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特開2024-71359人体からの排液を監視する排液リアルタイム監視システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071359
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】人体からの排液を監視する排液リアルタイム監視システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240517BHJP
   G01G 17/04 20060101ALI20240517BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20240517BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240517BHJP
   A61B 5/20 20060101ALI20240517BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240517BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61M1/00 120
G01G17/04 C
G01N33/493 B
G01N33/483 C
G01N33/483 Z
A61B5/20
A61B5/00 102A
A61B5/00 102C
A61G12/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192175
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】111143452
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】202310845535.8
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518264882
【氏名又は名称】永磐科技股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】518264893
【氏名又は名称】楊 清文
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 清文
【テーマコード(参考)】
2G045
4C038
4C077
4C117
4C341
【Fターム(参考)】
2G045AA15
2G045CB03
2G045FA11
2G045FA40
2G045JA01
2G045JA07
4C038DD01
4C038DD06
4C077AA19
4C077AA20
4C077BB10
4C077EE04
4C077HH06
4C077HH16
4C077KK25
4C117XA01
4C117XB04
4C117XB05
4C117XC02
4C117XD26
4C117XD27
4C117XE04
4C117XE52
4C117XE60
4C117XE62
4C117XE63
4C117XE64
4C117XH02
4C117XH05
4C117XH16
4C117XJ46
4C341JJ01
4C341LL10
4C341MR11
4C341MR17
4C341MS17
4C341MS24
(57)【要約】
【課題】排液リアルタイム監視システム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、人体からの排液を監視する排液リアルタイム監視システム及び方法である。前記排液リアルタイム監視システムは、集尿袋の重量情報を検知するための重量センサと、前記重量センサに電気的に接続され、前記重量情報を算出し、前記重量情報が集尿袋の閾値以上となる場合に制御信号を生成するための処理素子と、前記処理素子に結合され、前記制御信号に基づいて警報情報を生成するための警報素子と、を備える。重量センサで集液袋の重量をリアルタイムに検知して、重量が閾値以上となる場合に警報音を発することで、集液袋をリアルタイムに監視する効果を達成させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集液袋の重量情報を検知するための重量センサと、
前記重量センサに電気的に接続され、前記重量情報を算出し、前記重量情報が集液袋の閾値以上となる場合に第1の制御信号を生成するための処理素子と、
前記処理素子に結合され、前記第1の制御信号に基づいて警報情報を生成するための警報素子と、
を備えることを特徴とする排液リアルタイム監視システム。
【請求項2】
前記集液袋は、集尿袋又は腹水ドレナージ袋であることを特徴とする請求項1に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項3】
前記処理素子に電気的に接続され、前記集液袋における液体の色を検出し、前記処理素子によって前記液体の色が正常でないと判断した場合、第2の制御信号を生成して、前記警報素子が前記警報情報を発するように制御するための色検出素子を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項4】
リモートサーバに結合され、前記液体の色を前記リモートサーバに伝送して記憶する通信素子を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項5】
前記処理素子が前記重量情報を計算する工程は、時間区間において前記集液袋の前記重量情報の変化量を計算して前記時間区間における総排液量とする工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項6】
前記時間区間における総排液量を表示するための表示装置を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項7】
前記重量センサは、前記重量センサの運動データを検知するための重力センサを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項8】
前記重量センサは、自動ゼロ補正を実行することができ、前記重量センサが前記自動ゼロ補正を実行する場合、前記処理素子は、前記運動データに基づいて前記重量センサが補正方位にあるか否かを判断して、前記重量センサが前記補正方位にある場合、前記処理素子は、前記重量センサが自動ゼロ補正を実行するように制御することを特徴とする請求項7に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項9】
前記重量センサは、前記集液袋を吊り下げるためのフックを有し、前記補正方位は、地面に対して垂直な前記フックの角度であることを特徴とする請求項8に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項10】
前記重量センサは、識別コードと前記運動データを信号でブロードキャストするための位置決め素子を更に含み、リモートサーバは、前記信号の前記識別コードと前記運動データに基づいて前記重量センサを位置決めすることを特徴とする請求項7に記載の排液リアルタイム監視システム。
【請求項11】
集液袋の重量情報を検知する工程と、
前記重量情報が集液袋の閾値以上であるか否かを判断する工程と、
前記重量情報が集液袋の閾値以上となる場合、第1の制御信号を生成して、警報素子が警報情報を発するように制御する工程と、
を含むことを特徴とする排液リアルタイム監視方法。
【請求項12】
前記集液袋における液体の色を検出する工程と、
前記液体の色が正常であるか否かを判断する工程と、
前記液体の色が正常でない場合、第2の制御信号を生成して、前記警報素子が前記警報情報を発するように制御する工程と、
を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の排液リアルタイム監視方法。
【請求項13】
重量センサで前記集液袋の前記重量情報を検知することを特徴とする請求項11に記載の排液リアルタイム監視方法。
【請求項14】
前記重量センサが自動ゼロ補正を実行する時、前記重量センサの運動データに基づいて前記重量センサが補正方位にあるか否かを判断して、前記重量センサが前記補正方位にある場合、前記重量センサが前記自動ゼロ補正を実行するように制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の排液リアルタイム監視方法。
【請求項15】
前記重量センサは、前記集液袋を吊り下げるためのフックを有し、前記補正方位は、地面に対して垂直な前記フックの角度であることを特徴とする請求項14に記載の排液リアルタイム監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム監視技術に関し、特に、被介護者に対する排液リアルタイム監視システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集液袋は、被介護者の排液を収集するためのものである。例としては、尿失禁、対麻痺、長期寝たきり等の排尿障害のある患者の採尿用具である集尿袋が挙げられる。一般的には、プラスチックバッグ、ドレナージカテーテル、吊り下げリング、尿スリーブ、排液チューブ、保護プラグからなる。患者が自分で排尿できない場合、又は完全に排尿できない場合は、尿道口からカテーテルを膀胱に挿入して、重力の原理によって尿を排出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、集液袋は、被介護者が感染しないように、定期的に交換する必要がある。現在、集液袋の交換の監視方法は、依然として、手動監視を採用する。集液袋が満杯となる場合や、集液袋で被介護者からの排液を収集する過程に異常があるのと発見される場合、手動で警報ボタンを押すか、医療スタッフに通知して対処する必要がある。効率的な監視がなければ、医療スタッフの仕事量も増える。従って、上記問題を解決するために、人体からの排液を監視するリアルタイム監視システム及び方法を如何に設計するかは、業界で早急に解決すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、集液袋の重量情報を検知するための重量センサと、前記重量センサに電気的に接続され、前記重量情報を算出し、前記重量情報が集液袋の閾値以上となる場合に第1の制御信号を生成するための処理素子と、前記処理素子に結合され、前記第1の制御信号に基づいて警報情報を生成するための警報素子と、を備える排液リアルタイム監視システムを提供する。
【0005】
幾つかの実施例において、前記集液袋は、集尿袋又は腹水ドレナージ袋である。
【0006】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視システムは、前記処理素子に電気的に接続され、前記集液袋における液体の色を検出し、前記処理素子によって前記液体の色が正常でないと判断した場合、第2の制御信号を生成して、前記警報素子が前記警報情報を発するように制御するための色検出素子を更に備える。
【0007】
幾つかの実施例において、前記集液袋における前記液体は尿又は腹水ドレナージ液である。
【0008】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視システムは、リモートサーバに結合され、前記液体の色を前記リモートサーバに伝送して記憶する通信素子を更に備える。
【0009】
幾つかの実施例において、処理素子が前記重量情報を計算する工程は、時間区間において前記集液袋の前記重量情報の変化量を計算して前記時間区間における総排液量とする工程を更に含む。
【0010】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視システムは、前記時間区間における総排液量を表示するための表示装置を更に備える。
【0011】
幾つかの実施例において、重量センサは、前記重量センサの運動データを検知するための重力センサを更に含む。
【0012】
幾つかの実施例において、前記重量センサは、自動ゼロ補正を実行することができ、前記重量センサが自動ゼロ補正を実行する場合、前記処理素子は、前記運動データに基づいて前記重量センサが補正方位にあるか否かを判断して、前記重量センサが前記補正方位にある場合、前記処理素子は、前記重量センサが自動ゼロ補正を実行するように制御する。
【0013】
幾つかの実施例において、前記重量センサが手動補正を実行する場合、前記処理素子は、前記運動データに基づいて前記重量センサが補正方位にあるか否かを判断して、前記重量センサが前記補正方位にある場合、前記処理素子は、前記重量センサが手動補正を実行するように制御する。
【0014】
幾つかの実施例において、重量センサは、前記集液袋を吊り下げるためのフックを有し、前記補正方位は、地面に対して垂直な前記フックの角度である。
【0015】
幾つかの実施例において、重量センサは、識別コードと前記運動データを信号でブロードキャストするための位置決め素子を更に含み、リモートサーバは、前記信号の前記識別コードと前記運動データに基づいて前記重量センサを位置決めする。
【0016】
本発明の別の実施形態は、集液袋の重量情報を検知する工程と、前記重量情報が集液袋の閾値以上であるか否かを判断する工程と、前記重量情報が集液袋の閾値以上となる場合、第1の制御信号を生成して、警報素子が警報情報を発するように制御する工程と、を含む排液リアルタイム監視方法を提供する。
【0017】
幾つかの実施例において、集液袋は、集尿袋又は腹水ドレナージ袋である。
【0018】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視方法は、前記集液袋における液体の色を検出する工程と、前記液体の色が正常であるか否かを判断する工程と、前記液体の色が正常でない場合、第2の制御信号を生成して、前記警報素子が前記警報情報を発するように制御する工程と、を更に含む。
【0019】
幾つかの実施例において、集液袋における前記液体は尿又は腹水ドレナージ液である。
【0020】
幾つかの実施例において、重量センサで前記集液袋の前記重量情報を検知する。
【0021】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視方法は、前記重量センサの運動データを検知する工程を更に含む。
【0022】
幾つかの実施例において、排液リアルタイム監視方法は、前記重量センサが自動ゼロ補正を実行する時、前記重量センサの運動データに基づいて前記重量センサが補正方位にあるか否かを判断して、前記重量センサが前記補正方位にある場合、前記重量センサが前記自動ゼロ補正を実行するように制御する工程を更に含む。
【0023】
幾つかの実施例において、重量センサは、前記集液袋を吊り下げるためのフックを有し、前記補正方位は、地面に対して垂直な前記フックの角度である。
【0024】
本発明の排液リアルタイム監視システム及び方法は、主に、従来の集液袋の監視過程の手動監視方式を改善するために、重量センサで集液袋の重量をリアルタイムに検知し、集液袋の重量が閾値以上となる場合、警報音を発することで、集液袋を空にしたり、クリーンしたり、交換したりするように介護者に知らせる。また本願は、集液袋における液体の色をリアルタイムに検出するための色検出装置を更に含み、液体の色が正常でない場合、警報音を発して関連スタッフに通知して対処し、それにより被介護者からの排液をリアルタイムに監視する効果を達成させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここでの図面は明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであり、これらの図面は本発明に適合する実施例を示し、且つ明細書とともに本発明の実施例の技術的解決手段を説明するためのものである。
図1】一実施例による自動補正可能な排液リアルタイム監視システムのブロック図である。
図2】被介護者の排出尿量データの概略図である。
図3】本願の幾つかの実施例による排液リアルタイム監視方法のフローチャートである。
図4】本願の一実施例による位置決めシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は例を開示する。以下の説明では、特殊な例において本開示を簡略化するための素子や配置が使用される。説明されるいかなる例は解釈のためのものに過ぎず、本発明又は例の範囲と意味をいかなる方法で限定するものではない。また、本開示は、異なる例において数字記号及び/又はアルファベットを重複して引用することがあり、これらの重複は、簡略化や説明のためのものであり、以下の説明における異なる実施例及び/又は配置間の関係を特定するものではない。
【0027】
明細書全体と特許請求の範囲で使用される用語(terms)について、特に明記されている場合を除き、通常、各用語は、その分野、本開示の内容、及び特殊な内容で使用される一般的な意味を有する。当業者に本開示の説明の上に追加のガイドを提供するために、本開示を説明するための特定の用語は、以下又は本明細書の他の場所で説明される。
【0028】
本明細書で使用される「結合」又は「接続」とは、2つ又は複数の素子が互いに直接物理的又は電気的に接触することを指してもよいし、互いに間接物理的又は電気的に接触することを指してもよい。「結合」又は「接続」とはまた、2つ又は複数の素子が互いに操作又は動作することを指してもよい。
【0029】
本明細書において、第1、第2、及び第3等の用語が、様々な素子、コンポーネント、領域、層及び/又はブロックを説明するために使用されることは理解できるが、これらの素子、コンポーネント、領域、層及び/又はブロックは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単一の素子、コンポーネント、領域、層及び/又はブロックを区別するためのみに使用される。従って、以下の第1素子、コンポーネント、領域、層、及び/又はブロックは、本願の意図から逸脱せずに、第2素子、コンポーネント、領域、層、及び/又はブロックとも呼ばれてよい。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、列挙される関連項目のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせを含む。本願の書類に言及される「及び/又は」は、列挙される素子のいずれか1つ、すべて、又は少なくとも1つの組み合わせを指す。
【0030】
図1を参照されたい。図1は、本願の幾つかの実施例によって示される人体からの排液を検出するための排液リアルタイム監視システム100の模式図である。図1に示すように、排液リアルタイム監視システム100は、重量センサ110、処理素子120、通信素子130、警報素子140、及び色検出素子150を含む。一実施例において、排液リアルタイム監視システム100は通信素子130によってインターネット210に接続され、遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に接続することができ、それにより排液リアルタイム監視システム100のリアルタイム監視数値を遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送する。一実施例において、色検出装置150は、集液袋に近接して設置され、集液袋内の人体からの排液の色をリアルタイムに監視して、正常でない排液状況が発生したか否かを確認する。一実施例において、色検出装置150が検出した色は、通信素子130によって無線又は有線で遠隔医療プラットフォーム200のデータベースに記憶されるか、又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送される。一実施例において、監視される人体からの排液は、尿、傷口ドレナージ液、腹水ドレナージ液を含むが、本願はこれらに限定されず、あらゆる生物排液に対して、本願の排液リアルタイム監視システムでリアルタイムに監視することができ、使用者の排液をリアルタイムに監視する。一実施例において、排液リアルタイム監視システム100で患者から排出された尿を監視する場合、集液袋は集尿袋であり、排液リアルタイム監視システム100は集尿袋の重量を監視するために使用される。別の実施例において、排液リアルタイム監視システム100で患者から排出された腹水ドレナージ液を監視する場合、集液袋はドレナージバッグであり、排液リアルタイム監視システム100は腹水ドレナージ液のドレナージバッグの重量を監視するために用いられる。医療スタッフのハンドヘルド装置は、タブレットコンピュータ、スマートフォン、パームトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント等の小型携帯電子機器であってよい。処理素子120は、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit;ASIC)、論理回路、他の同様の素子、又はこれらの組み合わせ等の集積回路として実装されてよい。通信素子130は、グローバルモバイル通信(global system for mobile communication;GSM)、パーソナルハンドヘルド電話システム(personal handy-phone system;PHS)、ロングタームエボリューションシステム(long term evolution;LTE)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・マイクロ波アクセスシステム(world wide interoperability for microwave access;WiMAX)、ワイヤレスフィデリティ・システム(wireless fidelity;Wi-Fi)等として実装されてよい。警報素子140は、ブザー、発光素子又はこれらの組み合わせ等、警告音又は閃光を発することができる装置として実施されてよい。
【0031】
重量センサ110は、被検物、例えば集液袋の重量を測定するために用いられ、集液袋は集尿袋又はドレナージ袋であるが、本発明はこれに限定されない。処理素子120は、重量センサ110に電気的に接続され、重量センサ110で測定された集液袋の重量を受信し、集液袋に収容された尿又は腹水ドレナージ液の重量が限界になる前に、警告情報を警報素子140に伝送して関連スタッフに通知して対処する。警報素子140は、警告情報を受信して警告音又は警告光を発する。通信素子130は、リアルタイム監視を行うように、重量センサ110で測定された集液袋の重量を、インターネット210によって遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送するために用いられる。また、遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300から伝送された設定情報を受信する。色検出装置150は、集液袋における液体の色を検出するために用いられ、処理素子120は、色検出装置150が検出した液体の色を受信し、液体、例えば尿又は腹水ドレナージ液の色が正常でない場合、警告情報を警報素子140に伝送して、関連スタッフに通知して対処するために用いられる。通信素子130は、例えば尿又は腹水ドレナージ液の色の変化を検出するようなリアルタイム監視又は後続のデータ抽出・使用を行うように、色検出装置150が検出した液体、例えば尿又は腹水ドレナージ液の色を、インターネット210によって遠隔医療プラットフォーム200のデータベースに記憶するか、又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送するために用いられる。一実施例において、色検出装置150は、集液袋の近く、集液袋に収集された液体、例えば尿又は腹水ドレナージ液の色を検出できる位置に設置され、そして有線又は無線で液体の色を処理素子120に伝送して、遠隔医療プラットフォーム200のデータベースにアップロードし、介護者が液体、例えば尿又は腹水ドレナージ液の色を記録する作業を省く。
【0032】
遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300は、通信素子130によって伝送された集液袋の重量を受信して記憶し、集液袋の重量を警報重量と比較し、集液袋が満杯になる前に、関連スタッフに通知して対処する。ここで、警報重量は集液袋が尿を収容できる閾値であり、集液袋に収容された液体がこの閾値、即ち警報重量より大きい場合、液回収バッグがすぐに満杯になることを示し、つまり、集液袋の重量が警報重量以上であると監視した場合、処理素子120は警報素子140をトリガして警告情報を伝送して関連スタッフに通知して対処する。
【0033】
別の実施例において、監視される集液袋が集尿袋である場合、本願では、重量センサ110で測定された集尿袋の重量に基づいて被介護者の単位時間あたりの排尿量を計算し、被介護者の排尿量が正常であるか否かを判断する。図2は、被介護者の排出尿量データの概略図であり、横軸が時間であり、縦軸が排液リアルタイム監視システム100によって監視された集尿袋の重量である。一実施例において、時点t1に対応する重量は、集尿袋における尿を注い出した後の集尿袋の重量であり、即ち集尿袋の空バッグ重量であり、例えばG1グラムである。被介護者が継続的に排尿するため、時点t1の後、排液リアルタイム監視システム100によって監視された集尿袋の重量は、時点t2で集尿袋における尿を注い出すまで継続的に上昇し、例えば、時点t2で測定された重量はG2グラムである。これにより、処理素子120は、重量センサ110によって検出された重量に基づいて、尿を注い出す前の最高重量値、即ち、時点t2における集尿袋の重量から、前の最低値、即ち、t1で集尿袋の尿を注い出した後の集尿袋の重量(集尿袋の空バッグ重量)を減算し、当該時間区間内(t1~t2)において被介護者が排出した総尿量を算出することができる。総尿量=G2-G1である。
【0034】
注意すべきなのは、上記算出されたものが、時間区間(t1~t2)において被介護者が排出した総尿量であることである。ただし、使用者のニーズに応じて、被介護者の単位時間内、例えば1時間、4時間、8時間、12時間、又は24時間の時間区間ごとの総排尿量を評価するように設定してもよい。別の実施形態において、重量センサ110で検出された時間区間における排尿量の重量に基づいて、遠隔医療プラットフォーム200は、1時間、4時間、8時間、12時間、又は24時間ごとの被介護者の総排尿量を計算してもよい。この実施例において、遠隔医療プラットフォーム200によって算出された総排尿量は、排液リアルタイム監視システム100に返送され、排液リアルタイム監視システム100の表示装置160に表示されてもよいし、医療スタッフのハンドヘルド装置300に返送され、ハンドヘルド装置300のスクリーンに表示されてもよく、それにより臨床介護士又は医師が、回診中に被介護者の排尿量が正常であるか否かをリアルタイムに確認することができる。
【0035】
以下、図1及び図3を参照して、排液リアルタイム監視システム100の動作方式を詳細に説明する。図1及び図3を参照されたい。図3は、本願の幾つかの実施例による排液リアルタイム監視方法30のフローチャートである。排液リアルタイム監視方法30は、図1の排液リアルタイム監視システム100に適用されてよい。排液リアルタイム監視方法30は、以下の工程を含む(本実施形態において言及される工程は、特に順序を明記するものを除いて、実際の必要に応じて前後順序を調整してよく、同時又は一部を同時に実行してもよいことを理解されたい)。
【0036】
工程S310において、処理素子120は、遠隔医療プラットフォーム200から伝送された設定情報を受信する。一実施例において、遠隔医療プラットフォーム200には、異なる集液袋の設定情報が記憶される。設定情報は、集液袋の空バッグ重量、及び警告情報を生成する集液袋の警報重量を含む。従って、使用者が集液袋に排液リアルタイム監視システム100をインストールした場合、処理素子120でネットワークによって遠隔医療プラットフォーム200における集液袋に対応する設定情報をダウンロードして、有線で重量センサ110に伝送してよい。一実施形態において、集液袋は、被介護者の尿を収集するための集尿袋、又は被介護者の腹水ドレナージ液を収集するためのドレナージ袋である。
【0037】
工程S320において、重量センサ110によって集液袋の重量を検知して処理素子120に伝送して、工程S330において処理素子120によって集液袋の重量を計算する。一実施例において、集液袋に排液リアルタイム監視システム100をインストールした後、重量センサ110は、集液袋の重量を検知し始め、且つ検知された集液袋の重量値を処理素子120に伝送し、処理素子120は、重量センサ110によって検知された集液袋の重量値を継続的に計算する。
【0038】
工程S340において、処理素子120は、集液袋の重量が集液袋の警報重量より大きいか否かを判断する。一実施例において、処理素子120は、重量センサ110から受信した集液袋の重量値に基づいて、集液袋の重量が集液袋の警報重量より大きいか否かを判断し、集液袋の警報重量より大きくない場合、工程S320を実行し、重量センサ110によって集液袋の重量を継続的に検知する。集液袋の警報重量より大きい場合、工程S350を実行し、警報素子140をトリガして警告情報を伝送して関連スタッフに通知して対処する。
【0039】
一実施例において、工程S320では、重量センサ110によって集液袋の重量を検知して処理素子120の外部に伝送し、更に重量センサ110によって測定された集液袋の重量を、通信素子130でインターネット210によって遠隔医療プラットフォーム200のデータベースに記憶するか、又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送して監視する。一実施例において、監視される集液袋が被介護者の集尿袋である場合、記憶された履歴重量データから被介護者の尿の量の変化を判断してもよい。別の実施例において、工程S320では、処理素子120は、重量センサ110によって検出された重量に基づいて、時間区間内に被介護者が排出した総尿量を算出して表示することができる。この技術は上記のとおりであるため、ここでは説明を省略する。
【0040】
一方、本願の排液リアルタイム監視システム100は、集液袋における液体の色を検出するための色検出装置150を更に含む。従って、本願の工程S320は、色検出装置150によって検出された液体の色を処理素子120に伝送して、工程S340において色検出装置150によって検出された液体の色を処理素子120で受信し、液体の色が正常でない場合、警告情報を警報素子140に伝送して関連スタッフに通知して対処することを更に含んでよい。通信素子130は、尿の色をリアルタイムに監視して記録するように、色検出装置150によって検出された液体の色を、インターネット210によって遠隔医療プラットフォーム200又は医療スタッフのハンドヘルド装置300に伝送するために用いられる。
【0041】
別の実施例において、本願では、重量センサ110に対して自動ゼロ補正を行ってよい。一実施例において、重量センサ110が正常でない状態で補正を実行することを回避するために、例えば、重量センサ110が傾いているか横たわっている状態、あるいは重量センサ110が動いているか揺れている状態では、現在の補正重量が不正確となり、重量補正が失敗する。従って、本願の重量センサ110は、重量センサ110の運動データを検知するための重力センサ1101を更に含む。処理素子120が重量センサ110の自動ゼロ補正を実行する場合、まず、重量センサ110の運動データが所定の補正方位で補正されたか否かを重力センサ1101によって判断する。一実施例において、この補正方位は、重量センサ110が集液袋を吊り下げるためのフックの地面に垂直な方位である。従って、重量センサ110が補正を実行するとき、処理素子120は、まず、重力センサ1101によって検出された運動データ値を読み取り、この運動データ値が補正方位内にあるか否かを判断し、補正方位内にある場合、処理素子120は、重量センサ110に自動ゼロ補正を実行する。逆に、この補正方位内にない場合、即ち、フックが地面に垂直でない場合、処理素子120は、重量センサ110によるゼロ補正の実行を禁止し、関連スタッフに通知して対処する。重力センサ1101は、加速度計(G-Sensor)、磁力計(M-Sensor)、ジャイロスコープ(Gyroscope)、重力センサ(GV-Sensor)、線形加速度センサ(LA-Sensor)、回転ベクトルセンサ(RV-Sensor)、傾斜センサ(Tilt-Sensor)、又は上記装置のアセンブリであってよい。ここで、重力センサ1111は、X軸加速度(速度)パラメータ、Y軸加速度(速度)パラメータ、Z軸加速度(速度)パラメータの3軸の検知信号を直接提供する。
【0042】
別の実施例において、本願の上記ゼロ補正については、処理素子120によって重量センサ110がクリア状態であると判断された場合、ゼロ補正を自動的に実行するように重量センサ110を直接制御してもよいし、ゼロ補正を実行するように操作者が重量センサ110を手動で制御してもよい。ここで、クリア状態は、重量センサ110に集液袋を1つも吊り下げていない状態である。一実施例において、クリア重量値を設定してよい。処理素子120が重量センサ110によって検知された重量を受信し、且つこのときの重量値がクリア重量値より小さいと判断した場合、処理素子120は、重量センサ110がクリア状態にあると判断し、ゼロ補正を自動的に実行するように重量センサ110を直接制御する。
【0043】
一実施例において、本願の重量センサ110は、ひずみゲージ式である。従って、本願の重量センサ110はいずれも、工場出荷前に、作業者が手動で0グラムクリア補正と1000グラム補正を行い、重量センサ110の重量計算式の依拠を算出する。将来、工場出荷後に重量センサ110をメンテナンスする必要がある場合、作業者は、重量センサ110によって計算された重量が正確であることを保証するように、手動で0グラムクリア補正及び1000グラム補正を定期的に実行してよい。従って、この実施例では、任意の補正を手動で実行する前に、重量センサ110の運動データが所定の補正方位にあるか否かを重力センサ1101によって判断してよく、補正方位にある場合のみ重量補正と記憶を実行し、そうでなければ補正と記憶を行わない。他の実施例において、異なるグラム数を用いて重量関数を計算してよく、例えば、作業者が0グラムクリア補正及び500グラム補正を手動で実行することで、重量センサ110の計算重量式の依拠を算出することができる。
【0044】
別の実施例において、被介護者が移動する際に、集液袋が吊り下げられている排液リアルタイム監視システム100と一緒に移動する。従って、本願の重量センサ110は、位置決め素子1102を更に含み、位置決め素子1102で位置決めする。図4は、本願の一実施例による位置決めシステムの図である。好適な実施例において、使用される位置決め素子1102がブルートゥース信号伝送素子である場合、位置決めを行うために、複数の信号受信機400、例えばブルートゥース信号受信機は、医療機関の異なる場所に設置され、そのうち各列の排液リアルタイム監視システム100の位置決め素子1102はいずれも識別コードを有する。信号受信機400が位置決め素子1102のブルートゥース(登録商標)信号を検出し、且つブルートゥース信号における識別コードを受信した後、識別コードを遠隔医療プラットフォーム200にフィードバックして、識別コードに基づいてどの列の排液リアルタイム監視システム100であるかを判別して、識別コードを遠隔医療プラットフォーム200に返送する信号受信機400の位置に基づいて、この医療機関におけるこの排液リアルタイム監視システム100の位置を位置決めする。注意すべきなのは、上記位置決め方法は一実施例に過ぎず、本願の実施を限定するものではなく、その他の既知の位置決め方法も、本願に用いられて排液リアルタイム監視システム100を位置決めすることができる。
【0045】
更なる一実施例において、本願の重量センサ110は、重力センサ1101及び位置決め素子1102を含む。重力センサ1101は、集液袋の運動の加速度、角加速度、方向、移動量等の運動データを検知することができる。上記の運動データによって集液袋のリアルタイム使用状態を識別し、且つ被介護者の姿勢が転倒しているか、集液袋が倒れる可能性があるかを間接的に判断する。位置決め素子1102は、自分の識別コード、及び重力センサ1101によって検出されたリアルタイム運動データをブルートゥース信号で同時にブロードキャストすることができる。遠隔医療プラットフォーム200は、この識別コード及び運動データに基づいて、医療機関における被介護者の位置及びその姿勢が異常であるか否かを判断することができ、それにより、直ちに介護者を派遣して状況に対処し、危険を回避する。
【0046】
上記実施形態から分かるように、本願は、従来の集液袋の監視過程の手動監視方式を改善するために、重量センサで集液袋の重量をリアルタイムに検知し、集液袋の重量が閾値以上となる場合、集液袋の検査を行う必要があるのを警報音を発することで介護者に知らせる。また本願は、集液袋における液体の色をリアルタイムに検出するための色検出装置を更に含み、液体の色が正常でない場合、警報音を発して関連スタッフに通知して対処し、それによりリアルタイム監視の効果を達成させる。更に、本願では、重量センサに重力センサ及び位置決め素子を更に設けてよい。重力センサで検知した運動データに基づいて、自動ゼロ補正又は手動補正プロセスを実行するか否かを決定し、それにより重量センサが異常方位で自動ゼロ補正又は手動補正を実行するという欠点を解消する。更に、リアルタイムの運動データに基づいて被介護者に事故が発生したか否かを判断することもでき、位置決め素子によるリアルタイムの位置決めに基づいて介護者を派遣し、危険を回避する。
【0047】
なお、上記例には例示的な工程が順番に含まれるが、前記複数の工程は示される順序で実行する必要はない。異なる順序で前記複数の工程を実行することも、本開示内容の討論範囲内にある。本開示内容の実施例の精神と範囲内において、前記複数の工程を、状況に応じて追加、置換、順序変更及び/又は省略してよい。
【0048】
本願は、実施形態に基づいて以上のように開示されたが、それは、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正を行うことができ、よって、本願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に定義されたものを基準とする。
【符号の説明】
【0049】
30 排液リアルタイム監視方法
100 排液リアルタイム監視システム
110 重量センサ
120 処理素子
130 通信素子
140 警報素子
150 色検出素子
160 表示装置
210 インターネット
200 遠隔医療プラットフォーム
300 ハンドヘルド装置
400 信号受信機
1101 重力センサ
1102 位置決め素子
S310~S350 工程
図1
図2
図3
図4