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特開2024-71375データを座標系に登録するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071375
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】データを座標系に登録するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 3/14 20240101AFI20240517BHJP
   G06T 17/10 20060101ALI20240517BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20240517BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G06T3/14
G06T17/10
G06T17/20
G06T1/00 315
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193788
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】17/986,454
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グルービ, ロバート ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
5B057
5B080
【Fターム(参考)】
5B057CA13
5B057CB13
5B057CD02
5B057CD03
5B057CE09
5B057DA07
5B057DC05
5B080AA13
5B080AA17
5B080BA08
5B080CA00
5B080FA00
5B080GA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データを座標系に登録するための方法は、データを非固有の座標系に登録すること又は様々な座標系の間でデータを変換することを可能にする方法を提供する。
【解決手段】データを座標系に登録するための方法は、物品を表す計測データセット及び構築データセットを取得するステップ、計測データセット及び構築データセットにおいて物品の表面形状を決定するステップ、計測データセットから、表面形状を表す計測データサブセットを選択するステップ、構築データセットから、表面形状を表す構築サブデータセットを選択するステップ、計測データ座標系において計測点群を生成するステップ、構築データ座標系において構築点群を生成するステップ、計測点群及び構築点群を登録するステップ、計測座標系と構築座標系との間の変換を計算するステップ及び変換を計測データセットに適用して、計測データセットを構築座標系に変換するステップを含む。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される方法(1000)であって、
計測座標系(106)において物品(102)を表す計測データセット(104)を取得することと、
構築座標系(110)において前記物品(102)を表す構築データセット(108)を取得することと、
前記計測データセット(104)及び前記構築データセット(108)において存在する前記物品(102)の表面形状(112)を決定することと、
前記計測データセット(104)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す計測データサブセット(114)を選択することと、
前記構築データセット(108)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す構築データサブセット(116)を選択することと、
前記計測座標系(106)における前記計測データサブセット(114)から、計測点群(118)を生成することと、
前記構築座標系(110)における前記構築データサブセット(116)から、構築点群(120)を生成することと、
前記計測点群(118)と、前記構築点群(120)と、を事前に位置合わせすることと、
前記計測点群(118)及び前記構築点群(120)を登録することと、
前記計測座標系(106)と前記構築座標系(110)との間の変換(122)を計算することと、
前記変換(122)を前記計測データセット(104)に適用して、前記計測データセット(104)を前記構築座標系(110)に変換することと、
を含む、コンピュータにより実行される方法(1000)。
【請求項2】
前記計測データセット(104)が、コンピュータ断層撮影ファイル(126)からのボクセルデータセット(124)を含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項3】
前記構築データセット(108)が、構築ファイル(130)からのメッシュデータセット(128)を含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項4】
前記事前に位置合わせするステップは、前記計測点群(118)が前記構築点群(120)の部分集合であると確認することを含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項5】
前記事前に位置合わせするステップは、前記表面形状(112)において表された非対称的な物理的特徴(134)を位置合わせすることを含む、請求項4に記載の方法(1000)。
【請求項6】
前記登録するステップは、ICP(iterative closest point)アルゴリズム(132)を実行することを含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項7】
前記計測データセット(104)によって表された前記物品(102)における欠陥(156)を検出することと、
前記構築座標系(110)において前記欠陥(156)の位置(158)を決定することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法(1000)。
【請求項8】
第2の計測座標系(138)において前記物品(102)を表す第2の計測データセット(136)を取得することと、
前記第2の計測データセット(136)及び前記構築データセット(108)において存在する前記物品(102)の第2の表面形状(140)を決定することと、
前記第2の計測データセット(136)から、前記物品(102)の前記第2の表面形状(140)を表す第2の計測データサブセット(142)を選択することと、
前記構築データセット(108)から、前記物品(102)の前記第2の表面形状(140)を表す第2の構築データサブセット(144)を選択することと、
前記第2の計測座標系(138)における前記第2の計測データサブセット(142)から、第2の計測点群(146)を生成することと、
前記構築座標系(110)における前記第2の構築データサブセット(144)から、第2の構築点群(148)を生成することと、
前記第2の計測点群(146)と、前記第2の構築点群(148)と、を事前に位置合わせすることと、
前記第2の計測点群(146)及び前記第2の構築点群(148)を登録することと、
前記第2の計測座標系(138)と前記構築座標系(110)との間の第2の変換(150)を計算することと、
前記第2の変換(150)を前記第2の計測データセット(136)に適用して、前記第2の計測データセット(136)を前記構築座標系(110)に変換することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法(1000)。
【請求項9】
前記計測データセット(104)と、前記構築データセット(108)と、前記第2の計測データセット(136)と、が異なる種類のデータを含む、請求項8に記載の方法(1000)。
【請求項10】
前記計測データセット(104)が、コンピュータ断層撮影ファイル(126)からのボクセルデータセット(124)を含み、
前記構築データセット(108)が、構築ファイル(130)からのメッシュデータセット(128)を含み、
前記第2の計測データセット(136)が、光断層撮影ファイル(154)からの第2のボクセルデータセット(152)を含む、請求項9に記載の方法(1000)。
【請求項11】
前記第2の計測データセット(136)によって表された前記物品(102)における第2の欠陥(160)を検出することと、
前記構築座標系(110)において前記第2の欠陥(160)の第2の位置(162)を決定することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法(1000)。
【請求項12】
前記変換(122)及び前記第2の変換(150)を前記計測データセット(104)に適用して、前記計測データセット(104)を前記第2の計測座標系(138)に変換することをさらに含む、請求項11に記載の方法(1000)。
【請求項13】
前記欠陥(156)と前記第2の欠陥(160)とを一致させることをさらに含む、請求項11に記載の方法(1000)。
【請求項14】
システム(100)であって、
命令(168)を用いてプログラムされたプロセッサ(166)を含むコンピュータ(164)であって、前記命令(168)が、前記プロセッサ(166)によって実行されると、前記コンピュータ(164)に、
計測座標系(106)において物品(102)を表す計測データセット(104)を取得することと、
構築座標系(110)において前記物品(102)を表す構築データセット(108)を取得することと、
前記計測データセット(104)及び前記構築データセット(108)において存在する前記物品(102)の表面形状(112)を決定することと、
前記計測データセット(104)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す計測データサブセット(114)を選択することと、
前記構築データセット(108)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す構築データサブセット(116)を選択することと、
前記計測座標系(106)における前記計測データサブセット(114)から、計測点群(118)を生成することと、
前記構築座標系(110)における前記構築データサブセット(116)から、構築点群(120)を生成することと、
前記計測点群(118)と、前記構築点群(120)と、を事前に位置合わせすることと、
前記計測点群(118)及び前記構築点群(120)を登録することと、
前記計測座標系(106)と前記構築座標系(110)との間の変換(122)を計算することと、
前記変換(122)を前記計測データセット(104)に適用して、前記計測データセット(104)を前記構築座標系(110)に変換することと、
を行わせる、システム(100)。
【請求項15】
前記計測データ(104)を取得する計測機器(170)をさらに含む、請求項14に記載のシステム(100)。
【請求項16】
前記命令(168)は、前記プロセッサ(166)によって実行されると、前記コンピュータ(164)に、
前記計測データセット(104)によって表された前記物品(102)における欠陥(156)を検出することと、
前記構築座標系(110)において前記欠陥(156)の位置(158)を決定することと、
をさらに行わせる、請求項14に記載のシステム(100)。
【請求項17】
前記命令(168)は、前記プロセッサ(166)によって実行されると、前記コンピュータ(164)に、
第2の計測座標系(138)において前記物品(102)を表す第2の計測データセット(136)を取得することと、
前記第2の計測データセット(136)及び前記構築データセット(108)において存在する前記物品(102)の第2の表面形状(140)を決定することと、
前記第2の計測データセット(136)から、前記物品(102)の前記第2の表面形状(140)を表す第2の計測データサブセット(142)を選択することと、
前記構築データセット(108)から、前記物品(102)の前記第2の表面形状(140)を表す第2の構築データサブセット(144)を選択することと、
前記第2の計測座標系(138)における前記第2の計測データサブセット(142)から、第2の計測点群(146)を生成することと、
前記構築座標系(110)における前記第2の構築データサブセット(144)から、第2の構築点群(148)を生成することと、
前記第2の計測点群(146)と、前記第2の構築点群(148)と、を事前に位置合わせすることと、
前記第2の計測点群(146)及び前記第2の構築点群(148)を登録することと、
前記第2の計測座標系(138)と前記構築座標系(110)との間の第2の変換(150)を計算することと、
前記第2の変換(150)を前記第2の計測データセット(136)に適用して、前記第2の計測データセット(136)を前記構築座標系(110)に変換することと、
をさらに行わせる、請求項14に記載のシステム(100)。
【請求項18】
前記命令(168)は、前記プロセッサ(166)によって実行されると、前記コンピュータ(164)に、
前記第2の計測データセット(136)によって表された前記物品(102)における第2の欠陥(160)を検出することと、
前記構築座標系(110)において前記第2の欠陥(160)の第2の位置(162)を決定することと、
前記変換(122)及び前記第2の変換(150)を前記計測データセット(104)に適用して、前記計測データセット(104)を前記第2の計測座標系(138)に変換することと、
前記欠陥(156)と前記第2の欠陥(160)とを一致させることと、
をさらに行わせる、請求項17に記載のシステム(100)。
【請求項19】
コンピュータプログラム製品(922)であって、プログラムコード(918)が格納された非一過性コンピュータ可読媒体(920)を含み、前記プログラムコード(918)は、コンピュータ(164)によって実行されると、前記コンピュータ(164)に、
計測座標系(106)において物品(102)を表す計測データセット(104)を取得することと、
構築座標系(110)において前記物品(102)を表す構築データセット(108)を取得することと、
前記計測データセット(104)及び前記構築データセット(108)において存在する前記物品(102)の表面形状(112)を決定することと、
前記計測データセット(104)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す計測データサブセット(114)を選択することと、
前記構築データセット(108)から、前記物品(102)の前記表面形状(112)を表す構築データサブセット(116)を選択することと、
前記計測座標系(106)における前記計測データサブセット(114)から、計測点群(118)を生成することと、
前記構築座標系(110)における前記構築データサブセット(116)から、構築点群(120)を生成することと、
前記計測点群(118)と、前記構築点群(120)と、を事前に位置合わせすることと、
前記計測点群(118)及び前記構築点群(120)を登録することと、
前記計測座標系(106)と前記構築座標系(110)との間の変換(122)を計算することと、
前記変換(122)を前記計測データセット(104)に適用して、前記計測データセット(104)を前記構築座標系(110)に変換することと、
を含む工程を実行させる、コンピュータプログラム製品(922)。
【請求項20】
前記工程が、
前記計測データセット(104)によって表された前記物品(102)における欠陥(156)を検出することと、
前記構築座標系(110)において前記欠陥(156)の位置(158)を決定することと、
をさらに含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品(922)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してデータ処理に関し、特に、データを座標系に登録する方法、又は異なる座標間でデータを登録する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
設計、製造、及び検査の間に、物品は、様々な多様な種類のデータによって表すことができる。通常では、異なる種類のデータのそれぞれは、自身の固有の座標系を有している。従って、1の座標系において物品を表す1の種類のデータは、他の座標系において物品を表す他の種類のデータと容易に比較することができない。特定の状況においては、或るデータセットによって表された物品の一部分の位置を、当該データセットには固有ではない座標系において決定することが望ましい場合もある。これに対応して、当業者は、データ処理の分野において研究開発の努力を継続している。
【発明の概要】
【0003】
データを座標系に登録するためのコンピュータにより実行される方法、データを座標系に登録するためのシステム、及び、データを座標系に登録するためのコンピュータプログラム製品が開示される。以下は、本開示に係る発明の主題の実施例を非網羅的に列挙したものであり、これらは特許請求されることもされないこともある。
【0004】
一例において、開示される方法は、(1)計測座標系において物品を表す計測データセットを取得するステップと、(2)構築座標系において物品を表す構築データセットを取得するステップと、(3)計測データセット及び構築データセットにおいて物品の表面形状を決定するステップと、(4)計測データセットから、物品の表面形状を表す計測データサブセットを選択するステップと、(5)構築データセットから、物品の表面形状を表す構築データサブセットを選択するステップと、(6)計測座標系における計測データサブセットから、計測点群を生成するステップと、(7)構築座標系における構築データサブセットから、構築点群を生成するステップと、(8)計測点群と、構築点群と、を事前に位置合わせするステップと、(9)計測点群及び構築点群を登録するステップと、(10)計測座標系と構築座標系との間の変換を計算するステップと、(11)変換を計測データセットに適用して、計測データセットを構築座標系に変換するステップと、を含む。
【0005】
一例において、開示されるシステムは、命令を用いてプログラムされたプロセッサを含むコンピュータを含み、上記命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータに、(1)計測座標系において物品を表す計測データセットを取得することと、(2)構築座標系において物品を表す構築データセットを取得することと、(3)計測データセット及び構築データセットにおいて物品の表面形状を決定することと、(4)計測データセットから、物品の表面形状を表す計測データサブセットを選択することと、(5)構築データセットから、物品の表面形状を表す構築データサブセットを選択することと、(6)計測座標系における計測データサブセットから、計測点群を生成することと、(7)構築座標系における構築データサブセットから、構築点群を生成することと、(8)計測点群と、構築点群と、を事前に位置合わせすることと、(9)計測点群及び構築点群を登録することと、(10)計測座標系と構築座標系との間の変換を計算することと、(11)変換を計測データセットに適用して、計測データセットを構築座標系に変換することと、を行わせる。
【0006】
一例において、開示されるコンピュータプログラム製品が、プログラムコードが格納された非一過性コンピュータ可読媒体を含み、プログラムコードは、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、(1)計測座標系において物品を表す計測データセットを取得することと、(2)構築座標系において物品を表す構築データセットを取得することと、(3)計測データセット及び構築データセットにおいて物品の表面形状を決定することと、(4)計測データセットから、物品の表面形状を表す計測データサブセットを選択することと、(5)構築データセットから、物品の表面形状を表す構築データサブセットを選択することと、(6)計測座標系における計測データサブセットから、計測点群を生成することと、(7)構築座標系における構築データサブセットから、構築点群を生成することと、(8)計測点群と、構築点群と、を事前に位置合わせすることと、(9)計測点群及び構築点群を登録することと、(10)計測座標系と構築座標系との間の変換を計算することと、(11)変換を計測データセットに適用して、計測データセットを構築座標系に変換することと、を含む工程を実行させる。
【0007】
開示されるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の他の実施例が、以下の明細書の詳細な記載、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】データを座標系に登録する方法の一例のフロー図である。
図1B】データを座標系に登録する方法の一例のフロー図である。
図1C】データを座標系に登録する方法の一例のフロー図である。
図2】データを座標系に登録するためのシステムの一例の概略的なブロック図である。
図3】計測データセットのサブセットを選択するためのユーザインタフェースの一例の図である。
図4】構築データセットのサブセットを選択するためのユーザインタフェースの一例の図である。
図5】計測点群及び構築点群を登録して変換を決定するためのユーザインタフェースの一例の図である。
図6】変換を計測データセットに適用するためのユーザインタフェースの一例の図である。
図7A】データを座標系に登録する方法の他の例のフロー図である。
図7B】データを座標系に登録する方法の他の例のフロー図である。
図8】データ処理システムの一例のブロック図である。
図9】航空機製造方法の一例のフロー図である。
図10】航空機の一例の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示では、例えばCAD(computer-aided design)データ、計測データなどの様々な種類の三次元データが自身の固有の座標系を有すると認識している。本開示はまた、自身の固有の座標系において物品を表す1の種類のデータが、自身の固有の座標系において同じ物品を表す他の種類のデータとは容易に位置合わせ及び/又は比較できないことも認識している。本開示はさらに、或るデータセットによって表される物品の一部分の位置を、当該データセットには固有ではない座標系において決定することが望ましい場合があることを認識している。これに対応して、本明細書で開示されるシステム及び方法は、データを非固有の座標系に登録すること又は様々な座標系の間でデータを変換することを可能にする。これに対応して、本明細書で開示されるシステム及び方法は、付加製造、非破壊検査、及び欠陥検出など製造時に特定の利便性を提供することができる。
【0010】
例として図1図8を参照すると、本開示は、データを座標系に登録するため又は様々な座標系の間でデータを変換するためのシステム及び方法に関する。1つ以上の実施例において、本明細書に開示されるシステム及び方法は、コンピュータにより実現され、第1のデータセット(例えば、計測データセット)を構築して、第1のデータセットとは異なる第2のデータセット(例えば、設計データセット)の座標系に登録することを可能とするインタラクティブなコンピュータプログラム製品(例えば、ソフトウェア)を利用する。第1のデータセットと第2のデータセットとによって表された物品の特定の表面特徴又は表面形状は、第1のデータセットを第2のデータセットに位置合わせするICP(iterated closest point)アルゴリズムのために分離されている。おおまかに、プロセスの出力は、位置合わせ変換(例えば、回転、平行移動、及び/又はスカラ)、及び、少なくとも物品の表面特徴又は表面形状を表す切り出されたデータセットである。
【0011】
本明細書では図1とも総称される図1A図1Cを参照すると、データを座標系に登録するための方法1000の一例が示されている。1つ以上の実施例において、方法1000は、3つの段階、プロセス、又は工程のまとまりに分けられうる。例示される例において、方法1000は、入力の処理及びICPプロセスのセットアップに関する第1のまとまりの工程(図1Aに図示)と、ICPプロセスの実行に関する第2のまとまりの工程(図1Bに図示)と、ICPプロセスの結果の検査及び登録変換の適用に関する第3のまとまりの工程と、を含む。
【0012】
1つ以上の実施例において、方法1000は、1つ以上のコンピュータ164(図2)といったコンピュータシステムを使用して、少なくとも部分的に実行される。これに対応して、1つ以上の例において、方法1000は、コンピュータにより実行される方法である。
【0013】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、計測データセット104を取得するステップ(ブロック1002)を含む。計測データセット104は、物品102についての、かつ物品102を表わすために生成され又はそうでなければ収集された測定データ又は情報の任意の集合を含む。計測データセット104は、物品102の表面形状及び/又は物品102の内部形状といった物品102の三次元(3D)形状、物品102の材料特性、及び物品102の任意の他の測定可能なパラメータなどを表すことができる。計測データセット104は、1つ以上の計測ファイル172から取得されうる。1つ以上の実施例において、計測ファイル172が、1つ以上のコンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)ファイル126(例えば、CTスキャンファイル)を含み、計測データセット104が、ボクセルデータセット124を含む。1つ以上の実施例において、計測ファイル172が1つ以上の光断層撮影(OT:optical thermography)ファイル154を含み、第2の計測データセット136が第2のボクセルデータセット152を含む。任意の適切な計測法によって生成された任意の他の適切な計測データも想定されており、本明細書に開示される方法1000の範囲に含まれる。計測データセット104は、対応する計測機器170から直接的に取得することができる。代替的に、計測データセット104は、コンピュータストレージ176から取得することができる。
【0014】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000が、構築データセット108を取得するステップ(ブロック1004)を含む。構築データセット108は、物品102についての、かつ物品102を表わすために生成され又はそうでなければ収集された設計データ又は情報の任意の集合を含む。構築データセット108は、1つ以上の構築ファイル130から取得することができる。1つ以上の実施例において、構築ファイル130が、1つ以上のCADファイル178を含み、構築データセット108がメッシュデータセット128を含む。構築データセット108は、物品102の表面形状及び/又は物品102の内部形状などといった物品102の三次元(3D)形状を表すことができる。おおまかに、構築データセット108は、例えば物品102を作製するために使用される、物品102の設計形状を表す。任意の他の適切な構築データ又は設計データも想定されており、明細書に開示される方法1000の範囲に含まれる。構築データセット108は、コンピュータストレージ176から取得することができる。
【0015】
計測データセット104の各データ点は、その計測データセット104に固有の座標ジオメトリによって表される。計測データセット104の座標ジオメトリは、本明細書では計測座標系106と称される。これに対応して、計測データセット104の各データ点は、原点に対するXYZ-座標を含む。おおまかに、計測座標系106は、物品102を検査するために使用される計測機器170(例えば、CTスキャナ)によって定められる。同様に、構築データセット108の各データ点は、構築データセット108に固有の座標ジオメトリによって表される。構築データセット108の座標ジオメトリは、本明細書では構築座標系110と称される。これに対応して、構築データセット108の各データ点は、原点に対するXYZ-座標を含む。おおまかに、構築座標系110は、設計モデルパラメータによって、又は、物品102を作製するために使用される機械(例えば、付加製造機械といった製作機械188)によって定められる。構築座標系110は、計測座標系106とは異なっている。従って、物品102の外部又は内部での位置を表すデータ点は、構築座標系110及び計測座標系106において、異なる座標値を有することになる。
【0016】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000が、対応する形状について検査するステップ(ブロック1006)を含む。対応する形状は、計測データセット104と構築データセット108の両方で存在し又はそうでなければ表された、物品102の表面形状112の少なくとも一部分を指している。1つ以上の実施例において、計測データセット104及び構築データセット108のそれぞれが、対応する形状について検査される。対応する形状(例えば、計測データセット104と構築データセット108の両方に存在する1つ以上の表面形状112)は、本明細書で以下にさらに詳細に記載するように、点群の位置合わせ、及びデータのクロッピング(data cropping、データの切り出し)のために使用される。
【0017】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、ICPを利用した更なる解析及び位置合わせのために、計測データセット104をロードするステップ(ブロック1008)と、構築データセット108をロードするステップ(ブロック1010)と、を含む。1つ以上の実施例において、計測データセット104及び構築データセット108は、プロセッサ166がアクセス可能なコンピュータ164のコンピュータストレージ176にロードされる。
【0018】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、計測データセット104のための1つ以上のクロップ(crop、切り出し)を決定するステップ(ブロック1012)を含む。クロップは、計測データセット104と構築データセット108の両方に見られる表面形状112など、1つ以上の選択パラメータを指定することで計測データセット104のサブセットを選択するデータクロッピングプロセスから得られる。1つ以上の実施例において、クロップは、以前に計測データセット104において決定されており当該計測データセット104において見られた(例えば、ブロック1006)対応する形状を有し又はそうでなければ形成する計測データのチャンク(例えば、ボクセルのチャンク)により得られ、又は当該チャンクを形成する。1つ以上の実施例において、クロップを決定するステップ(ブロック1012)によって、計測データセット104中で特定された(例えば、ブロック1006)物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114、例えばボクセルデータサブセットが得られ、又は提供される。1つ以上の実施例において、(ブロック1012)のステップが、計測データのバラバラのチャンクについて1つ以上のクロップを決定するために、数回繰り返されうる。
【0019】
1つ以上の実施例において、方法1000は、構築データセット108のために使用される1つ以上のクロップを決定するステップ(ブロック1014)を含む。クロップは、計測データセット104と構築データセット108の両方に見られる表面形状112など、1つ以上の選択パラメータを指定することで構築データセット108のサブセットを選択するデータクロッピングプロセスから得られる。1つ以上の実施例において、クロップは、以前に構築データセット108において決定され当該構築データセット108中で見られた(例えば、ブロック1006)対応する形状を有し又はそうでなければ形成する構築データのチャンク(例えば、メッシュフェイス(mesh face))により得られ、又は当該チャンクを形成する。1つ以上の実施例において、クロップを決定するステップ(ブロック1014)によって、構築データセット108中で特定された(例えば、ブロック1006)物品102の表面形状112を表すメッシュデータサブセットといった構築データサブセット116が得られ、又は提供される。1つ以上の実施例において、(ブロック1014)のステップが、構築データのバラバラのチャンクについて1つ以上のクロップを決定するために、数回繰り返されうる。
【0020】
図1Aを参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、計測データセット104のサブセット又はチャンク(例えば、計測データサブセット114)のための点群生成を引き起こすステップ(ブロック1016)を含む。上記引き起こすステップ(ブロック1016)は、クロップのための、又はクロップを決定するための(例えば、ブロック1012)の分解能パラメータ及びサンプルパラメータを提供する。
【0021】
1つ以上の実施例において、方法1000は、構築データセット108のサブセット又はチャンク(例えば、構築データサブセット116)のための点群生成を引き起こすステップ(ブロック1018)を含む。上記引き起こすステップ(ブロック1016)は、クロップのための、又はクロップを決定するための(例えば、ブロック1014)の分解能パラメータ及びサンプルパラメータを提供する。
【0022】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、計測データセット104を処理するステップ(ブロック1020)を含む。おおまかに、データのサブセットから点群を生成する際に使用するための、計測データセット104の1つ以上のサブセット(例えば、計測データサブセット114)を切り出し処理するために、計測データセット104が処理される。
【0023】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理するステップ(ブロック1020)は、計測データセット104を切り出すステップ(ブロック1022)を含む。計測データセット104が、以前に決定されたクロップ(例えば、ブロック1012)に従って切り出される。例えば、計測データサブセット114は、当該計測データサブセット114が、以前に特定され選択された(例えば、ブロック1006)物品102の表面形状112を表すように、計測データセット104から切り出される。
【0024】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理するステップ(ブロック1020)は、計測データサブセット114といった計測データセット104の少なくとも一部分をデシメートする(decimate、間引く)ステップ(ブロック1024)を含む。計測データセット104は、計測データの分解能を所望の又は適切な分解能に調整するため、例えば下げるためにデシメートされる。
【0025】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理する(ブロック1020)は、計測データサブセット114といった計測データセット104の少なくとも一部分を閾値処理(threshold、二値化、閾値選定)するステップ(ブロック1026)を含む。計測データ(例えば、ボクセル)を閾値処理して、強度、画像勾配等に基づき様々なクラスに分けるために、計測データセット104が処理される。1つ以上の実施例において、計測データセット104を閾値処理することが、大津法(Otsu’s method)を使用して実行される。1つ以上の実施例において、計測データセット104を閾値処理することが、勾配の大きさによる閾値選定(gradient magnitude thresholding)を使用して実行される。
【0026】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理する(ブロック1020)は、計測データサブセット114といった計測データセット104の少なくとも一部分を抽出するステップ(ブロック1028)を含む。1つ以上の実施例において、計測データセット104を抽出することが、三次元の別個のスカラ場(その要素はボクセルと呼ばれることもある)から、等値面のポリゴンメッシュを抽出するマーチングキューブ法又は他の適切なコンピュータグラフィックスのアルゴリズムを使用して実行される。
【0027】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理する(ブロック1020)は、計測データサブセット114といった計測データセット104の少なくとも一部分をメッシング(メッシュ生成、meshing)するステップ(ブロック1030)を含む。1つ以上の実施例において、メッシングは、計測データサブセット114から、点群といったコンピュータモデルを生成するための画像ベースのメッシングプロセスである。
【0028】
1つ以上の実施例において、方法1000が、計測点群118を生成するステップ(ブロック1032)を含む。計測点群118は、計測データセット104に対して実行された上記処理ステップに基づいて生成される。1つ以上の実施例において、計測点群118は、計測データサブセット114を使用して生成されており、以前に特定され選択された(例えば、ブロック1006)計測データセット104と構築データセット108の両方に存在した物品102の表面形状112を表す(例えば、当該表面形状112の三次元表現である)。計測点群118は、計測座標系106内に存在する。従って、計測点群118の各データ点は、計測座標系106において、XYZ-座標値を有する。
【0029】
1つ以上の実施例において、方法1000が、計測点群118をシリアル化する(serialize)ステップ(ブロック1034)を含む。計測点群118をシリアル化することで、再利用を目的とした計測点群118の取得、保存、及び取り出しが可能となる。
【0030】
図1A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、構築データセット108を処理するステップ(ブロック1036)を含む。おおまかに、データのサブセットから点群を生成する際に使用するための、構築データセット108の1つ以上のサブセット(例えば、構築データサブセット116)を切り出し処理するために、構築データセット108が処理される。
【0031】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理するステップ(ブロック1036)は、構築データセット108を切り出すステップ(ブロック1038)を含む。構築データセット108が、以前に決定されたクロップ(例えば、ブロック1014)に従って切り出される。例えば、構築データサブセット116は、当該構築データサブセット116が、以前に特定され選択された(例えば、ブロック1006)物品102の表面形状112を表すように、構築データセット108から切り出される。
【0032】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記処理する(ブロック1036)は、構築データサブセット116といった構築データセット108の少なくとも一部分をメッシングするステップ(ブロック1040)を含む。1つ以上の実施例において、メッシングは、構築データサブセット116から、点群といったコンピュータモデルを生成するための画像ベースのメッシングプロセスである。
【0033】
1つ以上の実施例において、方法1000が、構築点群120を生成するステップ(ブロック1042)を含む。構築点群120は、構築データセット108に対して実行された上記処理ステップに基づいて生成される。1つ以上の実施例において、構築点群120は、構築データサブセット116を使用して生成されており、以前に特定され選択された(例えば、ブロック1006)計測データセット104と構築データセット108の両方に存在した物品102の表面形状112を表す(例えば、当該表面形状112の三次元表現である)。構築点群120は、構築座標系110内に存在する。従って、構築点群120の各データ点は、構築座標系110において、XYZ-座標値を有する。
【0034】
1つ以上の実施例において、方法1000が、構築点群120をシリアル化するステップ(ブロック1044)を含む。構築点群120をシリアル化することで、再利用を目的とした構築点群120の取得、保存、及び取り出しが可能となる。
【0035】
図1A及び図1Bを参照すると、1つ以上の実施例において、入力の処理及びICPプロセスのセットアップに関する第1のまとまりの工程(図1Aに図示)に従って生成された計測点群118及び構築点群120が、ICPプロセス(図1Bに図示)に実行に関する第2のまとまりの工程において提供され、又はそうでなければ使用される。
【0036】
図1B及び図2参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、計測点群118を取得するステップ(ブロック1046)と、構築点群120を取得するステップ(ブロック1048)と、を含む。計測点群118及び構築点群120は、コンピュータ164の処理工程から直接的に取得されうる。代替的に、計測点群118及び構築点群120が、コンピュータストレージ176から取得されうる。
【0037】
図1B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、ICPプロセスのために、計測点群118及び構築点群120の点群をセットアップするステップ(ブロック1050)と、を含む。セットアッププロセスでは、ICPプロセスのために計測点群118及び構築点群120を準備する。
【0038】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記セットアップするステップ(ブロック1050)は、計測点群118及び構築点群120をロードするステップ(ブロック1052)を含む。1つ以上の実施例において、計測点群118及び構築点群120が、コンピュータ164によって実行された処理アプリケーションへとロードされる。
【0039】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記セットアップするステップ(ブロック1050)は、計測点群118と構築点群120とを事前に位置合わせするステップ(ブロック1054)を含む。1つ以上の実施例において、計測点群118と構築点群120との事前位置合わせが、位置合わせパラメータの所定のセットに基づいて、コンピュータ164により実行された処理アプリケーションによって自動的に行われる。計測点群118と構築点群120との事前位置合わせでは、例えば、計測点群118と構築点群120の両方に表された物品102の何らかの形状特徴に基づいて、点群同士を最初に互いに近づけてマッチさせて配置する。
【0040】
1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記セットアップするステップ(ブロック1050)は、計測点群118及び構築点群120を検査するステップ(ブロック1056)を含む。1つ以上の実施例において、計測点群118及び構築点群120の検査は、計測点群118が構築点群120の部分集合(subset)であるかを判定すること(ブロック1058)によって行われる。換言すれば、計測点群118全体が構築点群120内に含まれていることが望ましい。上記計測点群が適切な部分集合であると判定された(例えば、ブロック1058)場合には、計測点群118及び構築点群120の操作が行われる。上記計測点群が適切な部分集合ではないと判定された(例えば、ブロック1058)場合には、事前位置合わせ(例えば、ブロック1054)及び検査(例えば、ブロック1056)のプロセスが繰り返される。
【0041】
図1B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、計測点群118及び構築点群120を操作するステップ(ブロック1060)を含む。1つ以上の実施例において、計測点群118と構築点群120との事前位置合わせ(例えば、最初の推測)は、事前の位置合わせが適当であると見做されるまで、回転、平行移動、及び/又はスカラを用いて操作される。1つ以上の実施例において、上記操作するステップ(ブロック1060)が、回転、平行移動、及び/又はスカラの少なくとも1つを選択するなど、事前の位置合わせのパラメータを調整するステップ(ブロック1062)を含む。1つ以上の実施例において、上記操作するステップ(ブロック1060)が、回転、平行移動、及び/又はスカラの少なくとも1つなど、上記パラメータを計測点群118と構築点群120の一方又は両方に適用するステップ(ブロック1064)を含む。1つ以上の実施例において、上記操作するステップ(ブロック1060)は、計測点群118と構築点群120との位置合わせを検査するステップ(ブロック1066)を含む。これらの処理ステップは、計測点群118と構築点群120との事前の位置合わせがICPプロセスにとって適当であると見做されるまで、必要に応じて繰り返されうる。1つ以上の実施例において、方法1000は、最初の推測を再構築して、計測点群118及び構築点群120のレンダリングを更新するステップを含む。
【0042】
図1B及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、ICPプロセスの実行をトリガするステップ(ブロック1068)を含む。1つ以上の実施例において、ICPプロセスは、コンピュータ164によるアプリケーションの実行によって実行される。1つ以上の実施例において、ICPプロセスは、ICPアルゴリズム132に基づいて実行される。1つ以上の例において、ICPアルゴリズム132が高速動作パラメータ(fast run parameter)を用いて実行される。
【0043】
1つ以上の実施例において、方法1000は、ICPプロセス(例えば、ブロック1068)の結果が妥当であるかを判定するステップ(ブロック1070)を含む。上記結果が妥当であると判定された(例えば、ブロック1070)場合には、方法1000は、ICPプロセスの実行をトリガするステップ(ブロック1072)を含む。1つ以上の実施例において、ICPプロセスは、コンピュータ164によるアプリケーションの実行によって実行される。1つ以上の実施例において、ICPプロセスは、ICPアルゴリズム132に基づいて実行される。1つ以上の例において、ICPアルゴリズム132が、高分解能動作パラメータ(high resolution run parameter)を用いて実行される。上記結果が妥当ではないと判定された(例えば、ブロック1070)場合には、方法1000は、セットアップ問題で問題点があるかを判定するステップ(ブロック1074)を含む。セットアップ問題で問題点がないと判定された(例えば、ブロック1074)場合には、プロセスは、点群の操作(例えば、ブロック1060)に戻り、プロセスが継続される。セットアップ問題で問題点があると判定された(例えば、ブロック1074)場合、方法1000は、計測点群118及び構築点群120の少なくとも一方など、点群を再生成するステップ(ブロック1076)を含む。
【0044】
図1B及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法1000は、ICPプロセスを見直すステップ(ブロック1078)を含む。1つ以上の例において、方法1000、例えば上記見直すステップ(ブロック1078)は、目的とするICP関数を設定するステップ(ブロック1080)を含む。1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記見直すステップ(ブロック1078)は、例えば、剛体(rigid)、アフィン(affine)、非コンフォーマル(non-conformal)など、マッピングタイプに対して調整するステップ(ブロック1082)含む。1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記見直すステップ(ブロック1078)は、ICPトリミングのためのコールバック(callback)を調整するステップ(ブロック1084)を含む。1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記見直すステップ(ブロック1078)は、ICPの最適化を実行するステップ(ブロック1086)を含む。1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記見直すステップ(ブロック1078)は、変換結果及び適合(fit)の良さについての意味のある(例えば、人間が読める)測定値などへと、ICPプロセス(例えば、ブロック1068)の結果を操作するステップ(ブロック1088)を含む。
【0045】
1つ以上の実施例において、方法1000は、ICPプロセス(例えば、ブロック1068及び/又はブロック1072)の結果が妥当であるかを判定するステップ(ブロック1090)を含む。上記結果が妥当ではないと判定された(ブロック1090)場合には、セットアップ問題に問題点が存在するかを判定するステップ(ブロック1074)に再び戻る。上記結果が妥当であると判定された(例えば、ブロック1090)場合には、方法1000は、登録変換122(本明細書では単に変換122とも称される)としての結果を受け入れるステップ(ブロック1092)を含む。
【0046】
1つ以上の実施例において、方法1000が、変換122をシリアル化するステップ(ブロック1094)を含む。変換122をシリアル化することで、再利用を目的とした変換122の取得、保存、及び取り出しが可能となる。
【0047】
図1B及び図1Cを参照すると、1つ以上の実施例において、ICPプロセス(例えば、ブロック1068及び/又はブロック1072)によって、ICPプロセスの実行に関する第2のまとまりの工程(図1Bに図示)に従って生成された変換122が、ICPプロセスの結果の検査、及び変換の適用に関する第3のまとまりの工程において提供され、又はそうでなければ使用される。
【0048】
図1C及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法1000は、計測データセット104を取得するステップ(ブロック1096)と、構築データセット108を取得するステップ(ブロック1098)と、変換122を取得するステップ(ブロック1100)と、を含む。1つ以上の実施例において、方法1000が、変換122をセットアップするステップ(ブロック1102)を含む。1つ以上の実施例において、方法1000、例えば上記セットアップするステップ(ブロック1102)は、計測データセット104をロードするステップ(ブロック1104)と、構築データセット(108)をロードするステップ(ブロック1106)と、を含む。
【0049】
1つ以上の実施例において、方法1000が、変換122を適用するステップ(ブロック1108)を含む。例えば、変換122を適用するステップ(ブロック1108)は、変換122を計測データセット104に適用するステップ(ブロック1110)を含む。変換122を計測データセット104に適用すると、計測データセット104が構築座標系110に登録される。例えば、変換122は、計測座標系106において計測データセット104に適用される回転、平行移動、及び/又はスカラの少なくとも1つを含み、これにより、適用後には、計測データセット104が構築座標系110に登録される。
【0050】
1つ以上の実施例において、方法1000は、対応する点群(計測点群118及び/又は構築点群120)を検査する(例えば、フライスルー(fly-through))ステップ(ブロック1112)を含む。1つ以上の実施例において、変換122が、計測データセット104の任意の計測データサブセット114、又は計測データサブセット114から生成され若しくはレンダリングされた計測点群118に対して適用され、かつ計測データセット104の任意の計測データサブセット114、又は計測データサブセット114から生成され若しくはレンダリングされた計測点群118について検査される。1つ以上の実施例において、変換122が、計測データセット104全体、又は計測データセット104全体から生成され若しくはレンダリングされた計測点群118に対して適用され、かつ計測データセット104全体、又は計測データセット104全体から生成され若しくはレンダリングされた計測点群118について検査される。
【0051】
例として図2を参照すると、本開示はまた、データを座標系に登録するためのシステム100に関する。1つ以上の実施例において、システム100は、方法1000が実行される解析環境186内に位置している。1つ以上の実施例において、システム100は、方法1000の少なくとも一部を実現する一連の工程を行うよう構成されている。1つ以上の実施例において、システム100は、コンピュータ164を含み、又はコンピュータ164を使用して実現される。例えば、システム100は、コンピュータを利用する(computer-implemented)システムである。1つ以上の実施例において、コンピュータ164は、システム100によって実行される工程を実施するために、命令168を実行する。本例において、コンピュータ164は1つ以上のコンピュータ、計算装置、又は計算システムを含みうる。コンピュータ164が1より多いコンピュータを含むときには、当該コンピュータは、任意の数の有線の、無線の、光学的な、又は他の種類の通信リンクを使用して互いに通信することができる。
【0052】
1つ以上の例において、システム100はデータプロセッサ180を含む。データプロセッサ180は、計測データセット104、計測データサブセット114、構築データセット108、及び構築データサブセット116に適用される方法1000の1つ以上の処理工程を実行するよう構成又は適合されている。1つ以上の例において、システム100は点群生成器182を含む。点群生成器182は、データサブセットから点群を生成するなどの、計測点群118及び構築点群120に適用される方法1000の1つ以上の処理工程を実行するよう構成又は適合されている。1つ以上の例において、システム100は点群解析器184を含む。点群解析器184は、ICPアルゴリズム132を実行するなどの、計測点群118及び構築点群120に適用される方法1000の1つ以上の処理工程を実行するよう構成又は適合されている。
【0053】
1つ以上の実施例において、データプロセッサ180、点群生成器182、及び点群解析器184は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実現される。例えば、データプロセッサ180、点群生成器182、及び点群解析器184は、一連の工程を実施するための命令168を実行するプロセッサ166によって実現される。
【0054】
1つ以上の例において、システム100は、ユーザインタフェース(UI)174を含む。ユーザインタフェース174は、例えばグラフィカルユーザインタフェースである。1つ以上の実施例において、データプロセッサ180、点群生成器182、及び点群解析器184のうちの1つ以上の利用が、ユーザインタフェース174によってユーザに図式的に表示される。
【0055】
図3図6、及び図1を参照すると、方法1000(図1)の様々な工程又は処理ステップが実行される間のユーザインタフェース174の様々な例が図で示されている。
【0056】
図3及び図1Aを参照すると、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174が、例えば計測データセット104がロードされ(例えば、ブロック1008)コンピュータ164によってレンダリングされた後の、計測データセット104を図で示している。1つ以上の実施例において、計測データセット104、又はそのレンダリングが視覚的に表され、ユーザインタフェース174によって表示される。一例として、計測データセット104全体が、三次元の点群(例えば、計測点群118)として表される。ユーザインタフェース174は、例えば、XY-平面図190、ZY-平面図192、及びXZ-平面図194を含む二次元ビュー(例えば、断面図)、並びに、三次元ビュー196などの様々なビューでの計測データセット104の点群表現を表示する。ユーザインタフェース174によって、計測データセット104及び構築データセット108によって表された物品102の表面形状112のうちの対応するものの検査(例えば、特定及び選択)(例えば、ブロック1006)が可能となる。ユーザインタフェース174によって、計測データセット104(例えば、計測点群118)の操作が可能となり、これにより、表面形状112に対応するクロップ198が決定されうる(例えば、ブロック1012)。
【0057】
図4及び図1Aを参照すると、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174が、例えば構築データセット108がロードされ(例えば、ブロック1010)コンピュータ164によってレンダリングされた後の、構築データセット108を図で示している。1つ以上の実施例において、構築データセット108、又はそのレンダリングが視覚的に表され、ユーザインタフェース174によって表示される。一例として、構築データセット108全体が、三次元の点群(例えば、構築点群120)として表される。ユーザインタフェース174は、例えば、XY-平面図190、ZY-平面図192、及びXZ-平面図194を含む二次元ビュー(例えば、断面図)、並びに、三次元ビュー196などの様々なビューでの構築データセット108の点群表現を表示する。ユーザインタフェース174によって、計測データセット104及び構築データセット108によって表された物品102の表面形状112のうちの対応するものの検査(例えば、特定及び選択)(例えば、ブロック1006)が可能となる。ユーザインタフェース174によって、構築データセット108(例えば、構築点群120)の操作が可能となり、これにより、表面形状112に対応するクロップ198が決定されうる(例えば、ブロック1014)。
【0058】
図5、並びに図1A及び図1Bを参照すると、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174は、計測データセット104を処理するステップ(ブロック1020)、構築データセット108を処理するステップ(ブロック1036)、計測点群118を生成するステップ(ブロック1032)、構築点群120を生成するステップ(ブロック1042)、点群をセットアップするステップ(ブロック1050)、点群を操作するステップ(ブロック1060)、並びに、ICPをトリガするステップ(ブロック1068及び/又はブロック1072)のうちの1つ以上を図で示している。図5の区域Aに示すように、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174は、クロッピング(例えば、ブロック1022)、デシメート(例えば、ブロック1024)、閾値処理(例えば、ブロック1026)、抽出(例えば、ブロック1028)、及びメッシング(例えば、ブロック1030)の後に、計測データサブセット114から生成された計測点群118を表示している。図5の区域Bに示すように、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174は、クロッピング(例えば、ブロック1038)、及びメッシング(例えば、ブロック1040)の後に、構築データサブセット116から生成された構築点群120を表示している。図5の区域Cに示すように、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174によって、計測点群118及び構築点群120(例えば、データセットの切り出された部分)の操作、例えば、計測点群118と構築点群120との事前の位置合わせ(例えば、ブロック1054)、計測点群118及び構築点群120の検査(例えば、ブロック1056)、並びに、計測点群118が構築点群120の部分集合であるかの判定(例えば、ブロック1058)が可能となる。図5の区域Dに示すように、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174によって、ICPプロセスから得られる登録変換(例えば、変換122)の見直しについて、ICPプロセス(例えば、ICPアルゴリズム132の実行)の結果を視覚的に表示することが可能となる。
【0059】
図6及び図1Cを参照すると、1つ以上の実施例において、ユーザインタフェース174は、計測データセット104を構築座標系110に登録して計測データセット104を構築データセット108と位置合わせするための、計測データセット104(例えば、計測点群118)に対する変換122の適用の結果(例えば、ブロック1108)を図で示している。
【0060】
例として、図7A及び図7B、並びに図2図6を参照すると、本開示はまた、データを座標系に登録するためのコンピュータにより実行される方法2000に関する。1つ以上の実施例において、方法2000は、方法1000(図1)の少なくとも一部の例示的な実施形態である。
【0061】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000は、計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得するステップ(ブロック2002)を含む。方法2000は、構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得するステップ(ブロック2004)を含む。方法2000は、計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定(例えば、特定及び/又は選択)するステップ(ブロック2006)を含む。方法2000は、計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択するステップ(ブロック2008)を含む。方法2000は、構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択するステップ(ブロック2010)を含む。方法2000は、計測座標系106における計測データサブセット114から、計測点群118を生成するステップ(ブロック2012)を含む。方法2000は、構築座標系110における構築データサブセット116から、構築点群120を生成するステップ(ブロック2014)を含む。方法2000は、計測点群118と構築点群120とを事前に位置合わせするステップ(ブロック2016)を含む。方法2000は、計測点群118及び構築点群120を登録するステップ(ブロック2018)を含む。方法2000は、計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算するステップ(ブロック2020)を含む。方法2000は、変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換するステップ(ブロック2022)を含む。
【0062】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000によれば、計測データセット104は、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)ファイル126からのボクセルデータセット124を含む。1つ以上の実施例において、構築データセット108が、構築ファイル130からのメッシュデータセット128を含む。
【0063】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、上記事前に位置合わせするステップ(ブロック2016)は、計測点群118が構築点群120の部分集合であることを確認するステップ(ブロック2024)を含む。換言すれば、上記事前に事前に位置合わせするステップ(ブロック2016)は、計測データサブセット114又は計測点群118の全体が、構築データサブセット116又は構築点群120の中に含まれることを確認するステップを含む。
【0064】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、上記事前に位置合わせするステップ(ブロック2016)は、表面形状112において表された非対称的な特徴134を位置合わせするステップ(ブロック2026)を含む。一例として、物品102は、当該物品102の表面上に位置し、形成され、又はそうでなければ配置された少なくとも1つの非対称的な特徴134を含むように、製造され又はそうでなければ作製される。1つ以上の実施例において、非対称的な特徴134は、表面形状112の一部分であって、計測データセット104と構築データセット108との両方の中に存在するとして特定されており、計測データサブセット114と構築データサブセット116との両方によって表されているとして選択された一部分を形成する。非対称的な特徴134の例として、任意の適切な非対称的な三次元の外面形状を有するくぼみ、凹部、突起部などが挙げられる。
【0065】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、上記登録するステップ(ブロック2018)は、ICPアルゴリズム132を実行するステップ(ブロック2028)を含む。先に記載したように、1つ以上の実施例において、ICPアルゴリズム132は、高速動作パラメータ及び/又は高分解能動作パラメータなどを用いて、1回以上実行することができる。
【0066】
これに対応して、方法1000(図1)の例のように、方法2000(図7A及び図7B)の例では、計測データセット104を構築座標系110に登録するなど、そのデータにとって固有ではない座標系にデータを登録することが、変換122を決定しその変換122を計測データセット104に適用し、これにより、計測データセット104を計測座標系106から構築座標系110に変換することによって、促進される。異なる非固有の座標系への上記変換によって、有利に、様々な種類のデータセット(例えば、設計、及び計測)を、非破壊試験の結果を解析する間の比較のために、互いに位置合わせすることが可能となる。これに対応して、1つ以上の実施例において、方法2000はまた、非破壊試験の結果を解析プロセスにも関する。
【0067】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法2000は、計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出するステップ(ブロック2030)を含む。一例として、欠陥156は、任意の適切なデータ解析プロセスを使用して、例えば、物品102の密度を表すために、計測データセット104(例えば、CTファイル126)中のボクセルの強度を解析することなどによって、検出することができる。
【0068】
図7A及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法2000は、構築座標系110において欠陥156の位置158を決定するステップ(ブロック2032)を含む。例えば、欠陥156は、計測データセット104において特定又はそうでなければ検出されており、これにより、計測座標系106において欠陥156の位置158も提供される。変換122が、計測データセット104に適用されて、計測データセット104が構築座標系110に登録され、これにより、構築座標系110における位置158が提供される。
【0069】
これに対応して、方法1000(図1)の例のように、方法2000(図7A及び図7B)の例では、計測データにとって固有ではない座標系に対する、計測データから決定される欠陥の位置の決定が、例えば、変換122を計測データセット104に適用し、これにより、計測データセット104を計測座標系106から構築座標系110に変換し、構築座標系100において欠陥156の位置158を決定することによって、促進される。異なる非固有の座標系への上記変換によって、有利に、計測データセットにおいて表された物品102の内部の部分の位置を、構築座標系110において位置づけることが可能となる。上記変換によって、有利に、異なる種類の計測データセットを、非破壊試験の結果を解析する間の比較のために、互いに位置合わせすることも可能となる。これに対応して、1つ以上の実施例において、方法2000はまた、様々な非破壊試験の方法に含まれる異なる種類の計測データ(例えば、非破壊試験の結果)を比較するためのプロセスにも関する。
【0070】
図7B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000は、第2の計測座標系138において物品102を表す第2の計測データセット136を取得するステップ(ブロック2034)を含む。方法2000は、第2の計測データセット136及び構築データセット108において存在する物品102の第2の表面形状140を決定するステップ(ブロック2036)を含む。方法2000は、第2の計測データセット136から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の計測データサブセット142を選択するステップ(ブロック2038)を含む。方法2000は、構築データセット108から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の構築データサブセット144を選択するステップ(ブロック2040)を含む。方法2000は、第2の計測座標系138における第2の計測データサブセット142から、第2の計測点群146を生成するステップ(ブロック2042)を含む。方法2000は、構築座標系110における第2の構築データサブセット144から、第2の構築点群148を生成するステップ(ブロック2044)を含む。方法2000は、第2の計測点群146と第2の構築点群148とを事前に位置合わせするステップ(ブロック2046)を含む。方法2000は、第2の計測点群146及び第2の構築点群148を登録するステップ(ブロック2048)を含む。方法2000は、第2の計測座標系138と構築座標系110との間の第2の変換150を計算するステップ(ブロック2050)を含む。方法2000は、第2の変換150を第2の計測データセット136に適用して、第2の計測データセット136を構築座標系110に変換するステップ(ブロック2052)を含む。
【0071】
1つ以上の実施例において、第2の表面形状140と表面形状112は同じものである。同例において、第2の構築データサブセット144は構築データサブセット116と同じものであり、第2の構築点群148は構築点群120と同じものである。他の例において、第2の表面形状140と表面形状112とは異なっている。同例において、第2の構築データサブセット144は構築データサブセット116とは異なっており、第2の構築点群148は構築点群120とは異なっている。
【0072】
図7B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000によれば、計測データセット104と、構築データセット108と、第2の計測データセット136とは、異なる種類のデータを含む。1つ以上の実施例において、計測データセット104が、コンピュータ断層撮影ファイル126からのボクセルデータセット124を含む。1つ以上の実施例において、構築データセット108が、構築ファイル130からのメッシュデータセット128を含む。1つ以上の実施例において、第2の計測データセット136が、光断層撮影(OT)ファイル154からのボクセルデータセット152を含む。
【0073】
図7B及び図2を参照すると、1つ以上の例において、方法2000は、第2の計測データセット136によって表わされた物品102における第2の欠陥160を検出するステップ(ブロック2054)を含む。一例として、第2の欠陥160は、任意の適切なデータ解析プロセスを使用して、例えば、物品102における不適合を表すために第2の計測データセット136(例えば、OTファイル154)中のボクセルを解析することなどによって、検出することができる。
【0074】
図7B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000は、構築座標系110において第2の欠陥160の第2の位置162を決定するステップ(ブロック(2056)を含む。例えば、第2の欠陥160は、第2の計測データセット136において特定又はそうでなければ検出されており、これにより、第2の計測座標系138において第2の欠陥160の第2の位置162も提供される。第2の変換150が、第2の計測データセット136に適用されて、第2の計測データセット136が構築座標系110に登録され、これにより、構築座標系110おける第2の位置162が提供される。
【0075】
図7B及び図2を参照すると、1つ以上の実施例において、方法2000は、変換122及び第2の変換150を計測データセット104に適用して、計測データセット104を第2の計測座標系138に変換するステップ(ブロック2058)を含む。計測データセット104を第2の計測座標系138に変換又は登録することによって、欠陥156の位置158と第2の欠陥160の第2の位置162との比較が可能となり、これにより、異なる種類の計測方法又は非破壊試験方法の間での、欠陥の解析が可能となる。一例として、方法2000は、欠陥156と第2の欠陥160とを一致させるステップを含む。例えば、欠陥156が、計測データセット104において特定又はそうでなければ検出されており、これにより、計測座標系106における欠陥156の位置158も提供される。変換122が、計測データセット104に適用されて、計測データセット104が構築座標系110に登録され、これにより、構築座標系110における位置158が提供される。その後、第2の変換150の逆数が、計測データセット104に適用されて、計測データセット104が第2の計測座標系138に登録され、これにより、第2の計測座標系138における欠陥156の位置158が提供される。登録後に、第2の計測座標系138の位置158にある、計測データセット104で表された欠陥156を、第2の計測データセット136で表された同じ位置と比較して、対応する第2の位置162にある潜在的な第2の欠陥160と一致させることができる。
【0076】
図2、並びに、図1A図1B図1C図7A、及び図7Bを参照すると、1つ以上の実施例において、システム100が、方法1000(図1)及び/又は方法2000(図7A及び図7B)を実行するよう構成又は適合される。1つ以上の実施例において、システム100が、命令168を用いてプログラムされたプロセッサ166を含むコンピュータ164を含み、命令168は、プロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164に、計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測座標系106における計測データサブセット114から計測点群118を生成させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築座標系110における構築データサブセット116から構築点群120を生成させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測点群118と構築点群120とを事前に位置合わせさせる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測点群118及び構築点群120を登録させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換させる。
【0077】
図2を参照すると、1つ以上の例において、システム100が、計測データセット104を取得する計測機器170を含む。
【0078】
図2、並びに図7A及び図7Bを参照すると、1つ以上の実施例において、命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築座標系110において欠陥156の位置158を決定させる。
【0079】
図2、並びに図7A及び図7Bを参照すると、1つ以上の実施例において、命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測座標系138において物品102を表す第2の計測データセット136を取得させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測データセット136及び構築データセット108において物品102の第2の表面形状140を決定させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測データセット136から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の計測データサブセット142を選択させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築データセット108から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の構築データサブセット144を選択させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測座標系138における第2の計測データサブセット142から、第2の計測点群146を生成させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築座標系110における第2の構築データサブセット144から、第2の構築点群148を生成させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測点群146と第2の構築点群148とを事前に位置合わせさせる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測点群146及び第2の構築点群148を登録させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測座標系138と構築座標系110との間の第2の変換150を計算させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の変換150を第2の計測データセット136に適用して、第2の計測データセット136を構築座標系110に変換させる。
【0080】
図2、並びに図7A及び図7Bを参照すると、1つ以上の実施例において、命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、第2の計測データセット136によって表わされた物品102における第2の欠陥160を検出させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、構築座標系110において第2の欠陥160の第2の位置162を決定させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、変換122及び第2の変換150を計測データセット104に適用して、計測データセット104を第2の計測座標系138に変換させる。命令168は、少なくとも1つのプロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164にさらに、欠陥156と第2の欠陥160とを一致させる。
【0081】
ここで、例として図8、及び図1A図7Bを参照すると、本開示はまた、データを座標系に登録するためのコンピュータプログラム製品922に関する。1つ以上の実施例において、コンピュータプログラム製品922の実行が、方法1000(図1)を実行するよう構成又は適合されている。1つ以上の例において、コンピュータプログラム製品922の実行は、方法2000(図7A及び図7B)を実行するよう構成又は適合されている。1つ以上の実施例において、コンピュータプログラム製品922が、システム100(図2)を使用して実行される。コンピュータプログラム製品922は、プログラムコード918が格納された非一過性コンピュータ可読媒体920を含み、プログラムコード918は、コンピュータ164によって実行されると、コンピュータ164に工程を実行させる。
【0082】
1つ以上の実施例において、上記工程は、計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得することを含む。上記工程は、構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得することを含む。上記工程は、計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定することを含む。上記工程は、計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択することを含む。上記工程は、構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択することを含む。上記工程は、計測座標系106における計測データサブセット114から、計測点群118を生成することを含む。上記工程は、構築座標系110における構築データサブセット116から、構築点群120を生成することを含む。上記工程は、計測点群118と、構築点群120と、を事前に位置合わせすることを含む。上記工程は、計測点群118及び構築点群120を登録することを含む。上記工程は、計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算することを含む。上記工程は、変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換することを含む。
【0083】
1つ以上の実施例において、上記工程は、計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出することを含む。上記工程は、構築座標系110において欠陥156の位置158を決定することを含む。
【0084】
図2を参照すると、1つ以上の実施例において、システム100が、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実現される。ソフトウェアが使用されるときには、システム100によって実施される工程は、例えば、限定するものではないが、プロセッサユニット上で実行されるように構成されたプログラムコードを使用して実行することができる。ファームウェアが使用されるときには、システム100によって実施される工程は、例えば、限定するものではないが、プロセッサユニット上で実行されるプログラムコード及びデータを使用して実行され、永続的なメモリに格納されうる。
【0085】
ハードウェアが利用するときには、ハードウェアは、システム100によって実施される工程を実行するよう動作する1つ以上の回路を含みうる。ハードウェアは、実装に従って、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の工程を実施するよう構成された他の何らかの適切な種類のハードウェアデバイスの形態をとりうる。
【0086】
プログラマブル論理デバイスは、特定の工程を実行するよう構成されうる。上記デバイスは、これらの工程を実行するよう永続的に構成することができ、又は再構成可能でありうる。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック部、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は、他の何らかの種類のプログラマブルハードウェアデバイスの形態をとりうるが、これらに限定されない。
【0087】
幾つかの例示的な実施例では、システム100によって実施される工程及びプロセスは、無機的構成要素と一体化した有機的構成要素を使用して実行することができる。場合によっては、上記工程及びプロセスは、人間を除く完全に有機的構成要素によって実行することができる。例えば、有機半導体の回路を使用して、上記工程及びプロセスを実行することができる。
【0088】
図8を参照すると、1つ以上の実施例において、コンピュータ164(図2)が、データ処理システム900を含み又はその形態を取る。1つ以上の実施例において、データ処理システム900は、通信フレームワーク902を含み、これにより、少なくとも1つのプロセッサユニット904、メモリ906及び/又は固定記憶装置908といった1つ以上の記憶デバイス916、通信ユニット910、入力/出力ユニット912(I/Oユニット)、及びディスプレイ914の間の通信が提供される。本例では、通信フレームワーク902はバスシステムの形態を取る。
【0089】
プロセッサユニット904は、プロセッサ166(図2)の一例であり、メモリ906にロードされうるソフトウェアの命令168(図2)を実行するために役立つ。1つ以上の実施例において、プロセッサユニット904は、特定の実装に従って、幾つかのプロセッサユニット、マルチプロセッサコア、又は他の何らかの種類のプロセッサである。
【0090】
メモリ906及び固定記憶装置908は、記憶デバイス916の例である。記憶デバイスは、例えば、限定するものではないが、データ、機能的な形態のプログラムコードの少なくとも一方などの情報、又は他の適切な情報を一時的及び/又は永続的に格納することができる任意のハードウェアである。記憶デバイス916は、1つ以上の実施例において、コンピュータ可読記憶デバイスとも称されうる。メモリ906は、例えば、ランダムアクセスメモリ、又は他の任意の適切な揮発性若しくは不揮発性の記憶デバイスである。固定記憶装置908は、特定の実装に従って様々な形式をとりうる。
【0091】
例えば、固定記憶装置908は、1つ以上の構成要素又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶装置908は、ハードドライブ、固体状態ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換可能な光ディスク、書換可能な磁気テープ、又はこれらの何らかの組み合わせである。固定記憶装置908によって使用される媒体はまた、取り外し可能でありうる。例えば、取り外しが可能なハードドライブが、固定記憶装置908のために使用されうる。
【0092】
通信ユニット910が、計測機器170(図2)又は他のコンピュータシステムといった他のシステム又はデバイスとの通信のために提供される。1つ以上の実施例において、通信ユニット910は、ネットワークインタフェースカードである。
【0093】
入力/出力ユニット912は、データ処理システム900に接続可能な他の装置とのデータの入出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット912は、キーボード、マウス、又は他の何らかの適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを通じて、ユーザ入力のための接続を提供する。さらに、入力/出力ユニット912は、プリンタに出力を送りうる。ディスプレイ914が、ユーザに情報を表示するしくみを提供する。例えば、ユーザインタフェース174が、ディスプレイ914によって表示される。
【0094】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つのための命令(例えば、命令168)が、通信フレームワーク902を通じてプロセッサユニット904と通信可能な記憶デバイス916内に位置しうる。様々な例のプロセス及び工程が、プロセッサユニット904によって、メモリ(メモリ906など)内に位置しうる、コンピュータにより実行される命令を使用して実施されうる。
【0095】
命令168は、プログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと称され、プロセッサユニット904のプロセッサによって読み出し実行することが可能である。様々な実行例におけるプログラムコードは、様々な物理的記憶媒体又はコンピュータ可読記憶媒体(メモリ906又は固定記憶装置908など)で具現化されうる。
【0096】
1つ以上の実施例において、プログラムコード918は、選択的に取り外しが可能なンピュータ可読媒体920上に機能的な形態で位置しており、プロセッサユニット904による実行のために、データ処理システム900にロード又は転送されうる。1つ以上の実施例において、プログラムコード918とコンピュータ可読媒体920とが、コンピュータプログラム製品922を形成する。1つ以上の実施例において、コンピュータ可読媒体920はコンピュータ可読記憶媒体924である。
【0097】
1つ以上の実施例において、コンピュータ可読記憶媒体924は、プログラムコード918を伝え又は転送する媒体というよりは、プログラムコード918を格納するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。
【0098】
代替的に、プログラムコード918は、コンピュータ可読信号媒体を使用して、データ処理システム900に送信されうる。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、プログラムコード918を含む伝播されるデータ信号でありうる。例えば、コンピュータ可読信号媒体は、電磁信号、光信号、又は他の任意の適切な種類の信号のうちの少なくとも1つでありうる。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、電線、又は他の任意の適切な種類の通信リンクといった少なくとも1つの通信リンクを介して伝送されうる。
【0099】
データ処理システム900に関して示される様々な構成要素は、様々な実施例が実施されうる形態に対して、アーキテクチャ上の制限を設けることを意図するものではない。様々な実施例が、データ処理システム900に関して示される構成要素に追加され又は当該構成要素と置換される構成要素を含むデータ処理システムにおいて実現されうる。図8に示した他の構成要素は、示される実施例とは異なりうる。様々な実施例が、プログラムコード918を実行することが可能な任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実現されうる。
【0100】
加えて、コンピュータ164及び/又はデータ処理システム900の様々な構成要素は、モジュールとして説明することができる。本開示の目的において、「モジュール(module)」という用語は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含む。一例として、モジュールは、本明細書に記載の実行されるプロセス(例えば、方法1000及び/又は方法2000)の記載される機能又は工程を実施又は実行するよう構成された1つ以上の回路を含みうる。他の例において、モジュールは、プロセッサ、記憶デバイス(例えば、メモリ)、及び、プロセッサによって実行されると記載された機能及び工程をプロセッサに実施又は実行させる命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含む。1つ以上の実施例において、モジュールは、コンピュータプログラム製品922を一緒に形成するプログラムコード918及びコンピュータ可読媒体920の形態を取る。1つ以上の実施例において、データプロセッサ180、点群生成器182、及び点群解析器184は、モジュールとして実装される。
【0101】
ここで図9及び図10を参照すると、本明細書に記載のシステム100、方法1000、方法2000、及び/又はコンピュータプログラム製品922の例は、図9のフロー図に示す航空機の製造及び保守方法1300、及び、図10に概略的に示す航空機1200に関連し又はこれらに関連して利用されうる。例えば、本明細書に記載の方法2000及び/又はコンピュータプログラム製品922は、航空機1200と関連する非破壊評価(NDE:nondestructive evaluation)プロセス、製造プロセス、又は付加製造プロセスの間に使用されうる。
【0102】
図10を参照すると、図10は航空機1200の一例を示している。航空機1200は、内装1206を有する機体1202を含む。航空機1200は、複数の搭載システム1204(例えば、高次システム)を含む。航空機1200の搭載システム1204の例には、推進システム1208、油圧システム1212、電気システム1210、及び環境システム1214が含まれる。他の例において、搭載システム1204は、航空機1200の機体1202、例えば、フラップ、スポイラ、エルロン、スラッド、ラダー、昇降舵、及びトリムタブに接続された1つ以上の制御システムも含む。さらに別の例において、搭載システム1204は、1つ以上の他のシステムも含み、例えば、限定するものではないが、通信システム、アビオニクスシステム、ソフトウェア分散システム、ネットワーク通信システム、乗客情報/エンタテイメントシステム、案内システム、レーダシステム、武器システムなどを含む。航空機1200は、システム100を使用して及び/又は方法1000又は方法2000に従って解析されている物品102を含む様々な構造を含みうる。
【0103】
図9に示すように、航空機1200の製造前の段階では、方法1300は、航空機1200の仕様及び設計(ブロック1302)、並びに材料調達(ブロック1304)を含む。航空機1200の製造段階では、航空機1200のコンポーネント及びサブアセンブリの製造(ブロック1306)、並びに、航空機1200のシステムインテグレーション(ブロック1308)が行われる。その後、航空機1200は、認可及び納品(ブロック1310)を経て、運航(ブロック1312)に供される。定期的な整備及び保守(ブロック1314)が、航空機1200の1つ以上のシステムの変更、再構成、改修等を含む。
【0104】
図9に示す方法1300の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実施又は実行されうる。本明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダ、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、かつ、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0105】
本明細書で図示又は記載されるシステム100、方法1000、方法2000、及びコンピュータプログラム製品922は、図9に示すフロー図で示された製造及び保守方法1300の1つ以上の任意の段階において利用されうる。一例において、システム100を使用して、及び/又は方法1000若しくは方法2000に従って解析若しくは検査される物品102は、コンポーネント及びサブアセンブリの製造(ブロック1306)及び/又はシステムインテグレーション(ブロック1308)の一部を形成しうる。さらに、システム100を使用して、及び/又は方法1000若しくは方法2000に従って解析若しくは検査される物品102は、航空機1200の運航(ブロック1312)期間中に準備されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様に利用されうる。さらに、システム100を使用して、及び/又は方法1000若しくは方法2000に従って解析若しくは検査される物品102は、システムインテグレーション(ブロック1308)、及び認可及び納品(ブロック1310)の間に利用されうる。同様に、システム100を使用して、及び/又は方法1000若しくは方法2000に従って解析若しくは検査される物品102は、例えば、航空機1200の運航(ブロック1312)中、及び整備及び保守(ブロック1314)の段階で利用されうるが、これらに限定されない。
【0106】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
【0107】
条項1.コンピュータにより実行される方法1000であって、
計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得することと、
構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得することと、
計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定することと、
計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択することと、
構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択することと、
計測座標系106における計測データサブセット114から、計測点群118を生成することと、
構築座標系110における構築データサブセット116から、構築点群120を生成することと、
計測点群118と、構築点群120と、を事前に位置合わせすることと、
計測点群118及び構築点群120を登録することと、
計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算することと、
変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換することと、
を含む、コンピュータにより実行される方法1000。
【0108】
条項2.計測データセット104が、コンピュータ断層撮影ファイル126からのボクセルデータセット124を含む、条項1に記載の方法1000。
【0109】
条項3.構築データセット108が、構築ファイル130からのメッシュデータセット128を含む、条項1又は2に記載の方法1000。
【0110】
条項4.事前に位置合わせするステップは、計測点群118が構築点群120の部分集合であると確認することを含む、条項1から3のいずれか一項に記載の方法1000。
【0111】
条項5.事前に位置合わせするステップは、表面形状112において表された非対称的な物理的特徴134を位置合わせすることを含む、条項4に記載の方法1000。
【0112】
条項6.登録するステップは、ICP(iterative closest point)アルゴリズム132を実行することを含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法1000。
【0113】
条項7.
計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出することと、
構築座標系110において欠陥156の位置158を決定することと、
をさらに含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法1000。
【0114】
条項8.
第2の計測座標系138において物品102を表す第2の計測データセット136を取得することと、
第2の計測データセット136及び構築データセット108において存在する物品102の第2の表面形状140を決定することと、
第2の計測データセット136から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の計測データサブセット142を選択することと、
構築データセット108から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の構築データサブセット144を選択することと、
第2の計測座標系138における第2の計測データサブセット142から、第2の計測点群146を生成することと、
構築座標系110における第2の構築データサブセット144から、第2の構築点群148を生成することと、
第2の計測点群146と、第2の構築点群148と、を事前に位置合わせすることと、
第2の計測点群146及び第2の構築点群148を登録することと、
第2の計測座標系138と構築座標系110との間の第2の変換150を計算することと、
第2の変換150を第2の計測データセット136に適用して、第2の計測データセット136を構築座標系110に変換することと、
をさらに含む、条項7に記載の方法1000。
【0115】
条項9.計測データセット104と、構築データセット108と、第2の計測データセット136と、が異なる種類のデータを含む、条項8に記載の方法1000。
【0116】
条項10.計測データセット104が、コンピュータ断層撮影ファイル126からのボクセルデータセット124を含み、
構築データセット108が、構築ファイル130からのメッシュデータセット128を含み、
第2の計測データセット136が、光断層撮影ファイル154からの第2のボクセルデータセット152を含む、条項9に記載の方法1000。
【0117】
条項11.
第2の計測データセット136によって表された物品102における第2の欠陥160を検出することと、
構築座標系110において欠陥160の位置162を決定することと、
をさらに含む、条項8から10のいずれか一項に記載の方法1000。
【0118】
条項12.変換122及び第2の変換150を第2の計測データセット104に適用して、計測データセット104を第2の計測座標系138に変換することをさらに含む、条項11に記載の方法1000。
【0119】
条項13.欠陥156と第2の欠陥160とを一致させることをさらに含む、条項11又は12に記載の方法1000。
【0120】
条項14.システム100であって、
命令168を用いてプログラムされたプロセッサ166を含むコンピュータ164であって、命令168が、プロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164に、
計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得することと、
構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得することと、
計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定することと、
計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択することと、
構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択することと、
計測座標系106における計測データサブセット114から、計測点群118を生成することと、
構築座標系110における構築データサブセット116から、構築点群120を生成することと、
計測点群118と、構築点群120と、を事前に位置合わせすることと、
計測点群118及び構築点群120を登録することと、
計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算することと、
変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換することと、
を行わせる、システム100。
【0121】
条項15.計測データ104を取得する計測機器170をさらに含む、条項14に記載のシステム100。
【0122】
条項16.命令168は、プロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164に、
計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出することと、
構築座標系110において欠陥156の位置158を決定することと、
をさらに行わせる、条項14又は15に記載のシステム100。
【0123】
条項17.命令168は、プロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164に、
第2の計測座標系138において物品102を表す第2の計測データセット136を取得することと、
第2の計測データセット136及び構築データセット108において存在する物品102の第2の表面形状140を決定することと、
第2の計測データセット136から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の計測データサブセット142を選択することと、
構築データセット108から、物品102の第2の表面形状140を表す第2の構築データサブセット144を選択することと、
第2の計測座標系138における第2の計測データサブセット142から、第2の計測点群146を生成することと、
構築座標系110における第2の構築データサブセット144から、第2の構築点群148を生成することと、
第2の計測点群146と、第2の構築点群148と、を事前に位置合わせすることと、
第2の計測点群146及び第2の構築点群148を登録することと、
第2の計測座標系138と構築座標系110との間の第2の変換150を計算することと、
第2の変換150を第2の計測データセット136に適用して、第2の計測データセット136を構築座標系110に変換することと、
を行わせる、条項14から16のいずれか一項に記載のシステム100。
【0124】
条項18.命令168は、プロセッサ166によって実行されると、コンピュータ164に、
第2の計測データセット136によって表された物品102における第2の欠陥160を検出することと、
構築座標系110において第2の欠陥160の位置162を決定することと、
変換122及び第2の変換150を計測データセット104に適用して、計測データセット104を第2の計測座標系138に変換することと、
欠陥156と第2の欠陥160とを一致させることと、
をさらに行わせる、条項17に記載のシステム100。
【0125】
条項19.コンピュータプログラム製品922であって、プログラムコード918が格納された非一過性コンピュータ可読媒体920含み、プログラムコード918は、コンピュータ164によってされると、コンピュータ164に、
計測座標系106において物品102を表す計測データセット104を取得することと、
構築座標系110において物品102を表す構築データセット108を取得することと、
計測データセット104及び構築データセット108において存在する物品102の表面形状112を決定することと、
計測データセット104から、物品102の表面形状112を表す計測データサブセット114を選択することと、
構築データセット108から、物品102の表面形状112を表す構築データサブセット116を選択することと、
計測座標系106における計測データサブセット114から、計測点群118を生成することと、
構築座標系110における構築データサブセット116から、構築点群120を生成することと、
計測点群118と、構築点群120と、を事前に位置合わせすることと、
計測点群118及び構築点群120を登録することと、
計測座標系106と構築座標系110との間の変換122を計算することと、
変換122を計測データセット104に適用して、計測データセット104を構築座標系110に変換することと、
を含む工程を実行させる、コンピュータプログラム製品922。
【0126】
条項20.工程が、
計測データセット104によって表された物品102における欠陥156を検出することと、
構築座標系110において欠陥156の位置158を決定することと、
をさらに含む、条項19に記載のコンピュータプログラム製品922。
【0127】
先の詳細な説明は、添付の図面に言及している。添付の図面は、本開示によって説明される具体的な実施例を示している。様々な構造及び工程を有する他の例も、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号が、異なる図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表わしうる。本開示全体を通じて、複数のアイテムのいずれもがそのアイテムとして個別に言及されてよく、複数のアイテムは、そのアイテムとして集合的に言及されることも、複数の同様の参照番号とともに言及されることもある。更に、本明細書では、「1つの(「a」又は「an」)」という用語の後に続く特徴、要素、構成要素又はステップは、それを除外すると明示的に記載しない限り、複数の特徴、要素、構成要素、又はステップを除外しないものと理解されたい。
【0128】
本開示に係る発明の主題の例示的で非網羅的な実施例が、先に提供されている。これらは、特許請求されうるが、必ず特許請求されるわけではない。本明細書で「実施例」に言及するということは、当該実施例に関連して説明される1つ以上の特徴、構造、要素、構成要素、特性、及び/又は動作ステップが、本開示に係る発明の主題の少なくとも1つの態様、実施形態及び/又は実現に含まれることを意味する。したがって、本開示全体にわたって使用される「一実施例(an example)」や、「他の実施例(another example)」、「1つ以上の実施例(one or more examples)」という表現、及び同様の文言は、同じ実施例を指していることもあるが、必ずしもそうではないこともある。さらに、任意の一実施例を特徴付ける発明の主題は、任意の他の実施例を特徴付ける発明の主題を含みうるが、必ずしもそうではないこともある。さらに、任意の一実施例を特徴付ける発明の主題は、任意の他の実施例を特徴付ける主題と組み合わされてもよいが、必ずしも組み合わされないこともある。
【0129】
本明細書において、特定の機能を実行する「~よう構成された(configured to)」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、実際には、さらなる改変後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというより、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。言い換えると、特定の機能を実施する「~よう構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択、創出、実装、利用、プロググラム化及び/又は設計される。本明細書において、「~よう構成された」という表現は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる変更なしで特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を指す。本開示のために、特定の機能を実行する「よう構成された」として記載されたシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、当該機能を実行するよう「適合される(adapted to)」及び/又は「動作可能である(operative to)」と記載されうる。
【0130】
別様に示されていない限り、「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」等の用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が指しているアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図されていない。さらに、例えば「第2」のアイテムに言及したからといって、例えば「第1」の、若しくはより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、若しくはより大きな数が振られたアイテムの存在を必要とすることも、排除することもない。
【0131】
本明細書では、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の様々な組み合わせが利用されてよく、かつ列挙されたアイテムのうち1つのみが必要とされうることを意味している。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」には、「アイテムA」、又は「アイテムA及びアイテムB」が含まれうるが、これらに限定されない。本例は、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、又は、アイテムB及びアイテムCも含みうる。他の例において、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB、及び7個のアイテムC」、及び、他の好適な組み合わせでありうるが、これらに限定されない。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という用語及び「/」というシンボルは、関連して列挙されたアイテムのうちの1つ以上のアイテムの任意の組み合わせ及びすべての組み合わせを含む。
【0132】
本開示のために、「結合された(coupled)」、「結合(coupling)」という用語、及び類似した用語は、互いに(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的に)接合、連接、締結、接着、接続、連通、又は別様に関連付けされた2つ以上の要素を指す。様々な実施例では、これらの要素は、直接的又は間接的に関連付けられうる。例えば、要素Aが、要素Bに直接的に関連付けられうる。他の例として、要素Aが、例えば他の要素Cを介して、要素Bと関連付けられうる。開示された様々な要素間の全ての関係が必ずしも表わされていないと理解されたい。これに対応して、図面に示されるもの以外の結合も存在してよい。
【0133】
本明細書では、「実質的に(substantially)」という用語は、基本的に、所望の機能を実行する又は所望の結果を実現する規定の状態にある状態を指している。更に、「含む(includes/including)」、「有する(has)」、「含む(contains)」という用語、及びこれらの類似語が本明細書で使用される限りにおいて、かかる語は、「備える/含む(comprises)」という用語と同様に、いかなる追加の又は他の要素も排除しないオープントランジション(open transition)の用語として、包括的であることが意図されている。
【0134】
先に参照した図2図6図8、及び図10は、機能的要素、特徴、又はその構成要素を表すことができ、必ずしも任意の特定の構造を示唆するわけではない。これに対応して、図示された構造に対して、変更、追加、及び/又は省略が行われうる。さらに、当業者には、上述の図2図6図8、及び図10に記載及び図示される全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が、全ての実施例に含まれる必要がなく、本明細書に記載される全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が必ずしも各例示的な実施例に示されないことが分かるであろう。これに対応して、図2図6図8、及び図10に記載され示される要素、特徴、及び/又は構成要素は、図2図6図8、及び図10、他の図、及び/又は付随する開示において記載され示される他の特徴を含むことを必要とせずに、様々なやり方で組み合わせることができるが、このような組み合わせは本明細書に明示されていない。同様に、提示された実施例に限定されない追加の特徴を、本明細書で示され記載される特徴の一部又は全てと組み合わせることができる。特に明記しない限り、上記を参照した図2図6図8、及び図10に示された実施例の概略図は、実例に関して構造的な限定を暗に意味するものではない。むしろ、1の例示的な構造が示されていても、必要に応じてその構造を変更しうると理解されたい。これに対応して、示された構造に対して、変更、追加、及び/又は省略が行われうる。さらに、同様の、又は少なくとも実質的に同様の目的に適う要素、特徴、及び/又は構成要素には、図2図6図8、及び図10のそれぞれで類似した符号が付され、このような要素、特徴、及び/又は構成要素については本明細書において、図2図6図8、及び図10のそれぞれを参照する際に詳細が述べられないこともある。同様に、図2図6図8、及び図10のそれぞれにおいて、全ての要素、特徴、及び/又は構成要素に符号が付されるわけではないが、これらと関連する参照番号は、本明細書において一貫して使用されうる。
【0135】
先に参照した図1図7、及び図9において、ブロックは、工程、ステップ、及び/又はその一部を表わすことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、工程又はその一部の任意の特定の順序又は従属関係を示唆するものではない。開示された様々な工程間の全ての従属関係が必ずしも表わされていないと理解されたい。図1図7及び図9、並びに本明細書で記載される本開示の方法の工程を説明する添付の開示は、工程が実施されるシーケンスを必然的に決定付けると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されているが、工程のシーケンスは、適切な場合に修正することができることを理解されたい。したがって、図示される工程に対して変更、追加、及び/又は省略を行うことができ、特定の工程が、異なる順序で又は同時に実施されうる。さらに、当業者は、記載される全ての工程を実行する必要はないことが分かるであろう。
【0136】
さらに、本明細書全体を通した特徴、利点に対する言及、又は本明細書で使用される類似の文言は、本明細書に開示された実施例により実現されうる全ての特徴及び利点が、任意の単一の実施例において存在するべきであり又は存在するということを示唆するわけではない。むしろ、特徴や利点を言及する文言は、或る実施例と関連して記載される特定の特徴、利点、又は特性が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体を通して使用される特徴、利点についての記載及び類似の文言は、同一の実施例を指すこともあるが、必ずそうであるわけではない。
【0137】
1の実施例の記載された特徴、利点、及び特性は、他の1つ以上の実施例において任意の適切なやり方で組み合わせられうる。当業者であれば、本明細書に記載した実施例が、特定の実施例の具体的な特徴又は利点のうちの1つ以上が無くとも実施しうることが分かるであろう。他の場合では、さらなる特徴及び利点が、特定の実施例において認識されうるが、全ての実施例には存在しないこともある。さらに、システム100、方法1000、方法2000、及びコンピュータプログラム製品922の様々な実施例を示し記載してきたが、当業者であれは、本明細書を読むことで変形例に想到するであろう。本願は、このような修正例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
【外国語明細書】