(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071159
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】光学センサ付き液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/133 20060101AFI20240517BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240517BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20240517BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240517BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240517BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240517BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240517BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G02F1/133 530
G06F3/041 422
G06F3/041 410
G06F3/042 472
G06F3/044 120
G02F1/1345
G02F1/1333
G09F9/30 349Z
G09F9/00 346A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181963
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 玲彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲平
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H193
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA13
2H092GA21
2H092GA51
2H092GA62
2H092JA24
2H092JB04
2H092JB05
2H092JB23
2H092PA01
2H092PA06
2H092PA09
2H092PA11
2H092PA13
2H189LA02
2H189LA10
2H189LA15
2H189LA17
2H189LA20
2H189LA27
2H189LA31
2H193ZA04
2H193ZF23
2H193ZF42
2H193ZF51
2H193ZG04
2H193ZJ02
2H193ZJ04
2H193ZP01
2H193ZP13
2H193ZP15
5C094AA51
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB02
5G435BB12
5G435EE34
5G435EE40
5G435LL07
(57)【要約】
【課題】 狭額縁化を実現可能な光学センサ付き液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 一実施形態に係る光学センサ付き液晶表示装置は、表示パネルと、ドライバICと、を備える。表示パネルは、画素を含む表示領域と、表示領域を囲む周辺領域と、周辺領域に設けられる周辺回路と、入射する光に応じた検出信号を出力する光学センサと、を備える。周辺回路は、シフトレジスタと、シフトレジスタと接続し、第1ゲートスイッチおよび第2ゲートスイッチを含むゲートスイッチ群と、を備える。第1ゲートスイッチは、走査線を介して、画素を駆動するためのスイッチング素子に接続される。第2ゲートスイッチは、センサ用走査線を介して、光学センサを駆動するためのセンサ回路に含まれるスイッチング素子に接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備える表示パネルと、
ドライバICと、を具備し、
前記表示パネルは、
マトリクス状に配列された複数の画素を含む表示領域と、
前記表示領域を囲む周辺領域と、
前記ドライバICと接続し、前記周辺領域のうち、前記表示領域の左右に位置する領域に設けられる周辺回路と、
前記複数の画素のうちの少なくとも一部に配置され、前記液晶層側から入射する光に応じた検出信号を出力する光電変換素子を備えた光学センサと、を備え、
前記周辺回路は、
シフトレジスタと、
前記シフトレジスタと接続し、第1ゲートスイッチおよび第2ゲートスイッチを含むゲートスイッチ群と、を備え、
前記第1ゲートスイッチは、走査線を介して、前記画素を駆動するためのスイッチング素子に接続され、
前記第2ゲートスイッチは、センサ用走査線を介して、前記光学センサを駆動するためのセンサ回路に含まれるスイッチング素子に接続される、
光学センサ付き液晶表示装置。
【請求項2】
第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備える表示パネルと、
ドライバICと、を具備し、
前記表示パネルは、
マトリクス状に配列された複数の画素を含む表示領域と、
前記表示領域を囲む周辺領域と、
前記ドライバICと接続し、前記周辺領域のうち、前記表示領域の左右に位置する領域に設けられる第1周辺回路および第2周辺回路と、
前記複数の画素のうちの少なくとも一部に配置され、前記液晶層側から入射する光に応じた検出信号を出力する光電変換素子を備えた光学センサと、を備え、
前記第1周辺回路および前記第2周辺回路は、
シフトレジスタと、
前記シフトレジスタと接続し、第1ゲートスイッチおよび第2ゲートスイッチを含むゲートスイッチ群と、をそれぞれ備え、
前記各第1ゲートスイッチは、走査線を介して、前記画素を駆動するための第1スイッチング素子に接続され、
前記第1周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、センサ用第1走査線を介して、前記光学センサを駆動するためのセンサ回路に含まれる第2スイッチング素子に接続され、
前記第2周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、センサ用第2走査線を介して、前記光学センサを駆動するためのセンサ回路に含まれる第3スイッチング素子に接続される、
光学センサ付き液晶表示装置。
【請求項3】
前記各第1ゲートスイッチは、前記表示領域に画像を表示する第1期間にオンとなり、前記第1スイッチング素子に表示用走査信号を供給し、
前記第1周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、前記光学センサの電位をリセットする第2期間にオンとなり、前記第2スイッチング素子にセンサ用第1走査信号を供給し、
前記第2周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、前記第2期間、および、前記光学センサから前記検出信号を読み出す第3期間にオンとなり、前記第3スイッチング素子にセンサ用第2走査信号を供給する、
請求項2に記載の光学センサ付き液晶表示装置。
【請求項4】
前記各第1ゲートスイッチおよび前記各第2ゲートスイッチは、前記シフトレジスタから出力される制御信号に基づき切替制御される、
請求項3に記載の光学センサ付き液晶表示装置。
【請求項5】
前記各第1ゲートスイッチは、前記表示用走査信号を前記走査線に出力するための第1制御信号を供給する配線に接続され、
前記第1周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、前記センサ用第1走査信号を前記センサ用第1走査線に出力するための第2制御信号を供給する配線に接続され、
前記第2周辺回路に含まれる前記第2ゲートスイッチは、前記センサ用第2走査信号を前記センサ用第2走査線に出力するための第3制御信号を供給する配線に接続され、
前記各第1ゲートスイッチおよび前記各第2ゲートスイッチは、前記第1制御信号、前記第2制御信号および前記第3制御信号より電位の低い低電位電圧を供給する配線にそれぞれ接続される、
請求項3に記載の光学センサ付き液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光学センサ付き液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指紋センサや静脈センサ等、生体情報を検出するセンサが内蔵された液晶表示装置(生体認証装置)が開発されている。この種のセンサとしては、例えば光電変換素子を用いた光学センサが用いられる。光学センサは、例えばバックライト等の光源から発せられ、対象物にて反射された光を検出することで、当該対象物の生体情報を検出する。
【0003】
一般的な液晶表示装置において狭額縁化が要望されるように、このような光学センサ付き液晶表示装置においても、狭額縁化の要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0265207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、狭額縁化を実現可能な光学センサ付き液晶表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る光学センサ付き液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層と、を備える表示パネルと、ドライバICと、を具備する。前記表示パネルは、マトリクス状に配列された複数の画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記ドライバICと接続し、前記周辺領域のうち、前記表示領域の左右に位置する領域に設けられる周辺回路と、前記複数の画素のうちの少なくとも一部に配置され、前記液晶層側から入射する光に応じた検出信号を出力する光電変換素子を備えた光学センサと、を備える。前記周辺回路は、シフトレジスタと、前記シフトレジスタと接続し、第1ゲートスイッチおよび第2ゲートスイッチを含むゲートスイッチ群と、を備える。前記第1ゲートスイッチは、走査線を介して、前記画素を駆動するためのスイッチング素子に接続される。前記第2ゲートスイッチは、センサ用走査線を介して、前記光学センサを駆動するためのセンサ回路に含まれるスイッチング素子に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る表示装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る表示装置に実装されるタッチセンサの一構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る光学センサと、光学センサに接続されるセンサ回路とを示す等価回路図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る光学センサと、光学センサに接続されるセンサ回路との動作例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る走査線/第1走査線駆動回路の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る走査線/第2走査線駆動回路の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図6に示す走査線/第1走査線駆動回路に含まれるゲートスイッチ群の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示す走査線/第2走査線駆動回路に含まれるゲートスイッチ群の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係るゲートスイッチの構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、同実施形態に係る走査線/第1走査線駆動回路および走査線/第2走査線駆動回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図12】
図12は、
図11に示す表示期間における走査線/第1走査線駆動回路および走査線/第2走査線駆動回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図13】
図13は、
図11に示すリセット期間における走査線/第1走査線駆動回路および走査線/第2走査線駆動回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図14】
図14は、
図11に示すリード期間における走査線/第1走査線駆動回路および走査線/第2走査線駆動回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、第1比較例に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
【
図16】
図16は、第2比較例に係る表示装置を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、および、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向、第3方向または厚さ方向と称する。X軸およびY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸およびZ軸によって規定される面をX-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
図1は、一実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す図である。詳細については後述するが、表示装置DSPは光学センサ付き液晶表示装置であり、生体認証装置と称されてもよい。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、カバー部材CMと、第1偏光板PLZ1と、第2偏光板PLZ2と、照明装置ILとを備えている。
【0011】
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第1基板SUB1に対向する第2基板SUB2と、シール材SEと、液晶層LCとを備えている。液晶層LCは、シール材SEにより第1基板SUB1と第2基板SUB2の間に封入されている。本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を第2基板SUB2の上面側に選択的に透過させることで画像を表示する透過型の表示パネルである。
【0012】
第1基板SUB1は、光学センサOSとコリメート層CLを備えている。光学センサOSは、第1基板SUB1の主面のうち第2偏光板PLZ2と対向する主面と、コリメート層CLとの間に位置している。光学センサOSは、光電変換素子PCと、光電変換素子PCの下面に配置され金属材料で形成される第1電極E1と、光電変換素子PCの上面に配置され透明導電材料で形成される第2電極E2と、を備えている。光電変換素子PCは、例えばフォトダイオードであり、入射する光に応じた検出信号を出力する。光電変換素子PCとしては、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードを用いることができる。なお、光学センサOSは、PINフォトダイオードに代えて、OPD(Organic Photo diode)を用いるものであってもよい。
【0013】
コリメート層CLは、光学センサOSと重なる開口OPを有している。コリメート層CLは、例えば金属材料で形成され、遮光性を有している。このようなコリメート層CLは、第1基板SUB1だけでなく、第2基板SUB2にさらに配置されてもよい。
【0014】
シール材SEは、第1基板SUB1と第2基板SUB2を接着している。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、図示しないスペーサによって所定のセルギャップが形成される。液晶層LCは、このセルギャップ内に充填されている。
【0015】
カバー部材CMは、表示パネルPNLの上に設けられている。例えば、カバー部材CMとしてはガラス基板や樹脂基板を用いることができる。カバー部材CMは、光学センサOSによる検出の対象物が接触する上面USFを有している。なお、本実施形態においては、カバー部材CMの上面USFが、光学センサOSの上面と平行である場合を想定する。
図1の例においては、対象物の一例である指Fgが上面USFに接触している。第1偏光板PLZ1は、表示パネルPNLとカバー部材CMの間に設けられている。
【0016】
照明装置ILは、表示パネルPNLの下に設けられ、第1基板SUB1に光Lを照射する。照明装置ILは、例えばサイドエッジ型のバックライトであり、プレート状の導光体と、この導光体の側面に光を放つ複数の光源とを備えている。第2偏光板PLZ2は、表示パネルPNLと照明装置ILの間に設けられている。
【0017】
光Lのうち指Fgで反射された反射光は、コリメート層CLに形成された開口OPを通って光学センサOSに入射する。すなわち、指Fgで反射された反射光は、光学センサOSに入射するまでに、カバー部材CM、第1偏光板PLZ1、第2基板SUB2、液晶層LC、さらには第1基板SUB1のうち光学センサOSより上層に位置する部分を透過する。
【0018】
後述するように、表示パネルPNLは複数の光学センサOSを備えており、これら光学センサOSが出力する検出信号に基づけば、指Fgの凹凸、つまり指紋を検出することができる。
【0019】
光学センサOSは、より正確な検出信号を得るために、上面USFの法線方向と平行な入射光を受光することが望ましい。コリメート層CLは、光学センサOSに入射する光を平行化するコリメータとして機能する。つまり、コリメート層CLによって上面USFの法線方向に対して傾斜した光(換言すると、光学センサOSの上面の法線方向に対して傾斜した光)が遮断される。
【0020】
以上のように、表示装置DSPに光学センサOSを搭載することで、表示装置DSPに指紋センサとしての機能を付加することができる。また、光学センサOSは、指紋の検出に加えてあるいは指紋の検出に代えて、生体に関する情報を検出する用途で用いることもできる。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等であり、指Fgの内部で反射された光に基づき検出される。
【0021】
図2は、本実施形態に係る表示装置DSPを概略的に示す平面図である。表示装置DSPは、上記した表示パネルPNLと、第1フレキシブルプリント回路基板1と、第2フレキシブルプリント回路基板2と、を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域PAとを有している。
【0022】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2と重ならない実装領域MAを有している。実装領域MAには、第1フレキシブルプリント回路基板1を実装するための端子部3が設けられる。シール材SEは、周辺領域PAに位置している。
図2においては、シール材SEが配置された領域が斜線で示されている。表示領域DAは、シール材SEの内側に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0023】
画素PXは、赤色(R)の光を放つ副画素SP1と、緑色(G)の光を放つ副画素SP2と、青色(B)の光を放つ副画素SP3とを含む。なお、画素PXは、赤色、緑色および青色以外の光を放つ副画素を含んでもよい。
【0024】
図2の例においては、各画素PXに対して1つずつ光学センサOSが配置されている。より詳しくは、各画素PXに含まれる青色の光を放つ副画素SP3に対して1つずつ光学センサOSが配置されている。表示領域DA全体では、複数の光学センサOSは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に並んでいる。
【0025】
光学センサOSは必ずしも全ての画素PXに対して配置される必要はない。例えば、光学センサOSは、複数の画素PXに対して1つの割合で配置されてもよい。また、光学センサOSは、表示領域DAにおける一部の領域の画素PXに対して配置され、その他の領域の画素PXに対して配置されなくてもよい。
【0026】
周辺領域PAであって、表示領域DAの左右に位置する領域(以下、左右額縁領域と称する)には、走査線/第1走査線駆動回路GD1と、走査線/第2走査線駆動回路GD2とが設けられる。走査線/第1走査線駆動回路GD1と、走査線/第2走査線駆動回路GD2とは、周辺回路と称されてもよい。本実施形態に係る表示装置DSPには、いわゆる両側給電方式が採用されており、1つの画素PXに対して、走査線/第1走査線駆動回路GD1と、走査線/第2走査線駆動回路GD2との両方から給電することができる。走査線/第1走査線駆動回路GD1と、走査線/第2走査線駆動回路GD2とは、ここでは図示しない配線を介して、ドライバIC4と接続されている。なお、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2の詳細については後述するため、ここではその説明を省略する。
【0027】
第1フレキシブルプリント回路基板1は、実装領域MAに設けられた端子部3に接続されている。第1フレキシブルプリント回路基板1には、ドライバIC4が設けられている。ドライバIC4は、画像を表示するための表示モードに対応した機能と、物体の接近または接触を検出するためのタッチセンシングモードに対応した機能と、光学センサOSによる検出動作に対応した機能と、を含む。ドライバIC4は、例えばACFを用いたCOF(Chip On Film)によって第1フレキシブルプリント回路基板1に実装されている。
【0028】
第2フレキシブルプリント回路基板2には、コントローラCTが設けられている。光学センサOSが出力する検出信号は、ドライバIC4を介してコントローラCTに出力される。コントローラCTは、複数の光学センサOSからの検出信号に基づき、指紋を検出するための演算処理等を実行する。なお、指紋を検出するための演算処理等は、ドライバIC4により実行されてもよい。
【0029】
図3は、タッチセンサTSの一構成例を示す平面図である。ここでは、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rxと、複数のタッチ検出線TLと、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示領域DAに位置し、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つのセンサ電極Rxは、
図2に示した複数の画素PXと平面視において重なり、1つのセンサブロックBを構成している。センサブロックBとは、タッチセンシングが可能な最小単位である。複数のタッチ検出線TLは、表示領域DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。タッチ検出線TLの各々は、画素PXに映像信号を伝送するための信号線と重なる位置に配置されている。タッチ検出線TLの各々は、対応するセンサ電極Rxと電気的に接続されている。また、タッチ検出線TLの各々は、周辺領域PAに引き出され、第1フレキシブルプリント回路基板1を介してドライバIC4と電気的に接続されている。
【0030】
タッチセンシングモードにおいては、センサ電極Rxにはタッチ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、タッチ検出線TLを介してドライバIC4に出力される。ドライバIC4あるいはコントローラCTは、センサ信号に基づいて、物体の接近または接触の有無、および、接近または接触している物体の位置座標を検出する。
【0031】
表示モードにおいては、センサ電極Rxにはコモン電圧(Vcom)が印加され、センサ電極Rxは共通電極として機能する。
【0032】
図4は、本実施形態に係る光学センサOSと、光学センサOSに接続されるセンサ回路とを示す等価回路図である。
図4に示すように、センサ回路には、第1センサ用走査線SGL1と、第2センサ用走査線SGL2と、第1センサ用給電線SPL1と、第2センサ用給電線SPL2と、第3センサ用給電線SPL3と、センサ用信号線SSLと、スイッチング素子SW2Aと、スイッチング素子SW2Bと、スイッチング素子SW2Cと、キャパシタC1と、キャパシタC2と、が設けられる。
【0033】
なお、以下では、第1センサ用走査線SGL1を第1走査線SGL1と称し、第2センサ用走査線SGL2を第2走査線SGL2と称し、第1センサ用給電線SPL1を第1給電線SPL1と称し、第2センサ用給電線SPL2を第2給電線SPL2と称し、第3センサ用給電線SPL3を第3給電線SPL3と称して説明する。
【0034】
また、
図4では、スイッチング素子SW2A,SW2B,SW2Cがそれぞれ、n型TFT(Thin Film Transistor)で構成された場合を示しているが、スイッチング素子SW2A,SW2B,SW2Cは、p型TFTで構成されてもよい。
【0035】
光学センサOSについて、一方の電極は第2給電線SPL2に接続され、他方の電極はノードN1に接続される。ノードN1は、スイッチング素子SW2Aのドレイン電極およびスイッチング素子SW2Bのゲート電極に接続されている。光学センサOSの一方の電極には、第2給電線SPL2を通じて第2電圧Vcom_FPSが供給される。第2電圧Vcom_FPSはセンサ用基準電圧と称されてもよい。光学センサOSに光が入射した場合、入射した光量に応じた信号(電荷)が光学センサOSより出力され、電荷が変動する。なお、キャパシタC2において保持される容量は、キャパシタC1において保持される容量に付加される寄生容量である。
【0036】
スイッチング素子SW2Aについて、ゲート電極は第1走査線SGL1に接続され、ソース電極は第1給電線SPL1に接続され、ドレイン電極はノードN1に接続されている。スイッチング素子SW2Aが第1走査線SGL1から供給される走査信号に応じてオンになると、ノードN1の電位(つまり、光学センサOSの他方の電極の電位)は第1給電線SPL1を通じて供給される第1電圧VPP1により第1電位VPP1にリセットされる。第1電圧VPP1はリセット電圧と称されてもよい。また、スイッチング素子SW2Aはリセットトランジスタと称されてもよい。第2電圧Vcom_FPSは第1電圧VPP1よりも低い値を示し、光学センサOSは逆バイアス駆動される。
【0037】
スイッチング素子SW2Bについて、ゲート電極はノードN1に接続され、ソース電極は第3電圧VPP2を供給する第3給電線SPL3に接続され、ドレイン電極はスイッチング素子SW2Cのソース電極に接続されている。スイッチング素子SW2Bのゲート電極には、光学センサOSから出力された信号が供給される。スイッチング素子SW2Bは、光学センサOSから出力された信号に応じた電圧信号(光学センサOSから出力された信号を増幅して得られる電圧信号)をスイッチング素子SW2Cに出力する。スイッチング素子SW2Bはソースフォロワトランジスタと称されてもよい。
【0038】
スイッチング素子SW2Cについて、ゲート電極は第2走査線SGL2に接続され、ソース電極はスイッチング素子SW2Bのドレイン電極に接続され、ドレイン電極はセンサ用信号線SSLに接続されている。スイッチング素子SW2Cが第2走査線SGL2から供給される走査信号に応じてオンになると、スイッチング素子SW2Bから出力される電圧信号が、検出信号Vdetとしてセンサ用信号線SSLに出力される。スイッチング素子SW2Cはリードトランジスタと称されてもよい。
【0039】
なお、
図4では、スイッチング素子SW2A,SW2Cがダブルゲート構造である場合を示したが、スイッチング素子SW2A,SW2Cはシングルゲート構造やマルチゲート構造であってもよい。
【0040】
図5は、本実施形態に係る光学センサOSと当該光学センサOSに接続されるセンサ回路との動作例を説明するための図である。光学センサOSは、
図5に示す指紋撮像期間FPにおいて指紋の撮像(検出動作)を行う。
図5に示すように、指紋撮像期間FPは、リセット期間FP1と、露光期間FP2と、リード期間FP3とを含む。なお、ここでは図示を省略しているが、光学センサOSの一方の電極には、リセット期間FP1、露光期間FP2、リード期間FP3に亘って、第2電圧Vcom_FPSが供給される。
【0041】
リセット期間FP1は、ノードN1の電位をリセットする期間である。時刻t0においてリセット期間FP1が開始され、スイッチング素子SW2Aが第1走査線SGL1から供給される走査信号に応じてオンになると、ノードN1の電位は、第1給電線SPL1を通じて供給される第1電圧VPP1によりVPP1にリセットされる。時刻t1において、スイッチング素子SW2Cが第2走査線SGL2から供給される走査信号に応じてオンになると、検出信号Vdet1がセンサ用信号線SSLに出力される。検出信号Vdet1の電位は、VPP1-Vth-Vsw2cとなる。なお、Vthは、ソースフォロワトランジスタであるスイッチング素子SW2Bのしきい値電圧であり、Vsw2cは、スイッチング素子SW2Cのオン抵抗に起因して発生する電圧降下である。
【0042】
時刻t2においてリセット期間FP1が終了し露光期間FP2が開始されると、スイッチング素子SW2Aはオフになる。露光期間FP2が開始されると、ノードN1の電位は、光学センサOSに入射した光量(指で反射された光)に応じて徐々に低下し、VPP1-ΔVosとなる。なお、ΔVosは、光学センサOSに光が入射することで発生する電圧降下である。露光期間FP2中の時刻t3において、スイッチング素子SW2Cはオフとなる。
【0043】
時刻t4において露光期間FP2が終了しリード期間FP3が開始されると、スイッチング素子SW2Cが第2走査線SGL2から供給される走査信号に応じてオンになり、検出信号Vdet2がセンサ用信号線SSLに出力される。検出信号Vdet2の電位は、VPP1-Vth-Vsw2c-ΔVosとなる。つまり、検出信号Vdet2の電位は、上記した検出信号Vdet1の電位よりΔVosだけ低下している。時刻t5においてリード期間FP3は終了する。
【0044】
コントローラCT(またはドライバIC4)は、検出信号Vdet1の電位と、検出信号Vdet2の電位とを比較し、その差分(つまり、ΔVos)に基づいて、光学センサOSに入射した光を検出することができる。なお、
図5では、1つの光学センサOSと1つのセンサ回路との動作例を示したが、全ての光学センサOSと全てのセンサ回路とは同様に動作することが可能である。コントローラCT(またはドライバIC4)は、全ての光学センサOSから得られる上記した差分の面内分布を解析することで、指の凹凸(指紋)や血管像(静脈パターン)等を検出することができる。
【0045】
図6は、本実施形態に係る走査線/第1走査線駆動回路GD1の構成例を示す図である。
走査線/第1走査線駆動回路GD1は、ドライバIC4と接続している。走査線/第1走査線駆動回路GD1は、ドライバIC4から供給される各種制御信号に基づいて動作し、例えば、マトリクス状に配列された各画素PXの画素TFTに走査信号G_dispを供給し、かつ、各画素PXに配置された光学センサOSに接続されるセンサ回路に走査信号G_resetを供給する。走査信号G_dispは、各画素PXに映像信号を書き込むために供給される信号であり、表示用走査信号と称されてもよい。また、走査信号G_resetは、光学センサOSに接続されるノードN1の電位をリセットするために供給される信号であり、センサ用第1走査信号と称されてもよい。走査線/第1走査線駆動回路GD1は、走査線GLを介して、各画素PXを駆動するための画素TFTに接続され、かつ、第1走査線SGL1を介して、各画素PXに配置された光学センサOSを駆動するためのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Aに接続される。走査線GLは、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。第1走査線SGL1は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。走査線GLおよび第1走査線SGL1は、互いに第2方向Yに隣接して並んでいる。
【0046】
走査線/第1走査線駆動回路GD1は、複数のシフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAと、複数のシフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAのそれぞれに対応する複数のゲートスイッチ群GSWG1A,GSWG2A,…,GSWGmAと、を備えている。1つのシフトレジスタSRと、当該シフトレジスタSRに対応するゲートスイッチ群GSWGとは、3本の配線L1A,L2A,L3Aを介して接続されている。配線L1A,L2A,L3Aは、シフトレジスタSRから出力される制御信号SR_out1A,SR_out2A,SR_out3Aをゲートスイッチ群GSWGに供給するための配線である。制御信号SR_out1A,SR_out2A,SR_out3Aによれば、ゲートスイッチ群GSWGに含まれる複数のゲートスイッチのオン・オフが制御される。
【0047】
複数のシフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAは、第2方向Yに沿って並んでいる。複数のシフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAのうち、最初に駆動されるシフトレジスタSR1Aには、スタートパルス信号STVを供給するための配線L11が接続されている。スタートパルス信号STVは、配線L11’を介して他のシフトレジスタSR2A~SRmAに順次転送される。
【0048】
シフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAはそれぞれ、リセット信号RSTを供給するための配線L12と、クロック信号CKVを供給するための配線L13と、高電位電圧VGHを供給するための配線L14と、低電位電圧VGLを供給するための配線L15とに接続される。シフトレジスタSR1A,SR2A,…,SRmAは、クロック信号CKVに基づき、他のシフトレジスタSRと同期して動作する。
【0049】
ゲートスイッチ群GSWG1A,GSWG2A,…,GSWGmAはそれぞれ、イネーブル信号EN1dを供給するための配線L21と、イネーブル信号EN2dを供給するための配線L22と、イネーブル信号EN1f_resetを供給するための配線L23と、イネーブル信号EN2f_resetを供給するための配線L24と、低電位電圧VGLを供給するための配線L25とに接続される。イネーブル信号EN1d,EN2dは、走査信号G_dispを走査線GLに出力するためにドライバIC4より供給される信号であり、低電位電圧VGLより高電位の信号である。イネーブル信号EN1f_reset,EN2f_resetは、走査信号G_resetを第1走査線SGL1に出力するためにドライバIC4より供給される信号であり、低電位電圧VGLより高電位の信号である。なお、本明細書におけるイネーブル信号は、単に制御信号と称されてもよい。
【0050】
ゲートスイッチ群GSWG1Aは、1行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp1を供給し、1行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset1を供給し、2行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp2を供給し、2行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset2を供給する。
【0051】
また、ゲートスイッチ群GSWG2Aは、3行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp3を供給し、3行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset3を供給し、4行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp4を供給し、4行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset4を供給する。
【0052】
さらに、ゲートスイッチ群GSWGmAは、n-1行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp_n-1を供給し、n-1行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset_n-1を供給し、n行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp_nを供給し、n行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第1走査信号G_reset_nを供給する。
【0053】
図7は、本実施形態に係る走査線/第2走査線駆動回路GD2の構成例を示す図である。
走査線/第2走査線駆動回路GD2は、ドライバIC4と接続している。走査線/第2走査線駆動回路GD2は、ドライバIC4から供給される各種制御信号に基づいて動作し、例えば、マトリクス状に配列された各画素PXの画素TFTに走査信号G_dispを供給し、かつ、各画素PXに配置された光学センサOSに接続されるセンサ回路に走査信号G_readを供給する。走査信号G_readは、光学センサOSから検出信号Vdetを読み出すために供給される信号であり、センサ用第2走査信号と称されてもよい。走査線/第2走査線駆動回路GD2は、走査線GLを介して、各画素PXを駆動するための画素TFTに接続され、かつ、第2走査線SGL2を介して、各画素PXに配置された光学センサOSを駆動するためのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Cに接続される。第2走査線SGL2は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って並んでいる。走査線GLおよび第2走査線SGL2は、互いに第2方向Yに隣接して並んでいる。
【0054】
走査線/第2走査線駆動回路GD2は、走査線/第1走査線駆動回路GD1と同様に、複数のシフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBと、複数のシフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBのそれぞれに対応する複数のゲートスイッチ群GSWG1B,GSWG2B,…,GSWGmBと、を備えている。1つのシフトレジスタSRと、当該シフトレジスタSRに対応するゲートスイッチ群GSWGとは、3本の配線L1B,L2B,L3Bを介して接続されている。配線L1B,L2B,L3Bは、シフトレジスタSRから出力される制御信号SR_out1B,SR_out2B,SR_out3Bをゲートスイッチ群GSWGに供給するための配線である。制御信号SR_out1B,SR_out2B,SR_out3Bによれば、ゲートスイッチ群GSWGに含まれる複数のゲートスイッチのオン・オフが制御される。
【0055】
複数のシフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBは、第2方向Yに沿って並んでいる。複数のシフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBのうち、最初に駆動されるシフトレジスタSR1Bには、スタートパルス信号STVを供給するための配線L31が接続されている。スタートパルス信号STVは、配線L31’を介して他のシフトレジスタSR2B~SRmBに順次転送される。
【0056】
シフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBはそれぞれ、リセット信号RSTを供給するための配線L32と、クロック信号CKVを供給するための配線L33と、高電位電圧VGHを供給するための配線L34と、低電位電圧VGLを供給するための配線L35とに接続される。シフトレジスタSR1B,SR2B,…,SRmBは、クロック信号CKVに基づき、他のシフトレジスタSRと同期して動作する。
【0057】
ゲートスイッチ群GSWG1B,GSWG2B,…,GSWGmBはそれぞれ、イネーブル信号EN1dを供給するための配線L41と、イネーブル信号EN2dを供給するための配線L42と、イネーブル信号EN1f_readを供給するための配線L43と、イネーブル信号EN2f_readを供給するための配線L44と、低電位電圧VGLを供給するための配線L45とに接続される。イネーブル信号EN1f_read,EN2f_readは、走査信号G_readを第2走査線SGL2に出力するためにドライバIC4より供給される信号であり、低電位電圧VGLより高電位の信号である。
【0058】
ゲートスイッチ群GSWG1Bは、1行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp1を供給し、1行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read1を供給し、2行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp2を供給し、2行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read2を供給する。
【0059】
また、ゲートスイッチ群GSWG2Bは、3行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp3を供給し、3行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read3を供給し、4行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp4を供給し、4行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read4を供給する。
【0060】
さらに、ゲートスイッチ群GSWGmBは、n-1行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp_n-1を供給し、n-1行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read_n-1を供給し、n行目に位置する画素PXに表示用走査信号G_disp_nを供給し、n行目に位置する画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路にセンサ用第2走査信号G_read_nを供給する。
【0061】
図8は、
図6に示す走査線/第1走査線駆動回路GD1に含まれるゲートスイッチ群GSWG2Aの構成例を示す図である。なお、ここでは、走査線/第1走査線駆動回路GD1に含まれるゲートスイッチ群GSWGの1つとして、ゲートスイッチ群GSWG2Aについて説明するが、他のゲートスイッチ群GSWG1A,GSWGmAも、ゲートスイッチ群GSWG2Aと同様な構成を有している。
【0062】
ゲートスイッチ群GSWG2Aは、4つのゲートスイッチGSW1A~GSW4Aを備えている。
ゲートスイッチGSW1Aは、イネーブル信号EN1dを供給するための配線L21と、低電位電圧VGLを供給するための配線L25と、表示用走査信号G_disp(この場合、表示用走査信号G_disp3)を供給するための走査線GLとに接続される。
【0063】
ゲートスイッチGSW2Aは、イネーブル信号EN1f_resetを供給するための配線L23と、低電位電圧VGLを供給するための配線L25と、センサ用第1走査信号G_reset(この場合、センサ用第1走査信号G_reset3)を供給するための第1走査線SGL1とに接続される。
【0064】
ゲートスイッチGSW3Aは、イネーブル信号EN2dを供給するための配線L22と、低電位電圧VGLを供給するための配線L25と、表示用走査信号G_disp(この場合、表示用走査信号G_disp4)を供給するための走査線GLとに接続される。
【0065】
ゲートスイッチGSW4Aは、イネーブル信号EN2f_resetを供給するための配線L24と、低電位電圧VGLを供給するための配線L25と、センサ用第1走査信号G_reset(この場合、センサ用第1走査信号G_reset4)を供給するための第1走査線SGL1とに接続される。
【0066】
なお、
図8では図示を省略しているが、ゲートスイッチGSW1A~GSW4Aはそれぞれ、
図6に示した配線L1A~L3Aとも接続し、ゲートスイッチGSW1A~GSW4Aのオン・オフは、これら配線L1A~L3Aを介して供給される制御信号SR_out1A~SR_out3Aに基づき切替制御される。
【0067】
図9は、
図7に示す走査線/第2走査線駆動回路GD2に含まれるゲートスイッチ群GSWG2Bの構成例を示す図である。なお、ここでは、走査線/第2走査線駆動回路GD2に含まれるゲートスイッチ群GSWGの1つとして、ゲートスイッチ群GSWG2Bについて説明するが、他のゲートスイッチ群GSWG1B,GSWGmBも、ゲートスイッチ群GSWG2Bと同様な構成を有している。
【0068】
ゲートスイッチ群GSWG2Bは、4つのゲートスイッチGSW1B~GSW4Bを備えている。
ゲートスイッチGSW1Bは、イネーブル信号EN1dを供給するための配線L41と、低電位電圧VGLを供給するための配線L45と、表示用走査信号G_disp(この場合、表示用走査信号G_disp3)を供給するための走査線GLとに接続される。
【0069】
ゲートスイッチGSW2Bは、イネーブル信号EN1f_readを供給するための配線L43と、低電位電圧VGLを供給するための配線L45と、センサ用第2走査信号G_read(この場合、センサ用第2走査信号G_read3)を供給するための第2走査線SGL2とに接続される。
【0070】
ゲートスイッチGSW3Bは、イネーブル信号EN2dを供給するための配線L42と、低電位電圧VGLを供給するための配線L45と、表示用走査信号G_disp(この場合、表示用走査信号G_disp4)を供給するための走査線GLとに接続される。
【0071】
ゲートスイッチGSW4Bは、イネーブル信号EN2f_readを供給するための配線L44と、低電位電圧VGLを供給するための配線L45と、センサ用第2走査信号G_read(この場合、センサ用第2走査信号G_read4)を供給するための第2走査線SGL2とに接続される。
【0072】
なお、
図9では図示を省略しているが、ゲートスイッチGSW1B~GSW4Bはそれぞれ、
図7に示した配線L1B~L3Bとも接続し、ゲートスイッチGSW1B~GSW4Bのオン・オフは、これら配線L1B~L3Bを介して供給される制御信号SR_out1B~SR_out3Bに基づき切替制御される。
【0073】
図10は、ゲートスイッチGSWの構成例を示す図である。走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2にそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW1A~GSW4A,GSW1B~GSW4Bは、いずれも
図10に示す構成を有している。
【0074】
ゲートスイッチGSWは、3つのスイッチング素子SW11~SW13を備えている。なお、ここでは、3つのスイッチング素子SW11~SW13がダブルゲート構造である場合を示したが、スイッチング素子SW11~SW13はシングルゲート構造やマルチゲート構造であってもよい。
【0075】
スイッチング素子SW11は、n型TFTであり、ゲート電極は制御信号SR_out1を供給するための配線(配線L1A,L1B)に接続され、ソース電極は各種イネーブル信号ENを供給するための配線(具体的には、配線L21~L24,L41~L44のいずれか)に接続され、ドレイン電極は各種走査信号Gを供給するための配線(具体的には、走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2のいずれか)に接続されている。スイッチング素子SW11は、ゲート電極にハイレベルの制御信号SR_out1が供給されるとオンになり、ゲート電極にローレベルの制御信号SR_out1が供給されるとオフになる。
【0076】
スイッチング素子SW12は、p型TFTであり、ゲート電極は制御信号SR_out2を供給するための配線(配線L2A,L2B)に接続され、ドレイン電極は各種イネーブル信号ENを供給するための配線(具体的には、配線L21~L24,L41~L44のいずれか)に接続され、ソース電極は各種走査信号Gを供給するための配線(具体的には、走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2のいずれか)に接続されている。スイッチング素子SW12は、ゲート電極にローレベルの制御信号SR_out2が供給されるとオンになり、ゲート電極にハイレベルの制御信号SR_out2が供給されるとオフになる。
【0077】
スイッチング素子SW13は、n型TFTであり、ゲート電極は制御信号SR_out3を供給するための配線(配線L3A,L3B)に接続され、ソース電極は低電位電圧VGLを供給するための配線(配線L25,L45)に接続され、ドレイン電極は各種走査信号Gを供給するための配線(具体的には、走査線GL、第1走査線SGL1、第2走査線SGL2のいずれか)に接続されている。スイッチング素子SW13は、ゲート電極にハイレベルの制御信号SR_out3が供給されるとオンになり、ゲート電極にローレベルの制御信号SR_out3が供給されるとオフになる。
【0078】
スイッチング素子SW11,SW12がオンの時、スイッチング素子SW13はオフとなり、各種走査線には、各種イネーブル信号ENに基づく各種走査信号Gが出力される。一方、スイッチング素子SW11,SW12がオフの時、スイッチング素子SW13はオンとなり、各種走査線には低電位電圧VGLが供給される。なお、本明細書において、ゲートスイッチGSWがオンとは、スイッチング素子SW11,SW12がオンの状態を指し、ゲートスイッチGSWがオフとは、スイッチング素子SW11,SW12がオフの状態を指すものとする。
【0079】
図11は、走査線/第1走査線駆動回路GD1と走査線/第2走査線駆動回路GD2との動作例を示すタイミングチャートである。
走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、1フレーム毎に入力されるスタートパルス信号STVにしたがって動作し、後述する各種制御を行う。
【0080】
画像を表示する表示期間DPにおいては、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、表示領域DAに画像を表示するための表示制御を行う。詳細については後述するが、表示期間DPにおいては、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、クロック信号CKV、イネーブル信号EN1d、イネーブル信号EN2dにしたがって表示用走査信号G_dispを走査線GLに出力する。
【0081】
指紋を撮像する指紋撮像期間FPにおいては、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、指紋を撮像する(指の凹凸を検出する)ための制御を行う。指紋撮像期間FPは、上記したように、リセット期間FP1と、露光期間FP2と、リード期間FP3とを含んでいる。
【0082】
詳細については後述するが、リセット期間FP1においては、走査線/第1走査線駆動回路GD1は、クロック信号CKV、イネーブル信号EN1f_reset、イネーブル信号EN2f_resetにしたがってセンサ用第1走査信号G_resetを第1走査線SGL1に出力する。また、走査線/第2走査線駆動回路GD2は、クロック信号CKV、イネーブル信号EN1f_read、イネーブル信号EN2f_readにしたがってセンサ用第2走査信号G_readを第2走査線SGL2に出力する。
【0083】
露光期間FP2においては、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、表示期間DPと同様に動作する。つまり、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、クロック信号CKV、イネーブル信号EN1d、イネーブル信号EN2dにしたがって表示用走査信号G_dispを走査線GLに出力する。
【0084】
詳細については後述するが、リード期間FP3においては、走査線/第2走査線駆動回路GD2は、クロック信号CKV、イネーブル信号EN1f_read、イネーブル信号EN2f_readにしたがってセンサ用第2走査信号G_readを第2走査線SGL2に出力する。
【0085】
なお、ここでは詳細な説明は省略しているが、リセット期間FP1の直前に、物体が接近または近接している位置(該当部分)を特定する動作が、タッチセンサTSにより行われる。リセット期間FP1およびリード期間FP3において、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、タッチセンサTSにより特定された該当部分については上記したように動作する。一方、上記した該当部分以外の非該当部分については、リセット期間FP1およびリード期間FP3において、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2は、当該非該当部分に対応するシフトレジスタを高速スキャンする動作を行う。このような高速スキャン動作によれば、検出信号Vdet1,Vdet2を読み出す時間を確保することが可能となる。
【0086】
図12は、表示期間DPにおける走査線/第1走査線駆動回路GD1と走査線/第2走査線駆動回路GD2との動作例を示すタイミングチャートである。
表示期間DPが開始され、走査線/第1走査線駆動回路GD1内のシフトレジスタSR1Aと、走査線/第2走査線駆動回路GD2内のシフトレジスタSR1Bとにスタートパルス信号STVが供給されると、シフトレジスタSR1Aは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Aに含まれるゲートスイッチGSW1Aにハイレベルの制御信号SR_out1Aと、ローレベルの制御信号SR_out2Aと、ローレベルの制御信号SR_out3Aとを出力し、その他のゲートスイッチGSW2A~GSW4Aにローレベルの制御信号SR_out1Aと、ハイレベルの制御信号SR_out2Aと、ハイレベルの制御信号SR_out3Aとを出力する。また、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW1Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルの制御信号SR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW2B~GSW4Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bとを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW1A,GSW1Bにそれぞれ含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0087】
ゲートスイッチGSW1A,GSW1Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がハイからローに変化するまでの間に、イネーブル信号EN1dがゲートスイッチGSW1A,GSW1Bに供給される。イネーブル信号EN1dがゲートスイッチGSW1A,GSW1Bに供給されると、表示用走査信号G_disp1が当該ゲートスイッチGSW1A,GSW1Bから、対応する走査線GL(この場合、1行目に位置する画素PXと接続する走査線GL)に出力される。
【0088】
イネーブル信号EN1dがゲートスイッチGSW1A,GSW1Bに供給された後、シフトレジスタSR1Aは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Aに含まれるゲートスイッチGSW3Aにハイレベルの制御信号SR_out1Aと、ローレベルの制御信号SR_out2Aと、ローレベルの制御信号SR_out3Aとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1A,GSW2A,GSW4Aにローレベルの制御信号SR_out1Aと、ハイレベルの制御信号SR_out2Aと、ハイレベルの制御信号SR_out3Aとを出力する。また、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW3Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルの制御信号SR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1B,GSW2B,GSW4Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bとを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW3A,GSW3Bにそれぞれ含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0089】
ゲートスイッチGSW3A,GSW3Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がハイからローに変化するまでの間に、イネーブル信号EN2dがゲートスイッチGSW3A,GSW3Bに供給される。イネーブル信号EN2dがゲートスイッチGSW3A,GSW3Bに供給されると、表示用走査信号G_disp2が当該ゲートスイッチGSW3A,GSW3Bから、対応する走査線GL(この場合、2行目に位置する画素PXと接続する走査線GL)に出力される。
【0090】
クロック信号CKVの電位がハイからローに変化すると、走査線/第1走査線駆動回路GD1においては、シフトレジスタSR1Aから次のシフトレジスタSR2Aにスタートパルス信号STVが転送される。同様に、走査線/第2走査線駆動回路GD2においては、シフトレジスタSR1Bから次のシフトレジスタSR2Bにスタートパルス信号STVが転送される。シフトレジスタSR1A,SR1Bからそれぞれ転送されるスタートパルス信号STVの供給を受けたシフトレジスタSR2A,SR2Bと、これらシフトレジスタSR2A,SR2Bに対応するゲートスイッチ群GSWG2A,GSWG2Bとは、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化するまでの間に、シフトレジスタSR1A,SR1Bと、これらシフトレジスタSR1A,SR1Bに対応するゲートスイッチ群GSWG1A,GSWG1Bと同様に動作する。以降、最後のシフトレジスタSRmA,SRmBと、当該シフトレジスタSRmA,SRmBに対応するゲートスイッチ群GSWGmA,GSWGmBとまで同様な動作が繰り返し実行される。
【0091】
なお、表示期間DPにおいては、走査線/第1走査線駆動回路GD1内の各ゲートスイッチ群GSWGにそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW2A,GSW4Aには、イネーブル信号EN1f_reset,EN2f_resetは供給されない(つまり、走査線/第1走査線駆動回路GD1から第1走査線SGL1にセンサ用第1走査信号G_resetは出力されない)。また、表示期間DPにおいては、走査線/第2走査線駆動回路GD2内の各ゲートスイッチ群GSWGにそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW2B,GSW4Bには、イネーブル信号EN1f_read,EN2f_readは供給されない(つまり、走査線/第2走査線駆動回路GD2から第2走査線SGL2にセンサ用第2走査信号G_readは出力されない)。
【0092】
図13は、指紋撮像期間FPに含まれるリセット期間FP1における走査線/第1走査線駆動回路GD1と走査線/第2走査線駆動回路GD2との動作例を示すタイミングチャートである。
指紋撮像期間FPに含まれるリセット期間FP1が開始され、走査線/第1走査線駆動回路GD1内のシフトレジスタSR1Aと、走査線/第2走査線駆動回路GD2内のシフトレジスタSR1Bとにスタートパルス信号STVが供給されると、シフトレジスタSR1Aは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Aに含まれるゲートスイッチGSW2Aにハイレベルの制御信号SR_out1Aと、ローレベルの制御信号SR_out2Aと、ローレベルの制御信号SR_out3Aとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1A,GSW3A,GSW4Aにローレベルの制御信号SR_out1Aと、ハイレベルの制御信号SR_out2Aと、ハイレベルの制御信号SR_out3Aとを出力する。また、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW2Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルのSR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1B,GSW3B,GSW4Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW2A,GSW2Bにそれぞれ含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0093】
ゲートスイッチ群GSWG1Aにおいては、ゲートスイッチGSW2Aが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化した後に、イネーブル信号EN1f_resetがゲートスイッチGSW2Aに供給される。イネーブル信号EN1f_resetがゲートスイッチGSW2Aに供給されると、センサ用第1走査信号G_reset1が当該ゲートスイッチGSW2Aから、対応する第1走査線SGL1(この場合、1行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Aと接続する第1走査線SGL1)に出力される。
【0094】
一方、ゲートスイッチ群GSWG1Bにおいては、ゲートスイッチGSW2Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化した後に、イネーブル信号EN1f_readがゲートスイッチGSW2Bに供給される。なお、イネーブル信号EN1f_readは、上記したイネーブル信号EN1f_resetがゲートスイッチ群GSWG1AのゲートスイッチGSW2Aに供給されるタイミングより少し遅れて供給される。イネーブル信号EN1f_readがゲートスイッチGSW2Bに供給されると、センサ用第2走査信号G_read1が当該ゲートスイッチGSW2Bから、対応する第2走査線SGL2(この場合、1行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Cと接続する第2走査線SGL2)に出力される。
【0095】
イネーブル信号EN1f_reset,EN1f_readがゲートスイッチGSW2A,GSW2Bに供給された後、シフトレジスタSR1Aは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Aに含まれるゲートスイッチGSW4Aにハイレベルの制御信号SR_out1Aと、ローレベルの制御信号SR_out2Aと、ローレベルの制御信号SR_out3Aとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1A~GSW3Aにローレベルの制御信号SR_out1Aと、ハイレベルの制御信号SR_out2Aと、ハイレベルの制御信号SR_out3Aとを出力する。また、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW4Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルの制御信号SR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1B~GSW3Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bとを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW4A,GSW4Bにそれぞれ含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0096】
ゲートスイッチ群GSWG1Aにおいては、ゲートスイッチGSW4Aが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化した後に、イネーブル信号EN2f_resetがゲートスイッチGSW4Aに供給される。イネーブル信号EN2f_resetがゲートスイッチGSW4Aに供給されると、センサ用第1走査信号G_reset2が当該ゲートスイッチGSW4Aから、対応する第1走査線SGL1(この場合、2行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Aと接続する第1走査線SGL1)に出力される。
【0097】
一方、ゲートスイッチ群GSWG1Bにおいては、ゲートスイッチGSW4Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化した後に、イネーブル信号EN2f_readがゲートスイッチGSW4Bに供給される。なお、イネーブル信号EN2f_readは、上記したイネーブル信号EN2f_resetがゲートスイッチ群GSWG1AのゲートスイッチGSW4Aに供給されるタイミングより少し遅れて供給される。イネーブル信号EN2f_readがゲートスイッチGSW4Bに供給されると、センサ用第2走査信号G_read2が当該ゲートスイッチGSW4Bから、対応する第2走査線SGL2(この場合、2行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Cと接続する第2走査線SGL2)に出力される。
【0098】
クロック信号CKVの電位がハイからローに変化すると、走査線/第1走査線駆動回路GD1においては、シフトレジスタSR1Aから次のシフトレジスタSR2Aにスタートパルス信号STVが転送される。同様に、走査線/第2走査線駆動回路GD2においては、シフトレジスタSR1Bから次のシフトレジスタSR2Bにスタートパルス信号STVが転送される。シフトレジスタSR1A,SR1Bからそれぞれ転送されるスタートパルス信号STVの供給を受けたシフトレジスタSR2A,SR2Bと、これらシフトレジスタSR2A,SR2Bに対応するゲートスイッチ群GSWG2A,GSWG2Bとは、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化するまでの間に、シフトレジスタSR1A,SR1Bと、これらシフトレジスタSR1A,SR1Bに対応するゲートスイッチ群GSWG1A,GSWG1Bと同様に動作する。以降、最後のシフトレジスタSRmA,SRmBと、当該シフトレジスタSRmA,SRmBに対応するゲートスイッチ群GSWGmA,GSWGmBとまで同様な動作が繰り返し実行される。
【0099】
なお、リセット期間FP1においては、走査線/第1走査線駆動回路GD1内の各ゲートスイッチ群GSWGにそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW1A,GSW3Aには、イネーブル信号EN1d,EN2dは供給されない(つまり、走査線/第1走査線駆動回路GD1から走査線GLに表示用走査信号G_dispは出力されない)。同様に、走査線/第2走査線駆動回路GD2内の各ゲートスイッチ群にそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW1B,GSW3Bには、イネーブル信号EN1d,EN2dは供給されない(つまり、走査線/第2走査線駆動回路GD2から走査線GLに表示用走査信号G_dispは出力されない)。
【0100】
図14は、指紋撮像期間FPに含まれるリード期間FP3における走査線/第1走査線駆動回路GD1と走査線/第2走査線駆動回路GD2との動作例を示すタイミングチャートである。
指紋撮像期間FPに含まれるリード期間FP3が開始され、走査線/第1走査線駆動回路GD1内のシフトレジスタSR1Aと、走査線/第2走査線駆動回路GD2内のシフトレジスタSR1Bとにスタートパルス信号STVが供給されると、シフトレジスタSR1Aは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Aに含まれるゲートスイッチGSW1A~GSW4Aにローレベルの制御信号SR_out1Aと、ハイレベルの制御信号SR_out2Aと、ハイレベルの制御信号SR_out3Aとを出力する。また、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW2Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルの制御信号SR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1B,GSW3B,GSW4Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bとを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW2Bに含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0101】
ゲートスイッチ群GSWG1Bにおいて、ゲートスイッチGSW2Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がハイからローに変化するまでの間に、イネーブル信号EN1f_readがゲートスイッチGSW2Bに供給される。イネーブル信号EN1f_readがゲートスイッチGSW2Bに供給されると、センサ用第2走査信号G_read1が当該ゲートスイッチGSW2Bから、対応する第2走査線SGL2(この場合、1行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Cと接続する第2走査線SGL2)に出力される。
【0102】
イネーブル信号EN1f_readがゲートスイッチGSW2Bに供給された後、シフトレジスタSR1Bは、対応するゲートスイッチ群GSWG1Bに含まれるゲートスイッチGSW4Bにハイレベルの制御信号SR_out1Bと、ローレベルの制御信号SR_out2Bと、ローレベルの制御信号SR_out3Bとを出力し、その他のゲートスイッチGSW1B~GSW3Bにローレベルの制御信号SR_out1Bと、ハイレベルの制御信号SR_out2Bと、ハイレベルの制御信号SR_out3Bとを出力する。これによれば、ゲートスイッチGSW4Bに含まれるスイッチング素子SW11,SW12がオンとなる。
【0103】
ゲートスイッチ群GSWG1Bにおいて、ゲートスイッチGSW4Bが上記した状態になった後、クロック信号CKVの電位がハイからローに変化するまでの間に、イネーブル信号EN2f_readがゲートスイッチGSW4Bに供給される。イネーブル信号EN2f_readがゲートスイッチGSW4Bに供給されると、センサ用第2走査信号G_read2が当該ゲートスイッチGSW4Bから、対応する第2走査線SGL2(この場合、2行目に位置する光学センサOSのセンサ回路に含まれるスイッチング素子SW2Cと接続する第2走査線SGL2)に出力される。
【0104】
クロック信号CKVの電位がハイからローに変化すると、走査線/第1走査線駆動回路GD1においては、シフトレジスタSR1Aから次のシフトレジスタSR2Aにスタートパルス信号STVが転送される。同様に、走査線/第2走査線駆動回路GD2においては、シフトレジスタSR1Bから次のシフトレジスタSR2Bにスタートパルス信号STVが転送される。シフトレジスタSR1A,SR1Bからそれぞれ転送されるスタートパルス信号STVの供給を受けたシフトレジスタSR2A,SR2Bと、これらシフトレジスタSR2A,SR2Bに対応するゲートスイッチ群GSWG2A,GSWG2Bとは、クロック信号CKVの電位がローからハイに変化するまでの間に、シフトレジスタSR1A,SR1Bと、これらシフトレジスタSR1A,SR1Bに対応するゲートスイッチ群GSWG1A,GSWG1Bと同様に動作する。以降、最後のシフトレジスタSRmA,SRmBと、当該シフトレジスタSRmA,SRmBに対応するゲートスイッチ群GSWGmA,GSWGmBとまで同様な動作が繰り返し実行される。
【0105】
なお、リード期間FP3においては、走査線/第1走査線駆動回路GD1内の各ゲートスイッチ群GSWGにそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW1A~GSW4Aには、イネーブル信号EN1d,EN2d,EN1f_reset,EN2f_resetは供給されない(つまり、走査線/第1走査線駆動回路GD1から走査線GLおよび第1走査線SGL1に表示用走査信号G_dispおよびセンサ用第1走査信号G_resetは出力されない)。また、走査線/第2走査線駆動回路GD2内の各ゲートスイッチ群GSWGにそれぞれ含まれるゲートスイッチGSW1B,GSW3Bには、イネーブル信号EN1d,EN2dは供給されない(つまり、走査線/第2走査線駆動回路GD2から走査線GLに表示用走査信号G_dispは出力されない)。
【0106】
以下では、比較例を用いて、本実施形態に係る表示装置DSPの効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係る表示装置DSPが奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、本実施形態と比較例とで共通する構成や効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
【0107】
図15は、第1比較例に係る表示装置DSP1を概略的に示す平面図である。第1比較例に係る表示装置DSP1は、左右額縁領域に、2つの表示用走査線駆動回路51,52と、センサ用第1走査線駆動回路53と、センサ用第2走査線駆動回路54と、2つのデコーダ55,56と、2つのテスト回路57,58とが設けられている点で、本実施形態に係る表示装置DSPと相違している。
【0108】
表示用走査線駆動回路51,52は、画素PXの画素TFTに、走査線GLを介して表示用走査信号G_dispを供給する回路である。センサ用第1走査線駆動回路53は、各画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路に、第1走査線SGL1を介してセンサ用第1走査信号G_resetを供給する回路である。センサ用第2走査線駆動回路54は、各画素PXに配置された光学センサOSのセンサ回路に、第2走査線SGL2を介してセンサ用第2走査信号G_readを供給する回路である。デコーダ55は、例えば5ビットのデコーダであり、ドライバIC4からの制御信号を復号し、センサ用第1走査信号G_resetを出力する第1走査線SGL1を選択するための回路である。同様に、デコーダ56は、例えば5ビットのデコーダであり、ドライバIC4からの制御信号を復号し、センサ用第2走査信号G_readを出力する第2走査線SGL2を選択するための回路である。テスト回路57,58は、各種配線のショート系を検査するための回路である。
【0109】
第1比較例に係る表示装置DSP1の構成の場合、左右額縁領域に配置する要素が多く、左右額縁領域が1.5mm程度まで大きくなってしまうといった問題がある。
【0110】
図16は、第2比較例に係る表示装置DSP2を概略的に示す平面図である。第2比較例に係る表示装置DSP2は、第1比較例に係る表示装置DSP1から、デコーダ55,56と、テスト回路57,58とを省略した構成を有している。詳細な説明は省略するが、デコーダ55,56が省略されたことに伴い、センサ用第1走査線駆動回路53と、センサ用第2走査線駆動回路54とには、表示用走査線駆動回路51,52同様、シフトレジスタが設けられる。
【0111】
第2比較例に係る表示装置DSP2の構成の場合、第1比較例に係る表示装置DSP1に比べて左右額縁領域に配置する要素が少なく、左右額縁領域を1.0mm程度まで小さくすることが可能である。しかしながら、近年のスマートフォン等の左右額縁領域は0.7mm~0.8mm程度のため、第2比較例に係る表示装置DSP2の構成であってもまだ左右額縁領域が大きいといった問題が残る。
【0112】
これに対し、本実施形態に係る表示装置DSPは、第1比較例および第2比較例に示した表示用走査線駆動回路51および第1走査線駆動回路53の機能を併せ持った走査線/第1走査線駆動回路GD1と、表示用走査線駆動回路52および第2走査線駆動回路54の機能を併せ持った走査線/第2走査線駆動回路GD2と、を備えている。
【0113】
表示用走査線駆動回路51および第1走査線駆動回路53の機能を併せ持った走査線/第1走査線駆動回路GD1を実現するにあたっては、表示用走査信号G_dispを出力する走査線GLを選択するためのシフトレジスタSRと、センサ用第1走査信号G_resetを出力する第1走査線SGL1を選択するためのシフトレジスタSRとを共用化し、かつ、当該シフトレジスタSRに対応するゲートスイッチ群GSWG内に、表示用走査信号G_dispを出力するためのイネーブル信号EN1d,EN2dを供給するゲートスイッチGSW1A,GSW3Aと、センサ用第1走査信号G_resetを出力するためのイネーブル信号EN1f_reset,EN2f_resetを供給するゲートスイッチGSW2A,GSW4Aとを設けるとしている。
【0114】
同様に、表示用走査線駆動回路52および第2走査線駆動回路54の機能を併せ持った走査線/第2走査線駆動回路GD2を実現するにあたっては、表示用走査信号G_dispを出力する走査線GLを選択するためのシフトレジスタSRと、センサ用第2走査信号G_readを出力する第2走査線SGL2を選択するためのシフトレジスタSRとを共用化し、かつ、当該シフトレジスタSRに対応するゲートスイッチ群GSWG内に、表示用走査信号G_dispを出力するためのイネーブル信号EN1d,EN2dを供給するゲートスイッチGSW1B,GSW3Bと、センサ用第2走査信号G_readを出力するためのイネーブル信号EN1f_read,EN2f_readを供給するゲートスイッチGSW2B,GSW4Bとを設けるとしている。
【0115】
これによれば、走査線/第1走査線駆動回路GD1および走査線/第2走査線駆動回路GD2を構成することが可能なため、第2比較例に係る構成より左右額縁領域に配置する要素をさらに減らすことができ、ひいては、スマートフォン等に対応し得る程度まで左右額縁領域を小さくすることができる。
【0116】
以上説明した一実施形態によれば、狭額縁化を実現することが可能な光学センサ付き液晶表示装置を提供することが可能である。
【0117】
なお、本実施形態では、表示装置DSPは照明装置ILを備えた液晶表示装置であるとしたが、これに限定されず、表示装置DSPは表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、LC…液晶層、4…ドライバIC、DA…表示領域、PX…画素、PA…周辺領域、GD1…走査線/第1走査線駆動回路、GD2…走査線/第2走査線駆動回路、OS…光学センサ、PC…光電変換素子、Vdet…検出信号、SR…シフトレジスタ、GSWG…ゲートスイッチ群、GSW…ゲートスイッチ、GL…走査線、SGL1…第1走査線、SGL2…第2走査線、SW2A,SW2C…スイッチング素子。