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特開2024-71336ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071336
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20240517BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G01B11/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075830
(22)【出願日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0151232
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】モ ソ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ガ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】ハム ヒョ-シク
【テーマコード(参考)】
2F065
2H197
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA17
2F065CC17
2F065FF04
2F065MM02
2F065PP12
2F065QQ23
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ26
2F065QQ31
2F065RR06
2F065RR08
2F065TT02
2H197DA02
2H197EA25
2H197EB16
2H197EB23
2H197HA03
2H197JA17
2H197JA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体基板の微細パターンらの整列状態を正確に測定して検査することができるように、ディープラーニング(DL)に基づくオーバーレイキー(OK:Overlay_Key)をセンタリングするシステム及びその方法を開示する。
【解決手段】DLに基づくOKのセンタリング方法は、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、入力データセットは、OKの計測イメージデータと、OKの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含み、かつ、入力データセットをDLのためモデルに入力して、モデルを学習させるステップとを含む。モデルを学習させるステップは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備からオーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含む入力データセットを収集し、前記入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、前記モデルを学習させるサーバを含み、
前記サーバは、前記モデルで予測した結果データと前記ラベルデータとを比較して損失関数を計算し、前記損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、前記モデルの加重値を修正して、前記モデルのアルゴリズムを最適化することにより、前記モデルを学習させるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項2】
前記サーバは、
既に設定された回数だけ前記入力データセットを前記モデルに入力して、前記モデルの加重値を修正する過程を繰り返す、
請求項1に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記学習されたモデルのうちベストモデルを選定する過程をさらに含む、
請求項1に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記損失値が前記基準値よりも小さいモデルを選定し、前記選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定する、
請求項3に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項5】
前記オーバーレイ計測装備は、前記サーバから前記ベストモデルを受信して、オーバーレイキーをセンタリングする、
請求項3に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項6】
前記オーバーレイ計測装備は、
オーバーレイキーのライブイメージを受信し、前記ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出し、前記センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする、
請求項5に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項7】
前記オーバーレイ計測装備は、センタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する、
請求項5に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項8】
サーバは、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、
前記入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含み、かつ、
前記サーバは、前記入力データセットをディープラーニングのためモデルに入力して、前記モデルを学習させるステップとを含み、
前記モデルを学習させるステップは、
前記モデルで予測した結果データと前記ラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、
前記損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、前記モデルの加重値を修正して、前記モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む、
ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項9】
前記モデルを学習させるステップは、
既に設定された回数だけ前記入力データセットを前記モデルに入力して、前記モデルの加重値を修正する過程を繰り返す、
請求項8に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項10】
前記サーバは、前記学習されたモデルのうちベストモデルを選択するステップをさらに含む、
請求項8に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項11】
前記ベストモデルを選択するステップは、
前記損失値が前記基準値よりも小さいモデルを選定するステップと、
前記選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定するステップとを含む、
請求項10に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項12】
前記サーバは、前記ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップをさらに含む、
請求項10に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項13】
前記ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップは、
オーバーレイキーのライブイメージを受信するステップと、
前記ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出するステップと、
前記センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップと、を含む、
請求項12に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項14】
前記サーバは、前記少なくとも1つ以上の装備における前記計測イメージデータを生成するステップをさらに含む、
請求項8に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項15】
前記計測イメージデータを生成するステップは、
前記計測イメージデータの位置、角度、イメージの明るさ、波長のうち少なくとも1つを変更して、トレーニング用計測イメージデータを少なくとも1つ以上生成する、
請求項14に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項16】
オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータとラベルデータとを含む入力データセットを生成し、前記入力データセットをサーバに伝送する少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備を含み、
前記ラベルデータは、前記オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含む、
ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項17】
前記ラベルデータは、前記オーバーレイキーの種類、前記オーバーレイキーのx位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのy位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのバウンディングボックスの幅値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのバウンディングボックスの高さ値を全体イメージの大きさで割った値のうち少なくとも1つ以上を含むように設定される、
請求項16に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体工程に関し、より詳細は、ディープラーニングに基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程では、ウエハ表面に感光膜(Photo Resist)を形成し、ステッパー(stepper)を用いた露光工程において、レチクル(reticle)上のウエハ表面上の感光膜に転写し、露光工程が完了した感光膜を現像する。その後、現象した感光膜を、エッチングマスクを用いてウエハ表面をエッチングするフォトリソグラフィ(Photolithography)工程によって、ウエハ表面に回路パターンを形成し、フォトリソグラフィ工程を繰り返してウエハ表面に回路パターンを有する多層膜を形成して、半導体素子が製造される。
【0003】
半導体工程において、半導体基板に微細パターンを形成するために行われる露光工程は、半導体基板上にフォトレジスト(Photo-Resist)を塗布し、フォトレジストが塗布された半導体基板に熱を加えて、マスクに形成されたパターンを半導体基板の表面にパターンを一致させた後、部分的に光を透過させて、当該部位のフォトレジストを露光し、露光工程後、現像液を噴射して、露光時、光の透過した部分又は光の透過していない部分を化学作用によって除去し、半導体基板にパターンを形成した後に整列状態を測定して、垂直整列度を計測する。
【0004】
一方、半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度をオーバーレイ(overlay)と言い、光学オーバーレイ計測装置は、オーバーレイキー(overlay key)を用いて、半導体基板上に形成されたパターンと現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出する。
【0005】
半導体基板の微細パターンらの整列状態を測定して検査するオーバーレイ工程は、半導体基板上に多層レイヤからなる複数の薄膜層に形成された下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンとが正確に整列されたかを確認するために、オーバーレイマーク(overlay mark)を用いて上部薄膜層と下部薄膜層の整列状態を確認する。
【0006】
光学オーバーレイ測定計測装備は、半導体工程で極めて高精密測定により、複数の層で積み重ねた半導体基板上に、多層レイヤからなる複数の薄膜層に形成された下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンとが正確に整列されたかを、オーバーレイマークを用いて回路パターンが正しく整列されたかを測定する。
【0007】
オーバーレイマークの整列度を測定するためには、PR(Pattern Recognition)アクション(Action)が先行されなければならない。
【0008】
レシピ(Recipe)に入力されたターゲット(Overlay Key)ポジション(Position)にステージ(Stage)を移動させるとき、ハードウェア(ロボット、ステージ等)の再現性(Repeatability)の影響から正確な位置を探すのに限界がある。
【0009】
PRアクションは、これを補正する技術であって、レシピに登録のモデルイメージと、FOV(Field of View)上のライブ(Live)イメージとがマッチング(Matching)する位置をセンター(Center)と検出して、オフセット(offset)だけさらにステージ移動(Stage Move)させる。
【0010】
ところが、イメージ間の1:1マッチングを通じてさらにステージ移動する方式は、レシピに登録のイメージがウエハ全般のあらゆるターゲットのイメージに取り替えられる場合に可能である。
【0011】
工程上の影響によって、オーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)が大きい場合、PR失敗(Fail)が発生し得る。
【0012】
よって、PR失敗を補い、オーバーレイキーのセンター座標を探して、正確にセンタリングする技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
韓国登録特許第10-1604789号(2016年3月14日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、工程上の理由で発生したオーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)を克服し、PR(Pattern Recognition)を行うために、ディープラーニングに基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備からオーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含む入力データセットを収集し、入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、モデルを学習させるサーバを含む。
【0017】
前記サーバは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算し、損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化することでモデルを学習させる。
【0018】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、前記入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含み、かつ、前記入力データセットをディープラーニングのためモデルに入力して、前記モデルを学習させるステップとを含む。
【0019】
前記モデルを学習させるステップは、前記モデルで予測した結果データと前記ラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、前記損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、前記モデルの加重値を修正して、前記モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む。
【0020】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータとラベルデータとを含む入力データセットを生成し、入力データセットをサーバに伝送する少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備を含む。ラベルデータは、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含む。
【発明の効果】
【0021】
実施形態によれば、ディープラーニングに基づいてオーバーレイキーを正確にセンタリングすることにより、半導体基板の微細パターンらの整列状態を正確に測定して検査することができる。
【0022】
また、オーバーレイキー別のバリエーションが大きい場合に発生し得るPR(Pattern Recognition)失敗を防止することができる。
【0023】
また、PR(Pattern Recognition)パラメータに敏感に反応するレイヤの場合に発生し得るPRミスリーディング(MisReading)を補うことができる。
【0024】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明するとともに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】PR(Pattern Recognition)アクションを説明するための図面である。
図2】一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法の流れ図である。
図3図2のディープラーニングのためレボリューションニューラルネットワークを例示したブロック図である。
図4図2のモデルを用いて、オーバーレイキーのセンターを検出した結果イメージを示す図面である。
図5】周期的な学習を通じて安定的なモデルが得られることを示すグラフである。
図6図2の入力データセットのうちイメージファイルを例示した図面である。
【0026】
前述した目的、手段及び効果は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0027】
以下では、工程上の理由で発生したオーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)を克服し、PR(Pattern Recognition)を行うために、ディープラーニングに基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法を開示する。
【0028】
明細書において、オーバーレイ(overlay)は、半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度と定義することができる。
【0029】
明細書において、オーバーレイキー(overlay key)は、光学オーバーレイ計測装置における半導体基板上に形成されたパターンと、現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して、微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出するのに用いられるものであると定義することができる。
【0030】
明細書において、PRUは、FOV(Field of View)内でオーバーレイキーをセンタリングすることであると定義することができる。
【0031】
図1は、PR(Pattern Recognition)アクションを説明するための図面である。
【0032】
ターゲット(Overlay Key)ポジションにステージを移動させるとき、ハードウェア(ロボット、ステージ等)の再現性(Repeatability)の影響から正確な位置を探すのに限界がある。
【0033】
PRアクションは、これを補正する技術であって、レシピに登録のモデルイメージとFOV上のライブイメージとがマッチングされる位置をセンターと検出して、オフセットだけさらにステージ移動(Stage Move)させる。
【0034】
ところが、イメージ間の1:1マッチングを通じてさらにステージ移動させる方式は、レシピに登録のイメージがウエハ全般のあらゆるターゲットのイメージに取り替えられる場合に可能である。
【0035】
工程上の影響によって、オーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)が大きい場合、PR失敗(Fail)が発生し得る。
【0036】
このために本実施形態は、イメージ内で物体の位置とその種類を探す客体検出技術を利用する。探そうとする客体の特徴を事前に抽出して訓練し、ディープラーニングモデルを生成する。与えられた映像内で当該特徴を検出し、ディープラーニングモデルを用いてオーバーレイキーのセンター位置を検出する。
【0037】
半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度をオーバーレイ(overlay)と言い、光学オーバーレイ計測装置は、オーバーレイキー(overlay key)を用いて、半導体基板上に形成されたパターンと、現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出する。
【0038】
図2は、一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法の流れ図である。図3は、図2のディープラーニングのためレボリューションニューラルネットワークを例示したブロック図である。
【0039】
図2及び図3を参照すると、一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、光学オーバーレイ計測装備、トレーニングPC及び装備PCを含む。
【0040】
光学オーバーレイ計測装備は、入力データセットを貯蔵して、入力データセットをトレーニングPCに伝送する。ここで、入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータと、を含む。
【0041】
一例では、光学オーバーレイ計測装備は、半導体デバイスを製造する際に形成された複数の薄膜層をオーバーレイマーク(overlay mark)を用いて、精密に検査領域の光学オーバーレイターゲット(optical overlay target)らの0゜イメージと180゜回転されたイメージの対称(symmetry)特性を用いて、精密にターゲット位置(target position)のオーバーレイマークイメージの重心を探す。
【0042】
トレーニングPCは、少なくとも1つ以上の光学オーバーレイ計測装備から入力データセットを収集し、入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、モデルを学習させる。ここで、トレーニングPCは、少なくとも1つ以上の光学オーバーレイ計測装備とネットワークで連結されたサーバであってもよい。
【0043】
トレーニングPCは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算し、損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化することでモデルを学習させる。
【0044】
トレーニングPCは、既に設定された回数だけ、前記入力データセットをモデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。
【0045】
トレーニングPCは、学習されたモデルのうちベストモデルを選定する。ここで、トレーニングPCは、損失値が基準値よりも小さいモデルを選定し、選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定する。
【0046】
装備PCは、トレーニングPCからベストモデルを受信して、オーバーレイキーをセンタリングする。一例では、装備PCは、オーバーレイキーのライブイメージを受信し、ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出し、センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする。
【0047】
装備PCは、レシピを変換する場合、センタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録し、ノーマル動作の場合、レシピに登録のモデルイメージとFOV上のライブイメージとがマッチングされる位置をセンターと検出して、オフセットだけさらにステージを移動させる。
【0048】
一方、トレーニングPCは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータを加工して、少なくとも1つ以上のトレーニング用計測イメージデータを生成することができる。一例では、計測イメージデータを一定角度を基準に回転して、トレーニング用計測イメージデータを生成することができる。また、ターゲットの位置、角度、イメージの明るさ、波長によるイメージをトレーニング用計測イメージデータとして生成することができる。他の一例では、計測イメージデータの位置、角度、イメージの明るさ、波長のうち少なくとも1つ以上を変更したイメージをトレーニング用計測イメージデータとして生成することができる。
【0049】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、少なくとも1つ以上の装備における計測イメージデータを生成して貯蔵するステップと、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力してモデルを学習させるステップと、学習されたモデルのうちベストモデルを選択するステップと、ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップと、を含む。
【0050】
少なくとも1つ以上の装備は、入力データセットを貯蔵する。一例では、光学オーバーレイ測定計測装備は、オーバーレイキーのイメージデータとラベルデータを計測する。入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータと、を含む。
【0051】
一例では、イメージデータは、オーバーレイキーの計測イメージファイルであってもよく、ラベルデータは、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むテキストファイルであってもよい。
【0052】
貯蔵されている入力データセットをサーバPC(トレーニングPC)でFTP移動(Migration)によって収集する。
【0053】
モデルを学習させるステップは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、損失関数(Loss Function)で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む。モデルを学習させるステップは、既に設定された回数だけ入力データセットをモデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。
【0054】
一例では、入力データセットをYOLOモデル(Network Architecture)に入れて、YOLOモデルで予測した結果値とラベル値とを比較して、損失関数(Loss Function)を計算する。
【0055】
そして、アルゴリズムを最適化する。一例では、損失関数で計算された損失値が小さくなるように、YOLOモデルの加重値を修正する。上記過程を決まったエポック(epoch)だけ繰り返す。一例では、エポック値は、100にデフォルトされていてもよい。
【0056】
そして、ベストモデルを選択するステップは、損失値が基準値よりも小さいモデルを選定するステップと、選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルをベストモデルと選定するステップとを含む。
【0057】
スコアを計算して、ベストモデルを選定するのに用いられる項目について具体的に説明すると、次のとおりである。
【0058】
適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)を説明する前に、モデルの結果と実際の正解値によってTrue Positive、False Positive、False Negative、True Negativeを次のように定義することができる。
【0059】
True Positive:モデルの結果=True、実際の正解値=True(IOU>=Threshold)と定義される。
【0060】
False Positive:モデルの結果=False、実際の正解値=False(IOU<Threshold)と定義される。
【0061】
False Negative:モデルの結果=False、実際の正解値=Trueと定義される。
【0062】
True Negative:モデルの結果=False、実際の正解値=Falseと定義される。
【0063】
<Precision>
Precision=True Positive/(True Positive+False Positive)=True Positive/all detections:適合率は、主に再現率(Recall)と共に使用される概念である。予測された結果がどれほど正確であるかを示す指標である。全体に検出された客体のうち、正解が正しい客体の比率を意味する。
【0064】
<Recall>
Recall=True Positive/(True Positive+False Negative)=True Positive/(all ground truths)を意味する。
【0065】
<F1>:PrecisionとRecallの調和平均、F1=2×(Precision×Recall)/(Precision+Recall)を意味する。
【0066】
<Mean Average Precision>
Precision-Recall曲線:モデルが予測した結果に対する確信(confidence)値に対する基準値の変化によるモデルの性能評価指標を意味する。ここで、確信値は、検出した結果に対してモデルが確信する程度を示す。
【0067】
そして、ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップは、オーバーレイキーのライブイメージを受信し、ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出し、センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする。
【0068】
一例では、移動(Migration)されたベストモデルをオーバーレイキーのセンタリングに使用する。入力によって、センタリングを要するオーバーレイキーのライブ(Live)イメージが入力され、出力によって、モデルを介してオーバーレイキーのセンター座標のX値及びY値が検出される。オーバーレイキーのセンター座標のX値及びY値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする。
【0069】
そして、計測イメージデータの生成は、撮影された計測イメージデータを加工して、少なくとも1つ以上のトレーニング用計測イメージデータを生成する。一例では、計測イメージデータを一定角度を基準に回転して、トレーニング用計測イメージデータを生成することができる。また、ターゲットの位置、角度、イメージの明るさ、波長によるイメージをトレーニング用計測イメージデータとして生成することができる
【0070】
一例では、深層神経網をディープラーニングに用いることができ、深層神経網は、隠れ層(hidden layer)を多く積み、媒介変数(parameter)を増やす方式でモデルの正確性を高めることができる。多くは、数百万本に至る媒介変数を確かに訓練するためには、多大な量の学習データが必要である。特に、学習データは、現実を十分反映するほど多様であり、かつ、その品質に優れていなければならない。
【0071】
媒介変数を訓練するのに足りる学習データを確保することができない場合、モデルの性能を阻害する過剰適合(overfitting)問題が発生する可能性が高い。過剰適合は、モデルが訓練データにだけ過度に適応して、テストデータ又は新しいデータに充分反応しない現象を意味する。
【0072】
これら過剰適合の問題を解消するために、多様な、かつ多くの学習データでネットワークを訓練することが何よりも重要である。このように、深層神経網を十分訓練するのに必要なデータを確保する技法の1つとして、データ増強(Data augmentation)が使用される。データ増強は、少量の学習データに人為的な変化を与えて、新しい訓練データを大量確保する方法論を意味する。
【0073】
例えば、イメージを上下左右に反転するか(flipping)切り抜く(cropping)方式で新しいイメージデータを確保することができる。また、イメージの明るさを変化させる方法で学習用データを増強することができる。
【0074】
図4は、図2のモデルを用いて、オーバーレイキーのパターンのセンターを検出した結果イメージを示す。
【0075】
ディープラーニングモデルを用いてターゲットセンターを検出した結果イメージであって、赤い点は、学習されたベストモデルが探したターゲットセンター値である。モデルは、学習過程が必要であり、学習時に用いられたイメージの質(Quality)によって性能が相違し得る。
【0076】
図5は、周期的な学習を通じて、安定的なモデルが得られることを示すグラフである。
【0077】
図5に示したように、model1、model2、model3、model4は、周期的に学習されたモデルであって、model1は、最も初期モデルであり、model4は、最も後に作られたモデルである。meanX、meanYは、modelで探した予測センター値と実際のセンター値との差異値の平均値を示す。
【0078】
周期的に学習すれば、多量のデータを用いてモデルを学習することになるため、徐々に安定的なモデルを得ることができる。
【0079】
図6は、図2の入力データセットのうちイメージファイルを例示した図面である。
【0080】
一例では、入力データセットの構成は、イメージファイル(ファイル形式:bmp)、ラベルファイル(ファイル形式:txt)であってもよい。イメージは、オーバーレイキーの計測イメージでセンタリングされたイメージであってもよい。
【0081】
ラベルは、オーバーレイキーの位置情報を総5種のインデックス(index)を有することができる。
【0082】
一例では、第1インデックス(index1)は、学習しようとするオーバーレイキーの種類、例えば、5X Global Key、SiteKeyであってもよい。
【0083】
第2インデックス(index2)は、学習しようとするオーバーレイキーのx位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値であってもよい。
【0084】
第3インデックス(index3)は、学習しようとするオーバーレイキーのy位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値であってもよい。
【0085】
第4インデックス(index4)は、学習しようとするオーバーレイキーのBounding Boxの幅値を全体イメージの大きさで割った値であってもよい。
【0086】
第5インデックス(index5)は、学習しようとするオーバーレイキーのBounding Boxの高さ値を全体イメージの大きさで割った値であってもよい。
【0087】
第2インデックス(index2)及び第3インデックス(index3)は、「TargetFinder」ロジックによって検証された値を用いることができる。
【0088】
出力は、入力データセットを用いて学習されたYoloモデル(客体検出モデルの1つ)を用いて、ライブイメージにあるオーバーレイキーの位置及び大きさ情報を検出する。
【0089】
このように、一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、入力データセットを貯蔵して、入力データセットをサーバに伝送する、少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備;入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含み、かつ、少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備から入力データセットを収集し、入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、モデルを学習させるサーバ;を含む。
【0090】
サーバは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算し、損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化することでモデルを学習させる。
【0091】
サーバは、既に設定された回数だけ前記入力データセットを前記モデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。
【0092】
サーバは、学習されたモデルのうちベストモデルを選定する過程をさらに含む。
【0093】
サーバは、損失値が前記基準値よりも小さいモデルを選定し、前記選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定する。
【0094】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、サーバからベストモデルを受信して、オーバーレイキーをセンタリングするオーバーレイ計測装備をさらに含む。
【0095】
オーバーレイ計測装備は、オーバーレイキーのライブイメージを受信し、ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出し、センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする。
【0096】
オーバーレイ計測装備は、センタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する。
【0097】
そして、一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、前記入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、前記モデルを学習させるステップとを含む。
【0098】
入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータと、を含む。
【0099】
モデルを学習させるステップは、モデルで予測した結果データとラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む。
【0100】
モデルを学習させるステップは、既に設定された回数だけ入力データセットをモデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。
【0101】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、学習されたモデルのうちベストモデルを選択するステップをさらに含む。
【0102】
ベストモデルを選択するステップは、損失値が基準値よりも小さいモデルを選定するステップと、選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルをベストモデルと選定するステップとを含む。
【0103】
一例では、モデルを学習させてベストモデルを選択する方法は、次のとおりである。
【0104】
先ず、モデルで予測した結果データとラベルデータ(実際の正解値)とを比較して損失関数を計算し、損失関数で計算された損失値が小さくなるように、モデルの加重値を修正して、モデルのアルゴリズムを最適化する。
【0105】
ここで、ラベルデータは、学習しようとするオーバーレイキーの種類、学習しようとするオーバーレイキーのx位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、学習しようとするオーバーレイキーのy位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、学習しようとするオーバーレイキーのバウンディングボックスの幅値を全体イメージの大きさで割った値、学習しようとするオーバーレイキーのバウンディングボックスの高さ値を全体イメージの大きさで割った値のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0106】
次に、モデルを学習させるステップは、既に設定された回数だけ入力データセットをモデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。例えば、損失値が小さくなるように適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)それぞれに対する加重値を修正する。
【0107】
適合率は、予測された結果がどれほど正確であるかを示す指標であって、全体検出された客体のうち正解である客体の比率を意味する。例えば、適合率は、True Positive/(True Positive+False Positive)=True Positive/all detections数式で計算することができる。ここで、True Positiveは、予測した結果データとラベルデータとを比較したモデルの結果がTrueであり、実際の正解値がTrueである場合を示す。False Positiveは、予測した結果データとラベルデータとを比較したモデルの結果がFalseであり、実際の正解値がFalseである場合を示す。
【0108】
再現率は、True Positiveと(True Positive+False Negative)の比率を意味する。再現率は、True Positive/(True Positive+False Negative)=True Positive/(all ground truths)数式で計算することができる。ここで、False Negativeは、予測した結果データとラベルデータとを比較したモデルの結果がFalseであり、実際の正解値がTrueである場合を示す。
【0109】
F1は、適合率と再現率の調和平均を意味する。例えば、F1=2×(適合率×再現率)/(適合率+再現率)数式で計算することができる。
【0110】
mAP(Mean Average Precision)は、モデルが予測した結果に対する確信(confidence)値に対する臨界値の変化によるモデルの性能評価指標を示す。ここで、確信値は、検出した結果に対してモデルが確信する程度を意味する。
【0111】
次に、上記のような数式を用いて適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)に対するスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルをベストモデルと選定する。
【0112】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップをさらに含む。
【0113】
ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップは、オーバーレイキーのライブイメージを受信するステップと、ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出するステップと、センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップと、を含む。
【0114】
一例では、光学的オーバーレイ計測装備におけるオーバーレイキーをセンタリングする方法は、レンズを介してオーバーレイマークを認識するとき、オーバーレイマークが存在する領域で一定大きさのイメージを獲得して、第1イメージと決定し、第1イメージを変換して第2イメージを生成する。
【0115】
オーバーレイ計測装備は、第1イメージと第2イメージの特性値を比較して比較値を算出し、第1イメージと第2イメージの類似度を判断するために、比較値が一定基準範囲内にあるかを確認して、比較値が一定基準範囲内にあると、第1イメージと第2イメージが同一であると判断し、第1イメージの重心を決定し、第1イメージの重心をオーバーレイマークの重心と決定する。
【0116】
オーバーレイ計測装備は、レシピを変換する場合、センタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録し、ノーマル動作の場合、レシピに登録のモデルイメージとFOV上のライブイメージがマッチングされる位置をセンターと検出して、オフセットだけさらにステージを移動させる。
【0117】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、少なくとも1つ以上の装備における計測イメージデータを生成するステップをさらに含む。
【0118】
計測イメージデータを生成するステップは、計測イメージデータの位置、角度、イメージの明るさ、波長のうち少なくとも1つを変更して、トレーニング用計測イメージデータを少なくとも1つ以上生成する。
【0119】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータとラベルデータとを含む入力データセットを生成し、入力データセットをサーバに伝送する少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備を含む。ラベルデータは、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含む。
【0120】
ラベルデータは、オーバーレイキーの種類、オーバーレイキーのx位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、オーバーレイキーのy位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、オーバーレイキーのバウンディングボックスの幅値を全体イメージの大きさで割った値、オーバーレイキーのバウンディングボックスの高さ値を全体イメージの大きさで割った値のうち少なくとも1つ以上を含むように設定される。
【0121】
一実施形態によるディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、ディープラーニングに基づくオーバーレイキーを正確にセンタリングすることにより、半導体基板の微細パターンらの整列状態を正確に測定して検査することができる。
【0122】
また、オーバーレイキー別のバリエーションが高い場合に発生し得るPR(Pattern Recognition)失敗を防止することができる。
【0123】
また、PRパラメータに敏感に反応するレイヤの場合に発生し得るPRミスリーディングを補うことができる。
【0124】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形を行えることは明らかである。なお、本発明の実施形態を前述しながら本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備からオーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含む入力データセットを収集し、前記入力データセットをディープラーニングするためモデルに入力して、前記モデルを学習させるサーバを含み、
前記サーバは、前記モデルで予測した結果データと前記ラベルデータとを比較して損失関数を計算し、前記損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、前記モデルの加重値を修正して、前記モデルのアルゴリズムを最適化することにより、前記モデルを学習させ
前記学習されたモデルのうちベストモデルを選定する過程をさらに含み、
前記損失値が前記基準値よりも小さいモデルを選定し、前記選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定する、ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項2】
前記サーバは、
既に設定された回数だけ前記入力データセットを前記モデルに入力して、前記モデルの加重値を修正する過程を繰り返す、
請求項1に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項3】
前記オーバーレイ計測装備は、前記サーバから前記ベストモデルを受信して、オーバーレイキーをセンタリングする、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステ
ム。
【請求項4】
前記オーバーレイ計測装備は、
オーバーレイキーのライブイメージを受信し、前記ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出し、前記センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングする、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステ
ム。
【請求項5】
前記オーバーレイ計測装備は、センタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステ
ム。
【請求項6】
サーバは、少なくとも1つ以上の装備から入力データセットを収集するステップと、
前記入力データセットは、オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータと、オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含むラベルデータとを含み、かつ、
前記サーバは、前記入力データセットをディープラーニングのためモデルに入力して、前記モデルを学習させるステップとを含み、
前記モデルを学習させるステップは、
前記モデルで予測した結果データと前記ラベルデータとを比較して損失関数を計算するステップと、
前記損失関数で計算された損失値が基準値よりも小さくなるように、前記モデルの加重値を修正して、前記モデルのアルゴリズムを最適化するステップとを含む、
ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項7】
前記モデルを学習させるステップは、
既に設定された回数だけ前記入力データセットを前記モデルに入力して、前記モデルの加重値を修正する過程を繰り返す、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項8】
前記サーバは、前記学習されたモデルのうちベストモデルを選択するステップをさらに含む、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項9】
前記ベストモデルを選択するステップは、
前記損失値が前記基準値よりも小さいモデルを選定するステップと、
前記選定されたモデルのうち適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)のうち少なくとも1つを用いてスコアを計算し、当該スコア値の高いモデルを前記ベストモデルと選定するステップとを含む、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法
【請求項10】
前記サーバは、前記ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップをさらに含む、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法
【請求項11】
前記ベストモデルを用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップは、
オーバーレイキーのライブイメージを受信するステップと、
前記ベストモデルを介してオーバーレイキーのライブイメージからセンター座標値を検出するステップと、
前記センター座標値を用いてオーバーレイキーをセンタリングするステップと、を含む、
請求項10に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法
【請求項12】
前記サーバは、前記少なくとも1つ以上の装備における前記計測イメージデータを生成するステップをさらに含む、
請求項に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項13】
前記計測イメージデータを生成するステップは、
前記計測イメージデータの位置、角度、イメージの明るさ、波長のうち少なくとも1つ
を変更して、トレーニング用計測イメージデータを少なくとも1つ以上生成する、
請求項12に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリング方法
【請求項14】
オーバーレイキー(Overlay Key)の計測イメージデータとラベルデータとを含む入力データセットを生成し、前記入力データセットをサーバに伝送する少なくとも1つ以上のオーバーレイ計測装備を含み、
前記ラベルデータは、前記オーバーレイキーの位置情報及びバウンディングボックスの大きさ情報を含む、
ディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項15】
前記ラベルデータは、前記オーバーレイキーの種類、前記オーバーレイキーのx位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのy位置のピクセル値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのバウンディングボックスの幅値を全体イメージの大きさで割った値、前記オーバーレイキーのバウンディングボックスの高さ値を全体イメージの大きさで割った値のうち少なくとも1つ以上を含むように設定される、
請求項14に記載のディープラーニングに基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
次に、モデルを学習させるステップは、既に設定された回数だけ入力データセットをモデルに入力して、モデルの加重値を修正する過程を繰り返す。例えば、損失値が小さくなるように適合率(Precision)、再現率(Recall)、mAP(Mean Average Precision)、F1メトリック(metric)それぞれに対する、モデルの加重値を修正する。