IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図1
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図2
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図3
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図4
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図5A
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図5B
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図6
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図7
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図8
  • 特開-冷蔵庫および照明制御システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071096
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫および照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240517BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
F25D27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181841
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】森脇 実
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩太
(72)【発明者】
【氏名】竹内 慎
(72)【発明者】
【氏名】上山 英夫
(72)【発明者】
【氏名】富山 真年
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 司
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045MA12
3L045NA15
3L045NA16
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】ユーザに対する眩しさと貯蔵物の可視性のバランスを適切に調整可能な冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、扉と、第一照明と、第二照明と、制御部とを持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を有する。扉は、貯蔵室の開口部を開閉可能に閉じる。第一照明は、貯蔵室を照射する。第二照明は、貯蔵室を照射し、開口された貯蔵室の開口部側に立つユーザに第一照明よりも光が当たりにくい位置に配置される。制御部は、所定の変更条件により、第一照明の明るさを第一明るさと第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更するとともに、第二照明の明るさを第一明るさと第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更する。第一照明の第一明るさに対する第二明るさの比は、第二照明の第一明るさに対する第二明るさの比よりも小さい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室の開口部を開閉可能に閉じる扉と、
前記貯蔵室を照射する第一照明と、
前記貯蔵室を照射し、開口された前記貯蔵室の前記開口部側に立つユーザに前記第一照明よりも光が当たりにくい位置に配置された第二照明と、
所定の変更条件により、前記第一照明の明るさを第一明るさと前記第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更するとともに、前記第二照明の明るさを第一明るさと前記第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更する制御部と、
を備え、
前記第一照明の前記第一明るさに対する前記第二明るさの比は、前記第二照明の前記第一明るさに対する前記第二明るさの比よりも小さい
冷蔵庫。
【請求項2】
前記第二照明は、前記第一照明よりも下方に設けられる
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第一照明は、前記貯蔵室を直接的に照射し、
前記第二照明は、前記貯蔵室を間接的に照射する
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第一照明は、前記貯蔵室の上方に配置され、
前記第二照明は、前記貯蔵室の側面に配置される
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第一照明は、前記貯蔵室の上方に配置され、
前記第二照明は、前記扉に配置される
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第一照明は、第一照明パターンによって前記貯蔵室を照射し、
前記第二照明は、前記第一照明パターンに対して点灯間隔がずれた第二照明パターンによって前記貯蔵室を照射する
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御部は、前記変更条件として時間データを取得して、特定期間と通常期間とにおける前記第一照明の明るさ及び前記第二照明の明るさを変更しており、
前記第一照明の明るさは、前記通常期間に前記第一照明の前記第一明るさとなり、前記特定期間に前記第一照明の前記第二明るさとなるように変更され、
前記第二照明の明るさは、前記通常期間に前記第二照明の前記第一明るさとなり、前記特定期間に前記第二照明の前記第二明るさとなるように変更される
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記扉の開閉を検知する扉検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記変更条件として前記扉検知部から前記扉が開いた情報を取得すると、経過期間に基づいて前記第一照明の明るさ及び前記第二照明の明るさを変更する
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫と、
前記第一照明の明るさと前記第二照明の明るさとを変更可能に操作するアプリケーションがインストールされた端末装置と、
を備え、
前記制御部は、前記端末装置と通信して、時間データを取得すると、前記第一照明の明るさと前記第二照明の明るさとを変更する
照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫および照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵庫において、冷蔵庫内を照らす庫内灯などの照明手段と、照明手段を制御する照明制御手段とを備えた冷蔵庫が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-174440号公報
【特許文献2】特開2008-70000号公報
【特許文献3】特許第5853163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザに対する眩しさと貯蔵物の可視性のバランスを適切に調整可能な冷蔵庫および照明制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体と、扉と、第一照明と、第二照明と、制御部とを持つ。冷蔵庫本体は、貯蔵室を有する。扉は、貯蔵室の開口部を開閉可能に閉じる。第一照明は、貯蔵室を照射する。第二照明は、貯蔵室を照射し、開口された貯蔵室の開口部側に立つユーザに第一照明よりも光が当たりにくい位置に配置される。制御部は、所定の変更条件により、第一照明の明るさを第一明るさと第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更するとともに、第二照明の明るさを第一明るさと第一明るさよりも暗い第二明るさとに変更する。第一照明の第一明るさに対する第二明るさの比は、第二照明の第一明るさに対する第二明るさの比よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の冷蔵庫システムの冷蔵庫を示す正面図。
図2図1中に示された同冷蔵庫のF2-F2線に沿う断面図。
図3】冷蔵室扉を開けた同冷蔵庫を前方から見た斜視図。
図4】冷蔵室扉を開けた同冷蔵庫を上方から見た平面図。
図5A】同冷蔵庫の閉じられた左冷蔵室扉を示す斜視図。
図5B】同冷蔵庫の閉じられた右冷蔵室扉を示す斜視図。
図6】同冷蔵庫の天井照明及び左右照明の照明パターンを示す図。
図7】同冷蔵庫システムの一例を説明する概略構成図。
図8】同冷蔵庫システムの端末装置の表示部に表示されるアプリケーションプログラム画面の一例を示す図。
図9】同冷蔵庫の照明部の照明パターンの変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫および照明制御システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」及び「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。また、冷蔵庫システムの冷蔵庫は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0008】
本明細書では、特に断らない限り、冷蔵庫の正面側に立つユーザU(図4参照)から冷蔵庫を見た方向を基準に、上下左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザUに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。「上下方向」とは、冷蔵庫の高さ方向を意味している。
図中に矢線で示した、+X方向は右方向、-X方向は左方向、+Y方向は後方向、-Y方向は前方向、+Z方向は上方向、-Z方向は下方向である。
【0009】
(第1実施形態)
図1から図8を参照し、第1実施形態の冷蔵庫システム100について説明する。冷蔵庫システム100は、冷蔵庫1と、端末装置200とを備える。
【0010】
まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0011】
図1は、第1実施形態の冷蔵庫システム100の冷蔵庫1を示す正面図である。図2は、図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。図1及び図2に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉11、複数の棚12、複数の容器13、流路形成部品14、冷却ユニット30、照明部40、扉スイッチ15、制御部16を有する。本実施形態では、複数の扉11以外の上記構成によって冷蔵庫本体5が形成されている。
【0012】
図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱10aと、外箱10bと、発泡断熱材10cとを含む。
【0013】
内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材であり、例えば合成樹脂製である。内箱10aにおける筐体10内側の面の一部は、後述の冷蔵室27Aの天井部27Aaとなる。外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材であり、例えば金属製である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。発泡断熱材10cは、例えば発泡ウレタンのような発泡状の断熱材であり、内箱10aと外箱10bとの間に充填されている。これにより、筐体10は、断熱性を有する。
【0014】
図1に示すように、筐体10は、上壁21、下壁22、左右の側壁23、24、及び後壁25(図2参照)を有する。
【0015】
上壁21は、冷蔵庫本体5の上方に設けられ、冷蔵庫本体5の天井となる部材である。上壁21は、略水平に広がっている。下壁22は、冷蔵庫本体5の下方に設けられ、略水平に広がっている。左右の側壁23、24は、下壁22の左右方向の端部から上方に起立し、上壁21の左右方向の端部に繋がる。後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
【0016】
筐体10の内部には、図2に示すように、複数の貯蔵室27が設けられている。
【0017】
複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室(冷蔵部)27A、野菜室(冷蔵部)27B、製氷室(冷凍部)27C、小冷凍室(冷凍部)27D、及び主冷凍室(冷凍部)27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置され、冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置され、野菜室27Bの下方に製氷室27C及び小冷凍室27Dが配置され、製氷室27C及び小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。ただし、貯蔵室27の配置は、上記例に限定されず、例えば、冷蔵室27Aの下方に製氷室27C及び小冷凍室27Dが配置され、製氷室27C及び小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置され、主冷凍室27Eの下方に野菜室27Bが配置されてもよい。製氷室27C、小冷凍室27D及び主冷凍室27E(以下、冷凍部27Q)の温度帯は、略同じである。冷蔵室27A及び野菜室27B(以下、冷蔵部27P)の温度帯は、略同じであるが、野菜室27Bがわずかに高い。冷凍部27Qの温度帯は、冷蔵部27Pの温度帯よりも低い。筐体10は、各貯蔵室27の前面(前方、正面)側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口部を有する。また、冷蔵室27Aは上方に内箱10aの面の一部である天井部27Aaを備える。
【0018】
各貯蔵室27の開口部は、複数の扉11によって開閉可能に閉じられる。複数の扉11は、図1に示すように、例えば、冷蔵室27Aの開口部27Akを閉じる左右の冷蔵室扉11Aa、11Ab、野菜室27Bの開口部27Bkを閉じる野菜室扉11B、製氷室27Cの開口部27Ckを閉じる製氷室扉11C、小冷凍室27Dの開口部27Dkを閉じる小冷凍室扉11D、及び主冷凍室27Eの開口部27Ekを閉じる主冷凍室扉11Eを含む。
【0019】
図3は、冷蔵室扉11Aa、11Abを開けた冷蔵庫1を前方から見た斜視図である。図4は、冷蔵室扉11Aa、11Abを開けた冷蔵庫1を上方から見た平面図である。
図3及び図4に示すように、左右に隣り合って設けられた左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abは、例えば、観音開き式の扉である。左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abはそれぞれ、例えばヒンジ等によって筐体10に回動可能に支持されている。左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abは、冷蔵室27Aを開閉可能に閉じている。
【0020】
一方で、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、及び主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、及び主冷凍室扉11Eは、図示しないレール等によって筐体10に対して引き出し可能に支持されている。
【0021】
ここで、冷蔵室扉11Aa、11Abの詳細構成について説明する。
図5Aは、閉じられた左冷蔵室扉11Aaを示す斜視図である。図5Bは、閉じられた右冷蔵室扉11Abを示す斜視図である。本実施形態では、右冷蔵室扉11Abの横幅方向の幅は、左冷蔵室扉11Aaの横幅方向の幅よりも大きい。なお、XYZは扉を閉めた時の方向を示す。
【0022】
左冷蔵室扉11Aaは、図5Aに示すように、例えば、外郭部材50と、ガスケット55と、ケース56(扉容器)とを備えている。
【0023】
外郭部材50は、箱状に形成されている。本明細書でいう「箱状」とは、扁平な箱状も含む。外郭部材50は、例えば、板部材51と、リブ61と、を有する。
【0024】
板部材51は、上下方向及び横幅方向に沿う矩形の板部材である。板部材51は、平板でもよいし、湾曲板でもよい。以下では、板部材51が平板の例で説明する。板部材51は、前方に前面52(図1図4参照)を有し、後方に後面53を有する。なお、板部材51の材料は、特に限定されない。また、板部材51は、前方と後方とに分割されてそれぞれ異なる材料の板部材を設けられてもよい。
【0025】
リブ61は、後面53から後方に突出する。具体的には、リブ61は、左冷蔵室扉11Aaが筐体10に対して閉じられた状態で、後面53よりも冷蔵室27A(貯蔵室)に向かう+Y方向(第1方向)において突出している。なお本明細書において「リブ」とは、説明の便宜上の名称であり、後面53から後方に突出した部分を広く意味し、特定の形状や作用のものに限定されない。「リブ」は、「突出部」ともいう。
【0026】
リブ61における上述の環状のリブ群は、主として、冷蔵室27A(貯蔵室)内の冷気が左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間の隙間から逃げることを抑制するために設けられている。リブ61は、例えば、板部材51の外形よりも一回り小さな環状のリブ群を含んでいる。本明細書でいう「環状」とは、全周が完全に連続している場合に限定されず、切欠きなどが設けられて一部が途切れている場合も含む。
【0027】
リブ61における環状のリブ群としては、横幅方向に沿って板部材51の上端部に設けられたリブ61A、横幅方向に沿って板部材51の下端部に設けられたリブ61B、上下方向に沿って板部材51の左端部に設けられたリブ61C、上下方向に沿って板部材51の右端部に設けられた61Dが挙げられる。リブ61C及びリブ61Dは、リブ61A及びリブ61Bよりも後方に突出して上下方向及び奥行方向に沿う板状に形成されている。
【0028】
図4及び図5Aに示すように、リブ61Cの左方の外面61pは、左冷蔵室扉11Aaの左方に備える庫内側面の一部である。以下、リブ61Cの左方の外面61pは、左冷蔵室扉11Aaの第一庫内側面61pともいう。また、第一庫内側面61pは、左冷蔵室扉11Aaを開けたとき、冷蔵室27Aを向く面である。そのため、第一庫内側面61pは、左冷蔵室扉11Aaを開けた状態において、冷蔵室27Aの側面の一部となる。
【0029】
特に図示しないが、リブ61における凸形状の内側には、発泡断熱材が充填されている。発泡断熱材としては、上述の発泡断熱材10cと同様の材料が用いられてもよい。
【0030】
ガスケット55は、板部材51の後面53に取り付けられている。ガスケット55は、リブ61の外周側を取り囲む環状に形成されている。ガスケット55は、左冷蔵室扉11Aaが筐体10に対して閉じられた場合に、左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間(または左冷蔵室扉11Aaと不図示の回転仕切板との間)に挟まれて、左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間(または左冷蔵室扉11Aaと回転仕切板との間)の隙間を塞ぐ。すなわち、ガスケット55は、左冷蔵室扉11Aaが閉じられたとき、冷蔵室27A(貯蔵室)内の冷気が左冷蔵室扉11Aaと筐体10との間から外部に漏れないように封止するために設けられている。
【0031】
ケース56(扉容器)は、左蔵室扉11Aaの内面側において、上下方向に沿って着脱可能に取り付けられている。ケース56は、配置位置が移動可能であってもよい。また、ケース56の個数は特に限定されない。
【0032】
以上、左冷蔵室扉11Aaについて説明したが、右冷蔵室扉11Abは、開閉方向と横幅方向の幅が異なる以外は、同様の構成を有する。右冷蔵室扉11Abにおいては、図4及び図5Aに示すように、リブ61Dの右方の外面61qが、右冷蔵室扉11Abの右方に備える側面の一部である。以下、右冷蔵室扉11Abのリブ61Dの右方の外面61qは、右冷蔵室扉11Abの第二庫内側面61qともいう。また、第二庫内側面61qは、右冷蔵室扉11Abを開けたとき、冷蔵室27Aを向く面である。そのため、第二庫内側面61qは、右冷蔵室扉11Abを開けた状態において、冷蔵室27Aの側面の一部となる。
【0033】
特に図示しないが、本実施形態では、左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abの少なくとも一方の表面には、操作パネルユニットの操作/表示領域が設けられてもよい。
【0034】
図2に示すように、筐体10は、第1及び第2の仕切部28、29を有する。第1及び第2の仕切部28、29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。一方で、第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27C及び小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27C及び小冷凍室27Dとの間を仕切っている。なお、製氷室27C及び小冷凍室27Dと、主冷凍室27Eとの間には、仕切壁は設けられていない。
【0035】
複数の棚12は、冷蔵室27Aに配置されている。
複数の容器13は、冷蔵室27Aに配置された冷蔵室容器13A(例えばチルド室容器)、野菜室27Bに配置された第1及び第2の野菜室容器13Ba、13Bb、製氷室27Cに配置された製氷室容器13C、小冷凍室27Dに配置された小冷凍室容器(不図示)、及び主冷凍室27Eに配置された第1及び第2の主冷凍室容器13Ea、13Ebを含む。
【0036】
流路形成部品14は、筐体10内に配置されている。流路形成部品14は、例えば、第1ダクト部品14Aと、第2ダクト部品14Bとを含む。第1ダクト部品14Aは、筐体10の後壁25に沿って設けられ、上下方向に延びている。第1ダクト部品14Aと筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間S1が形成されている。第1ダクト部品14Aは、冷蔵室27Aに開口した複数の冷気吹出口h1と、野菜室27Bに開口した冷気戻り口h2とを有する。第2ダクト部品14Bは、筐体10の後壁25に沿って設けられ、上下方向に延びている。第2ダクト部品14Bと筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間S2が形成されている。第2ダクト部品14Bは、製氷室27C及び小冷凍室27Dなどに開口した複数の冷気吹出口h3と、主冷凍室27Eに開口した冷気戻り口h4とを有する。
【0037】
冷却ユニット30は、第1冷却ユニット30Aと、第2冷却ユニット30Bと、圧縮機45とを含む。
【0038】
第1冷却ユニット30Aは、冷蔵部27Pに供給する冷気を生成する。第1冷却ユニット30Aは、冷気戻り口h2を通して野菜室27Bから戻る空気を冷却して、複数の冷気吹出口h1から冷蔵室27Aに吹き出す。これにより、冷蔵部27Pで冷気が循環され、冷蔵部27Pの冷却が行われる。
また、第2冷却ユニット30Bは、冷凍部27Qに供給する冷気を生成する。第2冷却ユニット30Bは、冷気戻り口h4を通して主冷凍室27Eから戻る空気を冷凍に適した温度に冷却して、冷気吹出口h3から製氷室27C、小冷凍室27D、及び主冷凍室27Eに吹き出す。これにより、冷凍部27Qで空気が循環され、冷凍部27Qの冷却が行われる。
【0039】
圧縮機45は、例えば、冷蔵庫1の底部の機械室に設けられている。圧縮機45は、貯蔵室27の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機45により圧縮された冷媒ガスは、放熱パイプなどを経由して、第1冷却ユニット30A及び第2冷却ユニット30Bに送られる。
【0040】
照明部40は、冷蔵室27Aに配置されている。照明部40は、LEDなどを光源とする。照明40は、冷蔵室27Aの左冷蔵室扉11Aaまたは右冷蔵室扉11Abが開かれる場合に、後述の照明制御部164から点灯指示を取得し、点灯して冷蔵室27A内を照射する。照明部40は、本実施形態では、天井照明(第一照明)41と、左右照明(第二照明)42と、を備える。
【0041】
天井照明(第一照明)41は、冷蔵室27Aの上方の天井部27Aaに設けられる。天井照明41は、上方に埋め込まれるように天井部27Aaに取付けられていてもよい。天井照明41は、本実施形態では、横幅方向に沿って取り付けられる。天井照明41は、冷蔵室27Aの前後方向つまり奥行方向の中央部付近に設けられている。天井照明41は、直接照明として用いられる。天井照明41は、冷蔵室27Aの内部およびケース56(扉容器)を直接的に照射しており、上方から下方に向けて全体的に照明する。
【0042】
天井照明(第一照明)41は、図3及び図4に示すように、左冷蔵室扉11Aaまたは右冷蔵室扉11Abが開かれ、開口された冷蔵室27Aの前面(前方、正面)側(すなわち開口部27Ak側)に立つユーザUに光が当たりやすい位置に配置される。具体的には、開口部27Ak側)に立つユーザUの目からは、天井部27Aaに取付けられた天井照明41が見えやすい。そのため、天井照明41から照射される光は、冷蔵室27Aやケース56(扉容器)に収容される貯蔵物を見やすいように照射するのに加えて、ユーザUに当たりやすくなる。
【0043】
左右照明(第二照明)42は、天井照明41よりも下方に設けられる。左右照明42は、本実施形態では、上下方向に沿って取り付けられる。左右照明42は、本実施形態では、透明または半透明のカバーを備えている。左右照明42は、上述のカバーを用いたり、冷蔵室27Aの内部を間接的に照射したりして間接照明として用いられる。また、左右照明42は、貯蔵室内に収容された貯蔵物に向けて局所的に照射する。
【0044】
左右照明42は、図3及び図4に示すように、冷蔵室扉11Aが開かれ、開口された冷蔵室27Aの前面(前方、正面)側(すなわち開口部27Ak側)に立つユーザUに天井照明41よりも光が当たりにくい位置に配置される。具体的には、左右照明42は、左照明42Aと、右照明42Bとを備える。左照明42Aは、第一庫内側面61pに配置される。そして、第一庫内側面61pは、左冷蔵室扉11Aaを開けたとき、冷蔵室27Aを向いて冷蔵室27Aの側面となる。また、右照明42Bは、第二庫内側面61qに配置される。そして、第二庫内側面61qは、右冷蔵室扉11Abを開けたとき、冷蔵室27Aを向いて冷蔵室27Aの側面となる。すなわち、左右照明42は、冷蔵室扉11Aが開かれたとき、冷蔵室27Aの側面に配置され、冷蔵室27A側を向いている。また、このとき、冷蔵室27Aの前面(前方、正面)側に立つユーザUからは、冷蔵室27A側を向く左右照明42は、視界入りづらい。そのため、左右照明42は、冷蔵室27Aに収容される貯蔵物を見やすいように照射するが、左右照明42の光は直接ユーザUの目に入りにくく、天井照明41よりもユーザUに当たりにくい。
【0045】
ここで、天井照明41及び左右照明42の明るさを安価な構成で調整できる照明パターンPについて説明する。
照明40は、冷蔵室27Aの左冷蔵室扉11Aaまたは右冷蔵室扉11Abが開かれる場合に、冷蔵室27A内を照射する。照射された光は人間の視覚が検知するより高速に点灯/消灯を切り替えられた場合、点灯の比率が高いと明るく感じ、点灯の比率が低いと暗く感じる。このような点灯/消灯させる方法で、一定の明るさを維持するには点灯比率を維持してやればよく、簡易な方法としては同一の点灯/消灯のパターンを繰り返すことで実現できる。この方法を用いて、天井照明41及び左右照明42は、点灯されたり消灯されたりしてパターン化される。
天井照明41及び左右照明42は、制御部16の照明制御部164から指示されたそれぞれ異なる照明パターンPによって明るさを変更され、冷蔵室27A内を照射する。具体的には、天井照明41は、制御部16の照明制御部164から指示された第一照明パターンP1によって冷蔵室27A内を照射する。また、左右照明42は、制御部16の照明制御部164から指示された第二照明パターンP2によって冷蔵室27A内を照射する。照明パターンPは、後述の制御部16の記憶部162に記憶される。
【0046】
図6は、天井照明41及び左右照明42の照明パターンPを示す図である。
照明パターンPは、「強」「中」「弱」の異なるパターンを持つ。そして、第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2は、それぞれにおいて「強」「中」「弱」の異なるパターンをパラメータとして持ち、照明制御部164に組み合わされて照明パターンPの「強」「中」「弱」となる。第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2の各パターンは、本実施形態では、1周期(F)を均一に8つの間隔(間隔L1~L8)に分割して、1間隔に対して、点灯または消灯が行われることで形成される。本実施形態では、1間隔を1msとしてパターンを形成する。
【0047】
まず、天井照明41の第一照明パターンP1について説明する。
第一照明パターンP1の「強」は、1周期(F)において8間隔すべてが点灯したパターンである。第一照明パターンの「中」は、1周期において、はじめの間隔L1、L2が消灯、間隔L3が点灯、次の間隔L4~L6が消灯、間隔L7が点灯、間隔L8が消灯のパターンである。第一照明パターンP1の「弱」は、1周期において、はじめの間隔L1、L2が消灯、間隔L3が点灯、次の間隔L4~L8が消灯のパターンである。
【0048】
第一照明パターンP1の「中」は、第一照明パターンP1の「強」に対して、1周期のうち約25パーセントが点灯状態である。第一照明パターンの「弱」は、第一照明パターンの「強」に対して、1周期のうち約12.5パーセントが点灯状態である。天井照明41明るさは、第一照明パターンP1の「強」のとき、第一明るさとなり、「中」のとき、第二明るさとなり、「弱」のとき、第三明るさとなって変更される。なお、点灯状態が弱くなるにつれて、天井照明41の明るさは弱く(暗く)なる。
【0049】
次に、左右照明42の第二照明パターンP2について説明する。
第二照明パターンP2の「強」は、1周期(F)において8間隔すべてが点灯したパターンである。第一照明パターンの「中」は、1周期において、はじめの間隔L1が消灯、間隔L2が点灯、間隔L3が消灯、次の間隔L4~L6が点灯、間隔L7が消灯、間隔L8が消灯のパターンである。第二照明パターンP2の「弱」は、1周期において、はじめの間隔L1が点灯、間隔L2~L4が消灯、間隔L5が点灯、間隔L6~L8が消灯のパターンである。
【0050】
第二照明パターンP2の「中」は、第二照明パターンP2の「強」に対して、1周期のうち約62.5パーセントが点灯状態である。第二照明パターンP2の「弱」は、第二照明パターンP2の「強」に対して、1周期のうち約25パーセントが点灯状態である。左右照明42の明るさは、第二照明パターンP2の「強」のとき、第一明るさとなり、「中」のとき、第二明るさとなり、「弱」のとき、第三明るさとなって変更される。なお、点灯状態が弱くなるにつれて、左右照明42の明るさは弱く(暗く)なる。
【0051】
第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、1周期における位相が異なっている。具体的には、図6に示すように、「中」「弱」において、点灯間隔をずらしてパターン化されている。また、第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、1間隔目がどちらも点灯の場合、2間隔目が同時に消灯になることがない。同様に、第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、1間隔目がどちらも消灯の場合、2間隔目が同時に点灯になることがない。
点灯/消灯のパターンを用いる場合では、原理的に「ちらつき」が必ず発生する。上記のように2つの照明を用いる場合、一方の照明の点灯パターンを補間するように他方の照明の点灯パターンを作成することにより全体として明るさを平坦化することができ、かつ、「ちらつき」を抑制することができる。逆に、両方点灯と両方消灯とを繰り返して明るさの差を激しくすると「ちらつき」が目立ちやすくなる。
【0052】
以上の構成により、第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2は、表1に示すように、1周期において8間隔すべてが点灯した通常の点灯状態を「強」として、点灯状態によって「強」、「中」及び「弱」のパターンに分割される。
【0053】
【表1】
【0054】
照明部40は、それぞれパターン化された「強」「中」「弱」の第一照明パターンP1と第二照明パターンP2とを後述の照明制御部164によって組み合わされて、照明パターンPとして冷蔵室27A内を照射する。このときの全体の明るさは、表1に示すように、「強」「中」「弱」の照明パターンPによって変更される。「強」「中」「弱」の照明パターンPは、この順に点灯状態が弱くなり、全体の明るさが弱く(暗く)なる。
【0055】
表1に示すように、第一照明パターンP1の「強」が100パーセントの点灯状態であるのに対して、第一照明パターンP1の「中」は、約25パーセントの点灯状態である。また、第二照明パターンP2の「強」が100パーセントの点灯状態であるのに対して、第二照明パターンP2の「中」は、約62.5パーセントの点灯状態である。すなわち、第一照明パターンP1における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさの比は、第二照明パターンP2における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさの比よりも小さい。言い換えると、第一照明パターンP1は、第二照明パターンP2よりも、点灯状態を変更したときの明るさが大きく変化する。同様に、第一照明パターンP1における「強」の第一明るさに対する「弱」の第三明るさの比は、第二照明パターンP2における「強」の第一明るさに対する「弱」の第三明るさの比よりも小さい。
【0056】
扉スイッチ(開閉検出部)15は、冷蔵室扉11Aの開閉を検知する。扉スイッチ15は、図3に示すように、左扉スイッチ15Aと、右扉スイッチ15Bと、を備える。左扉スイッチ15Aは、左冷蔵室扉11Aaと冷蔵庫1の枠体10との間に設けられ、左冷蔵室扉11Aaの開閉を検知する。右扉スイッチ15Bは、右冷蔵室扉11Abと冷蔵庫1の枠体10との間に設けられ、右冷蔵室扉11Abの開閉を検知する。扉スイッチ15は、冷蔵室扉11Aが開閉を検知すると、開情報または閉情報を含む扉検知情報を制御部16に送信する。
【0057】
図7は、冷蔵庫システム100の一例を説明する概略構成図である。
制御部16は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。制御部16は、図7に示すように、スイッチ検知部160と、通信インターフェース161と、記憶部162と、冷蔵庫制御部163と、照明制御部164と、を備える。以降の説明において、インターフェースは、単に「I/F」と記載する。
【0058】
スイッチ検知部160は、扉スイッチ15の扉検知情報を取得する。スイッチ検知部160は、開情報を含む扉検知情報を取得すると、開情報を照明制御部164に送信する。スイッチ検知部160は、閉情報を含む扉検知情報を取得すると、閉情報を照明制御部164に送信する。スイッチ検知部160は、扉検知情報を冷蔵庫制御部163に送信してもよい。
【0059】
通信I/F161は、通信インターフェースである。通信I/F161は、ネットワーク(不図示)を介して後述の端末装置200に設けられた通信I/F203と通信する。通信I/F161は、例えば移動体通信網に設けられた基地局との間で所定のプロトコルで無線通信する装置であってもよい。通信I/F161は、例えばインターネットに接続されたアクセスポイントとの間で無線LAN(Local Area Network)等の所定のプロトコルで通信する装置であってもよい。なお、通信I/F161は、端末装置200に限定されず、ネットワークを介して様々な装置(例えばサーバー等)との通信を実行することができる。
【0060】
記憶部162は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部162は、例えば、冷蔵庫1において動作するプログラムデータと、上述の第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2とを記憶する。記憶部162は、さらに他の情報を記憶してもよい。
【0061】
冷蔵庫制御部163は、CPU等のプロセッサを用いて構成される。冷蔵庫制御部163は、冷蔵室27A及び主冷凍室27Eなどに設けられた図示しない温度センサの検出結果やスイッチ検知部160、記憶部162のプログラムデータ等に基づき、第1冷却ユニット30A、第2冷却ユニット30B、及び圧縮機45の動作を制御する。
【0062】
照明制御部164は、CPU等のプロセッサを用いて構成される。照明制御部164は、所定の変更条件により、照明部40の動作を制御する。照明制御部164は、本実施形態では、時間の経過を計測可能なタイマー(不図示)を備えている。
【0063】
照明制御部164は、記憶部162に記憶された第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2を組み合わせて照明パターンPの「強」「中」及び「弱」を生成する。
【0064】
照明制御部164は、例えば、変更条件としてスイッチ検知部160から扉が開いたという開情報を取得すると、照明部40に生成した照明パターンPを点灯指示として送信して照明部40を点灯させるとともに、タイマーによって計測を開始する。照明制御部164は、タイマー制御が設定されている場合、あらかじめ設定された経過期間を超えて冷蔵室扉11Aが開いていると判断すると、照明パターンPを変更する指示を照明部40に送信し、冷蔵室27A内の全体の明るさを変更する。照明制御部164は、タイマー制御が設定されていない場合、照明パターンPを変更しない。照明制御部164は、スイッチ検知部160から扉が閉まったという閉情報を取得すると、照明部40に消灯指示を送信して照明部40を消灯させる。
【0065】
また、照明制御部164は、例えば、変更条件として端末装置200から照明パターンPの変更情報を取得すると、照明パターンPの変更情報に応じて、通常モードの照明パターンPを変更し、全体の明るさを変更する。
【0066】
また、照明制御部164は、例えば、変更条件として端末装置200から時間データを取得すると、時間データに応じて、照明パターンPを変更する指示を照明部40に送信し、全体の明るさを変更する。本実施形態では、時間データは、ナイトモード(特定期間)の開始時刻及び終了時刻を含むデータである。ナイトモードとして動作する時間帯は、端末装置200においてユーザUによって設定され、設定された時間帯以外は通常モード(通常期間)の時間帯として動作する。
【0067】
次に端末装置200について説明する。
端末装置200は、例えば、ユーザUによって携帯可能な通信端末装置である。端末装置200は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、携帯可能なパーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等の装置である。端末装置200には、アプリケーションがインストールされ、記憶部204に記憶される。端末装置200は、冷蔵庫1と無線通信可能である。端末装置200は、入力部201と、表示部202と、通信I/F203と、記憶部204と、制御部205とを備える。
【0068】
入力部201は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、ペンタブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部201は、ユーザの指示を端末装置200に入力する際にユーザによって操作される。入力部201は、入力装置を端末装置200に接続するためのI/Fであっても良い。
【0069】
図8は、端末装置200の表示部202に表示されるアプリケーションプログラム画面の一例である。
表示部202は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部202は、図8に示すように、時刻、照明パターンPの決定または選択画面、及びナイトモード(特定期間)の時刻決定または選択画面を表示する。
【0070】
表示部202は、入力部201によって操作される。入力部201は、表示部202に対して、照明パターンPの選択をすることができる。表示部202は、入力部201によって操作され、照明パターンPが決定されると、照明パターンPの変更情報を制御部205に送信する。
【0071】
また、入力部201は、表示部202に対して、ナイトモードの時刻選択をすることができる。表示部202は、入力部201によって操作され、ナイトモードの開始時刻及び終了時刻が入力されると、ナイトモードの開始時刻及び終了時刻を含む時間データを生成する。表示部202は、時間データを制御部205に送信する。
【0072】
通信I/F203は、通信インターフェースである。通信I/F203は、ネットワーク(不図示)を介して冷蔵庫1に設けられた制御部16の通信I/F161と通信する。通信I/F203は、例えば移動体通信網に設けられた基地局との間で所定のプロトコルで無線通信する装置であってもよい。通信I/F203は、例えばインターネットに接続されたアクセスポイントとの間で無線LAN(Local Area Network)等の所定のプロトコルで通信する装置であってもよい。なお、通信I/F203は、冷蔵庫1に限定されず、ネットワークを介して様々な装置(例えばサーバー等)との通信を実行することができる。例えば、通信I/F203は、サーバーと通信して、サーバーから時刻情報を取得してもよい。
【0073】
記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部204は、例えば端末装置200において動作するアプリケーションプログラムのデータを記憶する。アプリケーションプログラムは、表示部202に表示され、天井照明41の明るさと左右照明42の明るさとを変更可能にする。記憶部204は、さらに他の情報を記憶してもよい。
【0074】
制御部205は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを用いて構成される。プロセッサが記憶部205に記憶されているプログラムを実行することによって、制御部205の機能が実現される。
【0075】
制御部205は、例えば表示部202に図8に示す画面を表示させる。また、制御部205は、表示部202から照明パターンPの変更情報や時間データを取得すると、照明パターンPの変更情報や時間データを通信I/F203を介して冷蔵庫1に送信する。
【0076】
次に冷蔵庫システム100の動作について説明する。
ユーザUは、冷蔵庫1の左冷蔵室扉11Aaまたは右冷蔵室扉11Abを開くため、冷蔵室27Aの前面(前方、正面)側(すなわち開口部27Ak側)に立つ。ユーザUが左冷蔵室扉11Aaまたは右冷蔵室扉11Abを開けると、冷蔵室27Aの開口部27Akが開口する。このとき、扉スイッチ15は、冷蔵室扉11Aの開閉を検知する。制御部16は、スイッチ検知部160によって扉検知情報を取得する。照明制御部164は、開情報を取得すると、照明部40に点灯指示を送信して照明部40を点灯させる。
【0077】
ここで、まず、冷蔵庫1が端末装置200から照明パターンPの変更情報や時間データを取得しない場合について説明する。
【0078】
照明部40は、冷蔵庫1の制御部16にタイマー制御が設定されていない場合、通常モードである照明パターンPの「強」を点灯指示として照明制御部164から取得し、冷蔵室27A内を照射する。具体的には、天井照明41の明るさは、通常モードにおいて第一照明パターンP1の「強」によって第一明るさとなる。また、左右照明42の明るさは、通常モードにおいて第二照明パターンP2の「強」によって第一明るさとなる。
【0079】
冷蔵庫1の制御部16にタイマー制御が設定されている場合、照明制御部164は、あらかじめ設定された経過期間を超えて冷蔵室扉11Aが開いていると判断すると、照明パターンPを変更する指示を照明部40に送信し、冷蔵室27A内の全体の明るさを変更する。
【0080】
具体的には、例えば、照明制御部164は、経過期間を超えると、通常モードである照明パターンPの「強」から「中」または「弱」にする点灯指示を照明部40に送信するように制御する。すると、照明部40は、経過期間後に照明制御部164から点灯指示を取得して、照明パターンPの「強」から「中」または「弱」に変更して冷蔵室27A内を照射する。照明部40の全体の明るさは、経過期間前に比べて弱く(暗く)なる。
【0081】
次に、冷蔵庫1が端末装置200から照明パターンPの変更情報や時間データを取得する場合について説明する。
【0082】
ユーザUは、端末装置200のアプリケーションを起動させて、入力部201から表示部202に対して操作を行い、照明パターンPの選択やナイトモードの選択をする。
【0083】
例えば、ユーザUは、入力部201から表示部202に対して操作を行い、照明パターンPを「中」または「弱」に設定する。すると、端末装置200の表示部202は、照明パターンPの変更情報を制御部205に送信し、制御部205が通信I/F203を介して冷蔵庫1に送信する。照明制御部164は、照明パターンPを通常モードである「強」から「中」または「弱」に変更する。照明部40は、照明制御部164から変更された照明パターンPの点灯指示を取得して、冷蔵室27A内を照射する。このように、照明部40の全体の明るさは、照明パターンPに応じて変更される。
【0084】
また、例えば、ユーザUは、端末装置200の入力部201から表示部202に対して操作を行い、ナイトモードの時間帯を図8に示すように、開始時刻を22時に設定し、終了時刻を6時に設定する。すると、表示部202は、ナイトモードの開始時刻及び終了時刻を含む時間データを制御部205に送信する。制御部205は、通信I/F203を介して冷蔵庫1に時間データを送信する。照明制御部164は、時間データを取得すると、ナイトモードの開始時刻から終了時刻まで、照明パターンPを通常モードである「強」から「中」または「弱」にする点灯指示を照明部40に送信するように制御する。照明部40は、照明制御部164からナイトモードの開始時刻から終了時刻まで、照明パターンPの「強」から「中」または「弱」に変更する点灯指示を取得して、冷蔵室27A内を照射する。
【0085】
ナイトモードの照明部40の全体の明るさは、通常モードの「強」から「中」または「弱」に変更されるため、通常モードに比べて弱く(暗く)なる。具体的には、天井照明41の明るさは、通常モードの第一明るさから、ナイトモードにおいて第一照明パターンP1の「中」または「弱」によって第二明るさまたは第三明るさとなるように照明制御部164によって変更される。また左右照明42の明るさは、通常モードの第一明るさから、ナイトモードにおいて第二照明パターンP2の「中」または「弱」によって第二明るさまたは第三明るさとなるように照明制御部164によって変更される。
【0086】
ナイトモードにおいて、第一照明パターンP1における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさ(または「弱」の第三明るさ)の比は、第二照明パターンP2における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさ(または「弱」の第三明るさ)の比よりも小さい。そのため、照明制御部164は、全体の明るさを弱く(暗く)しつつ、天井照明41の明るさを左右照明42よりも大きく下げて、左右照明42の明るさは、あまり下げずに冷蔵室27Aを照射させる。
【0087】
また、例えば、照明制御部164は、経過期間を超えると、ナイトモードにおいて変更された照明パターンPの「中」または「弱」から「強」にする点灯指示を照明部40に送信するように制御する。すると、照明部40は、経過期間後に照明制御部164から点灯指示を取得して、照明パターンPの「中」または「弱」から「強」に変更して冷蔵室27A内を照射する。照明部40の全体の明るさは、経過期間前に比べて強く(明るく)なる。
【0088】
本実施形態では、冷蔵庫1が冷蔵室27Aに配置された照明部40を備えている。そのため、ユーザUは、冷蔵室27A内に収容された食材等の貯蔵物を容易に認識することができる。
【0089】
また、本実施形態では、照明部40が天井照明41と左右照明42を備えており、制御部16が天井照明41の明るさと左右照明42の明るさを変更して全体の明るさを変更する。そのため、冷蔵庫システム100は、昼間の明るい時間帯や夜間の暗い時間帯における全体の明るさを変更して、眩しさと冷蔵室27A内に収容された貯蔵物の視認性とのバランスを調整することができる。
【0090】
また、本実施形態では、第一照明パターンP1における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさ(または「弱」の第三明るさ)の比は、第二照明パターンP2における「強」の第一明るさに対する「中」の第二明るさ(または「弱」の第三明るさ)の比よりも小さい。そのため、照明制御部164は、照明パターンPを「強」から「中」または「弱」に変更すると、全体の明るさを弱く(暗く)しつつ、天井照明41の明るさを左右照明42よりも大きく下げて、左右照明42の明るさを天井照明41よりも暗くしないように制御する。この構成によれば、例えば、ユーザUは、冷蔵室27A内の全体の明るさが暗くなっても左右照明42の明るさが天井照明41よりも暗くならない。そのため、ユーザUに当たりにくい位置に配置された左右照明42は、冷蔵室27Aに収容される貯蔵物を見やすいように照射し続けることができ、ユーザUに当たりやすい位置に配置された天井照明41は、明るさを下げることでユーザUに対して眩しさを感じにくくさせることができる。
【0091】
また、本実施形態では、第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、「中」及び「弱」のパターンの1周期(F)における位相が異なり、点灯間隔をずらして形成されている。天井照明41と左右照明42とは、点灯及び消灯のタイミングをずらされている。そのため、ユーザUは、例えば、夜間のくらい部屋において冷蔵室27Aの冷蔵室扉11Aを開けた際に過剰な明るさを感じにくい。
【0092】
さらに、第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、1間隔目がどちらも点灯の場合、2間隔目が同時に消灯になることがない。同様に、第一照明パターンP1と、第二照明パターンP2とは、1間隔目がどちらも消灯の場合、2間隔目が同時に点灯になることがない。そのため、照明部40は急に点灯したり、消灯したりすることがなく、ユーザUが過度に光の眩しさを感じたり、チラつきを感じたりすることがない。
【0093】
また、本実施形態に係る冷蔵庫システム100は、端末装置200においてナイトモードを選択することができる。そのため、ユーザUがナイトモードの開始時刻及び終了時刻を設定することで、冷蔵庫システム100は、自動的に照明パターンPを通常モードの「強」から「中」または「弱」変更して、照明部40を制御することができる。
【0094】
また、本実施形態では、照明制御部164は、タイマー制御が設定されている場合、あらかじめ設定された経過期間を超えて冷蔵室扉11Aが開いていると判断すると、照明パターンPを変更する指示を照明部40に送信し、冷蔵室27A内の全体の明るさを変更する。例えば、照明制御部164は、経過期間を超えると、通常モードである照明パターンPの「強」から「中」または「弱」にする点灯指示を照明部40に送信するように制御する。この構成によれば、通常モードにおいて、照明制御部164は、ユーザUが経過時間以上に冷蔵室扉11Aを開けると照明部40の明るさを暗くする省エネモードとして作用させることができる。
【0095】
また、ナイトモードにおいては、照明制御部164は、例えば、タイマー制御が設定されている場合、あらかじめ設定された経過期間を超えて冷蔵室扉11Aが開いていると判断すると、照明パターンPを「弱」のとき「強」または「中」、「中」のとき「強」となるように変更する指示を照明部40に送信し、冷蔵室27A内の全体の明るさを上げる。この場合は、ユーザUが経過時間以上に冷蔵室扉11Aを開けると、周りが暗い状態においてナイトモードで照明部40の明るさが抑えられユーザUの目が慣らされる。その後、照明制御部164が照明部40の明るさを上げて冷蔵室27Aを見やすくし、ユーザUに対して貯蔵物を容易に検知させることができる。
【0096】
また、本実施形態では、第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2は、1周期において8間隔すべてが点灯した通常の点灯状態を「強」とする。日中、太陽の光が直接当たる環境下などにおいて十分に明るい部屋を想定したうえで、第一照明パターンP1及び第二照明パターンP2を8間隔すべてが点灯した「強」を通常の点灯状態とすることによって、ユーザUは、周囲が明るくても冷蔵庫1の照明部40によって冷蔵室27Aに収容された貯蔵物を容易に識別することができる。
【0097】
(変形例)
本実施形態では、照明パターンPを「強」「中」「弱」にパターン化しているが、特に限定されない。例えば、図9は、照明部40の照明パターンの変形例を示す図である。図8に示すように、照明部40の天井照明41の第一照明パターンP1は、上述の実施形態と同様であるが、照明部40の左右照明42の第二照明パターンP2は、さらに、パラメータとして、変形パターンP2a、変形パターンP2b、及び変形パターンP2cを含む。記憶部162は、この変形パターンP2a、変形パターンP2b、及び変形パターンP2cをさらに記憶する。制御部16の照明制御部164は、第一照明パターンP1と、変形パターンP2a、変形パターンP2b、及び変形パターンP2c162を含む第二照明パターンP2を組み合わせて照明パターンPの「強」「中」及び「弱」を生成することができる。
【0098】
また、照明部40は、天井照明41及び左右照明42に限らず、複数設けられていてもよい。また、照明部40は、冷蔵室27A以外の他の貯蔵室の貯蔵物を照射するように設けられていてもよい。
【0099】
また、左右照明42は、冷蔵室27Aの横幅方向の側面に設けられてもよいし、奥行方向の後方に設けられてもよい。
【0100】
また、左右照明42は、さらに、複数の照明を備えていてもよい。例えば、左右照明42は、第一照明と、第一照明よりも上下方向の下側または上側に設けられた第二照明とを備える。この場合、制御部16は、第一照明及び第二照明において明るさをそれぞれ変更し、全体の明るさを変更するように制御してもよい。
【0101】
また、冷蔵庫1は、左冷蔵室扉11Aa及び右冷蔵室扉11Abの少なくとも一方の表面に、操作パネルユニットを設けてもよい。この場合、冷蔵庫1は、操作部、及び表示部を設けることで、端末装置200の各種機能を冷蔵庫1の制御部16に設けてもよい。
【0102】
また、冷蔵庫1の制御部16の通信I/F161と端末装置200の通信I/F203とは、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信を用いてもよい。また、通信I/F161と、通信I/F203とは、有線通信であってもよい。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0104】
100…冷蔵庫システム、200…端末装置、1…冷蔵庫、5…冷蔵庫本体、50…外郭部材、61…リブ、10…筐体、27…貯蔵室、27P…冷蔵部、27Q…冷凍部、28…第一仕切部、29…第二仕切部、11…扉、11A…冷蔵室扉、12…棚、13…容器、14…流路形成部品、15…扉スイッチ、16…制御部、160…スイッチ検知部、164…照明制御部、30、30A、30B…冷却ユニット、40…照明部、41…天井照明(第一照明)、42…左右照明(第二照明)、P1…第一照明パターン、P2…第二照明パターン、U…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9