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特開2024-71320高純度精製システム及び高純度精製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071320
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】高純度精製システム及び高純度精製方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/047 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B01D53/047
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209177
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0151611
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】522503263
【氏名又は名称】サンバイオ2 カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNBIO2 CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173473
【弁理士】
【氏名又は名称】高井良 克己
(72)【発明者】
【氏名】ジン ボンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ スングン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン クムビ
【テーマコード(参考)】
4D012
【Fターム(参考)】
4D012BA02
4D012BA04
4D012CA05
4D012CA20
4D012CB16
4D012CD07
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF01
4D012CF02
4D012CF03
4D012CG01
4D012CG02
4D012CJ03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存の圧力吸着方法よりも安定的に高純度対象ガスを獲得できる高純度精製システム及び高純度精製方法を提供する。
【解決手段】本発明による高純度精製システムは、内部に吸着剤が収容されて、一側に流出ライン400a,400bと回収ライン600a,600bとが連結され、他側に第1の流入ライン300a,300bと動圧ライン500a,500bとが連結される第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200;を備え、前記第1の吸着ベッドと前記第2の吸着ベッドのベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供され、前記下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッドの下部と第2の吸着ベッドの下部に、動圧ラインを介して供給される供給ガスが、前記第1の流入ラインを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に吸着剤が収容されて、一側に流出ラインと回収ラインとが連結され、他側に第1の流入ラインと動圧ラインとが連結される第1の吸着ベッド及び第2の吸着ベッド;を備え、
前記第1の吸着ベッドと前記第2の吸着ベッドのベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供され、
前記下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッドの下部と第2の吸着ベッドの下部に、動圧ラインを介して供給される供給ガスが、前記第1の流入ラインを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させることを特徴とする、
高純度精製システム。
【請求項2】
前記下部には、
供給ガスが供給される第1の流入ラインと、前記動圧ラインと、前記動圧ラインと連結される第2の流入ラインとが並列に連結されることを特徴とする、
請求項1に記載の高純度精製システム。
【請求項3】
前記第1の流入ラインを介して供給される供給ガスと、再生時、動圧のため前記第2の流入ラインを介して供給される供給ガスとが同時に供給されることを特徴とする、
請求項2に記載の高純度精製システム。
【請求項4】
前記流出ライン上には、圧力センサ及び流量センサ;及び
対象ガスの使用量に応じて、前記圧力センサ及び前記流量センサの予め定めた条件によって、前記対象ガスの生産時間と再生時間を調節する制御システム;を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の高純度精製システム。
【請求項5】
前記第1の流入ライン上には、複数の第1のチェック弁;を含み、
前記ベッドの切り換え時、前記動圧ラインに供給されるガスが、前記第1のチェック弁を介して前記第1の吸着ベッド及び第2の吸着ベッドに分離して提供されることを特徴とする、
請求項2に記載の高純度精製システム。
【請求項6】
前記動圧ラインには、
供給ガスの供給方向に設置して、供給されるガスの流れの逆流を防止する複数の第3のチェック弁;及び
供給されるガスの流れを制御する第2のソレノイド弁;を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の高純度精製システム。
【請求項7】
前記回収ラインには、
対象ガスの回収方向に設置して、回収されるガスの流れの逆流を防止する複数の第2のチェック弁;及び
回収されるガスの流れを制御する第1のソレノイド弁;を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の高純度精製システム。
【請求項8】
前記上部には、
前記動圧時間の間、再生のためガスが、前記回収ラインを介して回収されることを特徴とする、
請求項1に記載の高純度精製システム。
【請求項9】
第1の吸着ベッドと連結された第1の流入ラインを介して供給ガスが流入して加圧され、易吸着性成分を吸着させつつ、前記第1の吸着ベッドと連結された流出ラインを介して対象ガスが流出する段階;
前記第1の吸着ベッドが、前記易吸着性成分で飽和状態に至る前に、前記第1の吸着ベッドと連結された回収ラインを介して残存する前記対象ガスが、第2の吸着ベッドロ流入する段階;
前記第1の吸着ベッドがベントされ、前記第2の吸着ベッドと連結された前記回収ラインを介して供給ガスが流入して加圧される段階;を含み、
前記第1の吸着ベッド及び前記第2の吸着ベッドにおいて、前記段階が周期的に交互に繰り返され、
前記第1の吸着ベッドと前記第2の吸着ベッドのベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供され、
前記下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッドの下部と第2の吸着ベッドの下部に、動圧ラインを介して供給される供給ガスが、前記第1の流入ラインを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させることを特徴とする、
高純度精製方法。
【請求項10】
前記下部には、
供給ガスが供給される第1の流入ラインと、前記動圧ラインと、前記動圧ラインと連結される第2の流入ラインとが並列に連結されることを特徴とする、
請求項9に記載の高純度精製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度精製システム及び高純度精製方法に関し、より詳細には、高純度対象ガスを獲得できる高純度精製システム及び高純度精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日のガス発生器は、各処で様々な用途に使用されている。
【0003】
例えば、ガス発生器の一つである酸素発生器は、最もありふれたことは、事務室や一般家庭の密閉した空間に酸素を供給することにより、現代人の日常生活でたまった疲れの回復及び細胞活性化を助けるための用途に多く使用される。
【0004】
また、医療用ガス発生器、自動車用ガス発生器、実験用ガス発生器等、幅広く用いられている。
【0005】
一般的な気体分離法としては大きく、化学反応法、電気分解法、物理的分離法等が用いられており、物理的分離法には、気体物質に対する極性差と気体分子サイズの相違性とを利用して気体を分離する膜分離方式と、結晶性固体化合物の吸脱着原理を利用して気体を分離する圧力変動吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)方式とがある。
【0006】
PSA方式は、圧力の変動によって混合気体から対象気体を抽出、濃縮する技術であって、吸着剤に対する混合気体の各成分の選択度差に基づく。
【0007】
PSA方式は、気体混合物から特定の成分を分離するかあるいは除去して、気体を分離、精製するのに使用される方法であって、分子篩(Molecular Sieve)吸着剤で満たされた吸着ベッドを、混合気体が高圧状態で通過しつつ、選択度の高い(以下、易吸着性と称する)成分を先に吸着し、選択度の低い(以下、難吸着性と称する)成分は、吸着ベッドの外に排出されて行くようになる。
【0008】
吸着した成分を除去するために、吸着ベッド内圧力を下げて再生することになり、高圧生成物の一部で吸着ベッドを洗浄することになる。
【0009】
かかる一連の工程を繰り返しつつ、生成物を連続して獲得することができるようになる。
【0010】
特に、2本の吸着ベッドを用いる従来のPSA方式は、混合ガスが一定周期を有し、2本の吸着ベッドに交差して供給される方式であるが、各々のベッドは、分離可能な時間帯(通常、数分内外)まで混合ガスが流入し、その内部の吸着剤が飽和して、分離能が低下し始めると、他のベッドに切り換えられてガスが流入し、飽和したベッドは、下部から減圧して、飽和したガスがベントされる方式である。
【0011】
特に、2本以上の吸着ベッドからなるガス精製装置に供給されるガスを濃縮、精製、分離する方法において、生産と再生を繰り返して連続生産が可能に構成すれば、高純度対象ガスを獲得することができる。
【0012】
すなわち、PSA方式において、2本の吸着ベッドが一定時間を有して、交差生産、再生する方法により、1本の吸着ベッドが一定時間生産を終えると、動圧時間を経て再生されている他の吸着ベッドに切り換えられて、繰り返しかつ連続して生産物を獲得することができる。
【0013】
これは一般に、多くの分野で広く使用される技術として発展してきており、現在は、省エネルギーと効率、及び安全性を重点に開発されている。
【0014】
ところが、従来のPSA方式では、生産物を用いていない時間にも、装備をオフ(Off)しないと、生産と再生を繰り返して行う状態で、生産物を用いている状態と同様にエネルギーを消費する問題点がある。
【0015】
また、吸着ベッド上端の精製されているガスの回収だけに目的を置いており、ベッドの切り換え時に急変する圧力の変動の衝撃から吸着ベッド内吸着剤の破損に対するリスクが存在することで、吸着剤の安全性に関する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
韓国登録特許公報第10-0619290号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記したような従来の問題点を解決するため本発明の目的は、既存の圧力吸着方法の生産及び再生過程で発生する圧力の変動と生産効率を高めるために、動圧時間での過程を保安して、既存の圧力吸着方法よりも安定的に高純度対象ガスを獲得できる高純度精製システム及び高純度精製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため本発明による高純度精製システムは、内部に吸着剤が収容されて、一側に流出ラインと回収ラインとが連結され、他側に第1の流入ラインと動圧ラインとが連結される第1の吸着ベッド及び第2の吸着ベッド;を備え、前記第1の吸着ベッドと前記第2の吸着ベッドのベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供され、前記下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッドの下部と第2の吸着ベッドの下部に、動圧ラインを介して供給される供給ガスが、前記第1の流入ラインを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記下部には、供給ガスが供給される第1の流入ラインと、前記動圧ラインと、前記動圧ラインと連結される第2の流入ラインとが並列に連結されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記第1の流入ラインを介して供給される供給ガスと、再生時、動圧のため前記第2の流入ラインを介して供給される供給ガスとが同時に供給されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記流出ライン上には、圧力センサ及び流量センサ;及び対象ガスの使用量に応じて、前記圧力センサ及び前記流量センサの予め定めた条件によって、前記対象ガスの生産時間と再生時間を調節する制御システム;を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明による高純度精製システムは、前記第1の流入ライン上には、複数の第1のチェック弁;を含み、前記ベッドの切り換え時、前記動圧ラインに供給されるガスが、前記第1のチェック弁を介して前記第1の吸着ベッド及び第2の吸着ベッドに分離して提供されることを特徴とする。
【0023】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記動圧ラインには、供給ガスの供給方向に設置して、供給されるガスの流れの逆流を防止する複数の第3のチェック弁;及び供給されるガスの流れを制御する第2のソレノイド弁;を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記回収ラインには、対象ガスの回収方向に設置して、回収されるガスの流れの逆流を防止する複数の第2のチェック弁;及び回収されるガスの流れを制御する第1のソレノイド弁;を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明による高純度精製システムにおいて、前記上部には、前記動圧時間の間、再生のためガスが、前記回収ラインを介して回収されることを特徴とする。
【0026】
一方、上記目的を達成するため本発明による高純度精製方法は、第1の吸着ベッドと連結された第1の流入ラインを介して供給ガスが流入して加圧され、易吸着性成分を吸着しつつ、前記第1の吸着ベッドと連結された流出ラインを介して対象ガスが流出する段階;前記第1の吸着ベッドが前記易吸着性成分で飽和状態に至る前に、前記第1の吸着ベッドと連結された回収ラインを介して残存する前記対象ガスが、第2の吸着ベッドに流入する段階;前記第1の吸着ベッドがベントされ、前記第2の吸着ベッドと連結された前記回収ラインを介して供給ガスが流入して加圧される段階;を含み、前記第1の吸着ベッド及び前記第2の吸着ベッドにおいて、前記段階が周期的に交互に繰り返され、前記第1の吸着ベッドと前記第2の吸着ベッドのベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供され、前記下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッドの下部と第2の吸着ベッドの下部に、動圧ラインを介して供給される供給ガスが、前記第1の流入ラインを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させることを特徴とする。
【0027】
また、本発明による高純度精製方法において、前記下部には、供給ガスが供給される第1の流入ラインと、前記動圧ラインと、前記動圧ラインと連結される第2の流入ラインとが並列に連結されることを特徴とする。
【0028】
その他実施形態の具体的な事項は、「発明を実施するための形態」及び添付の「図面」に含まれている。
【0029】
本発明の利点及び/又は特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている種々の実施形態を参照すれば明確になる。
【0030】
しかしながら、本発明は、以下で開示する各実施形態の構成のみに限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現することもできる。ただし、本明細書で開示の各々の実施形態は、本発明の開示を完全にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求範囲の各請求項の範疇によって定義されるだけであると理解しなければならない。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、既存の圧力吸着方法の生産及び再生過程で発生する圧力の変動と生産効率を高めるために、動圧時間での過程を保安して、既存の圧力吸着方法よりも安定的に高純度対象ガスを獲得することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態による高純度精製システムの構成を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による高純度精製システムと、制御システムの構成を示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による高純度精製方法の全体流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を詳説する前に、本明細書で使われた用語や単語は、必ずしも通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の発明者が、自己の発明を最も最善な方法で説明するために、各種用語の概念を適宜定義して使うことができ、さらには、これらの用語や単語は、本発明の技術思想に符合する意味と概念に解釈すべきである。
【0034】
すなわち、本明細書で使われた用語は、本発明の好ましい実施形態を説明するために使われただけであり、本発明の内容を具体的に限定しようとする意図で使われたものではなく、これらの用語は、本発明の様々な可能性を考慮して定義された用語であると理解しなければならない。
【0035】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明確に他の意味に示さない限り、複数の表現を含んでいてもよく、これと同様、複数で表現されていても、単数の意味を含むものと理解しなければならない。
【0036】
本明細書の全体にわたりある構成要素が他の構成要素を「含む」と記載した場合、特に逆の意味に記載しない限り、任意の他の構成要素を除くものではなく、任意の他の構成要素をさらに含んでいてもよいことを意味し得る。
【0037】
さらに、ある構成要素が他の構成要素の「内部に存在するか、連結して設置される」と記載した場合は、この構成要素が他の構成要素と直接に連結されているか、接触して設置されていてもよく、一定距離を空けて離隔して設置されていてもよく、一定距離を空けて離隔して設置されている場合については、該構成要素を他の構成要素に固定乃至連結するため第3の構成要素又は手段が存在し得、この第3の構成要素又は手段に関する説明は、省略し得る。
【0038】
他方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているか、あるいは「直接接続」されていると記載した場合、第3の構成要素又は手段は存在しないと理解しなければならない。
【0039】
同様、各構成要素間の関係を説明する他の表現、つまり「~間に」と「すぐ~間に」、あるいは「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も、同様の趣旨を有するものと解釈すべきである。
【0040】
また、本明細書における「一面」、「他面」、「一側」、「他側」、「第1」、「第2」等の用語は、使われるのであれば、一構成要素に対して、この一構成要素を他の構成要素から明確に区別できるようにするために使われ、これらの用語によって、該構成要素の意味が制限的に使われるものではないと理解しなければならない。
【0041】
また、本明細書における「上」、「下」、「左」、「右」等の位置に関する用語は、使われるのであれば、該構成要素に対して、該図面における相対的な位置を示していると理解しなければならず、これら位置について絶対的な位置を特定しない限りは、これら位置に関する用語が絶対的な位置を言及するものであると理解してはならない。
【0042】
また、本明細書では、各図面の各構成要素についてその図面符号を付するにあたって、同じ構成要素に対しては、この構成要素がたとえ他の図面に示されていても、同じ図面符号を有するように、つまり全明細書にわたり同じ参照符号は、同じ構成要素を示している。
【0043】
本明細書で添付の図面において、本発明を構成する各構成要素の大きさ、位置、結合関係等は、本発明の思想を十分かつ明確に伝達できるようにするために、あるいは説明の便宜のため一部を誇張又は縮小するか、省略して記述されていてもよく、よって、その比例や縮尺は、厳密でなくてもよい。
【0044】
また、以下では、本発明を説明するにあたって、本発明の要旨を曖昧にすると判断される構成、例えば、従来技術を含む公知の技術に関する詳説は省略し得る。
【0045】
以下、本発明の実施形態について関連する図面を参照して詳説することとする。
【0046】
図1は、本発明の実施形態による高純度精製システムの構成を示す図面である。
【0047】
図1を参照して説明すれば、本実施形態による高純度精製システム1000の圧力変動吸着(PSA)方式は、全体的に吸着剤である分子篩(Molecular Sieve)で充填した第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200に混合ガス、つまり供給ガスを加圧して通過させることにより、易吸着性成分を吸着し、高純度難吸着性成分、つまり対象ガスを獲得する方法である。
【0048】
これは、上述したように、圧力差による吸着剤の特定の成分に対する選択的吸着性を利用するが、吸着剤としては、除去しようとする供給ガスの易吸着性成分並びに目的とする対象ガスの種類によって異なるものの、ゼオライト分子篩(Zeolite Molecular Sieve,ZMS)、炭素分子篩(Carbon Molecular Sieve,CMS)等、種々の分子篩が用いられており、本実施形態では、窒素に対する選択的吸着性を有するCaにイオン交換されたA型ゼオライト(MS5A)やフォージャサイト(faujasite)構造のX型ゼオライト(CaX)等の合成ゼオライト分子篩を用いて、高純度酸素ガスを生産する圧力変動吸着方法及びその装置を一例に挙げて説明する。
【0049】
本実施形態によるPSA方式は、基本的に第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200に供給ガスが交互に加圧及び減圧されつつ、吸着及び脱着が行われて、対象ガス、つまり高純度酸素ガスを連続して生産するようになるが、図1を参照して、第1の吸着ベッド100の吸着及び脱着過程を中心に述べ、交互に繰り返される、つまり周期的に切り換えられる第1の吸着ベッド100の吸着及び脱着過程に関する詳説は省略することとする。
【0050】
まず、供給ガスをベント及び洗浄の完了した第1の吸着ベッド100内に流入及び加圧する構成では、供給ガスとしては、一般的な空気を用いるものの、生産目的となる対象ガスの用途に応じて、除湿やフィルタリング等の前処理過程を経た空気を供給ガスとして用いることができる。
【0051】
第1の吸着ベッド100下端に、第1の流入ライン300aを介して供給ガスを流入させるとともに、所定の圧力まで加圧するが、ここに用いられるガス供給手段は、流入ポンプ310とこれを制御する開閉手段(弁類、不図示)を含む。
【0052】
第1の吸着ベッド100の易吸着性成分を吸着する構成では、供給ガスが、第1の吸着ベッド100を所定の圧力でその下端から上端を通過しつつ、その内部に充填した合成ゼオライト分子篩である吸着剤によって易吸着性成分である酸素ガスが吸着しながら行われる。
【0053】
第1の吸着ベッド100から高純度対象ガスを取り出す構成では、吸着剤の吸着能が飽和する前まで高純度対象ガス、つまり酸素ガスが、第1の吸着ベッド100上端に連結された流出ライン400aを介して流出する。
【0054】
ここで、目標とする対象ガスの純度が略99%であると、吸着剤の吸着能が飽和する前、つまり対象ガスの純度が下がる前に、流出ライン400a上の弁(不図示)を閉めて、対象ガスの目標純度である略99%を保持するようになり、このとき、第1の吸着ベッド100の上部には、目標純度(99%)には及ばないものの、90%以上の高純度を有する酸素ガスが存在するようになる。
【0055】
第1の吸着ベッド100の上部に残留する高純度対象ガスが、第2の吸着ベッド200内に流入する構成を説明する。
【0056】
上述したように、対象ガスの純度が下がる前に、流出ライン400a上の弁(不図示)を閉めて、第1の吸着ベッド100の上部に存在する90%以上の高純度酸素ガスを、回収ライン600a,600bを介してベント及び洗浄が終わって再生された第2の吸着ベッド2000上端に流入することになる。
【0057】
すなわち、本発明による高純度精製システム1000において、上部には、動圧時間の間、再生のためガスが、回収ライン600a,600bを介して回収される。
【0058】
このように、第1の吸着ベッド100の上部に残留する高純度酸素ガスを第2の吸着ベッド200上端側に吹き込む方法と、このための装置的構成は、小型又は大型吸着ベッドを用いる場合に好適である。
【0059】
本実施形態による回収ライン600a,600bは、第1の吸着ベッド100の上部から第2の吸着ベッド200上端にガスの流れを連結する回収ライン600a,600bと、回収ライン600a,600b上に設置されて、前記ガスの流れを制御する第1のソレノイド弁(SV)620と、前記ガスの流れの逆流を防止する複数の第2のチェック弁610aと、からなる。
【0060】
すなわち、本発明による高純度精製システム1000において、回収ライン600a,600bには、対象ガスの回収方向に設置して、回収されるガスの流れの逆流を防止する複数の第2のチェック弁610bと、回収されるガスの流れを制御する第1のソレノイド弁620とを含む。
【0061】
もちろん、第2の吸着ベッド200の上部から第1の吸着ベッド100上端にガスの流れを連結する回収ライン600a,600bと、回収ライン600a,600b上に設置されて、前記ガスの流れを制御する第1のソレノイド弁(SV)620と、前記ガスの流れの逆流を防止する複数の第2のチェック弁610bも含まれる。
【0062】
このように、第1のソレノイド弁620を制御して、第1の吸着ベッド100から高純度対象ガスが流出した直後に、第1の吸着ベッド100の上部に存在する純度90%以上の酸素ガスは、第2の吸着ベッド200上端に流入して、第2の吸着ベッド200の供給ガスの一部となることで、その後、第2の吸着ベッド200の吸着過程を経て高純度対象ガスとなる。
【0063】
ここで、回収ライン600a,600bを介して第2の吸着ベッド200上端に流入して、第2の吸着ベッド200の供給ガスとなる量は、第2の吸着ベッド200の20%内外を満たすのが好ましい。
【0064】
すなわち、2本の吸着ベッドを用いる従来技術による圧力変動吸着方法では、吸着及び取出段階が終わった一吸着ベッドの上部に残留する、目標純度には及ばないものの、純度が90%以上である対象ガスを、吸着ベッドの再生のためベントやパージするようになり、高純度対象ガスが捨てられる問題があったが、本実施形態による圧力吸着変動方法は、これを回収して、他の吸着ベッドに流入して、供給ガスに流入し、吸着及び取出段階を繰り返して経るようにすることで、エネルギーの無駄使いなしに高純度対象ガスを効率良く獲得できる方法を提供することになる。
【0065】
次に、第1の吸着ベッド100のベントと同時に、回収ライン600a,600bを介して第2の吸着ベッド200の上部に供給ガスを流入及び加圧する構成を説明する。
【0066】
第1の吸着ベッド100に飽和した易吸着性成分である窒素ガスを脱着するために、第1の吸着ベッド100下端に連結されたベントライン800aが開放して減圧されることにより、前記窒素ガスがパージガスでベントされる。
【0067】
これら第1の吸着ベッド100のベントと同時に再生完了した第2の吸着ベッド200の動圧ライン600a,600bを介した供給ガスの流入及び加圧は、第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200の内部圧力が同様になる動圧時間に行われるのが好ましい。
【0068】
その後、第2の吸着ベッド200では、吸着及び脱着過程が繰り返されるようになる。
【0069】
すなわち、第2の吸着ベッド200の易吸着性成分である窒素ガスを吸着する構成と、第2の吸着ベッド200から高純度対象ガスを取り出す構成を順に行い、第2の吸着ベッド200から高純度対象ガスを取り出す構成とほとんど同時に、相対的に小径通気管の役割を担うオリフィスライン700を介して、第2の吸着ベッド200上端から取り出される酸素ガスの一部を、ベント過程が終わった第1の吸着ベッド100上端に導入して、その内部に残留する酸素ガスをリンス(洗浄)することで、第1の吸着ベッド100を完全に再生させる。
【0070】
また、第2の吸着ベッド200は、第2の吸着ベッド200から高純度対象ガスの取出が完了され、その上部に存在する高純度酸素ガスを、回収ライン600a,600bを介して再生完了した第1の吸着ベッド100上端に流入する過程を経る。
【0071】
上述したように、一対の第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200は、圧力の変化を利用して吸着及び脱着過程を連続して交互に行うことになり、特に、回収ライン600a,600bを介して各々の吸着ベッドの対象ガスを取り出した後、その上端に残る高純度酸素ガスを、再生を終えた他の吸着ベッド上端に供給することにより、エネルギーの無駄使いが少なくて、高純度対象ガスを効率良く得ることができるようになる。
【0072】
また、これら回収ラインを介するガスの流れは、対象ガスの取出末期の1本の吸着ベッドは、相対的に高圧状態になり、ベント及び洗浄段階を終えた他の吸着ベッドは、相対的に低圧状態になるため、これら圧力勾配に基づいて、エアコンプレッサーのような別途装置を追加することなく、第1のソレノイド弁620の制御によって行われるため、施設及び運行コストを節減することができる利点がある。
【0073】
一方、上述したように、第1の吸着ベッド100の上部に存在するガスが、第2の吸着ベッド200の上部に回収されるものの、第1の吸着ベッド100の下部に存在するガスは、上部に存在するガスに比べて純度が低い。
【0074】
しかし、上述したように、第1の吸着ベッド100の上部に存在するガスのみを第2の吸着ベッド200の上部に回収するようになると、生産率が低下する。
【0075】
また、上述したような構成によりガスの生産又は再生を行うと、生産物を用いていない時間にも装備をオフ(Off)しない場合、生産と再生を繰り返して行う状態で、生産物を用いている状態と同様にエネルギーを消費することになり、吸着ベッド上端の精製されているガスの回収だけに目的を置いており、ベッドの切り換え時に急変する圧力の変動の衝撃から吸着ベッド内吸着剤の破損に対するリスクが存在することで、吸着剤の安全性に関する問題が発生し得る。
【0076】
よって、本発明による高純度精製システム1000は、内部に吸着剤が収容されて、一側に流出ライン400a,400bと回収ライン600a,600bとが連結され、他側に第1の流入ライン300a,300bと動圧ライン500a,500bとが連結される第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200を備え、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200のベッドの切り換え時に提供される動圧時間が、上部と下部とに分離して提供される。
【0077】
ベッドの切り換え時、上部に提供される動圧時間の間、再生のためガスの回収が、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200の上部で行われる構成については、上述とおり説明しており、その後は、ベッドの切り換え時、下部に提供される動圧時間の間、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200の下部で行われる構成について説明することとする。
【0078】
本発明による高純度精製システム1000の下部には、第1の流入ライン300a,300bと、第2の流入ライン300cと、流入ポンプ310と、動圧ライン500a,500bと、複数の第3のチェック弁510a,510bと、第2のソレノイド弁520と、を含む。
【0079】
本発明による高純度精製システム1000の下部において、ベッドの切り換え前の動圧時間に、第1の吸着ベッド100の下部と第2の吸着ベッドの下部200に、動圧ライン500a,500bを介して供給される供給ガスが、第1の流入ライン300a,300bを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させる。
【0080】
また、本発明による高純度精製システム1000の下部には、供給ガスが供給される第1の流入ライン300a,300bと、動圧ライン500a,500bと、動圧ライン500a,500bと連結される第2の流入ライン300cとが並列に連結される。
【0081】
このとき、生産のため第1の流入ライン300a,300bを介して供給される供給ガスと、再生時、動圧のため第2の流入ライン300cを介して供給される供給ガスとが同時に供給されてもよい。
【0082】
これにより、第1の吸着ベッド100の下部と第2の吸着ベッド200の下部に、第1の流入ライン300a,300bを介して供給される供給ガスと同様のガスが、第2の流入ライン300cを介して供給され、動圧ライン500a,500bを介して第1の吸着ベッド100の下部と第2の吸着ベッド200の下部に供給されるため、ベッドの切り換え時に急変する圧力の変動の衝撃から吸着ベッド内吸着剤の破損に対するリスクを防止することができる効果がある。
【0083】
また、本発明による高純度精製システム1000において、流出ライン400a,400b,400上には、圧力センサと流量センサを含み、これら圧力センサ及び流量センサと通信する制御システム2000を含むことができる。
【0084】
圧力センサは、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200の圧力をセンシングし、流量センサは、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200のガス量をセンシングする。
【0085】
また、制御システム2000は、対象ガスの使用量に応じて、圧力センサと流量センサの予め定めた条件によって、対象ガスの生産時間と再生時間を調節する。
【0086】
すなわち、流出ライン400a,400b,400上に、圧力センサと流量センサを設置して、流出する対象ガスの使用量に応じて制御システム2000は、生産時間と再生時間を異にして、常に一定した高純度精製ガスを供給されることができ、対象ガスの使用量が少ないかないときも、高純度ガスを保持しており、純度の安定性が保障され、使用量に応じて連動して再生時間と生産時間を制御することにより、高純度精製システム1000によって消費されるエネルギーを節減することができ、ベッドの切り換え時、回収ガスと同様のガスを吸着ベッドに供給することにより、各吸着ベッド内圧力の変動が少なくて、吸着剤の安全性を獲得することができる。
【0087】
一方、本発明による高純度精製システム1000は、第1の流入ライン300a,300b上には、複数の第1のチェック弁320a,320bを含む。
【0088】
これら複数の第1のチェック弁320a,320bを介して、ベッドの切り換え時、動圧ライン500a,500bに供給される供給ガスが、第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200に分離して提供される。
【0089】
また、本発明による高純度精製システム1000において、動圧ライン500a,500bには、供給ガスの供給方向に設置して、供給されるガスの流れの逆流を防止する複数の第3のチェック弁510a,510bと、供給されるガスの流れを制御する第2のソレノイド弁520とを含む。
【0090】
これら第2のソレノイド弁520によってP値を獲得することができる。
【0091】
また、上述した第1のソレノイド弁620によってO値を獲得することができる。
【0092】
図2は、本発明の一実施形態による高純度精製システムと、制御システムの構成を示す図面である。
【0093】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による高純度精製システム1000は、制御システム2000によって対象ガスの使用量に応じて、上述した圧力センサ及び流量センサの予め定めた条件によって、対象ガスの生産時間と再生時間を調節する。
【0094】
すなわち、流出ライン400a,400b,400上に、圧力センサと流量センサを設置して、流出する対象ガスの使用量に応じて制御システム2000は、生産時間と再生時間を異にして、常に一定した高純度精製ガスを供給されることができ、対象ガスの使用量が少ないかないときも、高純度ガスを保持しており、純度の安定性が保障され、使用量に応じて連動して再生時間と生産時間を制御することにより、高純度精製システム1000によって消費されるエネルギーを節減することができ、ベッドの切り換え時、回収ガスと同様のガスを吸着ベッドに供給することにより、各吸着ベッド内圧力の変動が少なくて、吸着剤の安全性を獲得することができる。
【0095】
一方、高純度精製システム1000の圧力センサと流量センサは、制御システム2000と無線通信を通じて通信することになる。
【0096】
これら無線通信は、ワイパイ(Wifi)モジュール、ワイブロ(Wireless broadband)モジュールの他、GSM(global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、UMTS(universal mobile telecommunications system)、TDMA(Time Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)等、様々な無線通信方式を支援する無線通信モジュールによって行うことができる。
【0097】
図3は、本発明の一実施形態による高純度精製方法の全体流れを示すフローチャートである。
【0098】
本発明の一実施形態による高純度精製方法では、上述した高純度精製システム1000の構成と同様の構成要素については、その詳説を省略することとする。
【0099】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による高純度精製方法は、3つの段階を含む。
【0100】
第1段階(S100)では、第1の吸着ベッド100と連結された第1の流入ライン300aを介して供給ガスが流入して加圧され、易吸着性成分を吸着させつつ、第1の吸着ベッド100と連結された流出ライン400aを介して対象ガスが流出する。
【0101】
第2段階(S200)では、第1の吸着ベッド100が易吸着性成分で飽和状態に至る前に、第1の吸着ベッド100と連結された回収ライン600a,600bを介して残存する対象ガスが、第2の吸着ベッド200に流入する。
【0102】
第3段階(S300)では、第1の吸着ベッド100がベントされ、第2の吸着ベッド200と連結された回収ライン600a,600bを介して供給ガスが流入して加圧される。
【0103】
同様、第2の吸着ベッド200と連結された第1の流入ライン300bを介して供給ガスが流入して加圧され、易吸着性成分を吸着させつつ、第2の吸着ベッド200と連結された流出ライン400bを介して対象ガスが流出する。
【0104】
第2の吸着ベッド200が易吸着性成分で飽和状態に至る前に、第2の吸着ベッド200と連結された回収ライン600a,600bを介して残存する対象ガスが、第1の吸着ベッド100に流入する。
【0105】
第2の吸着ベッド200がベントされ、第1の吸着ベッド100と連結された回収ライン600a,600bを介して供給ガスが流入して加圧される。
【0106】
このように、第1の吸着ベッド100及び第2の吸着ベッド200において上述した段階、つまり、これら第1段階(S100)~第3段階(S300)が周期的に交互に繰り返される。
【0107】
特に、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200のベッドの切り換え時に提供される動圧時間は、上部と下部とに分離して提供される。
【0108】
本発明による高純度精製方法において、上述した下部には、供給ガスが供給される第1の流入ライン300a,300bと、前記動圧時間の間、動圧ライン500a,500bにガスが供給される第2の流入ライン300cとが並列に連結される。
【0109】
このとき、生産のため第1の流入ライン300a,300bを介して供給される供給ガスと、再生のため第2の流入ライン300cを介して供給される供給ガスとが同時に供給される。
【0110】
これにより、第1の吸着ベッド100の下部と第2の吸着ベッド200の下部に、動圧ライン500a,500bを介して供給される供給ガスと同様の供給ガスが、ベッドの切り換え前に第2の流入ライン300cを介して供給されるため、ベッドの切り換え時に急変する圧力の変動の衝撃から吸着ベッド内吸着剤の破損に対するリスクを防止することができる効果がある。
【0111】
すなわち、下部におけるベッドの切り換え前、動圧時間に第1の吸着ベッド100の下部と第2の吸着ベッド200の下部に、動圧ライン500a,500bを介して供給される供給ガスが、第1の流入ライン300a,300bを介して供給される流入ガスと同様のガスで供給して動圧させる。
【0112】
また、本発明による高純度精製方法において、流出ライン400a,400b,400上には、圧力センサと流量センサを含み、これら圧力センサ及び流量センサと通信する制御システム2000を含むことができる。
【0113】
圧力センサは、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200の圧力をセンシングし、流量センサは、第1の吸着ベッド100と第2の吸着ベッド200のガス量をセンシングする。
【0114】
また、制御システム2000は、対象ガスの使用量に応じて、圧力センサと流量センサの予め定めた条件によって、対象ガスの生産時間と再生時間を調節する。
【0115】
すなわち、流出ライン400a,400b,400上に、圧力センサと流量センサを設置して、流出する対象ガスの使用量に応じて制御システム2000は、生産時間と再生時間を異にして、常に一定した高純度精製ガスを供給されることができ、対象ガスの使用量が少ないかないときも、高純度ガスを保持しており、純度の安定性が保障され、使用量に応じて連動して再生時間と生産時間を制御することにより、高純度精製システム1000によって消費されるエネルギーを節減することができ、ベッドの切り換え時、回収ガスと同様のガスを吸着ベッドに供給することにより、各吸着ベッド内圧力の変動が少なくて、吸着剤の安全性を獲得することができる。
【0116】
このように、本発明によれば、既存の圧力吸着方法の生産及び再生過程で発生する圧力の変動と生産効率を高めるために、動圧時間での過程を保安して、既存の圧力吸着方法よりも安定的に高純度対象ガスを獲得することができる効果がある。
【0117】
以上、一部の例を挙げて、本発明の好ましい様々な実施形態について説明したが、本「発明を実施するための形態」の項目に記載の様々な実施形態に関する説明は、例示的なものに過ぎないし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、以上の説明から本発明を様々に変形して実施するか、本発明と均等な実施を行うことができる点を理解することができる。
【0118】
また、本発明は、他の様々な形態に具現することができるため、上述した説明によって限定されるものではなく、以上の説明は、本発明で開示の内容を完全にするためのものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求範囲の各請求項によって定義されるだけである。
【符号の説明】
【0119】
100 第1の吸着ベッド
200 第2の吸着ベッド
300a,300b 第1の流入ライン
300c 第2の流入ライン
310 流入ポンプ
320a,320b 第1のチェック弁
400,400a,400b 流出ライン
500a,500b 動圧ライン
510a,510b 第3のチェック弁
520 第2のソレノイド弁
600a,600b 回収ライン
610a,610b 第2のチェック弁
620 第1のソレノイド弁
700 オリフィスライン
800a,800b ベントライン
1000 高純度精製システム
2000 制御システム
図1
図2
図3