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特開2024-71265無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071265
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240517BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240517BHJP
   E21C 47/00 20060101ALI20240517BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20240517BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240517BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240517BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G05D1/02 P
E21C47/00
G16Y40/35
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182115
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健太
(72)【発明者】
【氏名】坂井 敦
(72)【発明者】
【氏名】前田 実里
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA07
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
5H181MC02
5H181MC27
5H301AA03
5H301BB02
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG07
5H301GG14
5H301KK03
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】作業現場の生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】無人車両の管理システムは、無人車両の走行パスを生成する走行パス生成部と、走行パスに基づいて、走行パスに従って走行する無人車両の目標走行速度を算出する速度算出部と、走行パスにおいて目標走行速度が低下する位置を示す減速位置を検出する検出部と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車両の走行パスを生成する走行パス生成部と、
前記走行パスに基づいて、前記走行パスに従って走行する前記無人車両の目標走行速度を算出する速度算出部と、
前記走行パスにおいて前記目標走行速度が低下する位置を示す減速位置を検出する検出部と、を備える、
無人車両の管理システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記目標走行速度が速度閾値以下になる位置を前記減速位置として検出する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項3】
前記走行パス生成部は、前記無人車両の出発位置と到着位置とを繋ぐように前記走行パスを生成し、
前記速度算出部は、前記走行パスにおける前記出発位置からの距離と前記目標走行速度との関係を示す速度プロファイルを算出し、
前記検出部は、前記速度プロファイルにおいて前記減速位置を検出する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項4】
前記無人車両は、積込場と排土場との間を走行する無人ダンプトラックであり、
前記出発位置は、前記積込場及び排土場の一方に規定され、
前記到着位置は、前記積込場及び排土場の他方に規定される、
請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項5】
前記速度プロファイル及び前記速度プロファイルにおける前記減速位置を出力する出力部を備える、
請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記速度プロファイル及び前記減速位置を表示装置に表示させる、
請求項5に記載の無人車両の管理システム。
【請求項7】
前記出力部は、前記速度プロファイルにおいて前記減速位置を他の位置とは異なる表示形態で前記表示装置に表示させる、
請求項6に記載の無人車両の管理システム。
【請求項8】
入力装置からの入力データを取得する入力データ取得部を備え、
前記入力データは、前記表示装置に表示された前記減速位置を指示する指示データを含み、
前記出力部は、前記指示データに基づいて、前記走行パス及び前記走行パスにおける前記減速位置を前記表示装置に表示させる、
請求項7に記載の無人車両の管理システム。
【請求項9】
入力装置からの入力データを取得する入力データ取得部を備え、
前記走行パス生成部は、前記入力データに基づいて前記走行パスの少なくとも一部を生成する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項10】
前記走行パス生成部は、前記入力データに基づいて前記無人車両が走行する交差点に前記走行パスを生成する、
請求項9に記載の無人車両の管理システム。
【請求項11】
前記無人車両が走行する走行路の外形線を示す外形線データを記憶する外形線記憶部を備え、
前記走行パス生成部は、前記外形線データに基づいて前記走行パスの少なくとも一部を生成する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項12】
前記無人車両が走行する走行路の勾配と前記無人車両の走行速度の上限値との関係を示す上限速度データを記憶する速度データ記憶部を備え、
前記速度算出部は、前記走行路の勾配と前記上限速度データとに基づいて、前記目標走行速度を算出する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項13】
入力装置からの入力データを取得する入力データ取得部を備え、
前記入力データは、前記走行パスを修正する修正データを含み、
前記修正データに基づいて修正された走行パスを示す修正走行パス及び前記修正走行パスに基づいて算出された前記無人車両の目標走行速度を前記無人車両に送信する走行データ送信部を備える、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項14】
無人車両の走行パスを生成することと、
前記走行パスに基づいて、前記走行パスに従って走行する前記無人車両の目標走行速度を算出することと、
前記走行パスにおいて前記目標走行速度が低下する位置を示す減速位置を検出することと、を含む、
無人車両の管理方法。
【請求項15】
前記目標走行速度が速度閾値以下になる位置を前記減速位置として検出する、
請求項14に記載の無人車両の管理方法。
【請求項16】
前記無人車両の出発位置と到着位置とを繋ぐように前記走行パスを生成し、
前記走行パスにおける前記出発位置からの距離と前記目標走行速度との関係を示す速度プロファイルを算出し、
前記速度プロファイルにおいて前記減速位置を検出する、
請求項14に記載の無人車両の管理方法。
【請求項17】
前記無人車両は、積込場と排土場との間を走行する無人ダンプトラックであり、
前記出発位置は、前記積込場及び排土場の一方に規定され、
前記到着位置は、前記積込場及び排土場の他方に規定される、
請求項16に記載の無人車両の管理方法。
【請求項18】
前記速度プロファイル及び前記速度プロファイルにおける前記減速位置を出力することを含む、
請求項16に記載の無人車両の管理方法。
【請求項19】
前記減速位置を出力することは、前記速度プロファイル及び前記減速位置を表示装置に表示させることを含む、
請求項18に記載の無人車両の管理方法。
【請求項20】
前記速度プロファイルにおいて前記減速位置を他の位置とは異なる表示形態で前記表示装置に表示させる、
請求項19に記載の無人車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無人車両に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、運搬車両の管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場において、無人車両は、走行パスに従って走行する。走行パスに局所的に曲率が大きい部分が存在する場合、無人車両は、曲率が大きい部分において減速する必要がある。無人車両が減速すると、作業現場の生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、無人車両の走行パスを生成する走行パス生成部と、走行パスに基づいて、走行パスに従って走行する無人車両の目標走行速度を算出する速度算出部と、走行パスにおいて目標走行速度が低下する位置を示す減速位置を検出する検出部と、を備える、無人車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係る無人車両の管理システムを示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
図5図5は、実施形態に係る無人車両の走行条件を説明するための模式図である。
図6図6は、実施形態に係る走行パスの生成方法を説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る無人車両の目標走行速度の算出方法を説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る速度データ記憶部に記憶されている上限速度データを説明するための図である。
図9図9は、実施形態に係る表示装置に表示された速度プロファイルを示す図である。
図10図10は、実施形態に係る走行パスの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る表示装置に表示された速度プロファイル及び減速位置を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る表示装置に表示された走行パス及び減速位置を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る無人車両の管理方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業現場]
図1は、実施形態に係る作業現場1を示す模式図である。作業現場1として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0011】
作業現場1において、無人車両2が稼働する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する車両をいう。無人車両2は、所定の作業を実施する作業車両でもよいし、作業車両でなくてもよい。実施形態において、無人車両2は、無人で作業現場1を走行する作業車両である。無人車両2は、積荷を運搬する運搬作業を実施する運搬車両である。実施形態においては、無人車両2を適宜、無人ダンプトラック2、と称する。
【0012】
作業現場1に、積込場3、排土場4、駐機場5、給油場6、及び走行路7が設けられる。走行路7の一部に交差点8が設けられる。積込場3とは、無人ダンプトラック2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積荷として、積込場3において掘削された掘削物が例示される。積込場3において、積込機9が稼働する。積込機9として、油圧ショベルが例示される。排土場4とは、無人ダンプトラック2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場4に、破砕機10が設けられる。駐機場5とは、無人ダンプトラック2が駐機するエリアをいう。給油場6とは、無人ダンプトラック2が給油されるエリアをいう。走行路7とは、無人ダンプトラック2が走行するエリアをいう。走行路7は、少なくとも積込場3と排土場4とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路7は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び給油場6のそれぞれに繋がる。交差点8とは、複数の走行路7が交わるエリア又は1つの走行路7が複数の走行路7に分岐するエリアをいう。無人ダンプトラック2は、積込場3、排土場4、駐機場5、給油場6、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。無人ダンプトラック2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。
【0013】
[管理システム]
図2は、実施形態に係る無人車両2の管理システム11を示す模式図である。図2に示すように、管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。管理装置12は、無人ダンプトラック2の外部に配置される。管理装置12は、作業現場1の管制施設14に設置される。管理装置12は、コンピュータシステムを含む。通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。
【0014】
無人ダンプトラック2は、車体201と、走行装置202と、ダンプボディ203と、制御装置15と、無線通信機13Aとを有する。制御装置15は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置15に接続される。
【0015】
通信システム13は、制御装置15に接続される無線通信機13Aと、管理装置12に接続される無線通信機13Bとを含む。管理装置12と無人ダンプトラック2の制御装置15とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0016】
車体201は、車体フレームを含む。車体201は、走行装置202に支持される。走行装置202は、車体201を支持して走行する。走行装置202は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。ダンプボディ203は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ203は、車体201に支持される。ダンプボディ203は、ダンプ動作及び下げ動作する。ダンプ動作とは、ダンプボディ203を車体201から離隔させてダンプ方向に傾斜させる動作をいう。下げ動作とは、ダンプボディ203を車体201に接近させる動作をいう。積込作業が実施される場合、ダンプボディ203は、下げ動作する。排土作業を実施する場合、ダンプボディ203は、ダンプ動作する。
【0017】
図3は、本実施形態に係る無人車両2の管理システム11を示すブロック図である。図3に示すように、無人ダンプトラック2は、制御装置15と、無線通信機13Aと、位置センサ16と、方位センサ17と、速度センサ18と、走行装置202とを有する。無線通信機13A、位置センサ16、方位センサ17、及び速度センサ18のそれぞれは、制御装置15と通信することができる。走行装置202は、制御装置15に制御される。
【0018】
位置センサ16は、無人ダンプトラック2の位置を検出する。無人ダンプトラック2の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ16は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人ダンプトラック2の位置を示す無人ダンプトラック2の絶対位置を検出する。
【0019】
方位センサ17は、無人ダンプトラック2の方位を検出する。無人ダンプトラック2の方位は、無人ダンプトラック2のヨー角を含む。車体201の重心において上下方向に延伸する軸をヨー軸とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする回転角度をいう。方位センサ17として、ジャイロセンサが例示される。
【0020】
速度センサ18は、無人ダンプトラック2の走行速度を検出する。速度センサ18として、無人ダンプトラック2の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0021】
管理装置12に、表示装置19及び入力装置20が接続される。表示装置19及び入力装置20のそれぞれは、管制施設14に配置される。表示装置19は、表示データを表示する表示画面を有する。表示装置19として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。管制施設14に存在する管理者は、表示装置19に表示された表示データを確認することができる。表示装置19は、表示データを出力する出力装置として機能する。入力装置20は、管理者に操作されることにより、入力データを生成する。入力装置20として、コンピュータ用キーボード、マウス、タッチパネル、操作スイッチ、及び操作ボタンのような、管理者の手によって操作される接触式入力装置が例示される。なお、入力装置20は、管理者の音声によって操作される音声入力装置でもよい。入力装置20において生成された入力データは、管理装置12に送信される。管理装置12は、入力装置20から入力データを取得する。
【0022】
管理装置12は、走行パス生成部121と、速度算出部122と、検出部123と、出力部124と、入力データ取得部125と、走行データ送信部126と、外形線記憶部127と、速度データ記憶部128とを備える。
【0023】
走行パス生成部121は、無人ダンプトラック2の目標走行経路を示す走行パス32を生成する。無人ダンプトラック2は、走行パス32に従って作業現場1を走行する。速度算出部122は、走行パス生成部121により生成された走行パス32に基づいて、無人ダンプトラック2の目標走行速度を算出する。検出部123は、走行パス32において無人ダンプトラック2の目標走行速度が低下する位置を示す減速位置50を検出する。検出部123は、目標走行速度が速度閾値以下になる位置を減速位置50として検出する。速度閾値は、予め定められた値でもよいし、入力装置20からの入力データにより指定されてもよい。なお、検出部123は、目標走行速度の減少率が減少率閾値以上の位置を減速位置50として検出してもよい。目標走行速度の減少率とは、無人ダンプトラック2の走行距離に対する目標走行速度の低下量をいう。すなわち、目標走行速度の減少率とは、低下する目標走行速度の微分値である。減少率閾値は、予め定められた値でもよいし、入力装置20からの入力データにより指定されてもよい。
【0024】
出力部124は、表示装置19を制御する。出力部124は、表示データを表示装置19に表示させる。入力データ取得部125は、入力装置20からの入力データを取得する。走行データ送信部126は、無人ダンプトラック2の走行条件を示す走行データを無人ダンプトラック2に送信する。無人ダンプトラック2の走行データは、走行パス生成部121により生成された走行パス32、及び速度算出部122により算出された目標走行速度を含む。走行データ送信部126は、無人ダンプトラック2の走行データを、通信システム13を介して無人ダンプトラック2の制御装置15に送信する。
【0025】
制御装置15は、走行データ受信部151と、センサデータ取得部152と、走行制御部153とを有する。走行データ受信部151は、走行データ送信部126により送信された無人ダンプトラック2の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。センサデータ取得部152は、位置センサ16の検出データ、方位センサ17の検出データ、及び速度センサ18の検出データを取得する。走行制御部153は、走行データ受信部151により取得された無人ダンプトラック2の走行条件と、センサデータ取得部152により取得された検出データとに基づいて、走行装置202を制御する。
【0026】
[コンピュータシステム]
図4は、実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインタフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。制御装置15のそれぞれも、図4に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置15の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0027】
[走行条件]
図5は、実施形態に係る無人ダンプトラック2の走行条件を説明するための模式図である。無人ダンプトラック2の走行条件を示す走行データは、走行点31、走行パス32、無人ダンプトラック2の目標位置、無人ダンプトラック2の目標方位、及び無人ダンプトラック2の目標走行速度を含む。
【0028】
走行点31は、作業現場1に複数設定される。走行点31は、無人ダンプトラック2の目標位置を規定する。複数の走行点31のそれぞれに、無人ダンプトラック2の目標方位及び無人ダンプトラック2の目標走行速度が設定される。複数の走行点31は、間隔をあけて設定される。走行点31の間隔は、1m以上5m以下である。走行点31の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。実施形態において、走行点31は、1mの間隔で設定される。
【0029】
走行パス32とは、無人ダンプトラック2の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス32は、複数の走行点31を通過する軌跡によって規定される。無人ダンプトラック2は、走行パス32に従って作業現場1を走行する。無人ダンプトラック2は、無人ダンプトラック2の車幅方向において、無人ダンプトラック2の中心と走行パス32とが一致するように走行する。
【0030】
無人ダンプトラック2の目標位置とは、走行点31を通過するときの無人ダンプトラック2の目標位置をいう。無人ダンプトラック2の目標位置は、無人ダンプトラック2のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。無人ダンプトラック2の目標方位とは、走行点31を通過するときの無人ダンプトラック2の目標方位をいう。無人ダンプトラック2の目標走行速度とは、走行点31を通過するときの無人ダンプトラック2の目標走行速度をいう。
【0031】
走行制御部153は、無人ダンプトラック2の走行データと、センサデータ取得部152により取得された検出データとに基づいて、無人ダンプトラック2が走行パス32に従って走行するように、走行装置202を制御する。走行制御部153は、走行点31を通過するときに位置センサ16により検出された無人ダンプトラック2の検出位置と走行点31に設定されている無人ダンプトラック2の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。走行制御部153は、走行点31を通過するときに方位センサ17により検出された無人ダンプトラック2の検出方位と走行点31に設定されている無人ダンプトラック2の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。走行制御部153は、走行点31を通過するときに速度センサ18により検出された無人ダンプトラック2の検出走行速度と走行点31に設定されている無人ダンプトラック2の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0032】
[走行パスの生成]
図6は、実施形態に係る走行パス32の生成方法を説明するための図である。走行パス生成部121は、無人ダンプトラック2の出発位置と到着位置とを繋ぐように走行パス32を生成する。無人ダンプトラック2は、積込場3と排土場4との間を走行する。無人ダンプトラック2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。実施形態において、無人ダンプトラック2の出発位置が積込場3に設定され、無人ダンプトラック2の到着位置が排土場4に設定される。なお、無人ダンプトラック2の出発位置が排土場4に設定され、無人ダンプトラック2の到着位置が積込場3に設定されてもよい。走行パス生成部121は、積込場3と排土場4とを繋ぐように、走行路7に走行パス32を生成する。
【0033】
走行パス生成部121は、走行路7に走行パス32を生成する場合、走行路7の外形線41に基づいて、走行パス32を生成する。走行路7の外形線41とは、無人ダンプトラック2の走行が許可された走行路7のエッジラインをいう。走行路7の外形線41は、無人ダンプトラック2の走行が許可された許可エリアと走行路7の外側の走行が禁止された禁止エリアとを区画する区画線であるとみなすことができる。
【0034】
無人ダンプトラック2が走行する走行路7の外形線41を示す外形線データは、予め導出され、外形線記憶部127に記憶されている。実施形態において、外形線41は、作業現場1の地形の測量調査の結果から導出される。なお、外形線41は、例えば作業現場1の設計データから導出されてもよい。外形線41は、外形線41に沿って走行した測定車両に搭載されたGNSS受信機の検出データから導出されてもよい。外形線41は、外形線41に沿って飛行した飛行体に搭載された3次元計測装置の計測データから導出されてもよい。飛行体として、ドローンが例示される。3次元計測装置として、ステレオカメラ又はレーザレンジファインダが例示される。外形線41は、作業現場1の航空写真から導出されてもよい。
【0035】
走行パス生成部121は、外形線41に基づいて、走行パス32を自動生成する。図6に示すように、走行パス生成部121は、例えば走行路7の幅方向において外形線41から走行路7の中心に向かって所定量だけシフトした位置に走行パス32を生成する。
【0036】
走行パス生成部121は、入力装置20からの入力データに基づいて、走行パス32の少なくとも一部を生成することができる。実施形態において、走行パス生成部121は、交差点8に走行パス32を生成する場合、入力装置20からの入力データに基づいて、無人ダンプトラック2が走行する交差点8に走行パス32を生成する。管制施設14に存在する管理者は、表示装置19に表示された走行路7及び交差点8を確認しながら、入力装置20を操作して、交差点8に走行パス32を生成することができる。例えば図6に示すように、走行パス生成部121は、外形線41に基づいて、走行路7の非交差点部に走行パス32Aを生成する。管理者は、表示装置19に表示された走行パス32Aを確認しながら、非交差点部に生成された一対の走行パス32Aを繋ぐように、入力装置20を操作する。走行パス生成部121は、入力装置20からの入力データに基づいて、一対の走行パス32Aを繋ぐように、交差点8に走行パス32Bを生成する。
【0037】
[目標速度の算出]
図7は、実施形態に係る無人ダンプトラック2の目標走行速度の算出方法を説明するための図である。速度算出部122は、走行パス生成部121により生成された走行パス32に基づいて、無人ダンプトラック2の目標走行速度を算出する。走行パス32の曲率が大きい場合、走行パス32に従って走行する無人ダンプトラック2が走行パス32から逸脱しないように、目標走行速度が低い値に設定される。走行パス32の曲率が小さい場合、無人ダンプトラック2が走行パス32に従って高速で走行するように、目標走行速度が高い値に設定される。無人ダンプトラック2が高速で走行することにより、作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0038】
実施形態において、速度算出部122は、走行パス32と、速度データ記憶部128に記憶されている記憶データとに基づいて、無人ダンプトラック2の目標走行速度を算出する。速度データ記憶部128に記憶されている記憶データは、目標走行速度の算出に使用される既知データであり、速度データ記憶部128に予め記憶されている。速度データ記憶部128に記憶されている既知データとして、無人ダンプトラック2の走行性能、走行路7の勾配、及び走行路7のカーブの曲率(形状)が例示される。無人ダンプトラック2の走行性能は、無人ダンプトラック2の走行速度の最高値、加速度の最高値、及びブレーキ性能を含む。無人ダンプトラック2の走行性能は、無人ダンプトラック2の諸元データから導出可能な既知データである。実施形態において、走行路7の勾配は、作業現場1の地形の測量調査の結果から導出される。なお、走行路7の勾配は、外形線41に沿って飛行した飛行体に搭載された3次元計測装置の計測データから導出されてもよい。
【0039】
また、速度データ記憶部128に記憶されている既知データとして、無人ダンプトラック2が走行する走行路7の勾配と無人ダンプトラック2の走行速度の上限値との関係を示す上限速度データが例示される。速度算出部122は、測量調査の結果から導出された走行路7の勾配と上限速度データとに基づいて、目標走行速度を算出してもよい。また、速度データ記憶部128に記憶されている既知データとして、速度制限があるエリアと制限速度との関係を示す速度制限エリアや走路の形状を示す走路形状が例示される。速度算出部122は、速度制限エリアや走路形状を用いて目標走行速度を算出してもよい。
【0040】
図8は、実施形態に係る速度データ記憶部128に記憶されている上限速度データを説明するための図である。図8に示すグラフにおいて、縦軸は無人ダンプトラック2の走行速度の上限値を示し、横軸は走行路7の下り坂の傾斜角度を示す。なお、図8に示す例においては、傾斜角度を[%]で表記し、走行速度を[km/h]で表記する。例えば、水平方向に100m前進したときに10m下降する傾斜角度は-10%である。
【0041】
実施形態において、速度データ記憶部128には、下り坂の傾斜角度と走行速度の上限値との関係を示す上限速度データが2種類記憶されている。図8において、ラインLdeは、空荷状態の上限速度データを示し、ラインLdcは、積荷状態の上限速度データを示す。空荷状態とは、ダンプボディ203に積荷が積み込まれていない状態をいう。積荷状態とは、ダンプボディ203に積荷が積み込まれている状態をいう。ラインLde及びラインLdcで示すように、ある傾斜角度において、空荷状態の上限速度データは、積荷状態の上限速度データよりも高い。すなわち、空荷状態の無人ダンプトラック2は、積荷状態の無人ダンプトラック2よりも高速で走行することが許容される。空荷状態の無人ダンプトラック2と積荷状態の無人ダンプトラック2とが同一条件で走行し、同一条件で制動したとき、空荷状態の無人ダンプトラック2の制動距離は、積荷状態の無人ダンプトラック2の制動距離よりも短い。したがって、空荷状態の無人ダンプトラック2は、積荷状態の無人ダンプトラック2よりも高速で走行することが許容される。また、下り坂の傾斜角度が大きくなるほど、無人ダンプトラック2の走行速度の上限値は小さくなる。すなわち、勾配が急な下り坂ほど低速で走行するように、無人ダンプトラック2の走行速度の上限値が設定される。
【0042】
走行速度の上限値は、例えば無人ダンプトラック2のブレーキ性能に基づいて決定される。図8に示すように、実施形態においては、ラインLmaで示す走行速度の最高値Vmax、及びラインLmiで示す走行速度の最低値Vminが規定される。走行速度の最高値Vmaxは、走行速度の上限値以上の値である。走行速度の最低値Vminは、ゼロよりも大きい値である。速度算出部122は、最高値Vmaxと最低値Vminとの間において、走行路7の勾配と上限速度データとに基づいて、複数の走行点31のそれぞれにおける目標走行速度を算出する。
【0043】
図7に示すように、速度算出部122は、走行パス32における出発位置である積込場3からの距離と目標走行速度との関係を示す速度プロファイルを算出する。実施形態において、速度算出部122は、積込場3と排土場4とを繋ぐように生成された走行パス32における速度プロファイルを算出する。すなわち、速度算出部122は、積込場3と排土場4との間に設定された複数の走行点31のそれぞれにおける目標走行速度を算出する。
【0044】
[速度プロファイルの表示]
図9は、実施形態に係る表示装置19に表示された速度プロファイルを示す図である。出力部124は、速度算出部122により算出された速度プロファイルを出力する。出力部124は、速度算出部122により算出された速度プロファイルを表示装置19に表示させる。管理者は、表示装置19に表示された速度プロファイルを確認することにより、無人ダンプトラック2の走行条件を確認することができる。
【0045】
[減速位置の検出]
図10は、実施形態に係る走行パス32の一例を示す図である。図10に示すように、例えば管理者による入力装置20の操作ミスに起因して、走行パス32Bに局所的に曲率が大きい部分Bが形成されてしまう可能性がある。また、外形線41の一部に局所的に曲率が大きい部分が存在する場合、外形線41の曲率に伴って、走行パス32Aに局所的に曲率が大きい部分Aが形成されてしまう可能性がある。上述のように、速度算出部122は、走行パス32の曲率が小さい場合、目標走行速度を高い値に設定し、走行パス32の曲率が大きい場合、目標走行速度を低い値に設定する。
【0046】
実施形態において、検出部123は、走行パス32において目標走行速度が局所的に低下する位置を示す減速位置50を検出する。検出部123は、積込場3と排土場4との間の速度プロファイルにおいて減速位置50を検出する。図10に示す例において、走行パス32Bの部分B及び走行パス32Aの部分Aのそれぞれが減速位置50である。検出部123により減速位置50が検出された場合、出力部124は、速度プロファイル及び速度プロファイルにおける減速位置50を出力する。出力部124は、速度プロファイル及び減速位置50を表示装置19に表示させる。
【0047】
図11は、実施形態に係る表示装置19に表示された速度プロファイル及び減速位置50を示す図である。図11に示すように、減速位置50において、目標走行速度が局所的に低下する。減速位置50は、速度プロファイルにおいて目標速度が局所的に低下した部位として表示される。管理者は、表示装置19に表示された速度プロファイルを確認することにより、減速位置50が生じていることを認識することができる。
【0048】
出力部124は、速度プロファイルにおいて減速位置50を他の位置とは異なる表示形態で表示装置19に表示させる。出力部124は、速度プロファイルにおいて減速位置50が他の位置よりも強調されるように、速度プロファイルにおける減速位置50を強調表示する。図11に示す例において、走行パス32Bの減速位置50に円形状のシンボル61が重畳するように表示され、走行パス32Aの減速位置50に円形状のシンボル62が重畳するように表示される。なお、速度プロファイルにおいて減速位置50を他の位置よりも強調表示する方法は、シンボルに限定されず、例えば減速位置50を他の位置とは異なる色で表示する方法でもよい。
【0049】
管理者は、入力装置20を操作して、表示装置19に表示された速度プロファイルの減速位置50を指示することができる。例えば、管理者は、表示装置19に表示されるポインタと減速位置50とが重なるように、入力装置20を操作することができる。ポインタは、入力装置20からの入力データに基づいて、表示装置19の表示画面において移動することができる。入力装置20がマウスである場合、例えばポインタと減速位置50とが重なるようにマウスを操作した後、管理者は、マウスのボタンをクリックする。マウスのボタンがクリックされることにより、入力データとして、表示装置19に表示された減速位置50を指示する指示データが生成される。出力部124は、指示データに基づいて、走行パス32及び走行パス32における減速位置50を表示装置19に表示させる。
【0050】
図12は、実施形態に係る表示装置19に表示された走行パス32及び減速位置50を示す図である。図11に示した表示装置19の表示画面において例えばシンボル61が重畳された減速位置50とポインタとが重なるようにマウスが操作された後、マウスのボタンがクリックされることにより、図12に示すように、走行パス32B及び走行パス32Bにおける減速位置50が表示装置19に拡大表示される。管理者は、表示装置19を確認することにより、走行パス32Bの生成において入力装置20の操作ミスがあったことを認識することができる。管理者は、図12に示す表示装置19を確認しながら、走行パス32Bが滑らかになるように、入力装置20を操作して走行パス32Bを修正することができる。入力装置20が操作されることにより生成される入力データは、走行パス32Bを修正する修正データを含む。走行パス生成部121は、修正データに基づいて、走行パス32Bを修正する。
【0051】
[管理方法]
図13は、実施形態に係る無人車両の管理方法を示す図である。管理者は、入力装置20を操作して、作業現場1における無人ダンプトラック2の出発位置及び到着位置を選択する。入力データ取得部125は、管理者により選択された出発位置及び到着位置を示す入力データを取得する(ステップS1)。
【0052】
走行パス生成部121は、ステップS1において指定された出発位置と到着位置とを繋ぐように、走行パス32を生成する。上述のように、走行パス生成部121は、外形線記憶部127に記憶されている外形線データに基づいて、走行路7の非交差点部に走行パス32Aを生成する。また、走行パス生成部121は、入力データ取得部125により取得された入力データに基づいて、走行路7の交差点8に走行パス32Bを生成する(ステップS2)。
【0053】
速度算出部122は、ステップS2において生成された走行パス32に基づいて、走行パス32に従って走行する無人ダンプトラック2の目標走行速度を算出する。速度算出部122は、出発位置と到着位置とを繋ぐ走行パス32における速度プロファイルを算出する(ステップS3)。
【0054】
検出部123は、走行パス32において目標走行速度が低下する位置を示す減速位置50を検出する(ステップS4)。ステップS4において、減速位置50が検出されない場合(ステップS4:No)、出力部124は、ステップS3において算出された速度プロファイルを表示装置19に表示させる(ステップS5)。表示装置19には、図9に示したような、減速位置50を含まない速度プロファイルが表示される。走行データ送信部126は、ステップS2において生成された走行パス32及びステップS3において算出された無人ダンプトラック2の速度プロファイルを含む走行データを無人ダンプトラック2に送信する(ステップS6)。無人ダンプトラック2は、管理装置12から送信された走行データに基づいて、作業現場1を走行する。
【0055】
ステップS4において、減速位置50が検出された場合(ステップS4:Yes)、出力部124は、減速位置50が強調表示された速度プロファイルを表示装置19に表示させる(ステップS7)。表示装置19には、図11に示したような、減速位置50を含む速度プロファイルが表示される。
【0056】
管理者は、入力装置20を操作して、表示装置19に表示された速度プロファイルの減速位置50を指示することができる。入力装置20がマウスである場合、例えばポインタと減速位置50とが重なるようにマウスを操作した後、管理者は、マウスのボタンをクリックする。マウスのボタンがクリックされることにより、入力データとして、表示装置19に表示された減速位置50を指示する指示データが生成される。出力部124は、入力データ取得部125により取得された指示データに基づいて、走行パス32における減速位置50を表示装置19に拡大表示させる(ステップS8)。図12に示したように、表示装置19には、走行パス32における減速位置50が拡大表示される。
【0057】
管理者は、表示装置19を確認しながら、減速位置50における走行パス32が例えば直線状になるように、入力装置20を操作して走行パス32を修正することができる。入力装置20が操作されることにより生成される入力データは、走行パス32を修正する修正データを含む。走行パス生成部121は、入力データ取得部125により取得された修正データに基づいて、走行パス32を修正する(ステップS9)。
【0058】
速度算出部122は、修正データに基づいて修正された走行パスを示す修正走行パスに基づいて、無人ダンプトラック2の目標走行速度を再算出する。速度算出部122は、修正走行パスに基づいて、出発位置と到着位置とを繋ぐ走行パス32における速度プロファイルを再算出する(ステップS10)。
【0059】
走行データ送信部126は、ステップS9において生成された修正走行パス及びステップS10において再算出された無人ダンプトラック2の速度プロファイルを含む修正走行データを無人ダンプトラック2に送信する(ステップS11)。無人ダンプトラック2は、管理装置12から送信された修正走行データに基づいて、作業現場1を走行する。
【0060】
[効果]
以上説明したように、実施形態において、無人ダンプトラック2の管理システム11は、無人ダンプトラック2の走行パス32を生成する走行パス生成部121と、走行パス32に基づいて、走行パス32に従って走行する無人ダンプトラック2の目標走行速度を算出する速度算出部122と、走行パス32において目標走行速度が低下する位置を示す減速位置50を検出する検出部123と、を備える。減速位置50が検出されることにより、管理装置12は、減速位置50を表示装置19に表示させることができる。すなわち、減速位置50が可視化される。減速位置50が可視化されることにより、管理者は、減速位置50が無くなるように、走行パス32を修正することができる。減速位置50が無くなることにより、作業現場1において走行する無人ダンプトラック2が不必要に減速されることが抑制される。無人ダンプトラック2の不必要な減速が抑制されるので、作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0061】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、制御装置15の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよいし、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置15に設けられてもよい。
【0062】
上述の実施形態において、出力部124は、速度プロファイルにおいて減速位置50を他の位置とは異なる表示形態で表示装置19に表示させなくてもよい。出力部124は、速度プロファイル及び減速位置50を表示装置19に表示させ、減速位置50を他の位置とは異なる表示形態で表示装置19に表示させなくてもよい。管理者は、表示装置19に表示された速度プロファイル及び減速位置50に基づいて、減速位置50を認識することができる。
【0063】
上述の実施形態において、管理装置12の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。すなわち、走行パス生成部121、速度算出部122、検出部123、出力部124、入力データ取得部125、走行データ送信部126、外形線記憶部127、及び速度データ記憶部128のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。同様に、制御装置15の複数の機能が別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…作業現場、2…無人ダンプトラック(無人車両)、3…積込場、4…排土場、5…駐機場、6…給油場、7…走行路、8…交差点、9…積込機、10…破砕機、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、14…管制施設、15…制御装置、16…位置センサ、17…方位センサ、18…速度センサ、19…表示装置、20…入力装置、31…走行点、32…走行パス、32A…走行パス、32B…走行パス、41…外形線、50…減速位置、61…シンボル、62…シンボル、121…走行パス生成部、122…速度算出部、123…検出部、124…出力部、125…入力データ取得部、126…走行データ送信部、127…外形線記憶部、128…速度データ記憶部、151…走行データ受信部、152…センサデータ取得部、153…走行制御部、201…車体、202…走行装置、203…ダンプボディ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13