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特開2024-71377船舶建造中の造船所での活動を支援するシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071377
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】船舶建造中の造船所での活動を支援するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240517BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240517BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193913
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】102022000023412
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】514146829
【氏名又は名称】フィンカンティエリ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ゴミエロ,ジョルジョ
(72)【発明者】
【氏名】ピルッティ ナメル,タルシス
(72)【発明者】
【氏名】ブリストット,シモン ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ブリーク,サイモン オリバー
(72)【発明者】
【氏名】トンマゾーニ,リッカルド
(72)【発明者】
【氏名】ロゼート,トリスターノ
(72)【発明者】
【氏名】ギッゲリ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ジーパロ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】カパート,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】モーミ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ボッタッツィ,ダリオ
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033BA08
5K033BA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】船舶建造中の造船所での活動を支援するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システム(100)は、1つまたは複数のツリーネットワークトポロジーを形成するために、夫々の有線接続バックボーンケーブルによって動作可能に接続された第1の複数の電子機器(40)を含み、夫々のツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に動作可能に接続され、システムはまた、造船所を代表する情報を検知するために造船所に分散配置されるように適合された複数のセンサ(50)を含み、複数のセンサ(50)は、夫々の有線接続ケーブルによって動作可能に接続される。第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、複数のセンサ(50)によって検知された造船所の状態を代表する情報に基づいて、造船所のネットワーク接続性及び安全性を管理する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶(1)の建造中に造船所での活動を支援するためのシステム(100)であって、
- 船舶(1)の建造の監視塔に動作可能に設置されるように構成された少なくとも1つのローカル電子計算機(10)を含み、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)は、船舶(1)から離れた少なくとも1つの中央電子計算機(20)に動作可能に接続されるように構成され、
システムはまた、
- 1つまたは複数のツリーネットワークトポロジーを形成するために、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって動作可能に接続された第1の複数の電子機器(40)を含み、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に動作可能に接続され、
システムはまた、
- 造船所を代表する情報を検知するために造船所に分散配置されるように適合された複数のセンサ(50)を含み、複数のセンサ(50)は、それぞれの有線接続ケーブルによって動作可能に接続され、第1の複数の電子機器(40)の1つまたは複数の電子機器から1つまたは複数のネットワークトポロジーを形成し、
第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、複数のセンサ(50)によって検知された造船所の状態を代表する情報に基づいて、造船所のネットワーク接続性および安全性を管理するように構成される、
システム(100)。
【請求項2】
第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、第1の複数の電子機器(40)の電子機器(40)と、複数のセンサ(50)のセンサとの有線接続が、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって直接接続されたメッシュネットワーク機構によって確立するように構成される、
請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、システム(100)内のプラグアンドプレイタイプの接続および構成を可能にするように構成される、
請求項1または2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、それぞれの接続バックボーンケーブル(C-D1)を受ける入力接続部と、第1の複数の電子機器(40)の他の電子機器の接続のために、それぞれのさらなる接続バックボーンケーブル(C-D2、C-D3)がそれぞれから始まる2つの出力接続部とを含む、
請求項1~3のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項5】
電子機器(40)は、造船所内にいる人員の存在を検知するように構成される、
請求項1~4のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項6】
電子機器(40)は、ブルートゥース技術による無線通信モジュール(MB)を含み、
電子機器(40)は、個人によって装着可能で、個人を一意に識別するコードを送信するBLTEビーコン装置よって定時に発信されるビーコンを検知するように構成される、
請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
複数のセンサ(50)の各センサは、それぞれの接続ケーブル(C-S1)を受けるための入力接続部と、他のセンサの接続のために、それぞれのさらなる接続ケーブル(C-S2、C-S3)がそれぞれから始まる2つの出力接続部とを含む、
請求項1~6のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項8】
複数のセンサ(50)の各センサは、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによってそこに直接接続されたメッシュネットワーク機構によって、第1の複数の電子機器(40)の電子機器と、複数のセンサ(50)のセンサとの有線モードでの第1の接続および無線モードでの第2の接続を確立するように構成される、
請求項1~7のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項9】
複数のセンサ(50)の各センサは、システム(100)内のプラグアンドプレイタイプの接続および構成を可能にするように構成される、
請求項1~8のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項10】
複数のセンサ(50)は、サブ複数のセンサノード(50’)を含み、
サブ複数のセンサノード(50’)の各センサノードは、それぞれのツリーネットワークトポロジー内でネットワークノード機能を実行するように構成される、
請求項1~9のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項11】
サブ複数のセンサノード(50’)の各センサノードは、システム(100)内のプラグアンドプレイタイプの接続および構成を可能にするように構成される、
請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項12】
サブ複数のセンサノード(50’)の各センサノードは、第1の複数の電子機器(40)の電子機器と、複数のセンサ(50)のセンサまたは他のセンサノードとの有線モードでの第1の接続および無線モードでの第2の接続が、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによってそこに直接接続されたメッシュネットワーク機構によって確立するように構成される、
請求項10または11に記載のシステム(100)。
【請求項13】
それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に直接接続されている、
請求項1~12のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項14】
有線接続によって建造中の船舶(1)の監視塔に動作可能に接続されるように構成された第2の複数の電子デバイス(30)を含み、
第2の複数の電子デバイス(30)は、造船所に隣接する埠頭に沿って分散配置され、
第2の複数の電子デバイス(30)の各電子デバイスは、ラウタまたはネットワークスイッチとして動作するように構成され、
第2の複数の電子デバイス(30)の各電子デバイスは、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に動作可能に接続され、
それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、第2の複数の電子デバイス(30)の電子デバイスによって、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に動作可能に接続される、
請求項1~12のいずれか1つに記載のシステム(100)。
【請求項15】
第2の複数の電子デバイス(30)の各電子デバイスによって、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に直接接続される、
請求項14に記載のシステム(100)。
【請求項16】
第2の複数の電子デバイス(30)の全ての電子デバイスのうち、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に最も近い電子デバイスが、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に直接接続され、
少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に最も近い電子デバイスから始まって、第2の複数の電子デバイス(30)の電子デバイスは、カスケード方式で互いに接続される、
請求項14に記載のシステム(100)。
【請求項17】
船舶(1)の建造中に造船所での活動を支援するための方法(800)であって、
- 船舶の建造(1)の監視塔に動作可能に設置された少なくとも1つのローカル電子計算機(10)を提供するステップ(801)を含み、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)は、船舶(1)から離れた少なくとも1つの中央電子計算機(20)に動作可能に接続され、
方法はまた、
- 1つまたは複数のツリーネットワークトポロジーを形成するために、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって動作可能に接続された第1の複数の電子機器(40)を提供するステップ(802)を含み、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する第1の複数の電子機器(40)の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機(10)に動作可能に接続され、
方法はまた、
- 造船所に分散配置された複数のセンサ(50)によって、造船所を代表する情報を検知するステップ(803)を含み、複数のセンサ(50)は、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって動作可能に接続され、第1の複数の電子機器(40)の1つまたは複数の電子機器から1つまたは複数のネットワークトポロジーを形成し、
方法はまた、
- 第1の複数の各電子機器(40)によって、複数のセンサ(50)によって検知された造船所、及び又は船舶(1)の状態を代表する情報に基づいて、造船所のネットワーク接続性および安全性を管理するステップ(804)を含む、
方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海運の分野に関し、特に、船舶建造中の造船所(shipyard)での活動を支援するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船の建造中に造船所での活動を支援するインフラ(infrastructures)が知られており、これらは、通信装置、センサ、その他の構成要素から構成され、互いにその場で(ad hoc)設置および配線されている。
【0003】
このようなインフラは、オペレータ間の通信のための接続性を提供し、造船所内で発生し得る緊急事態や危険な状況(例えば、火災)に対処することを可能にする。
【0004】
このインフラの主な限界は、船舶の建造中に作業が進むにつれて、インフラが確実にサポートしなければならない空間が変化し、インフラが機能しなくなる可能性があるという事実に関連している。
【0005】
例えば、船内への従前の開口部は、後に、鋼製隔壁(bulkhead)によって閉じられ得る。
【0006】
このような状況では、以前はその開口部を通じて可能であったデータ通信が、隔壁の存在によって、完全に中断されないまでも、妨げられる可能性があることは明らかである。
【0007】
したがって、造船所の変更によって必要なときにいつでも同じサポートサービスを確保できるように、既存のインフラは変更可能でなければならない。
【0008】
しかし、これには時間がかかるため、船舶の建造時間とコストが増大する。
【0009】
したがって、船舶建造中の造船所での活動を支援するインフラを備えることの必要性が感じられており、このようなインフラは、既存のインフラの制約や硬直性(ridigity)を克服することができ、新たなニーズに対応することができ、インフラの柔軟な使用や長期的なメンテナンスの容易性を確保することができる技術を導入することができ、事故の防止を始めとする安全性の様々な側面を向上させることができる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、従来技術を参照して上述した欠点を「少なくとも部分的に」克服することができる、船舶建造中の造船所における活動を支援するためのシステムを考案し、提供することである。
【0011】
特に、既存のインフラの制約や硬直性を克服し、新たなニーズに適応し、インフラの使用の適応性と保守の容易性を長期にわたって確保することができる技術を導入することができ、さらに、事故の防止を始めとする造船所内の安全性に関する様々な側面を改善することができる、船舶建造中の造船所における活動を支援するためのシステムを考案し、提供することが目的である。
【0012】
このような目的は、請求項1に係る船舶建造中の造船所における活動を支援するシステムによって達成される。
【0013】
本発明はまた、船舶建造中の造船所での活動を支援するための関連する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明によるシステムおよび関連する方法のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例示として与えられる、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0015】
図1図1は、本発明に係る船舶建造中の造船所の活動を支援するシステムおよび関連する方法が建造中に使われる船舶の例を模式的に示す。
図2a図2aは、本発明の一実施形態に係る船舶建造中の造船所の活動を支援するシステムをブロック図として示す。
図2b図2bは、本発明の一実施形態に係る船舶建造中の造船所の活動を支援するシステムをブロック図として示す。
図3図3は、図2aおよび図2bのシステムの、別の実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図4図4は、図2aおよび図2bのシステムの、別の実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図5図5は、図2aおよび図2bのシステムの、一実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図6図6は、図2aおよび図2bのシステムの、更なる実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図7a図7aは、図2bのシステムの、別の実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図7b図7bは、図2bのシステムの、別の実施形態にかかる更なるコンポーネントを模式的に示す。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る船舶建造中の造船所の活動を支援する方法をブロック図として示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述の図を参照すると、100は、本発明による、船舶建造中の造船所での活動を支援するためのシステムを全体として示し、以下、単に支援システムまたは単にシステムともいう。
【0017】
「造船所」とは、建設発注を受けて船舶の建造に使用される事業所をいう。
【0018】
「造船所での活動」とは、船舶建造中の造船所内での生産活動をいう。
【0019】
「造船所における支援活動」とは、例えば、事故警報サービス、火災警報サービス、洪水警報サービスなど、船舶の建造中に必要なサービスを提供するための、造船所内の接続性/データ通信、及び事象の検知を意味する。
【0020】
後述する「造船所を代表する情報」とは、造船所内で検知可能な事象の情報を意味し、例えば、人の存在、故障の検知、水の検知、煙の検知、一般的には緊急事態や警報の検知などを意味する。
【0021】
全体として参照数字1で示される船舶の一例を図1に示す。
【0022】
本明細書において、「船舶」とは、クルーズ、レクリエーション及び観光サービスに使用可能なあらゆる船舶、例えば図1に示すようなクルーズ船、又はその他の船舶、例えば軍事分野で使用可能な船舶、商船、作業船等を意味する。
【0023】
特に図2を参照すると、システム100は、船舶1の監視塔(watchtower)に動作可能に設置されるように構成された少なくとも1つのローカル電子計算機10(サーバ)を含む。
【0024】
少なくとも1つのローカル電子計算機10は、監視塔オペレーションセンターとも呼ばれ、データ収集、造船所で働くオペレータとの双方向ボイスオーバーIP通信(VoIP)、メッセージ放送、警報報告制御の機能を実行するように構成されている。
【0025】
少なくとも1つのローカル電子計算機10は、船舶1から離れた少なくとも1つの中央電子計算機20に動作可能に接続されるように構成される。
【0026】
少なくとも1つの中央電子計算機20は、例えば遠隔サーバである。
【0027】
少なくとも1つの中央電子計算機20は、例えばクラウドサーバであり、データ収集、可能性のある警報の表示、報告、双方向VoIP通信、および安全メッセージの放送の機能を実行するように構成されている。
【0028】
少なくとも1つのローカル電子計算機10は、有線接続、通常は有線IP接続、好ましくは光ファイバによって、少なくとも1つの中央電子計算機20に動作可能に接続される。
【0029】
図2aおよび図2bを参照すると、本発明によれば、システム100は、1つまたは複数のツリーネットワークトポロジーを形成するために、それぞれの有線接続バックボーンケーブル(connection backbone cable)によって動作可能に接続された第1の複数の電子機器(electronic apparatus)40を備え、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノード(root node)を代表する各電子機器40は、少なくとも1つのローカル電子計算機10に動作可能に接続されている。
【0030】
以下、前述の第1の複数の電子機器40のうちの1つの電子機器について詳細に説明する。
【0031】
システム100は、造船所(船舶建造中)を代表する情報を検知するために造船所(船舶建造中)に分散配置されるように適合された複数のセンサ50をさらに備える。
【0032】
「造船所を代表する情報」の定義は、上に示したとおりである。
【0033】
複数のセンサ50は、それぞれの有線接続ケーブルによって第1の複数の電子機器40に動作可能に接続され、前述の第1の複数の電子機器40の1つまたは複数の電子機器から1つまたは複数のネットワークトポロジーを形成する。
【0034】
複数のセンサ50によって形成され得るネットワークトポロジーの例は、スターネットワークトポロジー(図示せず)、ツリーネットワークトポロジー(図2aおよび2bに示す)である。
【0035】
このようなネットワークトポロジーがツリーネットワークトポロジーである場合、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表するセンサ50は、前述の第1の複数の電子機器40のうちの1つの電子機器40に動作可能に接続される。
【0036】
以下、複数のセンサ50についてさらに詳しく説明する。
【0037】
本発明によれば、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、複数のセンサ50によって検知された造船所の状態を代表する情報に基づいて、造船所のネットワーク接続性および安全性を管理するように構成される。
【0038】
次に、図3を参照して、前述の第1の複数の電子機器40のうちの電子機器について説明する。
【0039】
電子機器40は、データ処理ユニット41、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。
【0040】
電子機器40は、データ処理ユニット40に動作可能に接続された少なくとも1つのメモリユニット42をさらに含む。
【0041】
少なくとも1つのメモリユニット42は、データ処理ユニット41によって実行可能な1つまたは複数のプログラムコードと、当該1つまたは複数のプログラムコードの実行後に生成および処理されるデータとを記憶するように構成されていることに留意されたい。
【0042】
データ処理ユニット41は、電子機器40に委任された操作機能を実行するように構成されている。
【0043】
この点に関して、そのような操作機能は、以下の1つ以上を含む:
- 複数のセンサ50によってデータを検出し、これらのデータを少なくとも1つのローカル電子計算機10(船舶1の監視塔)に伝達すること;
- システム100の故障を検知し、これらの事象を少なくとも1つのローカル電子計算機10(船舶1の監視塔)に伝達すること;
- 造船所の作業員によって要求された場合に、プッシュツートーク(push-to-talk)モードで緊急通信をサポートすること;
- 声による通信及び録音されたメッセージによる放送通信の両方をサポートすること;
- ネットワーク接続性をサポートすること;
- 物理的に近い人員(例えば、消防士)の存在を検知すること。
【0044】
一実施形態によれば、前述のいずれかのものと組み合わせて、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器と、それぞれの有線接続バックボーンによってそれに直接接続された前述の複数のセンサ50のセンサと、メッシュネットワーク機構によって無線接続を確立するように構成される。
【0045】
メッシュネットワークは、データパケットをラウティング(routing)するために協働するネットワークノードの相互の近接性(mutual proximity)に接続性が基づく無線タイプのデータ通信ネットワークである。
【0046】
メッシュネットワークの構成は事前に設定されていないが、ネットワークノードはユーザに接続性を提供するように構成可能である。
【0047】
さらなる実施形態によれば、上述のいずれか1つと組み合わせて、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、システム100内でプラグアンドプレイ(plug-and-play)タイプの接続および構成を可能にするように構成される。
【0048】
ハードウェアとしては、電子機器40は専用のプリント回路基板(PCB)を含む。
【0049】
このようなPCBのアーキテクチャは、データ処理ユニット41による処理に必要な基本機能を実装するSOM(System On a Module)処理モジュールの統合を含む。
【0050】
特に、SOM処理モジュールはそれ自体が簡単なコンピュータであり、オペレーティングシステム、例えばLinux(登録商標)内蔵システムの実行を可能にするために十分なレベルの計算能力を有する。
【0051】
再び図3を参照すると、電子機器40は、以下のものを含む:
- データ処理ユニット41に動作可能に接続されたマイクロフォンモジュールMC;
- データ処理ユニット41に動作可能に接続されたスピーカモジュールSP;
- データ処理ユニット41に動作可能に接続された内側ホーンH-1(例えば、10Wの出力を有する);
- データ処理ユニット41に動作可能に接続された外側ホーンH-2(例えば、30Wの出力を有する)。
【0052】
前述のコンポーネントは、データ処理ユニット41に動作可能に接続され、必要な電源電子系(power electronics)を有するサウンドカードによって制御される。
【0053】
再び図3を参照すると、電子機器40はさらに以下の構成を含む:
- データ処理ユニット41に動作可能に接続され、電気供給ネットワークに電気的に接続可能である電気供給ユニットPW;
- データ処理ユニット41に動作可能に接続された緊急ボタンPS(例えば、「マッシュルーム型」);
- データ処理ユニット41に動作可能に接続された非常灯LS;
- 電子機器40を代表する情報(例えば、識別子、接続状態、IPアドレス、近くを通った人員(例えば、消防士など)の検知識別子/タイムスタンプのリスト、など)を表示することができるディスプレイDPを接続するために、データ処理ユニット41に動作可能に接続された出口ポートPD;
- 複数のセンサ50のうちの1つ以上のセンサを接続するために、データ処理ユニット41に動作可能に接続された第1の入口ポートP1;
- データ処理ユニット41に動作可能に接続されたUSBタイプP-Uの1つまたは複数のポート;
- ビーコン又はブルートゥース(登録商標)周辺装置を検知するように構成され、例えばブルートゥース技術の通信のためにデータ処理ユニット41に動作可能に接続された無線通信モジュールMB;
- データ処理ユニット41に動作可能に接続され、入力として受信し、出力として接続バックボーンケーブルC-Dをもたらすように適合された、少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’;
- 少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に動作可能に接続されたWi-Fi通信アクセスポイントA-N;
- 少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に動作可能に接続された1つまたは複数の接続バックボーンケーブルインターフェースI-E。
【0054】
一実施形態によれば、上に記述され、図3および図4に示されたもののいずれか1つと組み合わせて、ツリーネットワークトポロジーの接続のために、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、それぞれの接続バックボーンケーブルC-D1を受ける入力接続部と、前述の第1の複数の電子機器40の他の電子機器の接続のために、図3および図4にC-D2およびC-D3で示される、それぞれのさらなる接続バックボーンケーブルがそれぞれから始まる2つの出力接続部とを備えることに留意されたい。
【0055】
電子機器40は、入力として受け取った電気供給(electrical supply)A-Eを出力するようにも適合されている。
【0056】
電子機器40は、1つ又は複数の接続バックボーンケーブルインターフェースI~Eによって、前述の第1の複数の電子機器40の他の電子機器に動作可能に接続されるように構成される。
【0057】
図4に示すさらなる実施形態によれば、電子機器40は、少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に加えて、少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に動作可能に接続された第2のネットワークスイッチングモジュールSW-2’を含む。
【0058】
一実施形態では、第2のネットワークスイッチングモジュールSW-2’は、スタックモード(stacked mode)で少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に動作可能に接続することができる。
【0059】
一実施形態では、電子機器40は、さらに、以下を含む:
- 接続バックボーンケーブルC-D1を入力として受け取り、第1の接続バックボーンケーブルC-D2’を少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’に入力としてもたらし、第2の接続バックボーンケーブルC-D3’を第2のネットワークスイッチングモジュールSW-2’に入力としてもたらすように適合された入力スプリッタSP-1’;
- 少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’からの第1の接続バックボーンケーブルC-D2’及び第2のネットワークスイッチングモジュールSW-2’からの第2の接続バックボーンケーブルC-D3’を入力として受け取り、更なる接続バックボーンケーブルC-D2を出力としてもたらすように適合された第1の出力スプリッタSP-2’;
- 少なくとも1つの第1のネットワークスイッチングモジュールSW-1’からの第1の接続バックボーンケーブルC-D2’及び第2のネットワークスイッチングモジュールSW-2’からの第2の接続バックボーンケーブルC-D3’を入力として受け取り、更なる接続バックボーンケーブルC-D3を出力としてもたらすように適合された第2の出力スプリッタSP-3’。
【0060】
この実施形態でも、電子機器40は、入力として受け取った電気供給A-Eを出力するように適合されている。
【0061】
本実施形態は、少なくとも1つの第1のネットワーク切り替えモジュールSW-1’及び第2のネットワーク切り替えモジュールSW-2’の一方が機能しない場合にも、電子機器40によるデータ通信が可能であるという利点を有する。
【0062】
次に図5を参照して、前述の複数のセンサ50のセンサについて説明する。
【0063】
センサ50は、データ処理モジュール51、例えばマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサを含む。
【0064】
センサ50は、データ処理モジュール51に動作可能に接続された少なくとも1つのメモリモジュール52をさらに備える。
【0065】
少なくとも1つのメモリモジュール52は、データ処理モジュール51によって実行可能な1つまたは複数のプログラムコードと、当該1つまたは複数のプログラムコードの実行後に生成および処理されるデータとを記憶するように構成されていることに留意されたい。
【0066】
データ処理モジュール51は、後述するように、センサ50に委譲された操作機能を実行するように構成される。
【0067】
センサ50は、入力として電気供給A-Eを受け取り、出力として電気供給A-Eを転送するように適合された電気供給管理モジュール53をさらに備える。
【0068】
センサ50は、電気供給管理モジュール53に動作可能に接続されたバックアップバッテリ54をさらに備える。
【0069】
電気供給管理モジュール53は、電気供給A-Eに問題が発生した場合、バックアップバッテリ54によってセンサ50に給電し、システム100内の最低限の機能を確保するように構成されている。
【0070】
センサ50は、データ処理モジュール51に動作可能に接続された検知モジュール55をさらに備える。
【0071】
例えば、検知モジュール55は、存在検知器、煙検知器、温度検知器、水検知器、ガス検知器、サーマルカメラ等であってもよい。
【0072】
センサ50のデータ処理モジュール51は、環境データの収集、少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20へのデータ通信などを含む複数の機能を実行するように構成されている。
【0073】
一実施形態によれば、前述のいずれかのものと組み合わせて、前述の複数のセンサ50の各センサは、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器と、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによってそれに直接接続された前述の複数のセンサ50のセンサ又は他のセンサノード(後述する)とのメッシュネットワーク機構によって、有線モードでの第1の(主)接続及び無線モードでの第2の(副)接続を確立するように構成される。
【0074】
メッシュネットワークについては前述した。
【0075】
さらなる実施形態によれば、上述のいずれか1つと組み合わせて、前述の複数のセンサ50の各センサは、システム100内でプラグアンドプレイタイプの接続および構成を可能にするように構成される。
【0076】
一実施形態によれば、上述のいずれか1つと組み合わせて、図5に破線で示されるように、センサ50は、センサ50が上流に接続された電子機器40および下流に接続された1つまたは複数のセンサと通信することを可能にするように構成されたネットワークスイッチングモジュールSW-Sをさらに含むことができる。
【0077】
一実施形態によれば、上述のいずれか1つと組み合わせて、ツリーネットワークトポロジーの接続のために、前述の複数のセンサ50の各センサは、それぞれの接続ケーブルC-S1を受けるための入力接続部と、他のセンサの接続のために、図5にC-S2及びC-S3で示される、それぞれのさらなる接続ケーブルがそれぞれから始まる2つの出力接続部とを備えることに留意すべきである。
【0078】
一実施形態によれば、図6に示すように、複数のセンサ50は、サブ複数のセンサノード50’を含む。
【0079】
各センサノード50’は、センサモジュール55を除いて、異なる実施形態を参照して上述したセンサ50と同じコンポーネントを含む。
【0080】
言い換えれば、センサノード50’はいかなる検知機能も実行しない。
【0081】
センサノード50’のサブ複数の(sub-plurality:複数から1を引いた数)各センサノードは、それぞれのツリーネットワークトポロジー内でネットワークノード機能を実行するように構成される。
【0082】
この点で、センサノード50’のデータ処理モジュール51は、データへのアクセスを可能にする、通信を可能にするスイッチ/ラウタ(router)として動作する、異なるタイプのセンサを統合する、などの複数の機能を実行するように構成されている。
【0083】
言い換えれば、前述のセンサノード50’のサブ複数の各センサノードは、1つ以上のデジタル入力が接続可能なジャンクションボックスである。
【0084】
さらなる実施形態によれば、センサノード50’のサブ複数が存在する上述のもののいずれか1つと組み合わせて、センサノード50’の前述のサブ複数の各センサノードは、システム100内のプラグアンドプレイタイプの接続および構成を可能にするように構成される。
【0085】
一実施形態によれば、センサノード50’のサブ複数が存在する先行するいずれか1つと組み合わせて、前述のセンサノードの前述のサブ複数50’の各センサノードは、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器と、前述の複数のセンサ50のセンサまたは他のセンサノードと、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって直接接続されたメッシュネットワーク機構によって、有線モードでの第1の(主)接続および無線モードでの第2の(副)接続を確立するように構成される。
【0086】
メッシュネットワークについては前述した。
【0087】
ソフトウェアの観点からは、電子機器40は、造船所内の警報とテレメトリ(telemetry:遠隔測定)を管理するように構成されている。
【0088】
より詳細には、電子機器40は以下のように構成されている:
- 複数のセンサ50によって検知されたデータを収集する活動を調整し、これらのデータをサーバ側、すなわち、少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20の側に送信し、データは次に少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)によって利用可能とされる;
- センサに関する現状の装備のリストを管理し、さらに、各センサについて、その作動状態(作動、故障、取り外しなど)に関する情報を保持する;
- ポーリングループ(polling loop)を実行するために、システムで利用可能なセンサに照会する(query);
- 継続中の緊急事態の指示を受信し、関係するサービスにメッセージを転送する;
- システムの現在の設備と実行状況に関する情報を収集する;
- 緊急事態をスタッフに知らせるためにサイレンと統合する;
- 監視塔オペレーションセンターからの指令を受けると、事前に録音されたメッセージを起動する;
- 有線モード(センサバスドライバ)と無線モード(センサメッシュ)の両方でセンサバス/ネットワークを統合するためのサポートを実装する。
【0089】
さらに、電子機器40、およびシステム100一般は、通信に使用されるMQTT(Message Queue Telemetry Transport)ライブラリを含むライブラリに依存していることに留意すべきである。
【0090】
このようなライブラリは、監視塔オペレーションセンターのウェブアプリ(web application)との間でメッセージを送受信するためにサービスによって使用される通信プリミティブ(primitives)を実装する。
【0091】
ここでもソフトウェアの観点から、電子機器40は、複数のセンサ50からデータを読み取り、そのようなデータを少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20および少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)に通知するように構成されている。
【0092】
さらに、電子機器40は、定期的に、システムで利用可能なセンサのリスト(センサのタイプとアドレスを含む)を要求するように構成されている。
【0093】
このリストは、センサの統合/取り外しを行う保守作業後に変化する可能性がある。
【0094】
次に、このリストを使用して、すべてのセンサに1つずつ照会を行う。
【0095】
すべてのセンサから収集されたデータには、測定値と、指定されたタイムアウト内に応答できなかったセンサの通知が含まれる。
【0096】
この情報は適切にエンコードされ(例えば、JSONで)、MQTTライブラリによってサーバサイドからイベントサブスクライバ(event subscribers)に送信される。
【0097】
最後に、電子機器40は、設定可能なタイムアウト時間内に応答できなかったセンサに通知するよう構成される。
【0098】
あるセンサが、回数の後続の要求に対して定義された通信タイムアウト内に応答できない場合、電子機器40は、そのようなセンサが故障していることを疑う。
【0099】
この場合、センサは故障として「フラグ」が立てられ、その事象は少なくとも1台のローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)に通知される。
【0100】
電子機器40は、警報通知を管理するようにさらに構成されている。
【0101】
この点に関して、監視塔のオペレータにサービスを提供するウェブアプリによって、警報通知が適切なフィードに公開される。
【0102】
警報通知は、オペレータが危険な状況を認識したときに手動でトリガされる。
【0103】
警報が MQTTライブラリによって通知されると、電子機器40はデータを受信し、ローカルにログインして、将来起こりうる事故分析のために何が起こったかを記録し、非常灯を点灯させ、場合によってはホーンを使用して最大音量で音声警報を発する。
【0104】
最後に、電子機器40は現在の緊急事態の状況を把握する。
【0105】
緊急事態が終了すると、同様のプロセスを経て警報が停止する。
【0106】
この場合も、監視塔オペレーションセンターのウェブアプリからメッセージが受信される。
【0107】
メッセージを受信すると、電子機器40は緊急点滅ライトを消灯し、音声信号を中断する。
【0108】
最後に、電子機器40はステータスを更新し、正常な状態に戻ったことをハイライトする。
【0109】
予め録音された警告メッセージの再生が必要な場合、監視塔オペレーションセンターは、どの録音が起動されなければならないかを指定する電子機器に、例えばMQTTなどのメッセージで通知する。
【0110】
危険な状況が認識されると、オペレータによって手動で通知がトリガされる。
【0111】
MQTTライブラリにより、警報は電子機器40に送られ、電子機器40はデータを受信し、ローカルにログインして将来的に行い得る事故の分析のために事故の発生状況を追跡し、供給されたホーンを使用するための記録作成を開始する。
【0112】
録音は、オーディオファイル(例えば、Mp3、Oggまたは他のフォーマット)を見つけることができる電子機器40に保存される。
【0113】
オーディオファイルの構成は、電子機器40の構成パラメータであり、変更可能である。
【0114】
警報は、可能な限り最大の音量に設定することが望ましい。
【0115】
さらに、電子機器40は、現在の緊急事態の状況を追跡するように構成されている。
【0116】
さらに、電子機器40は、そこに接続された新しいセンサの存在を検知するように構成されている。
【0117】
より詳細には、一旦電子機器40に接続されると、センサは、その記録を要求するメッセージを送信する。
【0118】
このようなメッセージは、確認メッセージを受信するまで、定期的に繰り返される。
【0119】
メッセージが受信されると、電子機器40は事象をローカルにログインし、確認メッセージを順番に返信し、電子機器40の機器を受信した情報で更新し、情報は次の1つ以上を含む:
- 新しいセンサのアドレス;
- センサの性質の表示(温度、煙、など)。
【0120】
新しいセンサの利用可能性を代表する情報は、MQTTライブラリによって、アプリケーションレベルで新しいサービスの通知を送信することによって管理される。
【0121】
このメッセージの受信後、監視塔オペレーションセンターのウェブアプリは、新しいセンサの存在を表示し、船舶のプラント上に正しく配置するために必要な設定をアプリケーションレベルで実行することができる。
【0122】
この操作は、タブレット/スマートフォンを使用して船内で作業するオペレータによっても同様に実行できることに留意すべきである。
【0123】
電子機器40は、電子機器40の装備からセンサを削除し、システムによって照会される必要があるセンサのリストからセンサを削除することを管理するようにさらに構成される。
【0124】
この点で、電子機器40はメッセージを受信し、その機器からセンサを排除する。
【0125】
一旦センサがセンサリストから除外されると、電子機器40は、将来の検知ループにおいてそのようなセンサに照会することはない。
【0126】
センサが接続されている場合、センサは事実上無効化され、これは故障時に有用な動作である。
【0127】
かわりにセンサが切断された場合、センシングループは、もはや検知インフラの一部ではないデバイスのアドレスを排除することによって最適化される。
【0128】
電子機器40の機能の話題に戻ると、既に上述したように、電子機器40は、造船所内にいる人員(例えば、消防士)の存在を検知するように構成されている。
【0129】
より詳細には、ブルートゥース(登録商標)技術による無線通信モジュールMBによって、電子機器40は、個人によって装着可能なBLTEビーコン装置(例えば、スマートウォッチ)によって定時に発信されるビーコンを検知するように構成される。
【0130】
実際、各個人には、その個人を一意に識別するコードを送信するビーコン装置が割り当てられている。
【0131】
個人が電子機器40に近づくと、ビーコンは無線通信モジュールMBによって受信され、表示され、少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)に送信される。
【0132】
この情報の利用可能性は、検査の実施方法を管理するための重要な要素であり、緊急時の調整活動の準備のために機能する。
【0133】
再び電子機器40の機能を参照すると、少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)が、前述の第1の複数の電子機器40のうちの1つ以上の電子機器に、例えばmp3/Oggオーディオフォーマットで、事前に録音されたオーディオメッセージを再生することを要求することが可能である。
【0134】
この点に関して、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、造船所への設置前又は設置後に、確立された音声メッセージのセットをそれぞれのメモリユニットに記憶するように構成される。
【0135】
録音済みの音声メッセージを再生する必要がある場合、監視塔で働くオペレータは、少なくとも1台のローカル電子計算機10にロードされた特定のウェブアプリによって、再生する音声メッセージの選択を可能にする。
【0136】
録音済み音声メッセージが選択されると、前述の第1の複数の電子機器40の全て、又はそのうちの関心のある一部の電子機器にコード(又は代替的に再生するファイル名)が送信され、これらの電子機器は、録音済み音声メッセージの再生要求を受信すると、内側ホーンH-1及び/又は外側ホーンH-2を用いて録音済み音声メッセージの再生を開始する。
【0137】
再び電子機器40の機能を参照すると、電子機器40は、前述の第1の複数の電子機器40の全ての電子機器に向けてオーディオストリーミングを提供するように構成されている。
【0138】
このようにして、前述の第1の複数の電子機器40の全ての電子機器のホーンによって放送される、監視塔スタッフの予め録音された音声メッセージを音で伝達することが可能である。
【0139】
この目的のために、少なくとも1つのローカル電子計算機10または別の電子デバイス(electronic device)にインストールされた、監視塔オペレータが利用可能なウェブアプリによって、サーバ側のインフラレベルで動作するオーディオストリーミングサービス、したがって、オーディオストリーミングを収集し、関係する前述の第1の複数の電子機器40の電子機器にライブで転送する任務を負う少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20の側で、オーディオストリーミングサービスと調整することが可能である。
【0140】
オーディオストリーミングの受信を開始すると、電子機器は直ちにそれぞれのホーン(内側ホーンH-1および/または外側ホーンH-2)で再生するために作動する。
【0141】
再度、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器の機能を参照すると、緊急通信を実行することが可能である。
【0142】
より詳細には、監視塔と電子機器との間の「インターコム」通信が許可されている。
【0143】
この「インターコム」通信は、好ましくは「全二重(full-duplex)」であり、したがって2つの通信エンティティ(communicating entity)間の同時相互作用を可能にする。
【0144】
これは、通信エンティティが交互に通信しなければならない「半二重(half-duplex)」音声通信しかできない既存のシステムに対して、大きな改善である。
【0145】
通信は、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器、または少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)のいずれかによって開始できることに留意すべきである。
【0146】
いずれにしても、通信は、「早期ストリーミングモード」で管理されることが望ましく、そのモードでは、通信しようとする2つのエンティティの一方が通信を開始すると、通信は直ちに有効になり、2つのエンティティの一方が通信を明示的に受け入れる必要なく開始される。
【0147】
この動作モードは、電話の動作モードではなく、インターコム/エントリーホン(entryphone)の動作モードと完全に同じであるため、緊急時や非常時の通信が容易になる。
【0148】
通信は、それぞれの緊急ボタンPSを押すことによって、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器によって開始され、監視塔との音声通信セッションを効果的に開始することができることに留意されたい。
【0149】
しかし、同様に、通信は、前述の第1の複数の電子機器40のうち、通信を行う電子機器を指定して、監視塔から開始することもできる。
【0150】
この点に関して、ウェブアプリは、オペレータが前述の第1の複数の電子機器40の電子機器を識別し、通話を起動することを可能にする。
【0151】
論理的な観点から、システム100は以下のように構成され、以下の論理レイヤを含む:
- システム100の基本サービス;
- メッセージ管理サービス;
- VoIP管理サービス;
- システムサービスのフロントエンドおよびアプリケーション管理;
- リスクインテリジェンスサービス(risk intelligence services)。
【0152】
システム100の基本サービスとして、システム100は、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器のネットワーク構成を構成するための動的IP構成プロトコルサービス(Dynamic Host Configuration Protocol-DHC)を含む。
【0153】
特に、動的アドレス指定モデル(dynamic addressing model)は、インフラ管理を簡素化するために使用することができる。アプリケーションレベルで管理される識別子は、例えば、時間と共にIPアドレスが変更されたとしても、前述の第1の複数の電子機器40のうちの電子機器を一意に識別することを可能にする。
【0154】
さらに、システム100は、内部DNS(ドメインネームシステム)を使用して、適応性のある方法でサービスURLを定義することができる。
【0155】
第1の複数の電子機器40の電子機器は、実際には外部と相互作用する必要はないが、名称を適切に管理することにより、サービスの管理/保守を簡素化することができる。
【0156】
さらに、前述の第1の複数の電子機器40の異なる電子機器のクロックを同期させ、より容易に照合可能なログを持つことが望ましい(ネットワークタイムプロトコル、NTP、サービス)。
【0157】
さらに、システム100が長期にわたって継続的に動作するようにするためには、監視サービスを提供する必要がある。
【0158】
特に、システム100は、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器の到達可能性(reachability)を決定するために(インターネット制御メッセージプロトコル-ICMP)、システムの異なる動作パラメータを検証するために(簡易ネットワーク管理プロトコル-SNMP)、アプリケーションレベル制御を実行するために、異なるプロトコルを使用することができる。
【0159】
さらに、アクセスポイントの正しい動作を可能にするために、システム100は、例えば802.1Xのような認証プロトコルによってユーザ認証を管理するように構成される。
【0160】
メッセージ管理サービスに関しては、システム100は、市販のブローカを使用してMQTTメッセージを管理するように構成されている。
【0161】
VoIP管理サービスについては、システム100は、ユニキャスト管理(緊急連絡)と放送管理の両方について、SIPプロトコルによって音声放送を管理するように構成されている。
【0162】
システム100のフロントエンドおよびアプリケーション管理のサービスに関しては、少なくとも1台のローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)はウェブアプリによって管理される。
【0163】
ウェブアプリへのアクセスは、工場レベルの認証サービスと同期しているアクティブディレクトリ(Active Directory)インスタンスによって制御される。これにより、ITシステムサービスに不具合や中断が発生した場合でも、システムの継続運用の可能が確かとなる。
【0164】
ウェブアプリは、データベースによってデータ収集システムと一体化している。
【0165】
第1の複数の電子機器40の電子機器へのメッセージの送信は、サーバ側システムとMQTTブローカとの間の相互作用によって直接的に行われ、さらなる管理要素を必要としない。
【0166】
リスクインテリジェンスサービスに関しては、システム100は、ETL(Extract、Transform、 and Load)ツールを使用してシステムからデータを収集するように構成されている。)
【0167】
関心のあるデータの例は以下のとおりである:
- センサによって検知された警報;
- 警報消音活動;
- システム更新活動;
- システムの故障及び誤動作。
【0168】
システム100は、情報の利用を簡素化するように、これらのデータを構造化して処理できるデータベース上に統合するように構成されている。
【0169】
データ収集の管理全体と、閲覧(views)とユーザの関心指標の処理は、クラウドインフラ/サイトデータセンターレベルで実施されなければならないことに留意すべきである。これは、ビジネスインテリジェンスに必要な複雑な紹介を実装する必要性から生じる計算負荷が、解決策の通常の運用に影響を及ぼすのを防ぐためである。
【0170】
ビジネスインテリジェンスサービスへのアクセスに関しても、データの可視性を、その作業タスクを実行するために実際に必要とするオペレータのみに制限するようなアクセスの適切な管理を考慮する必要がある。
【0171】
実際、リスクインテリジェンス情報は、ビジネスの観点からは極めて機密であり、いかなる理由であれ、造船所の作業を妨害しようとする何者かに悪用される可能性があり、その結果、作業員の安全と製品の完全性が危険にさらされる。
【0172】
システム100を一般的に参照すると、正しい動作を得るためには、少なくとも1つのローカル電子計算機10、従って少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20と、第1の複数の電子機器40との間の調整が不可欠である。
【0173】
その代わりに、少なくとも1つのローカル電子計算機10(及び少なくとも1つの遠隔中央電子計算機20)と第1の複数の電子機器40との間の調整に関しては、システム100は、一般に、以下のように構成される:
- 前述の第1の複数の電子機器40の複数の電子機器から事象を収集し/複数の電子機器に分配配信する;
- 音声通信を可能にする;
- リアルタイムの音声通信を可能にする;
- 情報へのアクセスのレベルが異なる、別のクラスのユーザを認証するためのサポートを提供する。
【0174】
サーバ側では、システム100はさらに以下を必要とする:
- 解決策の高い信頼性を確保しながら動作すること;
- システム全体の最も一般的な遠隔管理操作を可能にする。
【0175】
事象の収集と配信に関しては、システム100はいわゆるパブリッシュ/サブスクライブモデルに基づいている。
【0176】
このようなモデルは、システム100が以下のものを含むことを確立する:
- メッセージブローカ;
- パブリッシュ/サブスクライブ・システムクライアント。
【0177】
ブローカは、クライアントからすべてのメッセージを受信し、関連する宛先クライアントに届ける(route)するサーバである。
【0178】
クライアントとは、メッセージの送受信のためにブローカとやり取りできるあらゆるものを指す。
【0179】
通信するために、クライアントはブローカに接続する。
【0180】
メッセージは特定の受信者宛ではなく、「トピック」の下に公開される。
【0181】
クライアントはブローカ内のいずれの「トピック」にもサブスクライブできる。
【0182】
システム100で使用するモデルでは、接続は暗号化され、TSLプロトコル上で動作すると仮定される。
【0183】
通信は基本的に以下のように行われる:
- クライアントは、メッセージとトピックをブローカに送信することで、トピックの下にメッセージを公開する;
- ブローカは、そのトピックをサブスクライブしているすべてのクライアントにメッセージを転送する。
【0184】
メッセージはトピックによって整理されるので、ウェブアプリの開発者は、特定のクライアントが特定のメッセージとしかやり取りできないように指定できるような適応性(flexibility)を有する。
【0185】
例えば、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器は、「sensor-data」トピックの下でその読み取り値を公開し、「config-change」トピックにサブスクライブする。
【0186】
逆に、監視塔アプリケーションは、「sensor-data」トピックをサブスクライブし、「config-change」の下で、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器のセットアップのあらゆるアップデートを公開する。
【0187】
一実施形態によれば、パブリッシュ/サブスクライブモデルはMQTTライブラリに基づく。
【0188】
音声通信については、オーディオインターコム/放送セッションは、インターネット電話や他のマルチメディア接続を開始する方法を記述するセッション開始プロトコル(SIP)を使用して開始される。
【0189】
SIPプロトコルは、さまざまなタイプの通信セッションを確立できる:
- 2つのグループ間の通信(通常の電話会話);
- マルチパーティ通信(全員が聞いたり話したりできる);
- マルチキャスト通信(1人の送信者と多数の受信者)。
【0190】
SIPプロトコルは、通信セッションの内容を確立するのではなく、単にセッションのセットアップ、管理、終了のサポートを提供するだけである。
【0191】
RTP/RTCPなどの他のプロトコルもデータ転送に使用される。
【0192】
本発明によれば、送信の内容は、グループ間の通信に必要なデジタル音声である。
【0193】
本発明のシステム100では、前述の第1の複数の電子機器40の全ての電子機器とのインターコムおよび放送音声通信を実施するために、SIPプロトコルが使用される。
【0194】
接続要求が受信されると、アプリケーションレベルで即座に確認されるため、オペレータによる確認/介入の必要なく、通信を即座に開始することができる。
【0195】
インターコム機能としては、2つのグループ間通信の場合はSIP通信が使用され、前述の第1の複数の電子機器40の全ての電子機器への放送通信の場合はマルチキャストモードが使用される。
【0196】
リアルタイムオーディオ通信には、マルチメディアコンテンツのリアルタイム伝送に特化したRTP(Real-time Transport Protocol)と、ストリーミング制御に特化したRTCPが使用される。
【0197】
認証サポートに関しては、システム管理アプリケーションへのアクセスは、少数の管理されたオペレータに限定されなければならない。
【0198】
システムにアクセスする際のプロファイルやニーズに応じて、ユーザを認証する必要がある。
【0199】
監視塔オペレーションセンターのスペースは分離されておらず、また、異なるオペレータがセッション内で操作できるため、ログインユーザにも第2レベルの認証を提供する必要がある。
【0200】
この意味で、例えば警報の消音など、システムにとって重要な機能のロック解除は、二次認証によってのみ許可される。
【0201】
二次認証モードでは、たとえば RFID/NFCバッジを使用することができる。
【0202】
バッジを使用することの決定は、アプリケーションのシナリオに合致しており、オペレータの日常業務に過度の影響を与えない。
【0203】
ユーザ認証は、Wi-Fiネットワークにアクセスするためにも必要であることに留意するべきである。
【0204】
特に、システムは、例えばRADIUSと呼ばれる認証プロトコルを採用する造船所で使用される解決策に依存する。
【0205】
システム100の構成については、前述したように、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器も、各センサ(またはセンサノード)も、プラグアンドプレイタイプのロジックに従って構成される。
【0206】
より詳細には、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器の構成は、特定の警告や手動による構成を必要としない。
【0207】
サービスのURLに変更が生じ、電子証明書を更新する必要が生じた場合、システム 100は、MQTTプロトコルを使用して、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器の構成を遠隔操作でアップデートすることができる。
【0208】
前述の第1の複数の電子機器40の1つの電子機器がシステム100から取り外されると、少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)は、それがもはや利用できないことを検知する。
【0209】
しかし、故障と保守活動とを区別するために、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器を取り外す場合には、アプリケーション設定活動は、その機器に関連する制御を取り外すことが必要である。
【0210】
センサの構成に関しては、新しいセンサがシステム100に挿入された場合、設置に携わるスタッフによる多大な技術的介入を必要とすることなく、システム100によって即座に認識され得なければならない。
【0211】
前述の認識は、センサ自体の性質に関する情報とともに、センサのアドレスを含む必要がある。
【0212】
しかし、センサの正確な物理的位置をオペレータが地図上に定義する必要がある。これは、少なくとも1つのローカル電子計算機10(監視塔オペレーションセンター)で使用されるウェブアプリを使用して、またはスマートフォンやタブレットのようなモバイル端末によって、ウェブアプリで操作することによって行うことができる。
【0213】
センサがシステム100から取り外されると、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器は、センサがもはや利用できないことを検知する。
【0214】
しかし、故障(例えば、センサ又はそれを接続するケーブルの損傷)の場合と、技術者が意図してセンサを取り外す(例えば、保守が必要なセンサを交換する)場合と、を自律的に区別するために、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器は、センサを取り外す場合に、指示されたセンサがシステム100の機器の一部ではなくなったことを指定するメッセージをウェブアプリから受信することを予期する。
【0215】
このようにして、到達不能なセンサは、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器から除去され、ポーリングサイクルにおいてもはや照会されない。
【0216】
さらに、新しいセンサを認識できるようにするために、センサを接続するバス/ネットワークは、新しいセンサがオンライン利用可能性に関する連絡を送信できるようにする放送メカニズムを実装する必要がある。
【0217】
逆に、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器が固定されたアドレス/識別子を有し、それらの電子機器の電源がオンになるとすぐに、すべてのセンサがそのアドレスにログ記録されるようにすることも可能である。
【0218】
操作のログ記録に関しては、システム100のステータスのすべての変更、すべての管理操作、オペレータによって実行されるすべての活動が、サーバに記録されなければならない。
【0219】
この要件は、何が起こったかを正確に分析し、事故の場合に出来事を正確に再構築する必要性から生じる。
【0220】
すべての操作を「ログ記録」する必要性によって、それらを異なるオペレータに帰属させる必要性も強調される。そのためには以下が必要である:
- オペレータ認証のための最も適切なメカニズムを特定する;
- 認証メカニズムを既存の会社のツールやポリシーに組み入れる。
【0221】
例えば、バッジを使用して、誰が主な操作(例えば警報の消音)を行ったかを認識する可能性が提供される。
【0222】
実際、監視塔のオペレーションセンターのスペースは隔離されておらず、個人の認証情報によるシステムへの個人的なアクセスでさえ、誰が特定のオペレーションを実行したかを合理的な確実性をもって特定するのに十分ではない。
【0223】
図2aを参照すると、一実施形態では、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機10に直接接続されている。
【0224】
第1の複数の電子機器40の電子機器と少なくとも1つのローカル電子計算機10との接続は、有線接続のバックボーンケーブルである。
【0225】
さらに、前述の第1の複数の電子機器40の電子機器と少なくとも1つのローカル電子計算機10との接続には、例えば数百メートルに等しい長い接続バックボーンケーブルの配線が必要であることに留意されたい。
【0226】
この点で、光ファイバの使用は、接続の質を向上させ、有線接続がUTP銅線(すなわち、シールドされていないツイストペア)で作られている場合に推奨される限界である100メートルを超える接続バックボーンケーブルを持つ可能性を得ることを可能にする。
【0227】
図2bに示すさらなる実施形態によれば、先行する実施形態の代替として、また先行する実施形態の前に説明した他の実施形態のいずれか1つと組み合わせて、システム100は、有線接続によって建造中の船舶1の監視塔に動作可能に接続されるように構成された第2の複数の電子デバイス30を備える。
【0228】
第2の複数のデバイス30は、造船所(船舶建造中)に隣接する埠頭(quay)に沿って分散配置される。
【0229】
前述の第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスと建造中の船舶1の監視塔との有線モードでの接続は、有線接続である。
【0230】
複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、ラウタまたはネットワークスイッチとして動作するように構成される。
【0231】
第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、少なくとも1つのローカル電子計算機10に動作可能に接続されている。
【0232】
この実施形態では、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、前述の第2の複数の電子デバイス30の電子デバイスによって、少なくとも1つのローカル電子計算機10に動作可能に接続される。
【0233】
本実施形態では、前述の第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスを「第1のレベル」の電子デバイスと呼ぶことができ、前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器を「第2のレベル」の電子機器と呼ぶことができる。
【0234】
この点に関して述べると、前述の第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、アプリケーションの関心のある機能を実行するように構成されていない。
【0235】
第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、実際には、船舶1の監視塔と、その代わりにシステム100の動作シナリオにとって関心のある機能を実行するように構成された、いわゆる「第2のレベル」の電子機器(前述の第1の複数の電子機器40の電子機器)との間の接続を簡素化および合理化するというニーズを満たすように構成されている。
【0236】
第2の複数の電子デバイス30の電子デバイスと少なくとも1つのローカル電子計算機10との接続は、有線接続のバックボーンケーブルである。
【0237】
さらに、前述の第2の複数の電子デバイス30の電子デバイスと少なくとも1つのローカル電子計算機10との接続には、例えば数百メートルに等しい長い接続バックボーンケーブルを配線する必要があることに留意すべきである。
【0238】
この点で、光ファイバの使用は、接続の質を向上させ、有線接続がUTP銅線(すなわち、シールドされていないツイストペア)で作られている場合に推奨される限界である100メートルを超える接続バックボーンケーブルを持つ可能性を得ることを可能にする。)
【0239】
次に、図7a及び図7bも参照して、異なる実施形態に係る前述の第2の複数の電子デバイス30の電子デバイスを説明する。
【0240】
電子デバイス30は、入力として光ファイバFO1(図7a)又は2本の光ファイバFO1及びFO2(図7b)及びシステム100の電気供給A-Eを受け取り、出力としてイーサネット接続バックボーンケーブル(例えば、UTP銅製)C-Dをもたらすように構成される。
【0241】
一実施形態では、前述の第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、少なくとも1つのローカル電子計算機10に直接接続されている。
【0242】
先の実施形態に代わる更なる実施形態では、前述の第2の複数の電子デバイス30の全ての電子デバイスのうち、少なくとも1つのローカル電子計算機10に最も近い電子デバイスが、少なくとも1つのローカル電子計算機10に直接接続される。
【0243】
この実施形態では、少なくとも1つのローカル電子計算機10に最も近い電子デバイスから始まって、前述の第2の複数の電子デバイス30の電子デバイスは、カスケード方式で(すなわち、デイジーチェーンモードで)互いに接続される。
【0244】
図7aに示される一実施形態によれば、電子デバイス30は、入力として受信される電気供給A-Eに加えて、入力として光ファイバFO1を受信し、出力としてイーサネット接続バックボーンケーブルC-Dをもたらすように適合されたラウタまたはネットワークスイッチSW-1を備える。
【0245】
図7bに示す更なる実施形態によれば、電子デバイス30は、以下の構成を含む:
- 入力として第1の光ファイバFO1を受信し、出力として第1のイーサネット接続(銅線)CE1をもたらすように適合された第1のラウタ又はネットワークスイッチSW-1;
- 入力として第2の光ファイバFO2を受信し、出力として第2のイーサネット接続(銅線)CE2を受信するように適合された第2のラウタまたはネットワークスイッチSW-2;
- 入力として第1のイーサネット接続CE1および第2のイーサネット接続CE2を受信し、出力として接続バックボーンケーブルC-Dを受信するように適合されたスプリッタSP-1。
【0246】
電子デバイス30はまた、入力として受け取った電気供給A-Eを出力するように適合されている。
【0247】
次に、図8のブロック図も参照して、船舶建造中の造船所での活動を支援するための方法800を説明する。
【0248】
本方法の説明とともに後述するコンポーネント及び情報は、システム100を参照して既に説明されているため、簡潔にするために繰り返さないことに留意されたい。
【0249】
方法800は、STを開始する象徴的ステップを含む。
【0250】
方法800はさらに、船舶1の監視塔に動作可能に設置されるように構成された少なくとも1つのローカル計算機10を提供するステップ801を含む。
【0251】
少なくとも1つのローカル電子計算機10は、船舶1から離れた少なくとも1つの中央電子計算機20に動作可能に接続されるように構成される。
【0252】
方法800は、1つまたは複数のツリーネットワークトポロジーを形成するために、それぞれの有線接続バックボーンケーブルによって動作可能に接続された第1の複数の電子機器40を提供するステップ802をさらに含み、それぞれのツリーネットワークトポロジーのルートノードを代表する前述の第1の複数の電子機器40の各電子機器は、少なくとも1つのローカル電子計算機10に動作可能に接続される。
【0253】
方法800は、造船所内に分散配置された複数のセンサ50によって、造船所1(先に定義した)を代表する情報を検知するステップ803をさらに含む。
【0254】
複数のセンサ50は、それぞれの有線接続ケーブルによって第1の複数の電子機器40に動作可能に接続され、前述の第1の複数の電子機器40の1つまたは複数の電子機器から1つまたは複数のネットワークトポロジーを形成する。
【0255】
方法800は、複数のセンサ50によって検知された造船所を代表する情報に基づいて、第1の複数の電子機器40の各電子機器によって、造船所のネットワーク接続性および安全性を管理するステップ804をさらに含む。
【0256】
この方法はさらに、EDを終了させる象徴的なステップを含む。
【0257】
図8に破線で示す実施形態によれば、方法800は、有線接続によって建造中の船舶1の監視塔に動作可能に接続された第2の複数の電子デバイス30を提供するステップ805をさらに備える。
【0258】
第2の複数の電子デバイス30は、造船所に隣接する埠頭に沿って分散配置される。
【0259】
第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスと建造中の船舶1の監視塔との有線モードでの接続は、有線接続である。
【0260】
第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、ラウタまたはネットワークスイッチとして動作するように構成される。
【0261】
第2の複数の電子デバイス30の各電子デバイスは、少なくとも1つのローカル電子計算機10に動作可能に接続されている。
【0262】
異なる実施形態による方法の他のステップは、システム100の異なる実施形態によって先に説明したシステム100の異なる機能に対応することができる。
【0263】
示されたとおり、船舶建造中の造船所での活動を支援するためのシステムおよび関連する方法にはいくつかの利点があり、そのうちのいくつかは既に上述したとおりであるから、本願発明の目的は完全に達成される。
【0264】
実際、システム100は、システムの制約や硬直性を克服し、新たなニーズに追従することが可能であるため、インフラの長期にわたる使用の適応性と保守の容易性を確保し、事故防止を始めとする安全性の様々な側面を向上させることができる。
【0265】
より詳細には、本発明のシステムは、火災、洪水、その他の危機的状況を検知することができる。
【0266】
これにより、有利なことに、生産の完全性を保護しながら、作業時の安全レベルを大幅に向上させることができる。
【0267】
本発明のシステムは、有利なことに移動可能で動的である。
【0268】
実際、船舶が建造されるにつれて、新しいコンポーネント(電子デバイス、センサ、センサノード)を監視システムに追加することができる。
【0269】
生産活動の進行に伴い、システムは、利用可能な場合には、船舶の防火システムと組み合わされ、事故防止の役割は、最終製品のセットアップ段階において徐々に引き渡される。
【0270】
本発明のシステムが必要とする主な機能は以下のとおりである:
- 環境センサによって検知されたデータを読み取り、監視塔オペレーションセンターに転送すること;
- 前述の第1の複数の電子機器40のうちの電子機器と監視塔との間のプッシュツートーク通信;
- 造船所及び/又は船舶に配置された、第1の複数の電子機器40の全ての電子機器に対して、放送音声通信を行う;
- 警報の収集及び表示;
- 前述の第1の複数の電子機器40の電子機器、センサ及びセンサノードが極めて単純な構成(理想的には、プラグアンドプレイ)を有する可能性。
【0271】
さらに、本発明のシステムは、有利なことに、通常市販されている防火対策に統合されている温度センサと煙検知器を使用して、火災を検知するために必要なセンサを統合することができ、作業員と生産にとって危険な状況を強調する抗洪水センサを統合することができる。
【0272】
最後に、本発明のシステムは、例えば、あるプロセス中に発生し得るガスや、将来的に特定され得る更なる危険要素を検知することを可能にする、更なる環境センサを経時的に統合するのに十分な柔軟性を有している。
【0273】
本発明のシステムのさらなる利点は、システムの異なるコンポーネントを接続する配線を改善できる可能性があることである。
【0274】
実際、通常の造船所作業では、ケーブルの損傷は頻繁に発生し、作業や事故防止を著しく複雑にしている。
【0275】
この点で、得られる改善は、より大きな適応性に加えて、可能であれば、現状では取り扱いや設置が困難で面倒な配線の軽量化にも関連する。
【0276】
さらに、本発明のシステムは、前述したように、有利には、日常点検活動中に、造船所の様々な区域の点検を実施する消防隊のパトロールの通過を検知することができる。
【0277】
消防隊の検査を検知することができる技術的解決策が利用可能であることは、操船者にとっての保証であり、操船者は、船舶の様々な領域が正しく検査されたことをいつでも証明することができる。
【0278】
さらに、検査追跡システムは、検査に使用されるリソースの数が適切かどうか、または追加スタッフを提供する必要があるかどうかを評価するための重要な要素を提供することができる。
【0279】
最後に、造船所内の消防士の位置が(おおよそでも)見えることで、監視塔のオペレーションセンターのスタッフは、事故の場合の対応を効果的に計画することができる。
【0280】
システム100は、さらに、以下を収集し、監視することによって、造船所内で発生するすべての事象を分析することができる:
- 火災、洪水などの発生によって決定される緊急事態;
- センサの断線、故障、ケーブルの切断によるシステム全体の断線など、予防システムにおける故障や異常。
【0281】
このため、生産に影響を及ぼす前に問題を特定し、修正することが可能であり、また、優れたシステム管理および設定方法を特定することも可能である。実際、現在までのところ、防火システムの設置、解決策の設置基準、システムの期待性能を定義するための正確な基準に関して、異なる造船所/プロジェクト間で共有される確立されたガイドラインは存在しない。さらに、防火解決策のサービスレベルが期待通りであるかどうか、また、どこで/いつそれが満たされないかを評価することも可能である。
【0282】
最後に、本発明のシステムは、船舶の進水後でも作動可能であることに留意すべきである。
【0283】
実際、船が完成した後でも、接続性を管理するためにこのシステムを使用することは可能である。
【0284】
この場合、システムのタスクは、もはや造船所における安全管理プロセスの支援に関連するものではなく、単純な無線接続性の提供に関連するものである。
【0285】
当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、上述のシステムおよび方法の実施形態に変更および適合を加えることができ、または偶発的なニーズを満たすために機能的に等価な他の要素と置き換えることができる。1つの可能な実施形態に属するものとして上述した各特徴は、上述した他の実施形態に関係なく実施することができる。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
【外国語明細書】