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特開2024-71285動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、視聴者端末、動画配信システム、及び、動画配信プログラム
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  • 特開-動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、視聴者端末、動画配信システム、及び、動画配信プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071285
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、視聴者端末、動画配信システム、及び、動画配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20240517BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240517BHJP
   H04N 21/239 20110101ALI20240517BHJP
   H04N 21/472 20110101ALI20240517BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240517BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/258
H04N21/239
H04N21/472
G06Q30/02 342
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182147
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】504176184
【氏名又は名称】株式会社 アイ・ピー・エル
(74)【代理人】
【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】坂場 元
(72)【発明者】
【氏名】上原 誠
【テーマコード(参考)】
5C164
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SB08P
5C164SB29P
5C164SB41S
5C164SC11P
5C164SD12S
5C164UB10S
5C164UD41P
5C164YA11
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能な動画配信サーバを提供する。
【解決手段】動画配信サーバ3は、ネットワーク100を介して動画作成・配信者端末4及び視聴者端末5と通信可能に接続され、動画作成・配信者端末4からアップロードされる動画を視聴者端末5に配信する。動画配信サーバ3は、動画作成・配信者端末4からの特典アイテム登録要求を受けて動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムを登録する特典アイテム登録部31と、複数の特典アイテムそれぞれの取得確率を計算する確率計算部32と、動画の配信中に視聴者端末5からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じたガチャチケットを付与するガチャチケット付与部33と、視聴者端末5からガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受け、各特典アイテムの取得確率に基づいて視聴者に提供する特典アイテムを決定する特典アイテム提供部34とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、動画作成・配信者端末、及び、視聴者端末と通信可能に接続され、前記動画作成・配信者端末からアップロードされる動画を、前記視聴者端末に配信する動画配信サーバであって、
前記動画作成・配信者端末からの特典アイテム登録要求を受けて、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムを登録する特典アイテム登録部と、
複数の前記特典アイテムそれぞれの取得確率を計算する確率計算部と、
動画の配信中に、前記視聴者端末からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じたガチャチケットを付与するガチャチケット付与部と、
前記視聴者端末からの前記ガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受けて、前記各特典アイテムの取得確率に基づいて、複数の前記特典アイテムの中から、視聴者に提供する特典アイテムを決定して提供する特典アイテム提供部と、を備えることを特徴とする動画配信サーバ。
【請求項2】
前記確率計算部は、前記動画作成・配信者端末から受け付けた各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度、及び、各特典アイテムそれぞれの提供数に応じて、各特典アイテム毎の取得確率を計算することを特徴とする請求項1に記載の動画配信サーバ。
【請求項3】
前記特典アイテム登録部は、動画作成・配信者固有の複数の前記特典アイテムを、動画作成・配信者毎に登録し、
前記ガチャチケット付与部は、前記視聴者端末からの投げ銭を受けて、投げ銭の額に応じた動画作成・配信者固有のガチャチケットを付与することを特徴とする請求項2に記載の動画配信サーバ。
【請求項4】
前記特典アイテム提供部は、視聴者に提供する特典アイテムを、前記視聴者端末からログインした視聴者のアカウントと紐付けして提供することを特徴とする請求項3に記載の動画配信サーバ。
【請求項5】
前記視聴者端末からの要求に応じて、前記視聴者に提供した特典アイテムを、視聴者専用のページに、まとめて一覧表示するデータ提示部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の動画配信サーバ。
【請求項6】
請求項5に記載の動画配信サーバと、ネットワークを介して、通信可能に接続され、動画をアップロードする動画作成・配信者端末であって、
前記動画配信サーバに対して、動画をアップロードする動画アップロード部と、
前記動画配信サーバに対して、複数の特典アイテムを指定して、該複数の特典アイテムの登録を要求する特典アイテム登録要求部と、
前記動画配信サーバに対して、各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示す前記レア度と提供数とを指定して、各特典アイテム毎の取得確率の計算を要求する確率計算要求部と、を備えることを特徴とする動画作成・配信者端末。
【請求項7】
請求項5に記載の動画配信サーバと、ネットワークを介して、通信可能に接続され、配信される動画を視聴する視聴者端末であって、
前記動画配信サーバにより配信される動画を受信する動画受信部と、
前記動画配信サーバに対して、金額を指定して投げ銭を送る投げ銭送信部と、
前記動画配信サーバから付与されるガチャチケットを受け取るガチャチケット受領部と、
前記動画配信サーバに対して、ガチャチケットを用いて、ガチャを引く要求を送るガチャ要求部と、
前記動画配信サーバから提供される特典アイテムを受け取る特典アイテム受領部と、を備えることを特徴とする視聴者端末。
【請求項8】
請求項5に記載の動画配信サーバと、
請求項6に記載の動画作成・配信者端末と、
請求項7に記載の視聴者端末と、を備えることを特徴とする動画配信システム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項5に記載の動画配信サーバとして機能させることを特徴とする動画配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、視聴者端末、並びに、該動画配信サーバ、該動画作成・配信者端末、該視聴者端末を備える動画配信システム、及び、動画配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主にインターネットにおいて、2DCG(2 Dimensional Computer Graphics)や3DCGで描画されたキャラクター(アバター)を使って活動(例えばライブ型式の動画配信等)を行うバーチャルYouTuber(以下「V-Tuber」という)が注目されている。
【0003】
V-Tuberは、例えば、人間の全身の動きを読み取るモーションキャプチャーを利用し、生放送(ライブ配信)において、リアルタイムでキャラクター(アバター)にリアクションを取らせることによって、視聴者との直接的なコミュニケーションを実現させている。
【0004】
ところで、V-Tuberとして活動を行うためには、例えば、アバターの制作ツール(Live2D/3Dモデルなど)や、アバターを動かすPC、ライブ配信を行うための機材、コンテンツ制作のための動画編集ツール、音源を混ぜて調節するMixツール、イラストの作成、発注などに様々なコストがかかる。
【0005】
また、ライブ配信サービスでは、例えば、ライブ形式の動画配信中に、視聴者が、動画への称賛や動画配信者(動画作成者)への応援といった意味合いで、動画配信者(動画作成者)へ金銭的報酬(いわゆる投げ銭(登録商標)又はギフティング)を提供することを可能とする機能が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、V-Tuberにとっては投げ銭が活動収益の要(主な収入源)となっている。なお、特許文献1には、映像の提供に対して視聴者が行う投げ銭等の視聴者アクションを受け付けつつ、当該提供される映像の視認性を確保する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-122109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば、YouTube(登録商標)のライブ配信サービスに備わっているスーパーチャット(スパチャ)などでは、視聴者(視聴ユーザ)は、ライブ配信者(V-Tuber)に対し投げ銭をすることで、ライブ配信者とコミュニケーションをとること(例えば、投げ銭を行った視聴者に対して、ライブ配信者が、直接名前を呼んでお礼を伝えてくれたり、質問に回答してくれるなど)ができる。すなわち、視聴者にとって、ライブ配信者とのコミュニケーション(ライブ配信者のレスポンス)が、投げ銭の対価の一つとなっている。
【0008】
しかしながら、人気があるライブ配信者(V-Tuber)になると、チャット数の増加等により、十分にレスポンスを返すことができなくなる傾向がある。すなわち、視聴者は、投げ銭をしてもレスポンスを返してもらうこと(コミュニケーションをとること)ができなくなる傾向がある。そのため、投げ銭という行為に対する意味付け(すなわち、何のために投げ銭をするのか)が不明確になり、視聴者の投げ銭に対するモチベーションが低下する(意欲が失われる)おそれがある。ひいては、投げ銭機能を利用する人が減ることになり、V-Tuberとして活動する者の収益低下(収益圧迫)につながるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能な動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、視聴者端末、動画配信システム、及び、動画配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る動画配信サーバは、ネットワークを介して、動画作成・配信者端末、及び、視聴者端末と通信可能に接続され、動画作成・配信者端末からアップロードされる動画を、視聴者端末に配信する動画配信サーバであって、動画作成・配信者端末からの特典アイテム登録要求を受けて、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムを登録する特典アイテム登録部と、複数の特典アイテムそれぞれの取得確率を計算する確率計算部と、動画の配信中に、視聴者端末からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じたガチャチケットを付与するガチャチケット付与部と、視聴者端末からのガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受けて、各特典アイテムの取得確率に基づいて、複数の特典アイテムの中から、視聴者に提供する特典アイテムを決定して提供する特典アイテム提供部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る動画配信サーバによれば、予め、動画作成・配信者端末からの特典アイテム登録要求を受けて、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムが登録されるとともに、複数の特典アイテムそれぞれの取得確率が計算される。その後、動画の配信中に、視聴者端末からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じたガチャチケットが付与される。そして、視聴者端末からのガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受けて、各特典アイテムの取得確率に基づいて、複数の特典アイテムの中から、視聴者に提供する特典アイテムが決定されて提供される。すなわち、視聴者は、投げ銭の額に応じてガチャチケットを受け取ることができ、また、そのガチャチケットを使ってガチャを引いて動画作成・配信者固有の特典アイテムを取得(獲得)することができる。そのため、ガチャを引いて特典アイテムを取得すること(できること)がインセンティブ(投げ銭に対する対価や動機付け)となり、投げ銭に対するモチベーション(意欲)を高めることができる。その結果、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【0012】
本発明に係る動画配信サーバでは、上記確率計算部が、動画作成・配信者端末から受け付けた各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度、及び、各特典アイテムそれぞれの提供数に応じて、各特典アイテム毎の取得確率を計算することが好ましい。
【0013】
この場合、動画作成・配信者端末から受け付けた各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度、及び、各特典アイテムそれぞれの提供数に応じて、各特典アイテム毎の取得確率が計算される。よって、レア度(希少性)が高い特典アイテムほど取得(獲得)することが困難になるため、インセンティブとしての価値が大きくなり、投げ銭に対するモチベーションをより高めることができる。また、動画作成・配信者の特典アイテムの取得確率計算に要する負担を軽減することができる。
【0014】
本発明に係る動画配信サーバでは、上記特典アイテム登録部が、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムを、動画作成・配信者毎に登録し、上記ガチャチケット付与部が、視聴者端末からの投げ銭を受けて、投げ銭の額に応じた動画作成・配信者固有のガチャチケットを付与することが好ましい。
【0015】
この場合、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムが、動画作成・配信者毎に(すなわち、動画作成・配信者と紐付けされて)登録され、視聴者端末からの投げ銭を受けて、投げ銭の額に応じた動画作成・配信者固有のガチャチケットが付与される。そのため、動画作成・配信者固有の特典アイテムを、動画作成・配信者毎に適切に管理できる。また、提供する特典アイテムを動画作成・配信者固有のものに限定できるため、視聴者が投げ銭をした動画の作成・配信者と異なる作成・配信者の特典アイテムを取得することを防止できる。すなわち、視聴者が、投げ銭をしていない動画の作成・配信者の特典アイテムを取得できないようにできる。
【0016】
本発明に係る動画配信サーバでは、上記特典アイテム提供部が、視聴者に提供する特典アイテムを、視聴者端末からログインした視聴者のアカウントと紐付けして提供することが好ましい。
【0017】
このようにすれば、視聴者が取得(獲得)した特典アイテムを該視聴者のアカウントと紐付けすることにより、視聴者毎に、取得した特典アイテムを適確に管理することが可能となる。
【0018】
本発明に係る動画配信サーバは、視聴者端末からの要求に応じて、視聴者に提供した特典アイテムを、視聴者専用のページに、まとめて一覧表示するデータ提示部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
この場合、視聴者端末からの要求に応じて、視聴者に提供した特典アイテムが、視聴者専用のページに、まとめて一覧表示される。そのため、視聴者に対して、特典アイテムをコレクションする喜びを与えることにより、視聴者の満足度をアップでき、投げ銭に対するモチベーションをさらに高めることができる。
【0020】
本発明に係る動画作成・配信者端末は、上記動画配信サーバとネットワークを介して通信可能に接続され、動画をアップロードする動画作成・配信者端末であって、動画配信サーバに対して動画をアップロードする動画アップロード部と、動画配信サーバに対して、複数の特典アイテムを指定して、該複数の特典アイテムの登録を要求する特典アイテム登録要求部と、動画配信サーバに対して、各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度と提供数とに基づいて、各特典アイテム毎の取得確率の計算を要求する確率計算要求部とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る動画作成・配信者端末によれば、動画配信サーバに対して動画をアップロードすることにより、該動画を配信することができる。また、動画配信サーバに対して、複数の特典アイテムを指定して、該複数の特典アイテムの登録を要求することにより、該複数の特典アイテムを登録することができる。さらに、動画配信サーバに対して、各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度と提供数とに基づいて、各特典アイテム毎の取得確率の計算を要求することにより、各特典アイテム毎の取得確率を自動的に計算することができる。
【0022】
本発明に係る視聴者端末は、上記動画配信サーバとネットワークを介して通信可能に接続され、配信される動画を視聴する視聴者端末であって、動画配信サーバにより配信される動画を受信する動画受信部と、動画配信サーバに対して、金額を指定して投げ銭を送る投げ銭送信部と、動画配信サーバから付与されるガチャチケットを受け取るガチャチケット受領部と、動画配信サーバに対して、ガチャチケットを用いてガチャを引く要求を送るガチャ要求部と、動画配信サーバから提供される特典アイテムを受け取る特典アイテム受領部とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る視聴者端末によれば、動画配信サーバにより配信される動画を受信することにより該動画を視聴することができる。また、動画配信サーバに対して、金額を指定して投げ銭を送り、該投げ銭に対して動画配信サーバから付与されるガチャチケットを受け取ることができる。さらに、動画配信サーバに対して、ガチャチケットを用いてガチャを引く要求を送ることにより、ガチャチケットを用いてガチャを引き、動画配信サーバから提供される特典アイテムを受け取ることができる。
【0024】
本発明に係る動画配信システムは、上記動画配信サーバと、上記動画作成・配信者端末と、上記視聴者端末とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る動画配信システムによれば、上記動画配信サーバと、上記動画作成・配信者端末と、上記視聴者端末とを備えているため、上述したように、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【0026】
本発明に係る動画配信プログラムは、コンピュータを、上記動画配信サーバとして機能させることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る動画配信プログラムによれば、コンピュータを上記動画配信サーバとして機能させることができる。よって、上述したように、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係る動画配信システム(動画配信サーバ、動画作成・配信者端末、及び、視聴者端末)の構成を示すブロック図である。
図2】投げ銭をしてガチャチケットを取得する一連の処理における表示画面例を示す図であり、(a)は投げ銭画面、(b)は投げ銭金額設定画面、(c)はガチャチケット受領画面、(d)は保有ガチャチケット確認画面の一例を示す図である。
図3】ガチャを引いて特典アイテムを取得する一連の処理における表示画面例を示す図であり、(a)はガチャ画面、(b)はガチャ回数設定画面、(c)は特典アイテム表示画面の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る動画配信システム(動画配信サーバと動画作成・配信者端末)による特典アイテム登録処理、及び、取得確計算処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図5】実施形態に係る動画配信システム(動画配信サーバと視聴者端末)によるガチャチケット付与処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係る動画配信システム(動画配信サーバと視聴者端末)による特典アイテム提供処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図7】動画配信プログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0031】
まず、図1を用いて、実施形態に係る動画配信システム1(動画配信サーバ3、動画作成・配信者端末4、及び、視聴者端末5)の構成について説明する。図1は、実施形態に係る動画配信システム1(動画配信サーバ3、動画作成・配信者端末4、及び、視聴者端末5)の構成を示すブロック図である。
【0032】
動画配信システム1は、動画配信サーバ3と、動画作成・配信者端末4と、視聴者端末5とを備えて構成されている。特に、この動画配信システム1は、視聴者(視聴ユーザ)の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高める機能を有している。動画配信サーバ3と動画作成・配信者端末4と視聴者端末5とは、例えば、インターネットやLANなどの通信ネットワーク100(特許請求の範囲に記載のネットワークに相当、以下、単に「ネットワーク」という)を介して互いにデータの送受信が可能に構成されている。
【0033】
なお、通信ネットワーク100は有線式であっても無線式であってもよく、また双方を含んでいてもよい。また、図1では、動画作成・配信者端末4、視聴者端末5それぞれが1台の場合を例にして示したが、動画作成・配信者端末4、及び/又は、視聴者端末5は複数台であってもよい。
【0034】
動画配信サーバ3は、ネットワーク100を介して、動画作成・配信者端末4、及び、視聴者端末5と通信可能に接続され、動画作成・配信者端末4からアップロードされる動画(例えばライブ映像等)を、視聴者端末5に配信する。また、動画配信サーバ3は、動画作成・配信者端末4から特典アイテムの登録要求を受けて特典アイテムを登録する。さらに、動画配信サーバ3は、視聴者端末5から投げ銭を受けてガチャチケット付与するとともに、ガチャチケットを用いたガチャを受けて特典アイテムを提供する。
【0035】
そのため、動画配信サーバ3は、主として、特典アイテム登録部31と、確率計算部32と、ガチャチケット付与部33と、特典アイテム提供部34と、データ提示部35と、認証部36と、記憶部37と、通信部38(受信部38a、送信部38b)とを備えている。
【0036】
特典アイテム登録部31は、予め(動画配信前に)、動画作成・配信者端末4からの特典アイテム登録要求を受けて、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムを登録する。特典アイテム登録部31は、例えば、特典アイテムのタイトル、特典アイテムデータ(テキストデータ、静止画像(イラスト)データ、動画データ、音声データ等)、レア度等を登録する。
【0037】
その際に、特典アイテム登録部31は、特典アイテムを、動画作成・配信者毎(V-Tuber毎)に、すなわち、動画作成・配信者のアカウントと紐付けして登録する。登録された特典アイテムは記憶部37に記憶される。
【0038】
確率計算部32は、複数の特典アイテム(登録されたすべての特典アイテム又はその中から選択された特典アイテム)それぞれの取得確率(獲得確率)を計算する。より詳細には、確率計算部32は、動画作成・配信者端末4から受け付けた各特典アイテムそれぞれの希少性の度合(程度)を示すレア度、及び、各特典アイテムそれぞれの提供数(供給数)に応じて、各特典アイテム毎の取得確率を計算する。
【0039】
ここで、確率計算部32による各特典アイテムの取得確率の計算方法について説明する。
(i)まず、確率計算部32は、動画作成・配信者端末4から受け付けた(動画作成・配信者が設定した)各特典アイテムのレア度(例えば、N(ノーマル)、R(レア)、SR(スーパーレア)、SSR(スペシャルスーパーレア)等)を取得する。
【0040】
(ii)次に、確率計算部32は、各レア度のベース当選確率(取得確率)(例えば、N=60%、R=24%、SR=12%、SSR=4%等)を設定する。
【0041】
(iii)続いて、確率計算部32は、動画作成・配信者端末4から受け付けた(動画作成・配信者が設定した)各レア度の特典アイテムの個数(例えば、N=5個、R=1個、SR=0個、SSR=1個等)を取得する。
【0042】
(iv)次に、確率計算部32は、各レア度のベース当選確率(取得確率)を調整する。なお、レア度R以上は、動画作成・配信者が設定した特典アイテムが0個の場合、当選確率(取得確率)を0%とする。ただし、レア度N、及び、レア度R以上の少なくともいずれか1つ(レア度R、レア度SR、又は、レア度SSR)は必ず1個以上設定しなければならない仕様とし、レア度Nは例えば60%固定とする(例えば、N=60%、R=24%、SR=0%、SSR=4%等)。
【0043】
(v)続いて、確率計算部32は、次式(1)から、不足当選確率(不足取得確率)を算出する。
不足当選確率=100%-{(iv)で算出したレア度N~SSRの当選確率(取得確率)の合計} ・・・(1)
上述した例では、100%-88%=12%、となる。
【0044】
(vi)次に、確率計算部32は、次式(2)から、各レア度(R~SSR)の最終的な当選確率(取得確率)を算出する。
各レア度の当選確率={(iv)の当選確率÷(iv)のR~SSRの合計×(v)の不足当選確率}+(iv)の当選確率 ・・・(2)
よって、上述した例では、
レア度Rの場合:(24÷28×12)+24=34.29%
レア度SRの場合:0%
レア度SSRの場合:(4÷28×12)+4=5.71%
となる(ただし、小数点第3位を四捨五入)。
【0045】
(vii)そして、確率計算部32は、次式(3)から、各レア度の1アイテムあたりの当選確率(取得確率)を算出する。
1アイテムあたりの当選確率=(vi)の当選確率÷(iii)アイテム数 ・・・(3)
よって、上述した例では、
レア度Nの場合:60÷5=12%
レア度Rの場合:34.29÷3=11.43%
レア度SRの場合:0%
レア度SSRの場合:5.71%÷1=5.71%
となる。なお、求められた各特典アイテムの取得確率は、動画作成・配信者毎に、記憶部37に記憶される。
【0046】
ガチャチケット付与部33は、動画(ライブ映像等)の配信中に、視聴者端末5からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じた動画作成・配信者固有のガチャチケットを付与する。なお、既に付与されているガチャチケットがある場合には、ガチャチケットの付与枚数が加算される。付与されたガチャチケット(種類及び付与枚数)は、視聴者毎に、記憶部37に記憶される。ここで、ガチャチケットは、ガチャを引く対価として使用するチケットである。また、投げ銭は、動画(ライブ映像等)を視聴している視聴者がその画像作成・配信者(V-Tuber)に対して金銭等を寄付する行為(又はサービスや機能)である。
【0047】
特典アイテム提供部34は、視聴者端末5からガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受けて、各特典アイテムの取得確率(獲得確率)に基づいて、複数の特典アイテムの中から、視聴者に付与する特典アイテム(獲得アイテム)を決定して提供する。その際に、特典アイテム提供部34は、視聴者に提供する特典アイテム(獲得アイテム)を、視聴者端末5からログインした視聴者のアカウントと紐付けして提供する。
【0048】
データ提示部35は、視聴者端末5からの要求に応じて、視聴者に提供した特典アイテム(獲得アイテム)を、視聴者端末5の視聴者固有のページ(マイページ)に、まとめて一覧表示する。
【0049】
認証部36は、通信部38(受信部38a)によって受信された動画作成・配信者端末4(動画作成・配信者)や視聴者端末5(視聴者)からのユーザ登録を受けて、ユーザアカウントを付与する。また、認証部36は、通信部38(受信部38a)によって受信された動画作成・配信者端末4、及び、視聴者端末5からのログイン要求(ID及びパスワード)に対して、認証を行う。
【0050】
通信部38は、ネットワーク100を介して行われる通信の制御を行うネットワークインターフェースである。通信部38は、例えばTCP/IPなどのプロトコルに従ってデータ通信を行う。通信部38は、データを受信する受信部38aと、データを送信する送信部38bとを備えている。
【0051】
上述したように、受信部38aは、動画作成・配信者端末4からログイン要求やアップロードされる動画(ライブ映像等)などを受信する。また、受信部38aは、視聴者端末5からのログイン要求や動画(ライブ映像)の視聴要求などを受信する。一方、送信部38bは、アップロードされる動画(ライブ映像等)をリアルタイムで視聴者端末5に対して送信(配信)する。
【0052】
記憶部37は、例えば、フラッシュメモリ(EEPROM)、又は、ハードディスクドライブ(HDD)や、SRAM、DRAM等のメモリから構成される。記憶部37は、動画作成・配信者のアカウントと紐づけて(対応付けて)、画像作成・配信者情報、特典アイテム情報等を記憶する。また、記憶部37は、視聴者のアカウントと紐づけて(対応付けて)、視聴者情報、ガチャチケット(保有数)情報、視聴者が獲得した特典アイテム情報等を記憶する。また、記憶部37は、後述する動画配信プログラム(コンピュータプログラム)等も記憶している。
【0053】
ところで、動画配信サーバ3は、動画配信プログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。ここで、図7を参照しつつ、動画配信サーバ3として機能するコンピュータ300、及び、コンピュータ300を動画配信サーバ3として機能させる動画配信プログラム371について説明する。
【0054】
コンピュータ300は、例えば、動画配信プログラム371の実行等を制御する制御部(CPUや内部メモリ等)310と、動画配信プログラム371等が記憶されたハードディスクやEEPROM等からなる記憶装置370と、ディスプレイ等からなる表示部340と、キーボード等から成る入力部330と、DVD-ROM等の記録媒体に記録された動画配信プログラム371等を読み取り可能な読取装置350と、LANボードから成るLANインターフェース380とを備えている。ここで、例えば、読取装置350により読み取られ(又はネットワークを介してダウンロードされ)記憶装置370に記憶(インストール)された動画配信プログラム371が実行されることにより、コンピュータ300が、上述した動画配信サーバ3を構成する特典アイテム登録部31、確率計算部32、ガチャチケット付与部33、特典アイテム提供部34、データ提示部35、認証部36、記憶部37、及び、通信部38(受信部38a、送信部38b)として機能する。
【0055】
次い、動画作成・配信者端末4は、動画配信サーバ3とネットワーク100を介して通信可能に接続され、動画(例えばライブ映像等)をアップロードする。動画作成・配信者端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の端末である。動画作成・配信者(V-Tuber)は、動画作成・配信者端末4から動画配信サーバ3にログインして、動画の配信要求(依頼)を行うことにより、リアルタイムで動画(ライブ映像等)を配信することができる。また、動画作成・配信者(V-Tuber)は、動画作成・配信者端末4から、特典アイテムの登録や、特典アイテムの取得確率の計算依頼等を行うことができる。
【0056】
そのため、動画作成・配信者端末4は、主として、動画アップロード部41と、特典アイテム登録要求部42と、確率計算要求部43と、入力部44と、表示部45と、通信部46(受信部46a、送信部46b)とを備えて構成されている。
【0057】
動画アップロード部41は、通信部46(送信部46b)を用いて、動画配信サーバ3に対して、動画(例えばライブ映像等)をアップロードする。すなわち、動画作成・配信者端末4は、動画(ライブ映像等)を動画配信サーバ3にリアルタイムでアップロードする。なお、上述したように、動画配信サーバ3では、動画作成・配信者端末4からアップロードされる動画(ライブ映像等)がリアルタイムで視聴者端末5へ配信(送信)される。
【0058】
特典アイテム登録要求部42は、動画配信サーバ3に対して、複数の特典アイテム(ガチャアイテム)を指定(特定)して、該複数の特典アイテムの登録を要求する。その際に、特典アイテム登録要求部42は、例えば、特典アイテムのタイトル、特典アイテムデータ(テキストデータ、静止画像(イラスト)データ、動画データ、音声データ等)、レア度等の登録を要求する。なお、上述したように、動画配信サーバ3では、特典アイテムの登録要求を受けて、該特典アイテムが登録されて記憶される。
【0059】
確率計算要求部43は、動画配信サーバ3に対して、各特典アイテムそれぞれの希少性の度合(程度)を示すレア度と供給数(付与数)とに基づいて、各特典アイテム(登録したすべての特典アイテム又はその中から選択した特典アイテム)の取得確率(獲得確率)の計算を要求する。なお、上述したように、動画配信サーバ3では、各特典アイテムの取得確率の計算要求を受けて、該各特典アイテムの取得確率が自動的に計算されて記憶される。
【0060】
入力部44は、例えば、キーボードやポインティングデバイス、又はタッチパネルなどから構成され、動画作成・配信者からのログイン要求や、特典アイテムの登録要求、動画の配信要求などの操作入力を受付ける。動画作成・配信者は、動画配信サーバ3にログインする際に、ログイン画面を開いてIDやパスワードなどを入力する。また、動画作成・配信者は、動画配信サーバ3に対して特典アイテムの登録を要求する際に、特典アイテム登録画面から登録を希望する特典アイテムなどを選んで入力する。
【0061】
表示部45は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などからなる。表示部45は、例えば、動画作成・配信者がログインや、特典アイテムの登録、動画のアップロード等の操作を行うための各種情報、及び、アップロードしている動画(ライブ映像)などを表示する。
【0062】
通信部46は、ネットワーク100を介して行われる通信の制御を行うネットワークインターフェースである。通信部46は、例えばTCP/IPなどのプロトコルに従ってデータ通信を行う。通信部46は、データを受信する受信部46aと、データを送信する送信部46bとを備えている。
【0063】
受信部46aは、動画配信サーバ3から送信された特典アイテムの登録結果等を受信する。一方、送信部46bは、ログイン要求、特典アイテム登録要求、動画アップロード要求、及び、動画データ(ライブ映像データ等)などを動画配信サーバ3に対して送信する。
【0064】
ところで、動画作成・配信者端末4は、例えば、仮想空間においてアバターが開催するライブイベントの動画をコンテンツとし、視聴者端末5にライブ配信する。演者キャラクターは、例えば、画像作成・配信者(V-Tuber)のアバターキャラクターとする。ライブ配信の間、動画作成・配信者端末4は、モーションキャプチャー処理を常時実行して、ライブ映像からリアルタイムに動画作成・配信者のモーションデータを作成する。また、動画作成・配信者端末4は、音声キャプチャ処理を常時実行しており、リアルタイムにライブ音声から投稿者音声データを作成する。動画作成・配信者端末4は、ライブ配信の間、動画データ(ライブ映像)を動画配信サーバ3へアップロードし続ける。
【0065】
次に、視聴者端末5は、動画配信サーバ3とネットワーク100を介して通信可能に接続され、配信される動画(例えばライブ映像等)を視聴する。視聴者端末5は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の端末である。視聴者は、視聴者端末5から動画配信サーバ3にログインして動画(ライブ映像等)の視聴要求を行うことにより、動画(ライブ映像等)を視聴することができる。また、視聴者は、視聴者端末5から、動画(ライブ映像等)の視聴中に投げ銭をしてガチャチケットを取得し、そのガチャチケットを使用してガチャを引くことにより、特典アイテムを獲得することができる。
【0066】
そのため、視聴者端末5は、主として、動画受信部51と、投げ銭送信部52と、ガチャチケット受領部53と、ガチャ要求部54と、特典アイテム受領部55と、入力部56と、表示部57と、通信部58(受信部58a、送信部58b)とを備えている。
【0067】
動画受信部51は、通信部58(受信部58a)を用いて、動画配信サーバ3により配信される動画(ライブ映像等)を受信する。なお、受信された動画(ライブ映像等)は表示部57にて表示される。
【0068】
投げ銭送信部52は、動画(ライブ映像)の視聴中に、通信部58(送信部58b)を用いて、動画配信サーバ3に対して、金額を指定して投げ銭を送る。ここで、図2に、投げ銭をしてガチャチケットを取得する一連の処理における表示画面例を示す。
【0069】
図2(a)は投げ銭画面の一例であり、視聴者が、投げ銭画面(視聴画面)に表示されている「投げ銭ボタン」を押下(タッチ)又はクリック等すると、図2(b)の投げ銭金額設定画面(一例)が表示される。視聴者は、図2(b)に示された投げ銭金額設定画面(視聴画面)上で投げ銭額を選択(設定)し、その後、「送信ボタン」を押下(タッチ)又はクリック等することにより、投げ銭を送ることができる。
【0070】
ガチャチケット受領部53は、通信部58(受信部58a)を用いて、動画配信サーバ3から付与される(送られる)ガチャチケット(保有数)を受け取る。ここで、図2(c)に、ガチャチケット受領画面の一例を示す。図2(c)に示されるように、投げ銭の金額に応じたチャットが受信され、視聴画面(表示画面)に表示される。また、図2(d)に、保有ガチャチケット確認画面の一例を示す。図2(d)に示されるように、投げ銭を送った動画作成・配信者(V-Tuber)のガチャチケットが、投げ銭の送り主(視聴者)に付与され、表示画面(マイページなど)に表示される。
【0071】
ガチャ要求部54は、通信部58(送信部58b)を用いて、動画配信サーバ3に対して、ガチャチケットを使用して、ガチャを引く要求を送る。ここで、図3に、ガチャを引いて特典アイテムを取得する一連の処理における表示画面例を示す。
【0072】
図3(a)はガチャ画面(視聴画面)の一例であり、視聴者が、表示画面に表示されている「ガチャボタン」を押下(タッチ)又はクリック等すると、図3(b)のガチャ回数設定画面(一例)が表示される。視聴者は、図3(b)に示されたガチャ回数設定画面(表示画面)上でガチャ回数(ガチャを引く回数)を入力し、その後、「ガチャを引く(ボタン)」を押下(タッチ)又はクリック等することにより、入力した回数、ガチャを引くことができる。
【0073】
特典アイテム受領部55は、通信部58(受信部58a)を用いて、動画配信サーバ3から提供される(送られる)特典アイテムを受け取る。受け取った特典アイテムは、表示部57(マイページ等)に表示される。
【0074】
ここで、図3(c)に、特典アイテム表示画面(マイページ等)の一例を示す。図3(c)に示されるように、例えば、獲得した特典アイテムが並べて(一覧で)表示される。なお、特典アイテムそれぞれが感謝のメッセージや、画像、音声、動画等になっており、視聴者は、マイページにコレクションして楽しむことができる。
【0075】
入力部56は、例えば、キーボードやポインティングデバイス、又はタッチパネルなどから構成され、視聴者からのログイン要求や、動画の配信要求、投げ銭、ガチャ要求などの操作入力を受付ける。視聴者は、動画配信サーバ3にログインする際に、ログイン画面を開いてIDやパスワードなどを入力する。また、視聴者は、動画配信サーバ3に対して動画の視聴を要求する際に、動画視聴要求画面から視聴を希望する動画コンテンツなどを選んで入力する。
【0076】
表示部57は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などからなる。表示部57は、例えば、視聴者がログインや動画の視聴要求などの操作を行うための各種情報、及び、ストリーミング動画(ライブ映像)などを表示する。また、上述したように、表示部57は、投げ銭を送る操作を行うための画面や、ガチャを引く操作を行うための画面、及び、視聴者のマイページなどを表示する。
【0077】
通信部58は、ネットワーク100を介して行われる通信の制御を行うネットワークインターフェースである。通信部58は、例えばTCP/IPなどのプロトコルに従ってデータ通信を行う。通信部58は、データを受信する受信部58aと、データを送信する送信部58bとを備えている。
【0078】
上述したように、受信部58aは、動画配信サーバ3から配信(送信)されたストリーミング動画(ライブ映像)データや、ガチャチケット情報などを受信する。一方、送信部58bは、ログイン要求、動画視聴要求、及び、投げ銭やガチャ要求などを動画配信サーバ3に対して送信する。
【0079】
ところで、視聴者が、動画(ライブ映像)の視聴を要求する旨の操作を行った場合、通信部58(送信部58b)は、該動画の視聴要求を動画配信サーバ3へ送信する。視聴要求に応じて、動画配信サーバ3から視聴端末5宛てに動画が配信されると、通信部58(受信部58a)が、動画をリアルタイムで受信する。これにより、視聴者は、動画(ライブ映像)をリアルタイムで視聴することができる。
【0080】
次に、図4~6を併せて参照しつつ、動画配信システム1(動画配信サーバ3、画像作成・配信者端末4、及び、視聴者端末5)の動作について説明する。ここで、図4は、動画配信システム1(動画配信サーバ3と動画作成・配信者端末4)による特典アイテム登録処理、及び、取得確計算処理の処理手順を示すシーケンス図である。図5は、動画配信システム1(動画配信サーバ3と視聴者端末5)によるガチャチケット付与処理の処理手順を示すシーケンス図である。図6は、動画配信システム1(動画配信サーバ3と視聴者端末5)による特典アイテム提供処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0081】
まず、図4を参照しつつ、動画配信システム1(動画配信サーバ3と動画作成・配信者端末4)による特典アイテム登録処理、及び、取得確計算処理について説明する。ステップS100では、画像作成・配信者端末4から、特典アイテム情報(タイトル、コンテンツデータ、レア度等)を付加した(添えた)特典アイテム登録要求が、動画配信サーバ3に対して送信される。
【0082】
ステップS102では、画像作成・配信者端末4からの特典アイテム登録要求を受けた動画配信サーバ3によって、特典アイテム情報(タイトル、コンテンツデータ、レア度等)が、画像作成・配信者毎に(アカウントに紐づけて)登録される(記憶部37に記憶される)。
【0083】
ステップS104では、画像作成・配信者端末4から、登録した複数の特典アイテム(又はその中から選択された複数の特典アイテム)の取得確率計算依頼(要求)が、動画配信サーバ3に対して送信される。
【0084】
ステップS106では、画像作成・配信者端末4からの特典アイテムの取得確率計算依頼要求を受けた動画配信サーバ3により、特典アイテムの取得確率が計算される。なお、特典アイテムの取得確率の計算方法については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0085】
ステップS108では、ステップS106において取得された計算結果(特典アイテムの取得確率)が記憶部37に記憶される。
【0086】
次に、図5を参照しつつ、動画配信システム1(動画配信サーバ3と視聴者端末5)によるガチャチケット付与処理について説明する。
【0087】
ステップS200では、画像作成・配信者端末4からアップロードされる動画(ライブ映像)が、リアルタイムで、動画配信サーバ3から、視聴者端末5に対して配信される。
【0088】
ステップS202では、動画(ライブ映像)の配信中(視聴中)に、視聴者端末5から投げ銭が送信される。投げ銭の仕方については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0089】
ステップS204では、視聴者端末5からの投げ銭を受けた動画配信サーバ3において、投げ銭の額に応じて、ガチャチケットが付与され(ガチャチケットの保有数が加算され)、記憶部37に記憶される(ステップS205)。
【0090】
ステップS206では、視聴者端末5から、ガチャチケットの保有数(加算結果)確認要求が、動画配信サーバ3に対して送信される。
【0091】
ステップS208では、視聴者端末5からのガチャチケットの保有数(加算結果)確認要求を受けた動画配信サーバ3において、記憶部37に記憶されているガチャチケットの保有数(加算結果)が読み出される。
【0092】
ステップS210では、ステップS208において読み出されたガチャチケットの保有数(加算結果)が、動画配信サーバ3から、視聴者端末5に対して返信される。そのため、視聴者は、ガチャチケットの保有数を確認することができる。
【0093】
次に、図6を参照しつつ、動画配信システム1(動画配信サーバ3と視聴者端末5)による特典アイテム提供処理について説明する。
【0094】
ステップS300では、視聴者端末5から、ガチャチケットを使用してガチャを引く要求が、動画配信サーバ3に対して送信される。なお、ガチャの引き方については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0095】
ステップS302では、動画配信サーバ3において、各特典アイテムの取得確率に基づいて、視聴者に提供する特典アイテムが決定され、記憶部37に記憶される。また、使用されたガチャチケットの枚数が保有数から減算され、新たな保有数として記憶部37に記憶される(ステップS303)。
【0096】
ステップS304では、視聴者端末5から、取得した特典アイテムの確認要求が、動画配信サーバ3に対して送信される。
【0097】
ステップS306では、動画配信サーバ3において、視聴者と紐付けされて記憶部37に記憶されている取得アイテム(特典アイテム)が読み出される。
【0098】
そして、ステップS308では、視聴者の取得した特典アイテム(一覧)が、動画配信サーバ3から、視聴者端末5に対して返信される。そのため、視聴者は、取得した特典アイテムを、視聴者端末5(マイページ)で確認することができる。
【0099】
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る動画配信サーバ3によれば、予め、動画作成・配信者端末4からの特典アイテム登録要求を受けて、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムが登録(記憶)されるとともに、複数の特典アイテムそれぞれの取得確率が計算される。その後、動画の配信中に、視聴者端末5からの投げ銭を受けて、当該投げ銭の額に応じたガチャチケットが付与される。そして、視聴者端末5からのガチャチケットを用いてガチャを引く要求を受けて、各特典アイテムの取得確率に基づいて、複数の特典アイテムの中から、視聴者に提供する特典アイテムが決定されて提供される。すなわち、視聴者は、投げ銭の額に応じてガチャチケットを受け取ることができ、また、そのガチャチケットを使ってガチャを引いて動画作成・配信者(V-Tuber)固有の特典アイテムを取得(獲得)することができる。そのため、ガチャを引いて(ガチャ機能を用いて)動画作成・配信者(V-Tuber)の特典アイテムを取得すること(できること)がインセンティブ(投げ銭に対する対価や動機付け)となり、投げ銭に対するモチベーションを高めることができる。その結果、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【0100】
ところで、従来、投げ銭は受け身の収益方法であったが、特典アイテム(ガチャアイテム)を動画作成・配信者(V-Tuber)自身で設定できるようになるため、動画作成・配信者(V-Tuber)は、特典アイテム(コンテンツ)を工夫し、それを戦略的に使っていくことにより収益を伸ばすという能動的な戦略を取れるようになる。また、従来、イラスト等のコンテンツ(素材)を製作したとしても、YouTube(登録商標)等の動画として一度アップロードすると、それで終わり、ということが多かったが、その素材を加工して特典アイテム(ガチャのアイテム)とすることにより、一度の発信だけで終わることなく、さらなる収益の道を拡げることも可能となる。
【0101】
本実施形態に係る動画配信サーバ3によれば、動画作成・配信者端末4から受け付けた各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度、及び、各特典アイテムそれぞれの提供数に応じて、各特典アイテム毎の取得確率が計算される。よって、レア度(希少性)が高い特典アイテムほど取得(獲得)することが困難になるため、インセンティブとしての価値が大きくなり、投げ銭に対するモチベーションをより高めることができる。また、動画作成・配信者の特典アイテムの取得確率計算に要する負担を軽減することができる。
【0102】
本実施形態に係る動画配信サーバ3によれば、動画作成・配信者固有の複数の特典アイテムが、動画作成・配信者毎に(すなわち、動画作成・配信者と紐付けされて)登録され、視聴者端末5からの投げ銭を受けて、投げ銭の額に応じた動画作成・配信者固有のガチャチケットが付与される。そのため、動画作成・配信者固有の特典アイテムを、動画作成・配信者毎に適切に管理できる。また、提供する特典アイテムを動画作成・配信者固有のものに限定できるため、視聴者が投げ銭をした動画の作成・配信者と異なる作成・配信者の特典アイテムを取得することを防止できる。すなわち、視聴者が、投げ銭をしていない動画の作成・配信者の特典アイテムを取得できないようにできる。
【0103】
本実施形態に係る動画配信サーバ3によれば、視聴者に提供される特典アイテムが、視聴者端末5からログインした視聴者のアカウントと紐付けして提供される。このように、視聴者が取得(獲得)した特典アイテムを該視聴者のアカウントと紐付けすることにより、視聴者毎に、取得した特典アイテムを適確に管理することが可能となる。
【0104】
本実施形態に係る動画配信サーバ3によれば、視聴者端末5からの要求に応じて、視聴者に提供した特典アイテムが、視聴者専用のページ(マイページ)に、まとめて一覧表示される。そのため、視聴者に対して、特典アイテムをコレクションする喜びを与えることにより、視聴者の満足度をアップでき、投げ銭に対するモチベーションをさらに高めることができる。
【0105】
本実施形態に係る動画作成・配信者端末4によれば、動画配信サーバ3に対して動画をアップロードすることにより、該動画を配信することができる。また、動画配信サーバ3に対して、複数の特典アイテムを指定して、該複数の特典アイテムの登録を要求することにより、該複数の特典アイテムを登録することができる。さらに、動画配信サーバ3に対して、各特典アイテムそれぞれの希少性の度合を示すレア度と提供数とに基づいて、各特典アイテムの取得確率の計算を要求することにより、各特典アイテム毎の取得確率を自動的に計算することができる。
【0106】
本実施形態に係る視聴者端末5によれば、動画配信サーバ3により配信される動画を受信することにより該動画を視聴することができる。また、動画配信サーバ3に対して、金額を指定して投げ銭を送り、該投げ銭に対して動画配信サーバ3から付与されるガチャチケットを受け取ることができる。さらに、動画配信サーバ3に対して、ガチャチケットを用いてガチャを引く要求を送ることにより、ガチャチケットを用いてガチャを引き、動画配信サーバ3から提供される特典アイテムを受け取ることができる。
【0107】
本実施形態に係る動画配信システム1によれば、上述した動画配信サーバ3と、動画作成・配信者端末4と、視聴者端末5とを備えているため、上述したように、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【0108】
本実施形態に係る動画配信プログラム371によれば、コンピュータ300を動画配信サーバ3として機能させることができる。よって、上述したように、視聴者の投げ銭に対するモチベーションをより効果的に高めることが可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像作成・配信者としてV-Tuberを例にして説明したが、画像作成・配信者はV-Tuberには限られない。また、上記実施形態では、動画としてライブ映像を配信する場合を例にして説明したが、配信される動画はライブ映像には限られない。
【0110】
また、上記実施形態の説明中のレア度や数値(例えば取得確率計算の数値)等は例示であり、上記実施形態に限られるものではなく、要件等に応じて任意に設定することができる。
【0111】
さらに、上記実施形態では、投げ銭の金額(種類)が予め設定されていたが、例えば、任意の金額の投げ銭を送ることができる構成としてもよい。また、コメントと投げ銭とを組み合わせて送ることができる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 動画配信システム
3 動画配信サーバ
4 動画作成・配信者端末
5 視聴者端末
31 特典アイテム登録部
32 確率計算部
33 ガチャチケット付与部
34 特典アイテム提供部
35 データ提示部
36 認証部
37 記憶部
38 通信部
38a 受信部
38b 送信部
41 動画アップロード部
42 特典アイテム登録要求部
43 確率計算要求部
44 入力部
45 表示部
46 通信部
46a 受信部
46b 送信部
51 動画受信部
52 投げ銭送信部
53 ガチャチケット受領部
54 ガチャ要求部
55 特典アイテム受領部
56 入力部
57 表示部
58 通信部
58a 受信部
58b 送信部
100 通信ネットワーク
300 コンピュータ
371 動画配信プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7