(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071319
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
B60W 60/00 20200101AFI20240517BHJP
G06N 7/00 20230101ALI20240517BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B60W60/00
G06N7/00
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206070
(22)【出願日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2022182132
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA62
3D241CD21
3D241CE02
3D241CE05
3D241CE08
3D241DC41Z
3D241DC51Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL09
(57)【要約】
【解決手段】車両に関連する複数の情報を取得可能な情報取得部と、複数の前記情報毎に設けられ、複数の当該情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する複数のチップと、前記複数のインデックス値に基づいて前記車両の運転制御を実行する運転制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関連する情報を取得可能な1又は複数の情報取得部と、
1又は複数の前記情報毎に設けられ、複数の当該情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する1又は複数のチップと、
前記車両と異なる他の装置に設けられている前記チップから前記インデックス値を取得するインデックス値取得部と、
前記車両及び前記他の装置において推論された前記複数のインデックス値に基づいて前記車両の運転制御を実行する運転制御部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記チップは、深層学習を用いた積分法による多変量解析により、前記インデックス値を推論する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
複数の前記チップにより推論された複数の前記インデックス値を集約してインデックス値を推論するアンカーチップを備え、
前記運転制御部は、前記アンカーチップにより集約されたインデックス値に基づいて前記車両の運転制御を実行する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記チップの負荷に応じて、他の前記チップにインデックス値を推論させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記チップの負荷に応じて、当該チップがインデックス値を推論する処理の処理能力を変動させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
車両に設けられている請求項1~請求項5の何れか一項に記載の前記情報処理装置と、
前記車両と異なる他の装置に設けられ、前記車両に関連する情報を取得可能な1又は複数の情報取得部と、
前記他の装置に1又は複数の前記情報毎に設けられ、複数の当該情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する1又は複数のチップと、を備える、
情報処理システム。
【請求項8】
前記他の装置は、前記車両と異なる車両である他車両を含む、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記他の装置は、道路を監視する監視装置を含む、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記監視装置として、道路上に設置される監視装置を含む、
請求項9に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転機能を有する車両について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施態様によれば、車両に関連する情報を取得可能な1又は複数の情報取得部と、1又は複数の前記情報毎に設けられ、複数の当該情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する1又は複数のチップと、前記車両と異なる他の装置に設けられている前記チップから前記インデックス値を取得するインデックス値取得部と、前記車両及び前記他の装置において推論された前記複数のインデックス値に基づいて前記車両の運転制御を実行する運転制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0005】
本開示の一実施態様によれば、上記情報処理装置において、前記チップは、深層学習を用いた積分法による多変量解析により、前記インデックス値を推論する。
【0006】
本開示の一実施態様によれば、上記情報処理装置において、複数の前記チップにより推論された複数の前記インデックス値を集約してインデックス値を推論するアンカーチップを備え、前記運転制御部は、前記アンカーチップにより集約されたインデックス値に基づいて前記車両の運転制御を実行する。
【0007】
本開示の一実施態様によれば、上記情報処理装置において、複数の前記チップの負荷に応じて、他の前記チップにインデックス値を推論させる。
【0008】
本開示の一実施態様によれば、上記情報処理装置において、前記チップの負荷に応じて、当該チップがインデックス値を推論する処理の処理能力を変動させる。
【0009】
本開示の一実施態様によれば、車両に設けられている前記情報処理装置と、前記車両と異なる他の装置に設けられ、前記車両に関連する情報を取得可能な1又は複数の情報取得部と、前記他の装置に1又は複数の前記情報毎に設けられ、複数の当該情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する1又は複数のチップと、を備える、情報処理システムが提供される。
【0010】
本開示の一実施態様によれば、前記他の装置は、前記車両と異なる車両である他車両を含む。
【0011】
本開示の一実施態様によれば、前記他の装置は、道路を監視する監視装置を含む。
【0012】
本開示の一実施態様によれば、前記監視装置として、道路上に設置される監視装置を含む。
【0013】
本開示の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】超高性能自動運転のAIの危険予測能力について概略的に示す図である。
【
図2】Central Brainを搭載した車両の一例を示す概略図である。
【
図3】第一実施形態の情報処理装置の一例を示したブロック図である。
【
図4】インデックス値を用いた運転制御の一例を概略的に示す図である。
【
図5】インデックス値を用いた運転制御の一例を概略的に示す図である。
【
図6】情報処理装置として機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示したブロック図である。
【
図7】第二実施形態の情報処理装置を備えた情報処理システムの一例を示したブロック図である。
【
図8】第二実施形態の情報処理装置を備えた情報処理システムの
図7とは異なる一例を示したブロック図である。
【
図9】第二実施形態の情報処理装置を備えた情報処理システムの
図7及び
図8とは異なる一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
本開示の情報処理装置は、車両の制御に関連する多くの情報に基づいて、運転制御に必要なインデックス値を高精度に求めるものであってよい。したがって、本開示の情報処理装置は、少なくとも一部が車両に搭載されて、車両の制御を実現するものであってよい。
【0018】
また、本開示の情報処理装置は、Autonomous DrivingをLevel6によるAI/多変量解析/ゴールシーク/戦略立案/最適確率解/最適スピード解/最適コースマネジメント/エッジにおける多種センサ入力により得られたデータを基にリアルタイムで実現でき、デルタ最適解に基づいて調整される走行システムを提供し得る。
【0019】
図1は、本実施形態に係る超高性能自動運転のAIの危険予測の能力について概略的に示す。本実施形態においては、複数種類のセンサ情報をAIデータ化してクラウド2に蓄積する。AIがナノセカンド(10億分の1秒)ごとに状況のベストミックスを予測、判断し、車両12(
図2参照)の運行を最適化する。
【0020】
図2は、Central Brain3を搭載した車両12の一例を示す概略図である。Central Brain3は、本実施の形態に係る情報処理装置1の一例であってよい。Central Brain3は、
図2に示すように、複数のGate Way4が通信可能に接続されていてよい。本実施の形態に係るCentral Brain3は、Gate Way4を介して取得した複数の情報に基づいて、LeveL6の自動運転を実現し得るものである。
【0021】
「Level6」とは、自動運転を表すレベルであり、完全自動運転を表すLevel5よりも更に上のレベルに相当する。Level5は完全自動運転を表すものの、それは人が運転するのと同等のレベルであり、それでも未だ事故等が発生する確率はある。Level6とは、Level5よりも上のレベルを表すものであり、Level5よりも事故が発生する確率が低いレベルに相当する。
【0022】
Level6における計算力は、Level5の計算力の1000倍程度である。したがって、Level5では実現できなかった高性能な運転制御が実現可能である。
【0023】
図3は、本開示の実施の形態に係る情報処理装置1の一例を示したブロック図である。本実施の形態に係る情報処理装置1は、情報取得部10と、チップ20と、アンカーチップ30と、運転制御部40と、インデックス値取得部50と、を少なくとも含む。
【0024】
情報取得部10は、車両12に関連する様々な情報を取得することが可能なものである。この情報取得部10としては、例えば車両12の各所に取り付けられたセンサや、図示しないサーバ等からネットワークを介して取得可能な情報を取得するための通信手段を含むことができる。情報取得部10に含まれるセンサとしては、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音センサ、超音波センサ、振動センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、電磁波センサ、温度センサ、湿度センサ、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報等が挙げられる。
【0025】
複数種類のセンサが取得可能な情報には、空気抵抗、道路抵抗、道路要素(例えばゴミ)、滑り係数、地面(例えば道路)の温度や材質、外気温、地面の傾斜(tilt)、道路の凍結状態や水分量、それぞれのタイヤの材質や摩耗状況、あるいは空気圧、道路幅、追い越し禁止有無、対向車の有無、前後車両の車種情報、それらの車のクルージング状態、周囲の状況(鳥、動物、サッカーボール、事故車、地震、火事、風、台風、大雨、小雨、吹雪、霧、など)等が挙げられ、本実施の形態では、Level6の計算力を利用することで、これらの検知を10億分の1秒(ナノ秒)毎に実施することができる。
【0026】
上述した情報取得部10に、車両の下部に設けられて走行する地面の温度、材質及びtiltを検出可能な車両下部センサを含んでいることは、特に留意すべき事項である。この車両下部センサを利用して、independent smart tiltを実行することができる。
【0027】
チップ20(20A、20B、20C、20D)は、複数の情報取得部10(10A、10B、10C、10D)により取得される情報毎に設けられる。そして、複数の情報のうち予め定められた情報からインデックス値を推論する。例えば、複数の情報取得部10のうち、情報取得部10Aが取得する情報が空気抵抗(A)の場合はチップ20Aが(式(2)参照)、情報取得部10Bが取得する情報が道路抵抗(B)の場合はチップ20Bが(式(3)参照)、情報取得部10Cが取得する情報が道路要素(C)の場合はチップ20Cが(式(4)参照)、情報取得部10Dが取得する情報が滑り係数(D)の場合はチップ20D(式(5)参照)が、それぞれインデックス値を算出する。ここで、チップ20は、本実施の形態では、Level6の計算力を利用することで、これらの推論を10億分の1秒(ナノ秒)毎に実施することができる。
【0028】
また、チップ20は、機械学習、より詳しくは深層学習(Deep Learning)を用いて、情報取得部10で取得した複数の情報から車両の制御に関連するインデックス化された値を推論することが可能なものであってよい。換言すると、チップ20はAI(Artificial Intelligence)で構成することができる。ここで、インデックス値は、例えば、車輪の回転スピン数、すなわち、車両の速度(V)である。なお、インデックス値は、車輪の回転スピン数に限定されず、車両12の運転制御に必要な他の要素であってもよい。
【0029】
このチップ20は、情報取得部10において多くのセンサ群等で収集したナノ秒毎のデータを、Level6の計算力を用い、下記式(1)に示すような積分法による多変量解析(例えば式(2)乃至(5)参照)を行うことで、正確なインデックス(index)値を求め得る。より詳しくは、Level6の計算力で各種Ultra High Resolutionのデルタ値の積分値を求めながら、エッジレベルで且つリアルタイムで各変数のインデックス化された値を求め、次のナノ秒に発生する結果を最も高い確率論値を取得し得る。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
ここで、式中のDLは深層学習を示し、A,B,C,Dは、空気抵抗、道路抵抗、道路要素(例えばゴミ)及び滑り係数等を示す。
【0030】
なお、チップ20にて得られた各変数のインデックス化された値は、Deep Learningの回数を増加させることによりさらに精緻化させ得る。例えば、タイヤや、モータの回転、ステアリング角度や、道路の材質、天気、ごみや二次曲線的減速時における影響、スリップ、バランス崩壊や再獲得のためのステアリングやスピードコントロールの仕方等の膨大なデータを用いてより正確なインデックス値を算出することができる。
【0031】
チップ20同士はお互いにデータの交換はせず、チップ20のそれぞれに割り当てられた役割のみを計算する。つまり、例えばチップ20Aが空気抵抗(A)からインデックス値を推論することを割り当てられている場合はそれのみを、チップ20Bが道路抵抗(B)からインデックス値を推論することを割り当てられている場合はそれのみを、計算する。これにより各チップ20の計算負荷を大幅に減らすことができ、チップ20から出力するデータ量も大幅に軽減することができる。そしてアンカーチップ30は、チップ20により推論された複数のインデックス値を集約してインデックス値を推論する。具体的には、チップ20Aが空気抵抗(A)から推論したインデックス値、チップ20Bが道路抵抗(B)から推論したインデックス値、チップ20Cが道路要素(C)から推論したインデックス値、チップ20Dが滑り係数(D)から推論したインデックス値、を集約してインデックス値を算出する(式6参照)。
【数6】
なお、式中のDLは深層学習を示し、A,B,C,D,…,Nは、空気抵抗から算出したインデックス値、道路抵抗から算出したインデックス値、道路要素から算出したインデックス値及び滑り係数から算出したインデックス値等を示す。
【0032】
アンカーチップ30は、例えば、空気抵抗(A)を加味して15スピン、道路抵抗(B)を加味して16スピン、道路要素(C)を加味して14スピンなどといった計算結果を出力した場合、アンカーチップ30が4輪のそれぞれのモータにどのくらいの車輪の回転スピン数で進む(加速・減速)すべきかを算出する。
【0033】
本実施形態の情報処理装置1は、制御の対象である車両12とは異なる、「他の装置」において推論されたインデックス値に基づいて、車両12の運転制御を実行可能である。この「他の装置」には、たとえば、本実施形態の情報処理装置1と同様の情報処理装置を備えている車両である他車両を含む。この他車両は、情報処理装置1と同様の情報処理装置を備えているので、情報処理装置の構成として、本実施形態の情報取得部10及びチップ20と同様の情報取得部及びチップを備えている。
【0034】
また「他の装置」には、道路上に設置されると共に、本実施形態の情報取得部10及びチップ20を備えるように構成されている装置(たとえば、信号機、各種標識及び看板、電柱、街路灯及び取締装置)を含む。さらに、「他の装置」には、道路上以外に設置されると共に、本実施形態の情報取得部10及びチップ20を備えるように構成されている各種の装置、部材及び構造物(たとえば、中央分離帯、ガードレール、道路沿いの建造物(ビル等)、航空機(有人の航空機及び無人のドローン)、人工衛星等)を含む。
【0035】
インデックス値取得部50は、これらの「他の装置」において推論されたインデックス値を取得する。
【0036】
運転制御部40は、アンカーチップ30にて集約されたインデックス値、及びインデックス値取得部50にて取得されたインデックス値に基づいて車両12の運転制御を実行する。この運転制御部40は、車両の自動運転制御を実現することが可能なものであってよい。詳しくは、複数のインデックス値から次のナノ秒に発生する結果を最も高い確率論値を取得し、当該確率論値を考慮した車両の運転制御を実施することができる。ここで、運転制御部40は、本実施形態では、Level6の計算力を利用することで、これらの運転制御を10億分の1秒(ナノ秒)毎に実施することができる。
【0037】
図4及び
図5は、インデックス値を用いた運転制御の一例を概略的に示す図である。
【0038】
上述した構成を備える情報処理装置1によれば、Level5の計算力よりも極めて大きなLevel6の計算力を用いて情報の解析や推論を実施できるため、従前とは比較にならないレベルの精緻な解析が可能となる。これにより、安全な自動運転のための車両制御を可能にする。さらには、上記のAIによる多変量解析によりLevel5の世界と比べて1000倍の価値の差を生み出すことができる。
【0039】
なお、どのチップ20に何のインデックス値を計算させるかについては、一つのインデックスにつき一つのチップ20に計算させることに限定されない。例えば、空気抵抗(A)についてのインデックス値と道路抵抗(B)についてのインデックス値の両方をチップAで計算できることが設計段階でわかっている場合は、一つのチップ20Aで複数のインデックスを計算させても良い。更には、空気抵抗(A)についてのインデックス値を計算するためにチップ20Aだけの計算能力では足りないことが設計段階でわかっている場合は、空気抵抗(A)についてのインデックス値の計算を受け持つのはチップ20Aとチップ20B、といった複数のチップで一つのインデックス値を計算しても良い。またチップ20は予め定められた情報からインデックス値を推論する場合に限定されない。チップ20の負荷に応じて、他のチップ20にインデックス値を推論させてもよい。例えば、チップ20Aの負荷が重い場合は、チップ20Aに加え、チップ20Bもチップ20Aが処理する担当であった空気抵抗(A)についてのインデックス値の推論をしてもよい。また、チップ20の負荷が軽い場合は、1つのチップ20が複数のインデックス値の推論をしてもよい。
【0040】
また、チップ20の負荷に応じて、当該チップ20がインデックス値を推論する処理の処理能力を変動させてもよい。具体的には、車両12が平坦な道を進んでいる場合や、明らかに危険が少ない場所を走行している場合などの負荷が軽い場合は、それぞれのチップ20は、10億分の1秒毎に計算する必要は無く、スループットを低下させることなどにより、もっとゆっくりのスピードで計算してよい。ただし、危機を察知した場合(例えば、高速道路でトラックが燃えているのを発見した場合等)、必要なインデックス値の推論をフル稼働させる指示を出す。また、計算のペースを配分し、必要に応じて空気抵抗(A)を計算するチップ20A、道路抵抗(B)を計算するチップ20Bなどのそれぞれの強弱をつけてもよい。
【0041】
また、インデックス値の理論値は、クリスタライズされて記憶しておくようにしてもよい。例えば、複数の車両12が超長距離を走行し、莫大な走行データを蓄積しそれを深層学習した結果、その瞬間の空気抵抗(A)の場合どのようなインデックス値であるか、その瞬間の情報が道路抵抗(B)の場合どのようなインデックス値であるか、その瞬間の情報が道路要素(C)の場合どのようなインデックス値、その瞬間の情報が滑り係数(D)の場合どのようなインデックス値であるかといった、理論値インデックス値として把握しておくことができる。それをクリスタライズ(結晶化)と呼ぶ。
【0042】
図6は、上述した情報処理装置(Central Brain3)として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上述した各実施の形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、各実施の形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、各実施の形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0043】
各実施の形態に係るコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含んでいてよく、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されていてよい。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含んでいてよく、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されていてよい。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含んでいてよく、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されていてよい。
【0044】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作することにより各ユニットを制御し得る。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにすることができる。
【0045】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信することができる。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納することができる。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供することができる。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込むことができる。
【0046】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納することができる。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0047】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供され得る。このプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行され得る。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらすことができる。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0048】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込むことができる。
【0049】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0050】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックし得る。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0051】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供するものとすることができる。
【0052】
本実施の形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0053】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0054】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0055】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0056】
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については、第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0057】
図7は、本開示の第二実施形態としての情報処理システム202を概略的に示す。情報処理システム202は、自車両12A及び他車両12Bを含む複数の車両12を対象としている。
【0058】
自車両12Aは、情報処理装置1Aを備えている。第二実施形態では、情報処理装置1Aは、たとえば、空気抵抗の情報を取得可能な情報取得部10A、及び滑り係数の情報を取得可能な情報取得部10Dを備えている。そして、チップ20としては、空気抵抗の情報からインデックス値を取得するチップ20A、及び滑り係数の情報からインデックス値を取得するチップ20Dを備えている。なお、自車両12Aの情報処理装置1Aとしては、
図3に示した第一実施形態の情報処理装置1のように、道路抵抗の情報を取得可能な情報取得部10B、道路要素の情報を取得可能な情報取得部10Cと、これらの情報からインデックス値を取得するチップ20B及びチップ20Cをさらに備えている構成であってもよい。
【0059】
他車両12Bは、情報処理装置1Bを備えている。この情報処理装置1Bは、
図3に示した情報処理装置1と同様に、たとえば、空気抵抗の情報を取得可能な情報取得部10A、道路抵抗の情報を取得可能な情報取得部10B、道路要素の情報を取得可能な情報取得部10C、及び滑り係数の情報を取得可能な情報取得部10Dを備えている。さらに、情報処理装置1Bは、これらの情報からインデックス値を取得するチップ20A、チップ20B、チップ20C及びチップ20Dを備えている。
【0060】
第二実施形態の情報処理システム202は、自車両12Aに備えられている情報処理装置1Aと、他車両12Bに備えられている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを含む。
【0061】
第二実施形態の情報処理システム202では、他車両12Bの情報処理装置1Bのチップ20B及び20Cからのインデックス値を、自車両12Aの情報処理装置1Aのインデックス値取得部50に送信可能である。これらのインデックス値の送信は、たとえば、他車両12Bと自車両12Aとの直接的な通信により行ってもよいが、
図1に示したクラウド2、又はデータの受け渡しが可能なサーバ等を経由して行ってもよい。
【0062】
自車両12Aの情報処理装置1Aでは、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していないが、道路抵抗の情報から推論されるインデックス値は、情報処理装置1Bのチップ20Bから取得する。また、道路要素の情報から推論されるインデックス値は、同じく情報処理装置1Bのチップ20Cから取得する。したがって、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していない情報処理装置1Aであっても、空気抵抗、滑り係数、道路抵抗及び道路要素の各情報から推論されるインデックス値をアンカーチップ30で集約できる。
【0063】
自車両12Aの情報処理装置1Aでは、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していない構成では、構成の簡素化が図られている。なお、上記したように、自車両12Aの情報処理装置1Aが、
図3に示した第一実施形態と同様に情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有している構成であってもよい。この場合において、他車両12Bの情報処理装置1Bが備えている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cが、自車両12Aの情報処理装置1Aが備えている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cよりも高い情報取得能力及びインデックス値推論能力を有している場合には、道路抵抗のインデックス値及び道路要素のインデックス値として、より高精度のインデックス値を、他車両12Bの情報処理装置1Bが備えているチップ20B、20Cから取得可能である。
【0064】
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態においても、第一実施形態と同様の要素、部材等については、第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0065】
図8は、本開示の第三実施形態としての情報処理システム302を概略的に示す。情報処理システム302は、自車両12A及び監視装置12Cを含む構成を対象としている。監視装置12Cは、道路を監視する装置であり、たとえば、路上に設置される。
【0066】
監視装置12Cは、たとえば、道路抵抗及び道路要素の各情報をそれぞれ取得可能な情報取得部10B及び情報取得部10Cを備えている。さらに、監視装置12Cは、これらの情報からインデックス値を取得するチップ20B及びチップ20Cを備えている。
【0067】
第三実施形態の情報処理システム302は、自車両12Aに備えられている情報処理装置1Aと、監視装置12Cに備えられている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを含む。
【0068】
第三実施形態の情報処理システム302では、監視装置12Cのチップ20B及び20Cからのインデックス値を、自車両12Aの情報処理装置1Aのインデックス値取得部50に送信可能である。これらのインデックス値の送信は、たとえば、監視装置12Cと自車両12Aとの直接的な通信により行ってもよいが、
図1に示したクラウド2、又はデータの受け渡しが可能なサーバ等を経由して行ってもよい。
【0069】
自車両12Aの情報処理装置1Aでは、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していないが、道路抵抗の情報から推論されるインデックス値は、監視装置12Cのチップ20Bから取得する。また、道路要素の情報から推論されるインデックス値は、同じく監視装置12Cのチップ20Cから取得する。したがって、情報取得部10B、10B及びチップ20B、20Cを有していない情報処理装置1Aであっても、空気抵抗、滑り係数、道路抵抗及び道路要素の各情報から推論されるインデックス値をアンカーチップ30で集約できる。
【0070】
自車両12Aの情報処理装置1Aでは、情報取得部10C、10D及びチップ20C、20Dを有しておらず、構成の簡素化が図られている。なお、第三実施形態においても、自車両12Aの情報処理装置1Aが、道路抵抗の情報を取得可能な情報取得部10B、道路要素の情報を取得可能な情報取得部10Cと、これらの情報からインデックス値を取得するチップ20B及びチップ20Cをさらに備えている構成であってもよい。この場合において、監視装置12Cが備えている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cが、自車両12Aの情報処理装置1Aが備えている情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cよりも高い情報取得能力及びインデックス値推論能力を有している場合には、道路抵抗のインデックス値及び道路要素のインデックス値として、より高精度のインデックス値を、監視装置12Cが備えているチップ20B、20Cから取得可能である。
【0071】
第三実施形態の監視装置12Cとしては、たとえば、道路上に設置されると共に、開示の技術の情報取得部10及びチップ20を備えるように構成されている各種の路上装置(たとえば、信号機、各種標識、看板、電柱、街路灯及び取締装置)に設けられている構成を含む。さらに、監視装置12Cとしては、道路上に設置される監視装置に限らず、道路上以外に設置されると共に、開示の技術の情報取得部10及びチップ20を備えるように構成されている各種の装置、部材及び構造物(たとえば、中央分離帯、ガードレール、道路沿いの建造物(ビル等)、航空機(有人の航空機及び無人のドローン)、人工衛星等)に設けられている構成を含む。要するに、監視装置として、道路を監視する装置であれば、その設置場所及び設置形態は限定されない。道路上に設置される監視装置であれば、道路以外に設置されている監視装置と比較して、監視対象である道路に近い位置で道路を監視できる可能性が高い。
【0072】
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態において、第一~第三の各実施形態と同様の要素、部材等については、第一~第三の各実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0073】
図9は、本開示の第四施形態としての情報処理システム402を概略的に示す。第四施形態の情報処理システム402は、自車両12A、他車両12B及び監視装置12Cを含む構成を対象としている。自車両12Aの内部構成は、たとえば第二実施形態及び第三実施形態と同様である。他車両12Bの内部構成は、たとえば第二実施形態と同様である。監視装置12Cの内部構成は、たとえば第三実施形態と同様である。
【0074】
第四実施形態の情報処理ステム402において、自車両12Aの情報処理装置1A(
図7参照)では、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していない。しかし、道路抵抗の情報から推論されるインデックス値は、他車両12Bの情報処理装置1B(
図7参照)、又は監視装置12C(
図8参照)のチップ20Bから取得する。また、道路要素の情報から推論されるインデックス値は、同じく他車両12Bの情報処理装置1B、又は監視装置12Cのチップ20Cから取得する。したがって、情報取得部10B、10C及びチップ20B、20Cを有していない情報処理装置1Aであっても、空気抵抗、滑り係数、道路抵抗及び道路要素の各情報から推論されるインデックス値をアンカーチップ30で集約できる。
【0075】
第四実施形態の情報処理システム402において、道路抵抗の情報から推論されるインデックス値を、他車両12Bの情報処理装置1Bと、監視装置12Cのいずれのチップ20Bから取得するかは、たとえば状況に応じて切替可能である。一例として、他車両12B及び監視装置12Cのうち、自車両12Aからの相対位置が近い方のチップ20Bから取得するように構成できる。道路要素の情報から推論されるインデックス値についても、他車両12B及び監視装置12Cのうち、自車両12Aからの相対位置が近い方のチップ20Cから取得するように構成できる。
【0076】
なお、第二~第四の各実施形態においても、どのチップ20に何のインデックス値を計算させるかについては、一つのインデックスにつき一つのチップ20に計算させることに限定されない。たとえば、情報処理装置1Bにおいて、道路抵抗についてのインデックス値と道路要素についてのインデックス値との両方を一つのチップ20で計算できることが設計段階でわかっている場合は、一つのチップ20、たとえばチップ20Cでこれらのインデックス値を計算させてもよい。
【0077】
また、第二~第四の各実施形態においても、運転制御部40は、Level6の計算力を利用することで、運転制御を10億分の1秒(ナノ秒)毎に実施することができる。たとえば、情報処理装置1Aでは、他車両12Bの情報処理装置1Bのチップ20B及び20Cから送信されたインデックス値をアンカーチップ30で集約し、さらにこのインデックス値に基づいて運転制御部40は車両12の運転制御を実行する。この場合に、運転制御を10億分の1秒(ナノ秒)毎に実施する。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
10 情報取得部
12 車両
12A 自車両
12B 他車両
12C 監視装置
20 チップ
30 アンカーチップ
40 車両制御部
50 インデックス値取得部
202 情報処理システム
302 情報処理システム
402 情報処理システム
1200 コンピュータ
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1216 グラフィックコントローラ
1218 ディスプレイデバイス
1220 入出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1224 記憶装置
1230 ROM
1240 入出力チップ