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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071144
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240517BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G08G1/16 E
G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181937
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】小澤 尚之
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181DD10
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】現在地に不慣れな運転者が多い場所を運転する場合に、頻繁な警報の発生を防ぐことを目的とする。
【解決手段】本発明の運転支援装置30は、自車の現在地と、他車が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れている場合に、自車の運転者に注意を促すために警報を発生させる警報発生部31と、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報発生部31による警報を停止させる警報停止部32と、を備える。警報停止部32が警報発生部31による警報を停止させることにより、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の現在地と、他車が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れている場合に、前記自車の運転者に注意を促すために警報を発生させる警報発生部と、
前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報発生部による警報を停止させる警報停止部と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記警報停止部は、
前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報発生部による警報を停止させることを前記自車の運転者に通知し、前記警報発生部による警報を停止させることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記警報停止部は、
前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報発生部による警報を停止させるか否かを前記自車の運転者に通知し、警報を停止させることが選択された場合に、前記警報発生部による警報を停止させることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記警報停止部は、
前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象と、前記警報発生部による警報を停止させることを前記自車の運転者に通知し、前記警報発生部による警報を停止させることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記警報停止部は、
前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象と、前記警報発生部による警報を停止させるか否かを前記自車の運転者に通知し、警報を停止させることが選択された場合に、前記警報発生部による警報を停止させることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項6】
停止範囲を設定する範囲設定部を有し、
前記警報停止部は、
前記自車の現在地が前記範囲設定部により設定された停止範囲内である場合に、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
日時を設定する日時設定部を有し、
前記警報停止部は、
前記日時設定部により設定された日時に、前記自車の現在地が前記範囲設定部により設定された停止範囲内である場合に、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測することを特徴とする請求項6に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記自車の外部から取得した、遠方からの車両が訪れる場所の情報に基づいて停止範囲を設定する範囲設定部を有し、
前記警報停止部は、
前記自車の現在地が前記範囲設定部により設定された停止範囲内である場合に、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記自車の外部から取得した、遠方からの車両が訪れる日時の情報を設定する日時設定部を有し、
前記警報停止部は、
前記日時設定部により設定された日時に、前記自車の現在地が前記範囲設定部により設定された停止範囲内である場合に、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測することを特徴とする請求項8に記載の運転支援装置。
【請求項10】
前記警報停止部は、
複数の他車に対して、警報の対象となる他車の割合が所定の割合よりも大きい場合に、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から運転者の運転を支援する運転支援装置が知られている。
特許文献1には、自車の周囲を走行する他車の運転者の慣れ度に基づいて他車との間の車間距離を安全な距離に設定する運転支援装置が開示されている。具体的に、特許文献1の運転支援装置では、他車の運転者が周辺道路を運転することに慣れているかの度合いを表す慣れ度が低い程、他車との目標車間距離を長く設定するように車両の制動を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-180737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の運転支援装置では、観光地のような遠方からの車両が多数、走行するような場所を運転する場合、慣れ度が低い運転者の割合が多くなることが想定され、頻繁に制御が入ってしまうおそれがある。このような場合、自車の運転者は頻繁な制御を煩わしく感じてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、現在地に不慣れな運転者が多い場所を運転する場合に、頻繁な警報の発生を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の運転支援装置は、自車の現在地と、他車が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れている場合に、前記自車の運転者に注意を促すために警報を発生させる警報発生部と、前記警報発生部による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、前記警報発生部による警報を停止させる警報停止部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現在地に不慣れな運転者が多い場所を運転する場合に、頻繁な警報の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】運転支援装置を備える車両の一部の構成を示す図である。
図2】警報の一例を示す図である。
図3】運転支援装置による処理を示すフローチャートである。
図4】警報停止部による通知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施形態の運転支援装置30は、自車の現在地と、他車が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れている場合に、前記自車の運転者に注意を促すために警報を発生させる警報発生部31と、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報発生部31による警報を停止させる警報停止部32と、を備える。現在地に不慣れな運転者が多い場所を運転する場合には、自車の運転者に注意を促すために警報が頻繁に発生すると予測される。このような場合に、頻繁な警報の発生を防ぐことで自車の運転者は頻繁な警報による煩わしさを解消することができる。
【実施例0010】
(第1の実施例)
以下、本発明に係る運転支援装置30について図面を参照して説明する。
図1は、運転支援装置30を備える自車の車両1の一部の構成を示す図である。
【0011】
車両1は、他車情報取得部11と、道路情報取得部12と、外部情報取得部13と、入力部14と、報知部21と、運転支援装置30とを備える。なお、車両1は、その他に一般的な車両が備える装置を備えており、当該装置の図示および説明を省略する。
【0012】
他車情報取得部11は、車両1(自車)の周辺に存在する他車の情報を取得する。具体的に、他車情報取得部11は、車両1の周辺に存在する他車が主に使用されている場所の位置情報を取得する。
車両1にカメラが設けられている場合、他車情報取得部11は、カメラが撮影した他車の画像情報から、ナンバプレート(自動車登録番号標、車両番号標)に表示された本拠地情報(地名)を読み取る。他車情報取得部11は、読み取った本拠地情報を他車が主に使用されている場所の位置情報として取得する。
車両1に車車間通信デバイスが設けられている場合、他車情報取得部11は、車車間通信デバイスが取得した他車の情報に含まれる自動車検査証の情報を取得する。他車情報取得部11は、自動車検査証の情報のうち所有者の住所あるいは使用者の住所の情報を他者が主に使用されている場所の位置情報として取得する。
【0013】
道路情報取得部12は、自車の位置情報を取得したり、道路情報を取得したりする。具体的に、道路情報取得部12は、GPS衛星から受信した電波に基づいて緯度経度を算出したり、基地局から緯度経度の情報を取得したりすることにより自車の位置情報を取得する。また、道路情報取得部12は、記憶された情報を読み出すことにより道路情報を取得する。
なお、車両1にカーナビゲーション・システムが設けられている場合、道路情報取得部12はカーナビゲーション・システムから自車の位置情報や道路情報を取得してもよい。
【0014】
外部情報取得部13は、外部から通信機器を介して情報を取得する。具体的には、外部情報取得部13は、外部サーバから遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所の位置情報および日時の情報を取得する。ここで、遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所とは、例えば、観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所である。また、遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような日時とは、イベントが行われる期間および時間である。
【0015】
入力部14は、車両1の運転者による入力を受け付けて、受け付けた情報を運転支援装置30に送信する。具体的には、車両1の運転者は、遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所や日時を入力部14を用いて入力する。入力部14は、例えば、車両1に設けられたディスプレイと一体的に構成されるタッチパネルやマイク等を用いることができる。
【0016】
報知部21は、運転支援装置30の後述する警報発生部31による警報を文字や記号で表示したり、音(音声を含む)で鳴らしたりして報知する。報知部21は、例えば、車両1に設けられたディスプレイやメータパネル等の表示部やスピーカ等を用いることができる。また、車両1にカーナビゲーション・システムが設けられている場合、報知部21はカーナビゲーション・システムのディスプレイやスピーカを用いることができる。
【0017】
運転支援装置30は、運転者による車両1の運転を支援する。運転支援装置30は、例えば、車両1全体を制御するECU(Electronic Control Unit)が用いられる。ECUは、CPUおよびメモリを含んで構成されており、いわゆるコンピュータとして機能する。なお、ECUは、一つである場合に限られず、複数のECUが協働して構成されていてもよく、車両1全体を制御するECUと異なるECUであってもよい。ECUのCPUはメモリに格納されたプログラムを実行することにより、運転支援装置30の各機能構成部を実現する。
【0018】
運転支援装置30は、各機能構成部として、警報発生部31と、警報停止部32と、範囲設定部33と、日時設定部34とを備える。
警報発生部31は、現在地に不慣れな運転者が多い場所を運転するような場合に自車の運転者に注意を促すために報知部21を介して警報を発生させる。具体的には、警報発生部31は、自車の現在地と、他車が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れている場合に、自車の運転者に注意を促すために報知部21を介して警報を発生させる。警報発生部31は、自車の現在地の位置情報を道路情報取得部12から受信し、他車が主に使用されている場所の位置情報を他車情報取得部11から受信する。
【0019】
図2は、警報発生部31による警報の一例を示す図である。
ここでは、前方を走行する他車2について、現在地と他車2が主に使用されている場所とが所定の距離以上に離れているものとする。また、車両1は、報知部21としてディスプレイ41およびスピーカ42を備える。
まず、警報発生部31は、道路情報取得部12から自車の位置情報を受信するとともに、他車情報取得部11から他車が主に使用されている場所の位置情報を受信する。
次に、警報発生部31は、自車の位置情報と、他車が主に使用されている場所の位置情報とが所定の距離以上、離れているか否かを判定する。ここでは、所定の距離以上、離れていると判定する。
【0020】
警報発生部31は、判定結果に応じて、自車の運転者に注意を促すために報知部21を介して警報を発生させる。具体的に、警報発生部31は、ディスプレイ41を介して「現在地に不慣れな車両が走行しています」等のメッセージ43を表示する。また、警報発生部31は、スピーカ42を介して「現在地に不慣れな車両が走行しています」等の音声44を鳴らす。なお、警報発生部31は、音声を鳴らす場合に限られず、所定の警報音を鳴らすようにしてもよい。
【0021】
このように警報発生部31が警報を発生させることにより、自車の運転者は周辺に不慣れな車両が走行していることを認識できることから、自車の運転者は不慣れな他車に注意して運転することができる。なお、警報発生部31は、自車の周辺に存在する各他車についても同様に判定して、判定結果に応じて他車ごとに警報を発生させる。なお、後述するように警報発生部31による報知部21を介した警報の機能(警報機能)は、オンとオフとにより切り替えられる。
【0022】
警報停止部32は、警報発生部31による警報を停止させる。観光地のような遠方からの車両が多数、走行するような場所を運転する場合には、自車の位置情報と、主に使用されている場所の位置情報とが所定の距離以上、離れている他車が多数、存在することが想定される。このような場合、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測され、自車の運転者は警報を煩わしく感じる可能性がある。警報停止部32は、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報発生部31による警報機能をオンからオフにすることにより警報を停止させる。
【0023】
範囲設定部33は、警報を停止させる停止範囲を設定する。具体的に、範囲設定部33は、観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所等のような、遠方からの車両が多数、走行することが予測される場所を示す範囲を予め停止範囲として設定する。
ここで、範囲設定部33が停止範囲を設定する方法について説明する。
第1の方法として、範囲設定部33は自車の運転者により入力部14を介して入力された場所を示す範囲を停止範囲に設定する。運転者等は事前に観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所等を入力する。第1の方法では、運転者等による入力に応じて停止範囲が設定される。
第2の方法として、範囲設定部33は運転支援装置30が製造されるときに観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所を示す範囲を停止範囲に設定する。第2の方法では、デフォルトとして停止範囲が設定される。
第3の方法として、範囲設定部33は外部情報取得部13が取得した情報に基づいて停止範囲を設定する。外部情報取得部13は外部サーバから観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所の情報を取得している。第3の方法では、運転者による入力によらず自動で停止範囲が設定されるとともに、自動で停止範囲が更新して設定される。
【0024】
日時設定部34は、警報を停止させる日時を設定する。具体的に、日時設定部34は、普段は遠方からの車両が走行しないが、大規模な祭り等のイベントのような特定の日時に遠方からの車両が多数、走行することが予測される日時を設定する。
ここで、日時設定部34が日時を設定する方法について説明する。
第1の方法として、日時設定部34は自車の運転者により入力部14を介して入力された日時を設定する。運転者は事前に祭り等のイベントが行われる日時を入力部14を介して入力する。第1の方法では、運転者による入力に応じて日時が設定される。
第2の方法として、日時設定部34は運転支援装置30が製造されるときに祭り等のイベントが行われる日時を設定する。第2の方法では、デフォルトとして日時が設定される。
第3の方法として、日時設定部34は外部情報取得部13が取得した情報に基づいて日時を設定する。外部情報取得部13は外部サーバから祭り等のイベントが行われる日時の情報を取得している。第3の方法では、運転者による入力によらず自動で日時が設定されるとともに、自動で日時が更新して設定される。
なお、日時設定部34が日時を設定する場合には、日時の設定前後で範囲設定部33が停止範囲を設定することで、日時と停止範囲とが関連付けられる。したがって、例えば、イベントの日時とイベントの会場とが関連付けて設定される。
【0025】
次に、本実施例の運転支援装置30による処理について図3のフローチャートを参照して説明する。図3のフローチャートは、運転支援装置30として用いられるECUのCPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、図3のフローチャートは、運転支援装置30の電源がオンとなることにより開始され、開始時には警報発生部31による警報機能がオンになっている。
【0026】
S11では、警報停止部32は、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測されるか否かを判定する。警報が頻繁に発生すると予測される場合にはS12に進み、そうではない場合にはフローチャートの処理を終了する。
具体的には、警報停止部32は、自車の現在地が範囲設定部33により設定された停止範囲内であるか否かを判定する。ここでは、範囲設定部33は、観光地等のような遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所を示す範囲を停止範囲として設定している。したがって、自車の現在地が停止範囲内である場合には、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測される。
なお、日時設定部34に日時が設定されている場合には、警報停止部32は、現時刻が日時設定部34により設定された日時であり、かつ、自車の現在地が範囲設定部33により設定された停止範囲内であるか否かを判定する。ここでは、日時設定部34は、祭り等のイベントが行われる日時のような遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような日時を設定している。したがって、現時刻が設定された日時であり、かつ、自車の現在地が停止範囲内である場合には、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測される。
【0027】
S12では、警報停止部32は、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象と、警報発生部31による警報を停止させるか否かを自車の運転者に通知する。
図4は、警報停止部32による通知の一例を示す図である。
ここでは、ディスプレイ41に、第1表示欄51と、第2表示欄52と、第3表示欄53とがある。
【0028】
第1表示欄51は、警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象が表示される。図4での第1表示欄51には「現在地周辺は観光地であり、遠方から訪れる人が多く、警報機能による警報が頻繁に発生する可能性があります」のメッセージが表示されている。このメッセージは、日時設定部34が設定した日時と、範囲設定部33が設定した停止範囲とが関連付けられておらず、範囲設定部33により停止範囲のみが設定されている場合に表示される例である。
また、第1表示欄51には、例えば「現在地周辺は本日祭りがあり、遠方から訪れる人が多く、警報機能による警報が頻繁に発生する可能性があります」等のメッセージを表示してもよい。このメッセージは、日時設定部34が設定した日時と、範囲設定部33が設定した停止範囲とが関連付けられている場合に表示される例である。
このように、警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象を通知することにより、運転者は現在地の状況を容易に把握することができる。なお、警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象を通知する場合に限られず、何も通知せずに自動的に警報機能をオフしてもよい。
【0029】
第2表示欄52は、運転者に意思を確認する内容が表示される。図4での第2表示欄52には「警報機能をオフにしますか」のメッセージが表示されている。
第3表示欄53は、運転者に意思を選択する選択項目が表示される。図4での第3表示欄53には「機能をオフにする」の選択項目54と、「機能をオフにしない」の選択項目55が表示されている。運転者が何れかの選択項目の領域をタッチすることにより、運転者の意思を入力することができる。
【0030】
なお、運転者に意思を確認せずに、自動的に警報機能をオフにする場合には、第3表示欄53を省略して、第2表示欄52に「警報機能をオフにします」等のメッセージを表示してもよい。
また、運転者に意思を確認せずに、自動的に警報機能をオフにする場合には、第1表示欄51および第3表示欄53を省略して、第2表示欄52に「警報機能をオフにします」等のメッセージを表示してもよい。
また、運転者に意思を確認せずに、自動的に警報機能をオフにする場合には、第1表示欄51、第2表示欄52、第3表示欄53の全てを省略、すなわちS12および後述するS13の処理を省略してもよい。
【0031】
図3のフローチャートに戻って説明する。
S13では、警報停止部32は、運転者が警報機能のオフを選択したか否かを判定する。具体的には、警報停止部32は、ディスプレイ41に表示された選択項目54、55のうち「機能をオフにする」の選択項目54のタッチを検出することにより運転者が警報機能のオフを選択したと判定し、「機能をオフにしない」の選択項目55のタッチを検出することにより運転者が警報機能のオンを選択したと判定する。運転者が警報機能のオフを選択した場合にはS14に進み、そうではない場合にはフローチャートの処理を終了する。
【0032】
S14では、警報停止部32は、警報機能をオフにして、警報発生部31による警報を停止させることにより処理を終了する。一方、S14を経由せずに終了に進んだ場合には一定期間ごとにS11からの処理を繰り返して実行する。
【0033】
このように、本実施例によれば、現在地に不慣れな他車の存在に注意を促す警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報停止部32が警報発生部31による警報を停止させることにより、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことができる。したがって、頻繁な警報により運転者が感じる煩わしさを防止することができる。
【0034】
また、本実施例によれば、現在地に不慣れな他車の存在に注意を促す警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報停止部32が警報発生部31による警報を自動で停止させることを運転者に通知する。したがって、運転者は警報が自動で停止されることを認識することができる。
【0035】
また、本実施例によれば、現在地に不慣れな他車の存在に注意を促す警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報停止部32が警報発生部31による警報を停止させるか否かを運転者に通知し、警報を停止させるか否かを選択させる。したがって、運転者の意思で警報を停止させることができる。
【0036】
また、本実施例によれば、現在地に不慣れな他車の存在に注意を促す警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報停止部32は警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象と、警報発生部31による警報を停止させることを通知する。したがって、運転者は警報が自動で停止される理由を認識することができる。
【0037】
また、本実施例によれば、現在地に不慣れな他車の存在に注意を促す警報が頻繁に発生すると予測される場合に、警報停止部32は警報が頻繁に発生すると予測されると判断した事象を通知して、警報を停止させるか否かを運転者に選択させる。したがって、運転者は通知された事象を考慮した上で、警報を停止させるか否かを選択することができる。
【0038】
また、本実施例によれば、自車の現在地が範囲設定部33により設定された停止範囲内である場合に、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測する。したがって、観光地等のような遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所である場合に、事前に当該場所を設定することにより、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことができる。
【0039】
また、本実施例によれば、日時設定部34により設定された日時に、自車の現在地が範囲設定部33により設定された停止範囲内である場合に、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測する。したがって、祭り等のイベントのように、特定の日時に遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所である場合に、事前に当該特定の日時と当該場所を設定することにより、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことができる。
【0040】
また、本実施例によれば、範囲設定部33は、自車の外部から取得した遠方からの車両が訪れる場所の情報に基づいて停止範囲を設定する。したがって、観光地等のような遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所である場合に、自動で当該場所を設定することにより、運転者による入力の軽減を図ることができる。
【0041】
また、本実施例によれば、日時設定部34は、自車の外部から取得した遠方からの車両が訪れる日時の情報を設定する。したがって、祭り等のイベントのように、特定の日時に遠方からの車両が多数、走行することが予測されるような場所である場合に、自動で当該特定の日時と当該場所を設定することにより、運転者による入力の軽減を図ることができる。
【0042】
(第2の実施例)
第1の実施例では、観光地の場所や祭り等のイベントが行われる場所等のような、遠方からの車両が多数、走行することが事前に予測される場合に、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことについて説明した。本実施例では、警報停止部32は、偶発的に遠方からの車両が徐々に多くなっていき、この状況が続くことで遠方からの車両が多数、走行することが予測される場合に、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐようにする。
【0043】
本実施例の運転支援装置30による処理は図3のフローチャートのうちS11およびS14の処理が第1の実施例と異なる。したがって、以下ではS11およびS14の処理について説明し、その他の処理についての説明は適宜、省略する。
【0044】
S11では、警報停止部32は、警報発生部31による警報が頻繁に発生すると予測されるか否かを判定する。具体的には、警報停止部32は、他車情報取得部11により情報が取得された他車の数のうち、警報の対象とする他車が所定の割合よりも大きいか否かを判定することにより、警報が頻繁に発生すると予測されるか否かを判定する。
【0045】
なお、警報停止部32は、他車情報取得部11により情報が取得された他車の数(母数)と、所定の割合とのうち少なくとも何れか一方を、運転者の入力部14を介した入力により任意に設定してもよく、デフォルトとして設定してもよい。また、警報停止部32は、他車の数(母数)を、所定時間ごとにリセットしてもよく、運転支援装置30の電源がオフになることでリセットしてもよい。
ここで、一例として、所定の割合を20%とし、他車の数(母数)を50台とし、リセットする所定時間を1時間とする。警報発生部31は、1時間以内で情報が取得された他車の数50台のうち、警報の対象とする他車が10台目までは当該10台ごとに警報を発生させる。警報停止部32は、警報の対象とする他車をカウントして警報の対象とする他車として11台目が存在した場合には警報が頻繁に発生すると予測する。
【0046】
警報の対象とする他車が所定の割合よりも大きい場合、警報が頻繁に発生すると予測されると判定してS12に進む。一方、警報の対象とする他車が所定の割合以下である場合には警報が頻繁に発生すると予測されないとして処理を終了する。
【0047】
S12~S13の処理は、第1の実施例と同様の処理である。
S14では、警報停止部32は、警報機能をオフにして、警報発生部31による警報を停止させて、処理を終了する。
上述した一例を用いて説明すると、警報停止部32は、警報の対象とする他車をカウントして11台目が存在した場合かつ運転者が警報機能のオフを選択した場合には、警報発生部31による警報を停止させる。したがって、警報の対象とする11台目以降の他車に対する警報は停止される。なお、所定時間としての1時間が経過した場合には、警報停止部32は、他車の数(母数)、警報の対象とする他車のカウントをリセットするとともに、警報機能をオンにする。
【0048】
このように、本実施例によれば、事前に予測できずに偶発的な場合であっても、過去から現時点までの状況に応じて遠方からの車両が多数、走行することが予測される場合には、警報停止部32が警報発生部31による警報を停止させることにより、警報発生部31による頻繁な警報の発生を防ぐことができる。したがって、頻繁な警報により運転者が感じる煩わしさを防止することができる。
【0049】
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、実施例の一部および変形例の一部を他の実施例に組み合わせてもよい。
【0050】
上述した第1の実施例では、図3のフローチャートのS14において警報機能をオフにする場合について説明したが、警報停止部32は警報機能をオフした後に所定の条件を満たしている場合には警報機能をオンに戻すようにしてもよい。
例えば、警報停止部32は、警報機能をオフした後に、自車の現在地が範囲設定部33により設定された停止範囲外であるか否かを判定し、停止範囲外である場合には警報機能をオンに戻し、停止範囲内である場合には警報機能をオフに維持する。
また、例えば、日時設定部34に日時が設定されている場合には、警報停止部32は、現時刻が日時設定部34により設定された日時外であるか否かを判定し、日時外である場合には警報機能をオンに戻し、日時内である場合には警報機能をオフに維持する。
このように、警報機能をオフした後に所定の条件を満たしている場合に警報機能をオンに戻すことで、自車の現在地が、警報が頻繁に発生しないような場所を走行しており、自車の周辺に不慣れな車両が走行しているにもかかわらず、自車の運転者に注意を促すための警報が発生しない状況を防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
1:車両(自車) 2:他車 11:他車情報取得部 12:道路情報取得部 13:外部情報取得部 14:入力部 21:報知部 30:運転支援装置 31:警報発生部 32:警報停止部 33:範囲設定部 34:日時設定部 41:ディスプレイ 42:スピーカ 43:メッセージ 44:音声
図1
図2
図3
図4