(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071172
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】マニピュレータ
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240517BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181985
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 陽太郎
(72)【発明者】
【氏名】大脇 光博
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS09
3C707CS08
3C707CT05
3C707CV09
3C707CW09
3C707LT06
3C707MS11
3C707MS22
3C707MS27
3C707MT01
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】安全性を確保しつつ、作業性を向上することができるマニピュレータを提供すること。
【解決手段】マニピュレータ1は、走行体2と、アーム部3と、バンパ4と、移動部41と、を備える。バンパ4は、走行体2に対し移動できるよう構成されると共に、上下方向Zから見たとき、少なくとも一部が、走行体2の外周よりも外側において移動できるよう構成されている。移動部41は、バンパ4を走行体2に対し移動させる。また、アーム部3は、エンドエフェクタ31を備えると共に、走行体2に対してエンドエフェクタ31を移動させることができるよう構成されている。マニピュレータ1は、走行体2が走行している状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置、及び走行体2と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体(2)と、
該走行体に接続されると共に、ワーク(10)に対し作業を行うアーム部(3)と、
上記走行体に対し移動できるよう構成されると共に、上下方向(Z)から見たとき、少なくとも一部が、上記走行体の外周(22)よりも外側において移動できるよう構成されたバンパ(4)と、
該バンパを上記走行体に対し移動させる移動部(41)と、を備えたマニピュレータ(1)であって、
上記アーム部は、エンドエフェクタ(31)を備えると共に、上記走行体に対して該エンドエフェクタを移動させることができるよう構成されており、
上記走行体が走行している状態において、上記上下方向から見て、上記エンドエフェクタの少なくとも一部が、上記バンパの少なくとも一部と上記走行体との間の位置、及び上記走行体と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する、マニピュレータ。
【請求項2】
上記走行体が走行している状態において、上記エンドエフェクタの少なくとも一部が、上記バンパ及び上記走行体の双方を上記上下方向の上側(Z2)に投影した投影領域(R)内に位置するよう制御する、請求項1に記載のマニピュレータ。
【請求項3】
上記走行体は、上記ワークを載置することができる走行体作業台(21)を有し、上記アーム部は、上記走行体作業台に上記ワークを載置した状態にて、上記ワークに対し作業を行うことができるよう構成されている、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項4】
上記移動部は、上記アーム部と上記走行体との接続部(11)よりも上記上下方向の下側(Z1)において上記バンパを移動させるよう構成されている、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項5】
上記バンパの上記上下方向の投影面積であって、上記上下方向から見て、上記走行体の外周よりも外側における上記バンパの上記投影面積の大きさを変更するように、上記移動部は上記バンパを移動させる、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項6】
上記バンパは、上記ワークを載置することができるバンパ作業台(42)を有し、上記アーム部は、上記バンパ作業台に上記ワークを載置した状態にて、上記ワークに対し作業を行うことができるよう構成されている、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項7】
上記バンパが外部の物体(18)に接触したことを検知する接触検知センサ(43)が設置されており、上記接触検知センサによって上記バンパが上記外部の物体に接触したことを検知したとき、上記マニピュレータの少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項8】
上記バンパ及び上記走行体の双方を上記上下方向の上側(Z2)に投影した投影領域(R)に外部の物体(18)が侵入したことを検知する侵入検知センサ(19)が設置されており、上記侵入検知センサによって上記外部の物体の侵入を検知したとき、上記マニピュレータの少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【請求項9】
上記アーム部を2つ以上有し、少なくとも一つの上記アーム部は上記移動部でもある、請求項1又は2に記載のマニピュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、作業ロボットを搭載した移動台車であって、移動台車の移動中において、作業ロボットに、作業台に載置した移載物に対して各種作業を行わせるよう構成された移動台車が知られている。特許文献1に記載の移動台車は、作業ロボットにおける移動台車の平面投影範囲からのはみ出し量の制御や、作業台を囲う衝立を設けることにより、作業ロボットの動作範囲を規制している。これにより、移動台車の移動中における作業ロボットと作業者等との衝突事故を未然に防止し、安全性の確保を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の移動台車は、作業ロボットにおける移動台車の平面投影範囲からのはみ出し量の制御や、作業台を囲う衝立を設けることにより、作業ロボットの動作範囲を規制しているため、作業ロボットの動作範囲が狭くなりやすい。それゆえ、特許文献1に記載の移動台車は、作業性の観点から、改善の余地があるといえる。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができるマニピュレータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、走行体(2)と、
該走行体に接続されると共に、ワーク(10)に対し作業を行うアーム部(3)と、
上記走行体に対し移動できるよう構成されると共に、上下方向(Z)から見たとき、少なくとも一部が、上記走行体の外周(22)よりも外側において移動できるよう構成されたバンパ(4)と、
該バンパを上記走行体に対し移動させる移動部(41)と、を備えたマニピュレータ(1)であって、
上記アーム部は、エンドエフェクタ(31)を備えると共に、上記走行体に対して該エンドエフェクタを移動させることができるよう構成されており、
上記走行体が走行している状態において、上記上下方向から見て、上記エンドエフェクタの少なくとも一部が、上記バンパの少なくとも一部と上記走行体との間の位置、及び上記走行体と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する、マニピュレータにある。
【発明の効果】
【0007】
上記マニピュレータは、走行体が走行している状態において、上下方向から見て、エンドエフェクタの少なくとも一部が、バンパの少なくとも一部と走行体との間の位置、及び走行体と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する。それゆえ、走行体が走行している状態において、エンドエフェクタが外部に接触することを抑制しつつ、エンドエフェクタの可動範囲を大きくすることができる。その結果、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができる。
【0008】
以上のごとく、上記態様によれば、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができるマニピュレータを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1における、マニピュレータの外観図。
【
図2】実施形態1における、マニピュレータを上側から見た図。
【
図3】実施形態1における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図4】実施形態1における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図3の位置から移動した後の図。
【
図6】比較形態における、マニピュレータを上側から見た図。
【
図7】実施形態2における、マニピュレータの外観図。
【
図8】実施形態3における、マニピュレータの外観図。
【
図9】実施形態4における、マニピュレータの外観図。
【
図10】実施形態5における、マニピュレータの外観図。
【
図11】実施形態6における、マニピュレータの外観図。
【
図12】実施形態7における、マニピュレータの外観図。
【
図13】実施形態8における、マニピュレータの外観図。
【
図14】実施形態8における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図15】実施形態8における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図14の位置から移動した後の図。
【
図16】実施形態9における、マニピュレータの外観図。
【
図17】実施形態10における、バンパの移動方向を示す図。
【
図18】実施形態10における、バンパが、
図17の位置から移動した後の図。
【
図19】実施形態11における、バンパが収容部に収容される前の図。
【
図20】実施形態11における、バンパが収容部に収容された後の図。
【
図21】実施形態11における、バンパが収容部に収容された後の図であって、マニピュレータを上側から見た図。
【
図22】実施形態12における、バンパ及びワークが収容部に収容される前の図。
【
図23】実施形態12における、バンパ及びワークが収容部に収容された後の図。
【
図24】実施形態12における、バンパ及び交換用のエンドエフェクタが収容部に収容される前の図。
【
図25】実施形態12における、バンパ及び交換用のエンドエフェクタが収容部に収容された後の図。
【
図26】実施形態13における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図27】実施形態13における、バンパが、
図26の位置から移動した後の図であって、バンパが作業者に接触したときの図。
【
図28】実施形態14における、マニピュレータの外観図であって、投影領域を示す図。
【
図29】実施形態15における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図30】実施形態15における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図であって、マニピュレータを上側から見た図。
【
図31】実施形態15における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図29及び
図30の位置から移動した後の図であって、バンパが作業者に接触したときの図。
【
図32】実施形態15における、停止状態において、ワークをバンパから移動先の棚に移動させたときの図。
【
図33】実施形態16における、マニピュレータの外観図。
【
図34】実施形態17における、マニピュレータの外観図。
【
図35】実施形態17における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図36】実施形態17における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図35の位置から移動した後の図。
【
図37】実施形態18における、マニピュレータの外観図。
【
図38】実施形態18における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図39】実施形態18における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図38の位置から移動した後の図。
【
図40】実施形態19における、マニピュレータの外観図。
【
図41】実施形態19における、エンドエフェクタ及びバンパの移動方向を示す図。
【
図42】実施形態19における、エンドエフェクタ及びバンパが、
図41の位置から移動した後の図。
【
図43】実施形態20における、マニピュレータの外観図。
【
図44】実施形態20における、エンドエフェクタの移動方向を示す図。
【
図45】実施形態20における、エンドエフェクタが、
図44の位置から移動した後の図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
マニピュレータに係る実施形態について、
図1~
図5を参照して説明する。
本形態のマニピュレータ1は、
図1、
図2に示すごとく、走行体2と、アーム部3と、バンパ4と、移動部41と、を備える。アーム部3は、走行体2に接続されると共に、ワーク10に対し作業を行う。バンパ4は、走行体2に対し移動できるよう構成されると共に、
図2に示すごとく、上下方向Zから見たとき、少なくとも一部が、走行体2の外周22よりも外側において移動できるよう構成されている。移動部41は、バンパ4を走行体2に対し移動させる。
【0011】
また、アーム部3は、エンドエフェクタ31を備えると共に、走行体2に対してエンドエフェクタ31を移動させることができるよう構成されている。
【0012】
マニピュレータ1は、
図2~
図4に示すごとく、走行体2が走行している状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置、及び走行体2と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する。本形態において、マニピュレータ1は、走行体2が走行している状態である走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の全体が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置、及び走行体2と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する。
【0013】
本形態のマニピュレータ1は、例えば、工場、倉庫等において、ワーク10の組み付け、加工、搬送等を行う手段として用いることができる。
【0014】
また、本明細書において、重力方向に平行な方向を上下方向Zという。また、
図1に示すごとく、上下方向Zにおいて、マニピュレータ1に対して、走行体2が走行する床12側を下側Z1、その反対側を上側Z2という。
【0015】
マニピュレータ1は、走行体2によって移動できるよう構成されている。走行体2は、
図1に示すごとく、筐体23と、筐体23の下端部に設けられた複数の車輪24とを備える。また、走行体2は、筐体23の内側に、車輪24を駆動させる駆動部(図示略)を備える。駆動部は、例えば、モーターとすることができる。マニピュレータ1は、走行体2によって、床12の上を任意の方向へ移動することができる。
【0016】
また、走行体2は、ワーク10を載置することができる走行体作業台21を有する。アーム部3は、走行体作業台21にワーク10を載置した状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。本形態において、走行体作業台21は、上下方向Zに直交すると共に、平面状に形成された作業面211を備える。アーム部3は、走行体作業台21の作業面211にワーク10を載置した状態にて、ワーク10に対し作業を行う。
【0017】
走行体2の上端部には、アーム部3が接続されている。アーム部3は、基部32と、第1アーム部33と、第2アーム部34と、第3アーム部35と、第4アーム部36と、エンドエフェクタ31とを有する。基部32は、走行体2の上端部に接続されている。第1アーム部33の一端は基部32に接続されており、第1アーム部33の他端は、第2アーム部34の一端に接続している。第2アーム部34における、第1アーム部33が接続された側とは反対側の端部には第3アーム部35が接続されている。第3アーム部35における、第2アーム部34が接続された側とは反対側の端部には第4アーム部36が接続されている。第4アーム部36における、第3アーム部35が接続された側とは反対側の端部にはエンドエフェクタ31が接続されている。また、基部32は、
図3に示すごとく、上下方向Zから見たとき、走行体2の中心2Cと重ならない位置に設けられている。
【0018】
図1に示すごとく、第1アーム部33と第2アーム部34との互いの接続部、第2アーム部34と第3アーム部35との互いの接続部、第3アーム部35と第4アーム部36との互いの接続部、第4アーム部36とエンドエフェクタ31との互いの接続部には、それぞれ、関節部301、302、303、304、307が設けられている。関節部301が設けられていることにより、第2アーム部34は、第1アーム部33に対し、任意の方向に回動および屈曲することができる。第3アーム部35は、関節部302によって、第2アーム部34に対し、任意の方向に回動および屈曲することができる。また、第4アーム部36は、関節部303によって、第3アーム部35に対し、任意の方向に回動および屈曲することができる。また、エンドエフェクタ31は、関節部304、307によって、第4アーム部36に対し、任意の方向に回動および屈曲することができる。これにより、アーム部3は、走行体2に対し、エンドエフェクタ31を任意の方向に移動させることができる。
【0019】
それぞれの関節部301、302、303、304、307には、第2アーム部34、第3アーム部35、第4アーム部36、及びエンドエフェクタ31を回動及び屈曲させるためのアクチュエータ(図示略)が設けられている。アクチュエータは、モーター(図示略)等によって構成されている。
【0020】
また、基部32と第1アーム部33との間には接続部305が設けられている。接続部305は、第1アーム部33が、基部32に対し、回動可能となるように構成されている。接続部305には、基部32に対し第1アーム部33を回動させるアクチュエータ(図示略)が設けられている。
【0021】
本形態において、エンドエフェクタ31は、一対の指部311を備える。エンドエフェクタ31は、ワーク10、ワーク10に組み付ける部品、及び工具等を、一対の指部311によって把持できるよう構成されている。本形態において、アーム部3は、エンドエフェクタ31によって部品(図示略)を把持し、ワーク10に対し部品の組み付けを行う。
【0022】
また、本形態において、バンパ4及び移動部41は、走行体2に設けられている。バンパ4は、例えば、合成樹脂からなるベース部材の表面に、クッション材を設けた部材とすることができる。クッション材は、例えば、ウレタンスポンジ等とすることができる。また、本形態において、移動部41は、アクチュエータである。移動部41は、モーター(図示略)及びギヤ等の駆動機構(図示略)を備える。
【0023】
また、バンパ4は、
図5に示すごとく、ワーク10を載置することができるバンパ作業台42を有する。アーム部3は、バンパ作業台42にワーク10を載置した状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。また、アーム部3は、ワーク10を、バンパ作業台42から、走行体作業台21又は外部の棚(図示略)等へと移動させることができる。
【0024】
バンパ4は、
図2に示すごとく、走行体2の周方向の一部から、径方向の外側へ向かって突出している。バンパ4は、移動部41によって、走行体2の周囲を周方向に移動できるよう構成されている。つまり、本形態において、バンパ4の移動方向4Mは周方向である。また、バンパ4は、走行状態において、バンパ4の少なくとも一部が、径方向において、走行体2の外周22よりも外側に位置した状態にて、移動する。なお、本明細書において、周方向とは、マニピュレータ1を上下方向Zから見たときの、走行体2の中心2Cを中心とする円の円周に沿った方向を意味する。また、径方向とは、マニピュレータ1を上下方向Zから見たときの、走行体2の中心2Cを中心とする円の半径方向を意味する。
【0025】
移動部41は、
図1に示すごとく、アーム部3と走行体2との接続部11よりも上下方向Zの下側Z1においてバンパ4を移動させるよう構成されている。本形態において、移動部41は、上下方向Zにおいて、床12から1mの位置よりも下側Z1において、バンパ4を移動させる。
【0026】
また、マニピュレータ1は、
図5に示すごとく、走行状態において、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4及び走行体2の双方を上下方向Zの上側Z2に投影した投影領域R内に位置するよう制御する。具体的には、マニピュレータ1は、走行状態において、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4を上側Z2に投影したバンパ投影領域4R、及び走行体2を上側Z2に投影した走行体投影領域2Rのうち、少なくとも一方の投影領域内に位置するよう制御する。本形態において、マニピュレータ1は、走行状態において、エンドエフェクタ31の全体が、投影領域R内に位置するよう制御する。
【0027】
また、マニピュレータ1は、走行状態において、
図4に示すごとく、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4及び走行体2のうち、少なくとも一方と重なるように制御する。上下方向Zから見て、走行体2の中心2Cを中心とすると共に、走行体2の中心2Cから最も離れたバンパ4の一部を通過する円を仮想円VCとする。このとき、マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、仮想円VCの内側に位置するよう制御する。本形態において、マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の全体が、仮想円VCの内側に位置するよう制御する。
【0028】
マニピュレータ1は、アーム部3によるワーク10に対する作業、走行体2によるマニピュレータ1の移動、及びバンパ4の移動を、自律して行うよう構成されている。マニピュレータ1は、
図1に示すごとく、マニピュレータ1の動作の制御を行う制御部14と、ステレオカメラ等の外部検知センサ(図示略)とを有する。マニピュレータ1は、制御部14によって、アーム部3の動作、走行体2によるマニピュレータ1の移動、及びバンパ4の移動の制御を行う。そして、制御部14は、アーム部3の動作計画に合わせ、バンパ4が移動するよう移動部41を制御する。制御部14は、プロセッサとメモリとを備えている。また、マニピュレータ1は、外部検知センサによってワーク10等を検知する。
【0029】
次に、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置、及び走行体2と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるようマニピュレータ1が制御する具体例について説明する。
【0030】
まず、マニピュレータ1は、走行体2によって、目的の場所に向かって移動する。マニピュレータ1は、走行状態において、アーム部3がワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。そのため、マニピュレータ1は、走行体2によって目的の場所に向かいつつ、アーム部3によってワーク10の組み付け作業等を行う。
【0031】
走行状態において、アーム部3は、エンドエフェクタ31を走行体2に対し移動させながら、ワーク10の組み付けを行う。このとき、バンパ4は、
図2~
図4に示すごとく、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置となるよう移動する。具体的には、制御部14が移動部41の動きを制御することによって、
図3、
図4に示すごとく、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて、バンパ4の移動方向4Mを制御する。
【0032】
また、マニピュレータ1は、走行状態において、
図2に示すごとく、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の移動範囲が走行体2の外周22よりも内側に収まる場合、バンパ4を、走行体2からマニピュレータ1の移動方向1Mに向かって突出させる。言い換えると、マニピュレータ1は、走行状態において、エンドエフェクタ31の移動範囲が走行体投影領域2R(
図5参照)の内側に収まる場合、バンパ4が、走行体2から移動方向1Mに向かって突出するよう、バンパ4の位置を制御する。また、マニピュレータ1は、走行状態において、ワーク10に対し作業を行わない場合、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、走行体2と重なる位置となるよう制御する。本形態において、マニピュレータ1は、走行状態において、ワーク10に対し作業を行わない場合、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の全体が、走行体2と重なる位置となるよう制御する。
【0033】
次に、本形態の作用効果を説明する。
上記マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置、及び走行体2と重なる位置のうち、少なくとも一方の位置となるよう制御する。それゆえ、走行状態において、エンドエフェクタ31が外部に接触することを抑制しつつ、エンドエフェクタ31の可動範囲を大きくすることができる。その結果、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができる。
【0034】
図6に示すように、仮に、バンパを備えない比較形態のマニピュレータ9を想定する。この場合、安全性を確保するため、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、走行体2と重なる位置となるよう制御したとき、エンドエフェクタ31の可動範囲が狭くなり、作業性が低くなりやすい。つまり、マニピュレータ9は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、走行体2の外周22の内側となるよう制御する。そのため、エンドエフェクタ31は、上下方向Zから見て、走行体2の外周22よりも外側に大きく移動させることができず、可動範囲が狭くなり、作業性が低くなりやすい。そこで、本形態のマニピュレータ1は、バンパ4を備える。それゆえ、
図3に示すごとく、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31を走行体2の外周22よりも外側に大きく移動させたとしても、エンドエフェクタ31の少なくとも一部はバンパ4の一部と走行体2との間の位置にあるため、安全性を確保することができる。つまり、マニピュレータ1が、走行状態において、アーム部3によってワーク10に対し作業を行っている場合、万が一、マニピュレータ1と周囲の作業者とが接触したとしても、作業者は、工具やワーク10等を把持したエンドエフェクタ31ではなく、バンパ4に接触しやすい。そのため、受傷リスクを抑えることができる。その結果、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができる。
【0035】
マニピュレータ1は、走行状態において、アーム部3がワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。それゆえ、ワーク10を搬送する時間等を利用して、ワークに対し作業を行うことができる。その結果、作業性を向上することができる。
【0036】
マニピュレータ1は、走行状態において、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、投影領域R内に位置するよう制御する。それゆえ、走行状態において、エンドエフェクタ31が外部に接触することを抑制しつつ、エンドエフェクタ31の可動範囲を大きくすることができる。その結果、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができる。
【0037】
マニピュレータ1は、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて移動するバンパ4を備える。それゆえ、走行体2を小型化した場合であっても、エンドエフェクタ31が外部に接触することを抑制しつつ、エンドエフェクタ31の可動範囲を大きくすることができる。言い換えると、走行体2の外径を大きくすることなく、エンドエフェクタ31の可動範囲を大きくすることができる。その結果、安全性及び作業性を確保しつつ、マニピュレータ1の小型化を図ることができる。また、小型化を図ることができることにより、比較的狭い場所であっても、移動及び作業を行うことが可能となり、工場、倉庫などにおいて、マニピュレータ1を人と協働させやすい。
【0038】
走行体2は走行体作業台21を有する。アーム部3は、走行体作業台21にワーク10を載置した状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。それゆえ、ワーク10を安定させた状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができる。その結果、作業性を一層向上させることができる。
【0039】
また、マニピュレータ1は、バンパ4を備えることにより、走行体作業台21に載置したワーク10に対し、上側Z2からアクセスして作業を行うだけでなく、ワーク10の側方からアクセスして作業を行いやすい。それゆえ、作業性を向上させやすい。
【0040】
バンパ4はバンパ作業台42を有する。アーム部3は、バンパ作業台42にワーク10を載置した状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができるよう構成されている。それゆえ、ワーク10を安定させた状態にて、ワーク10に対し作業を行うことができる。
【0041】
移動部41は、接続部11よりも上下方向Zの下側Z1においてバンパ4を移動させるよう構成されている。それゆえ、万が一、マニピュレータ1と作業者とが接触した場合であっても、作業者の腰の位置から下側Z1において、バンパ4と作業者とが接触しやすい。その結果、受傷リスクを一層低減させることができ、安全性を一層確保することができる。
【0042】
マニピュレータ1は、走行状態において、エンドエフェクタ31の移動範囲が走行体投影領域2Rの内側に収まる場合、バンパ4が、走行体2からマニピュレータ1の移動方向1Mに向かって突出するよう、バンパ4の位置を制御する。ここで、エンドエフェクタ31の移動範囲が走行体投影領域2Rの内側に収まる場合、マニピュレータ1は、エンドエフェクタ31の動作に関係なく、バンパ4の位置を制御することができる。そして、このような場合に、バンパ4が、走行体2から移動方向1Mに向かって突出するよう、バンパ4の位置を制御する。これにより、万が一、走行状態において、マニピュレータ1が作業者等に接触したとしても、作業者等は、走行体2又はアーム部3ではなく、バンパ4に接触しやすい。その結果、安全性を一層確保することができる。
【0043】
以上のごとく、本形態によれば、安全性を確保しつつ、作業性を向上することができるマニピュレータ1を提供することができる。
【0044】
実施形態1において、バンパ4は、合成樹脂からなるベース部材の表面に、クッション材を設けた部材である。ただし、バンパは、安全性が担保できる限りにおいて、合成樹脂等、種々の材質からなるものとすることができる。
【0045】
(実施形態2)
本形態は、
図7に示すごとく、実施形態1に対し、バンパ4の厚みを変更した形態である。
【0046】
本形態において、バンパ4は、
図7に示すごとく、平板状に形成されている。バンパ4は、例えば、上下方向Zの厚みを、走行体2の上下方向Zの長さの10分の1以下とすることができる。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0047】
バンパ4は、平板状に形成されている。それゆえ、バンパ4の重量を小さくしやすい。その結果、バンパ4を移動させやすく、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0048】
(実施形態3)
本形態は、
図8に示すごとく、実施形態1に対し、バンパ4の厚みを変更した形態である。
【0049】
本形態において、バンパ4は、
図8に示すごとく、上下方向Zの厚みが、走行体2の上下方向Zの長さの2分の1以上である。また、バンパ4は、上下方向Zの厚みが、走行体2の上下方向Zの長さの3分の2以上である。
その他は、実施形態1と同様である。
【0050】
バンパ4は、上下方向Zの厚みが、走行体2の上下方向Zの長さの2分の1以上である。それゆえ、万が一、走行状態において、マニピュレータ1が作業者等に接触したとしても、バンパ4が作業者等に一層接触しやすい。その結果、安全性を一層確保することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0051】
(実施形態4)
本形態は、
図9に示すごとく、実施形態1に対し、バンパ4の設置位置を下側Z1にした形態である。
【0052】
本形態において、バンパ4は、
図9に示すごとく、走行体2の上下方向Zにおける中央よりも下側Z1に設置されている。移動部41は、バンパ4を、走行体2の上下方向Zにおける中央よりも下側Z1において、移動させる。
その他は、実施形態1と同様である。
【0053】
移動部41は、バンパ4を、走行体2の上下方向Zにおける中央よりも下側Z1において、移動させる。それゆえ、万が一、マニピュレータ1と作業者とが接触した場合であっても、作業者の腰の位置から下側Z1において、バンパ4と作業者とが接触しやすい。その結果、安全性を一層確保することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0054】
(実施形態5)
本形態は、
図10に示すごとく、実施形態1に対し、アーム部3が上側Z2に接続された形態である。
【0055】
マニピュレータ1は、
図10に示すごとく、柱部15と梁部16とを備える。柱部15は、走行体2の上端部に接続されると共に、走行体2の上端部から上側Z2へ向かって延設されている。また、梁部16は、柱部15の上端部に接続されると共に、柱部15の上端部から、上下方向Zに直交する方向に沿って延設されている。
【0056】
アーム部3は、梁部16に接続されている。つまり、アーム部3は、梁部16及び柱部15を介して、走行体2に接続されている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0057】
(実施形態6)
本形態は、
図11に示すごとく、アーム部3が胴体部17の側面に接続された形態である。
【0058】
マニピュレータ1は、
図11に示すごとく、走行体2の上端部に接続されると共に、走行体2の上端部から上側Z2へ向かって延設された胴体部17を備える。胴体部17の上端部には、アーム部3が接続されている。
【0059】
アーム部3は、胴体部17の側面に接続されている。つまり、アーム部3は、胴体部17を介して、走行体2に接続されている。
【0060】
胴体部17とアーム部3との互いの接続部には、関節部306が設けられている。関節部306が設けられていることにより、アーム部3は、胴体部17に対し、任意の方向に回動および屈曲することができる。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0061】
(実施形態7)
本形態は、
図12に示すごとく、複数のアーム部3が胴体部17の側面に接続された形態である。
【0062】
本形態において、マニピュレータ1は、
図12に示すごとく、2つのアーム部3を備える。それぞれのアーム部3は、胴体部17の側面に接続されている。つまり、2つのアーム部3は、それぞれ、胴体部17を介して、走行体2に接続されている。
その他は、実施形態6と同様である。
【0063】
本形態において、マニピュレータ1は、複数のアーム部3を備える。それゆえ、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態6と同様の作用効果を有する。
【0064】
(実施形態8)
本形態は、
図13~
図15に示すごとく、実施形態1に対し、バンパ4の形状を変更した形態である。
【0065】
本形態において、バンパ4は、
図13~
図15に示すごとく、バンパ作業台42から上側Z2へ向かって延設された衝立部47を有する。衝立部47は、
図14に示すごとく、バンパ4の幅方向Yの全体にわたって形成されている。本形態において、バンパ4の幅方向Yは、バンパ4の走行体2からの突出方向と上下方向Zとの双方に直交する方向である。
【0066】
また、衝立部47は、バンパ作業台42における、走行体2とは反対側の端部に形成されている。また、衝立部47は、
図13に示すごとく、走行体作業台21及び走行体作業台21に載置したワーク10よりも上側Z2の位置まで延設されている。
【0067】
本形態において、マニピュレータ1は、
図14、
図15に示すごとく、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて、バンパ4の移動方向4Mを制御する。そして、マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31が、衝立部47よりも外側へ出ないよう、バンパ4の位置を制御する。また、マニピュレータ1は、走行状態において、ワーク10に対し作業を行う際、上下方向Zにおいて、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、衝立部47の上端部から下側Z1に位置するよう制御する(図示略)。
その他は、実施形態1と同様である。
【0068】
本形態において、マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31が、衝立部47よりも外側へ出ないよう、バンパ4の位置を制御する。これにより、万が一、マニピュレータ1と周囲の作業者とが接触したとしても、作業者は、エンドエフェクタ31ではなく、バンパ4に一層接触しやすい。その結果、安全性を一層向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0069】
(実施形態9)
本形態は、
図16に示すごとく、バンパ4を複数備えた形態である。
【0070】
本形態において、マニピュレータ1は、
図16に示すごとく、2つのバンパ4を備える。それぞれのバンパ4は、上下方向Zの位置が、互いに同等の位置になるよう設けられている。
その他は、実施形態1と同様である。
【0071】
マニピュレータ1は、複数のバンパ4を備える。それゆえ、例えば、エンドエフェクタ31の移動速度がバンパ4の移動速度より速い場合であっても、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置となるよう、バンパ4の位置を制御しやすい。その結果、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0072】
(実施形態10)
本形態は、
図17、
図18に示すごとく、バンパ4が上下方向Zにも移動できるよう構成された形態である。
【0073】
本形態において、バンパ4は、周方向に移動できることに加え、
図17、
図18に示すごとく、上下方向Zにも移動することができる。つまり、バンパ4の移動方向4Mを、上下方向Zも含めることにより、バンパ4の上下方向Zの位置を調整することができる。
その他は、実施形態1と同様である。
【0074】
バンパ4は上下方向Zにも移動することができる。それゆえ、作業性及び安全性を考慮して、バンパ4を適切な位置に配置しやすい。その結果、作業性及び安全性の双方を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0075】
(実施形態11)
本形態は、
図19~
図21に示すごとく、バンパ4を走行体2の内側に収容できるよう構成された形態である。
【0076】
本形態においては、バンパ4の上下方向Zの投影面積であって、
図21に示すごとく、上下方向Zから見て、走行体2の外周22よりも外側におけるバンパ4の投影面積の大きさを変更するように、移動部41はバンパ4を移動させる。すなわち、バンパ4における、走行体2の外周22よりも径方向の外側の部分の、上下方向Zから見たときの面積の大きさを変更するように、移動部41はバンパ4を移動させる。
【0077】
走行体2は、
図19~
図21に示すごとく、バンパ4を収容する収容部25を備える。収容部25は、走行体2の外周面221の一部を、走行体2の内側へ向かって後退させることにより形成された凹部である。
【0078】
バンパ4は、径方向に移動することができるよう構成されている。そして、
図19に示すごとく、バンパ4の移動方向4Mを径方向も含めることにより、移動部(図示略)によって、バンパ4を走行体2の内側へ向かって移動させることができる。これにより、バンパ4の少なくとも一部を収容部25の内側に収容する。
【0079】
バンパ4が、収容部25の内側に収容されることにより、上下方向Zから見て、走行体2の外周22よりも外側に配置されたバンパ4の部分が減少する。これにより、マニピュレータ1は、
図21に示すごとく、上下方向Zから見て、走行体2の外周22よりも外側におけるバンパ4の投影面積の大きさを変更する。
その他は、実施形態1と同様である。
【0080】
バンパ4の上下方向Zの投影面積であって、上下方向Zから見て、走行体2の外周22よりも外側におけるバンパ4の投影面積の大きさを変更するように、移動部41はバンパ4を移動させる。それゆえ、必要に応じて、バンパ4における、走行体2の外周面221からの突出量を調整することができる。その結果、必要に応じて、マニピュレータ1の小型化を図ることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0081】
(実施形態12)
本形態は、
図22~
図25に示すごとく、ワーク10等を走行体2の内側に収容できるよう構成された形態である。
【0082】
本形態において、収容部25は、
図22~
図25に示すごとく、ワーク10等を走行体2の内側に収容することができる収容空間251を備える。つまり、収容部25は、バンパ4に加え、ワーク10等を収容することができる。
【0083】
本形態において、収容部25の上下方向Zの高さは、バンパ4の上下方向Zの厚みの2倍以上である。また、収容空間251の上下方向Zの高さは、バンパの上下方向Zの厚み以上である。
【0084】
マニピュレータ1は、
図22に示すごとく、アーム部3によってワーク10をバンパ作業台42に載置する。その後、バンパ4の移動方向4Mを、径方向の内側とすることにより、バンパ4を走行体2の内側へ向かって移動させる。これにより、
図23に示すごとく、バンパ4とワーク10とを収容部25に収容する。
その他は、実施形態11と同様である。
【0085】
本形態において、収容部25は収容空間251を備える。それゆえ、ワーク10等を走行体2の内側に収容することができる。それゆえ、収容空間251をワーク10等の仮置き場とすることができる。つまり、必要に応じて、ワーク10を収容空間251に収容したり、収容空間251からワーク10を取り出したりすることができる。また、ワーク10の場合と同様に、
図24、
図25に示すごとく、交換用のエンドエフェクタ310を収容空間251に収容することもできる。これにより、アーム部3の作業の段取り替えを効率的に行うことができる。その結果、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態11と同様の作用効果を有する。
【0086】
(実施形態13)
本形態は、
図26、
図27に示すごとく、バンパ4と外部との互いの接触を検知することができる形態である。
【0087】
図26、
図27に示すごとく、マニピュレータ1には、バンパ4が外部の物体18に接触したことを検知する接触検知センサ43が設置されている。マニピュレータ1は、接触検知センサ43によってバンパ4が外部の物体18に接触したことを検知したとき、マニピュレータ1の少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている。
【0088】
本形態において、接触検知センサ43は、バンパ4の外周部に設置されている。接触検知センサ43は、例えば、接触検知センサ43と外部の物体18とが互いに接触した際の圧力やひずみを検出することにより、外部の物体18との接触を検知する。
【0089】
本形態において、マニピュレータ1は、接触検知センサ43によってバンパ4が外部の物体18に接触したことを検知したとき、マニピュレータ1全体の動きを停止するよう構成されている。つまり、接触検知センサ43によってバンパ4が外部の物体18に接触したことを検知したとき、制御部14は、走行体2、アーム部3、及びバンパ4の動きを停止させる。
【0090】
制御部14は、走行状態において、
図26、
図27に示すごとく、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて、バンパ4が移動するよう移動部41を制御する。そして、
図27に示すごとく、移動したバンパ4が作業者等の外部の物体18に接触したことを、接触検知センサ43によって検知したとき、制御部14は、接触検知センサ43から検知信号を受け取り、マニピュレータ1全体の動きを停止する。
その他は、実施形態1と同様である。
【0091】
マニピュレータ1は、接触検知センサ43によってバンパ4が外部の物体18に接触したことを検知したとき、マニピュレータ1の少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている。それゆえ、受傷リスクを一層低減させることができる。その結果、安全性を一層確保することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0092】
(実施形態14)
本形態は、
図28に示すごとく、外部の物体18の侵入を検知することができる形態である。
【0093】
本形態において、マニピュレータ1には、
図28に示すごとく、侵入検知センサ19が設置されている。侵入検知センサ19は、投影領域Rに外部の物体18が侵入したことを検知する。マニピュレータ1は、侵入検知センサ19によって外部の物体18の侵入を検知したとき、マニピュレータ1の少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている。
【0094】
本形態において、侵入検知センサ19は、エンドエフェクタ31の移動可能な範囲内に外部の物体18が侵入したとき、外部の物体18が侵入したことを検知する。本形態において、侵入検知センサ19は、バンパ4の上端部、及び走行体2の上端部の双方に設置されている。侵入検知センサ19は、例えば、ライトカーテン、LiDARセンサ、カメラ等とすることができる。
【0095】
本形態において、マニピュレータ1は、侵入検知センサ19によって投影領域Rに外部の物体18が侵入したことを検知したとき、マニピュレータ1全体の動きを停止するよう構成されている。具体的には、侵入検知センサ19によって投影領域Rに外部の物体18が侵入したことを検知したとき、制御部14は、走行体2、アーム部3、バンパ4の動きを停止させる。
その他は、実施形態1と同様である。
【0096】
マニピュレータ1は、侵入検知センサ19によって投影領域Rに作業者等の外部の物体18が侵入したことを検知したとき、マニピュレータ1の少なくとも一部の動きを停止するよう構成されている。それゆえ、受傷リスクを一層低減させることができる。その結果、安全性を一層確保することができる。
【0097】
また、本形態において、侵入検知センサ19は、エンドエフェクタ31と作業者との接触を予防するため、バンパ4から下側Z1、及び走行体2から下側Z1における外部の物体18の侵入を検知する必要がない。そのため、侵入検知センサ19の検知範囲を狭くすることができる。それゆえ、侵入検知センサ19の簡素化を図ることができると共に、侵入検知センサ19の設置コストを低減させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0098】
(実施形態15)
本形態は、
図29~
図32に示すごとく、アーム部3を移動部41とした形態である。
【0099】
マニピュレータ1は、
図29~
図32に示すごとく、アーム部3を2つ以上有する。少なくとも一つのアーム部3は移動部41でもある。
【0100】
本形態において、マニピュレータ1は、2つのアーム部3を有し、一方のアーム部3が移動部41となっている。つまり、一方のアーム部3の先端部にはバンパ4が接続されている。
【0101】
移動部41でもあるアーム部3は、
図30に示すごとく、他方のアーム部3のエンドエフェクタ31の動きに合わせて、バンパ4を移動させる。本形態において、移動部41でもあるアーム部3は、バンパ4を、走行体作業台21の作業面211に摺動させながら、バンパ4を移動させることができる。また、移動部41でもあるアーム部3は、バンパ4が走行体作業台21から離れた状態にて、バンパ4を移動させることもできる。
【0102】
また、本形態のマニピュレータ1は、
図32に示すごとく、走行体2を停止させた状態である停止状態において、ワーク10を、バンパ4から移動先101である棚に移動させる。このとき、マニピュレータ1は、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、投影領域R、及び移動先101である棚を上側Z2に投影した移動先投影領域101Rのうち、少なくとも一方の投影領域と重なるように制御する。また、マニピュレータ1は、停止状態において、ワーク10を、移動先101から、バンパ4又は走行体2に移動させるときも、同様の制御を行う。
【0103】
また、
図29に示すごとく、アーム部3が接続された胴体部17の上端部には、頭部171が設けられている。頭部171には、ステレオカメラ等の外部検知センサ172が設けられている。マニピュレータ1は、外部検知センサ172によって、バンパ4及びワーク10等を検知する。
その他は、実施形態7と同様である。
【0104】
マニピュレータ1は、アーム部3を2つ以上有する。少なくとも一つのアーム部3は移動部41でもある。それゆえ、バンパ4の移動の自由度を向上させることができる。その結果、作業性を一層向上させることができる。
【0105】
また、
図31に示すごとく、アーム部3によってバンパ4を移動させた場合も、実施形態1と同様に、万が一、走行状態において、マニピュレータ1が作業者Wに接触したとしても、バンパ4が作業者Wに接触しやすい。その結果、安全性を確保することができる。
【0106】
マニピュレータ1は、停止状態において、ワーク10を移動先101へ移動させる際、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、投影領域R及び移動先投影領域101Rのうち、少なくとも一方の投影領域と重なるように制御する。それゆえ、エンドエフェクタ31が外部に接触することを一層抑制することができる。その結果、安全性を一層向上させることができる。
その他、実施形態7と同様の作用効果を有する。
【0107】
(実施形態16)
本形態は、
図33に示すごとく、マニピュレータ1の存在を報知対象13に報知することができる形態である。
【0108】
マニピュレータ1は、
図33に示すごとく、マニピュレータ1の存在を報知対象13に報知する存在報知部45を備える。本形態において、存在報知部45は、バンパ4に設けられている。具体的には、存在報知部45は、スピーカー452を有する。そして、マニピュレータ1の周囲の報知対象13に対し、スピーカーにてマニピュレータ1の存在を報知する。報知対象13は、例えば、マニピュレータ1と協働する作業者である。
【0109】
また、存在報知部45は、バンパ4の移動方向を報知対象13に報知する方向報知部451を備える。本形態において、方向報知部451は、バンパ4に設けられている。方向報知部451は、例えば、バンパ4の移動方向を矢印にて示すディスプレイとすることができる。
その他は、実施形態7と同様である。
【0110】
マニピュレータ1は存在報知部45を備える。それゆえ、報知対象13に対し、マニピュレータ1の接近、マニピュレータ1の動作内容等を報知することができる。それゆえ、報知対象13であるマニピュレータ1と協働する作業者は、安全を確保するための行動を行いやすい。その結果、作業者の受傷リスクを一層低減することができる。
【0111】
存在報知部45は方向報知部451を備える。それゆえ、報知対象13であるマニピュレータ1と協働する作業者は、バンパ4の移動方向を把握しやすく、安全を確保するための行動を一層行いやすい。その結果、作業者の受傷リスクを、より一層低減することができる。
その他、実施形態7と同様の作用効果を有する。
【0112】
実施形態16において、存在報知部45は、スピーカー452からの音、及びディスプレイへの表示により、報知対象13に報知する。また、方向報知部451は、矢印を示すディスプレイである。ただし、存在報知部は、例えば、作業者が認知することができるバンパの振動、放熱及び冷却による温度、匂い等により、報知することもできる。また、存在報知部は、例えば、文字、数字、アイコン、映像等を表示することにより、報知することもできる。また、存在報知部が報知する内容は、例えば、マニピュレータにおける、作業内容、作業範囲、作業の危険度、作業時間、アーム部又は走行体の移動速度、アーム部又は走行体の移動方向等とすることもできる。
【0113】
(実施形態17)
本形態は、
図34~
図36に示すごとく、実施形態16に対し、バンパ4の形状を変更した形態である。
【0114】
本形態において、移動部41の一部は、
図34、
図35に示すごとく、走行体2の外周面221から径方向の外側へ向かって突出するように設けられている。移動部41における径方向の外側の端部にバンパ4が接続されている。
【0115】
本形態において、バンパ4は、周方向に沿うように形成されている。また、
図36に示すごとく、上下方向Zから見たとき、バンパ4は、バンパ4と移動部41との互いの接続部411から離れるほど、走行体2に近づくように形成されている。バンパ4の全体は、走行体2よりも径方向の外側に位置している。
【0116】
バンパ4は、径方向の内側を向くと共に、上下方向Zから見たとき、径方向の外側へ向かって凸となる凸曲面状に形成された内側曲面441を有する。また、バンパ4は、径方向の外側を向くと共に、上下方向Zから見たとき、径方向の外側へ向かって凸となる凸曲面状に形成された外側曲面442を有する。内側曲面441及び外側曲面442は、それぞれ周方向に沿うように形成されている。
【0117】
また、本形態において、バンパ4の上端部は、
図34に示すごとく、走行体作業台21及び走行体作業台21に載置したワーク10よりも上側Z2に位置している。
【0118】
また、マニピュレータ1は、
図35、
図36に示すごとく、上下方向Zから見たとき、走行体2とバンパ4とによって挟まれた空間である内側空間40を有する。本形態のマニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見たとき、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、内側空間40と重なる位置となるように、バンパ4の位置を制御する。
【0119】
移動部41は、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて、バンパ4を移動させる。そのため、エンドエフェクタ31が
図35に示す位置から
図36に示す位置に移動したとしても、上下方向Zから見たとき、エンドエフェクタ31の少なくとも一部は、内側空間40と重なる位置となる。
【0120】
また、本形態において、存在報知部45は、スピーカー452である。存在報知部45はバンパ4に設けられている。存在報知部45は、上下方向Zから見たとき、移動部41と径方向に対向する位置に設けられている。
その他は、実施形態16と同様である。
【0121】
本形態において、バンパ4は、周方向に沿うように形成されている。また、バンパ4の上端部は、走行体作業台21及び走行体作業台21に載置したワーク10よりも上側Z2に位置している。また、マニピュレータ1は、走行状態において、上下方向Zから見たとき、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、内側空間40と重なる位置となるように、バンパ4の位置を制御する。それゆえ、エンドエフェクタ31が、バンパ4よりも径方向の外側へ移動することを抑制することができる。その結果、安全性を一層向上させることができる。
その他、実施形態16と同様の作用効果を有する。
【0122】
(実施形態18)
本形態は、
図37~
図39に示すごとく、上下方向Zから見たとき、周方向に沿って、複数のバンパ4を走行体に設けた形態である。
【0123】
図37~
図39に示すごとく、本形態においては、走行体2における周方向の全体にわたって、複数のバンパ4が設けられている。つまり、
図38に示すごとく、上下方向Zから見たとき、走行体2の外周22全体を囲むように、8つのバンパ4が走行体2に設置されている。
【0124】
走行体2には、複数のバンパ4に対応する複数の収容部25(
図19~
図21参照)が形成されている(図示略)。それぞれのバンパ4は、走行体2に対し、周方向に沿って移動することなく、径方向に沿って移動するよう構成されている。本形態において、それぞれのバンパ4は、移動部41であるリニアアクチュエータ(図示略)によって、走行体2に対し径方向に移動する。それぞれのバンパ4は、リニアアクチュエータによって径方向に移動することにより、走行体2の外周22よりも径方向の外側に位置する部分の、上下方向Zから見たときの面積を変更させる。つまり、それぞれのバンパ4は、リニアアクチュエータによって径方向に移動することにより、投影領域R(
図4、
図5参照)の範囲を変更する。
【0125】
移動部41は、
図38、
図39に示すごとく、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部がバンパ4の少なくとも一部と走行体2との間に配置するように、バンパ4を径方向に移動させる。つまり、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部を、バンパ4の一部と走行体2との間に配置させるために、突出させることが必要なバンパ4を径方向の外側に移動させると共に、突出させる必要のないバンパ4は、走行体2の内側に収容する。
その他は、実施形態11と同様である。
【0126】
本形態においては、周方向に沿って、複数のバンパ4が走行体2に設けられている。また、それぞれのバンパ4は、走行体2に対し、周方向に沿って移動することなく、径方向に沿って移動するよう構成されている。それゆえ、投影領域R(
図4、
図5参照)の範囲を柔軟かつ迅速に変更することができる。その結果、安全性を一層確保しつつ、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態11と同様の作用効果を有する。
【0127】
(実施形態19)
本形態は、
図40~
図42に示すごとく、実施形態18に対し、アーム部3を複数備えた形態である。
【0128】
本形態において、マニピュレータ1は、
図40~
図42に示すごとく、2つのアーム部3を備える。それぞれのアーム部3は、胴体部17の側面に接続されている。
その他は、実施形態18と同様である。
【0129】
マニピュレータ1は、複数のアーム部3を備えると共に、複数のバンパ4を備える。それゆえ、
図41、
図42に示すごとく、複数のエンドエフェクタ31のそれぞれの移動方向31Mに合わせて、バンパ4を迅速に移動させやすい。その結果、安全性を一層確保しつつ、作業性を、より一層向上させることができる。
その他、実施形態18と同様の作用効果を有する。
【0130】
(実施形態20)
本形態は、
図43~
図45に示すごとく、環状に形成されたバンパ4を備えた形態である。
【0131】
バンパ4は、
図44、
図45に示すごとく、上下方向Zから見て、走行体2の周方向の全体を囲むように、環状に形成されている。バンパ4は伸縮性を備える。バンパ4は、例えば、ゴム弾性を有するエラストマー等からなるものとすることができる。
【0132】
本形態において、移動部41は、複数のリニアアクチュエータ412を備える。複数のリニアアクチュエータ412は、周方向に沿って、均等に設けられている。それぞれのリニアアクチュエータ412は、周方向に沿って移動することなく、径方向に沿って移動するよう構成されている。リニアアクチュエータ412は、径方向の外側へ向かって突出することにより、環状のバンパ4の一部を径方向の外側へ向かって引き延ばす。
【0133】
マニピュレータ1は、
図44、
図45に示すごとく、エンドエフェクタ31の移動方向31Mに合わせて、リニアアクチュエータ412を作動させる。これにより、マニピュレータ1は、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4と走行体2との間の位置となるよう、バンパ4の形状を制御する。つまり、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部を、バンパ4と走行体2との間に配置するために必要となるリニアアクチュエータ412を径方向の外側へ突出させる。これにより、環状のバンパ4の一部を径方向の外側へ向かって引き延ばし、バンパ4を変形させる。また、径方向の外側へ突出させる必要のないリニアアクチュエータ412は、径方向の内側へ移動させる。
その他は、実施形態18と同様である。
【0134】
バンパ4は、上下方向Zから見て、走行体2の周方向の全体を囲むように環状に形成されている。また、マニピュレータ1は、環状のバンパ4を、複数のリニアアクチュエータ412によって、径方向に変形させる。それゆえ、マニピュレータ1は、上下方向Zから見て、エンドエフェクタ31の少なくとも一部が、バンパ4の少なくとも一部と走行体2との間の位置するよう、バンパ4の形状を柔軟かつ迅速に制御しやすい。その結果、安全性を一層確保しつつ、作業性を一層向上させることができる。
その他、実施形態18と同様の作用効果を有する。
【0135】
上記実施形態1~20において、走行体2には、走行体作業台21が設けられている。ただし、走行体が走行体作業台を備えない構成とすることもできる。この場合、走行体の小型化を一層図ることができる。
【0136】
上記実施形態1~20において、エンドエフェクタ31は、一対の指部311を備える。ただし、エンドエフェクタは、ワークに対する作業内容に合わせ、任意の構成を採用することができる。エンドエフェクタは、例えば、ワークに対し、溶接、ネジ締め等を行う構成とすることもできる。また、エンドエフェクタは3本以上の指部を備える構成とすることもできる。
【0137】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0138】
1…マニピュレータ、2…走行体、3…アーム部、4…バンパ、10…ワーク、22…外周、31…エンドエフェクタ、41…移動部、Z…上下方向