(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071071
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】遊具用連結ユニット及び遊具。
(51)【国際特許分類】
A63G 9/12 20060101AFI20240517BHJP
A63B 17/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A63G9/12
A63B17/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181811
(22)【出願日】2022-11-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月16日~18日福岡タワー及び福岡県福岡市早良区百道浜2丁目3-26において開催された福岡総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月16日~18日神戸国際展示場及び兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目11-1において開催された神戸総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月23日~25日浅草橋ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンス及び東京都台東区浅草橋1丁目22-16ヒューリック浅草橋ビルにおいて開催された東京総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月24日~26日広島県立広島産業会館及び広島県広島市南区比治山本町12-18において開催された広島総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月30日~12月2日ジャクエツさいたま店及び埼玉県さいたま市大宮区三橋3丁目228-3において開催されたさいたま総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月30日~12月2日ジャクエツ大阪店及び大阪府大阪市西淀川区御幣島3丁目11-3において開催された大阪総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年12月7日~9日ヴィラ・デ・マリアージュ宇都宮及び栃木県宇都宮市西原町3558-1において開催された宇都宮総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年12月14日~16日名古屋国際会議場及び愛知県名古屋市熱田区熱田西町1丁目1において開催された名古屋総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年12月15日~17日石川県産業展示館2号館及び石川県金沢市袋畠南193において開催された金沢総合展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月27日しおどめ保育園稲城及び東京都稲城市坂浜943番において販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月17日さみどり保育園及び福井県敦賀市本町1丁目7-7において販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月31日あいあい保育園及び徳島県板野郡藍住町富吉字穂実71番地1において販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月7日~9日パシフィコ横浜Cホール及び神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1において開催されたこども環境サミット2022で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月8日ウェブサイトのアドレスの「https://kodomosummit.info/#section2」及び「https://www.youtube.com/watch?v=Flpngi4AvkY」において開催された展示会ウェブサイト・YouTubeで発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月17日ウェブサイトのアドレスの「https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000077852.html」において開催されたプレスリリースで発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月21日ウェブサイトのアドレスの「https://www.axismag.jp/posts/2022/06/476629.html」において開催されたAXISウェブマガジンで発表
(71)【出願人】
【識別番号】500068865
【氏名又は名称】株式会社ジャクエツ
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】坊 正明
(72)【発明者】
【氏名】本荘 栄司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康介
(57)【要約】
【課題】安全面に配慮しつつ作業性の向上を図ることが可能な遊具用連結ユニット、及び、この連結ユニットを備える遊具を提供する。
【解決手段】環状部224を有する環状部材22と、一方の端部が環状部224の中空部において回転自在に支持され、揺動部12の端部を保持可能な収容連結部材30とを備える。収容連結部材30は、一方の端部に円筒部321を有し、他方の端部に係合溝が形成され、揺動部12の端部を収容可能な第1凹部324を有する第1収容連結部材32と、円筒部321を環状部224の中空部に内挿し、第1凹部324に揺動部12の端部を収容した状態で、第1収容連結部材32と対向させてスライド移動させることで、係合溝に係合可能な係合片333を有する第2収容連結部材33と、を有し、環状部224を内部に収容した状態で、環状部224を支点として回転させることが可能に構成されてなる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部に対して揺動可能な長手状の揺動部を含む遊具に用いられ、前記固定部と前記揺動部とを連結する遊具用連結ユニットであって、
前記固定部に取り付けられ、環状部を有する環状部材と、
一方の端部が前記環状部の内側において回転自在に支持され、前記長手状の揺動部の端部を保持可能な連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、
前記一方の端部に円筒部を有し、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に溝部が形成されるとともに、前記揺動部の端部を収容可能な凹部を有する第1の連結部材と、
前記円筒部を前記環状部の内側に内挿するとともに前記凹部に前記長手状の揺動部の端部を収容した状態で、前記第1の連結部材と対向させつつ前記一方の端部の側に向けてスライド移動させることで、前記溝部に係合可能な係合部を有する第2の連結部材と、を有するとともに、
少なくとも前記環状部を内部に収容した状態で、前記環状部を支点として回転させることが可能に構成されてなる、
遊具用連結ユニット。
【請求項2】
前記環状部材は、
前記固定部に取り付けられる取付部と、
前記環状部と、
前記取付部及び前記環状部の両方と一体的に構成される本体部と、を有し、
前記連結部材は、
前記環状部の内側において回転したときに、前記本体部との干渉を回避可能に形成されてなる、
請求項1に記載の遊具用連結ユニット。
【請求項3】
固定部と、
前記固定部に対して揺動可能な長手状の揺動部と、
前記固定部と前記揺動部とを連結する、請求項1または2の遊具用連結ユニットと、を備える、
遊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、固定部に対して揺動可能な長手状の揺動部を含む遊具に用いられ、固定部と揺動部とを連結する遊具用連結ユニット、及び、この連結ユニットを備える遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばブランコや多数のロープが繋がれた遊具のように、支柱等の固定部に対して揺動可能な揺動部を含む遊具が知られている。このような遊具において、固定部と揺動部とを連結する遊具用連結ユニットは、あらゆる形態のものが用いられている。遊具用連結ユニットの例として、例えば特許文献1に、コイルバネを直列に組み合わせた多重バネからなるジョイントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊具用連結ユニットは、遊具で遊ぶ子供達が怪我をしないように安全面に配慮する必要がある。また、例えば屋外に設置される遊具は、現地において組み立てられるものが多いため、現地での作業性の向上にも配慮する必要がある。
【0005】
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、安全面に配慮しつつ作業性の向上を図ることが可能な遊具用連結ユニット、及び、この連結ユニットを備える遊具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示に係る遊具用連結ユニットは、
固定部に対して揺動可能な長手状の揺動部を含む遊具に用いられ、前記固定部と前記揺動部とを連結する遊具用連結ユニットであって、
前記固定部に取り付けられ、環状部を有する環状部材と、
一方の端部が前記環状部の内側において回転自在に支持され、前記長手状の揺動部の端部を保持可能な連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、
前記一方の端部に円筒部を有し、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に溝部が形成されるとともに、前記揺動部の端部を収容可能な凹部を有する第1の連結部材と、
前記円筒部を前記環状部の内側に内挿するとともに前記凹部に前記長手状の揺動部の端部を収容した状態で、前記第1の連結部材と対向させつつ前記一方の端部の側に向けてスライド移動させることで、前記溝部に係合可能な係合部を有する第2の連結部材と、を有するとともに、
少なくとも前記環状部を内部に収容した状態で、前記環状部を支点として回転させることが可能に構成されてなる。
【0007】
上記(1)の遊具用連結ユニットによると、環状部の内側において連結部材を支持し、凹部に揺動部の端部を収容した状態で第1の連結部材と第2の連結部材とを対向させて第2の連結部材をスライド移動させるだけの簡単な作業で、固定部に対して揺動部を連結させることが可能となる。しかも、少なくとも環状部が内部に収容され状態で、環状部を支点として連結部材が回転するため、固定部に対して揺動部が揺動した際に、例えば子供の指が挟まれてしまうことを防止でき、安全面にもすぐれている。
【0008】
(2)本開示に係る遊具用連結ユニットにおいて、
前記環状部材は、
前記固定部に取り付けられる取付部と、
前記環状部と、
前記取付部及び前記環状部の両方と一体的に構成される本体部と、を有し、
前記連結部材は、
前記環状部の内側において回転したときに、前記本体部との干渉を回避可能に形成されてなるようにしてもよい。
【0009】
上記(2)の遊具用連結ユニットのように、本体部を、環状部の径よりも大きく且つ環状部の一部を構成するように取付部及び環状部の両方と一体的に構成することで、環状部材の強度を高めることができる。このように、環状部材の強度を高めたとしても、連結部材が環状部の内側において回転したときに連結部材と本体部との干渉を回避できるため、遊具用連結ユニット、とくに連結部材の破損を抑制することができる。
【0010】
(3)本開示に係る遊具は、
固定部と、
前記固定部に対して揺動可能な長手状の揺動部と、
前記固定部と前記揺動部とを連結する、請求項1または2の遊具用連結ユニットと、を備える。
【0011】
上記(3)の遊具によると、簡単な作業で固定部に対して揺動部を連結させることが可能であるとともに、安全面にすぐれてた遊具を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安全面に配慮しつつ作業性の向上を図ることが可能な遊具用連結ユニット、及び、この連結ユニットを備える遊具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る遊具の斜視図の一例である。
【
図2】、
図1に示されるA部を拡大した上で、固定部、揺動部、及び遊具用連結ユニットを分解した分解斜視図の一例である。
【
図4】遊具用連結ユニットの分解斜視図の一例である。
【
図6】固定部と揺動部とを連結させる過程を示す斜視図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(遊具1の概要)
以下、本発明の一例である実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る遊具1の斜視図の一例である。
図2は、
図1に示されるA部を拡大した上で、固定部10、揺動部12、及び遊具用連結ユニット20を分解した分解斜視図の一例である。なお、
図1に示される遊具1は、例えば公園やイベント会場等に設置される。
【0015】
図1及び
図2に示されるように、遊具1は、固定部10と、固定部10に対して揺動可能な揺動部12と、固定部10と揺動部12とを連結する遊具用連結ユニット20と、を備える。
【0016】
固定部10は、例えば支柱等が相当し、本実施形態では複数の支柱が連結されて遊具1の骨組みを構成している。複数の固定部10のうちのいずれかは地面等に埋設されており、遊具1の全体が地面等に固定される。固定部10において揺動部12が固定される部位には、固定孔102(
図2参照)が形成されている。この固定孔102には雌ネジが形成されている。
【0017】
揺動部12は、例えば、ロープ状のものであったり、ブランコを吊るす鎖状の金具等のような長手状のものが相当する。本実施形態では複数の揺動部12が固定部10に連結されており、複数の揺動部12によって網目状の遊び場を構成している。揺動部12の端部には、例えば揺動部12よりも外径が大きい金具14(
図2参照)が、揺動部12から抜けないように外挿されている。
【0018】
遊具用連結ユニット20は、1つの揺動部12を、固定部10に連結するものである。遊具用連結ユニット20は、固定部10と1つの揺動部12との間に設けられ、揺動部12に対して揺動部12が揺動できるように両者を連結している。
【0019】
本実施形態に係る遊具1は、子供が遊ぶ遊具であるため、遊具1全般の安全性が担保される必要がある。なかでも遊具用連結ユニット20は固定部10と揺動部12とを連結するものであるから、子供のケガに細心の注意を払う必要がある。一方、本実施形態に係る遊具1は、設置される場所で組み立てられることが多く、現地作業における作業性の向上も図られるべきである。
【0020】
このような観点から、本実施形態に係る遊具1、及び係る遊具1に用いられる遊具用連結ユニット20は、安全面に配慮しつつ作業性の向上を図ることを可能にするものである。以下、遊具用連結ユニット20の詳細について、
図3~
図6を参照して説明する。
【0021】
(遊具用連結ユニット20の概要)
図3は、遊具用連結ユニット20の斜視図の一例である。なお、この明細書において、
図3に示されるように方向を定義する。また、
図3に示される方向は、矢印が向く方向を正方向とし、矢印と反対方向を負方向とする。これらの方向は、後述の
図4~
図6においても同様である。
【0022】
図3に示されるように、遊具用連結ユニット20は、固定部10(
図1、
図2参照)に固定される環状部材22と、揺動部12(
図1、
図2参照)の一部及び環状部材22の一部を内部に収容可能な収容連結部材30と、を備える。
【0023】
(遊具用連結ユニット20が備える構成)
次に、
図4を参照して、遊具用連結ユニット20が備える上述の各構成について説明する。
図4は、遊具用連結ユニット20の分解斜視図の一例である。
【0024】
(環状部材22の構成)
図4に示されるように、環状部材22は、取付部222と、本体部226と、環状部224とを備える。取付部222は、雄ネジが形成された軸部であり、雌ネジが形成された固定孔102(
図2参照)に螺合する。環状部224は、中空部225を有するリング状に形成された部材であり、例えば金属製である。本体部226は、取付部222と環状部224との間に設けられる例えば金属製の部材である。取付部222と環状部224と本体部226とは一体で構成されている。
【0025】
(収容連結部材30の構成)
収容連結部材30は、第1収容連結部材32と第2収容連結部材33とを対向させて両者を重ね合わせて組み立てられる二分割構成である。
【0026】
第1収容連結部材32は、X方向の正方向側の端部に、Z方向を軸方向とする円筒部321を有する。この円筒部321の外径は、環状部224の中空部225よりも僅かに小さい。環状部224は、中空部225に円筒部321が配置されるように、円筒部321に外挿される。円筒部321に環状部224が外挿された状態において、環状部224は、円筒部321に対して、円筒部321の周方向に移動可能(環状部材22が固定部10に固定された状態では、円筒部321が環状部224の中空部225において回転可能)である。また、円筒部321には、径方向の内側に第1取付孔322が形成されている。
【0027】
第1収容連結部材32は、X方向の正方向側の端部であって、第1収容連結部材32の縁部に、第1切欠部326が形成されている。この第1切欠部326は、第1収容連結部材32と第2収容連結部材33とを組み立てた状態(
図3に示される状態であって、以下「収容連結部材30の組立状態」と称する。)において、第2収容連結部材33に形成されている後述の第2切欠部336とともに、X方向の正方向側から負方向側に見て∞の形状の開口を形成するように切り欠かれた部位である。すなわち、この第1切欠部326は、Y方向における第1収容連結部材32の中心から、Y方向の正負方向側に向けてZ方向の負方向側に膨らむように凹状に切り欠かれている。
【0028】
第1収容連結部材32は、X方向の負方向側の端部に、係合溝323を有する。この係合溝323は、Y方向の正方向側の端部、及びY方向の負方向側の端部の2箇所に形成されており、収容連結部材30の組立状態において、後述の係合片333が係合する溝である。係合溝323のX方向側の端部には、壁部3231が形成されている。この壁部3231の機能については後述する。
【0029】
第1収容連結部材32は、X方向において、円筒部321と係合溝323との間に、第1凹部324を有する。この第1凹部324は、収容連結部材30の組立状態において、後述の第2凹部334(後述の
図5参照)との間で揺動部12の一部を収容可能な収容部を形成する。
【0030】
第1凹部324のX方向の負方向側には、第1凹部324よりも径が小さい凹部3241(以下、この凹部を「第1挟持部3241」と称する)が形成されている。この第1挟持部3241は、収容連結部材30の組立状態において、後述の第2挟持部3341(後述の
図5参照)との間で揺動部12(
図2参照)を挟持する部位である。また、第1挟持部3241のX方向の正方向側には、揺動部12が収容連結部材30から抜けないように、揺動部12の端部に外挿された金具14(
図2参照)が当接する第1揺動部固定壁3242が形成されている。
【0031】
第1凹部324のY方向における両側(正方向側および負方向側)には、第1スライド面325が形成されている。この第1スライド面325は、Z方向の正方向側に向く面であり、収容連結部材30の組立状態において、後述の第2スライド面335(後述の
図5参照)と対向する。
【0032】
(第2収容連結部材33の構成)
図5は、第2収容連結部材33の斜視図の一例である。なお、
図5に示される方向の定義は
図3、
図4、及び
図6と同じであるが、
図3、
図4、及び
図6とは見る方向が異なるため、
図5において示される方向の表示は、
図3、
図4、及び
図6において示される方向の表示と異なる。
【0033】
図5に示されるように、第2収容連結部材33は、X方向の正方向側の端部に、収容連結部材30の組立状態において、円筒部321(
図4参照)に環状部224(
図4参照)が外挿された状態で、円筒部321の上面と対向する円筒当接面331を有する。収容連結部材30の組立状態において、環状部224は、円筒部321に対して相対的に、円筒部321の周方向に沿って移動可能でありつつ、円筒部321の上面と円筒当接面331とによってZ方向への動きが拘束される。
【0034】
円筒当接面331の径方向の内側には、円筒部321(
図4参照)の径方向の内側に形成された第1取付孔322(
図4参照)と同じ径の第2取付孔332が形成されている。この第2取付孔332は、収容連結部材30(例えば
図4参照)の組立状態において、第1取付孔322と対向する。そして、収容連結部材30の組立状態では、第1取付孔322及び第2取付孔332にボルト(不図示)を貫通させてナット(不図示)で締め付けられる。これにより、収容連結部材30の組立状態において、X方向の正方向側の端部において、第1収容連結部材32と第2収容連結部材33とが離間しないように両者を固定することができる。
【0035】
第2収容連結部材33は、X方向の正方向側の端部であって、第2収容連結部材33の縁部に、第2切欠部336が形成されている。この第2切欠部336は、第1切欠部326(
図4参照)と同様の形状であり、上述したように、収容連結部材30の組立状態において、第1切欠部326とともに、X方向の正方向側から負方向側に見て∞の形状の開口を形成する。
【0036】
第2収容連結部材33は、X方向の負方向側の端部に、係合片333を有する。この係合片333は、Y方向の正方向側の端部、及びY方向の負方向側の端部の2箇所に形成されており、上述したように、収容連結部材30の組立状態において係合溝323(
図4参照)と係合する。これにより、収容連結部材30の組立状態において、X方向の負方向側の端部を、第1収容連結部材32と第2収容連結部材33とが離間しないように両者を固定することができる。
【0037】
第2収容連結部材33は、X方向において、円筒当接面331と係合片333との間に、第2凹部334を有する。この第2凹部334は、上述したように、収容連結部材30の組立状態において、第1凹部324(
図4参照)との間で揺動部12の一部を収容可能な収容部を形成する。
【0038】
第2凹部334のX方向の負方向側には、第2凹部334よりも径が小さい凹部3341(以下、この凹部を「第2挟持部3341」と称する)が形成されている。この第2挟持部3341は、上述したように、収容連結部材30の組立状態において、第1挟持部3241との間で揺動部12(
図2参照)を挟持する部位である。また、第2挟持部3341のX方向の正方向側には、第1挟持部3241と同様に、揺動部12が収容連結部材30から抜けないように、揺動部12の端部に外挿された金具14(
図2参照)が当接する第2揺動部固定壁3342が形成されている。なお、収容連結部材30の組立状態において、第1挟持部3241と第2挟持部3341とにより、揺動部12が貫通できる開口部が形成される。また、収容連結部材30の組立状態において、第1揺動部固定壁3242と第2揺動部固定壁3342とにより、揺動部12が収容連結部材30から抜けないように、金具14と当接する壁が周方向に形成される。
【0039】
第2凹部334のY方向における両側(正方向側および負方向側)には、第2スライド面335が形成されている。この第2スライド面335は、Z方向の負方向側に向く面であり、上述したように、収容連結部材30の組立状態において、第1スライド面325(
図4参照)と対向する。
【0040】
(固定部10と揺動部12との連結手順)
次に、遊具用連結ユニット20を用いて固定部10と揺動部12とを連結させるための手順について、
図6を参照して説明する。
図6は、固定部10と揺動部12とを連結させる過程を示す斜視図の一例である。
【0041】
遊具用連結ユニット20を用いて固定部10と揺動部12とを連結する場合、先ず、環状部材22の取付部222を、固定部10に形成されている固定孔102(
図2参照)に固定する。
【0042】
次に、円筒部321に環状部224を外挿し(または、環状部224の中空部225に円筒部321を内挿し)、環状部材22(より詳しくは環状部224)に、円筒部321すなわち収容連結部材30が支持されるようにする。そして、上述の金具14(
図2参照)も含めて揺動部12のX方向側の端部を第1凹部324に収容した状態(この状態については不図示)で、第1スライド面325と第2スライド面335(
図5参照)とを対向させて、第1収容連結部材32に対して第2収容連結部材33をスライド移動させる。このとき、第2収容連結部材33を、X方向の負方向側から正方向側に向けて、第1収容連結部材32に対してスライド移動させる。
【0043】
第2収容連結部材33を、X方向の負方向側から正方向側に向けて第1収容連結部材32に対してスライド移動させると、係合片333が壁部3231(
図4参照)に当接する。係合片333と壁部3231とが当接する位置が、第2収容連結部材33を第1収容連結部材32に対してX方向の正方向に向けてスライド移動できる終端位置である。この終端位置では、係合片333が係合溝323に係合している。これにより、収容連結部材30の組立状態において、X方向の負方向側の端部において、第1収容連結部材32と第2収容連結部材33とが離間しないように両者を固定することができる。第2収容連結部材33を終端位置までスライド移動させた後、第1取付孔322と対向する第2取付孔332にボルト(不図示)を貫通させてナット(不図示)で固定することで、収容連結部材30を組立状態とし、固定部10と揺動部12とを連結することができる。固定部10と揺動部12とが連結された状態では、円筒部321及び環状部224が収容連結部材30の内部に収容された状態で、Z方向への移動を拘束(すなわち規制)しつつ環状部224の中空部225において円筒部321が回転できる(すなわち、X方向及びY方向を含む平面上を、環状部224を支点として収容連結部材30が回転できる)。また、揺動部12のX方向の正方向側の端部を、収容連結部材30から抜けないように、第1凹部324と第2凹部334とにより形成される収容部に収容することができる。
【0044】
このように、本実施形態の遊具用連結ユニット20によると、円筒部321に環状部224を外挿し、第1凹部324に揺動部12の端部(すなわち金具14)を収容した状態で、第1スライド面325と第2スライド面335とを対向させて、第2収容連結部材33を、X方向の正方向側に向けて第1収容連結部材32に対してスライド移動させるだけの簡単な作業で、固定部10に対して揺動部12を連結させることが可能となる。とくに、本実施形態の遊具用連結ユニット20を用いれば、固定部10と揺動部12とを簡単に連結させることができるため、遊具1が設置される現地作業の効率化を図ることが可能となる。しかも、収容連結部材30は、円筒部321及び環状部224を内部に収容した状態で環状部材22に対して回転自在であるため、固定部に対して揺動部が揺動した際に、例えば子供の指が挟まれてしまうことを防止でき、安全面にもすぐれた遊具1を提供することが可能となる。
【0045】
また、収容連結部材30の組立状態において、第1切欠部326と第2切欠部336とにより、X方向の正方向側から負方向側に見て∞の形状の開口が形成される。そのため、固定部10に対する揺動部12の揺動によって環状部224(
図4参照)が円筒部321(
図4参照)の周方向に移動したとしても、本体部226が収容連結部材30に干渉(すなわち衝突)することを回避することが可能となる。ひいては、収容連結部材30の破損を抑制することができ、安全面に優れた収容連結部材30及び遊具1を提供することが可能となる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。なお、上述の実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
【0047】
(1)固定部(例えば、固定部10)に対して揺動可能な長手状の揺動部(例えば、揺動部12)を含む遊具(例えば、遊具1)に用いられ、前記固定部(例えば、固定部10)と前記揺動部(例えば、揺動部12)とを連結する遊具用連結ユニット(例えば、遊具用連結ユニット20)であって、
前記固定部(例えば、固定部10)に取り付けられ、環状部(例えば、環状部224)を有する環状部材(例えば、環状部材22)と、
一方の端部が前記環状部(例えば、環状部224)の内側(例えば、中空部225)において回転自在に支持され、前記長手状の揺動部(例えば、揺動部12)の端部を保持可能な連結部材(例えば、収容連結部材30)と、
を備え、
前記連結部材(例えば、収容連結部材30)は、
前記一方の端部に円筒部(例えば、円筒部321)を有し、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に溝部(例えば、係合溝323)が形成されるとともに、前記揺動部(例えば、揺動部12)の端部を収容可能な凹部(例えば、第1凹部324)を有する第1の連結部材(例えば、第1収容連結部材32)と、
前記円筒部(例えば、円筒部321)を前記環状部(例えば、環状部224)の内側(例えば、中空部225)に内挿するとともに前記凹部(例えば、第1凹部324)に前記長手状の揺動部(例えば、揺動部12)の端部を収容した状態で、前記第1の連結部材(例えば、第1収容連結部材32)と対向させつつ前記一方の端部の側に向けてスライド移動させることで、前記溝部(例えば、係合溝323)に係合可能な係合部(例えば、係合片333)を有する第2の連結部材(例えば、第2収容連結部材33)と、を有するとともに、
少なくとも前記環状部(例えば、環状部224)を内部に収容した状態で、前記環状部(例えば、環状部224)を支点として回転させることが可能に構成されてなる、
遊具用連結ユニット。
【0048】
(2)前記環状部材(例えば、環状部材22)は、
前記固定部(例えば、固定部10)に取り付けられる取付部(例えば、取付部222)と、
前記環状部(例えば、環状部224)と、
前記取付部(例えば、取付部222)及び前記環状部(例えば、環状部224)の両方と一体的に構成される本体部(例えば、本体部226)と、を有し、
前記連結部材(例えば、収容連結部材30)は、
前記環状部(例えば、環状部224)の内側において回転したときに、前記本体部(例えば、本体部226)との干渉を回避可能に形成されてなる、
請求項1に記載の遊具用連結ユニット。
【0049】
(3)固定部(例えば、固定部10)と、
前記固定部(例えば、固定部10)に対して揺動可能な長手状の揺動部(例えば、揺動部12)と、
前記固定部(例えば、固定部10)と前記揺動部(例えば、揺動部12)とを連結する、請求項1または2の遊具用連結ユニット(例えば、遊具用連結ユニット20)と、を備える、
遊具。
【符号の説明】
【0050】
1 遊具
10 固定部
12 揺動部
20 遊具用連結ユニット
22 環状部材
30 収容連結部材
32 第1収容連結部材
33 第2収容連結部材
222 取付部
224 環状部
225 中空部
226 本体部
321 円筒部
323 係合溝
324 第1凹部
333 係合片