(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071257
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ロゴライト、ロゴライト取付器具、及びロゴ投影ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 6/00 20060101AFI20240517BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20240517BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240517BHJP
F21L 13/00 20060101ALI20240517BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240517BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20240517BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20240517BHJP
【FI】
F21S6/00 120
F21S9/02 100
F21S2/00 340
F21L13/00 110
F21Y115:10
F21Y101:00 100
F21Y103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182104
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正太郎
(57)【要約】
【課題】高所に位置付けられた場所で作業が行われる場合等に、下部周囲に近づく人に注意喚起し、また、高所にいる作業者の安全性を向上させる。
【解決手段】電源から電気が供給され光源となり光を発出する発光部と、該発光部が発出した光を収束する収束レンズ部と、注意喚起を促す任意の図柄が形成され該収束レンズ部によって収束された光が通過するフィルタ部と、該フィルタ部の該図柄を被投影対象に対して投影する投影レンズと、前記発光部、前記収束レンズ部、前記フィルタ部、及び前記投影レンズを収納するケーシングと、前記ケーシングに配設され、該被投影対象に対する光の照射方向を変更可能にロゴライト取付器具を接続する接続部と、を備えるロゴライト。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電気が供給され光源となり光を発出する発光部と、
該発光部が発出した光を収束する収束レンズ部と、
注意喚起を促す任意の図柄が形成され該収束レンズ部によって収束された光が通過するフィルタ部と、
該フィルタ部の該図柄を被投影対象に対して投影する投影レンズと、
前記発光部、前記収束レンズ部、前記フィルタ部、及び前記投影レンズを収納するケーシングと、
前記ケーシングに配設され、該被投影対象に対する光の照射方向を変更可能にロゴライト取付器具を接続する接続部と、
を備えるロゴライト。
【請求項2】
前記ケーシングは、前記収束レンズ部と前記フィルタ部との間、又は前記フィルタ部と前記投影レンズとの間の少なくともいずれか一方で分解可能であり、
分解した該ケーシングから該フィルタ部を交換できるように露出させる、
請求項1に記載のロゴライト。
【請求項3】
前記フィルタ部に形成された前記図柄は、文字、記号、図形及びイラストの少なくともいずれか1つがカラーで表示された図柄である、
請求項1に記載のロゴライト。
【請求項4】
被投影対象に対してロゴを照射するロゴライトの接続部に接続可能な器具側接続部と、
該器具側接続部に接続され、接続された前記ロゴライトの前記被投影対象に対する光の照射方向を変更可能とする角度可変ジョイントと、
該角度可変ジョイントに一端側が接続されたアームと、
該アームの他端側に接続され取付箇所に固定するクランプと、
を備えるロゴライト取付器具。
【請求項5】
前記アームと前記クランプとの接続部分に角度可変ジョイントを更に配設した、
請求項4に記載のロゴライト取付器具。
【請求項6】
請求項1に記載のロゴライトと、
請求項4に記載のロゴライト取付器具と、
を備えるロゴ投影ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ロゴライト、ロゴライト取付器具、及びロゴ投影ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル点検車においては、高所作業車または高床式車両を使用する。
トンネル内等において高所作業車またはトンネル点検車等の高床式車両を使用する場合には、高所に位置付けられたバケットと呼ばれる作業床上で作業者が作業をする際に、誤って工具等を落下させてしまうことで、地上に居る作業者等に対する落下事故が発生するおそれがある。
落下事故対策として、垂れ幕を作業床に吊るし、地上の作業者に対して注意喚起する方法が一般的に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-513208号公報
【特許文献2】特開2021-50055号公報
【特許文献3】特開2018-188292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
落下事故対策として、垂れ幕を作業床に吊るし、地上の作業者に対して注意喚起する方法では、垂れ幕が風に煽られて飛ばされたり、落下してしまったりすることで、地上にいる作業者、トンネルを通過する一般歩行者、又はトンネル内を走行中の一般車両に垂れ幕が接触してしまう場合がある。また、作業床が高い位置にある場合、垂れ幕が地上の作業者の視界に入らず気づかないことや、周囲が暗い状況では垂れ幕の視認性が日中屋外に比べ低下することがある。
【0005】
よって、例えば高床式車両の作業床等の高所に位置付けられた場所で作業が行われる場合等には、高所作業の下方周囲に近づく人に注意喚起し、作業床等からの工具等の落下による事故を防止する、また、高所にいる作業者の作業安全性を向上させるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る実施形態のロゴライトは、電源から電気が供給され光源となり光を発出する発光部と、該発光部が発出した光を収束する収束レンズ部と、注意喚起を促す任意の図柄が形成され該収束レンズ部によって収束された光が通過するフィルタ部と、該フィルタ部の該図柄を被投影対象に対して投影する投影レンズと、前記発光部、前記収束レンズ部、前記フィルタ部、及び前記投影レンズを収納するケーシングと、前記ケーシングに配設され、該被投影対象に対する光の照射方向を変更可能にロゴライト取付器具を接続する接続部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、高床式車両の作業床に、本実施形態のロゴ投影ユニットが取り付けられた状態を説明する説明図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のロゴライトの構造を説明する側面図である。
【
図3】
図3は、ロゴライトのフィルタ部に印刷された図柄の一例である。
【
図4】
図4は、ロゴライトのフィルタ部に印刷された図柄の別例である。
【
図5】
図5は、本実施形態のロゴライトと本実施形態のロゴライト取付器具とを備えるロゴ投影ユニットを説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施の形態について、説明する。
図1は、高床式車両1の作業床12に本実施形態のロゴ投影ユニット9が取り付けられた状態を説明する説明図である。ロゴ投影ユニット9は、ロゴライト3とロゴライト取付器具5とから構成される。なお、ロゴ投影ユニット9を取り付ける取付箇所は、高床式車両1の作業床12に限定されず、ビル清掃用のゴンドラ等であってもよい。
【0009】
高床式車両1は、例えば、自走式又はトラック搭載式の高所作業車であり、車両本体10と、車両本体10に積載されたクレーン11と、クレーン11の上端部に配設されたゴンドラ状の作業床12とを備えている。高床式車両1は、図示の例においては、クレーン11及び作業床12で構成されるブームを昇降及び旋回できる構造となっているが、これに限定されず作業床が垂直に昇降するだけの構造となっていてもよい。クレーン11は、例えば、最大地上高数m~十数mの範囲で伸縮可能となっている。
【0010】
図1においては、トンネル2の床面20上に高床式車両1が停止し、ジャッキ14によって車両本体10が床面20に固定されている。そして、クレーン11が伸びた状態となっており、作業床12に搭乗している第一作業者A1が、トンネル2の天井22近傍、及びトンネル2の壁面23近傍に位置しており、各種の高所作業を実施している。また、床面20上で作業床12の直下から水平方向に安全距離だけ離れた位置において、第二作業者A2が床面20の舗装作業等を行っている。
【0011】
高床式車両1の作業床12には、本実施形態に係るロゴライト3が、例えば3つ取り付けられて固定されている。例えば、作業床12の手すり部120に、ロゴライト取付器具5を介して、トンネル2の被投影対象である天井22を照らすロゴライト3が一つ固定されている。また、作業床12の手すり部120に、ロゴライト取付器具5を介して、トンネル2の被投影対象である壁面23を照らすロゴライト3が一つ固定されている。さらに、作業床12の第一作業者A1が搭乗する部屋部121の外側面の下部側に、ロゴライト取付器具5を介して、トンネル2の被投影対象である床面20を照らすロゴライト3が一つ固定されている。なお、作業床12に固定されるロゴライト3及びロゴライト取付器具5の個数、及び配設箇所は
図1に示す例に限定されるものではない。
【0012】
図2は、本実施形態のロゴライト3の側面図である。
図2において、便宜上、ロゴライト3の中心軸Axに沿う方向が光軸方向、中心軸Axと直交する方向が径方向、中心軸Axまわりの方向が周方向と定義される。光軸方向は、前方向Ax1と、後方向Ax2とを含む。前方向Ax1は、中心軸Axに沿う一方向である。後方向Ax2は、前方向Ax1の反対方向である。前方向Ax1は、発光部31から出射された光L1の進行方向である。後方向Ax2は、ロゴライト3の後端側となる方向である。ロゴライト3の前方には簡略化して示す被投影対象26が位置している。被投影対象26は、例えば
図1に示すトンネル2の床面20、壁面23、又は天井22である。
【0013】
ロゴライト3は、例えば、ケーシング30と、ケーシング30の筒内に配設された発光部31と、発光部31が発出した光L1を収束する収束レンズ部32と、注意喚起を促す任意の図柄B1(
図3参照)が形成され収束レンズ部32によって収束された光L1が通過するフィルタ部34と、フィルタ部34の図柄B1を被投影対象26に対して投影する投影レンズ35と、ケーシング30に配設されロゴライト取付器具5を接続する接続部33(
図5参照)と、を備えている。
ロゴライト3は、ケーシング30の後端側から前方向Ax1に向かって、発光部31、収束レンズ部32、フィルタ部34、投影レンズ35の順番で配設されている。
【0014】
ケーシング30は、光L1を遮蔽する材質で形成されており、発光部31、収束レンズ部32、フィルタ部34、及び投影レンズ35を収納する。ケーシング30は、例えば、有底の略円筒状の第一筒体301と、第一筒体301に着脱可能に接続される第二筒体302と、第二筒体302に着脱可能に接続される第三筒体303と、第三筒体303の先端側に例えば一体的に接続され光L1がロゴライト3から外部に出射する出射窓304とを備えている。ケーシング30は、全体の形状が例えば円筒状となっているが、四角筒状等の多角筒状となっていてもよい。
【0015】
例えば、第一筒体301の前方向Ax1側の端部分301a(接続部分301a)には、雄ネジ301bが形成されており、第二筒体302の後方向Ax2側の端部分302a(接続部分302a)には雌ネジ302cが形成されており、第一筒体301の雄ネジ301bに第二筒体302の雌ネジ302cを螺合させて中心軸Axを軸に第二筒体302を回転させることで、第一筒体301に第二筒体302を取り外し可能に接続することができる。
また、例えば、第二筒体302の前方向Ax1側の端部分302d(接続部分302d)には、雄ネジ302eが形成されており、第三筒体303の後方向Ax2側の端部分303a(接続部分303a)には雌ネジ303bが形成されており、第二筒体302の雄ネジ302eに第三筒体303の雌ネジ303bを螺合させて中心軸Axを軸に第三筒体303を回転させることで、第二筒体302に第三筒体303を取り外し可能に接続することができる。
【0016】
第一筒体301と第二筒体302との接続、及び第二筒体302と第三筒体303との接続は、上記のようなネジ式構造によるものに限定されず、例えば、プッシュロック構造等により上記接続がなされてもよい。
【0017】
例えば、発光部31は、第一筒体301内に配設されており、収束レンズ部32は、第二筒体302内に配設されており、フィルタ部34及び投影レンズ35は第三筒体303内に配設されている。したがって、ロゴライト3は、第一筒体301、第二筒体302、及び第三筒体303に分解することで、使用者が、発光部31及びフィルタ部34の交換時等において、ケーシング30から露出した発光部31及びフィルタ部34に直接触れることができる。
なお、
図2に示すように、ケーシング30の収束レンズ部32とフィルタ部34との間が分解可能であるのではなく、第三筒体303のフィルタ部34と投影レンズ35との間をネジ式構造などで分解可能として、分解したケーシング30から露出するフィルタ部34を取り換え可能としてもよい。
または、ケーシング30の収束レンズ部32とフィルタ部34との間、及びケーシング30のフィルタ部34と投影レンズ35との間をそれぞれ分解可能としてもよい。
【0018】
発光部31は、可視光(例えば、ホワイト光)である光L1を発するLEDであるが、これに限定されるものではなく、蛍光灯、又は白熱灯等であってもよい。発光部31には図示しない電源が配線を介して接続されている。
図示しない電源は、例えば、第一筒体301内に発光部31と共に内蔵されていてもよいし、ロゴライト3の外部に配設された図示しない電源から第一筒体301を通した配線を介して発光部31に電気が供給されてもよい。発光部31の光照射量は、例えばスイッチ操作により調整可能となっている。
【0019】
ロゴライト3は、例えば、第一筒体301内にリフレクタ37を備えている。リフレクタ37は、発光部31の後方向Ax2側において発光部31の周囲を囲繞するように配設され、発光部31が発出する光L1を集光して、光L1の照射範囲を調整する。リフレクタ37は、例えば、前方向Ax1側に開口を向け、且つ、前方向Ax1側に向かうにつれて開口径が大きくなる略半球筒状に構成されている。リフレクタ37は、例えば、アルミ材等の金属部材によって形成されている。
【0020】
収束レンズ部32は、例えば、コリメータレンズ及び凸レンズ等で構成されており、発光部31から発散出射されて収束レンズ部32に入射してきた光L1を平行化(平行光に変換)してから収束させる。例えば、第二筒体302の筒内側面には、収束レンズ部32を固定するための固定台305が取り付けられている。固定台305は、例えば、収束レンズ部32の外周部分を挟持するなどして、収束レンズ部32の中心をロゴライト3の中心軸Axと略合致させた状態としている。
【0021】
ここで、
図3は、ロゴライト3のフィルタ部34に印刷された図柄の一例である。
図3に示すように、第二筒体302内に配設されたフィルタ部34は、円形の開口を備える枠体340と、枠体340の開口内に支持されるガラス板341とを備えている。光L1を透過する透明のガラス板341には、例えば図柄B1が印刷されることで形成されている。図柄B1は、黄色の円B12の中に「頭上注意」の文字が赤色で印字されており、さらに、「頭上注意」の文字の上に、四角(◇)の中に黒色でエクスクラメーションマーク(!)が印字されている。
なお、透光性の樹脂材等で構成されるフィルムをガラス板341の代わりに用いて、該フィルムに図柄B1が印刷されていてもよいし、図柄B1の一部が、予め着色されたフィルムによって形成されるものとしてもよい。
また、「頭上注意」の文字の代わりに、「立ち入り禁止」等の注意喚起を示す文字が印字されていてもよい。例えば、「頭上注意」等の文字を、図柄B1の黄色の円B12の周方向に複数並べるようにガラス板341に印字して、ロゴライト3によって
図1に示すトンネル2の床面20に拡大されて投影された図柄B1の文字全体を、第二作業者A2が視認しやすく、且、どの方向からも理解しやすいようにしてもよい。
また、図柄B1は、透光する部分と遮光する部分とを備えている。
【0022】
図4は、ガラス板341に印刷された別例の図柄B2である。
図柄B2は、例えば、橙色の円B23の中に「接近・接触注意」の文字が赤色で印字されており、さらに、「接近・接触注意」の文字の上に、黒色の矩形の中に「危」が黄色で印字されている。
なお、ガラス板341に印刷されている図柄は、図柄B1及び図柄B2に限定されるものではない。即ち、図柄は、注意喚起を促す文字(ひらがな、カタカナ、漢字、又はアルファベット等)、絵文字などのピクトグラムを含むイラスト、記号又は図形の少なくともいずれか1つを備えていればよい。また、例えば、図柄は、文字、記号、図形及びイラストの少なくともいずれか1つがカラーで表示された図柄である。
【0023】
例えば、
図2に示す第三筒体303の筒内側面には、フィルタ部34を支持するための支持台306が取り付けられている。支持台306は、例えば、フィルタ部34の外周部分を挟持するなどして、フィルタ部34の中心をロゴライト3の中心軸Axと略合致させた状態としている。支持台306は、フィルタ部34を取り外し可能に支持しており、例えば、
図3に示す図柄B1が印刷されたフィルタ部34を
図4に示す図柄B2が印刷されたフィルタ部34に変更することで、作業時に必要な図柄を選択して被投影対象26に投影可能である。
【0024】
ロゴライト3は、支持台306に図示しないフィルタチェンジャを備えた構成となっており、フィルタチェンジャにより、第三筒体303内に配設され異なる図柄がそれぞれ印刷された複数枚のフィルタ部34を周方向に回転させて変更可能としてもよい。
【0025】
図2に示すように、投影レンズ35によって集光される光L1の集光点位置は、例えば出射窓304内部となるように設定されている。例えば、第三筒体303の筒内側面には、投影レンズ35を固定するための固定台308が取り付けられている。固定台308は、投影レンズ35の外周部分を挟持するなどして、投影レンズ35の中心をロゴライト3の中心軸Axと略合致させた状態としている。投影レンズ35は、フィルタ部34を光L1が通過することで形成された図柄像を、さらに出射窓304内で拡大して、被投影対象26に結像させる。なお、投影レンズ35は、例えば図示しないスライダ機構によって第三筒体303内を光軸方向に移動可能となっており、集光点位置(焦点距離)を調整可能、即ち、被投影対象26に投影される図柄のピントを調整可能となっていてもよい。また、投影レンズ35を焦点距離の変更ができるズームレンズとしてもよい。
【0026】
出射窓304は、例えば、円錐台筒形状に形成されており、出射窓304の前方向Ax1における前面にはガラス等からなる投光カバー304dが取り付けられており、ロゴライト3の防塵性が保たれている。なお、出射窓304は、投光カバー304dを備えずに、例えば、出射窓304内部を外部にそのまま開放する孔を備えていてもよい。
【0027】
次に、ロゴライト取付器具について、説明する。
図5は、本実施形態のロゴライト3と本実施形態のロゴライト取付器具5とを備えるロゴ投影ユニット9を説明する側面図である。
図5に示すように、ロゴライト3は、本実施形態のロゴライト取付器具5を用いて、
図1に示す作業床12の各部に取り付けられる。例えば、作業床12の取付箇所の一例である手すり部120は、
図5に示すようにポール状の短管パイプである。また、
図1に示す作業床12の部屋部121の外側面には、例えば、図示しない取付ポールが配設されている。なお、ロゴライト取付器具5が取り付けられる手すり部120は、四角柱などの多角柱状の角パイプなどであってもよい。
【0028】
図5に示すように、ロゴライト3のケーシング30の例えば外側面307には、接続部33が配設されている。接続部33は、例えば、外側面307に一体的に形成された雲台332と、雲台332からケーシング30の外側面307内部に至るまで形成された雌ネジ331とを備えている。
【0029】
ロゴライト取付器具5は、ケーシング30の雌ネジ331に螺合する雄ネジ511を備える雲台512が配設されている。雄ネジ511を備える雲台512は、ロゴライト3の雌ネジ331と雲台332とからなる接続部33に接続可能な器具側接続部51の一例である。ケーシング30の雌ネジ331に雲台512の雄ネジ511を螺合させるとともに、雲台512の一方の側面をケーシング30の雲台332に当接させて、ロゴライト3とロゴライト取付器具5との接続箇所を強固なものとすることができる。なお、ケーシング30の外側面307から、雲台332がロゴライト取付器具5と共に外れる構成となっていてもよい。即ち、接続部33は、雌ネジ331だけで構成されていてもよく、器具側接続部51が雲台332と雄ネジ511と雲台512で構成されていてもよい。
【0030】
雲台512のケーシング30側の一方の側面に対して反対側となる他方の側面には、例えば、ボールジョイント56が配設されており、ボールジョイント56を介して雲台512とアーム50の一端側とが連結されている。ボールジョイント56は、器具側接続部51に接続された角度可変ジョイントの一例であり、例えば、クランプナット561を備えたタイプのものである。
なお、角度可変ジョイントは、ボールジョイント56に限定されない。そして、雲台512及び雲台512に接続部33を介して接続されたロゴライト3は、クランプナット561を緩めた状態のボールジョイント56によって、作業床12の手すり部120に固定されたアーム50に対して、矢印R1方向に傾動可能となる。
そして、アーム50の延在方向に対してロゴライト3を所望の角度で傾けた後、
図1に示す第一作業者A1等がクランプナット561を締め付けてロゴライト3を所望の角度で傾いた状態で固定できる。即ち、被投影対象26に対するロゴライト3の光L1の照射方向を変更できる。
【0031】
アーム50の他端側にも、例えば、クランプナット561を備えるボールジョイント56が配設されており、ボールジョイント56を介して
図5に示すクランプ55とアーム50の他端側とが接続されている。クランプ55は、互いが接近及び離間可能な一対の挟持部材の間にポール状の手すり部120を挟み込むことができる。クランプ55は、固定ボルト付きクランプであっても、ばねクランプであってもよく、手すり部120を挟み込んだ状態で、アーム50に接続されたロゴライト3の重さを支えられる挟持力を備えていればよい。
【0032】
クランプナット561を緩めた状態のボールジョイント56によって、作業床12の手すり部120にクランプ55を介して固定されたアーム50を、矢印R2方向に傾動可能となり、また、アーム50を手すり部120に対して所望の角度で傾けた後、
図1に示す第一作業者A1等がクランプナット561を締め付けてアーム50を所望の角度で傾いた状態で固定できる。即ち、ロゴライト取付器具5は、接続されたロゴライト3の被投影対象26に対する光の照射方向をアーム50の延在方向を変えることによっても変更できる。なお、アーム50とクランプ55の接続部分に、ボールジョイント56以外の角度可変ジョイントを用いてもよい。また、アーム50とクランプ55との接続部分に、角度可変ジョイントを配設しないものとし、アーム50とクランプ55とが直接接続されていてもよい。
【0033】
以下に、
図1に示す高床式車両1の作業床12が高所に位置付けられた状態で、作業床12に搭乗した第一作業者A1が高所作業を行う場合におけるロゴライト3、及びロゴライト取付器具5の使用態様について説明する。
第一作業者A1の高所作業としては、例えば、トンネル2内の天井22や壁面23に配設された図示しない照明その他の各設備の点検作業等が想定される。
【0034】
例えば、作業床12が地上にある状態で、予め、ロゴライト3は、作業床12の手すり部120、及び部屋部121の外側面の下部側の図示しない取付ポールに、ロゴライト取付器具5を用いて取り付けられる。
そして、
図5に示すロゴライト取付器具5の各ボールジョイント56によって、手すり部120等に対する各アーム50の角度、及びロゴライト3のアーム50に対する角度が、第一作業者A1の考える所望の角度に調整された後に固定される。即ち、作業床12を上昇させて高所に位置付けた際に、作業床12の手すり部120に取り付けられたロゴライト3がトンネル2の天井22又は壁面23の作業箇所を好適に照らし出すことができるように、予め照射方向の角度調整が行われる。また、作業床12を上昇させて高所に位置付けた際に、作業床12の部屋部121の外側面の下部側に取り付けられたロゴライト3が、高所作業における工具等の落下が起こりうる床面20の所定範囲を好適に照らし出すことができるように、予め照射方向の角度調整が行われる。
なお、作業床12をクレーン11によって高所に位置付けた後に、該ロゴライト3等の角度調整を行ってもよい。
【0035】
作業床12の部屋部121の外側面の下部側に取り付けられたロゴライト3のフィルタ部34に印刷されている図柄は、
図3に示す図柄B1である。作業床12の手すり部120に取り付けられた2つのロゴライト3のフィルタ部34に印刷されている図柄は、
図4に示す図柄B2である。
【0036】
図1に示すクレーン11によって、作業床12が上昇して第一作業者A1が作業を行うための所定の高さ位置に位置付けられる。第一作業者A1によって、3つのロゴライト3のそれぞれの電源が入れられる。なお、発光部31の光照射量を下げると、発光部31の発光可能な時間が長くなる。トンネル2内における床面20、天井22、及び壁面23の明るさや、ロゴライト3から床面20、天井22、及び壁面23までの距離等に応じて、それぞれのロゴライト3の発光部31の光照射量を調節することが望ましい。
【0037】
作業床12の手すり部120に取り付けられたロゴライト3において、電源から電力が供給されて
図2に示す発光部31が光L1を発すると共に、リフレクタ37が光L1を集光する。そして、光L1が収束レンズ部32を通過して、平行光となった後、フィルタ部34に到達する。フィルタ部34を通過することで、フィルタ部34に印刷された例えば図柄B2が表現された光L1が投影レンズ35に入射して、投影レンズ35が図柄B2を
図1に示すように天井22に投影する。
同様に、作業床12の手すり部120に取り付けられたロゴライト3が、図柄B2を壁面23に投影する。作業床12の部屋部121の外側面の下部側に取り付けられたロゴライト3が、図柄B1を床面20に投影する。
【0038】
図柄B1は、第二作業者A2に、立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を示す。図柄B1は、例えば、立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を円で示している。なお、図柄B1は第二作業者A2の立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を、多角形で示してもよい。各図柄B2は、第一作業者A1に、天井22又は壁面23に対する接近や接触への注意喚起を促す。図柄B2は、例えば、天井22又は壁面23に対する接近や接触への注意喚起を、円で示しているが、多角形で示してもよい。
【0039】
例えば、
図2に示す投影レンズ35の焦点距離が短いほど、
図1に示す床面20に投影される図柄B1が大きくなり、投影レンズ35の焦点距離が長いほど、投影される図柄B1が小さくなる。床面20に投影された図柄B1が、立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を示す適宜の大きさになるように、ロゴライト3の使用前に予め投影レンズ35を選択しておいてもよい。
【0040】
床面20にいる第二作業者A2は、床面20に投影された図柄B1を視認し、立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲に入ることが防がれる。また、図柄B1が光っているので、床面20にいる人は、図柄B1が投影されていることが、トンネル2内が暗くても容易にわかる。床面20への投影は床面20より高い所から行われるので、床面20にいる第二作業者A2は、図柄B1の上方の高所作業に容易に気付く。
さらに、床面20に投影された
図3に示す図柄B1は、黄色の円B12の中に「頭上注意」の文字が赤色で表示されており、「頭上注意」の文字の上に、四角(◇)の中に黒色でエクスクラメーションマーク(!)が表示されているので、床面20が暗くても図柄B1と床面20とのコントラストによって、図柄B1を視認しやすい。
【0041】
作業床12上の第一作業者A1は、壁面23及び天井22に投影された図柄B2を視認し、壁面23及び天井22にぶつかってしまうことが無いように注意して作業を行うことが可能となる。また、図柄B2が光っているので、第一作業者A1は、図柄B2が投影されていることが容易にわかる。また、壁面23及び天井22に投影された
図4に示す図柄B2は、橙色の円B23の中に「接近・接触注意」の文字が赤色で表示されており、さらに、「接近・接触注意」の文字の上に、黒色の矩形の中に「危」が黄色でされているので、壁面23及び天井22が暗くても図柄B2と壁面23及び天井22とのコントラストによって、図柄B2を視認しやすい。
【0042】
本発明に係る実施形態のロゴライト3は、電源から電気が供給され光源となり光を発出する発光部31と、発光部31が発出した光を収束する収束レンズ部32と、注意喚起を促す任意の図柄が形成され収束レンズ部32によって収束された光が通過するフィルタ部34と、フィルタ部34の図柄を被投影対象に対して投影する投影レンズ35と、発光部31、収束レンズ部32、フィルタ部34、及び投影レンズ35を収納するケーシング30と、ケーシング30に配設され、被投影対象に対する光の照射方向を変更可能にロゴライト取付器具5を接続する接続部33と、を備えていることで、被投影対象に対する光の照射方向が変更可能である。
したがって、上記のように、地上にいる第二作業者A2に対する立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を示す図柄B1を床面20に対する所望の照射方向から投影することが可能となる。また、上記のように、作業床12上の第一作業者A1は、天井22又は壁面23に対する接触等への注意喚起を示す図柄B2を、壁面23及び天井22に対する所望の照射方向から投影することが可能となり、また、作業床12上でロゴライト3の光の照射方向をさらに変更することも可能となる。
【0043】
本発明に係る実施形態のロゴライト取付器具5は、ロゴライト3の接続部33に接続可能な器具側接続部51と、器具側接続部51に接続され、接続されたロゴライト3の被投影対象に対する光の照射方向を変更可能とするボールジョイント56と、ボールジョイント56に一端側が接続されたアーム50と、アーム50の他端側に接続され取付箇所の一例である手すり部120等に固定するクランプ55と、を備えていることで、接続されたロゴライト3の被投影対象に対する光の照射方向を変更可能とする。
したがって、上記のように、地上にいる第二作業者A2に対する立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を示す図柄B1を、床面20に対する所望の照射方向から投影することが可能となる。
また、上記のように、作業床12上の第一作業者A1は、天井22又は壁面23に対する接触への注意喚起を示す図柄B2を、壁面23及び天井22に対する所望の照射方向から投影することが可能となり、また、作業床12上でロゴライト3の光の照射方向をさらに変更することも可能となる。
【0044】
ロゴライト取付器具5は、例えば、アーム50とクランプ55との接続部分にも、ボールジョイント56を配設していることで、ロゴライト3が接続されたロゴライト取付器具5において、作業床12に搭乗した第一作業者A1により近い部分となるアーム50の他端側の手すり部120に対する傾き角度を変えることで、ロゴライト3の被投影対象に対する光の照射方向を変更できる。
即ち、高所に位置付けられた作業床12上でも、第一作業者A1は、作業床12から外に乗り出すことなどをせずとも、手すり部120にロゴライト取付器具5を介して接続されたロゴライト3の光L1の照射方向を安全に変更可能である。
【0045】
本発明に係る実施形態のロゴ投影ユニット9は、ロゴライト3とロゴライト取付器具5とを備えていることで、上記のように、地上にいる第二作業者A2に対する立入禁止範囲又は頭上に注意すべき範囲を示す図柄B1を、床面20に対する所望の照射方向から投影することが可能となる。上記のように、作業床12上の第一作業者A1は、天井22又は壁面23に対する接触への注意喚起を示す図柄B2を、壁面23及び天井22に対する所望の照射方向から投影することが可能となり、また、作業床12上でロゴライト3の光の照射方向をさらに変更することも可能となる。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1:高床式車両、 10:車両本体、 11:クレーン、
12:作業床、 120:手すり部、 121:部屋部、
2:トンネル、 20:床面、 22:天井、 23:壁面、
3:ロゴライト、
30:ケーシング、 31:発光部、 32:収束レンズ部、 33:接続部、
34:フィルタ部、 35:投影レンズ、
5:ロゴライト取付器具、
50:アーム、 51:器具側接続部、 55:クランプ、 56:ボールジョイント、
9:ロゴ投影ユニット
B1:頭上注意を示す図柄
B2:接近・接触注意を示す図柄