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特開2024-71134微生物と植物成分を用いた抗菌消臭剤、抗菌消臭方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071134
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】微生物と植物成分を用いた抗菌消臭剤、抗菌消臭方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 63/30 20200101AFI20240517BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240517BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20240517BHJP
   A01N 65/06 20090101ALI20240517BHJP
   A01N 65/34 20090101ALI20240517BHJP
【FI】
A01N63/30
A01P3/00
A01P1/00
A01N65/06
A01N65/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181923
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】507029133
【氏名又は名称】碇 正男
(72)【発明者】
【氏名】碇 正男
(72)【発明者】
【氏名】松澤 哲宏
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011AA04
4H011BA07
4H011BB21
4H011BB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】抗菌消臭能力を持つ微生物と植物などから抽出された成分を組み合わせて能力を強化し、さらにウィルスなども効果範囲に加えた微生物抗菌消臭剤ならびに抗菌消臭方法を提供する。
【解決手段】芽胞状態の微生物が放出する揮発性物質と植物成分を組み合わせることにより、空間内の真菌類の発育の抑制、ウィルスの不活性化、消臭の能力を併せ持つ抗菌消臭剤を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芽胞状態の微生物が放出する揮発性物質と植物成分を組み合わせることにより、空間内の真菌類の発育の抑制、ウィルスの不活性化、消臭の能力を併せ持つ抗菌消臭剤。
【請求項2】
用いる微生物が受託番号NITE P-02127を有する微生物である請求項1記載の抗菌消臭剤。
【請求項3】
用いる植物成分がヒノキ科、またはユーカリ属の植物の精油を含む請求項1記載の抗菌消臭剤。
【請求項4】
用いる植物成分がヒノキ及びヒバの精油を含む請求項1記載の抗菌消臭剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の抗菌消臭剤を用いた抗菌方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芽胞微生物と植物成分を用いた抗菌消臭剤、抗菌消臭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、さまざまな種類の抗菌剤や抗カビ剤が開発され使用されている。その中には微生物を利用して抗菌や消臭を行うものがある。例えば、特許文献1には、バチルス属などの多種の微生物を鉱物担体に含浸させ、乾燥させることによって得られる消臭剤が記載されている。これを消臭対象の汚泥に散布することによって、汚泥の水分で微生物が活性化し、消臭を行うものである。
【0003】
微生物を用いた抗菌方法には微生物が発生させる気化物質などを用いて空間内の抗菌や消臭を行うものがある。例えば特許文献2にはバチルス属に属する新規微生物を用いた抗菌消臭方法が記載されている。
【0004】
また、ヒノキなどの木材から抽出される成分はフィトンチッドなどと呼ばれ、抗菌能力が知られている。例えば特許文献3にはヒノキから抽出された成分を用いた除菌スプレーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07-222791
【特許文献2】特開2018-007661
【特許文献3】特開平4-5210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2で利用されている微生物は「芽胞」という微生物が生存できない環境におかれた微生物が、その環境に対応するために形成する状態を利用している。この形態になると微生物は活動を止め、乾燥や高温、低温などの微生物にとって危険な状況を生き延びることができるようになる。生きた微生物を商材として扱う場合に、輸送や保存は特に問題になるが、この芽胞状態を利用すればこの問題は解決し、容易に管理が可能になる。
【0007】
特許文献2では芽胞状態の微生物をそのまま利用して抗菌消臭を行っているもので、微生物の活動に適した温度や湿度に捉われずに、安全性に優れ、目的とする空間の隅々までに効果が得られる抗菌方法として、室内などの常温環境だけでなく冷蔵庫やエアコンなどのさまざまな空間に用いることができる。
【0008】
この芽胞状態を利用した微生物抗菌消臭剤の能力をさらに強化し、抗ウィルス能力を付与することができれば、さらに安全で健康的な空間を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、微生物を用いて抗菌、消臭だけではなく、抗ウィルスの機能を兼備する抗菌消臭剤について鋭意研究を重ねた結果、微生物が放出する微生物と植物成分が組み合わさった時、それぞれ単体で用いるよりもウィルス不活性化能力が非常に大きく上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、抗菌、消臭だけではなく、抗ウィルス機能を兼備する抗菌消臭剤を提案することを目的とするものである。
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、消臭抗菌能力を持つ微生物と植物成分を用いることを特徴とする抗菌消臭剤をその要旨とした。
【0011】
本発明の抗菌消臭剤は、空間内に存在する菌類の発育抑制、また悪臭の消臭を行う特徴を持つ微生物、または、それを含む2種以上の微生物を微生物担体に担持させた状態で乾燥させたものと、植物成分、または植物成分を担体に担持させたものの混合物である。
【0012】
使用する微生物としては、消臭や抗菌能力を持ち、芽胞状態を形成し、人体に害のない安全な微生物を使用できる。これらの特徴を併せ持つものとして例えばBacillus属が挙げられる。
【0013】
Bacillus属に属する新規のグラム陽性有芽胞桿菌(独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター に寄託して平成27年10月2日に受領された受託番号NITE P-02127を有する新規微生物)等を用いることができる。この微生物は、菌類の発育抑制、または臭い成分を分解する特徴を有する。
【0014】
ここで、微生物担体とは、微生物を保持する能力を有するもののことを言い、具体的には、多孔質ガラス、セラミックス、金属酸化物、活性炭、カオリナイト、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、アンスラサイト、パーライト等の粒子状担体、デンプン、寒天、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ポリアクリルアミド、カラギーナン、アガロース、ゼラチン等のゲル状担体、イオン交換樹性セルロース、イオン交換樹脂、セルロース誘導体、グルタルアルデヒド、ポリアクリル酸、ウレタンポリマー等を用いることができる。また、天然、もしくは合成の高分子化合物も有効であり、セルロースを主成分とする綿、麻、パルプ材より作られる紙類もしくは天然物を変性した高分子アセテート等も用いることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタンを初めとする合成高分子からなる布類も使用することができる。これらは微生物の付着性が良く、微細な間隙を有するものが好ましい。また注入時に容易に浸透できる微細な材料を用いるのがより好ましい。
【0015】
植物成分とは、例えば、ヒノキ、タイワンヒノキ、ベイヒバ、サワラ、ローソンヒノキ、チャボヒバ、クジャクヒバ、オウゴンチャボヒバ、スイリュウヒバ、イトヒバ、オウゴンヒヨクヒバ、シノブヒバ、オウゴンシノブヒバ、ヒムロスギ等のヒノキ科ヒノキ属の樹木;ニオイヒバ、ネズコ等のヒノキ科クロベ属の樹木;ヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロ、ホソバアスナロ等のヒノキ科アスナロ属の樹木;ハイビャクシン、ネズミサシ、エンピツビャクシン、オキナワハイネズ等のヒノキ科ビャクシン属の樹木;スギ、アシウスギ、エンコウスギ、ヨレスギ、オウゴンスギ、セッカスギ、ミドリスギ等のヒノキ科スギ属の樹木;トドマツ、モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー、ノーブルファー等のマツ科モミ属の樹木;ヒマラヤスギ等のマツ科ヒマラヤスギ属の樹木、アカエゾマツ、トウヒ等のマツ科トウヒ属の樹木;アカマツ、ダイオウショウ、ストローブマツ、ハイマツ等のマツ科マツ属の樹木;カラマツ等のマツ科カラマツ属の樹木;ツガ等のマツ科ツガ属の樹木;コウヤマキ等のコウヤマキ科コウヤマキ属の樹木;カヤ等のイチイ科カヤ属の樹木;ユーカリ等のフトモモ科の樹木等などの中から選択された、1種以上よりなる木材、樹皮、葉などからの抽出した精油等を用いることができる。また、ヒノキ科などの植物から抽出される抗菌成分であるヒノキチオールを併せて用いることができる。
【0016】
植物成分を担持する担体には、前記の微生物担体と同様の物を使用できる。
【0017】
植物成分を担持させた担体は、被覆し、植物成分の放出量を調整しても良い。この被覆にはロジンやロジンエステルなどの天然樹脂、蜜蝋やパラフィンワックスなどの固形ワックス、ポリビニルアルコールなどのポリマー樹脂、高級脂肪酸、高級アルコール、セラック、シュガーエステル等を用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、空間内に存在する菌類に対して、芽胞状態の微生物から発生する揮発性成分と植物成分の相乗効果により、菌類等の発育が抑制され、悪臭の消臭が行われ、ウィルスを不活性化させるので、スプレーなどによる散布や刷毛などによる塗布といった作業を行うことなく、空間内に本発明を置いておくだけで、空間内の隅々まで効果を得ることができる。また、乾燥した室内や低温化で使用できる。しかも安全性が高いため、人が生活している環境下で持続的に使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例0020】
(実地例1)
1-1:使用する植物成分の選定
まず本発明者らは使用する成分を選定するために、さまざまな植物の精油や微生物粉体を用いてウィルス不活性化試験を行った。植物の精油として、ティーツリー精油、ラベンダー精油、サイプレス精油、ユーカリ精油、ジュニパーベリー精油、マジョラム精油、イランイラン精油、フランキンセス精油、パルマローザ精油、ヒノキ精油、ヒバ精油を用意した。
【0021】
1-2:微生物粉体の製造方法
Bacillus属等に属する微生物は乾燥状態などの生存に適さない状態になると芽胞を形成し、乾燥や温度変化などに強い保存に適した状態となる。これを利用して、微生物培養液を多孔質物質に含浸させた後に乾燥させ、芽胞形成を促すことで芽胞微生物粉体を作成することができる。
多孔質の粉末担体としてパーライト 1kgに、使用する微生物の微生物培養液 2Lを含浸させた。その後、微生物を担持した担体を常温の乾燥下に置き、乾燥させて水分を10%以下にし、芽胞微生物粉体を作成した。微生物に弊社保有の微生物株を用いて、それぞれで芽胞微生物粉体を作成した。
【0022】
1-3:空間内ウィルス不活性化試験
本試験に用いた被験菌には、病原ウィルスの代用として大腸菌ファージを使用した。エンペローブに覆われた大腸菌ファージはインフルエンザウィルスよりも抗ウィルス剤の影響を受けにくいと言われる。10の8乗クラスのpfu/mlを持つ大腸菌ファージ液 20 μlを1 cm角のろ紙に滴下し、2Lの密閉できる箱の内部に配置した。そこに検体となる物質を被検菌液に接触しないように配置し密閉した。検体が精油の場合は、10 μlを箱内に配置したシャーレに滴下し、検体が微生物粉体の場合は粉体1gを箱内に配置したシャーレ内に置いた。24時間後にろ紙を取り出し、大腸菌を宿主細胞として、プラーク数を計測した。また検体を使用しない空試験も同様に行った。これらの試験中、容器内の湿度が90%を超えるように水のみで作成した寒天培地を配置し調整した。
【0023】
試験結果を表1に示す。植物精油ではユーカリ、ヒノキなどで、微生物粉体ではNITE P-02127株を用いたものでわずかなプラーク数の減少を確認した。
【0024】
【表1】
【0025】
1-4:微生物揮発性物質再現液体の調整
多少の有効性を示したNITE P-02127株の微生物粉体であるが、放出される揮発性物質の定性分析を行い、その成分を分析済みである。この成分を配合して微生物から放出される揮発性物質を再現した微生物揮発性物質再現液体を作成した。この再現溶液には有機酸や芳香族アルデヒドなどが含まれる。また本来の放出濃度よりも高い濃度となっている。これを試験に用いることで、微生物を用いた時に起きる現象の差異をわかりやすく判別できる。
【0026】
1-5:空間内ウィルス不活性化試験
ある程度の有効性を示した前述の精油やNITE P-02127株の微生物揮発性物質再現液体を用い、これらを混合して、前述の空間内ウィルス不活性化試験を再度行った。検体が液体の場合は、10 μlを箱内に配置したシャーレに滴下し、検体が液体と粉体の場合は液体 5 μlと粉体 0.5 gを箱内に二つ配置したシャーレ内にそれぞれ置いた。
【0027】
試験結果を表2に示すそれぞれの精油と微生物揮発性物質再現液体を混合した時に、プラーク数を大きく減少させる性能の向上がみられた。ヒバ、ヒノキを混合しても能力の強化が起きた。また、微生物粉体とヒバ・ヒノキ精油混合物を同時に使用した時には大きな能力の向上が見られた。
【0028】
【表2】
【0029】
ヒバ・ヒノキ精油という木材成分と微生物(NITE P-02127株)の微生物粉体の揮発性物質を同時に使用すると、相乗効果が発生し、高いウィルス不活性化能力を示すことがわかった。
【0030】
微生物粉体再現液体に含まれる成分は、空気中での劣化などで長期の放出に向かないものがあるが、芽胞微生物はこれらの成分を長期にわたって生産しつづけるため、植物成分を放出する製剤と組み合わせて運用すれば、長期にわたって空間内のウィルス不活性化を行うことができる。
【0031】
(実施例2)
2-1:微生物粉体の製造方法
多孔質の粉末担体としてパーライト 1kgに、使用する微生物の微生物培養液 2Lを含浸させた。その後、微生物を担持した担体を常温の乾燥下に置き、乾燥させて水分を10%以下にし、芽胞微生物粉体を作成した。微生物には、前記のNITE P-02127株の微生物株を用いてそれぞれ芽胞微生物粉体1を作成した。
【0032】
2-2:徐放性を持つフィトンチッドビーズの製造方法
次に、担体の孔の中等に、植物成分とロジンなどの被覆材を混合したものを共に埋め込むことにより、フィトンチッドビーズを作成することができる。
担体として、ビスコパール(レンゴー株式会社製)を使用し、このセルロースビーズ0.3 kgに対し、熱で融解させたロジンエステルAA-G(荒川化学工業製)1 kg、ヒバ精油・ヒノキ精油などからなる植物成分0.1 kgを混合したものを加え、浸透、攪拌し、フィトンチッドビーズ2を作成した。
このフィトンチッドビーズ2と微生物粉体1を等量で混合したものを微生物フィトン剤3とした。
【0033】
2-2:空間内ウィルス不活性化持続試験の試験方法
本試験でも用いた被験菌には、病原ウィルスの代用として大腸菌ファージを使用した。10の8乗クラスのpfu/gを持つ大腸菌ファージ液 20 μlを1 cm角のろ紙に滴下し、2Lの密閉できる箱の内部に配置した。そこに検体として微生物フィトン剤3 2gを被検菌液に接触しないように配置し密閉した。24時間後にろ紙を取り出し、大腸菌を宿主細胞として、プラーク数を計測した。また検体を使用しない空試験も同様に行った。これらの試験中、容器内の湿度が90%を超えるように適宜水を容器内に滴下し調整した。
試験終了後、微生物フィトン剤3を取り出し、室内の開放状態で放置し、一定日数経過後、再度同様の試験を繰り返した。
【0034】
試験結果を表3に示す。かなりの日数が経過してもファージを大きく減少させる効果を確認できた。被覆したビーズによる徐放性と、長期的に効果を発揮する芽胞状態の微生物粉体がどちらも長期的に効果を発揮し続けたものだと思われる。
【0035】
【表3】
【0036】
2-3:空間内ウィルス不活性化試験
大腸菌ファージではなくインフルエンザウィルスを使用して、前述のものと同様のウィルス不活性化試験を行った。2cm円形ろ紙(ガラス製)を設置し、インフルエンザウィルス(Influenza virus H1N1 A/PR/8/34 ATCC VR-1469
) 7x10^7 PFU/mL を0.05 mLずつ滴下し、2Lの密閉できる箱の内部に配置した。そこに検体として微生物フィトン剤3を2g配置し、6時間後にろ紙を取り出し、MDCK細胞(イヌ腎細胞)を宿主細胞としたプラーク数を計測し、ウィルス感染力価を測定した
【0037】
試験結果を表4に示す。ファージだけでなくウィルスにも99.99%の高い不活性化能力が確認できた。
【0038】
【表4】
【0039】
2-4:消臭試験・抗菌試験
微生物フィトン剤3を構成している微生物粉体1は真菌類に対する抗菌能力とアンモニアやアミンなどに対する消臭能力を持つ。また、ヒバやヒノキは一般的に知られている通り、抗菌消臭能力を持つため、この微生物フィトン剤3は前記のような抗ウィルス効果と抗菌、消臭能力を併せ持つものとなる。
【0040】
消臭試験:10Lバロンボックスを用意し、室温下で内部に被検体となる臭気を発生させた。このバロンボックス内に微生物フィトン剤3を不織布製の袋に1 g詰めて封をしたものを壁面に触れぬように吊下げて、被検体濃度を観察した。観察にはガステック社の検知管法を用いた。
【0041】
表5に被検体濃度の変化を示す。被検体のアンモニア、トリメチルアミン、硫化水素の減少が確認できた。
【0042】
【表5】
【0043】
抗菌試験:大腸菌と黄色ブドウ球菌を塗布した普通寒天培地を2Lの密閉できる箱の内部に配置した。そこに微生物フィトン剤3を接触しないように配置して密閉し、48時間室温で静置し、培地上での生育を観察した。また微生物フィトン剤を配置しない対照も用意した。
【0044】
対照では大腸菌、黄色ブドウ球菌が寒天培地上で大量のコロニーを作ったが、微生フィトン剤3を配置したものではどちらも肉眼でコロニーは確認できなかった。これらの微生物の繁殖を抑制したと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、微生物と植物という自然界の存在するものを利用した安全性に優れた、抗菌消臭抗ウィルス剤や抗菌消臭抗ウィルスの方法として、さまざまな空間に用いることができる。家庭内であれば、部屋やエアコン、玄関、トイレ等で用いることができる。