(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071313
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 9/00 20060101AFI20240517BHJP
A47C 7/00 20060101ALI20240517BHJP
A61G 5/02 20060101ALI20240517BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A47C7/00 A
A61G5/02 701
A61G5/12 701
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022193160
(22)【出願日】2022-11-14
(71)【出願人】
【識別番号】522468700
【氏名又は名称】増田 照子
(72)【発明者】
【氏名】増田 照子
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
【Fターム(参考)】
3B084AA00
3B095AB08
3B095AC01
3B095AC02
3B095AC04
3B095AC10
3B095CA10
(57)【要約】
【課題】脚にキャスターを備えた椅子であって、膝に負荷をかけることなく、特に直進性、移動即応性、及び方向転換性のいずれにも優れ、座面を跨いで、膝下の左右の足で漕いで歩く、移動用椅子を提供する。
【解決手段】瓢箪型座面の、椅子前方に備えた、左右一対の脚と、椅子後部に備えた、左右一対の脚の各々に、キャスターを取り付ける。その際、車軸が旋回する自在型キャスターを備える。さらに、椅子の座面後部の着座部と、座面前方の張り出し部分との、中間には、両側面に凹みを有し、さらに、座面、前方の張り出し部を設けることにより、歩行時に、体が前滑りになることを防ぐ。持ち手は座面前方の張り出し部分の中央、先端部分に位置し、着座部に対し、垂直に備え付ける。持ち手は高さ調節の機能も備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
跨ったまま、着座者の前方、左方、又は右方のいずれか一つの向きに移動する椅子であって、前記椅子は、前後に長いひょうたん型座面であり、後部に着座面3と、座面前方に張り出し部2と、張り出し部の、先端部に位置する持ち手4と、脚部5と、を備え、前記脚部は前記椅子の前方に据え付けた左右一対の脚6と、前記椅子後部に備え付けた左右一対の脚7と、よりなる4本の脚を備え、4本の脚は車輪が旋回する自在型キャスター8を備え、前記自在型キャスターを備える脚は、前記椅子の前部、かつ着座部の後部に備えられ、前記脚の接地端部は、座面外周より外側に位置しており、ひょうたん型座面後部の着座部と、前記座面前方の、張り出し部の中間に位置する両側面には、凹み1を有し、前記持ち手は、前記座面の前部張り出し部の先端部に、着座面に対し垂直に据え付けられている、
事を特徴とする椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。さらに詳しくは、膝に負荷をかけることなく座面に跨って、膝下の脚で漕いで移動する椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節症を患う人は、膝に体重など、負荷がかかることにより、痛みが生じるという特徴があるため、立って歩くのではなく、椅子に跨ったまま、膝下の脚で床面を漕ぐように移動し、膝の痛みの発生を防ぎ、トイレへの移動、調理などの作業を行う際は、両手を自由に使うことができる椅子があれば便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記椅子は移動性において、歩幅も小さく、俊敏な動きができない、という問題があった。本発明は以上の課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明者が鋭意工夫の結果、以下の構成になる椅子が、上記課題を効率よく解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のキャスター付き椅子は、跨ったまま、着座者の前方、左方、又は右方のいずれか一つの向きに移動する椅子であって、前記椅子は、前後に長いひょうたん型座面であり、後部に着座面3と、座面前方に張り出し部2と、張り出し部の、先端部に位置する持ち手4と、脚部5と、を備え、前記脚部は前記椅子の前方に据え付けた左右一対の脚6と、前記椅子後部に備え付けた左右一対の脚7と、よりなる4本の脚を備え、4本の脚は車輪が旋回する自在型キャスター8を備え、前記自在型キャスターを備える脚は、前記椅子の前部、かつ着座部の後部に備えられ、前記脚の接地端部は、座面外周より外側に位置しており、ひょうたん型座面後部の着座部と、前記座面前方の、張り出し部の中間に位置する両側面には、凹み1を有し、前記持ち手は、前記座面の前部張り出し部の先端部に、着座面に対し垂直に据え付けられている、
事を特徴とする椅子。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、着座部と、座面前方張り出し部、との中間の両側面に、凹みを設けたことによって、椅子に跨った時、両腿が、椅子の側面に当たることで生じる痛みを防ぎ、体が前滑りになることを防ぐ。
【0008】
脚部の自在型キャスターを備える4本の脚と、座面前方の、張り出し部の先端に設けた持ち手を持つことによって、敷居などの段差を容易に乗り越えることを可能とし、さらに、「直進性」、「移動促進性」、及び「歩行転換性」のいずれにおいても優れた椅子である。
【0009】
軟骨がすり減って起きる膝痛は、膝に体重などの負荷がかかることで、痛みが発する、という症状があるため、本発明の椅子に跨いで、膝から下の足で漕いで歩き、膝への負荷を回避することで、痛みを感じること無く、移動可能であり、椅子に跨り、両手が自由に使えるため、料理など長時間立ち仕事をする時も、膝の痛みを感じることなく作業を行い、トイレへ行くのも楽になり、自由自在に移動できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
座面後部の着座部3と、座面前方に張り出し部2を有し、前記座面後部の着座部3と、前記座面前方の張り出し部2の中間には凹み1を有している。
【0012】
座面前部の張り出し部2の前方先端には持ち手4を有する。
【実施例0013】
本発明のキャスター付き椅子に跨いで歩くとき、座面の中間の両側面に、凹みを有することで、座面の両側面と、着座者の両腿の摩擦で生じる痛みを防ぎ、スムーズな動きをもって、膝下の脚で床を漕いで歩くことが可能となる。座面前方の張り出し部分は体が前滑りになることを防ぎ、座面前方の張り出し部分にある持ち手を持つことで、敷居などの些少の段差は乗り越えて移動できる。部屋から部屋への移動も、トイレへの移動も、楽に行うことができる。座面に跨って膝から下の脚で漕いで移動するため、両手が自由に使うことができる。膝に体重などの負荷がかからないため、膝の痛みを伴うことなく移動可能となる。