10は、手帳型ケースに保持された状態の携帯端末が収納された携帯端末収納具の平面図である。
【
図11】
図11は、カバー部を有していない端末ケースに保持された状態の携帯端末を収納した状態を示す正面図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る携帯端末収納具の正面図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る携帯端末収納具の正面図である。
【
図15】
図15は、実施形態3に係る携帯端末収納具の一部を拡大して示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態1)
図1は、本実施形態1に係る携帯端末収納具1(以下、端末収納具1という)を備えたスタンド装置100を示す。スタンド装置100は、端末収納具1にスマートフォンなどのタブレット型の携帯端末Tを収納した状態で、ショッピングカートの持ち手や、キャリーのパイプ等の軸状部材Pに取り付けられる。
【0024】
スタンド装置100は、一端部に端末収納具1が取り付けられる支柱101と、支柱101における他端部に設けられ、ショッピングカート等の持ち手等の軸状部材Pを挟持するクランパ102とを有する。
【0025】
支柱101は、断面U字状に折り曲げられた2つの鋼板を、U字開口が向き合った状態で溶接して構成されている。詳細な図示は省略するが、支柱101の上側端部は、左右方向に広がるとともに、上側に向かって斜めに傾斜した面状部分となっている。端末収納具1は、該面状部分にネジによって締結される。
【0026】
クランパ102は、複数のネジで結合される一対の挟持部材102aで構成されている。一対の挟持部材102aは、上下方向に対向するように配置され、軸状部材Pを径方向から挟持する。各挟持部材102aには、嵌合溝が形成されている。該嵌合溝は、軸状部材Pの一部が嵌合する溝であって、断面円弧状に形成されている。嵌合溝の曲率は、スタンド装置100が軸状部材Pに取り付けられていない状態では、軸状部材Pの外周の曲率よりも小さい。嵌合溝の曲率は、スタンド装置100が軸状部材Pに取り付けられた状態では、挟持部材102aが前記ネジの締結方向にしなることで、軸状部材Pの外周の曲率と略同じになる。
【0027】
図2~
図7は、それぞれ端末収納具1の構造を示す図である。端末収納具1は、樹脂で形成されている。以下の説明では、端末収納具1に携帯端末Tを収納した状態で、携帯端末Tの厚み方向に相当する方向を前後方向といい、前後方向における携帯端末Tの画面が位置する側を前側といい、前後方向における前側と対向する側を後側という。左右方向については、前側から後側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。また、前後方向と左右方向とに直交する方向を所定方向といい、携帯端末Tを収納した状態で、所定方向における携帯端末Tの底面が位置する側を底面側といい、所定方向における底面側と対向する側を上面側という。
【0028】
図2及び
図3に示すように、端末収納具1は、携帯端末Tの背面を受ける背壁部11と、背壁部11の左側端部から前側に向かって広がる左側壁部12と、左側壁部12と左右方向に対向して設けられた右側壁部13と、携帯端末Tを下側から受ける底壁部14と、背壁部11と前後方向に対向するように設けられかつ携帯端末Tの正面が露出可能なように部分的に開放された前壁部15と、を備える。背壁部11、左側壁部12、右側壁部13、底壁部14、及び前壁部15により囲まれた空間に、端末収納具1の収納部3が形成される。
【0029】
背壁部11の上面側端部は、左右方向に真っ直ぐに延びている。
図4に示すように、背壁部11の上面側端部は、後側の部分については所定方向に真っ直ぐに延びている一方で、前側の部分については、上面側に向かって後側に傾斜して延びる上面側傾斜面11aとなっている。背壁部11の所定方向の高さは、収納部3にカメラ付き携帯端末が収納されたときに、カメラのレンズを背壁部11で覆うことがない程度の高さに設定されている。
【0030】
背壁部11の上面側傾斜面11aには、滑り止めとしてのラバー部材40が2つ配置されている。各ラバー部材40は、左右方向に離間して配置されている。ラバー部材40は、上面側傾斜面11aに前側から直接貼り付けて配置されていてもよいし、上面側傾斜面11aに前後方向に貫通する貫通孔を設けて、後側から貫通孔を通って前側に突出するように背壁部11に別部材により取り付けられていてもよい。
【0031】
背壁部11の右側端部における上面側部分には、収納部3に収納された携帯端末Tが左右方向に回動した際に、携帯端末Tが収納部3から脱落することを抑制するためのストッパー41が設けられている。ストッパー41は、右側壁部13とは所定方向に離間している。具体的には、ストッパー41は、右側壁部13よりも上面側に位置している。
【0032】
図4~
図6に示すように、背壁部11の後側の部分には、端末収納具1をスタンド装置100に取り付ける際のガイドとなるガイドピン19が2つ設けられている。各ガイドピン19は所定方向に離間して配置されている。
【0033】
図2及び
図4に示すように、左側壁部12は、背壁部11と直交するように前後方向及び所定方向に広がっている。左側壁部12の所定方向の高さは、背壁部11の所定方向の高さよりも低い。左側壁部12の所定方向の中央部分は、前側に向かって突出しており、前壁部15よりも前側に位置している。詳しくは後述するが、左側壁部12の前記中央部分は、端末ケース110のカバー部112(
図8及び
図9参照)を支持するカバー支持部12aを構成する。
【0034】
図2及び
図5に示すように、右側壁部13は、背壁部11と直交するように前後方向及び所定方向に広がっている。右側壁部13の所定方向の高さは、背壁部11の所定方向の高さよりも低い。特に、
図3に示すように、右側壁部13の所定方向の高さは、左側壁部12の所定方向の高さと同じである。
【0035】
図2、
図6、及び
図7に示すように、底壁部14は、左側壁部12の底面側端部と右側壁部13の底面側端部とを左右方向に接続するように、背壁部11の底面側端部に沿って左右方向に延びている。底壁部14には、所定方向に貫通する貫通孔14aが2つ設けられている。一方の貫通孔14aは、底壁部14の左右方向の中央付近に設けられており、他方の貫通孔14aは、底壁部14の右側端部に設けられている。この2つの貫通孔14aは、いずれも収納部3内にほこりが溜まるのを抑制するためのほこり取り用の孔部である。
【0036】
図2及び
図3に示すように、前壁部15は、左右方向の中央部分が前後方向に開放されている。前壁部15は、左右に分離された左側前壁部15a及び右側前壁部15b、並びに、左側前壁部15aと右側前壁部15bとを連結する連結部15cを有する。左側前壁部15aは、前側から見て、底面側に向かって段階的に右側に突出する階段状をなしている。右側前壁部15bは、前側から見て、底面側に向かって段階的に左側に突出する階段状をなしている。これにより、左側及び右側前壁部15a,15bは、上面側の部分よりも底面側の部分の方が左右方向の幅が大きくなっている。連結部15cは、左側前壁部15aの右側かつ底面側の端部と右側前壁部15bの左側かつ底面側の端部とを連結する。これにより、左側前壁部15aと右側前壁部15bとの間の位置は出来る限り所定方向に開放された状態となる。このため、携帯端末Tを収納部3に収納したときには、携帯端末Tの底側部分は前壁部15で覆うことで、携帯端末Tの脱落を抑制する一方で、携帯端末Tの操作は可能な状態にすることができる。
【0037】
左側壁部12と左側前壁部15aとの間には、間隙Sが設けられている。この間隙Sは、携帯端末Tの正面を露出させるように見開くカバー部112(
図9参照)と該カバー部112と連結されかつ携帯端末Tを保持する端末保持部111(
図9参照)とを有する手帳型の端末ケース110(
図9参照)に保持された携帯端末Tを、端末ケース110ごと収納部3に収納した際に、カバー部112が挿し込まれる部分である。
【0038】
図6に示すように、左側前壁部15aの左側端部は、前側に向かって突出する突出部15dとなっている。突出部15dは、左右方向の中央部分が、左右方向の両側端部よりも前側に位置するように、アーチ状に湾曲突出している。
図4に示すように、突出部15dの突出頂部は、左側壁部12のカバー支持部12aよりも後側に位置している。
【0039】
図2及び
図3に示すように、収納部3内には、収納部3に携帯端末Tが収納された状態で、該携帯端末Tを前壁部15に向かって付勢するバネ部材30が設けられている。バネ部材30は板バネで構成されている。バネ部材30は、携帯端末Tの外装よりも剛性の低い素材で構成されており、例えば、樹脂材で構成されている。
【0040】
バネ部材30は、背壁部11に固定される固定部31と、携帯端末Tに付勢力を付与する付勢部32と、を有する。
【0041】
固定部31は、
図8に示すように、背壁部11に形成された凹部11bに収容されている。固定部31が凹部11bに収容された状態で、固定部31の前面と背壁部11の前面とは面一になっている。固定部31は、後側に向かって折り曲げられかつ背壁部11のバネ用係合孔11cに挿通する折曲部31bを有する。折曲部31bがバネ用係合孔11cに係合することで、折曲部31bがバネ用係合孔11cに引っ掛かるようになり、固定部31の位置が定まるようになる。つまり、折曲部31bとバネ用係合孔11cとは、固定部31の位置決めを容易にしている。
【0042】
付勢部32は、
図8に示すように、固定部31が背壁部11に固定された状態で、固定部31の底面側の端部から前面側に向かって傾斜して延びている。
図2に示すように、付勢部32の底面側の端部(以下、底側端部という)は、その左側端部から右側端部に向かって、前面側かつ底面側に斜めに傾斜して延びている。付勢部32と前壁部15との隙間の最小値、すなわち、前記底側端部の右側端部と前壁部15との隙間の大きさは、一般的な携帯端末Tの厚みよりも小さくなるように設計されている。これにより、携帯端末Tを収納部3に収納させたときには、付勢部32の付勢力により、携帯端末Tの右下部分が右側前壁部15bに当接して、保持されるようになる。前記底側端部の左側端部及び右側端部は、アール状に加工されている。
【0043】
図9~
図12は、本実施形態に係る端末収納具1に携帯端末Tを収納した状態を示す。
図9及び
図10は、手帳型の端末ケース110に保持された携帯端末Tを、端末ケース110ごと収納部3に収納した状態を示す。
図11及び
図12は、携帯端末Tをそのまま収納部3に収納した状態を示す。
【0044】
図9及び
図10に示すように、本実施形態1に係る携帯端末収納具1では、端末保持部111を携帯端末Tごと収納部3に収納させる一方で、カバー部112を、左側壁部12と前壁部15との間に形成された間隙Sに挿し込むことができる。また、間隙Sに挿し込まれたカバー部112は、左側壁部12、特に左側壁部12のカバー支持部12aに当接支持される。
【0045】
このように、本実施形態1に係る携帯端末収納具1では、カバー部112を開いたまま、端末ケース110ごと携帯端末Tを収納部3に収納させることができる。また、カバー部112はカバー支持部12aに当接支持されるため、カバー部112が携帯端末収納具1の後側に垂れ下がることがない。これにより、端末ケース110ごと携帯端末Tを収納部3に収納させた際の見た目が良くなる。また、カバー部112がカバー支持部12aに当接支持されていれば、
図9に示すように、カバー部112にカードホルダが設けられている場合に、カードホルダに納められたカードを視認できるとともに、カードを片手で取り出すことが容易になる。このため、端末収納具1としての利便性が高くなる。
【0046】
また、本実施形態1に係る端末収納具1では、前壁部15における間隙S側の端部(ここでは、左側端部)は、前側に向かって突出した突出部15dを有する。これにより、仮にカバー部112が閉じるように回動したとしても、カバー部112が突出部15dに当接支持されて、カバー部112が閉じきらないようになる。これにより、収納部3に携帯端末Tを収納した状態では常にカバー部112が開いた状態にすることができ、利便性をより向上させることができる。
【0047】
図11及び
図12に示すように、本実施形態1に係る端末収納具1は、端末ケース110に保持されていない携帯端末Tやカバー部112を有していない端末ケースに収納された携帯端末Tについても収納可能である。このような携帯端末Tは、
図12に示すように、左右方向に回動するおそれがある。これに対して、本実施形態1に係る端末収納具1は、携帯端末Tの右下部分を右側前壁部15bに当接させて、該携帯端末Tを保持するようになっているため、収納部3に収納された携帯端末Tは左側には回動しにくくなっている。一方で、携帯端末Tが右側に回動したときには、該携帯端末Tがストッパー41に当接することで、該携帯端末Tの脱落が抑制される。したがって、端末収納具1は、前記のような携帯端末Tであっても適切に収納することができる。
【0048】
(実施形態2)
以下、実施形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において前記実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0049】
本実施形態2の端末収納具201は、左側壁部212の構成が前述の実施形態1とは異なる。具体的には、
図13に示すように、左側壁部212は、上面側に向かって左側に傾斜して延びている。これにより、間隙Sの幅は、所定方向において、底面側の幅W1よりも上面側の幅W2の方が広くなる。つまり、左側壁部212は、底壁部14から離れるほど間隙Sの幅が広くなるように傾斜していると言える。この構成により、間隙Sにおける入口部分の幅をできる限り広くすることができるため、カバー部112を挿入しやすくなる。これにより、利便性をより向上させることができる。
【0050】
(実施形態3)
以下、実施形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において前記実施形態1及び2と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0051】
本実施形態3の端末収納具301は、左側壁部312のカバー支持部312aの構成が前述の実施形態1及び2とは異なる。具体的には、
図14,15に示すように、カバー支持部312aは、前側に向かって前壁部15から離れるように、左側に傾斜している。これにより、カバー支持部312aは、カバー部112をできる限り大きく開いた状態で支持できるようになる。この結果、カバー部112が携帯端末Tを閉じるように回動するのを抑制することができる。また、カバー部112にカードホルダが設けられている場合には、該カードホルダからカードを取り出す作業がより容易になる。したがって、利便性をより向上させることができる。
【0052】
(その他の実施形態)
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0053】
例えば、前述の実施形態1~3では、間隙Sは、左側前壁部15aと左側壁部12,212,312との間に設けられていた。これに代えて、又はこれに加えて、右側前壁部15bと右側壁部13との間に間隙が形成されていてもよい。
【0054】
例えば、前述の実施形態1~3では、左側壁部12の一部は、前側に突出したカバー支持部12aとなっていたが、カバー支持部12aは必ずしも設けられていなくてもよい。カバー支持部12aがない場合には、左側壁部12自身がカバー部112を支持する。
【0055】
また、前述の実施形態1~3では、ストッパー41は、背壁部11の右側端部にのみ設けられていた。これに代えて、又はこれに加えて、背壁部11の左側端部にもストッパーを設けてもよい。この場合、ストッパーは、左側壁部12の上面側に、左側壁部12とは離間して設けられる。
【0056】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
ここに開示された技術は、携帯端末を収納する携帯端末収納具として有用である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯端末収納具
11 背壁部
12 左側壁部
12a カバー支持部
13 右側壁部
14 底壁部
15 前壁部
15d 突出部
110 端末ケース
111 端末保持部
112 カバー部
212 左側壁部
312 左側壁部
312a カバー支持部
S 間隙
T 携帯端末