(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071353
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】デバイス画像品質の最適化のための多機能デバイスコミュニティ
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240517BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 127
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188641
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】18/055,391
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ アプリン
(72)【発明者】
【氏名】キム ピー.シウラ
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA25
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC55
5C062AC58
5C062AE13
5C062AF14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多機能デバイスで最適設定による印刷ジョブを実行する多機能デバイス(MFD)を提供する。
【解決手段】MFDは、MFDのコミュニティ内の他のMFDとの通信セッションを確立する通信インターフェースと、プロセッサと、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備え、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出することと、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを決定することと、最適設定MFDに最適設定を要求することと、最適設定MFDから最適設定を受信することと、最適設定に従ってMFD上の設定を構成することと、最適設定で印刷ジョブを実行することと、を行わせる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能デバイス(MFD)であって、
MFDのコミュニティ内の他のMFDとの通信セッションを確立する通信インターフェースと、
プロセッサと、
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出することと、
前記MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを判定することと、
前記最適設定MFDに最適設定を要求することと、
前記最適設定MFDから前記最適設定を受信することと、
前記最適設定に従って前記MFD上の設定を構成することと、
前記最適設定で前記印刷ジョブを実行することと、を行わせる、多機能デバイス(MFD)。
【請求項2】
前記望ましくない画像品質レベルは、閾値未満である画像品質スコアに基づいて検出される、請求項1に記載のMFD。
【請求項3】
前記望ましくない画像品質レベルは、閾値よりも大きい設定への変更を伴う前記印刷ジョブの実行回数に基づいて検出される、請求項1に記載のMFD。
【請求項4】
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDは、前記MFDのコミュニティ内のMFDのランク付けされたリストに基づいて判定される、請求項1に記載のMFD。
【請求項5】
前記MFDのランク付けされたリストは、各印刷ジョブの画像品質のフィードバックスコアに基づく、前記MFDのコミュニティ内の各MFDについてのスコアを含む、請求項4に記載のMFD。
【請求項6】
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDは、印刷ジョブのタイプについて最高スコアを有するMFDである、請求項5に記載のMFD。
【請求項7】
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDは、同じモデル番号を有する、最高スコアを有するMFDである、請求項5に記載のMFD。
【請求項8】
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDは、前記最適設定を要求している前記MFDの環境に類似する環境において最高スコアを有するMFDである、請求項5に記載のMFD。
【請求項9】
前記MFDのコミュニティは、共通ネットワーク上にあるMFDを含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項10】
前記プロセッサが更に、
画像品質スコア閾値未満である前記最適設定で実行された前記印刷ジョブの画像品質スコアを受信することと、
前記画像品質スコアが前記画像品質スコア閾値未満であることに応答して、前記MFDが整備を必要とするという通知を生成することと、を行う、請求項1に記載のMFD。
【請求項11】
前記設定は、色値、シャープネス値、コントラスト値、解像度値、輝度値、ズーム値、又は用紙タイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項12】
方法であって、
多機能デバイス(MFD)のプロセッサによって、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出することと、
前記プロセッサによって、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを判定することと、
前記プロセッサによって、前記最適設定MFDに最適設定を要求することと、
前記プロセッサによって、前記最適設定MFDから前記最適設定を受信することと、
前記プロセッサによって、前記最適設定に従って前記MFD上の設定を構成することと、
前記プロセッサによって、前記最適設定で前記印刷ジョブを実行することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記望ましくない画像品質レベルは、閾値未満である画像品質スコアに基づいて検出される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記望ましくない画像品質レベルは、閾値よりも大きい設定への変更を伴う前記印刷ジョブの実行回数に基づいて検出される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDは、前記MFDのコミュニティ内のMFDのランク付けされたリストに基づいて判定される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサによって、画像品質スコア閾値未満である前記最適設定で実行された前記印刷ジョブの画像品質スコアを受信することと、
前記プロセッサによって、前記画像品質スコアが前記画像品質スコア閾値未満であることに応答して、前記MFDが整備を必要とするという通知を生成することと、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
装置であって、
MFDのコミュニティ内のMFDとの通信セッションを確立する通信インターフェースと、
プロセッサと、
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記MFDのコミュニティ内の最適設定MFDに最適設定を求める要求を要求元MFDから受信することと、
前記MFDのコミュニティ内の前記最適設定MFDを識別することと、
前記最適設定MFDに最適設定を要求することと、
前記最適設定を前記要求元MFDに送信することと、を行わせる、装置。
【請求項18】
前記要求は、ジョブタイプと、少なくとも1つの環境パラメータと、前記MFDのモデル番号と、を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記最適設定は、色値、シャープネス値、コントラスト値、解像度値、輝度値、ズーム値、又は用紙タイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの環境パラメータは、湿度レベル又は温度のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、多機能デバイス(multi-function device、MFD)に関し、より詳細には、トラブルシューティング及び保守のためのMFDコミュニティに関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デバイス(MFD)は、種々の異なる機能を実行することができるデバイスである。例えば、MFDは、スキャンされた文書の印刷、スキャン、コピー、ファックス、電子メール、スキャンされた文書のネットワークストレージアカウントへの送信などを行うことができる。MFDは、カスタムユーザインターフェースの提供、異なる印刷ジョブのためのカスタムワークフローの格納などのためにカスタマイズすることができる。
【0003】
MFDは、複雑なソフトウェア上で動作する複雑なデバイスである。MFDは、ソフトウェアがどのように動作するかに関連付けられた設定から、ネットワーク通信のための通信設定、印刷ジョブパラメータなどに及ぶ数百の設定を有し得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で例解される態様によれば、多機能デバイス(MFD)と、MFDのコミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化する方法と、が提供される。実施形態の1つの開示される特徴は、MFDであって、MFDは、MFDのコミュニティ内の他のMFDとの通信セッションを確立する通信インターフェースと、プロセッサと、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備え、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出することと、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを判定することと、最適設定MFDに最適設定を要求することと、最適設定MFDから最適設定を受信することと、最適設定に従ってMFD上の設定を構成することと、最適設定で印刷ジョブを実行することと、を行わせる。
【0005】
別の開示される特徴は、MFDのコミュニティ内の別のMFDを介してMFDのトラブルシューティングを行う方法である。MFDのプロセッサによって実行される方法は、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出することと、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを判定することと、最適設定MFDに最適設定を要求することと、最適設定MFDから最適設定を受信することと、最適設定に従ってMFD上で設定を構成することと、最適設定で印刷ジョブを実行することと、を含む。
【0006】
別の開示される特徴は、MFDであって、MFDは、MFDのコミュニティ内の他のMFDとの通信セッションを確立する通信インターフェースと、プロセッサと、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を備え、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDに最適設定を求める要求を要求元MFDから受信することと、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを識別することと、最適設定MFDに最適設定を要求することと、最適設定を要求元MFDに送信することと、を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の教示は、以下の添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を考慮することによって容易に理解することができる。
【
図1】トラブルシューティング及び保守のための本開示のMFDのコミュニティを含む例示的なネットワークを例解する。
【
図2】本開示の例示的なMFDのブロック図を例解する。
【
図4】本開示の最適設定MFDから最適印刷設定を取得するMFDの一例を例解する。
【
図5】本開示の印刷ジョブの画像品質をスコア付けするための例示的なグラフィカルユーザインターフェースを例解する。
【
図6】本開示のMFDのコミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化する方法のフローチャートを例解する。
【
図7】本明細書で説明される機能を実行する際の使用に好適な例示的なコンピュータのハイレベルブロック図を例解する。
【0008】
理解を容易にするために、可能な限り、同一の参照番号は、図面に共通している同一の要素を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、デバイス画像品質の最適化のためのMFDコミュニティ、及びそれを実行するための方法を広く開示する。上で考察されるように、MFDは、複雑なソフトウェア上で動作する複雑なデバイスである。MFDは、画像品質に影響を及ぼし得る数百の設定を有し得る。1つのパラメータを変更することは、画像品質に影響を及ぼし得る。
【0010】
いくつかのオフィスビル又は企業ロケーションは、ビル又はキャンパス全体にわたって配置された多くのMFDを有し得る。ユーザが建物又はキャンパスを動き回るとき、ユーザは、異なるMFDを使用し得る。しかしながら、各MFDは、異なるデフォルト設定を有し得、及び/又は同じ設定を有する異なるMFDは、異なるレベルの画像品質を有する画像を生成し得る。これは、いらいらするユーザ体験につながる可能性がある。
【0011】
今日、オペレータは、MFDを最適に動作させる方法について常に訓練を受けるとは限らない。また、訓練されたオペレータを維持することは、多くの雇用主にとって困難であり、費用がかかる。保守が容易なシステムを提供することは、MFDの製造元だけでなく、すべての顧客に利益をもたらす。
【0012】
画像/印刷品質は、非常に主観的であり得る。ある顧客の「赤」は、完全であるかもしれないが、別の顧客の「赤」は、薄すぎる。したがって、訓練された支援者であっても、顧客/オペレータからの直接的な助けなしに機器をそのピーク性能に維持することは困難である。
【0013】
本開示は、コミュニティ内のMFDが、特定の印刷ジョブの設定又はパラメータを共有することによってデバイス画像品質を最適化することを可能にすることができるMFDコミュニティを活用する。例えば、MFD上の印刷の画像品質が所望の品質レベルを下回る場合、MFDは、最適設定を得るために、MFDコミュニティ内の他のMFDと通信し得る。MFDは、最適な設定を実装し、印刷を所望の品質レベルに再生し得る。
【0014】
結果として、MFDは、MFDコミュニティを活用することによって画像品質を自動的に最適化し得る。設定の変更方法に不慣れなユーザは、依然として、MFDによって生成された印刷ジョブについて、所望の画像品質を得ることができる。これは、MFD上でのより満足のいくユーザ体験をもたらし得る。
【0015】
図1は、本開示の例示的なネットワーク100を例解する。ネットワーク100は、多機能デバイス(MFD)102
1~102
n(以下、個々にMFD102とも、集合的にMFD102とも称される)のコミュニティ104を含み得る。
【0016】
ネットワーク100はまた、インターネットプロトコル(internet protocol、IP)ネットワーク106を含み得る。IPネットワーク106は、アプリケーションサーバ(application server、AS)108及びデータベース(database、DB)110を含み得る。IPネットワーク106は、MFD102の製造元又はサービスプロバイダによって管理及び運用され得る。例えば、AS108は、企業又は会社の印刷ジョブ及びMFD102の全体的な動作を管理する装置又は印刷サーバであり得る。
【0017】
一実施形態では、DB110は、MFD102に関する様々な情報を格納し得る。DB110はまた、画像品質スコア又は評価に基づいてMFD102をランク付けするMFD102のランク付けされたリストを格納し得る。ランク付けされたリストは、以下で更に詳細に考察される。AS108及びDB110は、別個の構成要素として
図1に例解されているが、AS108及びDB110は、単一の装置の一部であり得る(例えば、DB110は、AS108内のメモリとして配備され得る)ことに留意されたい。
【0018】
一実施形態において、コミュニティ104は、MFD102を含み得る。企業のロケーション又は建物内には、MFD102のいくつかのコミュニティ104が存在し得る。コミュニティ104は、等しい数のMFD102を有し得るか、又は異なる数のMFD102を有し得る。
【0019】
一実施形態では、MFD102のコミュニティ104は、共通ネットワーク内にあるMFD102のグループとして定義され得る。例えば、共通ネットワークは、企業の様々な異なる地理的ロケーション又はキャンパス、企業ロケーション内のWiFiネットワーク、WiFiネットワーク内の特定のサブネットなどを接続するネットワークであり得る。
【0020】
一実施形態では、MFD102のコミュニティ104は、ユーザ定義境界内にあり、かつローカル通信インターフェースを介して互いの範囲内にあるMFD102のグループとして定義され得る。例えば、コミュニティ104は、互いの近距離無線通信(near field communication、NFC)無線受信又は互いのBluetooth無線受信内にあるMFD102を含み得る。
【0021】
一実施形態では、MFD102のコミュニティ104は、互いに直接接続されたMFDによって定義され得る。例えば、MFD1021~102nは、有線Ethernet接続を介して互いに直接接続され得る。
【0022】
一実施形態では、各MFD102は、画像品質スコアを評価され得る。画像品質スコアは、各印刷ジョブの後にユーザによって評価され得る。例えば、各印刷ジョブの後、MFD102は、ユーザに画像品質スコアを提供するように要求し得る。
【0023】
別の実施形態では、画像品質スコアは、テスト画像に基づいて技術者によって評価され得る。例えば、画像品質スコアは、MFD102が配備される前に各MFD102によって印刷されたテスト画像のレビューに基づき得る。画像品質スコアは、全体的な画像品質の数値(例えば、1~5若しくは1~10の間の値、又は任意の他の所望の数値範囲)であり得る。画像品質スコアは、ユーザの好みを考慮するためにオペレータが割り当てたスコアリングであり得る。
【0024】
一実施形態において、画像品質スコアは、各調整可能な設定ごとのスコアの平均に基づき得る。例えば、各MFD102は、プリントアウト又は印刷ジョブの画像品質を改善するために調整することができる様々な設定を有し得る。調整可能な設定の例としては、色値(例えば、色のL*ab値を示すカラーマップ、CYMKシステムの各カラープリントヘッドが各色についてどれだけ分配されたかに関するデータなど)、シャープネス値、コントラスト値、解像度値、輝度値、ズーム値、用紙タイプなどが挙げられ得る。
【0025】
MFD102によって印刷された画像は、調整可能な設定ごとに評価されたスコアを有し得る。スコアの平均を使用して、各MFD102の全体的な画像品質スコアを計算し得る。
【0026】
一実施形態において、画像品質スコアは、異なるタイプの印刷ジョブについて計算され得る。例えば、画像品質スコアは、白黒画像、カラー画像、写真、テキスト文書などについて評価され得る。したがって、各MFD102は、MFD102によって実行することができる異なるタイプの印刷ジョブについて異なる画像品質スコアを有し得る。
【0027】
次いで、MFD102は、評価された画像品質スコアに基づいて、ランク付けされ得る。ランク付けされたリストは、各MFD102にローカルに格納され得るか、又はAS若しくは印刷サーバ108のDB110に格納され得る。ランク付けされたリストは、特定のMFD102上の画像品質が所望の画像品質レベルを下回った場合、又は特定のMFD102が印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出した場合に、印刷ジョブの最適設定を取得するために、MFD102によって使用され得る。
【0028】
一実施形態では、ランク付けされたリストはまた、MFD102が位置する環境情報を含み得る。例えば、環境パラメータもまた、画像品質に影響を及ぼし得る。例えば、温度及び湿度レベルが、画像品質に影響を及ぼし得る。したがって、最適設定を探すとき、MFD102は、類似の環境パラメータを有するランク付けされたリスト上のMFD102を検索し得る。
【0029】
一実施形態では、ランク付けされたリストは、動的に又は周期的に更新され得る。例えば、MFD102が配備された後、画像品質スコアを更新することができる。一実施形態では、MFD102は、各印刷ジョブが実行された後に画像品質スコアを入力するようにユーザを促し得る。画像品質スコアは、上で説明されるように、数値スコア(例えば、1~5、1~10など)又は各調整可能な設定ごとの数値スコアであり得る。一実施形態では、MFD102は、所定数の印刷ジョブが実行された後にユーザを促し得る。例えば、ユーザは、25印刷ジョブごとに促され得る。
【0030】
追加の画像品質スコアは、ランク付けされたリスト上の既存のスコアに平均化され得る。MFD102のランキングは、更新された画像品質スコアに基づいて更新され得る。
【0031】
一実施形態では、最高画像品質スコアを有するMFD102が、「最適設定」MFDであると判定され得る。言い換えれば、他のMFD102が印刷ジョブについて望ましくない画像品質を検出した場合、他のMFD102は、最適設定MFDに最適設定を要求し得る。最適設定は、要求元MFD102に送信され得、次いで、要求元MFD102は、印刷ジョブの設定を最適設定に自動的に構成し、印刷ジョブを再実行し得る。
【0032】
一実施形態では、異なるタイプの印刷ジョブについて、「最適設定」MFDが識別され得る。例えば、いくつかのMFD102は、カラー印刷ジョブについてより良好な画像品質を有し得、いくつかのMFD102は、テキストについてより良好な画像品質を有し得、いくつかのMFD102は、写真についてより良好な画像品質を有し得るなどである。一実施形態では、「最適設定」MFDは、画像品質スコアに加えて追加のパラメータに基づき得る。例えば、ランク付けされたリストは、MFD102の各々のモデル番号及び/又は環境パラメータを有し得る。したがって、特定のMFD102は、類似の環境において同じモデル番号を有する、最高スコアを有する「最適設定」MFDを検索し得る。したがって、「最適設定」MFDは、ジョブタイプ、モデル番号、及び/又は環境パラメータに基づいてランク付けされたリストから選択され得る。
【0033】
したがって、MFD102のコミュニティ104は、画像品質スコアに基づいてMFD102のランク付けされたリストを使用してデバイス画像品質を最適化するために、各MFD102によって活用され得る。結果として、ユーザは、印刷ジョブの画像品質に不満がある場合に、画像品質を最適化するために様々な設定をどのように調整するかを知る必要がない。むしろ、(以下で更に詳細に考察されるように)望ましくない画像品質が検出されるときに、MFD102は、最適設定MFD102から最適設定を自動的に見つけ得る。最適設定は、印刷ジョブのための設定として自動的に構成することができ、印刷ジョブは、画像品質を最適化し、MFD102を用いたより良好なユーザ体験を提供するために再実行することができる。
【0034】
ネットワーク100は、説明を容易にするために簡略化されており、図示されていない他のデバイス及び構成要素を含み得ることに留意されたい。例えば、ネットワーク100は、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、ファイアウォール、アクセスポイント、アクセスネットワークなどを含み得る。
【0035】
図2は、
図1に例解される例示的なMFD102のブロック図を例解する。一実施形態では、MFD102は、プロセッサ202と、メモリ204と、通信インターフェース212と、1つ以上のセンサ214と、を含み得る。プロセッサ202は、メモリ204及び通信インターフェース212に通信可能に結合され得る。プロセッサ202は、通信インターフェース212の動作を制御し得、通信インターフェース212を介して情報(例えば、最適設定など)を受信及び/又は送信し得る。
【0036】
一実施形態では、通信インターフェース212は、IPネットワーク106を介してコミュニティ104内の他のMFD102及び/又はAS108の間に通信経路を確立し得る。例えば、通信インターフェース212は、無線又は有線の通信インターフェースであり得る。例えば、通信インターフェース212は、WiFi無線、Ethernet接続、RJ-111接続を使用するIP接続を介したファックス、セルラ無線などであり得る。
【0037】
一実施形態では、通信インターフェース212は、MFD102がコミュニティ104内の他のMFD102と通信することを可能にするローカル通信インターフェースも含み得る。例えば、MFD1022は、NFC、Bluetooth無線、又はMFD1021及び102nへの直接有線Ethernet接続などのローカル通信インターフェースを介して、MFD1021及び102nと通信し得る。
【0038】
一実施形態では、メモリ204は、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。例えば、メモリ204は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリなどであり得る。メモリ204は、本明細書で説明される機能を実行するためにプロセッサ202によって実行される命令206を記憶し得る。例えば、命令は、プロセッサ202に、以下で更に詳細に考察される
図4で説明される動作又は
図6に例解される方法600を実行させ得る。
【0039】
一実施形態では、メモリ204はまた、設定208及びMFDのランク付けされたリスト210を格納し得る。一実施形態において、設定208は、印刷ジョブの画像品質を調整するためにユーザによって調整することができるパラメータであり得る。例えば、ユーザ調整可能な設定は、色値、シャープネス値、コントラスト値、解像度値、輝度値、ズーム値、用紙タイプ、又は任意の他の調整可能なパラメータを含み得る。
【0040】
一実施形態では、色値は、色のL*ab値を示すカラーマップ、CYMKシステムの各カラープリントヘッドが各色についてどれだけ分配されたかに関するデータなどを含み得る。例えば、2つの異なるMFD102によって印刷された同じ色値が、わずかに異なって見え得る。MFD102は、それぞれのカラープリントヘッドによって分配される各色の色値又は量を調整して、所望の色を生成し得る。一実施形態では、色調整のテーブルは、特定の色値について印刷画像上に各色の所望の見場を生成するために、各MFD102に対してメモリ204に格納され得る。
【0041】
一実施形態では、用紙タイプもまた、印刷ジョブの画像品質に影響を及ぼし得る。例えば、印刷された画像は、紙の異なる輝度レベルで異なるように見え得る。印刷された画像は、紙が光沢仕上げを有するかマット仕上げを有するかによって異なるように見え得る。紙の重量もまた、印刷ジョブの知覚される画像品質に影響を及ぼし得る。
【0042】
解像度値は、印刷ジョブにおいて画像品質がどの程度シャープに又はぼやけて見えるかに影響を及ぼし得る。例えば、より低い解像度値は、より速く印刷され得るが、より高い解像度値よりもぼやけて見える。ズーム値はまた、画像がどれだけぼやけて見えるかに影響を及ぼし得る。例えば、印刷ジョブで画像を拡大するために画像にズームインすることは、印刷されたときに、画像をよりピクセル化又はぼやけさせ得る。シャープネス値、コントラスト値、及び輝度値はまた、印刷画像の画像品質スコアに影響を及ぼし得る。
【0043】
一実施形態では、MFDのランク付けされたリスト210は、画像品質スコアに基づいて順序付けされたMFD102のリストを含み得る。画像品質スコアは、上で考察されるように計算され得る。MFDのランク付けされたリスト210内のMFD102の順序は、上で考察されるように、画像品質スコアが更新されるにつれて周期的に変化し得る。MFDのランク付けされたリスト210は、モデル番号、異なるジョブタイプについての異なる画像品質スコア、環境パラメータなど、各MFD102に対する追加情報を含み得る。
【0044】
一実施形態では、MFD102は、1つ以上のセンサ214も含み得る。センサ214は、環境に関連付けられた値を測定することができる環境センサであり得る。例えば、センサ214は、温度計、湿度センサなどであり得る。
【0045】
MFD102は、
図2では説明を容易にするために簡略化されており、図示されていない他の構成要素を含み得ることに留意されたい。例えば、MFD102はまた、用紙トレイ、光学スキャナ、(例えば、流体又はトナーを印刷するための)1つ以上のプリントヘッド、デジタルフロントエンド、1つ以上の仕上げモジュールなどを含み得る。
【0046】
一実施形態では、MFD102はまた、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を含み得る。
図5は、MFD102のディスプレイ502によって示される例示的なGUI504を例解する。例えば、GUI504は、印刷ジョブが実行された後に提示され得る。GUI504は、印刷ジョブの画像品質をスコア付けするようにユーザに求め得る。スコアリングスケール506が、提示され得る。ユーザは、タッチスクリーンインターフェース又はポインティングデバイスを使用して値を選択して、画像品質スコアを提供し得る。
【0047】
GUI504は、スコアリングスケール506の一例を提供することに留意されたい。スコアリングスケール506は、任意の範囲の値であり得るか、又は単にグラフィカルアイコンの範囲として配備され得る(例えば、しかめ顔から幸せそうな顔へ)。
図5は、全体的なスコアが入力される例を例解しているが、GUI504は、上で考察されるように、画像品質のより詳細なスコアリングを提供するために、調整可能な設定ごとにスコアリングスケール506を提示し得る。
【0048】
図3に戻って、
図3は、
図1に例解される例示的なAS108のブロック図を例解する。上述したように、AS108は、MFD102によって実行される印刷ジョブを管理する印刷サーバであり得る。
【0049】
一実施形態では、AS108は、プロセッサ302、メモリ304、及び通信インターフェース306を含み得る。プロセッサ302は、メモリ304及び通信インターフェース306に通信可能に結合され得る。プロセッサ302は、通信インターフェース306の動作を制御し得、通信インターフェース312を介して情報(例えば、最適設定、MFD102からの画像品質スコアなど)を受信及び/又は送信し得る。
【0050】
一実施形態では、メモリ304は、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。例えば、メモリ304は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリなどであり得る。メモリ304は、本明細書で説明される機能を実行するためにプロセッサ302によって実行される命令308を記憶し得る。例えば、命令は、プロセッサ302に、MFD102の印刷ジョブの画像品質を最適化する動作を実行させ得る。
【0051】
例えば、命令は、プロセッサに、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDに最適設定を求める要求を要求元MFDから受信することと、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを識別することと、最適設定MFDに最適設定を要求することと、最適設定を要求元MFDに送信することと、を行わせ得る。
【0052】
一実施形態では、メモリ304はまた、MFDのランク付けされたリスト310を格納し得る。MFDのランク付けされたリスト210に関して上で説明されるように、MFDのランク付けされたリスト310は、画像品質スコアに基づいて順序付けされたMFD102のリストを含み得る。画像品質スコアは、上で考察されるように計算され得る。MFDのランク付けされたリスト310内のMFD102の順序は、上で考察されるように、画像品質スコアが更新されるにつれて周期的に変化し得る。MFDのランク付けされたリスト310は、モデル番号、異なるジョブタイプについての異なる画像品質スコア、環境パラメータなど、各MFD102に対する追加情報を含み得る。
【0053】
図4は、本開示の最適設定MFDから最適設定を取得するMFDの一例を例解する。
図4は、3つのMFD102
1、102
2、及び102
3のコミュニティ104を含む例を例解する。
図4に例解される例では3つのMFDのみが使用されているが、任意の数のMFD102が、コミュニティ104内に配備され得ることに留意されたい。例えば、コミュニティ104内にある企業にわたって分散された数十又は数百のMFD102が存在し得る。
【0054】
図4に例解される例に戻って参照すると、MFD102
1は、第1の環境(環境1)内のロケーション402にあり得、MFD102
2は、第1の環境(環境2)内のロケーション404にあり得、MFD102
3は、第1の環境(環境3)内のロケーション406にあり得る。ロケーション402、404、及び406は、企業のネットワークによって接続された異なる地理的ロケーションであり得るか、キャンパス若しくは共通ロケーション内の異なる建物にあり得るか、又は企業の単一建物内の異なる部屋にあり得る。
【0055】
一例では、ユーザは、印刷ジョブを実行するためにMFD1021を選択し得る。ユーザは、印刷ジョブを実行し得、MFD1021は、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出し得る。一実施形態では、望ましくない画像品質レベルは、ユーザ画像品質スコアに基づいて検出され得る。例えば、GUI504を使用して、ユーザは、印刷ジョブの画像品質を1~5のスケールでスコア付けするように求められ得る。画像品質スコア閾値は、4であり得る。例えば、4以上のスコアは、許容可能であり得、3以下のスコアは、望ましくない画像品質レベルに関連付けられ得る。ユーザは、MFD1021に望ましくない画像品質レベルを検出させるスコア3を提供し得る。
【0056】
別の実施形態では、MFD1021は、望ましくない画像品質レベルを検出するために機械学習を使用し得る。例えば、MFD1021は、3以下の画像品質スコアを有する印刷ジョブが、所定数の調整及び印刷ジョブの再実行に関連付けられていることを学習し得る。言い換えれば、ユーザは、所望の画像品質を得ようとして設定を変更し、印刷ジョブを再印刷している。例えば、ユーザが印刷ジョブの画像品質に満足しない場合、ユーザは、少なくとも1つの設定を調整し、印刷ジョブを少なくとも3回再実行し得る。したがって、MFD1021が、印刷ジョブが再実行されるたびに少なくとも1つの設定が変更された状態で印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブに同じファイルを選択すること)が3回実行されたことを検出した場合、MFD1021は、望ましくない画像品質を検出し得る。
【0057】
望ましくない画像品質を検出したことに応答して、MFD1021は、MFDのランク付けされたリスト210をチェックして、ランク付けされたリスト210内の最高ランク付けのMFDを判定し得る。最高ランク付けのMFDは、最適設定MFDとして識別され得る。一例では、最高ランク付けのMFDは、MFD1023であり得る。MFD1021は、印刷ジョブの最適設定をMFD1023に求める要求410を送信し得る。
【0058】
MFD1023は、要求410に応答して、最適設定412をMFD1021に送信し得る。MFD1021は、最適設定412を受信し、最適設定に関連付けられた値を用いて設定208を自動的に構成し得る。
【0059】
一実施形態では、MFD1021は、望ましくない画像品質レベルが検出されたこと、及びMFD1021が印刷ジョブの最適設定を取得していることを、GUI504を介してユーザに通知し得る。設定208が最適設定412で更新された後、MFD1021は、印刷ジョブを再実行するようにユーザを促し得る。
【0060】
一実施形態では、ユーザは、最適設定412で印刷ジョブを実行した後に画像品質を再スコア付けするように促され得る。ユーザスコアが依然として画像品質スコア閾値未満である場合、MFD1021は、整備を必要とし得る(例えば、トナーが少ない、インクカートリッジが少ない、用紙経路内に汚れがあり欠陥を引き起こす可能性がある、など)。MFD1021は、画像品質スコアが依然として画像品質スコア閾値未満であることに応答して、MFD1021が整備を必要とし得るという通知を生成し、ディスプレイ502を介して表示し得る。
【0061】
別の実施形態では、ランク付けされたリスト210からの最適設定MFDの選択は、より複雑であり得る。例えば、MFD1022は、最高の総合画像品質スコアを有し得る。しかしながら、MFD1022は、MFD1021とは異なる能力を有し得るか、又は異なるモデル番号であり得る。例えば、MFD1022は、4つの異なる色のインクカートリッジを使用するMFD1021のモデルではなく、3つの異なる色のインクカートリッジを使用するカラープリンタのモデルであり得る。更に、環境2は、環境1よりも高温かつ高湿度であり得る。
【0062】
MFD1023は、MFD1022よりも低い全体的な画像品質スコアを有し得る。しかしながら、MFD1023は、MFD1021と同じモデル番号であり得る。例えば、MFD1023は、MFD1021と同様の4つの異なる色のインクカートリッジを使用し得る。更に、MFD1023の環境3は、環境1と同様の温度及び湿度レベルを有し得る。したがって、MFD1021は、MFD1023がMFD1022よりも低い画像品質スコアを有する場合であっても、MFD1023を最適設定MFDとして選択し、MFD1023に最適設定を要求し得る。
【0063】
別の実施形態では、最適設定MFDは、印刷ジョブのタイプに基づいて選択され得る。例えば、MFD1022は、写真印刷ジョブについて最高画像品質スコアを有し得、MFD1023は、白黒テキスト文書について最高画像品質スコアを有し得る。MFD1021は、白黒テキスト文書を含む印刷ジョブを実行している可能性がある。したがって、MFD1021は、MFD1023を最適設定MFDとして選択し得る。
【0064】
一実施形態では、最適設定MFDを選択するときに、すべてのパラメータが考慮され得る。例えば、MFD1021は、同じモデル番号及び環境パラメータを有する、印刷ジョブタイプについて最高画像品質スコアを有するMFDに基づいて最適設定MFDを選択し得る。
【0065】
図4の例は、互いに直接通信するMFD102
1~102
3を例解しているが、一実施形態では、AS108又は印刷サーバ108が、MFD102
1~102
3間の仲介として使用され得る。例えば、MFD102
1は、望ましくない画像品質レベルが検出されたときに、要求をAS108に送信し得る。次いで、AS108は、ランク付けされたリスト310から最適設定MFDを選択し得る。AS108は、要求410を最適設定MFDに送信し、最適設定412を最適設定MFDから受信し得る。次いで、AS108は、最適設定412をMFD102
1に送信し得る。
【0066】
図6は、本開示のMFDのコミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化するための例示的な方法600のフローチャートを例解する。一実施形態では、方法600は、上で説明されるMFD102のうちのいずれかによって、又は
図7に例解され、以下で考察される装置700などの装置によって実行され得る。
【0067】
一実施形態では、方法600は、ブロック602で開始する。ブロック604において、方法600は、印刷ジョブの望ましくない画像品質レベルを検出する。例えば、望ましくない画像品質レベルは、閾値未満である画像品質スコアに基づいて検出することができる。例えば、画像品質スコア閾値は、10ポイントスケールに基づいて7以下であり得る。例えば、ユーザは、印刷ジョブの画像品質を6のスコアでスコア付けし得る。これにより、望ましくない画像品質レベルを検出することができる。
【0068】
別の例では、望ましくない画像品質レベルは、閾値よりも大きい設定への変更を伴う印刷ジョブの実行回数に基づいて検出することができる。例えば、閾値は、2であり得る。ユーザが、印刷ジョブの実行ごとに少なくとも1つの異なる設定を変更しながら、同じ印刷ジョブ(例えば、印刷ジョブに同じファイルが選択される)を2回以上再実行する場合、望ましくない画像品質レベルが検出され得る。
【0069】
ブロック606において、方法600は、MFDのコミュニティ内の最適設定MFDを判定する。例えば、MFDのランク付けされたリストを使用して、最高画像品質スコアを有するMFDを最適設定MFDとして選択し得る。
【0070】
一実施形態では、最高画像品質スコア以外の他の要因が考慮され得る。例えば、要因は、特定のジョブタイプ、MFDのモデル番号、及び環境パラメータを含み得る。したがって、一実施形態では、特定の印刷ジョブタイプについて最高の画像品質スコアを有し、少なくとも1つの追加のマッチング要因を有するMFDが、最適設定MFDとして選択され得る。一実施形態では、特定の印刷ジョブタイプ、一致するモデル番号などについて最高画像品質スコアを有するMFD、又は環境パラメータの値の許容範囲内のMFDが、最適設定MFDとして選択され得る。
【0071】
ブロック608において、方法600は、最適設定MFDに最適設定を要求する。例えば、望ましくない画像品質レベルを検出したMFDは、識別された最適設定MFDに最適設定の要求を送信し得る。要求は、印刷ジョブの画像品質に影響を及ぼし得る1つ以上のユーザ調整可能な設定のうちの最適設定を求めるものであり得る。上述したように、ユーザ調整可能な設定は、色値、シャープネス値、コントラスト値、解像度値、輝度値、ズーム値、用紙タイプ、又は任意の他の調整可能なパラメータを含み得る。
【0072】
ブロック610において、方法600は、最適設定MFDから最適設定を受信する。最適設定は、調整され得る少なくとも1つの設定の値を含み得る。一実施形態では、最適設定は、特定のジョブタイプについての各ユーザ調整可能な設定ごとの値を含み得る。
【0073】
ブロック612において、方法600は、最適設定に従ってMFD上の設定を構成する。例えば、MFDは、関連付けられた最適設定の値を使用して、MFD上でローカルに各設定の値を自動的に変更し得る。例えば、MFD上でローカルに、輝度値を40%に設定し、コントラスト値を70%に設定し得る。しかしながら、印刷ジョブの最適設定は、輝度値が50%に設定され、コントラスト値が60%に設定され得る。したがって、MFDは、最適設定に従って、ローカル輝度値を50%に、ローカルコントラスト値を60%に自動的に変更し得る。
【0074】
ブロック614において、方法600は、最適設定で印刷ジョブを実行する。一実施形態において、ユーザは、印刷ジョブが最適設定で再実行された後に、画像品質スコアを提供するように促され得る。画像品質スコアが依然として画像品質スコア閾値未満である場合、MFDが整備を必要としていると判定され得る。MFDは、画像品質スコアが低いことに応答して、MFDが整備を必要とするという通知を生成して表示し得る。例えば、トナーが少ない場合、インクカートリッジがインクを使い果たしている場合、用紙経路に汚れがある場合など、画像品質の問題を引き起こす可能性がある。ブロック616において、方法600は、終了する。
【0075】
図7は、本明細書で説明された機能の実施専用であるコンピュータのハイレベルブロック図を描写する。
図7に示すように、コンピュータ700は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素702(例えば、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、又はマルチコアプロセッサ)、メモリ704、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)、MFDのコミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化するためのモジュール705、様々な入出力デバイス706(例えば、これらに限られないが、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ、又はコンパクトディスクドライブ、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成器、出力ポート、入力ポート、及びユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなど)を含む記憶デバイス)を含む。プロセッサ要素は1つしか示されていないが、コンピュータには複数のプロセッサ要素が採用され得ることに留意されたい。
【0076】
本開示が、例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(programmable logic array、PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察された方法に付属し、上で開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を実施するようにハードウェアプロセッサを構成するのに使用され得るコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェアにおいてかつ/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装され得ることに留意されたい。一実施形態では、コミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化するための、本モジュール又はプロセス705のための命令及びデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)がメモリ704にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素702によって実行されて、上で考察されるようなステップ、機能、又は動作を実装することができる。また、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を実施する場合、これは、ハードウェアプロセッサが直接動作を実施する、かつ/又は別のハードウェアデバイス若しくは構成要素(例えば、コプロセッサなど)を、動作を実施するように促進する、指示する、又はそれと協働することを含み得る。
【0077】
上記の方法に関係するコンピュータ可読命令又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識され得る。このように、本開示の、コミュニティ内の別のMFDを介してデバイス画像品質を最適化するための本モジュール(関連するデータ構造を含む)は、有形の若しくは物理的(広義には非一時的な)コンピュータ可読記憶デバイス又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気ドライブ若しくは光学ドライブ、デバイス、又はディスケットなどに記憶され得る。より具体的には、コンピュータ可読記憶デバイスは、プロセッサ、又はコンピュータ若しくはアプリケーションサーバなどのコンピューティングデバイスによってアクセスされるデータ及び/又は命令などの情報を格納する能力を提供する任意の物理的デバイスを備え得る。
【0078】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされ得、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
【外国語明細書】