(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071219
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240517BHJP
B60L 1/00 20060101ALI20240517BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240517BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240517BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20240517BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/00 P
B60L1/00 L
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182053
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 采人
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA08
5G503FA06
5G503GC04
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC22
5H125BC24
5H125BC25
5H125CD02
5H125DD04
5H125EE41
5H125EE47
5H125EE48
(57)【要約】
【課題】プラグイン車両において、ユーザの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る制御装置は、車載のバッテリから車両外部に給電する外部給電が可能なプラグイン車両を制御するコントローラを備える。また、上記コントローラは、外部給電状態にあるときに外部給電端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載のバッテリから車両外部に給電する外部給電が可能なプラグイン車両を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
外部給電状態にあるときに外部給電端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行う、
制御装置。
【請求項2】
前記プラグイン車両は、
外部給電中にエアコンを含む車両の補機装置を作動させることが可能な車両である、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記外部給電端子が取り外されてから第1時間が経過しても車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知処理を実行する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1時間が経過する前であってもユーザの降車動作を検出した場合に、前記報知処理を実行する、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記報知処理が開始されてから第2時間が経過した場合に、前記報知処理を停止する、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
車両電源をオンまたはオフする制御を実行可能に設けられ、前記報知処理が開始されてから第3時間が経過した場合に、車両電源をオフする、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項7】
前記プラグイン車両は、
車両電源をオンまたはオフする操作がキーシリンダに対するユーザのキー操作によって行われる車両である、
請求項1~6のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記プラグイン車両は、
外部給電状態にあるときには、外部給電端子の車両からの取り外しがあっても、車両電源をオフする処理を行わない車両である、
請求項1~6のいずれか一つに記載の制御装置。
【請求項9】
外部給電状態および外部充電状態の少なくともいずれかの状態である場合に、車両の補機装置を作動可能な状態にするプラグイン車両を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
外部端子を車両に接続して、外部給電状態と外部充電状態との少なくともいずれかの状態にあるときに、前記外部端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行う、
制御装置。
【請求項10】
車載のバッテリから車両外部に給電する外部給電が可能なプラグイン車両を制御する制御方法であって、
外部給電状態にあるときに外部給電端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行うこと、
を含む、制御方法。
【請求項11】
外部給電状態および外部充電状態の少なくともいずれかの状態である場合に、車両の補機装置を作動可能な状態にするプラグイン車両を制御する制御方法であって、
外部端子を車両に接続して、外部給電状態と外部充電状態との少なくともいずれかの状態にあるときに、前記外部端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行うこと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両電源をオンまたはオフする操作部品がプッシュボタンである車両において、ユーザが車両電源をオフする操作を行わずに車両を離れた場合に、自動的に車両電源をオフする機能を有する車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)等のプラグイン車両が知られている。プラグイン車両は、車両外部の外部機器に対してプラグを用いて接続され、プラグを介して外部機器への給電(以下、「外部給電」と言う)や外部機器からの充電(以下、「外部充電」と言う)が可能な車両である(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-012578号公報
【特許文献2】特開2009-295433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなプラグイン車両では、外部給電や外部充電を終了した際には、バッテリの無駄な消費を抑制するために、電源を自動的にオフすることが望ましい。
【0006】
しかしながら、車両の仕様によっては電源が自動的にオフされない場合もある。このような場合、ユーザは、車両電源がオンの状態からプラグを取り外して外部給電や外部充電を終了させることで、車両の電源も自動的にオフされると勘違いしてしまい、車両の電源をオフする操作をし忘れてしまう可能性がある。
【0007】
外部給電や外部充電を終了した際に電源が自動的にオフされない場合としては、例えば車両が、外部給電や外部充電に際してユーザが車内でエアコン等の補機装置を利用可能とするために車両電源をオンの状態にし、外部給電や外部充電が終了しても車両電源がオンの状態を維持するプラグイン車両の場合がある。また、例えば車両が、車両電源をオンまたはオフする操作部品がキーシリンダであり、車両電源をオフするために必ずユーザによるキー操作を要するプラグイン車両の場合がある。
【0008】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、プラグイン車両において、ユーザの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の一態様に係る制御装置は、車載のバッテリから車両外部に給電する外部給電が可能なプラグイン車両を制御するコントローラを備える。また、前記コントローラは、外部給電状態にあるときに外部給電端子の車両からの取り外しがあり、かつ、車両電源をオフする操作がない場合に、ユーザに対する報知を行う。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、プラグイン車両において、ユーザの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る制御システムの概要説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る制御システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る報知制御処理の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る制御装置が実行する処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る制御装置が実行する処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【
図6】
図6は、変形例に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する制御装置および制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
また、以下では、実施形態に係る車両Vが、車両外部の外部機器50に対してプラグPを用いて接続され、プラグPを介して「外部給電」や「外部充電」が可能に設けられたプラグイン車両である例を挙げる。ここで、「外部給電」は、自車両(バッテリ)から車外(家電等の電化製品、自宅等の建物、他車両等)に電力を供給することを指す。「外部充電」は、車外(充電スタンド、自宅等の建物、他車両等)から自車両(バッテリ)に電力を供給することを指す。
【0014】
プラグイン車両は、例えばPHVや、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)や、パーソナルモビリティと呼ばれる超小型BEV(Battery Electric Vehicle)等である。実施形態に係る制御システム10は、このような車両Vに搭載され、車両Vを制御するシステムであるものとする。
【0015】
また、以下では、「車両電源」は、「IG(Ignition)電源」を指すものとする。このIG電源がオンの状態は、「IGオン」と表現する場合がある。同様に、IG電源がオフの状態は、「IGオフ」と表現する場合がある。また、以下では、外部給電が行われる場合を主たる例に挙げて説明を行う。
【0016】
図1は、実施形態に係る制御システム10の概要説明図である。
図1に示すように、制御システム10は、車両Vに搭載される。車両Vは、例えば1人~2人用の超小型車両(パーソナルモビリティ)である。また、車両Vは、
図1に示すように、車両外部の外部機器50に対してプラグPを用いて接続され、プラグPを介して外部給電や外部充電が可能に設けられたプラグイン車両である。
【0017】
外部給電の際に用いられるプラグPである外部給電プラグには、高電圧・高電流に対応した専用プラグが含まれる。この専用プラグは、基本的に、車体の外周部等、車両Vの外部に向けた位置に差し込み口が設けられるが、車室内に差し込み口を設けてもよい。また、外部給電プラグには、家電製品等(専用プラグに比べて低電圧・低電流)に対応した給電コンセントも含まれる。この給電コンセントは、車体の外周部と車内のどちらに設けてもよい。また、出力は、AC(Alternating Current)とDC(Direct Current)のどちらでもよい。
【0018】
外部給電が行われる場合、外部機器50は、例えば家電品などである。また、外部充電が行われる場合、外部機器50は、例えば車両Vに対して給電を行う給電装置などである。
【0019】
制御システム10は、操作部12と、バッテリ15と、エアコン16aと、制御装置100とを含む。
【0020】
操作部12は、ユーザUによる操作を受け付ける操作部品群である。操作部12は、例えばユーザUがIG電源をオンまたはオフする操作を受け付ける。この場合、IG電源をオンまたはオフする操作部品は、プッシュボタンやキーシリンダによって実現される。本実施形態では、この操作部品がキーシリンダである場合で説明を行うが、プッシュボタンに置き換えてもよいものとする。
【0021】
また、操作部12は、例えば外部給電が行われる場合に必要となるユーザUの操作を受け付ける。また、操作部12は、例えば走行時におけるユーザUの運転操作である、ステアリング操作やアクセル操作などを受け付ける。
【0022】
バッテリ15は、車両Vに搭載される二次電池である。バッテリ15は、図示略の走行用バッテリと補機バッテリとを含む。エアコン16aは、後に
図2に示す補機装置16の一例に相当する。
【0023】
制御装置100は、車両Vを制御するコンピュータである。制御装置100は、例えばVCU(Vehicle Control Unit)と呼ばれる車両統合制御電子機器として実現される。制御装置100は、操作部12、バッテリ15およびエアコン16aと接続される。制御装置100は、車両Vの「システム制御」、「走行制御」、「ボデー制御」を集約して制御する統合制御装置である。
【0024】
制御装置100は、「システム制御」では、例えば操作部12を介したユーザUのIG電源をオンする操作に応じて車両Vの各種機器を起動させ、車両Vを走行できる状態や外部給電などを行える状態にする。また、制御装置100は、「システム制御」では、例えば操作部12を介したユーザUのIG電源をオフする操作に応じて車両Vをシャットダウンする。
【0025】
また、制御装置100は、「走行制御」では、例えばユーザの加速意図を示すアクセルの踏み込み度合いに応じて走行用モータで発生させるトルクを制御する。また、制御装置100は、「走行制御」では、例えばユーザの操舵意図を示すステアリングの回転度合いに応じて車両Vの進行方向を制御する。
【0026】
また、制御装置100は、「ボデー制御」では、例えば後に
図2に示すブザー17aや、ランプ17bや、メーター17cや、ドア18のロックといったボデー系の各種機器の動作を管理する。
【0027】
ここで、
図1に示すように、車両Vが、ユーザUによって外部機器50に対してプラグPを用いて接続され、プラグPを介して外部給電が行われるユースケースについて説明する。
【0028】
外部給電が行われるユースケースは、例えば、キャンプや車中泊、車内での留守番といった場面において、車両Vから車外にある機器に給電しながら車両Vの周辺でユーザUが過ごす場合や、車両Vから車内にある機器に給電しながら、車内でユーザUが過ごす場合などが考えられる。機器としては、冷蔵庫、照明器具、調理器具、ドライヤー、掃除機等が挙げられる。
【0029】
外部給電は、車両Vが「IGオン」の状態であり、かつ、走行可能状態でない「Readyオフ」の状態の時に行うことができる。また、外部給電のユースケースは、外部給電中にユーザUが車両Vの近くや車内で過ごすことが想定されている。このため、外部給電中は、ユーザUが車内でエアコン16a等の補機装置16を利用可能となっている。すなわち、車両Vは、外部給電中にエアコン16aを含む車両Vの補機装置16を作動させることが可能な車両である。これにより、ユーザUは、外部給電中に車内で快適に過ごすことができる。
【0030】
なお、外部充電についても説明しておくと、外部充電のユースケースは、外部給電の場合とは異なり、外部充電中にユーザUが車両Vの近くや車内で過ごすことが少ないと考えられる。よって、外部充電は、車両Vが「IGオフ」の状態で行うことができる仕様にすることが考えられる。この場合には、外部充電中は、「IGオフ」であることでユーザUは車内で補機装置16を利用できない仕様となる場合が多い。しかしながら、この仕様ではユーザUが不便さを感じるケースもあるので、外部充電中にもユーザUが車内で補機装置16を利用可能としてもよい。例えば、「マイルームモード」と呼ばれる外部充電中も車室内で補機装置16等を利用可能なモードを設けることが考えられる。このように、外部充電中に車室内での補機装置16等の利用可能にする場合には、以下説明する外部給電の場合と同様に本実施形態を適用してもよい。
【0031】
外部給電の説明に戻る。ところで、プラグイン車両において、IG電源がオンの状態からユーザUにより外部機器50へのプラグPが取り外された場合に、自動的にIG電源をオフする方法として、以下のような方法が考えられる。
【0032】
プラグイン車両は、ユーザUがプラグPを車両Vから取り外した外部給電後、HV-ECU(Electric Control Unit)から「自動IGオフ要求」を照合ECUに対し送信することで車両Vを「IGオフ」の状態にする。「自動IGオフ要求」は、「Readyオン履歴なし」(すなわち、「Readyオン」の状態になっていないこと)を前提条件とする。また、このプラグイン車両は、外部給電中にエアコンの使用を可能にするために、システム制御HV-ECUがエアコンECUへ「空調許可信号」を送信することで、外部給電中の「Readyオフ」の状態のまま(「Readyオン」の状態にすることなく)補機装置16を作動させることを可能にする。
【0033】
しかしながら、この方法が採用できるプラグイン車両は、照合ECU等のような多数のECUを搭載した車両であり、超小型車両のような、車両の機能の削減や機能の統合を行うことで、搭載するECUの数を減らした車両では採用できず、このような車両では、IG電源がオンの状態からプラグPを取り外しても自動的にIG電源をオフの状態にできない。
【0034】
例えば、機能削減等でプラグイン車両のエアコンECUに、前述の「空調許可信号」のインターフェイスを設けていない場合においては、擬似的に「Readyオン」状態となることで補機装置16を作動可能にすることが考えられる。しかしながら、このような対応を取った場合には、外部給電中にエアコン等の使用は可能になるが、そのために「Readyオン」状態にすることから、「自動IGオフ要求」するための「Readyオン履歴なし」が満たせず、「自動IGオフ要求」を用いることができず自動的にIG電源をオフの状態にすることができない。
【0035】
また、本実施形態の車両Vのように、IG電源をオンまたはオフする操作部品がキーシリンダである場合、IG電源をオフするためには必ずユーザUによるキー操作を要する。よって、このようなキーシリンダ式の車両Vの場合には、外部給電が終わったとしても、ユーザUのキー操作なしで、車両側で自動的にIG電源をオフ状態にすることはできない。
【0036】
こうした外部給電時に、自動的にIG電源をオフ状態にすることができないプラグイン車両は、外部給電中にプラグPを取り外すことで自動的にIG電源がオフされるとユーザUに勘違いさせてしまう可能性がある。そして、IG電源がオンのままユーザUが車両を離れることで、外部給電が行われておらず、また、ユーザUが車両内に居ないにも限らず、車両の電源オンが維持されてバッテリの電力を無駄に消費し、結果的にバッテリ上がりを生じさせてしまう可能性がある。
【0037】
そこで、本実施形態では、制御装置100が、外部給電状態からのプラグPの取り外しがあり、かつ、IG電源をオフする操作がない場合に、ユーザUに対する報知を行うこととした。
【0038】
具体的には、
図1に示すように、制御装置100は、プラグPが取り外されたが、IG電源をオフする操作がないことを検出した場合に、ユーザUに対する報知処理を実行する(ステップS1)。
【0039】
報知処理は、例えばユーザUに対しブザー17a(
図2参照)を鳴らすことによって、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知する。また、報知処理は、例えばブザー17aを鳴らす態様に応じてランプ17bやメーター17c(いずれも
図2参照)を点灯させることによって、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知する。
【0040】
また、報知処理は、例えば外部給電後からの経過時間によって、報知内容の重要度を示す報知レベルが変化するように、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知する。このような報知処理の具体例については、
図3を用いた説明で後述する。
【0041】
このように、実施形態に係る制御システム10は、制御装置100が、外部給電状態からのプラグPの取り外しがあり、かつ、IG電源をオフする操作がない場合に、ユーザUに対する報知を行う。
【0042】
したがって、実施形態に係る制御システム10によれば、IG電源がオンの状態から外部機器50へのプラグPを取り外しても自動的にIG電源がオフの状態とはならない車両Vにおいて、IG電源をオフする操作をユーザUに促すことができる。また、これにより、車両Vにおいて、ユーザUの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、IG電源をオンまたはオフする操作部品がキーシリンダである。実施形態に係る制御システム10によれば、キーシリンダにより自動的にIG電源をオフの状態にすることができない車両Vにおいて、IG電源をオフする操作をユーザUに促すことができ、ユーザUの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。
【0044】
なお、IG電源の操作部品が、キーシリンダ式でなくプッシュボタン式の車両(ただし、車両の機能削減等によって、外部給電時にIG電源の自動オフができない車両)であってもよい。すなわち、車両Vは、外部給電状態にあるときには、プラグPの車両からの取り外しがあっても、IG電源をオフする処理を行わない車両であってもよい。これにより、外部給電状態にあるときにプラグPの取り外しがあっても自動的にIG電源をオフの状態にすることができない車両Vにおいて、IG電源をオフする操作をユーザUに促すことができ、ユーザUの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。
【0045】
以下、実施形態に係る制御システム10の構成例について、より具体的に説明する。
図2は、実施形態に係る制御システム10の構成例を示すブロック図である。なお、
図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0046】
換言すれば、
図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0047】
また、
図2を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、説明を省略する場合がある。
【0048】
図2に示すように、実施形態に係る制御システム10は、走行系11と、操作部12と、外部給電口13と、外部充電口14と、バッテリ15と、補機装置16と、報知部17と、ドア18とを含む。報知部17は、ブザー17aと、ランプ17bと、メーター17cとを含む。
【0049】
また、制御システム10は、制御装置100をさらに含む。制御装置100は、走行系11と、操作部12と、外部給電口13と、外部充電口14と、バッテリ15と、補機装置16と、報知部17と、ドア18の各種機器と車載ネットワークを介して接続される。
【0050】
走行系11は、車両Vの走行系機構を構成する各種機器である。走行系11は、例えば走行用モータや、インバータ等を含む。操作部12は説明済みのため、ここでの説明を省略する。
【0051】
外部給電口13は、外部給電の際に用いられる外部給電プラグP1の差込口となるインターフェイスである。外部充電口14は、外部充電の際に用いられる外部充電プラグP2の差込口となるインターフェイスである。
【0052】
なお、外部給電口13および外部充電口14は、例えば車体のフロントグリル付近やリヤフェンダー付近に設けられるが、あくまで例であり車体のいずれに設けられてもよい。また、外部給電口13および外部充電口14は、1つのコネクタによって一体に設けられてもよい。また、外部給電口13は、車室内にコンセントとして設けられてもよい。
【0053】
バッテリ15および補機装置16は説明済みのため、ここでの説明を省略する。報知部17は、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知する。ブザー17aは、ブザー音によってIG電源をオフする操作をユーザUに促す。ブザー17aは、例えばインストゥルメントパネル付近に設けられる。ブザー17aは、車室の外側に設けられてもよい。
【0054】
ランプ17bは、ヘッドランプや、ターンランプや、ブレーキランプや、ハザードランプといったランプ類の点灯によってIG電源をオフする操作をユーザUに促す。
【0055】
メーター17cは、インストゥルメントパネル付近に設けられる。メーター17cは、例えばディスプレイによって実現される。メーター17cは、車両Vの各種状態を示すメーター類やインジケーター類を表示する。メーター17cは、例えば表示内容を変化させることによってIG電源をオフする操作をユーザUに促す。
【0056】
なお、報知部17は、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知することができる他のデバイス、例えばスピーカーなどをさらに含んでもよい。
【0057】
ドア18は、ユーザUによって開閉された場合に、開閉されたことを示す開閉信号を制御装置100へ送信する。
【0058】
制御装置100は、記憶部110と、コントローラ120とを有する。記憶部110は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ディスク装置等の記憶デバイスによって実現される。
図2の例では、記憶部110は、プログラム情報111と、IGオフ履歴情報112と、報知制御処理情報113とを記憶する。
【0059】
プログラム情報111は、後述するコントローラ120が実行する情報処理を実行する各種プログラムが格納される。IGオフ履歴情報112は、ユーザUによりIG電源をオフする操作が行われた否かを示すフラグ値であるIGオフ履歴が格納される。
【0060】
IGオフ履歴は、ユーザUによりIG電源をオフする操作が行われた場合、「あり」を示すフラグ値がセットされる。IGオフ履歴は、ユーザUによりIG電源をオフする操作が行われていない場合、「なし」を示すフラグ値がセットされる。IGオフ履歴は、レジスタによって実現されてもよいし、プログラム上の変数によって表現されてもよい。
【0061】
報知制御処理情報113は、後述する報知制御部123aが実行する報知制御処理において用いられる各種の該当条件や、閾値等が設定された情報である。報知制御部123aは、
図1に示したステップS1を報知制御処理として実行する。なお、以下では、報知制御部123aが実行する報知制御処理によって実現される機能のことを、「IGオフ忘れ防止機能」と言う場合がある。
【0062】
コントローラ(Controller)120は、いわゆるプロセッサや制御部に相当する構成要素である。コントローラ120は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、プログラム情報111に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、コントローラ120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0063】
コントローラ120は、走行制御部121と、システム制御部122と、ボデー制御部123とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0064】
走行制御部121は、前述の「走行制御」を実行する。具体的には、走行制御部121は、システム制御部122によって検出された操作部12からの各種の操作状態に応じて走行系を制御する。
【0065】
システム制御部122は、前述の「システム制御」を実行する。システム制御部122は、操作状態検出部122aと、外部給電制御部122bと、外部充電制御部122cとを有する。操作状態検出部122aは、操作部12に対するユーザUの操作を検出する。システム制御部122は、操作状態検出部122aの検出結果に基づいて走行制御部121に走行系11を制御させる。
【0066】
なお、操作状態検出部122aは、ユーザUによるIG電源をオフする操作を検出した場合、IGオフ履歴情報112のIGオフ履歴へ「あり」をセットする。また、操作状態検出部122aは、ユーザUによるIG電源をオンする操作を検出した場合、IGオフ履歴情報112のIGオフ履歴へ「なし」をセットする。
【0067】
また、操作状態検出部122aは、外部給電口13に対する外部給電プラグP1の着脱状態を検出する。また、操作状態検出部122aは、外部充電口14に対する外部充電プラグP2の着脱状態を検出する。
【0068】
外部給電制御部122bは、操作状態検出部122aの検出結果に基づいてバッテリ15から外部機器50に対して行う外部給電を制御する。外部充電制御部122cは、操作状態検出部122aの検出結果に基づいて外部機器50からバッテリ15に対して行う外部充電を制御する。
【0069】
また、システム制御部122は、操作状態検出部122aの検出結果、外部給電制御部122bによる外部給電状態、および、外部充電制御部122cによる外部充電状態等を含むシステム制御状態をボデー制御部123へ通知する。
【0070】
ボデー制御部123は、前述の「ボデー制御」を実行する。すなわち、ボデー制御部123は、ブザー17aや、ランプ17bや、メーター17cや、ドア18といったボデー系の各種機器の動作を管理する。また、ボデー制御部123は、前述の「IGオフ忘れ防止機能」を提供する。
【0071】
ボデー制御部123は、報知制御部123aと、ボデー状態検出部123bとを有する。報知制御部123aは、「IGオフ忘れ防止機能」を実現する報知制御処理を実行する。
【0072】
ここで、
図3を用いて、実施形態に係る報知制御処理の具体例について説明する。
図3は、実施形態に係る報知制御処理の具体例を示す図である。
図3に示すように、報知制御部123aは、報知制御処理情報113に設定された各種の該当条件に応じて、ユーザUに対して行う報知処理の処理内容を変化させる。
【0073】
まず、報知制御部123aは、該当条件として外部給電後、時間T1(例えば10秒)が経過したこと、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」であること、IGオンであることがすべて成立した場合に、第1報知処理を実行する。なお、時間T1は、「第1時間」の一例に相当する。第1報知処理では、報知制御部123aは、例えばブザー17aによる単発ブザーを鳴らすことと、単発ブザーに応じたランプ17bの点灯およびメーター17cの表示を行うことを実行する。単発ブザーを鳴らすことは、ブザー17aを「ピー」のように単発で一回鳴らすことである。これにより、ユーザUが車両Vの近くにいる可能性が高い段階で、ユーザUにIGオフの操作を行うことを注意喚起することができる。
【0074】
また、報知制御部123aは、該当条件として外部給電後、時間T1が未経過であること、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」であること、IGオンであること、ユーザUの降車動作を検出したことがすべて成立した場合に、第1報知処理を実行してもよい。これにより、ユーザUが車両Vを降りようとした段階で、ユーザUにIGオフの操作を行うことを注意喚起することができる。
【0075】
また、報知制御部123aは、該当条件として外部給電後、時間T2(例えば20秒)が経過したこと、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」であること、IGオンであることがすべて成立した場合に、第1報知処理に替えて第2報知処理を実行する。第2報知処理は、第1報知処理よりも前述の報知レベルが高い報知処理である。これにより、ユーザUが車両Vからさらに離れようとする段階で、ユーザUにIGオフの操作を行うことを強く警告することができる。
【0076】
第2報知処理では、報知制御部123aは、例えばブザー17aによる断続ブザーを鳴らすことと、断続ブザーに応じたランプ17bの点灯およびメーター17cの表示を行うことを実行する。断続ブザーを鳴らすことは、ブザー17aを「ピー、ピー、ピー、…」のように鳴らし続けることである。
【0077】
また、報知制御部123aは、該当条件として第2報知処理の断続ブザーが時間T3(例えば60秒)継続したこと、外部給電後のIGオフ履歴が「あり」であることのいずれかが成立した場合に、第2報知処理を停止する。これにより、制御装置100は、報知処理によって電力が浪費されてしまうのを抑制することができる。なお、時間T3は、「第2時間」の一例に相当する。
【0078】
なお、IG電源をオンまたはオフする操作部品が本実施形態のようにキーシリンダではなくプッシュボタンのような電子部品であり、また、車両に、外部給電中に自動でIG電源をオフする機能を設けている場合は、第2報知処理の停止後に例えばシステム制御部122がIG電源をオフする制御を行うようにしてもよい。
【0079】
この場合、システム制御部122は、IG電源をオンまたはオフする制御を実行可能に設けられる。そして、システム制御部122は、例えば第2報知処理が開始されてから時間T3よりも長い時間T4(例えば90秒)が経過した場合に、IG電源をオフする。これにより、ユーザUが、操作を促す報知を受けたにも関わらずIG電源をオフする操作を行わなかった場合でも、ユーザUの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。なお、時間T4は、「第3時間」の一例に相当する。
【0080】
また、この場合、報知制御部123aは、IG電源をオフする場合に、ユーザUに対しIG電源をオフする旨を報知する。報知制御部123aは、例えば予め決められたIG電源をオフすることを示す態様で報知部17による報知を行う。この時、報知制御部123aは、報知部17にスピーカーが含まれる場合、スピーカーを用いた音声による報知を行ってもよい。これにより、ユーザUが、操作を促す報知を受けたにも関わらずIG電源をオフする操作を行わなかった場合に、ユーザUに対しIG電源をオフすることを報知することができる。
【0081】
また、報知制御部123aは、IG電源をオフした後に、ユーザUに対しIG電源をオフした理由、すなわちIG電源をオフしていないためバッテリ上がりを防ぐためにIG電源をオフしたことを報知するようにしてもよい。制御装置100は、補機バッテリによる常時電源で動作可能であるため、IG電源をオフした後であっても当該報知処理を実行可能である。これにより、ユーザUが、操作を促す報知を受けたにも関わらずIG電源をオフする操作を行わなかった場合に、ユーザUに対しIG電源をオフした理由を報知することができる。
【0082】
なお、ユーザUが車両Vから遠くに離れてしまった場合、報知制御部123aは、例えばユーザUが携帯するスマートフォン等のユーザ端末への報知を行うようにしてもよい。この変形例は、
図6を用いた説明で後述する。
【0083】
図2の説明に戻る。ボデー状態検出部123bは、ボデー系の各種機器の状態を検出する。ボデー状態検出部123bは、例えばドア18から送信された前述の開閉信号に基づいてユーザUの降車動作を検出する。また、ボデー状態検出部123bは、ユーザUの降車動作を検出した場合、当該検出結果を報知制御部123aへ通知する。
【0084】
次に、制御装置100が実行する処理手順について、
図4および
図5を用いて説明する。
図4は、実施形態に係る制御装置100が実行する処理手順を示すフローチャート(その1)である。また、
図5は、実施形態に係る制御装置100が実行する処理手順を示すフローチャート(その2)である。
図5の処理手順は、
図4のステップS106で作動される外部給電後のIGオフ忘れ防止機能における処理手順に相当する。
【0085】
まず、
図4に示すように、制御装置100のコントローラ120は、IGオンの状態であるか否かを判定する(ステップS101)。IGオンの状態である場合(ステップS101,Yes)、コントローラ120は、つづいて外部給電中であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0086】
外部給電中である場合(ステップS102,Yes)、コントローラ120は、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」以外である否かを判定する(ステップS103)。「なし」以外であるとは、IGオフ履歴が「あり」である場合の他、「あり」および「なし」以外の不定値である場合を含む。
【0087】
外部給電後のIGオフ履歴が「なし」以外である場合(ステップS103,Yes)、コントローラ120は、外部給電後のIGオフ履歴に「なし」をセットする(ステップS104)。そして、コントローラ120は、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0088】
外部給電後のIGオフ履歴が「なし」である場合(ステップS103,No)、コントローラ120は、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0089】
また、ステップS102で外部給電中でない場合(ステップS102,No)、すなわち外部給電が終了した場合、コントローラ120は、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」であるか否かを判定する(ステップS105)。
【0090】
外部給電後のIGオフ履歴が「なし」である場合(ステップS105,Yes)、コントローラ120は、外部給電後のIGオフ忘れ防止機能を作動する(ステップS106)。そして、コントローラ120は、ステップS101からの処理を繰り返す。すなわち、コントローラ120は、作動されたIGオフ忘れ防止機能と並列に
図4の処理手順を実行する。
【0091】
また、外部給電後のIGオフ履歴が「なし」でない場合(ステップS105,No)、コントローラ120は、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0092】
そして、コントローラ120は、ステップS101でIGオンの状態でない、すなわちIGオフの状態であると判定した場合(ステップS101,No)、外部給電後のIGオフ履歴に「あり」をセットする(ステップS107)。
【0093】
そして、コントローラ120は、外部給電後のIGオフ忘れ防止機能を停止し(ステップS108)、処理を終了する。
【0094】
次に、
図5に示すようにIGオフ忘れ防止機能では、コントローラ120は外部給電後、すなわち外部給電プラグP1が外部給電口13から取り外されてから時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS201)。時間T1は、
図3に示したように、例えば10秒である。
【0095】
外部給電後、時間T1が経過した場合(ステップS201,Yes)、コントローラ120は、第1報知処理を実行する(ステップS203)。時間T1が経過していない場合(ステップS201,No)、コントローラ120は、つづいてユーザの降車動作を検出したか否かを判定する(ステップS202)。
【0096】
降車動作を検出した場合(ステップS202,Yes)、コントローラ120は、第1報知処理を実行する(ステップS203)。降車動作を検出していない場合(ステップS202,No)、コントローラ120は、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0097】
そして、コントローラ120は、第1報知処理を実行後、外部給電プラグP1が取り外されてから時間T1より長い時間T2が経過したか否かを判定する(ステップS204)。時間T2は、
図3に示したように、例えば20秒である。
【0098】
時間T2が経過した場合(ステップS204,Yes)、コントローラ120は、第1報知処理に替えて第1報知処理よりも報知レベルの高い第2報知処理を実行する(ステップS205)。時間T2が経過していない場合(ステップS204,No)、コントローラ120は、ステップS204を繰り返す。
【0099】
そして、コントローラ120は、第2報知処理を実行後、第2報知処理が時間T3継続したか否かを判定する(ステップS206)。時間T3は、
図3に示したように、例えば60秒である。
【0100】
第2報知処理が時間T3継続した場合(ステップS206,Yes)、コントローラ120は、第2報知処理を停止する(ステップS208)。第2報知処理が時間T3継続していない場合(ステップS206,No)、コントローラ120は、つづいて外部給電後のIGオフ履歴が「あり」であるか否かを判定する(ステップS207)。
【0101】
外部給電後のIGオフ履歴が「あり」である場合(ステップS207,Yes)、コントローラ120は、第2報知処理を停止し(ステップS208)、処理を終了する。IGオフ履歴が「あり」でない場合(ステップS207,No)、コントローラ120は、ステップS206からの処理を繰り返す。
【0102】
(変形例)
次に、いくつかの変形例について説明する。
図6は、変形例に係る制御装置100Aの構成例を示すブロック図である。なお、
図6は
図2に対応しているため、ここでは
図2と異なる点について主に説明する。
【0103】
変形例に係る制御装置100Aは、通信部130をさらに備える点が
図2に示した制御装置100とは異なる。通信部130は、ネットワークアダプタ等によって実現される。通信部130は、ユーザUが携帯するスマートフォン等のユーザ端末200と無線接続され、ユーザ端末200との間で情報の送受信を行う。
【0104】
通信部130は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によってユーザ端末200と無線接続する。また、通信部130は、例えば携帯電話回線網を介してユーザ端末200と無線接続する。
【0105】
制御装置100Aは、ユーザ端末200と通信可能に接続されることにより、例えばユーザUが車両Vの発するブザー音が聞こえないほど車両Vから遠くに離れても、ユーザ端末200に対してIG電源をオフする操作を促す報知を行うことができる。また、制御装置100Aは、例えば第2報知処理においてユーザ端末200への報知をあわせて行うことで、前述の時間T3をより長く(例えば、60秒→5分)設定した報知を行うことができる。
【0106】
また、これまでは、外部給電が行われる場合を主たる例とした説明を行った。ただし、既に述べた通り、外部充電中にユーザUが車内で補機装置16を利用可能となる仕様も存在することから、制御装置100,100Aは、この外部充電状態を考慮した構成としてもよい。
【0107】
この場合、制御装置100,100Aのコントローラ120は、外部給電状態および外部充電状態の少なくともいずれかの状態である場合に、車両Vの補機装置16を作動可能な状態にする車両Vを制御することとなる。そして、コントローラ120は、外部給電プラグP1および外部充電プラグP2(「外部端子」の一例に相当)を車両Vに接続して、外部給電状態と外部充電状態との少なくともいずれかの状態にあるときに、外部給電プラグP1および外部充電プラグP2の車両Vからの取り外しがあり、かつ、IG電源をオフする操作がない場合に、ユーザUに対する報知を行う。この時、コントローラ120は、外部給電プラグP1および外部充電プラグP2の双方が取り外されていることを検出し、かつ、IG電源をオフする操作がない場合に、ユーザUに対する報知を行うとよい。外部給電プラグP1および外部充電プラグP2の少なくとも一方が接続されていれば、ユーザUはこれを取り外すまではIG電源をオフする操作を行う可能性があるためである。
【0108】
これにより、外部給電状態だけでなく外部充電状態に補機装置16を作動可能な状態にする車両Vにおいて、外部給電プラグP1および外部充電プラグP2の取り外しがあったがIG電源をオフする操作がない場合に、当該操作をユーザUに促すことができる。
【0109】
(むすび)
上述してきたように、実施形態に係る制御装置100は、車載のバッテリ15から車両外部に給電する外部給電が可能な車両V(「プラグイン車両」の一例に相当)を制御するコントローラ120を備える。コントローラ120は、外部給電状態にあるときに外部給電プラグP1(「外部給電端子」の一例に相当)の車両Vからの取り外しがあり、かつ、IG電源(「車両電源」の一例に相当)をオフする操作がない場合に、ユーザUに対する報知を行う。
【0110】
また、実施形態に係る制御システム10は、車両外部に給電する外部給電が可能な車両Vに搭載されるバッテリ15と、バッテリ15から車両外部への外部給電時に外部給電プラグP1が接続される外部給電口13とを備える。また、制御システム10は、ユーザUによる車両電源をオンまたはオフする操作を受け付ける操作部12と、IG電源をオフする操作をユーザUに促す情報を報知する報知部17と、車両Vを制御する制御装置100と、を備える。制御装置100は、外部給電状態において外部給電口13からの外部給電プラグP1の取り外しがあり、かつ、操作部12に対するIG電源をオフする操作がない場合に、報知部17を介してユーザUに対する報知を行う。
【0111】
したがって、実施形態に係る制御装置100および制御システム10によれば、IG電源がオンの状態から外部機器50へのプラグPを取り外しても自動的にIG電源がオフの状態とはならない車両Vにおいて、IG電源をオフする操作をユーザUに促すことができ、ユーザUの電源オフの操作忘れによるバッテリの無駄な消費を抑制することができる。
【0112】
なお、上述した実施形態では、車両電源がIG電源を指すこととしたが、車両電源はACC(Accessory)電源を含んでもよい。
【0113】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 制御システム
11 走行系
12 操作部
13 外部給電口
14 外部充電口
15 バッテリ
16 補機装置
16a エアコン
17 報知部
17a ブザー
17b ランプ
17c メーター
18 ドア
50 外部機器
100,100A 制御装置
120 コントローラ
121 走行制御部
122 システム制御部
122a 操作状態検出部
122b 外部給電制御部
122c 外部充電制御部
123 ボデー制御部
123a 報知制御部
123b ボデー状態検出部
130 通信部
200 ユーザ端末
P プラグ
P1 外部給電プラグ
P2 外部充電プラグ
U ユーザ
V 車両