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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071108
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20240517BHJP
   F02M 35/108 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B60K13/04 B
F02M35/10 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181870
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大野 航平
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038BA12
3D038BB01
3D038BC15
(57)【要約】
【課題】外気温度の違いにかかわらず、エンジンの始動が良好に行える状態を維持することが要望されていた。
【解決手段】ボンネット11内に原動部7が備えられ、原動部7に、エンジン6と、エンジン6に燃焼用空気を供給するエアークリーナ14と、エンジン6を冷却するラジエータ12と、ラジエータ12に冷却風を通風する冷却ファン13と、が備えられ、ラジエータ12がボンネット11の吸気箇所に臨む状態で備えられ、エアークリーナ14は、ラジエータ12よりも原動部7の内方側に位置するとともに、吸気口21がボンネット11の吸気箇所16に臨む状態で開口しており、外気をそのまま吸気口21に導入する外気導入状態と、周囲の温度よりも高い高温領域の空気を吸気口に導入する昇温気導入状態と、に切り換え可能な吸気状態切り換え手段KSが備えられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンネット内に原動部が備えられ、
前記原動部に、エンジンと、前記エンジンに燃焼用空気を供給するエアークリーナと、前記エンジンを冷却するラジエータと、前記ラジエータに冷却風を通風する冷却ファンと、が備えられ、
前記ラジエータが前記ボンネットの吸気箇所に臨む状態で備えられ、
前記エアークリーナは、前記ラジエータよりも前記原動部の内方側に位置するとともに、吸気口が前記ボンネットの前記吸気箇所に臨む状態で開口しており、
外気をそのまま前記吸気口に導入する外気導入状態と、周囲の温度よりも高い高温領域の空気を前記吸気口に導入する昇温気導入状態と、に切り換え可能な吸気状態切り換え手段が備えられている作業機。
【請求項2】
前記吸気状態切り換え手段が、前記吸気口の吸気方向上手側箇所を開放する開放状態と、前記吸気口の吸気方向上手側箇所を覆うとともに、前記高温領域として前記ラジエータの周囲の空気を前記吸気口に案内する案内通路を形成する通路形成状態とに切り換え可能なカバー部材を備えている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記カバー部材を前記開放状態及び前記通路形成状態の夫々において位置固定可能な手動操作式の締結手段が備えられている請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記カバー部材を前記開放状態及び前記通路形成状態の夫々に切り換え操作可能な操作機構が備えられている請求項2に記載の作業機。
【請求項5】
前記カバー部材が、
前記吸気方向と交差する方向に沿ってスライド移動可能に支持され、スライド操作することにより、前記開放状態と前記通路形成状態とに切り換え可能である請求項2から4のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記吸気状態切り換え手段が、前記高温領域として、前記エンジンの周囲の空気を前記吸気口に導入する請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動部にエンジンやエアークリーナ等が備えられている作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記作業機の一例としての乗用型芝刈り機において、従来では、次のように構成されたものがあった。機体後部に原動部が備えられ、原動部の前部にラジエータが備えられ、ボンネットの前部に形成された吸気部から外気を吸引する構成となっており、エアークリーナが、ラジエータよりも後方側、すなわち、原動部の内方側に位置するとともに、エアークリーナの吸気口がボンネットの吸気箇所に臨むように開口する状態となっていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016―124428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成においては、外気温度が高めの場合には特に問題は生じないが、例えば、寒冷地にて使用されている際に外気温度が低温になると、エアークリーナの吸気部から直接、低温の外気が吸気されて、その外気がエンジンに燃焼用空気として供給される。その結果、エンジンの始動が良好に行われないおそれがあり、使い勝手がよくないという問題があった。
【0005】
そこで、外気温度の違いにかかわらず、エンジンの始動が良好に行える状態を維持することが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る作業機の特徴構成は、ボンネット内に原動部が備えられ、前記原動部に、エンジンと、前記エンジンに燃焼用空気を供給するエアークリーナと、前記エンジンを冷却するラジエータと、前記ラジエータに冷却風を通風する冷却ファンと、が備えられ、前記ラジエータが前記ボンネットの吸気箇所に臨む状態で備えられ、前記エアークリーナは、前記ラジエータよりも前記原動部の内方側に位置するとともに、吸気口が前記ボンネットの前記吸気箇所に臨む状態で開口しており、外気をそのまま前記吸気口に導入する外気導入状態と、外気の温度よりも高い高温領域の空気を前記吸気口に導入する昇温気導入状態と、に切り換え可能な吸気状態切り換え手段が備えられている点にある。
【0007】
本発明によれば、外気温度が高い場合には、吸気状態切り換え手段を外気導入状態に切り換える。そうすると、エアークリーナの吸気口はボンネットの吸気箇所に臨む状態で開口するので、外気をそのままエアークリーナにて吸気することができる。このときは、高い温度の空気がエンジンに供給されるので、エンジンの始動は良好に行うことができる。尚、外気温度が高い場合に、吸気状態切り換え手段が昇温気導入状態にあると、吸気される空気の温度がさらに上昇して空気密度が低下し、エンジンの出力が低下するおそれがある。
【0008】
そして、外気温度が低温である場合には、吸気状態切り換え手段を昇温気導入状態に切り換える。この状態では、エアークリーナがボンネットの吸気箇所から外気を直接吸気するのではなく、高温領域の空気が吸気口に案内される。尚、外気温度が低温である場合に、低温の外気をそのままエアークリーナが吸気してエンジンに供給すると、エンジンの始動が良好に行えないおそれがある。そこで、外気温度が低温である場合には、温められた空気を吸気することにより、エンジンに対して温められた空気を供給することができ、エンジンの始動を良好に行うことができる。
【0009】
従って、外気温度の違いにかかわらず、エンジンの始動が良好に行える状態を維持することが可能となった。
【0010】
本発明においては、前記吸気状態切り換え手段が、前記吸気口の吸気方向上手側箇所を開放する開放状態と、前記吸気口の吸気方向上手側箇所を覆うとともに、前記高温領域として前記ラジエータの周囲の空気を前記吸気口に案内する案内通路を形成する通路形成状態とに切り換え可能なカバー部材を備えていると好適である。
【0011】
本構成によれば、カバー部材の状態を切り換えるという簡単な構成によって、外気導入状態と昇温気導入状態とに切り換ることが可能であり、複雑な構成を備えなくても、エンジンの始動が良好に行える状態を維持することが可能である。
【0012】
本発明においては、前記カバー部材を前記開放状態及び前記通路形成状態の夫々において位置固定可能な手動操作式の締結手段が備えられていると好適である。
【0013】
本構成によれば、カバー部材を手動で締結することで位置固定するので、簡単な構成で確実に位置固定することができ、吸気状態を適正に位置することができる。
【0014】
本発明においては前記カバー部材を前記開放状態及び前記通路形成状態の夫々に切り換え操作可能な操作機構が備えられていると好適である。
【0015】
本構成によれば、操作機構によってカバー部材の状態を切り換えるので、手動で切り換える場合に比べて煩わしさがなく楽に行える。
【0016】
本発明においては、前記カバー部材が、前記吸気方向と交差する方向に沿ってスライド移動可能に支持され、スライド操作することにより、前記開放状態と前記通路形成状態とに切り換え可能であると好適である。
【0017】
本構成によれば、カバー部材をスライドさせるので、例えば取り外して再度取り付ける等の煩わしさがなく、開放状態と通路形成状態との切り換えを能率よく行える。
【0018】
本発明においては、前記吸気状態切り換え手段が、前記高温領域として、前記エンジンの周囲の空気を前記吸気口に導入すると好適である。
【0019】
本構成によれば、エンジンの周囲の高温の空気を利用することで、エンジンの熱を有効に利用して、エアークリーナによる吸気温度を昇温させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】作業機の側面図である。
図2】原動部の縦断側面図である。
図3】原動部の横断平面図である。
図4】昇温気導入状態の吸気状態切り換え手段を示す斜視図である。
図5】外気導入状態の吸気状態切り換え手段を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0022】
本発明による作業機の一例として、フロントマウント型乗用草刈機が図1に示されている。フロントマウント型乗用草刈機は、左右一対の前車輪1が駆動可能に装備され、左右一対の後車輪2が操向可能に装備された車体と、車体の前方に位置する草刈装置10とを備えている。
【0023】
車体の前部には、運転座席3、後車輪2を操向操作するステアリングホィール4を有する乗用型の運転部5が形成されている。車体の後部には、エンジン6を有する原動部7が形成されている。運転部5と原動部7との間には、正面視で略逆U字状に形成されたロプス9が備えられている。運転部5の下方に、ミッションケース8が備えられ、ミッションケース8には、エンジン6からの動力が入力され、入力された動力を前車輪1及び草刈装置10に出力する伝動機構(図示せず)が収容されている。草刈装置10は、昇降リンク20に支持され、昇降リンク20によって下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作される。
【0024】
〔原動部〕
図2図3に示すように、原動部7は、ボンネット11により覆われており、ボンネット11内に、エンジン6、エンジン冷却用のラジエータ12、エンジン6により駆動される冷却ファン13、エンジン6に燃焼用空気を供給するエアークリーナ14等が備えられている。原動部7の後部側にはエンジン6の排ガスを浄化する排ガス浄化装置(図示せず)が備えられている。
【0025】
ラジエータ12は、エンジン6の前方に位置し、冷却面が前部に位置する状態で縦向き姿勢で配置されている。冷却ファン13は、エンジン6とラジエータ12との間に備えられ、エンジン6の出力軸6aにより伝動ベルト15を介して回転駆動される。冷却ファン13は、回転すると後方に向けて冷却風を生成する。
【0026】
ラジエータ12の冷却面が臨むボンネット11の前壁部11aには、吸気箇所としての防塵網を備えた吸気用開口部16が形成されている。ラジエータ12と冷却ファン13との間にファンシュラウド17が設けられている。ファンシュラウド17は、ラジエータ12と冷却ファン13との間の空間における周囲を囲う状態で設けられ、冷却ファン13による吸引作用により、ボンネット11の吸気用開口部16、及び、ラジエータ12を通して流動するように空気を案内する。
【0027】
エアークリーナ14は、略円筒形ハウジングを有し、エンジン6の上方にその円筒軸が機体横方向に沿うように横置き姿勢で配置されている。エアークリーナ14は、ファンシュラウド17から延設されたブラケットに支持されている。
【0028】
エアークリーナ14の吸気管18はエアークリーナ14から平面視で略S字状に屈曲しながら斜め上方に延びている。吸気管18は、ファンシュラウド17の上部に設けられた仕切り用の縦壁部19を前部側から後部側に向けて貫通しており、吸気口21はラジエータ側空間に向けて開口している。すなわち、エアークリーナ14は、ラジエータ12よりも原動部7の内方側に位置するとともに、吸気口21がボンネット11の吸気箇所(吸気用開口部16)に臨む状態で開口している。エアークリーナ14の流出管22は、U字状に屈曲しながら下方に延びており、エンジン6の吸気マニホールドに接続されている。
【0029】
そして、外気をそのままエアークリーナ14の吸気口21に導入する外気導入状態と、外気の温度よりも高い高温領域の空気を吸気口21に導入する昇温気導入状態と、に切り換え可能な吸気状態切り換え手段KSが備えられている。
【0030】
吸気状態切り換え手段KSは、吸気口21の吸気方向上手側箇所を開放する開放状態と、吸気口21の吸気方向上手側箇所を覆うとともに、高温領域としてラジエータ12の周囲の空気を吸気口21に案内する案内通路を形成する通路形成状態とに切り換え可能なカバー部材Cを備えている。
【0031】
図4に示すように、カバー部材Cは、ファンシュラウド17の上部側壁部23と縦壁部19とによって形成される空間を利用して、案内通路を形成するための吸気カバー24を備えている。吸気カバー24は、ファンシュラウド17の左右幅方向の略全幅に亘って左右方向に延びており、側面視において縦壁部19の上部側箇所から上面部の前部側箇所に亘って斜め方向に延びている。
【0032】
縦壁部19と吸気カバー24と上部側壁部23とによって左右方向に延びる筒状の通路が形成される。この筒状の通路のうち右側の端部は遮蔽部材25によって閉塞され、左側の端部は開放されて開口26が形成されている。吸気カバー24におけるエアークリーナ14の吸気管18に対応する箇所に、吸気管18が挿通することができるように吸気管挿通孔27が形成されている。
【0033】
カバー部材Cには、吸気カバー24に対して吸気管挿通孔27に対応する箇所に取り付け固定されて吸気管挿通孔27を閉塞する閉状態と、吸気カバー24の吸気管挿通孔27が形成される箇所とは異なる位置、すなわち、閉状態にあるときの位置から左側に寄った位置に取り付け固定される開状態とに切り換え可能な可変カバー28が備えられている。
【0034】
可変カバー28は、周囲の複数箇所を手動式の締結手段としてのボルトBoによって吸気カバー24に取り付け固定する構成となっている。吸気カバー24には、可変カバー28が閉状態にあるときにおいて、その周囲に対応する複数箇所にボルト挿通孔29が形成されている。又、吸気カバー24には、可変カバー28が開状態にあるときにおいて、その周囲に対応する複数箇所にボルト挿通孔29が形成されている。ボルトBoはボルト挿通孔29を通して可変カバー28と吸気カバー24とを締結する。複数のボルト挿通孔29のうちの一部は、閉状態のときと開状態のときとで共用する構成となっている。
【0035】
可変カバー28を閉状態にて固定すると、吸気カバー24の吸気管挿通孔27が閉塞される。この閉状態では、エアークリーナ14の吸気口21の吸気方向上手側箇所が覆われた状態となる。エアークリーナ14が吸気口21を通して吸気作用を行うと、縦壁部19と吸気カバー24と上部側壁部23とによって形成された通路の左側端部に形成された開口26から空気が吸気される。
【0036】
通路の左側端部の開口26からはラジエータ12の周囲の空気が吸気される。ラジエータ12の周囲はエンジン6の冷却水が通流することにより高温になっているラジエータ12によって外気よりも高温になっている。従って、このときのカバー部材Cが通路形成状態に相当しており、吸気状態切り換え手段KSの昇温気導入状態に対応する(図4参照)。
【0037】
エアークリーナ14は外気よりも高温の空気を吸気することができる。このように、縦壁部19と吸気カバー24と上部側壁部23とによって形成された通路によって、高温領域としてラジエータ12の周囲の空気を吸気口に案内する案内通路Lが形成される。
【0038】
可変カバー28を開状態にて固定すると、吸気カバー24の吸気管挿通孔27が開放されて状態となる。そうすると、エアークリーナ14の吸気口21の吸気方向上手側箇所を開放された状態となる。この状態では、エアークリーナ14、吸気口21からボンネット11の吸気用開口部16からそのまま外気を吸気することができる。このときのカバー部材Cが開放状態に相当しており、吸気状態切り換え手段KSの外気導入状態に対応する(図5参照)。
【0039】
寒冷地で作業する場合には、図4に示すように、カバー部材Cを通路形成状態に設定して昇温気導入状態に切り換えることにより、エアークリーナ14からは外気よりも高温の空気を吸気することでエンジン6を良好に作動することができる。一方、外気温度が高い場合には、カバー部材Cを開放状態に設定して外気導入状態に切り換えることにより、エアークリーナ14が必要以上に高温の空気を吸気することがなく、エンジン6の出力低下を招くなどの不利を回避できる。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、カバー部材Cのうちの可変カバー28が、開放状態及び通路形成状態の夫々において手動操作式の締結手段としてのボルトBoによって位置固定する構成としたが、この構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
(a)カバー部材Cのうちの可変カバー28が、吸気方向と交差する方向、例えば、左右方向に沿ってスライド移動可能に吸気カバー24又はファンシュラウド17に支持される構成として、スライド操作することにより、開放状態と通路形成状態とに切り換え可能に構成するもの。
(b)カバー部材Cのうちの可変カバー28を開放状態及び通路形成状態の夫々に切り換え操作可能な操作機構が備えられているもの。操作機構としては、電動アクチュエータや油圧アクチュエータ等を備えるものでもよく、手動操作によって操作させる構成としてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、外気温度よりも高い高温領域として、ラジエータ12の周囲の空気を吸気するようにしたが、この構成に代えて、高温領域として、エンジン6の周囲の空気を吸気口に導入する構成としてもよい。
高温領域としては、ラジエータ12の周囲やエンジン6の周囲に限らず、外気温度よりも高い温度であればよく、上記構成に限定されない。
【0042】
(3)上記実施形態では、吸気状態切り換え手段KSが、開放状態と通路形成状態とに切り換え可能なカバー部材Cを備える構成としたが、この構成に代えて、外気をそのまま吸気口に導入する状態と、高温領域の空気を吸気口に導入する状態とに、流動経路を切り換える切り換え弁を内装した流路切り換え装置を備え、エアークリーナ14の吸気口に接続する構成としてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では、吸気状態切り換え手段KSが、手動操作によってる外気導入状態と昇温気導入状態とに切り換え可能な構成としたが、例えば、外気温度を検出して、外気温度が設定温度よりも高ければ外気導入状態を維持し、外気温度が設定温度を下回っていれば自動的に昇温気導入状態に切り換える自動制御機構を備える構成としてもよい。
【0044】
(5)上記実施形態では、作業機の一例として、フロントマウント型乗用草刈機を例に説明したが、これに限らず、ミッドマウント型乗用草刈機、トラクタ、運転作業車等、種々の作業機にて実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、原動部に、エンジンやエアークリーナ等が備えられている作業機に適用できる。
【符号の説明】
【0046】
6 エンジン
7 原動部
11 ボンネット
12 ラジエータ
13 冷却ファン
14 エアークリーナ
21 吸気口
Bo 締結手段
C カバー部材
KS 吸気状態切り換え手段
図1
図2
図3
図4
図5