(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071146
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】生鮮品管理装置、生鮮品管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20240517BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181939
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井手上 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】近成 聡志
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 雅
(72)【発明者】
【氏名】押村 亜沙美
(72)【発明者】
【氏名】石井 岳史
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓実
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生鮮品のランクを予測し、定時・定量・定品質・定価格を満たす安定した物流を提供する生鮮品管理装置、生鮮品管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】集荷された生鮮品を出荷先へ輸送するシステムにおいて、生鮮品管理装置の制御部は、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に保管先まで輸送される生鮮品の品質の指標を示す第1期間でのランクを予測する輸送品質予測部212と、保管先で保管されている間の生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、第1期間に保管先で保管されている生鮮品の第1期間でのランクを予測する保管品質予測部216と、第1期間に保管先まで輸送される生鮮品の第1期間でのランク毎の量と、第1期間に保管先で保管されている生鮮品の第1期間でのランク毎の量とを示す管理情報を生成する生成部218と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する輸送品質予測部と、
前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する保管品質予測部と、
前記第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する生成部と
を備える生鮮品管理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記第1期間に前記保管先から出荷先に出荷される前記生鮮品のランクごとの量をさらに示す前記管理情報を生成する、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項3】
前記輸送品質予測部は、前記第1期間を含む複数の期間のそれぞれに前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記複数の期間のそれぞれでのランクを予測し、
前記保管品質予測部は、前記複数の期間のそれぞれに前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記複数の期間のそれぞれでのランクを予測し、
前記生成部は、前記保管先まで輸送される前記生鮮品のランクごとの量と、前記保管先で保管されている前記生鮮品のランクごとの量とを前記複数の期間のそれぞれについて示す前記管理情報を生成する、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項4】
前記生成部は、前記保管先から出荷先に出荷される前記生鮮品のランクごとの量を前記複数の期間のそれぞれについてさらに示す前記管理情報を生成する、請求項3に記載の生鮮品管理装置。
【請求項5】
前記管理情報に基づいて、前記複数の期間の中の注目期間で前記出荷先に出荷されるべき前記生鮮品の量が不足することが予測される場合、前記注目期間に前記生鮮品の量が不足することが予測されることを前記保管先に通知する不足予測通知部と、
前記保管先から、前記注目期間で前記出荷先に出荷されるべき量を満たすように前記出荷元から追加で出荷してもらう前記生鮮品の量、ランク、および納期を受け付ける追加受付部と、
追加分の前記生鮮品の量、ランク、および納期を示す追加発注情報を前記出荷元に送信する追加発注部と
をさらに備える、請求項4に記載の生鮮品管理装置。
【請求項6】
前記追加発注部は、前記追加分の前記生鮮品のランクおよび納期に基づいて、予め定められた条件に従って、輸送手段、および輸送方法を決定し、前記輸送手段および前記輸送方法をさらに示す前記追加発注情報を前記出荷元に送信する、請求項5に記載の生鮮品管理装置。
【請求項7】
前記輸送手段は、航空輸送、陸上輸送、および海上輸送のいずれかを示す請求項6に記載の生鮮品管理装置。
【請求項8】
前記輸送方法は、断熱機能を有する断熱箱、蓄冷材を搭載する前記断熱箱、冷蔵または冷凍機能を有するコンテナ、および前記断熱箱より断熱機能が低い保冷バックのいずれかを示す、請求項6に記載の生鮮品管理装置。
【請求項9】
前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクをさらに予測し、
前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクをさらに示す前記管理情報を生成し、
前記生鮮品管理装置は、
前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、前記出荷先で要求される前記生鮮品の少なくとも1つのランク、前記出荷先で要求される前記生鮮品の量、前記出荷先で要求される前記生鮮品の単価、および前記出荷先で要求される前記生鮮品の納期を示す発注情報と、前記管理情報とに基づいて、予め定められた条件を満たす前記生鮮品の出荷先および量を選択する出荷先選択部をさらに備える、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項10】
前記生鮮品は、ボックスに収容されて、前記出荷元から前記保管先まで、および前記保管先から出荷先まで輸送され、
前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で予測し、
前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で示す前記管理情報を生成し、
前記生鮮品管理装置は、
前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、前記出荷先で要求される前記生鮮品の少なくとも1つのランク、前記出荷先で要求される前記生鮮品の量、前記出荷先で要求される前記生鮮品の単価、および前記出荷先で要求される前記生鮮品の納期を示す発注情報と、前記管理情報とに基づいて、予め定められた条件を満たす前記生鮮品の出荷先および量を前記ボックスの単位で選択する出荷先選択部をさらに備える、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項11】
前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で前記生鮮品の種別ごとに予測し、
前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で前記生鮮品の種別ごとに示す前記管理情報を生成する、請求項10に記載の生鮮品管理装置。
【請求項12】
前記輸送情報に示される前記所要時間の変更を受け付ける所要時間変更受付部をさらに備える、請求項9から11の何れか1つに記載の生鮮品管理装置。
【請求項13】
前記出荷先選択部による選択結果に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元に要求する配車要求部をさらに備え、
前記配車要求部は、配車対象の輸送車、および前記配車対象の輸送車で輸送可能な前記生鮮品の量を示す、前記第1輸送元からの回答に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の数が不足すると判断する場合、追加の輸送車の配車を第2輸送元にさらに要求する、請求項9から11の何れか1つに記載の生鮮品管理装置。
【請求項14】
前記出荷先選択部による選択結果に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元に要求する配車要求部と、
配車対象の輸送車、および前記配車対象の輸送車でさらに輸送可能な前記生鮮品の量を示す、前記第1輸送元からの回答に基づいて、前記配車対象の輸送車でさらに前記生鮮品の輸送が可能であることを前記保管先に通知する追加輸送通知部と、
前記配車対象の輸送車でさらに輸送可能な量の範囲で指定される前記生鮮品の量を示す前記保管先からの回答に基づいて、前記出荷元に前記生鮮品の更なる出荷を要求する追加出荷要求部と
をさらに備える、請求項9から11の何れか1つに記載の生鮮品管理装置。
【請求項15】
前記輸送環境情報は、前記生鮮品が前記出荷元から前記保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、日射量、およびガス濃度の少なくとも1つを示し、
前記保管環境情報は、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、およびガス濃度の少なくとも1つを示す、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項16】
前記生鮮品は、肉、鮮魚、青果または生花である、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項17】
前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報と、前記生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、前記第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測し、
前記保管品質予測部は、前記保管環境情報と、前記生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項18】
前記管理情報を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1に記載の生鮮品管理装置。
【請求項19】
輸送品質予測部が、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する段階と、
保管品質予測部が、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する段階と、
生成部が、前記第1期間に前記保管先に輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先に保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する段階と
を備える生鮮品管理方法。
【請求項20】
生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する輸送品質予測部と、
前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する保管品質予測部と、
前記第1期間に前記保管先に輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先に保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する生成部と
してコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮品管理装置、生鮮品管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物流品質を学習した評価基準に従って客観的に評価するシステムについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]国際公開第2020/158936号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生鮮品のランクを予測し、定時・定量・定品質・定価格を満たす安定した物流を提供するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る生鮮品管理装置は、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される期間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する輸送品質予測部を備えてよい。前記生鮮品管理装置は、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する保管品質予測部を備えてよい。前記生鮮品管理装置は、前記第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する生成部を備えてよい。
【0005】
前記生鮮品管理装置において、前記生成部は、前記第1期間に前記保管先から出荷先に出荷される前記生鮮品のランクごとの量をさらに示す前記管理情報を生成してよい。
【0006】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送品質予測部は、前記第1期間を含む複数の期間のそれぞれに前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記複数の期間のそれぞれでのランクを予測してよい。前記保管品質予測部は、前記複数の期間のそれぞれに前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記複数の期間のそれぞれでのランクを予測してよい。前記生成部は、前記保管先まで輸送される前記生鮮品のランクごとの量と、前記保管先で保管されている前記生鮮品のランクごとの量とを前記複数の期間のそれぞれについて示す前記管理情報を生成してよい。
【0007】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記生成部は、前記保管先から出荷先に出荷される前記生鮮品のランクごとの量を前記複数の期間のそれぞれについてさらに示す前記管理情報を生成してよい。
【0008】
いずれかの前記生鮮品管理装置は、前記管理情報に基づいて、前記複数の期間の中の注目期間で前記出荷先に出荷されるべき前記生鮮品の量が不足することが予測される場合、前記注目期間に前記生鮮品の量が不足することが予測されることを前記保管先に通知する不足予測通知部を備えてよい。前記生鮮品管理装置は、前記保管先から、前記注目期間で前記出荷先に出荷されるべき量を満たすように前記出荷元から追加で出荷してもらう前記生鮮品の量、ランク、および納期を受け付ける追加受付部を受け付けてよい。前記生鮮品管理装置は、追加分の前記生鮮品の量、ランク、および納期を示す追加発注情報を前記出荷元に送信する追加発注部を備えてよい。
【0009】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記追加発注部は、前記追加分の前記生鮮品のランクおよび納期に基づいて、予め定められた条件に従って、輸送手段、並びに、輸送方法を決定し、前記輸送手段および前記輸送方法をさらに示す前記追加発注情報を前記出荷元に送信してよい。
【0010】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送手段は、航空輸送、陸上輸送、および海上輸送のいずれかを示してよい。
【0011】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送方法は、断熱機能を有する断熱箱、蓄冷材を搭載する前記断熱箱、冷蔵または冷凍機能を有するコンテナ、および前記断熱箱より断熱機能が低い保冷バックのいずれかを示してよい。
【0012】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクをさらに予測してよい。前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクをさらに示す前記管理情報を生成してよい。前記生鮮品管理装置は、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、前記出荷先で要求される前記生鮮品の少なくとも1つのランク、前記出荷先で要求される前記生鮮品の量、前記出荷先で要求される前記生鮮品の単価、および前記出荷先で要求される前記生鮮品の納期を示す発注情報と、前記管理情報とに基づいて、予め定められた条件を満たす前記生鮮品の出荷先および量を選択する出荷先選択部をさらに備えてよい。
【0013】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記生鮮品は、ボックスに収容されて、前記出荷元から前記保管先まで、および前記保管先から出荷先まで輸送されてよい。前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクをボックスの単位で予測してよい。前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で示す前記管理情報を生成してよい。前記生鮮品管理装置は、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、前記出荷先で要求される前記生鮮品の少なくとも1つのランク、前記出荷先で要求される前記生鮮品の量、前記出荷先で要求される前記生鮮品の単価、および前記出荷先で要求される前記生鮮品の納期を示す発注情報と、前記管理情報とに基づいて、予め定められた条件を満たす前記生鮮品の出荷先および量を前記ボックスの単位で選択する出荷先選択部をさらに備えてよい。
【0014】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で前記生鮮品の種別ごとに予測してよい。前記生成部は、前記保管先から前記出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの前記生鮮品のランクを前記ボックスの単位で前記生鮮品の種別ごとに示す前記管理情報を生成してよい。
【0015】
いずれかの前記生鮮品管理装置は、前記輸送情報に示される前記所要時間の変更を受け付ける所要時間変更受付部をさらに備えてよい。
【0016】
いずれかの前記生鮮品管理装置は、前記出荷先選択部による選択結果に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元に要求する配車要求部をさらに備えてよい。前記配車要求部は、配車対象の輸送車、および前記配車対象の輸送車で輸送可能な前記生鮮品の量を示す、前記第1輸送元からの回答に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の数が不足すると判断する場合、追加の輸送車の配車を第2輸送元にさらに要求してよい。
【0017】
いずれかの前記生鮮品管理装置は、前記出荷先選択部による選択結果に基づいて、前記保管先から前記出荷先まで前記生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元に要求する配車要求部をさらに備えてよい。前記生鮮品管理装置は、配車対象の輸送車、および前記配車対象の輸送車でさらに輸送可能な前記生鮮品の量を示す、前記第1輸送元からの回答に基づいて、前記配車対象の輸送車でさらに前記生鮮品の輸送が可能であることを前記保管先に通知する追加輸送通知部をさらに備えてよい。前記生鮮品管理装置は、前記配車対象の輸送車でさらに輸送可能な量の範囲で指定される前記生鮮品の量を示す前記保管先からの回答に基づいて、前記出荷元に前記生鮮品の更なる出荷を要求する追加出荷要求部をさらに備えてよい。
【0018】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送環境情報は、前記生鮮品が前記出荷元から前記保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、日射量、およびガス濃度の少なくとも1つを示してよい。前記保管環境情報は、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、およびガス濃度の少なくとも1つを示してよい。
【0019】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記生鮮品は、肉、鮮魚、青果または生花でよい。
【0020】
いずれかの前記生鮮品管理装置において、前記輸送品質予測部は、前記輸送環境情報と、前記生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、前記第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測してよい。前記保管品質予測部は、前記保管環境情報と、前記生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測してよい。
【0021】
いずれかの前記生鮮品管理装置は、前記管理情報を表示部に表示させる表示制御部をさらに備えてよい。
【0022】
本発明の一態様に係る生鮮品管理方法は、輸送品質予測部が、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する段階を備えてよい。前記生鮮品管理方法は、保管品質予測部が、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する段階を備えてよい。前記生鮮品管理方法は、生成部が、前記第1期間に前記保管先に輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先に保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する段階を備えてよい。
【0023】
本発明の一態様に係るプログラムは、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に前記保管先まで輸送される前記生鮮品の品質の指標を示す前記第1期間でのランクを予測する輸送品質予測部としてコンピュータを機能させてよい。前記プログラムは、前記保管先で保管されている間の前記生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、前記第1期間に前記保管先で保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクを予測する保管品質予測部としてコンピュータを機能させてよい。前記プログラムは、前記第1期間に前記保管先に輸送される前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量と、前記第1期間に前記保管先に保管されている前記生鮮品の前記第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する生成部としてコンピュータを機能させてよい。
【0024】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態による生鮮品管理装置を適用する一例としてのシステムの図である。
【
図3】本実施形態による生鮮品管理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態による生鮮品管理装置が、生鮮品を出荷元から出荷先まで輸送する処理を示す時系列フロー図である。
【
図5】ランクを推定するための線形モデルとカルマンフィルタとを対比させたグラフである。
【
図6】本実施形態による生鮮品管理装置の表示部に表示する日次の管理情報のユーザインタフェース(UI)の図である。
【
図7】本実施形態による生鮮品管理装置の表示部に表示する複数の期間にわたる管理情報のユーザインタフェース(UI)の図である。
【
図8】本実施形態による生鮮品管理装置の表示部に表示する管理情報の追加のユーザインタフェース(UI)の図である。
【
図9】保管先在庫量不足の予測を示す管理情報を示す図である。
【
図10】生鮮品不足を保管先に通知したことに応じて、保管先から受信した追加発注情報を出荷元に送信する処理を示す時系列フロー図である。
【
図11】保管先在庫量不足が解消したことを示す管理情報を示す図である。
【
図12】追加発注分のランクおよび納期により決まる輸送手段および輸送方法の関係を示す図である。
【
図17】出荷先選択テーブルにおける出荷先選択のフロー図である。
【
図19】保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクを、ボックスごとの品目別に予測したデータの図である。
【
図20】生鮮品を輸送するための輸送車が不足する場合に、追加の輸送車を要求するまでの処理を示す時系列フロー図である。
【
図21】配車対象の輸送車でさらに生鮮品の輸送が可能な場合に、出荷先に生鮮品のさらなる追加を要求するまでの処理を示す時系列フロー図である。
【
図22】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
図1は、本実施形態に係る生鮮品管理装置100が適用されるシステムを示す。システムは、出荷元端末10A、輸送元端末10B、保管先端末10C、輸送元端末10D、出荷先端末10E、および生鮮品管理装置100を含む。出荷元において集荷された生鮮品は輸送元を介して保管先へ、さらに別の輸送元を介して保管先から出荷先へと輸送される。
【0028】
生鮮品は、生鮮であることが求められる品物全般をいい、野菜および果物等の青果、生花、鮮魚、精肉、ハムおよびソーセージ等の加工食品等を含む。出荷元は、生鮮品を収集する場所であり、例えば、農家で収穫された青果を収集する集出荷場である。保管先は、複数の出荷元から生鮮品を収集し、出荷先に出荷されるまで生鮮品を保管する場所であり、例えば、集出荷場から生鮮品を収集し、スーパーマーケットなどの小売店である出荷先に出荷する卸売市場である。輸送元は、生鮮品を指定された輸送先まで輸送するトラック、船舶、及び飛行機などの輸送手段を提供する輸送会社である。
【0029】
ここで、生鮮品のうち、特に野菜および果物等の青果または生花は、収穫した後も呼吸し、自身の養分を消費しながら成長、劣化、腐敗するという特徴がある。そのため鮮度保持には、特に温度、湿度およびガス組成(酸素、エチレンガス)の制御が重要である。原則、呼吸量は温度上昇とともに指数関数的に増加するので低い方がよい。しかしながら、青果または生花の中には、温度が低すぎる場合は低温障害を引き起こすものもある。よって、品目ごとに適切な温度、湿度、ガス組成の制御が要求されることが好ましい。出荷先ではいわゆる4定(定時・定量・定品質・定価格)が求められているが、生鮮品の物流が安定していないため実現ができていない。そこで、本実施形態により、4定に応えられる生鮮品管理装置、生鮮品管理方法およびプログラムを提供する。
【0030】
出荷元端末10A、輸送元端末10B、保管先端末10C、輸送元端末10D、出荷先端末10E、および生鮮品管理装置100は、ネットワーク50に接続される。ネットワーク50は、例えばインターネットであり、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)等により構築されてよい。出荷元端末10A、輸送元端末10B、保管先端末10C、輸送元端末10Dおよび出荷先端末10Eは、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォンなどでよい。出荷元端末10A、輸送元端末10B、保管先端末10C、輸送元端末10Dおよび出荷先端末10Eは、端末10と総称する場合がある。
【0031】
図2は、各端末10の機能ブロック図を示す。各端末10は、受信部12、送信部14および表示部16を備えてよい。受信部12は、各情報を受信する。送信部14は、各種情報を送信する。受信部12および送信部14は、無線または有線通信により各種情報を他の端末10および生鮮品管理装置100と通信してよい。表示部16は各種情報を表示する。表示部202は、タッチパネルディスプレイでよい。
【0032】
生鮮品管理装置100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、生鮮品管理装置100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、生鮮品管理装置100は、生鮮品管理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。ネットワーク50がインターネットである場合、生鮮品管理装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。これにより、生鮮品管理装置100は、インターネットにアクセス可能な様々な環境からデータを収集し、処理したデータをインターネットにアクセス可能な様々な環境の他の装置へ供給することができる。
【0033】
図3は、生鮮品管理装置100の機能ブロック図を示す。生鮮品管理装置100は、制御部200および表示部202を備える。制御部200は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。制御部200は、輸送環境情報取得部210、輸送品質予測部212、保管環境情報取得部214、保管品質予測部216、生成部218、出荷先選択部220、所要時間変更受付部222、不足予測通知部224、追加受付部226、追加発注部228、配車要求部230、追加輸送通知部232、追加出荷要求部234および表示制御部236を有する。生鮮品DB204、注文情報DB206および輸送情報DB208は、生鮮品管理装置100の外部にあってもよいし、生鮮品管理装置100の記憶部に格納されていてもよい。
【0034】
輸送品質予測部212は、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の生鮮品が置かれる環境の状態を示す輸送環境情報に基づいて、第1期間に保管先まで輸送される生鮮品の品質の指標を示す第1期間でのランクを予測する。
【0035】
輸送環境情報は、輸送元の輸送手段により輸送される間の生鮮品の周辺雰囲気の環境に関する情報であり、生鮮品の代謝または品質劣化に影響を及ぼし得る因子を示す情報である。輸送環境情報は、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、日射量、およびガス濃度の少なくとも1つを示す。ガス濃度は、二酸化炭素濃度、酸素濃度、エチレン濃度、アルコール濃度、及びアルデヒド濃度の少なくとも1つを含んでよい。また、輸送環境情報は、生鮮品が出荷元から保管先まで輸送される間の生鮮品が置かれる環境の振動または衝撃の度合いを示す振動レベルを示してもよい。生鮮品は輸送中の振動または衝撃によって外部に傷が付く上、外傷がつかない程度の振動または衝撃であっても振動または衝撃によって生命活動が活発化する可能性がある。したがって、振動または衝撃レベルも生鮮品の代謝または品質劣化に影響を及ぼし得る因子である。
【0036】
生成部218は、第1期間に保管先まで輸送される生鮮品の対象日でのランクごとの量と、第1期間に保管先で保管されている生鮮品の第1期間でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する。第1期間は、予め定められた時間の長さを示す期間である。期間は、出荷元から保管先に生鮮品が到着する時点を含む時間単位である。期間は、例えば、日単位、週単位、月単位、年単位の期間でよい。
【0037】
生鮮品は、ボックスに収容されて、出荷元から保管先まで、および保管先から出荷先まで輸送されてよい。そこで、輸送品質予測部212は、輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクをボックスの単位で予測してよい。生成部218は、生鮮品が保管先から出荷先に輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクをボックスの単位で示す管理情報を生成してよい。ここで、ボックスは青果物を梱包する際に使用する箱全般のことを指し、サイズまたは形態については問わない。代表例として、折り畳み式コンテナ、段ボール箱、鉄コンテナ、コンテナ、発泡スチロールなどが挙げられる。また、上記ボックスは断熱機能を有していてよい。
【0038】
断熱機能を有する断熱箱は、生鮮品を輸送する際に用いられるボックスである。断熱箱は、保冷機能、保湿機能およびガスバリア機能の少なくともいずれか1つを有していてもよい。生鮮品は予冷され、断熱機能を有する断熱箱に梱包され常温輸送されてよい。断熱機能を有する断熱箱は、開度を調整可能な調整弁を有してよい。調整弁により、断熱箱の内部空間と外部空間とを連通する隙間の大きさを変えることができる。また断熱機能を有する断熱箱は、センサノードを有してよい。センサノードは例えば、温度センサ、湿度センサ、ガスセンサ、照度センサ、および振動センサ等であってよく、生鮮品の周辺雰囲気における温度、湿度、ガス組成、照度、および振動の少なくともいずれかを測定する。センサノードにはICタグが設けられており、測定した輸送環境情報を、ICタグを介してセンサノードの外部へと無線により送信する。
【0039】
輸送品質予測部212は、ボックスに設置または付随されたセンサノードから送信された輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクをボックスの単位で予測してよい。
【0040】
図4は、生鮮品を出荷元から出荷先まで輸送するまでの時系列フロー図である。
図4を参照しつつ、本実施形態による生鮮品管理装置100が、保管先まで輸送される生鮮品のランクごとの量および保管先で保管されている生鮮品のランクごとの量を示す管理情報を生成する処理について説明する。ランクは、生鮮品の品質の指標を示す値である。ランクは、生鮮品の品質を複数の段階、例えば、5段階で示してよい。ランクは、生鮮品の鮮度を複数の段階、例えば5段階で示してよい。ランクは、生鮮品の見た目を複数の段階、例えば5段階で示してよい。
【0041】
出荷元端末10Aは、ネットワーク50を介して出荷情報を生鮮品管理装置100に送信する(S100)。出荷情報は、出荷される生鮮品に関する情報であり、出荷される生鮮品の品目、品種、産地、量、栽培方法、等級、熟度、収穫時期、収穫してからの経過時間、および予冷温度等の情報を含んでよい。生鮮品に関する情報は、生鮮品の状態情報を含んでよい。生鮮品の状態情報は、生鮮品の色調、糖度、硬度、酸度、熟度などを含んでよい。生鮮品に関する情報は、生鮮品の呼吸量または呼吸速度などの呼吸情報を含んでよい。生鮮品に関する情報は、ポストハーベストの有無、青果物コーディングの有無などの鮮度保持テクノロジーの利用履歴情報を含んでよい。
【0042】
ここで、呼吸情報は、生鮮品が二酸化炭素を放出する量または速度、あるいは生鮮品が酸素を吸収する量または速度を算出することで得られる。二酸化炭素または酸素の量または速度は、事前に実験室のデシケーターなどの密閉空間に生鮮品を置いて、ガスセンサを利用して二酸化炭素または酸素の濃度の変化を計測することで算出されてよい。
【0043】
ガスセンサで測定されるガス濃度に基づいて、放出または吸収速度及び累積ガス放出・吸収量は、以下の式に従って、それぞれ算出されてよい。
放出・吸収速度={(現在のガス濃度)-(基準時のガス濃度)}×(ボックス容積-生鮮品体積)/(生鮮品重量×密閉時間)
累積ガス放出・吸収量={(現在のガス濃度)-(基準時のガス濃度)}×(ボックス容積-生鮮品体積)/(生鮮品重量)
ここで、「基準時」は、例えば保管、輸送開始時を示す。「生鮮品体積」は、生鮮品重量と生鮮品密度から算出されてよく、生鮮品密度を1とみなして生鮮品重量を生鮮品体積に読み替えて用いられてよい。
【0044】
輸送品質予測部212は、出荷元端末10Aからの出荷情報を受信する(S102)。次に、輸送元端末10Bが、ネットワーク50を介して輸送環境情報を送信する(S104)。
【0045】
輸送品質予測部212は、輸送元端末10Bからの輸送環境情報を受信する(S106)。輸送品質予測部212は、輸送環境情報に基づいて、対象日に保管先まで輸送される生鮮品の対象日におけるランクを予測する(S108)。輸送品質予測部212は、輸送環境情報に基づいて予測された対象日のランクを生鮮品DB204に格納してよい。輸送品質予測部212は、輸送される生鮮品のランクの予測において、輸送環境情報に加えて、出荷情報にも基づいてよい。輸送品質予測部212は、ランクの予測に天気予報情報も追加で用いてよい。輸送品質予測部212は、生鮮品の呼吸量及び呼吸速度などの呼吸情報に基づいて、ボックス内のガス濃度の遷移を予測して、ボックス内のガス濃度の遷移に基づいて、生鮮品のランクを予測してもよい。
【0046】
保管品質予測部216は、保管先で保管されている間の生鮮品が置かれる環境の状態を示す保管環境情報に基づいて、対象日に保管先で保管されている生鮮品の対象日でのランクを予測する。保管先端末10Cは、ネットワーク50を介して保管環境情報を生鮮品管理装置100に送信する(S110)。保管品質予測部216は、保管先端末10Cからの保管環境情報を受信する(S112)。次に、保管品質予測部216は、保管環境情報に基づいて、保管先で保管されている生鮮品の対象日におけるランクを予測する(S114)。保管環境情報は、保管先で生鮮品を保管中の環境を示す情報をいう。保管環境情報は、保管先で保管されている間の生鮮品が置かれる環境の温度、湿度、およびガス濃度の少なくとも1つを示す。ガス濃度は、生鮮品が置かれる環境の二酸化炭素濃度、及びエチレン濃度の少なくとも1つを含んでよい。保管環境情報に示される各種情報は、生鮮品を格納するボックスに設けられる各種センサで計測されてよい。保管品質予測部216は、保管環境情報に基づいて予測した対象日のランクを生鮮品DB204に格納してよい。
【0047】
輸送品質予測部212は、輸送環境情報と生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた関係情報に基づいて、対象日に保管先まで輸送される生鮮品の、対象日でのランクを予測してよい。保管品質予測部216は、保管環境情報と生鮮品のランクとの関係を示す関係情報に基づいて、対象日に保管先で保管されている生鮮品の対象日でのランクを予測してよい。輸送品質予測部212は、輸送環境情報と生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、対象日に保管先まで輸送される生鮮品の対象日でのランクを予測してよい。保管品質予測部216は、保管環境情報と生鮮品のランクとの関係を示す予め定められた予測モデルに基づいて、対象日に保管先で保管されている生鮮品の対象日でのランクを予測してよい。
【0048】
輸送品質予測部212および保管品質予測部216は、各種アルゴリズムを用いて機械学習した学習モデルに基づきランクを予測してよい。例えば、輸送品質予測部212は、既存の輸送環境情報およびランクデータのセットを用いて、輸送中または輸送後の生鮮品のランクを予測する訓練を行ってよい。同様に保管品質予測部216は、保管環境情報およびランクデータのセットを用いて、保管中または保管後の生鮮品のランクを予測する訓練を行ってよい。機械学習には、回帰分析、クラスター分析、主成分分析、ベクトル量子化、自己組織マップ、ベイジアンモデル、時系列分析、状態空間モデル、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、遺伝的アルゴリズム、ID3および、カルマンフィルタ等が含まれてよい。
【0049】
輸送品質予測部212または保管品質予測部216が、カルマンフィルタを用い、環境情報ログの積算値を観測値とし、状態としてのランクの推定を行ってよい。
図5に示すように、カルマンフィルタでは、環境情報ログの更新点の都度ごとに推定を行い、ランクについて補正しながら推定する。これにより、単純な線形回帰モデルを用いた場合と比較して、動的に変動する環境情報ログに対してより最適な状態推定を行うことができる。
【0050】
輸送品質予測部212または保管品質予測部216は、輸送環境情報または保管環境情報に示される温度、湿度、およびガス濃度のそれぞれの平均値、または積算値を説明変数、及び生鮮品のランクを目的変数として対応付けたデータを教師データとして用いて、機械学習により予め定められたアルゴリズムに従って予測モデルを生成してよい。教師あり機械学習アルゴリズムとして、例えば、サポートベクターマシン(SVM)を用いることができる。SVMを用いる場合、輸送品質予測部212または保管品質予測部216は、輸送環境情報または保管環境情報に示される温度、湿度、およびガス濃度のそれぞれの平均値、または積算値のそれぞれの組を座標とする点を多次元空間にマップした場合に、それぞれのランクにラベリングされる点の集合の間を最大のマージンをもって分離する超平面を学習してよい。
【0051】
輸送品質予測部212または保管品質予測部216は、予測モデルにより、温度が高く、湿度が低く、二酸化炭素濃度が低いほど、品質の低下速度が速くなるように、生鮮品のランクを予測してよい。輸送品質予測部212または保管品質予測部216は、生鮮品を格納するボックスごとに、生鮮品のランクを予測してよい。
【0052】
生成部218は、対象日に保管先まで輸送される生鮮品の対象日でのランクごとの量と、対象日に保管先で保管されている生鮮品の対象日でのランクごとの量とを示す管理情報を生成する。出荷先端末10Eはネットワーク50を介して生鮮品管理装置100に発注情報を送信する(S116)。発注情報は、品目、量、ランク、提示価格、納期および出荷先等を示す。生鮮品管理装置100が、発注情報を受信すると(S118)、出荷先選択部220が発注情報および予測されたランクに基づき、出荷先を選択する(S120)。出荷先選択部220による出荷先の選択については後に詳しく説明する。次に、生成部218は管理情報を生成する(S122)。表示制御部236は、管理情報を表示部16に表示させる。
【0053】
図6は、表示制御部236が表示部16に表示させる管理情報500の一例を示す。管理情報500は、対象日(10月11日)に出荷元から保管先まで輸送される「きゅうり」の対象日におけるランクごとの量を示す領域501を含む。また管理情報500は、対象日に保管先で保管されている「きゅうり」の対象日におけるランクごとの量を示す領域502を含む。管理情報500は出荷先から要求されたランクに対する出荷実績をパーセントで示す領域504を含む。さらに管理情報500は、出荷先各社へのランクごとの出荷実績を示す領域505を含む。
【0054】
生成部218は、対象日に保管先から出荷先に出荷される生鮮品の、ランクごとの量をさらに示す管理情報を生成してよい。管理情報500は、対象日に保管先から出荷先に出荷されるきゅうりのランクごとの量を示す領域503を含む。領域503には、対象日における保管先での廃棄量も示される。
図6は、日次の管理情報500の一例である。次に、複数の期間にわたる管理情報(例えば週次)について説明する。
【0055】
輸送品質予測部212は、対象期間を含む複数の期間のそれぞれに保管先まで輸送される生鮮品の複数の期間のそれぞれでのランクを予測する。輸送品質予測部212は、対象日を含む5日間のそれぞれに保管先まで輸送される日ごとの生鮮品のランクを予測してよい。例えば、輸送品質予測部212は、10月11日~10月15日の各日に保管先まで輸送されるきゅうりの各日におけるランクを予測する。保管品質予測部216は、複数の期間のそれぞれに保管先で保管されている生鮮品の複数の期間のそれぞれでのランクを予測する。例えば、保管品質予測部216は、10月11日~10月15日の各日に保管先で保管されているきゅうりの各日におけるランクを予測する。
【0056】
生成部218は、保管先まで輸送される生鮮品のランクごとの量と、保管先で保管されている生鮮品のランクごとの量とを複数の期間のそれぞれについて示す管理情報を生成する。生成部218は、保管先から出荷先に出荷される生鮮品のランクごとの量を複数の期間のそれぞれについてさらに示す管理情報を生成する。
図7は、10月11日~10月15日にわたる過去5日間の管理情報510を示す。管理情報510は、10月11日~10月15日の各日に保管先まで輸送されるきゅうりの各日におけるランクごとの量を最も左(入荷)に示し、10月11日~10月15日の各日に保管先で保管されているきゅうりの各日におけるランクごとの量を真ん中(保管)に示し、10月11日~10月15日の各日における保管先から出荷先に出荷されるきゅうりのランクごとの量を、最も右(出荷)に示し、さらに次の5日間における保管先での廃棄量を示す領域511を含む。管理情報510は、当該過去5日間での出荷先から要求されたランクに対する出荷実績をパーセントで示す領域512を含む。さらに管理情報510は、当該過去5日間での出荷先各社へのランクごとの出荷実績を示す領域513を含む。
【0057】
また、生成部218は、
図8に示すような生鮮品を収容するボックスごとの温度および評価情報の推移並びに総合評価を示した管理情報520を生成してよい。管理情報520は、しわ、はり、およびつやといった項目別の評価情報を含んでよい。総合評価は項目別の評価情報を総合的に評価した結果である。総合評価は項目別のランクの合計値で判断される評価である。例えば、10月22日の時点では、しわの評価情報はB、はりの評価情報はB、つやの評価情報はCであるが、総合評価はCと示されている。なお、この場合、Aの品質が最も良く、B、Cとなるに連れて徐々に品質が低くなっていくものとする。
【0058】
再度
図4を参照すると、生成部218は、生成した管理情報を保管先端末10Cに送信する(S124)。最後に、配車要求部230が、配車要求を輸送元端末10Dに送信し(S128)、輸送元端末10Dが配車要求を受信する(S130)。
【0059】
次に、生鮮品管理装置100が保管先での在庫不足量を予測して保管先に通知し、追加発注情報を出荷元に送信する処理について説明する。
【0060】
図9は、保管先在庫量不足の予測を示す管理情報530を示す図である。管理情報530は、2022/9/1~2022/9/5における出荷元からの出荷量、保管先への入庫量、保管先在庫量、保管先から出荷先への出庫量および出荷先への到着量を予測・管理するための情報である。管理情報530は、列項目として日付(C101)、ランク(C102)、出荷元からの出荷予測量(C103)、輸送中に1ランク下がる量(C104)、保管先への入庫予測量(C105)、保管先在庫量(C106)、保管中に1ランク下がる量(C107)、保管先からの出庫予測量(C108)、輸送中に1ランク下がる量(C109)、および出荷先への到着予測量(C110)を含む。管理情報530は、行項目として2022/9/1(R101)、2022/9/2(R102)、2022/9/3(R103)、2022/9/4(R104)および2022/9/5(R105)を含む。
【0061】
ランク(C102)は、例えば5段階の数値、または高・中・低の生鮮品の品質を表わす情報である。
【0062】
出荷元からの出荷予測量(C103)は、各日に出荷されると予測される生鮮品の量である。生鮮品管理装置100は、出荷元からの出荷予測量を、過去の出荷実績、出荷元属性、気象情報、出荷時期、農業ハウスに設置したセンサによる集計データ等に基づく農作物の収穫予測量等のデータを基に訓練した予測モデルにより予測してよい。予測モデルは、回帰分析、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク等を含んでよい。予測モデルは、最新データをインプットデータとして取り込んで随時モデルを自動で更新されてよい。
【0063】
生鮮品管理装置100は、出荷元属性、気象情報、出荷時期、及び農業ハウスに設置したセンサによる計測値の少なくとも1つを説明変数、及び生鮮品の出荷量を目的変数として対応付けたデータを教師データとして用いて、機械学習により予め定められたアルゴリズムに従って予測モデルを生成してよい。教師あり機械学習アルゴリズムとして、例えば、サポートベクターマシン(SVM)を用いることができる。SVMを用いる場合、生鮮品管理装置100は、出荷元属性、気象情報、出荷時期、農業ハウスに設置した各種センサの計測値のそれぞれの組を座標とする点を多次元空間にマップした場合に、出荷量にラベリングされる点の集合の間を最大のマージンをもって分離する超平面を学習してよい。
【0064】
輸送中に1ランク下がる量(C104)は、出荷元から保管先までの輸送中に1ランク下がると予測される生鮮品の量である。
【0065】
保管先への入庫予測量(C105)は、各日に保管先に入庫されると予測される量である。生鮮品管理装置100は、出荷元からの出荷予測量(C103)-輸送中に1ランク下がる量(C104)を算出することで保管先への入庫予測量を算出する。例えば、2022/9/1のランク5における保管先への入庫予測量は、140-40=100である。
【0066】
保管先在庫量(C106)は、各日に保管先に保管されていると予測される量である。生鮮品管理装置100は、前日の保管先在庫量+当日の保管先への入庫予測量-前日の保管中に1ランク下がる量(C107)-前日の保管先からの出庫予測量(C108)を算出することで、保管先在庫量(C106)を算出する。例えば、2022/9/2のランク5における保管先在庫量は、320+110-10-200=220である。予測モデルは、保管先在庫量を、保管先の空きスペースを考慮して、出庫予測量を満たし、且つ、廃棄量を最小にする最適解を導出するよう訓練されてよい。保管中に1ランク下がる量(C107)は、保管先での保管中に1ランク下がる生鮮品の量である。
【0067】
保管先からの出庫予測量(C108)は、各日に出荷されると予測される生鮮品の量である。生鮮品管理装置100は、保管先からの出庫予測量を、過去の出庫実績、出荷先属性、気象情報、出庫時期等のデータを基に訓練した予測モデルにより予測してよい。予測モデルは、最新データをインプットデータとして取り込んで随時モデルを自動で更新してよい。出庫量の予測精度を高めることで、欠品および廃棄量を小さくできる。
【0068】
生鮮品管理装置100は、出荷先属性、気象情報、及び出庫時期の少なくとも1つを説明変数、及び生鮮品の出庫量を目的変数として対応付けたデータを教師データとして用いて、機械学習により予め定められたアルゴリズムに従って予測モデルを生成してよい。教師あり機械学習アルゴリズムとして、例えば、サポートベクターマシン(SVM)を用いることができる。SVMを用いる場合、生鮮品管理装置100は、出荷先属性、気象情報、及び出庫時期のそれぞれの組を座標とする点を多次元空間にマップした場合に、出庫量にラベリングされる点の集合の間を最大のマージンをもって分離する超平面を学習してよい。
【0069】
輸送中に1ランク下がる量(C109)は、保管先から出荷先までの輸送中に1ランク下がる生鮮品の量である。出荷先への到着予測量(C110)は、当該ランクで出荷先に到着すると予測される生鮮品の量である。生鮮品管理装置100は、保管先からの出庫予測量(C108)-輸送中に1ランク下がる量(C109)を算出することで出荷先への到着予測量(C110)を算出する。例えば、2022/9/1のランク5における出荷先への到着予測量は、200-6=194である。
【0070】
図9中の管理情報530は、9/4のランク5およびランク4の保管先在庫量と、9/5のランク5およびランク4の保管先在庫量とがそれぞれ不足することを示している。
【0071】
次に、
図10の時系列フロー図を参照して、生鮮品管理装置100が予測される保管先の在庫量不足を保管先に通知して、保管先から追加発注を受け、受け付けた追加発注を出荷元に送信するまでの処理について説明する。
【0072】
不足予測通知部224は、管理情報に基づいて、複数の期間の中の注目期間で出荷先に出荷されるべき生鮮品の量が不足することが予測される場合、注目期間に生鮮品の量が不足することが予測されることを保管先に通知する。追加受付部226は、保管先から、注目期間で出荷先に出荷されるべき量を満たすように出荷元から追加で出荷してもらう生鮮品の量、ランク、及び納期のうち少なくとも1つを受け付ける。追加受付部226は、保管先から、注目期間で出荷先に出荷されるべき量を満たすように注目期間以前の期間に出荷元から追加で出荷してもらう生鮮品の量、ランク、および納期を受け付けてよい。追加発注部228は、追加分の生鮮品の量、ランク、および納期を示す追加発注情報を出荷元に送信する。
【0073】
図10を参照して、不足予測通知部224は、管理情報530に基づいて、出荷先に出荷されるべき生鮮品の在庫量が不足されることを予測する(S200)。例えば、不足予測通知部224は、管理情報530に基づいて、2022/9/1~2022/9/5のうち9/4および9/5において、出荷先に出荷されるべき生鮮品の在庫量が不足されることを予測する。出荷先に出荷されるべき生鮮品の在庫量が不足することが予測される場合、不足予測通知部224は、生鮮品の在庫量が不足する量及び対象日を示す生鮮品不足予測情報を保管先端末10Cに通知する(S202)。例えば、不足予測通知部224は、9/4および9/5に生鮮品の量が不足することが予測されることを示す生鮮品不足予測情報を保管先端末10Cに通知する。不足予測通知部224は、生鮮品不足予測情報に、出荷元から追加で出荷してもらうべき生鮮品の量およびランクの推奨を含めて通知してよい。
【0074】
保管先端末10Cは、不足予測通知部224からの生鮮品不足予測情報を受信する(S204)。保管先端末10Cは、9/4および9/5における出荷先に出荷されるべき量を満たすように9/4および9/5以前の期間に、出荷元から追加で出荷してもらう生鮮品の量、ランクおよび納期を含む追加発注情報を送信する(S206)。追加受付部226は、追加発注情報を受信する(S208)。保管先端末10Cは、在庫管理者から出荷元から追加で出荷してもらう生鮮品の量、ランクおよび納期を受け付けてよい。
【0075】
追加発注部228は、追加で出荷してもらう生鮮品の量、ランクおよび納期を示す追加発注情報を出荷元端末10Aに送信する(S210)。出荷元端末10Aは、追加発注情報を受信(S212)する。
【0076】
図11は、保管先在庫量不足が解消したことを示す管理情報540を示す図である。管理情報540は、出荷元端末10Aでの追加発注情報の受信に応じて、9/2、9/3、9/4および9/5におけるランク5の出荷元からの出荷予測量を増やした結果を示す。9/4のランク5およびランク4の保管先在庫量と、9/5のランク5およびランク4の保管先在庫量は不足しないようになった。本実施形態に係る生鮮品管理装置100は、早期に在庫不足を予測し、保管先に通知して追加発注をさせることで、欠品のない安定した在庫を実現する。
【0077】
次に
図12を参照して、追加発注分のランクおよび納期により決定される輸送手段および輸送方法の関係について説明する。追加発注部228は、追加分の生鮮品のランクおよび納期に基づいて、予め定められた条件に従って、輸送手段、並びに、断熱機能を有する断熱箱、蓄冷材を搭載する断熱箱、冷蔵または冷凍機能を有するコンテナ、および断熱箱より断熱機能が低い保冷バックのいずれかを示す輸送方法を決定し、輸送手段および輸送方法をさらに示す追加発注情報を出荷元に送信する。なお、上記輸送手段は、航空輸送、陸上輸送、および海上輸送等であってよい。航空輸送は、飛行機、ヘリコプター、ドローンなどを含んでよい。陸上輸送は、鉄道貨物、貨客混載鉄道便などの鉄道輸送を含んでよい。陸上輸送は、トラック、普通自動車、タクシー貨客混載輸送などの自動車輸送を含んでよい。海上輸送は、貨物船舶輸送、賃客混載船などの船舶輸送を含んでよい。
【0078】
図12は、追加発注分のランクおよび納期により決定される輸送手段および輸送方法の関係を一例として示す。納期が「24時間以内に輸送」の場合、追加発注部228は、輸送手段を「航空輸送」と決定する。この場合においてランクが「ランクキープ必須」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「冷蔵または冷凍機能を有するコンテナ」と決定する。または、この場合においてランクが「1ランクダウン可」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「断熱箱より断熱機能が低い保冷バック」と決定する。
【0079】
納期が「24時間超48時間以内に輸送」の場合、追加発注部228は、輸送手段を「トラック輸送」と決定する。この場合においてランクが「ランクキープ必須」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「蓄冷材を搭載する断熱箱」と決定する。または、この場合においてランクが「1ランクダウン可」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「断熱機能を有する断熱箱」と決定する。
【0080】
納期が「48時間超72時間以内に輸送」の場合、追加発注部228は、輸送手段を「船舶輸送」と決定する。この場合においてランクが「1ランクダウン可」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「蓄冷材を搭載する断熱箱」と決定する。または、この場合においてランクが「2ランクダウン可」であれば、追加発注部228は、輸送方法を「断熱機能を有する断熱箱」と決定する。なお、ここで示した関係は一例に過ぎず、輸送手段として鉄道輸送、バイク輸送、無人機等を含めてよい。
【0081】
生鮮品管理装置100は、
図12に示す輸送手段および輸送方法の関係に従って、通常発注分の輸送手段及び輸送方法を決定してもよい。
【0082】
ここで、先述のS120における本実施形態に係る生鮮品管理装置100による出荷先の選択についてさらに説明する。出荷先の選択において、生鮮品管理装置100は、
図13の生鮮品DB204内の生鮮品DBテーブル600、
図14の輸送情報DB208内の輸送情報DBテーブル610および
図15の注文情報DB206内の注文情報DBテーブル620を基に、
図16の出荷先選択テーブル630を生成し、最終的に
図17の注文応答テーブル640を生成する。以下、順番に説明する。
【0083】
輸送品質予測部212は、輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクを予測する。生成部218は、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクを示す管理情報を生成する。S108において輸送品質予測部212はさらに、輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクを予測する。輸送品質予測部212は、予測した所要時間ごとの生鮮品のランクを生鮮品DB204内に生鮮品DBテーブル600として格納する。
図13は、生鮮品DBテーブル600を示す。生鮮品DBテーブル600は、ここで生成部218が生成した管理情報である。生鮮品DBテーブル(管理情報)600は、列項目としてボックス番号(C201)、現在ランク(C202)、2時間後の予測ランク(C203)、6時間後の予測ランク(C204)および6時間後の予測ランク(C205)を含む。生鮮品DBテーブル600(管理情報)は、行項目としてボックス1(R201)~(R209)を含む。ボックス番号は、生鮮品を収容する断熱箱などの収容箱を一意に特定するための識別子である。生鮮品DBテーブル(管理情報)600は、予測ランクが長時間高く維持されるものから降順にソートされている。予測ランクの維持時間および高さが同一の場合は、ボックス番号の昇順にソートされている。
【0084】
出荷先選択部220は、保管先から出荷先まで生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、出荷先で要求される生鮮品の少なくとも1つのランク、出荷先で要求される生鮮品の量、出荷先で要求される生鮮品の卸単価、および出荷先で要求される生鮮品の納期を示す発注情報と、管理情報とに基づいて、予め定められた条件を満たす生鮮品の出荷先および量を選択する。出荷先選択部220は、保管先から出荷先まで生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、出荷先で要求される生鮮品の少なくとも1つのランク、出荷先で要求される生鮮品の量、出荷先で要求される生鮮品の卸単価、および出荷先で要求される生鮮品の納期を示す発注情報と、管理情報とに基づいて、要求される生鮮品のランクが高く、且つ生鮮品の単価が高い出荷先から優先的に選択することで、保管先での生鮮品の売り上げが最大となるように生鮮品の出荷先および量を選択してよい。
【0085】
出荷先選択部220は、保管先から出荷先まで生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報と、出荷先で要求される生鮮品の少なくとも1つのランク、出荷先で要求される生鮮品の量、出荷先で要求される生鮮品の単価、および出荷先で要求される生鮮品の納期を示す発注情報と、管理情報とに基づいて、要求される生鮮品のランクが高く、且つ生鮮品の単価が高い出荷先から優先的に選択することで、保管先でのボックスの単位の生鮮品の売り上げがそれぞれ最大となるように生鮮品の出荷先および量をボックスの単位で選択してよい。
【0086】
図14は、保管先から出荷先まで生鮮品が輸送されるまでの所要時間を示す輸送情報DBテーブル610を示す。保管先から出荷先Aまでの所要時間は5時間、保管先から出荷先Bまでの所要時間は13時間、および保管先から出荷先Cまでの所要時間は2時間である。所要時間変更受付部222が輸送情報に示される所要時間の変更を受け付けてよい。所要時間変更受付部222は、外部のリアルタイムの道路・空路・海路の状況を示すデータを参照して、所要時間を更新してよい。例えば、所要時間変更受付部222は、交通情報を示すデータに従って、所要時間を更新してよい。
【0087】
図15に示す注文情報DBテーブル620が、出荷先で要求される生鮮品の少なくとも1つのランク、出荷先で要求される生鮮品の量、出荷先で要求される生鮮品の卸単価、および出荷先で要求される生鮮品の納期を示す発注情報であってよい。注文情報DBテーブル620は、列項目として出荷先(注文者)(C301)、要求ランク(C302)、要求数量(C303)、提示価格(C304)および納期(日)(C305)を含む。注文情報DBテーブル620は、行項目としてR301~R309を含む。注文情報DBテーブル620は、納期の早さで昇順にソートされている。同一納期の場合は、さらに提示卸単価の高さで降順にソートされている。
【0088】
出荷先選択部220は、輸送情報DBテーブル610と、注文情報DBテーブル620と、生鮮品DBテーブル(管理情報)600とに基づいて、要求ランクが高く、且つ提示価格が高い出荷先から優先的に選択することで、保管先での生鮮品の売り上げが最大となるように生鮮品の出荷先および量を選択してよい。
図16は、出荷先選択部220が、輸送情報DBテーブル610と、注文情報DBテーブル620と、生鮮品DBテーブル(管理情報)600とに基づいて、出荷先および量を割り当てた出荷先選択テーブル630を示す。出荷先選択テーブル630は、列項目としてボックス番号(C501)、現在ランク(C502)、予測ランク(C503)、出荷先仮定売上(C504)、出荷先候補別順位(C505)、出荷先(出荷優先度)(C506)および売上(C507)を含む。出荷先選択テーブル630は、行項目としてR501~R510を含む。
【0089】
R502については、ボックス番号が1、現在ランクが5、および2h、6h、12h後の予測ランクがいずれも5と入力済みである。
【0090】
図17は、出荷先選択部220が生鮮品の出荷先を選択する手順の一例を示すフロー図である。
【0091】
出荷先選択部220は、輸送情報DBテーブル610を参照して、各出荷先の所要時間を特定する(S300)。例えば、出荷先選択部220は、
図14に示す輸送情報DBテーブル610を参照し、出荷先Aの所要時間は5時間、出荷先Bの所要時間は12時間、および出荷先Cの所要時間は2時間であることを特定する。
【0092】
出荷先選択部220は、出荷先選択テーブル630と、各出荷先の所要時間とを照合して、各出荷先にいずれのランクで到着するかを判定する(S302)。例えば、出荷先選択部220は、C503の予測ランクと、各出荷先の所要時間とを照合して、出荷先A、BおよびCのいずれにおいても生鮮品のランクは5で到着すると判定する。
【0093】
次に、出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620を参照して、到着するときのランクを満たす注文データのうち最もランクが高い注文データを取得する(S304)。例えば、出荷先選択部220は注文情報DBテーブル620を参照して、出荷先A、BおよびCのいずれもが要求ランク5で発注していることを特定する。
【0094】
出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620を参照して、各出荷先の特定されたランクの提示卸単価を取得する(S306)。例えば、出荷先選択部220は注文情報DBテーブル620から出荷先A、BおよびCのランク5に対する提示卸単価を取得する。出荷先選択部220は、出荷先選択テーブルの出荷先候補別順位(C505)に候補順位を入力する(S308)。
【0095】
例えば、出荷先選択部220は、出荷先別仮定売上(C504)のA、BおよびCの各列に、ランク5に対する提示卸単価をそれぞれ100、95、90と入力する。次に、出荷先選択部220は、出荷先候補別順位(C505)に候補順位を入力する。ここで、A~C間で要求ランクはすべて5で同一であるが、提示卸単価はA、B、Cの順に高い。よって、出荷先選択部220は、出荷先候補別順位(C505)のAの列に1を、Bの列に2を、Cの列に3を入力する。
【0096】
続いて、出荷先選択部220は、出荷先選択テーブルの出荷先(C506)に、出荷先候補別順位(C505)に従って、出荷先を割り当て、当該出荷先に割り当てる当該ランクのボックスの数量を入力する(S310)。さらに、出荷先選択部220は、出荷先選択テーブルの売上(C507)に、割り当てられた出荷先の提示卸単価を売上として入力する(S312)。
【0097】
例えば、出荷先選択部220は、出荷先候補別順位の1番高いAを、ボックス1の出荷先として割り当てることを決定する。よって、出荷先選択部220は、出荷先(出荷優先度)(C506)のAの列に5(1/2)と入力する。これはAのランク5に対する要求数量2のうち、1つ分を割り当てたことを意味する。続けて、出荷先選択部220は、出荷先Aのランク5に対する提示卸単価100に基づき、売上(C507)に100を入力する。
【0098】
R503についても、出荷先選択部220は行R502と同じ処理を繰り返す。出荷先(出荷先優先度)(C506)のAの列に5(2/2)と入力される。出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620に、出荷先Aによるランク5以外の注文が存在しないことを特定する。よって出荷先選択部220は、出荷先Aの要求に対する割り当ては完了したと判定し、R504以降のAの列に「‐」を入力する。
【0099】
R504については、ボックス番号が3、現在ランクが5、2h後の予測ランクが5、6h後の予測ランクが4、12h後の予測ランクが4である。出荷先選択部220は、C503の予測ランクと、各出荷先の所要時間とを照合して、出荷先Bにはランク4で、出荷先Cにはランク5で到着すると判定する。
【0100】
出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620を参照して、出荷先Bについて、到達するランク4を満たすもののうち、最もランクが高い注文データを取得する。出荷先選択部220は、出荷先Bによるランク4の注文を取得する。同様に、出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620を参照して、出荷先Cについて、到達するランク5を満たすもののうち、最もランクが高いランク5に対する注文を取得する。
【0101】
出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620の出荷先Bのランク4に対する提示卸単価80を取得して、出荷先別仮定売上C504のBの列に80と入力する。同様に、出荷先選択部220は、注文情報DBテーブル620の出荷先Cのランク5に対する提示卸単価90を取得して、出荷先別仮定売上C504のCの列に90と入力する。出荷先選択部220は、出荷先候補別順位(C505)に、要求ランクが高く、且つ、提示卸単価が高いCに1を入力する。
【0102】
続けて、Bに2を入力する。出荷先選択部220は、出荷先候補別順位の1番高いCを、ボックス3の出荷先として割り当て、出荷先(出荷優先度)(C506)のCの列に5(1/1)と入力する。これでCのランク5に対する要求への割り当ては完了した。出荷先選択部220は、出荷先Cのランク5に対する提示卸単価90に基づき、売上(C507)に90を入力する。
【0103】
以降、同様にして出荷先選択部220は、出荷先選択テーブル630内のすべてのボックスに対し出荷先の割り当てを行う。出荷先選択部220は、このようにして生成した出荷先選択テーブル630からさらに、
図18に示す注文応答テーブル640を生成する。注文応答テーブル640は、列項目として出荷先(注文者)(C601)、要求ランク(C602)、要求数量(C603)、提示価格(C604)、回答‐ランク(C605)、回答‐数量(C606)および回答‐納期(C607)を含む。注文応答テーブル640は、行項目としてR601~R606を含む。
【0104】
R601は、出荷先Aは、要求ランク5および要求数量2に対し全数量の出荷を受けられることを示す。R602は、出荷先Bは、要求ランク5および要求数量4に対し1つも出荷を受けられないことを意味する。
【0105】
再度
図13を参照すると、生成部218が生成した生鮮品DBテーブル600(管理情報)には、ボックス番号ごとに、2h後、6h後および12h後の予測ランクが示されている。また再度
図16を参照すると、出荷先選択テーブル630は、ボックス番号ごとに、出荷先および量が割り当てられている。
【0106】
輸送品質予測部212は、輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクをボックスの単位で生鮮品の種別ごとに予測してよい。生成部218は、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクをボックスの単位で生鮮品の種別ごとに示す管理情報を生成してよい。輸送品質予測部212が、
図19に示すように、輸送環境情報に基づいて、保管先から出荷先まで輸送されるまでの所要時間ごとの生鮮品のランクを、ボックスごとの品目別に予測してよい。
【0107】
生鮮品管理装置100は、出荷先選択部220による選択結果に基づいて、保管先から出荷先まで生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元に要求する配車要求部230をさらに備えてよい。配車要求部230は、配車対象の輸送車、および配車対象の輸送車で輸送可能な生鮮品の量を示す、第1輸送元からの回答に基づいて、保管先から出荷先まで生鮮品を輸送する輸送車の数が不足すると判断する場合、追加の輸送車の配車を第2輸送元にさらに要求してよい。
【0108】
図20は、生鮮品を輸送するための輸送車が不足する場合に、追加の輸送車を要求するまでの時系列フロー図を示す。以下、配車要求部230が追加の輸送車の配車を要求する処理について説明する。
【0109】
配車要求部230は、出荷先選択部220による選択結果に基づいて、保管先から出荷先まで生鮮品を輸送する輸送車の配車を要求する配車要求を第1輸送元端末10Bに送信する(S400)。第1輸送元端末10Bは、配車要求を受信する(S402)。配車要求を受信した第1輸送元端末10Bは、配車対象の輸送車、配車対象の輸送車で輸送可能な生鮮品の量を示す回答を、配車要求部230に送信する(S404)。配車要求部230は回答を受信する(S406)。配車要求部230が回答に基づいて、保管先から出荷先まで生鮮品を輸送する輸送車の数が不足し、追加の配車が必要か否かを判定する(S408)。S408において配車要求部230が追加の配車が必要であると判定した場合、配車要求部230は、追加配車要求を第2輸送元端末10Fに送信する(S410)。第2輸送元端末10Fが追加配車要求を受信すると(S412)、第2輸送元で追加の輸送車の配車を行う。
【0110】
図21は、配車対象の輸送車でさらに生鮮品の輸送が可能な場合に、出荷先に生鮮品のさらなる追加を要求するまでの処理を示す時系列フロー図である。
【0111】
配車要求部230は、出荷先選択部220による出荷先の選択結果に基づいて、保管先から出荷先まで生鮮品を輸送する輸送車の配車を第1輸送元端末10Bに要求する(S500)。第1輸送元端末10Bは、配車要求を受信する(S502)。第1輸送元端末10Bは、配車対象の輸送車および当該輸送車でさらに輸送可能な生鮮品の量を示す回答を配車要求部230に送信する(S504)。配車要求部230が第1輸送元端末10Bからの回答を受信する(S506)。当該回答に基づいて、追加輸送通知部232は、配車対象の輸送車でさらに生鮮品の輸送が可能であるか否かを判定する(S508)。当該回答は、輸送可能な生鮮品の量として、輸送車がさらに輸送可能なボックスの数量を示してもよい。可能である場合、追加輸送通知部232は、配車対象の輸送車でさらに生鮮品の輸送が可能であることを示す追加発注募集を保管先端末10Cに送信する(S510)。
【0112】
保管先端末10Cは、配車対象の輸送車でさらに輸送可能な量の範囲で指定された生鮮品の量を示す回答を送信する(S516)。追加出荷要求部234は保管先端末10Cから回答を受信する(S514)。追加出荷要求部234は、回答に応じて、出荷先端末10Eに生鮮品のさらなる出荷を要求する追加出荷要求を送信する(S516)。最後に出荷先端末10Eが追加出荷要求を受信し(S518)、追加の出荷処理を実行する。
【0113】
以上、本実施形態に係る生鮮品管理装置によれば、生鮮品のランクを予測し、定時・定量・定品質・定価格を満たす安定した物流の提供を実現できる。
【0114】
図22は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0115】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0116】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CD-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0117】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0118】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0119】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0120】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0121】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0122】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0123】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0124】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0125】
10 端末
10A 出荷元端末
10B 輸送元端末
10C 保管先端末
10D 輸送元端末
10E 出荷先端末
12 受信部
14 送信部
16 表示部
50 ネットワーク
100 生鮮品管理装置
200 制御部
202 表示部
204 生鮮品DB
206 注文情報DB
208 輸送情報DB
210 輸送環境情報取得部
212 輸送品質予測部
214 保管環境情報取得部
216 保管品質予測部
218 生成部
220 出荷先選択部
222 所要時間変更受付部
224 不足予測通知部
226 追加受付部
228 追加発注部
230 配車要求部
232 追加輸送通知部
234 追加出荷要求部
236 表示制御部
500,510,520,530,540 管理情報
600 生鮮品DBテーブル
610 輸送情報DBテーブル
620 注文情報DBテーブル
630 出荷先選択テーブル
640 注文応答テーブル
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM