(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071355
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】光伝送システムでの異常の位置特定
(51)【国際特許分類】
H04B 10/07 20130101AFI20240517BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H04B10/07
H04J14/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189423
(22)【出願日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】17/986815
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】キム・インウン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシリーヴァ・オルガ アイ
(72)【発明者】
【氏名】パラチャーラ・パパラオ
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA43
5K102AD01
5K102LA06
5K102LA15
5K102LA24
5K102LA31
5K102LA51
5K102PH31
5K102PH34
5K102RB15
5K102RB16
5K102RD05
5K102RD15
5K102RD26
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】光伝送システムでの異常の位置特定のための方法等を提供する。
【解決手段】一例で、方法は、第1光信号及び第2光信号が受信デバイスによって取得されることを含んでよい。第1光信号は第1波長を含んでよく、第2光信号は第2波長を含んでよい。方法はまた、伝送媒体に動的な異常が存在する可能性があるという決定を取得することを含んでもよい。伝送媒体に動的な異常が存在するという決定に応答して、第1光信号と第2光信号との間の関係が、時間遅延を取得するよう決定されてよい。方法は、時間遅延、第1波長、及び第2波長を用いて、伝送媒体の異常位置を決定することを含んでもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信デバイスによって、伝送媒体内を伝わる第1光信号及び第2光信号を取得することであり、前記第1光信号は第1波長を有し、前記第2光信号は第2波長を有する、ことと、
前記伝送媒体に異常があるという決定を取得することと、
前記伝送媒体に異常があるという前記決定に応答して、時間遅延を取得するよう前記第1光信号と前記第2光信号との間の関係を決定することと、
前記時間遅延、前記第1波長、及び前記第2波長を用いて、前記伝送媒体の異常位置を決定することと
を有する方法。
【請求項2】
前記受信デバイスでの前記第1光信号の第1受信パワーを取得することと、
前記受信デバイスでの前記第2光信号の第2受信パワーを取得することと、
前記第1受信パワーを前記第1光信号の第1期待パワーと比較し、前記第2受信パワーを前記第2光信号の第2期待パワーと比較することによって、前記伝送媒体での前記異常の存在を決定することと
を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記伝送媒体は、散乱係数を有し、
前記異常位置は、前記散乱係数を用いて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異常は、前記伝送媒体のマイクロベンドを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1波長は、第1波長範囲に含まれ、
前記第2波長は、前記第1波長範囲と重なり合わない第2波長範囲に含まれる、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1光信号は、符号化されたデータを含み、
前記第2光信号は、成形された自然放射増幅光(ASE)ノイズを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1光信号及び前記第2光信号は、前記伝送媒体でのシングル伝送に多重化される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1波長と前記第2波長との間の差を決定することを更に有し、
前記異常位置は、更に、前記差に基づいて決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記異常位置を決定することに応答して、前記異常位置をユーザデバイスに自動的に伝えることを更に有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1光信号と前記第2光信号との間の前記関係は、前記第1光信号と前記第2光信号との間の相互相関を実行することによって決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記相互相関は、前記第2光信号が時間的にシフトされるにつれて前記第2光信号に関連した第2被監視パワーを乗じられた前記第1光信号に関連した第1被監視パワーの積分を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
命令を記憶するよう構成される1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体へ通信可能に結合される1つ以上のプロセッサとを有するシステムであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令の実行に応答して、当該システムに、
受信デバイスによって、伝送媒体内を伝わる第1光信号及び第2光信号を取得することであり、前記第1光信号は第1波長を有し、前記第2光信号は第2波長を有する、ことと、
前記伝送媒体に異常があるという決定を取得することと、
前記伝送媒体に異常があるという前記決定に応答して、時間遅延を取得するよう前記第1光信号と前記第2光信号との間の関係を決定することと、
前記時間遅延、前記第1波長、及び前記第2波長を用いて、前記伝送媒体の異常位置を決定することと
を有する動作を実行させるよう構成される、
システム。
【請求項13】
前記動作は、
前記受信デバイスでの前記第1光信号の第1受信パワーを取得することと、
前記受信デバイスでの前記第2光信号の第2受信パワーを取得することと、
前記第1受信パワーを前記第1光信号の第1期待パワーと比較し、前記第2受信パワーを前記第2光信号の第2期待パワーと比較することによって、前記伝送媒体での前記異常の存在を決定することと
を更に有する、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記伝送媒体は、散乱係数を有し、
前記異常位置は、前記散乱係数を用いて決定される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記異常は、前記伝送媒体のマイクロベンドを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1波長は、第1波長範囲に含まれ、
前記第2波長は、前記第1波長範囲と重なり合わない第2波長範囲に含まれる、
請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1光信号は、符号化されたデータを含み、
前記第2光信号は、成形されたASEノイズを含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1光信号及び前記第2光信号は、前記伝送媒体でのシングル伝送に多重化される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は、前記第1波長と前記第2波長との間の差を決定することを更に有し、
前記異常位置は、更に、前記差に基づいて決定される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1光信号と前記第2光信号との間の前記関係は、前記第1光信号と前記第2光信号との間の相互相関を実行することによって決定される、
請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示で議論される実施形態は、光伝送システムでの異常の位置特定に関係がある。
【背景技術】
【0002】
少なくとも2つの遠隔ポイント間でデータを伝送することは、様々な伝送媒体を通じて達成することができ、伝送媒体には、光ネットワークが含まれ得る。光ネットワークでは、データは、光ファイバ及び/又は他の光学媒体などの伝送媒体を通じて、光信号の形で運ばれる。いくつかの状況では、光信号は、様々な外部刺激(例えば、光ネットワークの外部の刺激及び/又は光ネットワークと無関係な刺激)により、劣化又は他の損失を被る場合がある。一部の外部刺激は、伝送媒体の損傷及び/又は欠陥に関連している可能性がある。
【0003】
本開示で請求される対象は、上述された任意の欠点を解消する実施形態又は上述された環境でしか動作しない実施形態に限られない。むしろ、この背景は、本開示で記載されるいくつかの実施形態が実施される可能性がある一つの例示的な技術分野を説明するためにのみ与えられている。
【発明の概要】
【0004】
実施形態の側面に従って、方法は、第1光信号及び第2光信号が受信デバイスによって取得されることを含んでよい。第1光信号は第1波長を含んでよく、第2光信号は第2波長を含んでよい。方法はまた、伝送媒体に動的な異常が存在する可能性があるという決定を取得することを含んでもよい。伝送媒体に動的な異常が存在するという決定に応答して、第1光信号と第2光信号との間の関係が、時間遅延を取得するよう決定されてよい。方法は、時間遅延、第1波長、及び第2波長を用いて、伝送媒体の異常位置を決定することを含んでもよい。
【0005】
実施形態の目的及び利点は、特許請求の範囲で特に指し示されている要素、特徴、及び組み合わせによって少なくとも実現及び達成されるであろう。
【0006】
上記の概要及び下記の詳細な説明はいずれも、請求される発明の例示であって、その限定ではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
例示的な実施形態は、添付の図面を通して、追加の特定性及び詳細を用いて記載及び説明されるであろう。
【0008】
【
図1】光伝送システムでの動的な異常の位置を見つけるよう構成される例示的な環境のブロック図である。
【
図2】光伝送システムでの動的な異常の位置を見つけるよう構成される例示的な環境の他のブロック図である。
【
図3】光伝送システムでの動的な異常の位置を見つけるよう構成される例示的な環境の他のブロック図である。
【
図4】光伝送システムでの動的な異常の位置特定の例示的な方法のフローチャートである。
【
図5】光伝送システムでの動的な異常の位置特定に使用され得る例示的なコンピューティングシステムを表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
光ネットワークは、光ファイバなどの伝送媒体によって運ぶことができる光信号によりデータを伝えるよう構成され得る。いくつかの状況で、光ファイバの異常は、光ファイバ内の光信号の劣化を引き起こす場合があり、これにより、光ネットワークの伝送データは影響を及ぼされる可能性がある。例えば、光ファイバのマイクロベンドは、伝送データの一部が受信されないこと及び/又は受信データにエラーを含めることを引き起こす可能性がある光信号の劣化を引き起こす場合がある。ますます重大な異常になると、データ伝送時の光ネットワークの障害に至るまで、光ネットワーク内でますます大きい問題を引き起こす可能性がある。例えば、より大きいベンド(例えば、マイクロベンドと比較して)及び/又は光ファイバの切断は、光ネットワークでのデータの劣化、エラー、及び/又は送受信の失敗を引き起こす可能性がある。
【0010】
光ネットワークの光ファイバ内で異常(例えば、動的な異常)が検出される場合に、光ファイバ内の動的な異常の位置を決定することは、光ネットワークから動的な異常を除くことに寄与し得る。例えば、動的な異常の位置を決定すると、動的な異常に関連した問題を直すよう配置が行われ得る。例えば、光ファイバのマイクロベンドなどのような変形の位置を決定すると、技術者は、動的な異常が光ネットワークから除かれ得るように光ファイバに対して修理(例えば、ベンドの除去、損傷した光ファイバの代わりに新しい光ファイバをつなぎ合わせること、動的な異常の原因の除去、など)を行うことができる。代替的に、又は追加的に、光ファイバの将来のダメージは、光ファイバの位置について他の掘削者に警告を発することによって軽減され得る。本開示において、動的な異常には、時間とともに変化する可能性がある異常が含まれてもよい。例えば、埋設されたファイバケーブルの周囲の掘削活動は、時間とともに変化する微小な曲がり(例えば、動的な異常)を引き起こす可能性がある。対照的に、静的異常には、時間の経過とともに変化しない異常が含まれてもよい。例えば、1つ以上のファイバケーブルがデプロイされ、異常(例えば、ファイバケーブルのマイクロベンド)を含む場合に、異常はデプロイ後にファイバケーブル内に残る可能性があり、また、ファイバケーブル内で実質的に変化しないままである可能性がある。
【0011】
本開示の1つ以上の実施形態に従って、光ネットワークは、動的な異常の存在を決定するよう構成されてよい。動的な異常は、光ネットワークでの第1光信号及び第2光信号の受信パワーの変化を観測することによって、伝送媒体に存在すると決定されてよい。いくつかの状況で、第1光信号は、光ネットワークの伝送媒体を介した伝送のために、第2光信号と多重化されてもよい。光ネットワークは、光ネットワークの伝送媒体内の関連する異常位置を決定することができる1つ以上のコンポーネントを含んでもよい。異常位置は、伝送媒体の特性、第1光信号の受信と第2光信号の受信との間の時間遅延、及び/又は第1光信号の波長と第2光信号の波長との間の差を用いて、決定されてよい。
【0012】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【0013】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、光伝送システム102での動的な異常の位置を見つけるよう構成される環境100のブロック図である。光伝送システム102は、送信器105、受信器110、及び伝送媒体115を含んでよい。
【0014】
一般に、光伝送システム102は、本明細書で記載されるように伝送媒体115を介して、第1の場所にある第1システム又はデバイスから第2の場所にある少なくとも第2システム又はデバイスへデータを伝えるよう構成され得る。光伝送システム102は、伝送媒体115を通過する伝送に影響を及ぼす可能性がある少なくとも伝送媒体115での異常を検出するよう構成されてよい。いくつかの実施形態で、光伝送システム102は、本明細書で記載されるように、伝送媒体115内の動的な異常の位置を決定するよう構成されてよい。
【0015】
本開示で、動的な異常は、光伝送システム102の通常の特性の部分ではない光伝送システム102の性能に影響を及ぼす可能性がある伝送媒体115の物理的な変形(例えば、光ファイバのマイクロベンド)及び/又は任意の他のオブジェクト若しくはイベントを指し得る。いくつかの状況で、伝送媒体115での動的な異常の存在は、光伝送システム102の性能の低下及び/又は変動、及び/又はダウンタイム(例えば、サービスの損失)を引き起こす場合がある。本開示の1つ以上の側面に従って、伝送媒体115などの伝送媒体内の異常位置を決定することは、より直ちに修理すること、損傷した伝送媒体を交換すること、又は伝送媒体内の起こり得る不具合を防ぐこと(例えば、掘削などの、伝送媒体に損傷を与える可能性がある動作を行うオペレータに警告を与えることによる)に寄与し得る。例えば、伝送媒体内の異常位置を決定すると、動的な異常を取り除くため、異常位置で伝送媒体を修理するため、及び/又は動的な異常の原因を解消するために、技術者が異常位置に派遣され得る。いくつかの状況で、保守及び/又は修理のために異常の位置を提供することは、光伝送システムにおけるダウンタイムを減らすこと及び/又は光伝送システムの伝送媒体の性能を維持することができる。
【0016】
いくつかの実施形態で、送信器105は、データを1つ以上の光信号に符号化するよう構成されてよい。光信号は、送信器105によって、伝送媒体115を通じて受信器110へ伝送されてよい。いくつかの実施形態で、複数の光信号は、送信器105と受信器110との間の伝送媒体115を通る伝送に結合されてよい。例えば、複数の光信号は、
図2に関連して記載されるように、波長分割多重化(WDM)を用いて伝送媒体115内に結合されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態で、データは、複数の波長の光信号に符号化されてよく、第1データにより符号化された第1光信号は、第1波長を有してよく、第2データで符号化された第2光信号は、第2波長を有してよく、以降同様である。1つ以上の光信号は、伝送に結合され、送信器105によって送信されてよく、データに関連した複数の波長を含んでよい。例えば、伝送は、第1波長を有して符号化されたデータの第1部分を含む第1光信号、第2波長を有して符号化されたデータの大部分を含む第2光信号、などを含んでよい。複数の波長を含み得る伝送に関連した更なる詳細は、
図2に関連して本明細書では説明される。
【0018】
いくつかの実施形態で、第1光信号に関連した第1波長は、第2光信号に関連した第2波長とは異なってもよい。いくつかの実施形態で、第1波長及び第2波長は、電磁波スペクトルの類似範囲(例えば、電気・電子技術者協会(IEEE)によって指定された帯域又は範囲)に位置してもよい。例えば、第1波長は約1565nmであってよく、第2波長は約1620nmであってよく、第1波長及び第2波長は両方ともL帯(L-band)に位置してよい。
【0019】
代替的に、又は追加的に、第1波長及び第2波長は、互いに異なる帯域に位置してもよく、第1波長はL帯に位置してよく、第2波長はC帯(C-band)に位置してよい。例えば、第1波長は、約1620nm(例えば、L帯)であってよく、第2波長は、約1530nm(例えば、C帯)であってよい。前述の波長は単に例として与えられているものであり、伝送に含まれる1つ以上の光信号に関連した波長には、光通信のための波長の任意のバリエーションが含まれてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態で、受信器110は、1つ以上の光信号を含む伝送を受信及び/又は復号するよう構成されてよく、それにより、伝送に含まれて伝送媒体115を伝わるデータは、受信器110によって受信され得る。複数の光信号が伝送に一緒に多重化され得る場合に、受信器110は、伝送を逆多重化するよう構成されてもよく、それにより、個々の光信号及び/又は個々の光信号に関連したデータは、受信器110によって受信され得る。
【0021】
いくつかの実施形態で、伝送媒体115は光ファイバであってよい。光ファイバは、光伝送のためのガラス、フルオロハフニウム酸塩ガラス、フッ化アルミン酸ガラス、結晶性材料、及び/又は任意の他の適切な媒体などのような、光伝送に適した任意の媒体を含んでもよい。いくつかの実施形態で、伝送媒体115は、シングルモードの光を運ぶよう構成され得るシングルモードファイバ(SMF)を含んでもよい。代替的に、又は追加的に、伝送媒体115は、複数のモードの光を運ぶよう構成され得るマルチモードファイバを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態で伝送媒体115は、伝送媒体115の媒質に関連し得る散乱係数(dispersion factor)を含んでもよい。いくつかの実施形態で、散乱係数は、異なる波長を有する光信号の伝播速度の変動を引き起こす可能性がある。例えば、伝送媒体115の散乱係数は、第1波長を有する第1光信号を、第2波長を有する第2光信号よりも早く伝播させ得る。いくつかの実施形態で、伝送媒体115に関連した散乱係数は、本明細書で記載されるように、異常位置を決定する際に使用されてよい。
【0023】
いくつかの実施形態で、動的な異常が伝送媒体115に存在する可能性があるという決定が、取得されてよい。いくつかの実施形態で、受信器110、関連する受信器コンポーネント、及び/又は監視コンポーネント(
図1に図示せず。
図2の検出器212、例えば、光信号モニタを参照。)は、動的な異常が伝送媒体115に存在する可能性があるという決定を取得するよう構成されてよい。代替的に、又は追加的に、受信器110に関連したコンピューティングシステム又はデバイスは、動的な異常が伝送媒体115に存在する可能性があるという決定を取得するよう構成されてよい。
【0024】
これら又は他の実施形態で、動的な異常は、伝送に含まれる光信号に関連した1つ以上の受信パワー(received power)に部分的に基づいて、伝送媒体115に存在すると決定されてよい。いくつかの実施形態で、個々の光信号は、受信器110によって観測され得る受信パワー及び/又は受信器110によって測定され得る受信パワーを含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態で、伝送媒体115の動的な異常は、異常イベント120によって導入され得る。いくつかの実施形態で、異常イベント120には、伝送媒体115への妨害及び/又は妨害の周囲で伝送媒体115に影響を及ぼす可能性がある伝送媒体115に関連した周囲妨害が含まれ得る。例えば、異常イベント120には、伝送媒体に対する外力を引き起こす可能性あり、伝送媒体115でマイクロベンド及び/又は他の異常を生じさせる可能性がある、伝送媒体115に隣接した掘削が含まれ得る。
【0026】
いくつかの実施形態で、伝送媒体115での動的な異常の存在は、光信号に関連した受信パワーを光信号に関連した期待パワー(expected power)と比較することに基づいて、決定されてよい。例えば、受信器110は、第1光信号に関連した第1受信パワー及び第2光信号に関連した第2受信パワーを取得してよく、受信器110は、第1受信パワー及び第2受信パワーを夫々、第1期待パワー(例えば、第1光信号に関連した第1期待パワー)及び第2期待パワー(例えば、第2光信号に関連した第2期待パワー)と比較するよう構成されてよい。代替的に、又は追加的に、受信器110は、コンピューティングシステム又はデバイスと通信可能に結合されてよく、コンピューティングシステム又はデバイスは、受信パワーを期待パワーと比較することによって動的な異常の存在を決定するよう構成されてよい。これら又は他の実施形態で、動的な異常は、光信号に関連した受信パワーと光信号に関連した期待パワーとの比較がパワー閾値を満足する場合に、伝送媒体115に存在すると決定されてよい。
【0027】
例えば、受信パワーと光信号に関連した期待パワーとの間の比較がパワー閾値に等しいか又はそれよりも大きい場合に、1つ以上の追加の計算が、本明細書で記載されるように、光伝送システム102の1つ以上のコンポーネントによって実行されてよい。これは、異常位置を決定することに関連し得る。他の例では、受信パワーと光信号に関連した期待パワーとの間の比較がパワー閾値よりも小さい場合に、受信器110及び/又は関連するコンピューティングデバイスは、伝送される光信号がその伝送中に損失を経験した可能性があると決定することができ、受信器110及び/又は関連するコンピューティングデバイスは、これ以上動作を行わなくてもよい。これら又は他の実施形態において、電力閾値は、光伝送システム102のタイプ(例えば、テレコム、データコム、など)、光信号の波長、受信器110に関連した受信器品質(例えば、どれくらい細かい差違が検出され得るか)、伝送媒体115の媒質、などに基づいてよい。
【0028】
いくつかの実施形態で、光信号に関連した期待パワーは、光伝送システム102及び/又は光伝送システム102に含まれるコンポーネントに関連した1つ以上の係数に基づいて決定されてよい。例えば、光信号に関連した期待パワーは、伝送媒体115を伝わる光信号の波長、光伝送システム102に含まれる光増幅器の数、含まれる光増幅器の出力パワー、伝送媒体115の長さ、伝送媒体115の材料タイプに関連した損失の量、及び/又は光伝送システム102に関連した他の係数を考慮して決定されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態で、時間遅延が、伝送媒体115を伝わる伝送の第1光信号及び第2光信号の間で取得されてもよい。いくつかの実施形態で、時間遅延は、第1光信号と第2光信号との間の関係に関連し得る。例えば、いくつかの実施形態で、時間遅延は、第1光信号と第2光信号との間の相互相関を決定すること、又は言い換えれば、第1光信号及び第2光信号の類似度を第2光信号に対する第1光信号の変位の関数として決定することに基づいて、決定されてもよい。第1光信号と第2光信号との間の関係及び時間遅延に関する追加の議論は、本開示で与えられる。
【0030】
いくつかの実施形態で、第1光信号と第2光信号との間の関係は、動的な異常が伝送媒体115に存在する可能性があるという決定に応答して、取得されてよい。例えば、システム(例えば、受信器110及び/又は、受信器110に関連したシステム、デバイス、及び/又はコンポーネント)が、動的な異常が伝送媒体に存在する可能性があるという決定を取得すると、システムは、第1光信号と第2光信号との間の相互相関を実行してよい。いくつかの実施形態で、動的な異常は、伝送媒体115で光信号に関連した被監視パワー(monitored power)に動的な変化を引き起こす可能性がある。そのため、いくつかの実施形態で、第1光信号と第2光信号との間の相互相関は、第1光信号の第1被監視パワーと第2光信号の第2被監視パワーとの間の相互相関を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、第1光信号と第2光信号との間の相互相関は、第2光信号及び/又は第2光信号に関連した第2被監視パワーを点乗算された第1光信号及び/又は第1光信号に関連した第1被監視パワーの積分を含んでもよい。第1信号と第2信号との間の相互相関は、次の式で表すことができる:
【数1】
ここで、f(t)は、第1光信号に関連した第1被監視パワーであってよく、g(t)は、第2光信号に関連した第2被監視パワーであってよい。第1光信号と第2光信号との間の相互相関の結果は、第1光信号(例えば、f(t))と第2光信号(例えば、g(t))との間の遅延を含み得るτの関数としての結果をもたらし得る。いくつかの実施形態で、時間遅延は、第1光信号と第2光信号との間の相互相関の結果として得られた関数の最大点であると決定され得る。例えば、第1光信号と第2光信号との相互相関は、τに関する関数を生成することができ、その関数の最大値が、得られた時間遅延となる。
【0032】
いくつかの実施形態で、伝送媒体115内の動的な異常の位置は、伝送媒体115の受信器エンド(例えば、受信器110に隣接する)から測定されるように、時間遅延、第1光信号の第1波長、及び第2光信号に関連した第2波長を用いて決定されてよい。例えば、伝送媒体115の受信器エンドから測定された動的な異常の位置は、第1波長と第2波長との間の差で時間遅延を割り算したものにおおよそ等しくなる。伝送媒体115の受信器エンドから測定される伝送媒体115の動的な異常の位置は、次の式で表すことができる:
【数2】
ここで、Lは、伝送媒体115の受信器エンド(例えば、受信器110に隣接する)から動的な異常までの長さであり、τ
maxは、本明細書で記載されるように、第1光信号と第2光信号との間の相互相関を最大化する時間遅延であり、λ
1は第1波長であり、λ
2は第2波長である。第1波長と第2波長との間の差は、波長の差Δλとしても表すことができる。
【0033】
代替的に、又は追加的に、伝送媒体115内の動的な異常の位置は、時間遅延、第1光信号に関連した第1波長、第2光信号に関連した第2波長、及び伝送媒体に関連した散乱係数を用いて、決定されてもよい。例えば、動的な異常の位置は、第1波長と第2波長との間の差と拡散係数との乗算で時間遅延を割り算したものにおおよそ等しくなる。伝送媒体115の出力エンド(例えば、受信器110に隣接する)から測定される伝送媒体115での動的な異常の位置は、次の式で表すことができる:
【数3】
ここで、Lは、伝送媒体115の受信器エンド(例えば、受信器110に隣接する)から動的な異常までの長さとして表される異常位置であり、τ
maxは、第1光信号と第2光信号との間の相互相関を最大化する時間遅延であり、Δλは、第1波長と第2波長との間の差であり、Dは拡散係数である。
【0034】
いくつかの実施形態で、伝送媒体115内の異常位置は、取得されると、システム又はデバイスへ伝えられてもよい。システム又はデバイスは、光伝送システム102から遠隔にあってもよく、光伝送システム102の伝送媒体115内の決定された異常位置から動的な異常を取り除くことを目的とした1以上の動作を行うことができる技術者及び/又はネットワークオペレータに関連することができる。
【0035】
いくつかの実施形態で、異常位置の送信は、伝送媒体115内の異常位置の決定に応答して自動的に行われてもよい。例えば、動的な異常が伝送媒体115に存在するという決定が取得される場合に、異常位置は、本明細書で記載されるように決定されてよく、異常位置は、技術者のデバイスなどのシステム又はデバイスへ自動的に送信されてもよく、それにより、動的な異常は、伝送媒体115及び光伝送システム102から軽減、修復、及び/又は除去され得る。
【0036】
本開示の範囲から外れずに、環境100に対して変更、追加、又は削除が行われてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、環境100は、明示的に図示又は記載されていない場合がある他のコンポーネントをいくつでも含んでもよい。
【0037】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、光伝送システム202での動的な異常の位置を見つけるよう構成される環境200のブロック図である。光伝送システム202は、送信器205、受信器210、及び伝送媒体215を含み得る。送信器205は、信号発生器207とまとめて呼ばれる第1信号発生器207a、第2信号発生器207b、及び第n信号発生器207cと、多重化デバイス209とを含み得る。受信器210は、検出器212とまとめて呼ばれる第1検出器212a、第2検出器212b、及び第n検出器212cと、逆多重化デバイス214とを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態で、環境200に含まれる1つ以上の要素は、
図1の環境100に含まれる要素と同じもの又は類似するものであってよい。例えば、送信器205、受信器210、伝送媒体215、及び/又は異常イベント220は、夫々、
図1の送信器105、受信器110、伝送媒体115、及び/又は異常イベント120と同じもの又は類似するものであってよい。これら又は他の実施形態においては、環境100の要素に対する環境200の同じ又は類似した要素は、互いに対して実質的に類似した接続を有してよく、
図1に関連して記載されたのと実質的に同じ動作を実行するよう構成されてよい。代替的に、又は追加的に、異常イベント220は、動的な異常を光伝送システム202の伝送媒体215に導入することに関して、
図1の異常イベント120と同じもの又は類似するものであってよい。
【0039】
いくつかの実施形態で、送信器205は、2つ以上の光信号を単一の伝送に多重化するよう構成されてよい。例えば、送信器205は、第1波長を有する第1光信号及び第2波長を有する第2光信号を受信し、第1光信号及び第2光信号を伝送媒体215を経由する単一の伝送に多重化するよう構成され得る波長分割多重化(WDM)であってよい。
【0040】
いくつかの実施形態で、信号発生器207は、伝送媒体215を介した伝送に含まれ得る光信号を個別的に発生させるよう構成されてよい。例えば、第1信号発生器207aは、第1波長を有する第1光信号を生成してよく、第2信号発生器207bは、第2波長を有する第2光信号を生成してよく、第n信号発生器207cは、第n波長を有する第n光信号を生成してよい。第1光信号、第2光信号、及び第n光信号は、多重化デバイス209によって伝送に多重化されてよく、伝送(例えば、第1光信号、第2光信号、及び第n光信号を含む)は、送信器205によって伝送媒体215にわたって送信されてよい。
【0041】
これら又は他の実施形態においては、信号発生器207の個々の信号発生器は、関連する波長を有する光信号にデータを符号化するよう構成されてよい。光信号に関連した波長は、他の信号発生器によってデータにより符号化された光信号などの他の光信号に関連した波長とは異なってもよい。いくつかの実施形態で、多重化デバイス209は、取得された光信号を伝送に多重化するよう構成されてよく、それにより、複数の光信号は、伝送として伝送媒体215にわたって一緒に送信され得る。
【0042】
いくつかの実施形態で、受信器210の逆多重化デバイス214は、伝送を取得してよく、伝送に含まれる光信号を逆多重化するよう構成されてよい。例えば、受信器210によって伝送を受信すると、逆多重化デバイス214は、伝送を、検出器212によって夫々取得され得る個々の光信号に逆多重化してよい。例えば、第1光信号、第2光信号、及び第n光信号が伝送に多重化されて、受信器210によって受信される場合に、逆多重化デバイス214は、第1光信号が第1検出器212aによって取得され、第2光信号が第2検出器212bによって取得され、及び/又は第n光信号が第n検出器212cによって取得され得るように、伝送を逆多重化してよい。
【0043】
いくつかの実施形態で、検出器212は、光信号を受信するよう構成される1つ以上の光学式光検出器を含んでもよく、検出器212は、光信号のパワー監視に使用されてよい。例えば、検出器212の1つ以上は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、及び/又は他の光学式光検出器を含んでよい。これら又は他の実施形態においては、検出器212は、受信した光信号を電圧又は電流に変換するよう構成されてよく、それにより、
図1に関連して記載されるような追加の動作が、受信した光信号を用いて実行され得る。いくつかの実施形態で、受信した光信号に関連した電圧又は電流は、受信した光信号の光信号パワーに比例し得る。代替的に、又は追加的に、受信した光信号の光信号パワーは、ローパスフィルタによりフィルタをかけられてもよく、それにより、関連するデータパターンが平均化されて、動的な異常による光信号パワーの変化が監視され得る。
【0044】
いくつかの実施形態で、送信器205に含まれ得る信号発生器207の数は、固定数であってよい。例えば、送信器205は、2つ、4つ、5つ、10個、及び/又は任意の他の数の信号発生器を含んでよい。いくつかの実施形態で、信号発生器207は、データを光信号に符号化するよう構成されてよい。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態で、信号発生器207は、成形された自然放射増幅光(Amplified Spontaneous Emission,ASE)ノイズを光信号に含めるよう構成されてもよい。いくつかの実施形態で、符号化されたデータ及び/又はASEノイズを含む信号の任意の組み合わせが、信号発生器207によって生成されて、多重化デバイス209によって多重化されてよい。例えば、第1信号発生器207aからの第1光信号は、符号化されたデータを含んでよく、第2信号発生器207bからの第2光信号は、成形されたASEノイズを含んでもよく、第1光信号及び第2光信号は、多重化デバイス209によって伝送に多重化されてよい。他の例では、第1信号発生器207aからの第1光信号は、符号化されたデータを含んでよく、第2信号発生器207bからの第2光信号は、符号化されたデータを含んでよく、第1光信号及び第2光信号は、多重化デバイス209によって伝送に多重化されてよい。他の例では、第1信号発生器207aからの第1光信号は、ASEノイズを含んでよく、第2信号発生器207bからの第2光信号は、ASEノイズを含んでよく、第1光信号及び第2光信号は、多重化デバイス209によって伝送に多重化されてよい。
【0045】
これら又は他の実施形態においては、信号発生器207からの光信号は少なくとも、符号化されたデータ又は成形されたASEノイズを含むということで、伝送媒体215にわたる伝送に含まれる光信号のいずれかは、本明細書で議論されるように、異常位置を決定する際に使用されてよい。例えば、伝送は、第1波長を有し、符号化されたデータを含む第1光信号を含んでよく、また、第2波長を有し、成形されたASEノイズを含む第2光信号を含んでもよく、第1光信号及び第2光信号は、伝送媒体215内の異常位置を決定するために使用されてよい。
【0046】
本開示の範囲から外れずに、環境200に対して変更、追加、又は削除が行われてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、環境200は、明示的に図示又は記載されていない場合がある他のコンポーネントをいくつでも含んでもよい。
【0047】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、光伝送システムでの動的な異常の位置を見つけるよう構成される環境300のブロック図である。環境300は受信器310を含み得る。受信器310は、検出器312とまとめて呼ばれる第1検出器312a、第2検出器312b、及び第n検出器312cと、逆多重化デバイス314と、回路316とまとめて呼ばれる第1回路316a、第2回路316b、及び第n回路316cと、計算モジュール318とを含み得る。
【0048】
いくつかの実施形態で、受信器310に含まれる1つ以上の要素は、
図2の受信器210に含まれる要素と同じ又は類似するものであってよい。例えば、第1検出器312a、第2検出器312b、第n検出器312c、及び/又は逆多重化デバイス314は、夫々、
図2の第1検出器212a、第2検出器212b、第n検出器212c、及び/又は逆多重化デバイス214と同じ又は類似するものであってよい。
【0049】
いくつかの実施形態で、検出器312の個々の検出器は、回路316の各々の個別回路と通信可能に結合されてよい。例えば、第1検出器312aは、第1回路316aと通信可能に結合されてよく、第2検出器312bは、第2回路316bと通信可能に結合されてよい、など。いくつかの実施形態で、回路316の個別回路は、計算モジュール318と通信可能に結合されてよい。
【0050】
いくつかの実施形態で、検出器312は、逆多重化デバイス314によって逆多重化され得る個別的な光信号を受信してよく、検出器312は、受信した光信号に関連した出力(例えば、電圧及び/又は電流)を生成してよい。例えば、第1検出器312aは第1出力を生成してよく、第2検出器312bは第2出力を生成してよい、など。いくつかの実施形態で、検出器312からの出力は回路316に入力されてよい。
【0051】
いくつかの実施形態で、回路316は、検出器312からの出力に対して様々な調整を行うよう構成されてよい。例えば、回路316は、各々の検出器312から受信された出力に対してフィルタ処理、増幅、減衰、変換、分離、及び/又は他の動作を実行するよう構成されてよい。検出器312がアナログ電圧及び/又はアナログ電流を含む出力を生成する場合に、出力は回路316へ入力されて、回路316は、例えば計算モジュール318による追加の処理に備えて、出力にフィルタをかけ、出力を増幅し、及び/又はアナログ出力をデジタル出力に変換(例えば、アナログ-デジタルコンバータ(ADC))してよい。
【0052】
いくつかの実施形態で、計算モジュール318は、
図1に関連して記載された動作の1つ以上を実行するよう構成されてもよい。例えば、計算モジュールは、動的な異常が伝送媒体に存在する可能性があるという決定を取得するよう、及び/又は回路316から取得されるような1つ以上の入力を用いて伝送媒体内の異常位置を決定するよう、構成されてよい。代替的に、又は追加的に、計算モジュール318は、動的な異常の存在の決定及び/又は伝送媒体内の異常位置の決定の前に、及び/又はそれらの決定に付随して、1つ以上の動作を実行するよう構成されてよい。例えば、計算モジュール318は、例えば検出器312によって受信された光信号の波長間の関係に基づいて、時間遅延を決定するよう構成されてよい。
【0053】
いくつかの実施形態で、計算モジュール318は、1つ以上のコンピューティングデバイスが1つ以上の動作を実行することを可能にするよう構成されるコード及びルーチンを含んでよい。追加的に、又は代替的に、計算モジュール318は、1つ以上のプロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)、データ処理ユニット(DPU)、並列処理ユニット(PPU)、マイクロプロセッサ(例えば、1つ以上の動作を実行するためのもの又はそのような実行を制御するためのもの)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は他のプロセッサタイプを含むハードウェアを用いて実施されてもよい。いくつかの他の事例では、計算モジュール318は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実施されてもよい。本開示において、計算モジュール318によって実行されるものとして記載されている動作は、計算モジュール318が対応するシステムに実行することを指示し得る動作を含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態で、計算モジュール318は、
図1の光伝送システム102などの光伝送システムの較正を実行するために使用されてもよい。代替的に、又は追加的に、計算モジュール318は、伝送媒体内の異常位置の決定より前に、較正されてもよい。いくつかの実施形態で、較正は、伝送媒体を介した伝送に含まれるべき2つ以上の光信号を選択することを含んでもよい。いくつかの実施形態で、2つ以上の光信号は、互いに異なる波長を有してもよい。いくつかの実施形態で、較正の部分として、2つの光信号は、互いに隣接してもしなくてもよい各々の波長を有してもよい。例えば、第1光信号は、L帯の波長を有してよく、第2光信号は、C帯の波長を有してよい。
【0055】
いくつかの実施形態で、較正は、第1異常位置にある第1の動的な異常及び第2異常位置にある第2の動的な異常などの1つ以上の異常を伝送媒体に導入することを含んでもよい。第1の動的な異常及び第2の動的な異常の位置に基づいて、第1時間遅延及び第2時間遅延が、異常を持った伝送媒体を伝わる第1光信号及び第2光信号の変化に関連して取得され得る。いくつかの実施形態で、第1異常位置、第2異常位置、並びに関連する第1時間遅延及び第2時間遅延は、時間遅延と異常の位置との間の関係を決定するよう第1波長及び第2波長とともに(例えば、
図1に記載されるように、伝送媒体内の異常位置の決定に関連して)使用されてもよい。例えば、第1異常位置及び第1時間遅延は、グラフ(距離及び時間の軸を有する)上で第1点(時間に対する位置又は距離)としてプロットされてよく、第2異常位置及び第2時間遅延は、グラフ上で第2点としてプロットされてよく、2つの点の間の関係は決定され得る。いくつかの実施形態で、時間遅延と異常位置との間の関係は線形関係であってよい。
【0056】
これら又は他の実施形態においては、較正の部分として、時間遅延と異常位置との間で決定された関係は、
図1の環境100に関連して記載されるように、異常位置が知られていない可能性があるときに、異常位置を決定するために使用されてよい。例えば、第1波長、第2波長、第1時間遅延、及び第2時間遅延に基づいた決定された関係は、光伝送システムでの動的な異常の検出に関連し得る将来の計算において使用できる係数(例えば、変数)であることができる。例えば、光伝送システムの伝送媒体を伝わる較正を完了した2つの光信号の間の時間遅延を決定することに応答して、本明細書で記載されるように、係数は、光伝送システムの伝送媒体内のおおよその異常位置を決定するために時間遅延に適用(例えば、乗算)されてよい。
【0057】
本開示の範囲から外れずに、環境300に対して変更、追加、又は削除が行われてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、回路316は検出器312に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態で、計算モジュール318はスタンドアロンシステム又はデバイスに含まれてもよく、それにより、計算モジュール318は受信器310に含まれなくてもよい。かような事例では、検出器312及び/又は回路316からの出力は、本明細書で記載される計算が実行され得る他のシステム又はデバイスへ送信されてよい。代替的に、又は追加的に、環境300は、明示的に図示又は記載されていない場合がある他のコンポーネントをいくつでも含んでもよい。
【0058】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、光伝送システムでの動的な異常の位置特定の例示的な方法400のフローチャートである。方法400の1つ以上の動作は、いくつかの実施形態では、デバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの組み合わせによって、実行されてもよい。これら及び他の実施形態で、方法400は、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されている命令の実行に基づいて実行されてもよい。分離したブロックとして表されているとしても、様々なブロックは、所望の実施に応じて、追加のブロックに分割されても、より少ないブロックへとまとめられても、又は削除されてもよい。
【0059】
方法400はブロック402から開始してもよく、ブロック402で、伝送媒体を伝わる第1光信号及び第2光信号が受信デバイスによって取得されてよい。いくつかの実施形態で、第1光信号は第1波長を有してよく、第2光信号は第2波長を有してよい。いくつかの実施形態で、第1波長と第2波長との間の差が決定されてもよい。いくつかの実施形態で、伝送媒体は拡散係数を有してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態で、第1波長は、第1波長範囲に含まれてよく、第2波長は、第2波長範囲に含まれてよい。いくつかの実施形態で、第1波長範囲は、第2波長範囲と重なり合わなくてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態で、第1光信号は、符号化されたデータを含んでもよく、第2光信号は、成形されたASEノイズを含んでもよい。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態で、第1光信号及び第2光信号は、伝送媒体での単一の伝送に多重化されてもよい。
【0062】
ブロック404で、伝送媒体に動的な異常が存在するという決定が取得されてよい。いくつかの実施形態で、第1光信号に関連した第1受信パワー及び第2光信号に関連した第2受信パワーが、受信デバイスで取得されてもよい。いくつかの実施形態で、伝送媒体での動的な異常の存在は、第1受信パワーを第1光信号の第1期待パワーと比較し、第2受信パワーを第2光信号の第2期待パワーと比較することによって、決定されてもよい。いくつかの実施形態で、動的な異常は、伝送媒体のマイクロベンドを含んでもよい。
【0063】
ブロック406で、伝送媒体に動的な異常が存在するという決定に応答して、第1光信号と第2光信号との間の関係が決定されてもよい。いくつかの実施形態で、関係は、時間遅延を取得するために使用されてもよい。いくつかの実施形態で、第1光信号と第2光信号との間の関係は、第1光信号と第2光信号との間の相互相関を実行することによって、決定されてもよい。いくつかの実施形態で、相互相関は、第2光信号が時間的にシフトされるにつれて第2光信号を乗じられた第1光信号の積分を決定することを含んでもよい。代替的に、又は追加的に、相互相関は、第2光信号が時間的にシフトされるにつれて、第2光信号に関連した第2被監視パワーを乗じられた第1光信号に関連した第1被監視パワーの積分を決定することを含んでもよい。
【0064】
ブロック408で、伝送媒体での異常の位置が決定されてよい。いくつかの実施形態で、異常の位置は、時間遅延、第1波長、及び第2波長を用いて決定されてよい。代替的に、又は追加的に、異常の位置は、伝送媒体に関連した拡散係数を用いて決定されてもよい。代替的に、又は追加的に、第1波長と第2波長との間の差が、異常の位置を決定する際に使用されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態で、異常の位置を決定することに応答して、異常の位置は、ユーザデバイスへ伝えられてもよい。いくつかの実施形態で、ユーザデバイスへの異常の位置の送信は、自動的に実行されてもよい。
【0066】
本開示の範囲から外れずに、方法400に対して変更、追加、又は削除が行われてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、方法400は、明示的に図示又は記載されていない場合がある他のコンポーネントをいくつでも含んでもよい。
【0067】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、光伝送システムでの異常の位置特定に使用され得る例示的なコンピューティングシステム500を表す。コンピューティングシステム500は、
図1の光伝送システム102及び/又は
図2の光伝送システム202に含まれる1つ以上のコンポーネントの動作、
図3の受信器310の動作、及び/又は
図4の方法400の実行を含み得る、光伝送システムでの動的な異常の位置特定に関連した1つ以上の動作を実施又は指示するよう構成されてよい。コンピューティングシステム500は、全てが通信可能に結合され得るプロセッサ502、メモリ504、データストレージ506、及び通信ユニット508を含み得る。いくつかの実施形態で、コンピューティングシステム500は、本開示で記載されるシステム又はデバイスのいずれかの部分であってよい。
【0068】
プロセッサ502は、様々なコンピュータハードウェア又はソフトウェアモジュールを含む任意のコンピューティングエンティティ又は処理デバイスを含んでよく、任意の適用可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている命令を実行するよう構成されてよい。例えば、プロセッサ502は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィクス処理ユニット(GPU)若しくはテンソル処理ユニット(TPU)などのパラレルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、あるいは、プログラム命令を解釈及び/又は実行するよう及び/又はデータを処理するよう構成された任意の他のデジタル又はアナログ回路を含んでよい。
【0069】
図5には単一のプロセッサとして表されているが、プロセッサ502は、本明細書で記載されている動作をいくつでも個別的に又は集合的に実行するよう構成されている、任意の数のネットワーク又は物理的な位置にわたって分散された任意の数のプロセッサを含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、プロセッサ502は、メモリ504、データストレージ506、又はメモリ504とデータストレージ506に記憶されているプログラム命令を解釈及び/又は実行し、及び/又は記憶されているデータを処理するよう構成されよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ502は、データストレージ506からプログラム命令をフェッチし、プログラム命令をメモリ504にロードしてよい。プログラム命令がメモリ504にロードされた後、プロセッサ502はプログラム命令を実行してよい。
【0071】
例えば、いくつかの実施形態で、プロセッサ502は、メモリ504、データストレージ506、又はメモリ504とデータストレージ506に記憶されているプログラム命令を解釈及び/又は実行し、及び/又は記憶されているデータを処理するよう構成されてよい。プログラム命令及び/又は命令は、光伝送システムでの異常の位置特定に関係があることができ、それにより、コンピューティングシステム500は、命令によって実施されるように、それに関連した動作を実行し、又はその実行を指示し得る。これら及び他の実施形態で、命令は、
図4の方法400を実行するために使用されてよい。
【0072】
メモリ504及びデータストレージ506は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造を搬送又は記憶するコンピュータ可読記憶媒体又は1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ502などのコンピュータによってアクセスされ得る如何なる利用可能な媒体であってもよい。
【0073】
例として、限定としてではなく、そのようなコンピュータ可読記憶媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、コンパクトディスク-リードオンリーメモリ(CD-ROM)若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス(例えば、ソリッドステートメモリデバイス)、あるいは、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形で特定のプログラムコードを搬送又は記憶するために使用されてよく、かつ、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の記憶媒体を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が含まれ得る。上記のものの組み合わせもコンピュータ可読記憶媒体の範囲内に含まれてよい。
【0074】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、プロセッサ502に、本開示で記載されている特定の動作又は動作のグループを実行させるよう構成された命令及びデータを含んでよい。これら及び他の実施形態で、本開示で説明される「非一時的」(non-transitory)という用語は、In re Nuijten, 500 F.3d 1346 (Fed. Cir. 2007)のFederal Circuit判決で特許可能な対象の範囲外にあると判断されたような一時的な媒体のみを除くと見なされるべきである。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれてもよい。
【0075】
通信ユニット508は、ネットワーク上で情報を送信又は受信するよう構成される任意のコンポーネント、デバイス、システム、又はそれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、通信ユニット508は、他の場所若しくは同じ場所にある他のデバイス、又は同じシステム内の他のコンポーネントと通信し得る。例えば、通信ユニット508は、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、光通信デバイス、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス(例えば、4G(LTE)、4.5G(LTE-A)、及び/又は5G(mmWave)電気通信を実装するアンテナ、など)、及び/又はチップセット(例えば、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetooth 5(Bluetooth Low Energy))、802.6デバイス(例えば、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN))、WiFiデバイス(例えば、IEEE802.11ax、WiMAXデバイス、セルラー通信設備、など)、及び/又は同様のものを含んでもよい。通信ユニット508は、本開示で記載されるネットワーク及び/又は任意の他のデバイス若しくはシステムとデータが交換されることを可能にし得る。
【0076】
本開示の範囲から外れずに、コンピューティングシステム500に対して変更、追加、又は削除が行われてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム500は、明示的に図示又は記載されていない場合がある他のコンポーネントをいくつでも含んでもよい。更に、特定の実施に応じて、コンピューティングシステム500は、図示及び記載されているコンポーネントの1つ以上を含まなくてもよい。
【0077】
上述されたように、本明細書で記載される実施形態は、様々なコンピュータハードウェア又はソフトウェアモジュールを含むコンピューティングシステム(例えば、
図5のプロセッサ502)の使用を含んでよい。更に、上述されたように、本明細書で記載される実施形態は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造を搬送又は記憶するコンピュータ可読媒体(例えば、
図5のメモリ504)を用いて実施されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態で、本明細書で記載されている種々のコンポーネント、モジュール、エンジン、及びサービスは、コンピューティングシステムで(例えば、別個のスレッドとして)実行されるオブジェクト又はプロセスとして実装されてもよい。本明細書で記載されているシステム及びプロセスのいくつかは、一般に、(汎用ハードウェアによって記憶及び/又は実行される)ソフトウェアで実装されるものとして記載されているが、特定のハードウェア実装又はソフトウェアと特定のハードウェア実装との組み合わせも可能であり、企図される。
【0079】
本開示で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の本文)で使用される用語は、一般的に、“非限定的な(open)”用語として意図されている(例えば、語「含んでいる(including)」は、“~を含んでいるが、~に限定されない”との意に解釈されるべきであり、「持っている(having)」は、“少なくとも持っている”との意に解釈されるべきであり、「含む(includes)」は、”~を含むが、~に限定されない”との意に解釈されるべきである、など)。
【0080】
更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該クレーム中に明確に記載され、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しない。例えば、理解を促すために、後続の添付された特許請求の範囲では、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」といった導入句を使用し、クレーム記載を導入することがある。しかし、このような句を使用するからといって、「a」又は「an」といった不定冠詞によりクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句と「a」又は「an」といった不定冠詞との両方が含まれるとしても、当該導入されたクレーム記載を含む特定のクレームが、当該記載事項を1しか含まない例に限定されるということが示唆されると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである。)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも同様のことが当てはまる。
【0081】
更には、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するように解釈されるべきであることは、当業者には理解されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、この記載は、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する。)。更に、「A、B及びCなどのうち少なくとも1つ」又は「A、B及びCなどのうちの1つ以上」に類する表記が使用される場合、一般的に、そのような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全て、などを含むよう意図される。更に、「及び/又は」という用語の使用はこのように解釈されるよう意図される。
【0082】
更に、2つ以上の選択可能な用語を表す如何なる離接語及び/又は離接句も、明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれであろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、あるいは、それらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきである。例えば、「及び/又は」という用語が別な場所に使用されるとしても、「A又はB」という句は、「A又はB」、あるいは、「A及びB」の可能性を含むことが理解されるべきである。
【0083】
本開示で挙げられている全ての例及び条件付き言語は、当該技術の促進に本発明者によって寄与される概念及び本発明を読者が理解するのを助ける教育上の目的を意図され、そのような具体的に挙げられている例及び条件に制限されないと解釈されるべきである。本開示の実施形態が詳細に記載されてきたが、様々な変更、置換、及び代替が、本開示の主旨及び適用範囲から逸脱することなしに行われてよい。
【0084】
上記の実施形態に加えて、以下の付記を開示する。
(付記1)
受信デバイスによって、伝送媒体内を伝わる第1光信号及び第2光信号を取得することであり、前記第1光信号は第1波長を有し、前記第2光信号は第2波長を有する、ことと、
前記伝送媒体に異常があるという決定を取得することと、
前記伝送媒体に異常があるという前記決定に応答して、時間遅延を取得するよう前記第1光信号と前記第2光信号との間の関係を決定することと、
前記時間遅延、前記第1波長、及び前記第2波長を用いて、前記伝送媒体の異常位置を決定することと
を有する方法。
(付記2)
前記受信デバイスでの前記第1光信号の第1受信パワーを取得することと、
前記受信デバイスでの前記第2光信号の第2受信パワーを取得することと、
前記第1受信パワーを前記第1光信号の第1期待パワーと比較し、前記第2受信パワーを前記第2光信号の第2期待パワーと比較することによって、前記伝送媒体での前記異常の存在を決定することと
を更に有する、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記伝送媒体は、散乱係数を有し、
前記異常位置は、前記散乱係数を用いて決定される、
請求項1に記載の方法。
(付記4)
前記異常は、前記伝送媒体のマイクロベンドを含む、
付記1に記載の方法。
(付記5)
前記第1波長は、第1波長範囲に含まれ、
前記第2波長は、前記第1波長範囲と重なり合わない第2波長範囲に含まれる、
付記1に記載の方法。
(付記6)
前記第1光信号は、符号化されたデータを含み、
前記第2光信号は、成形された自然放射増幅光(ASE)ノイズを含む、
付記1に記載の方法。
(付記7)
前記第1光信号及び前記第2光信号は、前記伝送媒体でのシングル伝送に多重化される、
付記1に記載の方法。
(付記8)
前記第1波長と前記第2波長との間の差を決定することを更に有し、
前記異常位置は、更に、前記差に基づいて決定される、
付記1に記載の方法。
(付記9)
前記異常位置を決定することに応答して、前記異常位置をユーザデバイスに自動的に伝えることを更に有する、
付記1に記載の方法。
(付記10)
前記第1光信号と前記第2光信号との間の前記関係は、前記第1光信号と前記第2光信号との間の相互相関を実行することによって決定される、
付記1に記載の方法。
(付記11)
前記相互相関は、前記第2光信号が時間的にシフトされるにつれて前記第2光信号に関連した第2被監視パワーを乗じられた前記第1光信号に関連した第1被監視パワーの積分を含む、
付記10に記載の方法。
(付記12)
命令を記憶するよう構成される1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体へ通信可能に結合される1つ以上のプロセッサとを有するシステムであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令の実行に応答して、当該システムに、
受信デバイスによって、伝送媒体内を伝わる第1光信号及び第2光信号を取得することであり、前記第1光信号は第1波長を有し、前記第2光信号は第2波長を有する、ことと、
前記伝送媒体に異常があるという決定を取得することと、
前記伝送媒体に異常があるという前記決定に応答して、時間遅延を取得するよう前記第1光信号と前記第2光信号との間の関係を決定することと、
前記時間遅延、前記第1波長、及び前記第2波長を用いて、前記伝送媒体の異常位置を決定することと
を有する動作を実行させるよう構成される、
システム。
(付記13)
前記動作は、
前記受信デバイスでの前記第1光信号の第1受信パワーを取得することと、
前記受信デバイスでの前記第2光信号の第2受信パワーを取得することと、
前記第1受信パワーを前記第1光信号の第1期待パワーと比較し、前記第2受信パワーを前記第2光信号の第2期待パワーと比較することによって、前記伝送媒体での前記異常の存在を決定することと
を更に有する、
付記12に記載のシステム。
(付記14)
前記伝送媒体は、散乱係数を有し、
前記異常位置は、前記散乱係数を用いて決定される、
付記12に記載のシステム。
(付記15)
前記異常は、前記伝送媒体のマイクロベンドを含む、
付記12に記載のシステム。
(付記16)
前記第1波長は、第1波長範囲に含まれ、
前記第2波長は、前記第1波長範囲と重なり合わない第2波長範囲に含まれる、
付記12に記載のシステム。
(付記17)
前記第1光信号は、符号化されたデータを含み、
前記第2光信号は、成形されたASEノイズを含む、
付記12に記載のシステム。
(付記18)
前記第1光信号及び前記第2光信号は、前記伝送媒体でのシングル伝送に多重化される、
付記12に記載のシステム。
(付記19)
前記動作は、前記第1波長と前記第2波長との間の差を決定することを更に有し、
前記異常位置は、更に、前記差に基づいて決定される、
付記12に記載のシステム。
(付記20)
前記第1光信号と前記第2光信号との間の前記関係は、前記第1光信号と前記第2光信号との間の相互相関を実行することによって決定される、
付記12に記載のシステム。
【符号の説明】
【0085】
102,202 光伝送システム
105,205 送信器
110,210,310 受信器
115,215 伝送媒体
207 信号発生器
209 多重化デバイス
212,312 検出器
214、314 逆多重化デバイス
316 回路
318 計算モジュール
500 コンピューティングシステム
502 プロセッサ
504 メモリ
506 データストレージ
508 通信ユニット