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特開2024-7139電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007139
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240111BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108391
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002255
【氏名又は名称】SWCC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】新舘 均
(72)【発明者】
【氏名】中山 雄裕
(72)【発明者】
【氏名】秋谷 安司
(72)【発明者】
【氏名】佐野 達郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬間 信幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、デジタル技術を用いて各工事現場から得られる情報を活用可能とする。
【解決手段】工事現場の現場情報を収集する現場情報収集部10と、現場情報を蓄積する情報蓄積部20と、を少なくとも有する工事支援システムである。現場情報には(a)使用製品情報、(b)作業映像情報、(c)作業実績情報、(d)設計管理値情報、(e)作業結果情報、(f)工具管理情報、(g)現場環境情報または(h)所要時間情報などが含まれており、これらの現場情報を用いて、故障リスクの算出、不具合原因の推定、作業者の技能評価および作業改善資料の生成等に活用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事用の工事支援システムであって、
工事現場の現場情報を収集する、現場情報収集部と、
前記現場情報を蓄積する、情報蓄積部と、
を少なくとも有することを特徴とする、
電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項2】
前記現場情報に基づいて、工事現場での使用製品の経年故障リスクを算出する、故障リスク算出部を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項3】
前記現場情報に基づいて、工事現場での不具合原因を推定する、不具合原因推定部を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項4】
前記現場情報に基づいて、作業者の技能を評価する、作業者評価部を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項5】
前記現場情報に基づいて、工事現場での作業改善情報を生成する、作業改善情報生成部を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項6】
作業者の現在地情報を収集する、現在地情報収集部と、
前記現場情報および前記現在地情報に基づいて、工事現場を担当する作業者を選定する、作業者選定部、を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項7】
前記作業者と、工事現場外の作業支援者との間で、視覚的およびまたは聴覚的な情報伝達を可能とする、情報伝達部を更に有することを特徴とする、
請求項1に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項8】
前記現場情報が、(a)使用製品情報、(b)作業映像情報、(c)作業実績情報、(d)設計管理値情報、(e)作業結果情報、(f)工具管理情報、(g)現場環境情報および(h)所要時間情報、を含むことを特徴とする、
請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項9】
電力ケーブル延線工事または接続工事用の工事支援システムであって、
工事現場の現場情報を収集する、現場情報収集部と、
作業者の現在地情報を収集する、現在地情報収集部と、
前記現場情報を蓄積する、情報蓄積部と、
前記現場情報に基づいて、工事現場での経年故障リスクを算出する、故障リスク算出部と、
前記現場情報に基づいて、工事現場での不具合原因を推定する、不具合原因推定部と、
前記現場情報に基づいて、作業者の技能を評価する、作業者評価部と、
前記現場情報に基づいて、工事現場での作業改善情報を生成する、作業改善情報生成部と、
前記現場情報および前記現在地情報に基づいて、工事現場を担当する作業者を選定する、作業者選定部と、
前記作業者と、工事現場外の作業支援者との間で、視覚的およびまたは聴覚的な情報伝達を可能とする、情報伝達部と、
を少なくとも有することを特徴とする、
電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【請求項10】
前記作業者が装着する、ウェアラブルカメラと、
前記作業者が保有する、情報処理端末と
ネットワークを介して情報の送受信を可能に構成した、サーバと、
を少なくとも具備し、
前記現場情報が、(a)使用製品情報、(b)作業映像情報、(c)作業実績情報、(d)設計管理値情報、(e)作業結果情報、(f)工具管理情報、(g)現場環境情報および(h)所要時間情報、を含み、
前記ウェアラブルカメラが、前記現場情報収集部として、前記(b)作業映像情報を収集し、
前記情報処理端末が、前記現場情報収集部および前記現在地情報収集部として、前記(a)使用製品情報、(c)作業実績情報、(d)設計管理値情報、(e)作業結果情報、(f)工具管理情報、(g)現場環境情報、(h)所要時間情報、および現在地情報を収集し、
前記サーバが、前記情報蓄積部として、前記現場情報および現在地情報を蓄積する、
ことを特徴とする、
請求項9に記載の電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブル延線工事または電力ケーブル接続工事用の工事支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建設業において、デジタル技術を導入することで、工事日数の短縮や、コストの削減、技能労働者の減少に伴う補完等の実現が期待されている。
例えば、特許文献1には、ステレオカメラによる撮影データを用いて工事の進捗状況を把握する施工管理システムが開示されている。
また、特許文献2には、重機の位置をGPSにて特定しながら建設工事の施工管理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-186551号公報
【特許文献2】特開2007-162223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、建設業法上、電気工事業に属する、電力ケーブルの延線工事や電力ケーブルの接続工事の分野では、上記したデジタル技術の導入が順調に進んでいない、という実情がある。
【0005】
よって、本発明は、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、デジタル技術を用いて各工事現場から得られる情報を活用可能とする手段の提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明は、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事用の工事支援システム(以下、単に「工事支援システム」ともいう。)であって、工事現場の現場情報を収集する、現場情報収集部と、前記現場情報を蓄積する、情報蓄積部と、を少なくとも有するよう構成した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、各工事現場から得られる情報をビッグデータとして活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る工事支援システムの全体構成を示す図。
図2】実施例2に係る工事支援システムの全体構を示す成図。
図3】経年故障リスクの出力例を示す図。
図4】不具合原因の出力例を示す図。
図5】作業者評価の出力例を示す図。
図6】作業改善情報の出力例を示す図。
図7】実施例3に係る工事支援システムの全体構成を示す図。
図8】実施例4に係る工事支援システムの全体構成を示す図。
図9】作業者側端末での画面表示例を示す図。
図10】支援者側端末での画面表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
なお、本発明は、各実施例で説明した各部のうち、少なくとも何れか1つを含んだ構成や、各部の全てを含んだ構成も権利範囲に含まれる。
また、本発明は、各部を、ハードウェアおよびソフトウェアを任意に組み合わせて実現することができるほか、各部を個別の装置とする構成や、複数の各部を一つの装置に組み込んで一体化した構成等を採用することもできる。
また、本発明において、現場の数、各部の数、各部の配置場所、各現場における構成の異同は特段限定しない。
【実施例0010】
<1>全体構成(図1
図1に、本発明の実施例1に係る工事支援システムの全体構成を示す。
本実施例に係る工事支援システムは、現場情報収集部10および情報蓄積部20を具備しており、両者は互いに、ネットワークを介して情報の送受信を可能に構成している。
以下、各部の詳細について説明する。
【0011】
<2>現場情報収集部(図1
現場情報収集部10は、工事現場の現場情報を収集する機能を有する。
現場情報収集部10は、工事現場に派遣されている作業者が保有する情報処理端末(ノートPC、タブレット、スマートフォン)にインストールされたアプリケーション、情報処理端末のWEBブラウザ上で実行されるWEBアプリケーション、情報処理端末に組み込まれているハードウェアの制御プログラム等によって実現することができる。
【0012】
<2.1>現場情報
現場情報とは、工事現場で収集可能な情報である。
工事現場で収集可能な情報とは、いわゆる5W3Hに相当する以下に示す情報を対象とすることができる。
・When(いつ):作業日時など
・Where(どこで):作業場所、作業環境など
・Who(誰が):作業者
・What(何を):工事現場で使用する製品名や工事名など
・Why(なぜ):工事の目的(新規布設、ケーブル張替、解体など)
・How(どのように):作業内容、作業件数など
・How many(どれくらい):作業時間、作業数量(ケーブル何条延線、ケーブル端末何個敷設)、作業人数など
・How much(いくら):製品価格、工事費用など
【0013】
現場情報をカテゴリ別に分類した際の一例を以下に説明する。
なお、各現場情報には、いわゆる、ハッシュタグとも呼ばれる検索ワード(例:#○○○)を付加してもよい。
【0014】
(a)使用製品情報
使用製品情報とは、工事現場において使用する製品や部品の追跡等に使用される情報である。
使用製品情報には、ロット番号、諸元情報、生産時期情報などが含まれる。
使用製品情報は、ロット番号を介して、当該製品のメーカーで管理している工場記録等と紐付けておくこともできる。
【0015】
(b)作業映像情報
作業映像情報とは、作業内容の記録・保存や、今後の研修資料等への活用等に使用される情報である。
作業映像情報には、作業者等が撮影した、工事現場での作業内容を撮影した映像データや、定点カメラによって撮影された映像データなどが含まれる。
【0016】
(c)作業実績情報
作業実績情報とは、作業者の実績評価等に使用される情報である。
作業実績情報には、作業完了後に、作業者の手入力によって得られる、作業者情報、作業内容、作業件数などが含まれる。
【0017】
(d)設計管理値情報
設計管理値情報とは、作業者による作業時に、予め定められている設計管理値を満たしているか否かを判定するための情報である。
設計管理値情報には、電力ケーブルの接続作業時に、その都度作業者の確認作業後の手入力等で得られる、各種の寸法測定値などが含まれる。
【0018】
(e)作業結果情報
作業結果情報とは、作業の完了時に、所定通りに作業が行われているか否かを確認するための情報である。
作業結果情報には、作業者の手入力等で得られる、作業毎に取り決めてある確認項目などが含まれる。
【0019】
(f)工具管理情報
工具管理情報とは、作業者が使用する工具の追跡や、派遣する作業者の選定等に使用される情報である。
工具管理情報には、工具毎に予め付与されている、識別番号、名称、型番、使用年数、管理記録などが含まれる。
【0020】
(g)現場環境情報
現場環境情報とは、工事現場の環境を把握するための情報である。
現場環境情報には、作業者の手入力またはアプリケーションによる自動計測等で得られる、現場の天候、気温、湿度、その他の環境条件などが含まれる。
【0021】
(h)所要時間情報
所要時間情報とは、作業者が作業に要した時間を把握するための情報である。
所要時間情報には、作業者の手入力またはアプリケーションによる自動計測等で得られる、作業の開始時間および終了時間、作業時間などが含まれる。
【0022】
<3>情報蓄積部(図1
情報蓄積部20は、現場情報収集部10で収集した現場情報を蓄積する機能を有する。
情報蓄積部20は、データセンター等に設置したサーバ等によって実現することができる。
【0023】
<4>使用例(図1
次に、本実施例に係る工事支援システムの使用例について説明する。
工事現場において、作業者が作業を行う際または作業完了後に、作業者の手入力またはアプリケーションによる自動入力等によって収集された現場情報は、ネットワークを介して、作業者による任意のタイミングまたは自動的に情報蓄積部20へと送信される。
情報蓄積部20で受信した現場情報は、所定のアクセス管理が施されて、本システムの提供者や利用者によって閲覧または編集可能な状態で蓄積される。
蓄積された現場情報は、発注者および受注者での工事内容の記録・保管、受注者側での作業者の研修資料の作成は技能評価の算出などへの活用が期待できる。
【0024】
<5>まとめ
本実施例に係る工事支援システムによれば、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、各工事現場から得られる情報をビッグデータとして活用することができる。
【実施例0025】
<1>全体構成(図2
図2に、本発明の実施例2に係る工事支援システムの全体構成を示す。
本実施例に係る工事支援システムは、情報蓄積部20、故障リスク算出部30、不具合原因推定部40、作業者評価部50および作業改善情報生成部60を具備している。
なお、図2では、データセンター等に設けたサーバが、情報蓄積部20、故障リスク算出部30、不具合原因推定部40、作業者評価部50および作業改善情報生成部60として機能する態様を想定している。
【0026】
また、故障リスク算出部30、不具合原因推定部40、作業者評価部50および作業改善情報生成部60による出力には、過去の情報や結果を教師データとしてニューラルネットワークを機械学習させたプログラムなどを用いても良い。
【0027】
以下、各部の詳細について説明する。なお、情報蓄積部20は、実施例1で説明した情報蓄積部20と同一構成を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
【0028】
<2>故障リスク算出部(図2
故障リスク算出部30は、情報蓄積部20で蓄積してある現場情報に基づいて、工事現場での使用製品の経年による故障リスクを算出する機能を有する。
故障リスクの算出に用いる現場情報には、実施例1で説明した、(a)使用製品情報、(b)作業映像情報および(c)作業実績情報、などを含めることができる。
例えば(a)使用製品情報からは、工事で使用した各製品の耐用年数やその他の現場での故障履歴等が、故障リスクと因果関係があるものと考えられる。
また(b)作業映像情報からは、当該作業映像と適切に行われた作業映像との対比による作業内容の同一性等が、故障リスクと因果関係があるものと考えられる。
また(c)作業実績情報からは、作業を担当した作業者の技能レベル等が、故障リスクと因果関係があるものと考えられる。
【0029】
[故障リスクの表示例](図3
図3に、故障リスクの表示例を示す。
図3では、工事を行った現場イにおいて、現場情報に基づいて算出された、経年毎の故障リスクを、パーセント表示で表示している。
このように、現場毎に、経年毎の故障リスクを表示することで、将来実施する保守作業の計画等に役立てることができる。
【0030】
<3>不具合原因推定部(図2
不具合原因推定部40は、情報蓄積部20で蓄積してある現場情報に基づいて、工事現場での不具合原因を推定する機能を有する。
不具合原因の推定に用いる現場情報には、実施例1で説明した、(a)使用製品情報、(b)作業映像情報、(c)作業実績情報、(d)設計管理値情報、(e)作業結果情報、(f)工具管理情報、および(g)現場環境情報などを含めることができる。
例えば(a)使用製品情報からは、工事で使用した各製品の耐用年数や、その他の現場での故障履歴等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(b)作業映像情報からは、当該作業映像と適切に行われた作業映像との対比による作業内容の同一性等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(c)作業実績情報からは、作業を担当した作業者の技能レベル等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(d)設計管理値情報からは、実際に測定した設計管理値と、好ましい管理値との差分等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(e)作業結果情報からは、確認項目の漏れ等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(f)工具管理情報からは、工事で使用した工具の使用年数等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
また(g)現場環境情報からは、現場の天候、気温、湿度等について、好ましい施工環境との差分等が、不具合原因と因果関係があるものと考えられる。
【0031】
[不具合原因の表示例](図4
図4に、不具合原因の表示例を示す。
図4では、工事を行った現場において、現場情報に基づいて算出された、不具合原因を項目別にパーセント表示で示している。
このように、現場毎に、不具合原因の項目を表示することで、不具合発生時における原因特定作業に優先度を付けることができる。また、不具合発生前に、不具合原因として挙げられている製品のメンテナンスを重点に行うなどの対策を立てることもできる。
【0032】
<4>作業者評価部(図2
作業者評価部50は、情報蓄積部20で蓄積してある現場情報に基づいて、作業者の技能を評価する機能を有する。
作業者評価に用いる現場情報には、実施例1で説明した、(b)作業映像情報、(c)作業実績情報、および(h)所要時間情報などを含めることができる。
例えば(b)作業映像情報からは、当該作業映像と適切に行われた作業映像との対比による作業内容の同一性等が、作業者評価と因果関係があるものと考えられる。
また(c)作業実績情報からは、作業を担当した作業者の技能レベル等が、作業者評価と因果関係があるものと考えられる。
また(h)所要時間情報からは、所要時間の長短等が、作業を担当した作業者の技能レベル等と因果関係があるものと考えられる。
【0033】
[作業者評価の出力例](図5
図5に、作業者評価の表示例を示す。
図5では、各作業者について、作業内容毎に総合評価、作業時間、不具合発生率などが表示されている。
このように、作業者毎に、得意とする作業を把握することで、作業内容に応じて最適な作業者を選定することができる。
また、作業者毎に、不得意とする作業を把握することで、不得意とする作業についての研修を実施する等の対策をとることもできる。
【0034】
<5>作業改善情報生成部(図2
作業改善情報生成部60は、情報蓄積部20で蓄積してある現場情報に基づいて、工事現場での作業改善情報を生成する機能を有する。
作業改善情報の生成に用いる現場情報には、実施例1で説明した、(b)作業映像情報、および(h)所要時間情報などを含めることができる。
例えば、(b)作業映像情報からは、当該作業映像と適切に行われた作業映像との対比による作業内容の同一性を解析することによって、作業内容を改善すべき対象に該当するか否か、や、今後の作業改善マニュアルの手本として採用可能か否か、等を判定することができる。
また、(h)所要時間情報からは、所要時間が所定の時間よりも長い場合に、作業内容を改善すべき対象に該当する、と判定することができる。
【0035】
[作業改善情報の出力例](図6
図6に、作業者向けの作業改善情報の表示例を示す。
図6では、作業Cについて所要時間が長いことを理由に不得意と判定された場合を想定しており、作業Cを構成する各作業C1,C2,C3について、それぞれ当該作業を得意とする作業者から収集した作業映像情報を抽出して見本映像61として閲覧可能に構成した作業改善資料が生成されている。
このように、作業者毎に、不得意とする作業についての作業改善情報を生成することで、作業者の技能レベルを向上させることができる。
【0036】
<6>まとめ
本実施例に係る工事支援システムによれば、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、ビッグデータとして蓄積した現場情報を、故障リスクの算出、不具合原因の推定、作業者の技能評価および作業改善資料の生成等に活用することができる。
【実施例0037】
<1>全体構成(図7
図7に、本発明の実施例3に係る工事支援システムの全体構成を示す。
本実施例に係る工事支援システムは、情報蓄積部20、現在地情報収集部70、および作業者選定部80を具備して構成している。
なお、図7では、各作業者が保有する情報処理端末200が、現在地情報収集部70として機能し、データセンター等に設けたサーバ300が、情報蓄積部20および作業者選定部80として機能する態様を想定している。
以下、各部の詳細について説明する。なお、情報蓄積部20は、実施例1で説明した情報蓄積部20と同一構成を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
【0038】
<2>現在地情報収集部(図7
現在地情報収集部70は、作業者の現在地情報を収集する機能を有する。
本発明において現在地情報を収集する手法は特段限定せず、作業者が保有する情報処理端末200に設けたGPSや、公知の無線通信を用いた位置特定手段などから、現在地情報を収集することができる。
【0039】
<3>作業者選定部(図7
作業者選定部80は、情報蓄積部20で蓄積してある現場情報、および前記現在値情報収集部で収集した前記現在地情報に基づいて、工事現場を担当する作業者を選定する機能を有する。
本発明において、作業者の選定基準は適宜設計することができる。
例えば、発注者から、ある現場での工事依頼を受けた場合、作業者選定部80は、シンプルに作業者甲、乙、丙のうち、当該現場の位置情報に近い現在地情報を有する作業者を選定しても良いし、前記実施例2で説明した作業者評価を参参照して、現場で行う作業についての技能が高い作業者に絞り込んでから、当該現場の位置情報に近い作業者を選定しても良い。
【0040】
<4>まとめ
本実施例に係る工事支援システムによれば、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、現場に最適な作業者を派遣することで、工事の作業効率ならびに品質を向上させることができる。
【実施例0041】
<1>全体構成(図8
図8に、本発明の実施例4に係る工事支援システムの全体構成を示す。
本実施例に係る工事支援システムは、現場情報収集部10、情報蓄積部20および情報伝達部90を具備して構成している。
なお、図8では、各作業者Xが装着するウェアラブルカメラ100が、現場情報収集部10として機能し、各作業者Xが保有する情報処理端末200、および作業支援者Yが使用する情報処理端末400が、それぞれ情報伝達部90として機能し、データセンター等に設けたサーバ300が、情報蓄積部20として機能する態様を想定している。
以下、各部の詳細について説明する。なお、情報蓄積部20は、実施例1で説明した情報蓄積部20と同一構成を採用することができるため、詳細な説明を省略する。
【0042】
<2>現場情報収集部(図8
現場情報収集部10は、工事現場の現場情報を収集する機能を有する。
本実施例に係る現場情報収集部10は、工事現場に派遣されている作業者Xが装着するウェアラブルカメラ100や、作業者Xが保有する情報処理端末200に設けた内蔵カメラで構成することができ、このウェアラブルカメラ100や内蔵カメラによって撮影された作業映像情報を、現場情報として収集している。
【0043】
<3>情報伝達部(図8
情報伝達部90は、作業者Xと、工事現場外の作業支援者Yとの間で、視覚的およびまたは聴覚的な情報伝達を可能とする機能を有する。
情報伝達部90は、公知のTV会議システムや、チャットソフト等を用いることができる。
【0044】
<4>画面表示例1(作業者側)(図9
図9に、作業者が保有する情報処理端末200での、情報伝達部90を用いた画面表示の一例を示す。
図9では、作業者Xが、現場での作業中に、作業Cの手順に不安を覚えて、遠隔の作業支援者に問い合わせを行った場合を想定しており、作業支援者Yから作業Cの手順C1,C2についての見本映像61を作業者Xが保有する情報処理端末200に表示させた状態を示している。
見本映像61は、実施例1で説明した、情報蓄積部20で蓄積してある作業映像情報をそのまま、または適宜加工したものを用いることができる。
画面上に表示されている見本映像61は、作業支援者Yによる操作によって再生可能に構成してもよいし、作業者Xによる操作によって再生可能に構成してもよい。
【0045】
<5>画面表示例2(作業支援者側)(図10
図10に、作業支援者Y側で使用する情報処理端末400での、情報伝達部90を用いた画面表示の一例を示す。
図10では、一人の作業支援者Yが、四箇所の現場イ~ニで作業中の作業者X1~X4を支援している場合を想定しており、各現場の表示画面がリアルタイムに一覧表示されている。
この場合、作業支援者Yは、各現場のうち選択した任意の現場に対してのみ音声通話が可能となるよう構成することができる。
【0046】
例えば、現場イの表示画面は、作業者X1は、作業支援者Yによる積極的な支援を求めておらず、作業者X1が装着するウェアラブルカメラ100による撮影映像のみが表示されていて、作業支援者Yは静観している状態である。
また、現場ロの表示画面は、作業者X2は、自己が保有する情報処理端末200の内蔵カメラを用いて、対面状況で作業支援者Yとの音声通話を行っている状態である。
また、現場ハの表示画面は、作業者X3が装着するウェアラブルカメラ100による撮影映像に、作業支援者Yで使用する情報処理端末400に設けたカメラによる映像を、PinP(ピクチャーインピクチャー)形式で重畳表示させた状態である。
また、現場ニの表示画面は、作業者X4の求めに応じて、作業者Xが保有する情報処理端末200の画面上に作業マニュアル62を表示させており、この表示画面を作業支援者Y側の情報処理端末400でも表示させている状態である。
【0047】
<6>まとめ
本実施例に係る工事支援システムによれば、電力ケーブルの延線工事または電力ケーブルの接続工事の分野において、作業者と作業支援者との間での多種多様なコミュニケーションを実現可能とすることにより、工事の作業効率ならびに品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 現場情報収集部
20 情報蓄積部
30 故障リスク算出部
40 不具合原因推定部
50 作業者評価部
60 作業改善情報生成部
61 見本映像
62 作業マニュアル
70 現在地情報収集部
80 作業者選定部
90 情報伝達部
100 ウェアラブルカメラ
200 情報処理端末
300 サーバ
400 情報処理端末
X 作業者
Y 作業支援者
図1
図2
図3
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図10