(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071207
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】空気処理装置
(51)【国際特許分類】
F24F 8/167 20210101AFI20240517BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240517BHJP
A61L 9/18 20060101ALI20240517BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20240517BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20240517BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240517BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240517BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240517BHJP
【FI】
F24F8/167
A61L9/00 C
A61L9/18
A61L9/20
F24F8/22
F24F8/80 125
F24F8/80 130
F24F8/80 200
F21V33/00 330
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182040
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】貴家 学
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優
(72)【発明者】
【氏名】五島 悟
(72)【発明者】
【氏名】小山 武蔵
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014PD00
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180CA10
4C180CC03
4C180DD01
4C180DD03
4C180DD04
4C180EA34X
4C180EA52X
4C180EA54X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4C180JJ05
4C180KK04
4C180KK05
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】簡素化できる空気処理装置を提供する。
【解決手段】空気処理装置10は、外部筐体24と、内部筐体75と、第1口18aと、第2口19aと、空気処理部20と、空気の流路22と、を備える。外部筐体24は、空間の被設置面に設置可能とする。内部筐体75は、外部筐体24に対して着脱可能に取付けられる。第1口18aは、内部筐体75に設けられ、外部筐体24に内部筐体75を設置した状態で空間に対して開口され、空気が流通する。第2口19aは、外部筐体24に設けられた、空気が流通する。空気処理部20は、内部筐体75に設けられ、光触媒フィルタ117と、紫外線光源110と、を有する。空気の流路22は、第1口18a、外部筐体24と内部筐体75とに挟まれた外側経路21、空気処理部20、第2口19a、を通る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間の被設置面に設置可能な外部筐体と;
前記外部筐体に対して着脱可能に取付けられる内部筐体と;
前記内部筐体に設けられ、前記外部筐体に前記内部筐体を設置した状態で前記空間に対して開口された、空気が流通する第1口と;
前記外部筐体に設けられた、空気が流通する第2口と;
前記内部筐体に設けられ、光触媒フィルタと、紫外線光源と、を有する空気処理部と;
前記第1口、前記外部筐体と前記内部筐体とに挟まれた外側経路、前記空気処理部、前記第2口、を通る空気の流路と;
を備えることを特徴とする空気処理装置。
【請求項2】
前記外部筐体を前記被設置面に設置した状態で、前記第2口は前記空間に対して開口する
ことを特徴とする請求項1記載の空気処理装置。
【請求項3】
前記第2口は、前記外部筐体の側方に向けられた口である
ことを特徴とする請求項1記載の空気処理装置。
【請求項4】
前記内部筐体に、前記空間に可視光を照射する可視光照射部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の空気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体に吸込口と吐出口とを接続する空気の流路が設けられ、吸込口から吸い込んだ空気に紫外線を照射する装置がある。
【0003】
このような装置では、筐体内に空気の流路を形成するために、筐体内に流路形成部材が配設され、構造が複雑になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構造を簡素化できる空気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の空気処理装置は、外部筐体と、内部筐体と、第1口と、第2口と、空気処理部と、空気の流路と、を備える。外部筐体は、空間の被設置面に設置可能とする。内部筐体は、外部筐体に対して着脱可能に取付けられる。第1口は、内部筐体に設けられ、外部筐体に内部筐体を設置した状態で空間に対して開口され、空気が流通する。第2口は、外部筐体に設けられた、空気が流通する。空気処理部は、内部筐体に設けられ、光触媒フィルタと、紫外線光源と、を有する。空気の流路は、第1口、外部筐体と内部筐体とに挟まれた外側経路、空気処理部、第2口、を通る。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の空気処理装置によれば、構造を簡素化することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態を示す空気処理装置の斜視図である。
【
図2】同上空気処理装置の装置本体の斜視図である。
【
図3】同上装置本体の本体ユニットと処理ユニットの分解斜視図である。
【
図4】同上装置本体の本体ユニットと処理ユニットの分解斜視図である。
【
図6】同上装置本体の本体ユニットと処理ユニットの分解断面図である。
【
図13】同上処理ユニットの光触媒フィルタユニットを外した斜視図である。
【
図14】同上光触媒フィルタのホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
なお、以下の実施形態における空気処理装置は、空気処理装置の内部に流通する空気に対して、所定の手法により、殺菌、除菌、滅菌、減菌、脱臭、消臭のいずれかの空気処理を行う装置である。以下では、空気処理装置の処理としては殺菌処理として説明を行うが、殺菌処理は、除菌処理、滅菌処理、減菌処理、脱臭処理、消臭処理、などに置き換えて解釈可能である。また、以下での空気処理機能とは、殺菌、除菌、滅菌、減菌、脱臭、消臭のいずれかの機能を指す。また、ここでの所定の手法とは、光照射、光触媒などである。光照射は、UV-C領域、UV-B領域、UV-A領域、可視光領域、赤外領域などの波長の光を照射することをいう。光触媒は、空気処理装置の内部に配設された、酸化チタンなどの光触媒に光(紫外光や可視光)を照射することで生成される活性酵素やOHラジカルによって、空気中に浮遊する菌、ウイルス、においの元などの活動を抑制したり、水と二酸化炭素に分解したりすることをいう。
【0011】
図1に空気処理装置10を示す。この空気処理装置10は、空間である例えば部屋の被設置面に形成された埋込孔に半埋め込み状態に設置され、部屋内の空気を処理する空気処理機能と、部屋内を照明する照明機能を有している。ここでの半埋め込み状態とは、空気処理装置10の少なくとも一部が被設置面より部屋側に位置する(露出する)ように埋込孔に設置されることをいう。なお、部屋の被設置面は、天井面、側壁面、あるいは衝立面などのいずれでもよく、本実施形態では天井面として説明する。また、以下では、天井面、側壁面、衝立面をまとめて壁面と呼ぶ。空気処理装置10は、壁面に半埋め込み状態に設置され、壁面に対向する2つの空間の一方側の空間である人が滞在する部屋空間に少なくとも一部が位置する(露出する)。
【0012】
空気処理装置10は、装置本体11と、例えば商用交流電源からの交流電力を所定の電力に変換して装置本体11に供給する電源部12と、を備えている。装置本体11と電源部12とは、ケーブル13によって電気的に接続されている。
【0013】
図2ないし
図7に示すように、装置本体11は、天井面に設置される本体ユニット16と、この本体ユニット16に対して着脱可能に取り付けられる処理ユニット17と、を備えている。装置本体11(本体ユニット16および処理ユニット17)の上部側は、天井面の埋込孔に埋め込まれる埋込領域11aであり、また、下部側は、天井面から部屋に露出する露出領域である下部領域11bである。なお、埋込領域11aは、天井面より上方(つまり、天井裏側)に露出していてもよい。
【0014】
装置本体11は、処理ユニット17の下部領域11bに円周状に設けられた第1口18aである吸気口18と、この吸気口18よりも外側であって本体ユニット16の下部領域11bに円周状に設けられた第2口19aである排気口19と、処理ユニット17内に設けられた空気処理部20と、本体ユニット16と処理ユニット17との間に設けられた外側経路21と、を備えている。そして、装置本体11においては、空気処理部20および外側経路21を通じて吸気口18と排気口19とを接続する装置本体11内の空気の流路22が形成される。外側経路21は、本体ユニット16の内側面と、処理ユニット17の外側面と、に挟まれた(囲まれた)空間である。本実施形態では、第1口18aは外部の空気を吸い込む吸込口18、第2口19aは空気処理部20を通過した空気を外部に排出する排気口19であるが、第2口19aが外部の空気を吸い込む吸込口18、第1口18aが空気処理部20を通過した空気を外部に排出する排気口19であってもよい。
【0015】
空気処理部20は、側壁面を備える筒状であって、上下面に開口部が設けられている。上下面全てが開口していてもよいし、上下面の一部が開口する構成であってもよい。上下の開口は、第1口18a、第2口19aへ空気を流通する開口である。なお、空気処理部20は、円筒形状であってもよいし、多角柱形状であってもよい。
【0016】
図1ないし
図9に本体ユニット16を示す。本体ユニット16は、外部筐体24を備え、この外部筐体24に、ファン25、ガイド部材26、および制御基板27などが配設されている。
【0017】
外部筐体24は、本体部30と、この本体部30に取り付けられるカバー部31と、本体部30の下部領域11bに取り付けられる化粧枠32と、を備えている。
【0018】
本体部30は、例えば樹脂製で、円筒状の側面部34と、この側面部34の上面側を閉塞する上面部35と、を備え、下面側が開口されている。本体部30の下部側の周囲には、本体部30の下部領域11bとなる円環状のフランジ部36が突設されている。
【0019】
側面部34の一部に開口部37が上下方向に沿って形成されている。側面部34の開口部37の一側には、制御基板27とファン25とを電気的に接続する配線が通る配線部38が設けられている。
【0020】
カバー部31は、例えば板金製で、本体部30の上面部に取り付けられる環状の上板部40と、本体部30の開口部37に配置されて閉塞する側板部41と、を備えている。側板部41には、電源部12と制御基板27とを電気的に接続するケーブル13が挿通する配線溝42が設けられている。
【0021】
側板部41の本体部30内に臨む側(本体部30に対向する側)である側板部41の内面には、制御基板27と処理ユニット17側とを電気的に接続するための先端側にコネクタ43を有する配線44を、側板部41の内面に向けて、本体部30の中心から側板部41へ向かう方向に付勢する押え部材45が取り付けられている。つまり、押え部材45によって、配線44は、外部筐体24(特に、外部筐体24において、処理ユニット17に対向する側である内側面)に向けて付勢され、押えられている。押え部材45は、例えばトーションばねが用いられ、1本のばね線材の両端にコイル状に巻回されたコイル部46が設けられ、両端のコイル部46の外側の端部側が側板部41にねじ止め固定され、両端のコイル部46の内側の端部からばね線材の中間にあるアーム部47が延設されている。アーム部47の先端側には、配線44を係合する配線係合部47aが略Lの字形に折曲されている。配線係合部47aには配線44の中間を紐やバンドなどで保持してもよい。押え部材45のコイル部46は、外部筐体24の下部側に配置され、アーム部47の先端側は、コイル部46側を中心として外部筐体24内を上下方向に揺動可能で、
図6の反時計回り方向に向けてばね力が作用する。
【0022】
本体部30の外周面には、本体ユニット16を天井面に取り付けるための複数の取付ばね48が取り付けられている。
【0023】
化粧枠32は、例えば樹脂製で、中央が開口された円環状に形成され、本体部30のフランジ部36の下部側に取り付けられる。化粧枠32は、中央の挿通開口50を形成する筒部51と、この筒部51の下部側の周囲に設けられた環状の化粧面部52と、を備えている。
【0024】
化粧枠32の上面側には、本体部30との間に排気口19を形成する排気口形成領域(第1口形成領域)53と、本体部30との間に制御基板27を収容する制御基板収容部54の領域と、が設けられている。排気口形成領域53は、制御基板収容部54の領域よりも、外部筐体24の円周方向における広い角度の範囲に形成されている。また、排気口形成領域53の外部筐体24の円周方向における角度と、制御基板収容部54の領域の外部筐体24の円周方向における角度と、の和が360度となるように構成されている。排気口形成領域53には、本体部30との間から排気される空気の流れを制御する複数のフィン55が立設されている。
【0025】
筒部51には、円周方向の一部に着脱溝部56が設けられ、この着脱溝部56の円周方向の一側に取付溝部57が連通して設けられている。取付溝部57の下縁は、着脱溝部56の下縁よりも上方かつ挿通開口50の中央側に突出されている。
【0026】
筒部51の内周面には、処理ユニット17を位置決めする位置決め部58が設けられている。この位置決め部58は、内周面に径方向の位置を位置決めする径方向位置決め部58aと、この径方向位置決め部58aの上部側から内径方向に突出されて処理ユニット17の挿入位置を位置決めする挿入位置決め部58bと、を備えている。
【0027】
化粧面部52の表面には、本体ユニット16に処理ユニット17を着脱する際の着脱位置を示す例えば「△」印の着脱マーク59aと、本体ユニット16に処理ユニット17を取り付けた位置を示す例えば「〇」印の取付マーク59bと、が設けられている。さらに、化粧面部52の制御基板収容部54の領域と上面視で重なる部分には、検知孔60、および2つのモニタ孔61が設けられている。
【0028】
外部筐体24の下部領域11bは、本体部30側である上側と化粧枠32側である下側とに分かれて設けられている。制御基板収容部54の領域に対応した下部領域11bの上側位置、つまり本体部30側のフランジ部36の周面部には、その円周面を直線状に切り欠いた形状の平面部62が設けられている(主に
図4参照)。この平面部62には、フランジ部36の円周方向に離間して2つの操作孔63が設けられているとともに、2つの操作孔63間に突出部64が突出されている。平面部62の位置において、下部領域11bの下側、つまり化粧枠32側は円周状に設けられている。突出部64の突出方向の先端面は、下部領域11bの下側の円周面、つまり化粧枠32側の円周面と略同じ面に設けられている。つまり、化粧枠32の外周と、突出部64の突出方向の先端面の外周と、は上面視で重なる(一致する)ように突出部64は設けられている。
【0029】
また、ファン25は、本体部30の上面部35の下側にねじ止めされて取り付けられ、本体部30内の上部側に配置されている。ファン25は、例えば遠心ファンが用いられ、羽根車の回転により、下面中央域から空気を吸い込んで、周面から吐出する。
【0030】
また、ガイド部材26は、例えばアルミダイカストなどの金属製で、中央が開口された環状に形成されている。なお、ガイド部材26は、樹脂などで形成されていてもよい。ガイド部材26は、ファン25の周囲に配置され、本体部30の上面部35の下側にねじ止めされて取り付けられる。ガイド部材26は、ファン25の周囲から吐出される空気を外部筐体24の下方へ向けて導く傾斜状の導風部65を備えている。
【0031】
ガイド部材26は、本体ユニット16に着脱可能に取り付けられる処理ユニット17を支持する支持部材でもある。ガイド部材26には、直径方向に対向する2箇所に支持部66が設けられている(主に
図8参照)。これら支持部66は、ガイド部材26から下方に突出されるとともにガイド部材26の中央側に向けて突出されている。この支持部66の円周方向の一方側が開口され、他方側が閉塞されている。支持部66の開口側の下縁部には、上方に突出する外れ止め部67が設けられている。また、2箇所の支持部66の開口する側は一致するように構成されている。例えば、一方の支持部66の円周方向の時計回りにおける最も後ろ側が開口しているのであれば、他方の支持部66においても円周方向の時計回りにおいて最も後ろ側が開口する。さらに、支持部は3つ以上設けられていてもよい。
【0032】
また、制御基板27は、外部筐体24の下部領域11bであって、本体部30のフランジ部36と化粧枠32との間の制御基板収容部54に配設されている。制御基板27は、電源部12からケーブル13によって供給される電力を入力し、ファン用の配線を通じてファン25に電力を供給して制御するとともに、配線44を通じて処理ユニット17(紫外線光源および可視光光源)に電力を供給して制御する制御回路を備えている。
【0033】
制御回路には、人体を検知する人感センサ69、空気処理装置10の状態を表示する2つのモニタランプ70、空気処理装置10の動作モードを切り換える2つの操作部71,72が含まれる。
【0034】
人感センサ69は、化粧枠32の検知孔60に対向するように配置されて空気処理装置10の下方域での人体の有無や、人体の移動を検知する。2つのモニタランプ70は、化粧枠32の2つのモニタ孔61にそれぞれ対向するように配置され、発光色や、点灯、消灯、点滅などで、空気処理装置10の動作状態を表示する。
【0035】
操作部71,72は、例えばスライドスイッチであり、平面部62の操作孔63に対向するように配置され、配置された状態で操作孔63を介して平面部62に沿った横方向にスライド操作可能に構成されている。操作部71,72は、
図7に示す上面視で下部領域11bの下側である化粧枠32の外周面よりも内側に配置されている。つまり、空気処理装置10が天井に配設された状態において、空気処理装置10の直下から空気処理装置10を見た場合、操作部71、72は視認できないように構成されている。例えば、操作部71,72はスライド操作によって複数段階に切り換え可能で、平面部62には操作部71,72の切り換え位置に対応して切り換えられたモード名が表示されていてもよい。
【0036】
制御基板27には、本体ユニット16に処理ユニット17が所定の取付位置に取り付けられたことを検知する取付検知スイッチ73が電気的に接続されている。取付検知スイッチ73は、化粧枠32の取付溝部57の位置に配置されている。制御基板27の制御回路は、取付検知スイッチ73で処理ユニット17の取り付けが検知された状態で、ファン25や紫外線光源ユニット78側への電力の供給を可能とし、また、取付検知スイッチ73で処理ユニット17の取り付けが検知されない状態や、検知状態から検知されなくなったときに、ファン25や紫外線光源ユニット78側への電力の供給をしないように制御する。つまり、制御基板27では、本体ユニット16から処理ユニット17が取り外された状態では、ファン25や、処理ユニット17が備える可視光光源ユニット76、紫外線光源ユニット78(詳細は後述する)への電力が供給されないような制御が行われる。本体ユニット16から処理ユニット17が取り外された状態では、少なくとも紫外線光源ユニット78へは電力が供給されないことが望ましい。このように構成することで、処理ユニット17を取り外した人に紫外線が照射されることを防ぐことが可能となる。また、本体ユニット16から処理ユニット17が取り外された状態で、可視光光源ユニット76へ電力が供給されるように構成されていてもよい。このように構成することで、処理ユニット17を取り外す作業時に部屋が暗くなることで作業性が低下すること抑制することが可能となる。
【0037】
また、
図2ないし
図7、
図10ないし
図13に処理ユニット17を示す。処理ユニット17は、内部筐体75を備え、この内部筐体75に、可視光光源ユニット76、埃フィルタ77、紫外線光源ユニット78、光触媒フィルタユニット79などが配設されている。
【0038】
内部筐体75は、処理筐体部81を備え、この処理筐体部81の上部側に上枠部材82が取り付けられ、処理筐体部81の下部側に下枠部材83が取り付けられる。
【0039】
処理筐体部81は、例えばアルミダイカストなどの金属製で、径方向に2分割形成され、円筒状に組み合わせてねじ止めされることで一体に構成される。
【0040】
処理筐体部81は、上下の円面を接続する貫通部が設けられた円筒状で、貫通部である処理筐体部81の内部が空気処理部20として構成される。そして、貫通部の下面側は吸気口18側に連通する第1口側開口である吸気側開口84が形成され、貫通部の上面側は排気口19側に連通する第2口側開口である排気側開口85が形成されている。吸気側開口84と、排気側開口85は、空気処理部20を介して接続される。吸気側開口84から排気側開口85へ向かう線分に垂直な平面において、排気側開口85の断面積(開口面積)は、吸気側開口84の断面積(開口面積)より小さい関係にある。
【0041】
処理筐体部81の空気処理部20に臨む内面は、例えば鏡面などの高い光反射率の面に形成されている。なお、処理筐体部81の内周面の内側に、内面が例えば鏡面などの高い光反射率の面に形成されている筒状の反射体を配置してもよい。この場合、処理筐体部81の内周面と反射体の外周面との間に、可視光光源ユニット76側や紫外線光源ユニット78側に電気的に接続される配線を通す配線スペースを設けてもよい。
【0042】
処理筐体部81の上部側には筒状部86が突出され、この筒状部86の上部側で直径方向に対向する2箇所に係合部87が外径方向に向けて突出されている。2つの係合部87は、本体ユニット16内の最も奥側位置まで処理ユニット17が挿入された場合に、支持部66の外れ止め部67を乗り越え可能な高さに配置される。そして、本体ユニット16内で処理ユニット17が所定の取付回動方向(例えば、上面視で反時計回り方向)に回動されることにより、2つの係合部87は、外れ止め部67を乗り越えて支持部66上に係合する。この状態で、処理ユニット17の支えを外す(例えば、手で処理ユニット17を取り付けている場合は手を離す)と、重力によって処理ユニット17の係合部87は、支持部66の外れ止め部67の高さよりも下方に位置する。よって、人が処理ユニット17を持ち上げて回動させないと、処理ユニット17は、支持部66から外れない状態となる。つまり、意図せず処理ユニット17が本体ユニット16から外れてしまうことを抑制できるため、安全性を向上することが可能となる。また、係合部87の下方には、支持部66の下面側に接触し、係合部87との間で支持部66を挟み込んで保持する保持ばね88が配設されている。
【0043】
筒状部86の上部側には、2つの係合部87とは異なる位置で、直径方向に対向する2箇所に光触媒フィルタユニット79を取り付けるためのホルダ取付部89が設けられている。これらホルダ取付部89には、筒状部86の内周面よりも外径側に窪む窪み部90が筒状部86の上下方向に沿って設けられ、この窪み部90に取付孔91が設けられている(主に
図13参照)。
【0044】
上枠部材82は、例えば樹脂製で、中央が開口された円環状に形成されている。上枠部材82は、筒状部86の周囲に配置されて、処理筐体部81の上面側に取り付けられている。上枠部材82には、外周部の一部が切り欠かれ、その箇所にコネクタ92(例えば、雌型コネクタ)が取り付けられている。このコネクタ92に可視光光源ユニット76側および紫外線光源ユニット78側にそれぞれ電気的に接続する可視光光源用の配線および紫外線光源用の配線の各一端側が電気的に接続されている。可視光光源用の配線の他端側は、処理筐体部81内を通り、下枠部材83から下方に引き出され、可視光光源ユニット76側に電気的に接続される。紫外線光源用の配線の他端側は、処理筐体部81内で紫外線光源ユニット78側に電気的に接続される。各配線は、少なくとも処理筐体部81内で空気処理部20に露出される箇所が紫外線耐性に優れた絶縁物などで被覆され、また、処理筐体部81の内周面の内側に筒状の反射体が配置される場合には、処理筐体部81の内周面と反射体の外周面との間の配線スペースに通される。
【0045】
下枠部材83は、例えば樹脂製で、中央が開口された円環状に形成されている。下枠部材83は、下方に向けて拡開傾斜する円錐面形状のガイド面部93が形成され、このガイド面部93と可視光光源ユニット76との間に吸気口18を形成する。ガイド面部93は、空気を空気処理部20の方向へ導く(ガイドする)。
【0046】
ガイド面部93には、直径方向に対向する2箇所に、可視光光源ユニット76を着脱可能に取り付ける取付孔94が設けられている。
【0047】
ガイド面部93には、本体ユニット16に対する処理ユニット17の着脱可能位置および取付位置を示す「△」印の着脱マーク95が設けられている。この着脱マーク95が本体ユニット16側の着脱マーク59aに一致する回動位置で、処理ユニット17を本体ユニット16に対して着脱でき、また、着脱マーク95が本体ユニット16側の取付マーク59bに一致するように処理ユニット17を回動させた位置で、2つの係合部87が本体ユニット16側の2つの支持部66に係合して取り付けられる。
【0048】
下枠部材83の上面側には、外部筐体24側の下枠部材83の位置決め部58に係合して位置決めされる円環状の位置決め部96が突出されている。
【0049】
位置決め部96の外周面には、着脱ガイド部97が突設されている。着脱ガイド部97は、着脱マーク95が本体ユニット16側の着脱マーク59aに一致する回動位置で、化粧枠32の着脱溝部56に対して挿脱可能とし、また、着脱マーク95が本体ユニット16側の取付マーク59bに一致するように処理ユニット17を回動させることにより、取付溝部57に回動される。着脱ガイド部97には、取付溝部57に回動した際に取付検知スイッチ73を切り換え動作させるスイッチ作動部97aと、取付溝部57の下部側の側壁に当接して処理ユニット17の取付回動方向への回動を規制するストッパ部97bが設けられている。
【0050】
また、可視光光源ユニット76は、可視光光源98と、この可視光光源98が配置される取付部材99と、可視光光源98を保持して取付部材99に取り付けられる可視光光源ホルダ100、および可視光光源98を覆う可視光光源カバー101と、を備えている。これらを一体的に組み立てた状態の可視光光源ユニット76が、内部筐体75の下枠部材83に着脱可能に取り付けられる。
【0051】
可視光光源98は、円板状の基板102と、この基板102に実装された可視光を発光する複数の発光素子103と、基板102に実装されたコネクタ104と、を備えた光源モジュールで構成されている。コネクタ104には、一端側がコネクタ92に接続された可視光光源用の配線の他端側が電気的に接続される。可視光光源用の配線は、コネクタ92から処理筐体部81内を通って下枠部材83の下方に引き出され、取付部材99を挿通してコネクタ104に電気的に接続される。
【0052】
取付部材99は、下面側中央に可視光光源98および可視光光源ホルダ100を収容配置する凹部105が設けられ、この凹部105の周囲にガイド面部106が円周状に設けられている。ガイド面部106は、上方に向けて断面略Uの字形で円周状に設けられ、この上面側の凹状部分がファン25の停止時に埃フィルタ77から落下する埃を受け止める埃受部として機能する。ガイド面部106の上面側周辺部には、直径方向に対向する2箇所からスペーサ部107が上方に突設され、2つのスペース部107に対して直交した直径方向に対向する2箇所に取付爪部108が上方に突設されている。2つのスペーサ部107が下枠部材83のガイド面部93に当接し、2つの取付爪部108が下枠部材83の取付孔94に係合して取り付けられることにより、下枠部材83のガイド面部93と取付部材99のガイド面部106との間に空気処理部20に連通する円周状の隙間が形成され、この隙間が吸気口18として構成される。
【0053】
可視光光源ホルダ100は、中央が開口された円環状に形成されている。可視光光源ホルダ100は、可視光光源98の周辺部を保持し、取付部材99の凹部105内にねじ止めして取り付けられる。
【0054】
可視光光源カバー101は、可視光光源98からの光が透過するとともに透過する光の配光を制御する。
【0055】
また、埃フィルタ77は、例えば金網で構成され、処理筐体部81と下枠部材83との間に周辺部が挟み込まれて取り付けられ、処理筐体部81の吸気側開口84の全域を覆って配置されている。
【0056】
また、紫外線光源ユニット78は、紫外線光源110と、この紫外線光源110を配設する放熱ブロック111と、この放熱ブロック111を介して紫外線光源110を保持する紫外線光源ホルダ112と、を備えている。紫外線光源ユニット78は、2分割された処理筐体部81間に挟み込まれて取り付けられることにより、内部筐体75の空気処理部20の下部側に配置される。
【0057】
紫外線光源110は、吸気側開口84の上方、かつ、吸気側開口84から入ってきた空気が当たる位置に配置される。紫外線光源110は、空気処理部20内の上方に向かって紫外線(紫外領域の光)を照射する。紫外線光源110は、長方形の基板113と、この基板113に実装された紫外線を発光する発光素子114と、基板113に設けられた配線接続部115と、を備えた発光モジュールで構成されている。発光素子114には、空気を殺菌するためのピーク波長が300nm以下のUV-Cの波長成分の紫外線であって、好ましくは200~280nmの波長成分の紫外線を放射する第1LED(殺菌LED)と、後述の光触媒フィルタに担持された光触媒を励起するための少なくとも360nmから420nmのUV-Aもしくは可視領域の波長成分の光を放射する第2LED(光触媒LED)と、が用いられる。第1LED(殺菌LED)が放射する光の波長は、第2LED(光触媒LED)が放射する光の波長よりも短い。配線接続部115は、紫外線光源用の配線が直接電気的に接続される配線パターンのパッドでもよいし、コネクタでもよい。
【0058】
放熱ブロック111は、例えば金属製で、長尺状の直方体形状に形成され、上面側に紫外線光源110の基板113が取り付けられる。放熱ブロック111は、その表面積を増やして放熱性能を向上できるように、表面に凹凸部(目視できないような微小な凹凸も含む)が形成されていてもよい。
【0059】
紫外線光源ホルダ112は、例えば金属製で、中央が開口された円環状に形成されている。紫外線光源ホルダ112には、紫外線光源110が配設された放熱ブロック111が中央の開口部分を直径方向に横断するように取り付けられる。紫外線光源ホルダ112には、中央の開口部分の上方に、同心円状に例えば3重の遮光壁112aが間隔を空けて立設されている。遮光壁112aは、円周方向の両端が紫外線光源ホルダ112に支持され、隣り合う遮光壁112aの間および中央の開口部分が上下方向に開口されている。紫外線光源ホルダ112は、2分割された処理筐体部81間に挟み込まれて取り付けられることにより、内部筐体75の空気処理部20の下部側に配置され、紫外線光源ホルダ112の中央の開口部分が内部筐体75の吸気側開口84に連通されている。
【0060】
また、
図5ないし
図7、
図10ないし
図15に示すように、光触媒フィルタユニット79は、被保持物である光触媒フィルタ117と、この光触媒フィルタ117を保持して内部筐体75に着脱可能に取り付けられるホルダ118と、を備えている。光触媒フィルタユニット79は、内部筐体75の筒状部86の内側に上方から着脱可能に配置される。
【0061】
光触媒フィルタ117は、円形のブロック状で、厚み方向に貫通する複数の通気孔119が形成されている。光触媒フィルタ117は、担持体に酸化チタンなどの光触媒が保持・塗布されて担持されており、紫外線光源110から、例えば360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外線もしくは可視光を受けることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。
【0062】
ホルダ118は、例えば樹脂材料で形成されている。ホルダ118は、円環状または円筒状のベース部120と、このベース部120の直径方向に対向する2箇所から上方に突設された取付部121と、を備えている。
【0063】
ベース部120は、その内径が光触媒フィルタ117の直径よりも大きく、内側に光触媒フィルタ117を配置可能とする。
【0064】
ベース部120の内周面の下部側で、円周方向の複数箇所に、ベース部120の内側に配置される光触媒フィルタ117を支える支え部122が突出されている。複数の支え部122において最もベース部120の中央側に突出する先端側を通る仮想円の直径は光触媒フィルタ117の直径よりも小さく、ベース部120の内側に配置された光触媒フィルタ117を下方に対して抜け止め支持する。支え部122は、例えば3つであり、3つのうちの1つがベース部120の円周上で2つの取付部121からの中間位置に配置され、この1つに対して残りの2つがベース部120の円周方向に等間隔に配置され、したがって、3つの支え部122が取付部121とは異なる位置に配置されている。
【0065】
ベース部120の内周面の上部側で、直径方向に対向する2箇所に、支え部122上に支持された光触媒フィルタ117の上面側に突出し、支え部122との間に光触媒フィルタ117を挟み込むようにして保持する第1突出部123が突設されている。第1突出部123は、ベース部120に負荷をかけていない状態では、2つの第1突出部123の間の距離が光触媒フィルタ117の直径よりも短く、光触媒フィルタ117を支え部122との間に挟み込むようにしてベース部120に保持する。つまり、第1突出部123は、ベース部120の内側に配置された光触媒フィルタ117を上方に対して抜け止め支持する。第1突出部123の上部側には、ホルダ118に上方から挿入される光触媒フィルタ117を2つの第1突出部123の間に導く傾斜面124が設けられている。
【0066】
ベース部120の内周面の下部側で、2つの第1突出部123を結ぶ方向に対して交差(直交)する方向の2箇所に、第1突出部123よりもベース部120の内周面からの突出幅が小さい第2突出部125が突出されている。2つの第2突出部125の間の距離は、光触媒フィルタ117の直径よりも長い。第2突出部125の上部側には、ホルダ118に上方から挿入される光触媒フィルタ117が第2突出部125に引っ掛からないようにする傾斜面126が設けられている。第2突出部125は、光触媒フィルタ117を着脱する際に負荷をかける方向に設けられる。光触媒フィルタ117を取り外す際に、必要以上に負荷をかけてしまった場合、ホルダ118が破損してしまったり、光触媒フィルタ117を着脱できない状態となってしまったりする虞がある。第2突出部125は、必要以上にホルダ118へ負荷をかけないようにストッパとしても機能する。つまり、光触媒フィルタ117を取り外す際に、第2突出部125が光触媒フィルタ117に接触する負荷が最大負荷として制限される。
【0067】
ベース部120の内周面の下部側で、2つの第1突出部123を結ぶ方向の両側に、第1突出部123よりもベース部120の内周面からの突出幅が小さい第3突出部127が突出されている。2つの第3突出部127の間の距離は、光触媒フィルタ117の直径よりも長いかもしくは同じで、2つの第2突出部125の間の距離よりも短い。第3突出部127の上部側には、ホルダ118に上方から挿入される光触媒フィルタ117を2つの第3突出部127の間に導く傾斜面128が設けられている。
【0068】
2つの取付部121は、ベース部120から立ち上がる立上部129と、この立上部129の上部側から外径方向に突出された指掛け部130と、立上部129の外面側から突出されるとともに上部側に向うにしたがって突出幅が増加するガイドリブ131と、このガイドリブ131の上部側近傍に設けられた爪部132と、を備えている。
【0069】
2つの取付部121の立上部129は、内部筐体75の筒状部86に設けられた2つのホルダ取付部89の窪み部90に係合可能とするとともに、指掛け部130は、ホルダ取付部89上に配置可能とする。
【0070】
2つの取付部121の爪部132の先端間の距離は、2つのホルダ取付部89の窪み部90の内側面間の距離よりも長い関係にある。2つの取付部121を指で摘まんで互いに接近するように弾性変形させることにより、2つの取付部121の爪部132を2つのホルダ取付部89の窪み部90の取付孔91に対して着脱でき、取付状態では、爪部132が取付孔91に係合する方向に弾性力が作用する。
【0071】
ホルダ118は、2つの取付部121の立上部129が内部筐体75の2つのホルダ取付部89の窪み部90に係合して、ベース部120が内部筐体75の筒状部86の内側に上方から挿入され、挿入過程でガイドリブ131がホルダ取付部89の窪み部90に接触して2つの取付部121が接近するように弾性変形された後、ガイドリブ131の上部側の爪部132が取付孔91に係合され、内部筐体75の筒状部86に取り付けられる。
【0072】
ホルダ118は、ベース部120に負荷をかけていない状態では、2つの第1突出部123の間の距離よりも長い寸法の光触媒フィルタ117をベース部120に保持する。そして、2つの第1突出部123を結ぶ方向に対して交差する方向から指でベース部120を摘まんで負荷aをかけた状態では、円環状のベース部120が2つの第1突出部123を結ぶ方向の外径方向bに広がるようにたわむことで、2つの第1突出部123の間の距離が光触媒フィルタ117の寸法よりも広がり、光触媒フィルタ117をベース部120の上方から取り外し可能とする寸法関係を有する(
図15参照)。なお、ホルダ118に光触媒フィルタ117を取り付ける際も、同様に2つの第1突出部123間の距離が広がるようにベース部120をたわませることで、取り付けが可能となる。
【0073】
光触媒フィルタユニット79を内部筐体75に取り付けた状態では、光触媒フィルタ117が内部筐体75の排気側開口85を閉塞するように配設され、光触媒フィルタ117およびホルダ118のベース部120が内部筐体75の空気処理部20内に突出配置される。この光触媒フィルタ117およびホルダ118のベース部120が、内部筐体75の排気側開口85と少なくとも一部が重なるように排気側開口85の近傍に配設され、吸気口側開口84に向けて突出する突出部133である。
【0074】
次に、空気処理装置10の設置を説明する。
【0075】
天井面上(天井裏側)に配線されている電源線を埋込孔から引き出して電源部12に電気的に接続し、この電源部12を埋込孔に挿入して天井面上(天井裏側)に載置する。複数の取付ばね48を装置本体11の側面に沿うように弾性変形させた状態で埋込孔に挿入し、取付ばね48の操作を解除することにより、複数の取付ばね48がばね力によって天井面上で展開して装置本体11を天井面側に引き上げ、下部領域11bのフランジ部36が天井面に接触した状態に設置される。
【0076】
装置本体11の埋込領域11aが天井面に埋め込まれ、下部領域11bが天井面から露出し、天井面の下方空間である部屋内に配置される。下部領域11bには、少なくとも可視光光源ユニット76、吸気口18、排気口19が配置されている。
【0077】
次に、空気処理装置10の動作を説明する。
【0078】
電源部12から電力の供給を受けた制御基板27により、ファン25、可視光光源98、紫外線光源110に電力を供給して制御する。
【0079】
電力の供給を受けた可視光光源98が点灯することにより、可視光が部屋内に照射される。可視光光源98は、下部領域11bに吸気口18が設けられる場合でも、吸気口18を円環状とすることで、この吸気口18の内側に配置することができる。
【0080】
電力の供給を受けたファン25が回転することにより、部屋内の空気が、吸気口18と排気口19とを接続する流路22を通じて循環される。つまり、部屋内の空気が、処理ユニット17の下部領域11bの吸気口18、埃フィルタ77、吸気側開口85を通じて、空気処理部20の内部に吸い込まれ、空気処理部20に吸い込まれた空気は、紫外線が照射されることによって、また、光触媒の作用によって空気処理される。その後、光触媒フィルタ117の複数の通気孔119、排気側開口85を通じて、ファン25の下面側に吸い込まれる。ファン25の周面側から吐出される空気が、ガイド部材26の導風部65によって下方の外部筐体24の内周面と内部筐体75の外周面との間の外側経路21に向けて導風され、この外側通路21を通じて排気口19から部屋内に排気される。
【0081】
流路22上には、空気処理部20より上方のファン25に入る前の流路22の一部と、ファン25に入った後の流路22の一部とには、空気の流れの向きが180度異なる領域がある。
【0082】
このように、外部筐体24と、この外部筐体24内に着脱可能な内部筐体75と、の間の外側経路21を含む流路22を形成しているため、流路22を形成するために、装置内に流路形成部材が配設する必要がなく、構造を簡素化できる。
【0083】
排気口19が外部筐体24の側方に向けられて設けられているため、排気口19から排気される空気が部屋内の広い範囲に流れやすく、部屋の空気処理効果を高めることができる。
【0084】
電力の供給を受けた紫外線光源110が点灯することにより、紫外線が空気処理部20の内部に照射され、空気処理部20の内部を通過する空気が殺菌される。
【0085】
紫外線光源110からの紫外線は、対向して配置される光触媒フィルタ117にも照射される。光触媒フィルタ117では、紫外線光源110から照射される少なくとも360nmから420nmのUV-Aの波長成分の紫外領域の光もしくは可視光が照射されることで、活性酵素とOHラジカルを生成し、生成された活性酵素やOHラジカルによって、空気中のにおい成分を分解して脱臭、消臭したり、ウイルスの活動を抑制したりする。
【0086】
また、空気処理部20には、排気側開口85を閉塞するように、突出部133である光触媒フィルタ117およびホルダ118のベース部120が吸気口側開口84に向けて突出されている。そのため、空気処理部20の上部側には、空気処理部20の側壁面と光触媒フィルタ117およびホルダ118のベース部120の周囲との間に、空気の流れに渦流が生じる滞留空間135が形成される(
図5参照)。
【0087】
吸気側開口84から吸い込また空気の一部は、滞留空間135で渦流となって滞留した後に、光触媒フィルタ117の通気孔119からファン25側に排気される。この空気の流れが滞留することにより、空気が空気処理部20内に滞在する時間を長くすることができ、結果的に紫外線光源110からの紫外線の照射時間や、光触媒の作用を受ける時間を長くすることが可能となり、空気処理効果を向上できる。
【0088】
空気処理部20の排気側開口85の断面積が吸気側開口84の断面積よりも小さいこと、光触媒フィルタ117が排気側開口85を閉塞するように配設されることにより、滞留空間135での空気の渦流が発生しやすくなり、空気の流れを滞留させることができる。
【0089】
紫外線光源110が、吸気側開口84の上方で、かつ吸気側開口84から入ってきた空気が当たる位置に配置されていることにより、吸気側開口84から入ってきた空気がそのまま排気側開口85に流れるのを阻害し、空気の流れを滞留させやすくすることができる。
【0090】
また、吸気側開口84から入ってきた空気が紫外線光源110に当たる構成にすることで、紫外線光源110からの熱を放熱しやすくすることができ、紫外線光源110の温度を低減することが期待できる。
【0091】
また、空気処理装置10は、人感センサ69の検知に基づいて制御基板27の制御回路で動作を制御する。人感センサ69が検知領域に進入する人体を検知すると、可視光光源98を点灯し、ファン25を回転させるとともに紫外線光源110を点灯させる。可視光光源98を点灯と消灯の切り換え、ファン25の回転と停止および紫外線光源110の点灯と消灯の切り換えは、操作部71,72を操作して動作モードを選択することで切り換えることができる。
【0092】
運転モードとしては、可視光光源98の照度を「明」、「切」、「暗」に切り換えるモードと、ファン25の風量を「強」、「弱」に切り換えるモードと、人感センサ69が人体を検知してから、可視光光源98を消灯するまでの複数段階の時間、ファン25を停止および紫外線光源110を消灯するまでの時間を切り換える複数段階のモードと、などが含まれ、これらモードのうちのいずれかが各操作部71,72に設定される。
【0093】
操作部71,72は、部屋に露出する下部領域11bの側部に設けられているため、容易に切り換え操作することができる。操作のために、処理ユニット17を取り外すなどの動作を必要としない。しかも、操作部71,72は、下部領域11bの円周状の周面の一部に設けられた平面部62に配置されているため、操作しやすい。
【0094】
さらに、下部領域11bの上側に平面部62が設けられ、下部領域11bの下側は、円弧状に設けられているため、天井面に配置される下部領域11bを見上げた際に、下部領域11bで操作部71,72が隠れ、意匠性を向上できる。また、装置構造を知らない人が見ても操作部71、72が存在することが分からないため、いたずらを防止することも可能となる。
【0095】
さらに、下部領域11bの上側に平面部62に対して下部領域11bの下側の円周部分が突出しているために、指などが引っ掛かって下部領域11bの下側の化粧枠32に下向きの負荷が加わる虞がある。化粧枠32に下向きの負荷が加わった場合、化粧面部52を外す方向に力が加わり、化粧面部52が外れ、壊れてしまう虞がある。本実施形態においては、平面部62から突出部64が突出されていることにより、下部領域11bの下側の円周部分に指などが引っ掛かるのを抑制でき、例えば、操作部71、72を操作する際に、下部領域11bの下側の化粧枠32に下向きの負荷が加わるのを防止できる。しかも、突出部64は、平面部62の2つの操作部71,72間に突出されているため、操作部71,72の一方を操作する際に他方を誤って操作するのを防止できる。
【0096】
また、下部領域11bに設けられたモニタランプ70の表示を確認するによって、空気処理装置10の状態を確認することができる。モニタランプ70では、例えば、異常、空気処理中(殺菌中)、光触媒フィルタ117の交換時期、紫外線光源110の寿命などを、発光色や、点灯、消灯、点滅などで表示する。
【0097】
また、光触媒フィルタ117は、使用時間の経過に伴って汚れが付着し、処理能力に影響が生じるために、定期的に洗浄することが好ましい。この場合、処理ユニット17を本体ユニット16から取り外して作業することになる。
【0098】
処理ユニット17を本体ユニット16から取り外すには、処理ユニット17を押し上げながら、処理ユニット17の着脱マーク95が本体ユニット16の取付マーク59bの位置から着脱マーク59aの位置に移動するように、処理ユニット17を取外し方向(下面視で反時計回り方向)に回動させる。
【0099】
処理ユニット17を押し上げることにより、処理ユニット17の係合部87が、本体ユニット16の支持部66の外れ止め部67に干渉しない高さ、もしくは、係合部87が外れ止め部67を乗り越えるのに十分な高さに移動し、その状態で、処理ユニット17を取外し方向に回動させることにより、係合部87が支持部66上から一側の開口側を通じて外れ、かつ、着脱ガイド部97が取付溝部57から着脱溝部56に移動する。
【0100】
この着脱ガイド部97が取付溝部57から着脱溝部56に移動することにより、取付検知スイッチ73がオフし、処理ユニット17の取り付けを検知しなくなる。そのため、空気処理装置10に電力が供給された状態にあっても、制御基板27の制御回路は、ファン25や紫外線光源ユニット78側への電力の供給をしないように制御する。
【0101】
処理ユニット17を支えながら下方に移動させ、本体ユニット16の下方に取り出す。処理ユニット17は配線44で本体ユニット16と接続されているが、処理ユニット17を下方へ移動させると、配線44が引っ張られることで、押え部材45のアーム部47が付勢に抗して下方に揺動し、本体ユニット16の下方への処理ユニット17の取り出しを許容する。本体ユニット16の下方へ取り出した処理ユニット17のコネクタ92から、配線44のコネクタ43を外す。外した配線44は、押え部材45の付勢により、アーム部47で上方に引き上げられるとともに外部筐体24の内側面に押え付けられる。
【0102】
そして、光触媒フィルタ117を処理ユニット17から取り外すには、ホルダ118の2つの取付部121の指掛け部130を指で摘まんで互いに接近するように弾性変形させることにより、2つの取付部121の爪部132を2つのホルダ取付部89の窪み部90の取付孔91から外し、その状態で、ホルダ118を上方に引き上げることにより、内部筐体75から取り外す。
【0103】
取り外したホルダ118の2つの第1突出部123を結ぶ方向に対して交差する方向から指でベース部120を摘まんで負荷aをかけることにより、円環状のベース部120が2つの第1突出部123を結ぶ方向の外径方向bに広がるようにたわみ、2つの第1突出部123の間の距離が光触媒フィルタ117の寸法よりも広がり、光触媒フィルタ117をベース部120の上方に移動させて取り外すことができる。取り外した光触媒フィルタ117は洗浄する。
【0104】
洗浄の完了した光触媒フィルタ117、あるいは交換する新しい光触媒フィルタ117をホルダ118に取り付けるには、光触媒フィルタ117を上方からベース部120の内側域に配置し、上方から押し込むことにより、光触媒フィルタ117で2つの第1突出部123を結ぶ方向に外径方向bに押し広げながら、光触媒フィルタ117が2つの第1突出部123を乗り越えることにより、支え部122と第1突出部123との間に挟み込まれて保持される。光触媒フィルタ117の周面は、2つの第2突出部125と対向され、2つの第3突出部127と当接して保持され、光触媒フィルタ117の水平方向のがたつきが抑制される。
【0105】
組み立てた光触媒フィルタユニット79を内部筐体75に取り付けるには、ホルダ118の2つの取付部121の立上部129を内部筐体75の2つのホルダ取付部89の窪み部90に係合し、ベース部120を内部筐体75の筒状部86の内側に上方から挿入する。この挿入過程で、ガイドリブ131がホルダ取付部89の窪み部90に接触して2つの取付部121が接近するように弾性変形した後、ガイドリブ131の上部側の爪部132が取付孔91に係合するとともに、取付部121の指掛け部130がホルダ取付部89の上側に係合し、内部筐体75の筒状部86に取り付けられる。
【0106】
また、取り外した処理ユニット17の埃フィルタ77に捕獲された埃を取り除くには、可視光光源ユニット76を内部筐体75から取り外す。可視光光源ユニット76の取付部材99の2つの取付爪部108を中央側に押して内部筐体75の取付孔94から外すことで、可視光光源ユニット76を内部筐体75から取り外すことができる。取り外した可視光光源ユニット76は、内部筐体75側との間の可視光光源用の配線が接続されたまま、内部筐体75から横にずらして埃フィルタ77を露出させ、掃除機などで吸い取って埃を除去する。埃の除去後は、可視光光源ユニット76の取付部材99の2つの取付爪部108を内部筐体75の2つの取付孔94に押し込んで係合させることにより、可視光光源ユニット76を内部筐体75取り付ける。なお、埃フィルタ77の清掃は、処理ユニット17が本体ユニット16に取り付けられた状態においても、可視光光源ユニット76を取り外すことで実施できる。
【0107】
また、取り外した処理ユニット17を本体ユニット16に取り付けるには、本体ユニット16内からコネクタ43を持って配線44を下方に引き出し、本体ユニット16の下方で、コネクタ43を処理ユニット17のコネクタ92に接続する。引き出した配線44とともに押え部材45のアーム部47が付勢に抗して下方に揺動する。
【0108】
処理ユニット17の着脱マーク95を本体ユニット16の着脱マーク59aの位置に合わせて、処理ユニット17を本体ユニット16に挿入する。本体ユニット16に対する処理ユニット17の挿入位置が正しければ、処理ユニット17の着脱ガイド部97が本体ユニット16の着脱溝部56を挿通して処理ユニット17を本体ユニット16内の最も奥側位置まで挿入できる。一方、本体ユニット16に対する処理ユニット17の挿入位置が正しくなければ、処理ユニット17の着脱ガイド部97が本体ユニット16の着脱溝部56の位置に合わず、処理ユニット17を本体ユニット16内の最も奥側位置まで挿入できないで、処理ユニット17の下部側が本体ユニット16の下方に突出した状態となる。この状態で処理ユニット17を回動させて、処理ユニット17の着脱ガイド部97を本体ユニット16の着脱溝部56に合わせて挿通させてもよい。
【0109】
処理ユニット17を本体ユニット16内に挿入していくと、配線44に緩みが生じることになるが、押え部材45の付勢により、アーム部47で配線44を上方に引き上げるとともに外部筐体24の内側面に向けて押え付けていくことにより、配線44が絡んだり、引っ掛かるのを防止できる。
【0110】
処理ユニット17を本体ユニット16内の最も奥側位置まで挿入すると、処理ユニット17の位置決め部96が本体ユニット16の位置決め部58の挿入位置決め部58bに当接して位置決めされる。この状態で、処理ユニット17の係合部87が本体ユニット16の支持部66の外れ止め部67の上方に位置される。
【0111】
処理ユニット17の着脱マーク95が本体ユニット16の着脱マーク59aの位置から取付マーク59bの位置に移動するように、処理ユニット17を取付方向(下面視で時計回り方向)に回動させる。これにより、処理ユニット17の係合部87が本体ユニット16の支持部66上に移動し、着脱ガイド部97が着脱溝部56から取付溝部57に移動する。処理ユニット17の取付方向への回動は、係合部87が支持部66の開口側とは反対の側壁に当接すること、着脱ガイド部97のストッパ部97bが取付溝部57の下部側の側壁に当接することで、所定の取付位置で規制される。
【0112】
処理ユニット17の押し上げを解除することにより、処理ユニット17の係合部87が本体ユニット16の支持部66上に載って支持され、外れ止め部67により支持部66上から外れるのが防止される。
【0113】
処理ユニット17を所定の取付位置に取り付けると、着脱ガイド部97が取付溝部57の位置に移動して取付検知スイッチ73をオンし、処理ユニット17の取付状態を検知する。そのため、制御基板27の制御回路は、ファン25や紫外線光源ユニット78側への電力の供給を可能とする。
【0114】
また、押え部材45の付勢により、アーム部47で配線44を上方に引き上げるとともに外部筐体24の内側面に向けて押え付けることにより、配線44の弛みを低減する。そのため、配線44が流路22に配置されていても、空気の流れにより、配線44が動いて絡まったり、流路22の空気の流れを妨げるのを低減できる。
【0115】
このように、本実施形態の空気処理装置10では、設置時に部屋に露出する下部領域11bに、吸気口18(第1口18a)が円周状に設けられるとともに、吸気口18よりも外側に排気口19(第2口19a)が円周状に設けられ、これら吸気口18と排気口19とを流路22で接続し、この流路22上であって吸気口18よりも上側に空気処理部20が設けられ、この空気処理部20には、上方に向かって紫外線を照射する紫外線光源110と、この紫外線光源110の上方に位置する光触媒フィルタ117を有することにより、部屋への突出を抑制し、空気処理を確実にできる。
【0116】
流路22上であって、空気処理部20より上方にファン25を備え、ファン25に入る前の流路22の一部と、ファン25に入った後の流路22の一部とには、空気の流れの向きが180度異なる領域があることにより、部屋への突出を抑制し、空気処理を確実にできる。
【0117】
なお、空気処理装置10は、可視光光源ユニット76を備えない構成であってもよい。この場合、可視光光源ユニット76が配設される位置が空洞となるため、その空洞を所定の部材で閉塞するように構成されていてもよい。また、可視光光源ユニット76に変えて、別の機能部品を配置してもよい。ここでの別の機能部品とは、例えば、ディスプレイ、スピーカー、プロジェクタ、匂いを発する芳香部などである。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 空気処理装置
18a 第1口
19a 第2口
20 空気処理部
21 外側経路
22 流路
24 外部筐体
75 内部筐体
110 紫外線光源
117 光触媒フィルタ