(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071348
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ロータ式紡績機及びロータ式紡績機の運転方法
(51)【国際特許分類】
D01H 4/30 20060101AFI20240517BHJP
D01H 4/32 20060101ALI20240517BHJP
D01H 4/44 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
D01H4/30
D01H4/32 B
D01H4/44
D01H4/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181048
(22)【出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】503052
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェア、ギュンター
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA14
4L056AA15
4L056AA47
4L056BA01
4L056BA07
4L056BA12
4L056BB02
4L056BC01
4L056BC14
4L056BD19
4L056BD69
4L056CA02
4L056CA08
4L056EB02
4L056EB06
4L056EB09
4L056EB10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】少なくとも2つの供給ローラを有し、ドラフト速度の容易な設定を可能にするロータ式紡績機および、運転方法を提供すること。
【解決手段】制御装置9と、ロータ式オープンエンド紡績装置3と、少なくとも2つの繊維スライバをロータ式オープンエンド紡績装置に供給する供給ユニットであって、その供給ユニットが、開繊ローラ及び、第1の繊維スライバ及び第2の繊維スライバのための、制御装置によって互いに独立して運転可能な第1の供給ローラ及び第2の供給ローラを有する供給装置を備え、制御装置は、第1の供給ローラによって供給された単一のスライバから所定の糸特性を有する糸を製造するために、1つの供給ローラの個々のドラフト速度を決定し、第1の供給ローラの第1のドラフト速度と第2の供給ローラの第2のドラフト速度とを、第1のドラフト速度と第2のドラフト速度との合計が個々のドラフト速度に対応するように、互いに調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置(9)と、ロータ式オープンエンド紡績装置(3)と、少なくとも2つの繊維スライバ(12、13)を前記ロータ式オープンエンド紡績装置(3)に供給する供給ユニット(11)であって、
- 繊維スライバ(12、13)を開繊するための開繊ローラ(14)、及び
- 前記制御装置(9)によって互いに独立して操作可能な、第1の繊維スライバ(12)及び第2の繊維スライバ(13)のための第1及び第2の供給ローラ(16、17)を有する供給装置を有する供給ユニットと、を備えたロータ式紡績機(1)を運転する方法であって、
前記制御装置(9)は、
- 1つの供給ローラ(16、17)によって供給される単一の繊維スライバ(12、13)から所定の糸特性を有する糸を製造するために必要とされる、前記1つの供給ローラ(16、17)の個々のドラフト速度を決定し、
- 前記第1の供給ローラ(16)の第1のドラフト速度と前記第2の供給ローラ(17)の第2のドラフト速度とを、前記第1のドラフト速度と前記第2のドラフト速度との合計が、前記個々のドラフト速度に対応するように互いに調整することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記制御装置(9)が、前記個々のドラフト速度を決定するために、製造される糸の撚り、ドラフト、及び/又は糸番手を検出することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御装置(9)は、供給されるべき前記繊維スライバ(12、13)の繊維スライバ番号を検出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御装置(9)は、所定の糸特性に基づいて個々のドラフト速度を計算するか、又はデータベースから検索取得することを特徴とする、請求項1~3の一つ以上に記載の方法。
【請求項5】
制御装置(9)と、ロータ式オープンエンド紡績装置(3)と、少なくとも2つの繊維スライバ(12、13)を前記ロータ式オープンエンド紡績装置(3)に供給する供給ユニット(11)であって、
- 繊維スライバ(12、13)を開繊するための開繊ローラ(14)、及び
- 前記制御装置(9)によって互いに独立して操作可能な、第1の繊維スライバ(12)及び第2の繊維スライバ(13)のための第1及び第2の供給ローラ(16、17)を有する供給装置を有する供給ユニットと、を備えたロータ式紡績機(1)であって、
前記制御装置(9)は、
- 1つの供給ローラ(16、17)によって供給される単一の繊維スライバ(12、13)から所定の糸特性を有する糸を製造するために必要とされる、前記1つの供給ローラ(16、17)の個々のドラフト速度を決定し、
- 前記第1の供給ローラ(16)の第1のドラフト速度と前記第2の供給ローラ(17)の第2のドラフト速度とを、前記第1のドラフト速度と前記第2のドラフト速度との合計が、前記個々のドラフト速度に対応するように設定するように設計されていることを特徴とするロータ式紡績機(1)。
【請求項6】
前記制御装置(9)は、データ入力用の操作ユニット(10)に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載のロータ式紡績機(1)。
【請求項7】
前記制御装置(9)は、計算ユニット及び/又はデータベースに接続されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載のロータ式紡績機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置と、ロータ式オープンエンド紡績装置と、少なくとも2つの繊維スライバをロータ式オープンエンド紡績装置に供給する供給ユニットであって、
- 繊維スライバを開繊するための開繊ローラ、及び
- 制御装置によって互いに独立して運転可能な、第1の繊維スライバ及び第2の繊維スライバのための第1の供給ローラ及び第2の供給ローラを有する供給装置を有する供給ユニットと、を備えたロータ式紡績機、及びそのようなロータ式紡績機の運転方法に関する。互いに独立して運転可能な2つの供給ローラ、又は1つの供給ローラの互いに独立して運転可能な2つの供給ローラセクションを備えたロータ式紡績機及びその運転方法は、従来技術からの様々な実施形態で知られている。
【0002】
この種のロータ式紡績機は、2つの異なる又は2つの同一の紡績材料を、ロータ式オープンエンド紡績装置に供給することを可能にし、それによって、例えば、いわゆるエフェクトヤーン(例えば、太さの変化又は色の変化を有する糸)を製造することができる。
【0003】
所定の糸パラメータを有する均一な糸を製造するために、例えば糸の引出し速度、ロータ回転速度、並びに第1の供給ローラの第1のドラフト速度及び第2の供給ローラの第2のドラフト速度などの、紡糸パラメータを決定することは、かなりの労力をかけなければ可能ではない。
【0004】
このことから、本発明の目的は、少なくとも2つの供給ローラを有する供給ユニットのドラフト速度の容易な設定を可能にするロータ式紡績機を提供し、そのようなロータ式紡績機を運転する方法を提供することである。
【0005】
本発明は、この目的を、請求項1の特徴を有するロータ式紡績機の運転方法と、請求項5の特徴を有するロータ式紡績機とによって解決する。本発明の有利な更なる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明による方法によれば、まず、制御装置が、例えば操作員が操作ユニットを介して糸パラメータを入力することによって、製造されるべき糸の糸特性を指定した後、ロータ式オープンエンド紡績装置に1つの繊維スライバのみを供給する1つの供給ローラのみによって、指定された糸を製造するために必要とされる個々のドラフト速度を決定するということが規定される。したがって、個々のドラフト速度は、指定された糸を、1つの供給ローラのみを有する供給ユニットを使用して製造するために必要とされるドラフト速度である。
【0007】
この個々のドラフト速度は、制御装置において、第1の供給ローラの第1のドラフト速度及び第2の供給ローラの第2のドラフト速度を設定するための根拠として使用される。すなわち、この個々のドラフト速度は、制御装置が第1のドラフト速度及び第2のドラフト速度を互いにマッチさせ、それらの合計が、予め決定された個々のドラフト速度に対応するように使用される。例えば、操作員によって行われる、第1のドラフト速度の変更がある場合、制御ユニットは、第2のドラフト速度を自動的に調整し、第1のドラフト速度と第2のドラフト速度との合計を、予め決定された個々のドラフト速度に再び対応させる。これによって操作員は、ロータ式オープンエンド紡績装置に供給される繊維スライバどうしの割合を、製造すべき糸に不規則性を生じさせることなく適合させることができる。加えて、2つの同一の繊維スライバが供給される場合、紡糸された繊維質量における質量変動が防止されるので、連続的に均一な糸を製造することができる。
【0008】
本発明による方法は、紡糸パラメータ、特に個々のドラフト速度が、よく知られた方法で容易かつ確実に決定され得るということを特徴とする。この個々のドラフト速度は、少なくとも2つの供給ローラを有する供給ユニットの動作に基づいており、個々の供給ローラのドラフト速度どうしの関係は、制御装置によって互いにマッチングされて、それらが一緒になって個々のドラフト速度の100%に対応するようにされる。2つの供給ローラを有する供給ユニットにおいては、第1の供給ローラのドラフト速度の増加は、第2の供給ローラのドラフト速度の減少につながる。ドラフト速度どうしの相互の関係は、例えば、制御装置に接続された操作ユニットを介して操作員によって設定することができる、更なる紡糸パラメータを表すものである。
【0009】
個々のドラフト速度を決定するための基礎となる糸パラメータの数は、原則として自由に選択することができる。しかしながら、本発明の特に有利な一実施形態によれば、個々のドラフト速度を決定するための制御装置が、製造されるべき糸の撚り、ドラフト、及び/又は糸番手を検出するということが規定される。複数の糸パラメータを考慮することにより、制御装置によって、紡糸パラメータ、例えば、基準変数を表すロータの回転速度、糸の取り出し速度、及び個々のドラフト速度を、第1の供給ローラのドラフト速度及び第2の供給ローラのドラフト速度を設定するための根拠として、特に正確に決定することが可能になる。
【0010】
本発明の更なる一実施形態によれば、制御装置が、供給される繊維スライバの繊維スライバ番号を更に検出して、製造される糸の品質を補足的に向上させるということが規定される。
【0011】
所定の糸特性に基づいた個々のドラフト速度の決定は、原則として、任意の所望の様式で行うことができる。しかしながら、本発明の特に有利な一実施形態によれば、制御装置が、所定の糸特性に基づいて個々のドラフト速度を計算するか、又はデータベースから検索取得するということが規定される。個々のドラフト速度は、実証された方法によって簡単な様式で確実に決定することができる。また、個々のドラフト速度、すなわち1つの供給ローラのみを有する供給ユニットのドラフト速度を決定するのに十分なデータが存在するので、データベースにおいてそのようなデータを容易に検索取得可能に提供することができる。
【0012】
本発明によるロータ式紡績機の特徴は、ただ1つの供給ローラによって供給されるただ1つの繊維スライバから所定の糸特性を有する糸を製造するために、制御装置が、1つの供給ローラの個々のドラフト速度を決定するように設計されていることである。この個々のドラフト速度に基づいて、制御装置は更に、第1の供給ローラの第1のドラフト速度及び第2の供給ローラの第2のドラフト速度を、第1のドラフト速度と第2のドラフト速度との合計が個々のドラフト速度に対応するように設定するように構成される。
【0013】
本発明によるロータ式紡績機は、指定の糸を製造するために必要な個々のドラフト速度が、制御装置によって特に簡単な様式で決定され得るという事実によって特徴付けられる。これは、制御装置において個々の供給ローラのドラフト速度が設定されることに基づいており、制御装置は、ドラフト速度を、それらの合計が個々のドラフト速度に対応するように互いに調整するようになっている。したがって、例えば操作員によって、供給ローラのドラフト速度の一方が適合されると、それに対応して、制御装置により自動的に、他方の供給ローラのドラフト速度が適合されることとなり、ドラフト速度の合計が、制御装置によって予め決定された個々のドラフト速度に対応するようになっている。
【0014】
したがって、本発明によるロータ式紡績機は、操作員が特に簡単な方法で繊維スライバ供給の調整を行うことを可能にし、しかもその調整は、製造されるべき糸の均一性がそれによって影響されることなく行われるようになっている。
【0015】
本発明の一発展形態によれば、制御装置は、データ入力用の操作装置に接続されているということが規定される。したがって、操作ユニットは、操作員が製造されるべき糸の糸パラメータを簡便に入力して、制御装置が紡糸パラメータを決定可能にすることを可能にする。操作ユニットはまた、機械の操作員によって個々の供給ローラの速度を調整することを可能にするが、それに対応して、適合されていない方の供給ローラの適合が、制御装置によって自動的に実行されるようになっている。
【0016】
個々のドラフト速度を決定するために、制御装置は、計算ユニット及び/又はデータベースに接続される。計算ユニットは、既知の実証された様式で、個々のドラフト速度の計算による決定を可能にする。データベースの使用は、制御装置が、製造されるべき糸の糸パラメータに基づいて、紡糸パラメータを代替的に又は追加的に問い合わせることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図面は以下の通りである。
【
図1】複数の作業ステーションを有するロータ式オープンエンド紡績機の斜視図である。
【
図2】2つの供給ローラを有する供給ユニットの概略図である。
【0018】
図1は、本発明に従って設計された制御装置9を備えた中央制御ユニット8を有するロータ式紡績機1の、例示的な一実施形態の斜視図を示す。ロータ式紡績機は、それぞれがロータ式オープンエンド紡績装置3及び巻取装置4などを備えている複数の作業ステーション2を有するということが知られている。ロータ式オープンエンド紡績装置3に繊維を供給するために、個々の作業ステーション2はそれぞれ、下
図2に示されている供給ユニット11を有する。
【0019】
ロータ式紡績機1の作業ステーション2は、サービスユニット5によって必要物を供給される。これらのサービスユニット5は、例えば、作業ステーション2において、巻き取りの終わったあや巻ボビン7を新しい空のボビンと交換するように機能する。
【0020】
既に知られていることであるので詳細には説明しないが、ロータ式紡績機1の作業ステーション2のロータ式オープンエンド紡績装置3では、紡績缶6及びボビン27に収納された2つの繊維スライバ12、13が、所定の糸特性を有する糸に紡績され、この糸は続いて巻取装置4で巻き取られてパッケージにされる。ロータ式紡績機1及び個々の作業ステーション2を制御するために、ロータ式紡績機1は、中央制御ユニット8を有しており、この中央制御ユニット8は、本発明に従って設計された制御装置9を備えている。操作ユニット10を介して、システムの操作者は、製造される糸の糸パラメータを入力し、紡糸パラメータを読み取って修正をすることが可能である。
【0021】
制御装置9はまた、少なくとも2つの繊維スライバ12、13からロータ式オープンエンド紡績装置3内に繊維を供給するための、
図2に概略的に示された供給ユニット11を制御するように機能する。この場合、供給ユニット11は、2つの供給ローラ16、17と、開繊ローラ14とを有するが、それらの2つの供給ローラ16、17は、繊維スライバ12、13を供給するためのものであり、制御装置9によって互いに別々に駆動可能であり、開繊ローラ14は、繊維スライバ12、13を個々の繊維に分離するためのものである。供給ローラ16、17の回転軸15と、部分的にしか示されていない開繊ローラ14の回転軸(不図示)とは、互いに平行に延びている。
【0022】
供給ローラ16、17は、各々が繊維スライバ12、13を供給するために設けられた第1のローラセクション18と第2のローラセクション19とを有している。両方のローラセクション18、19は、互いに同一に形成され、特に、同一の形状及びサイズを有する。供給された繊維スライバ12、13を良好に搬送するために、両ローラセクション18、19はそれぞれ、直線状のプロフィールを有している。
【0023】
第1の供給ローラ16及び第2の供給ローラ17は、制御装置9を介して、駆動装置(ここでは不図示)によって互いに別個に駆動することができる。第1の供給ローラ16のドラフト速度及び第2の供給ローラ17のドラフト速度を決定するために、制御装置9はまず、製造されるべき糸の糸パラメータ、特に、ドラフト、撚り、供給されるべき繊維スライバの糸番手及び繊維スライバ数を検出する。これに基づいて、制御装置9は、繊維スライバ12、13を供給するために1つの供給ローラ16、17のみを有する供給ユニット11の場合の、個々の供給ローラ16、17の必要な個々のドラフト速度を決定する。この個々のドラフト速度は、供給ユニット11の2つの供給ローラ16、17を制御するための基準変数として、制御ユニット9に使用される。2つの供給ローラ16、17のドラフト速度の合計は、制御装置9によって予め決定された個々のドラフト速度に対応する。一方の供給ローラ16、17のドラフト速度が操作者によって増減されるという関係において、制御装置9は、他方の供給ローラ16、17のドラフト速度を増減させる。
【0024】
繊維スライバ12、13の供給ローラ16、17への安全な供給と、供給ローラ16、17による確実な搬送とを保証するために、供給セクション21を有するガイド要素20が、供給ローラ16、17の供給方向に配置される。供給セクション21は、平坦に形成され、また、供給セクション21は、供給ローラ16、17に対向して供給セクション21の平面内に凹んだ供給トラフ22を有する。供給トラフ22と供給ローラ16、17との間には、間隙23があり、この間隙23内で繊維スライバ12、13が、回転する供給ローラ16、17に搬送される。
【0025】
ガイドハウジング24は、供給ローラ16、17のすぐ上流側の供給セクション21内に配置され、ローラセクション18、19のうちの一方に供給される2つの繊維スライバ12、13の各々を3つの側面で囲み、その結果、2つの繊維スライバ12、13の各々のための閉じたガイドトンネル25、26が、第4の側面としての供給セクション21の平坦な表面とともに形成される。第1のガイドトンネル25は第2のガイドトンネル26よりも長く、その結果、ガイド要素20の下側から紡糸エッジ6から供給される第1の繊維スライバ12は、ガイド要素20の上側によってコイル27から供給される第2の繊維スライバ13と接触することができず、その結果、両方の繊維スライバ12、13の完全に独立した供給が達成される。
【0026】
最後に、一体的に形成されたガイド要素20は、開繊ローラセクション28を有するが、その開繊ローラセクション28は、供給トラフ22に続き、開繊ローラ14の表面に沿って一定の距離を保ちつつ、開繊ローラ14の回転方向に沿って部分的に延在する。開繊ローラセクション28と開繊ローラ14の表面との間に形成された間隙は、供給ローラ16、17から供給された繊維スライバ12、13が、個々の繊維に、開繊ローラ14の表面で確実に分離されることを保証する。
【0027】
参照符号の一覧
1 ロータ式紡績機
2 作業ステーション
3 ロータ式オープンエンド紡績装置
4 コイル装置
5 サービスユニット
6 紡績缶
7 あや巻ボビン
8 中央制御ユニット
9 制御装置
10 操作ユニット
11 供給ユニット
12 繊維スライバ
13 繊維スライバ
14 開繊ローラ
15 回転軸
16 供給ローラ
17 供給ローラ
18 第1のローラセクション
19 第2のローラセクション
20 ガイド要素
21 供給セクション
22 供給トラフ
23 間隙
24 ガイドハウジング
25 ガイドトンネル
26 ガイドトンネル
27 コイル
28 開繊ローラセクション