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特開2024-71395骨部分を角度付けして再整列させるための圧縮伸延器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071395
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】骨部分を角度付けして再整列させるための圧縮伸延器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/54 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61B17/54
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030264
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2021500819の分割
【原出願日】2019-07-11
(31)【優先権主張番号】62/696,565
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/805,228
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517238835
【氏名又は名称】トリース メディカル コンセプツ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ティー.トリース
(72)【発明者】
【氏名】ジョー ダブリュ.ファーガソン
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エドゥアルド ギル
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エフ.スカンラン
(57)【要約】
【課題】圧縮伸延器の提供。
【解決手段】外反母趾の変形を矯正するための外科的処置などの外科的処置中に、圧縮伸延器を使用することができる。いくつかの例では、圧縮伸延器は、それぞれ第1および第2のピン受容穴を有する第1および第2の係合アームを含む。第1および第2のピン受容穴は、互いに対して角度付けされてもよい。圧縮伸延器はまた、第1および第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを含み得る。いくつかの使用例では、臨床医は、一対の平行ピンを使用して、第1の外科用装置を患者の骨にピン留めすることができる。平行ピン上で外科用装置を取り外した後、臨床医は、平行ピンを圧縮伸延器の角度付けされた第1および第2のピン受容穴を通ってねじ切りし、骨を互いに対して移動させることができる。その後、臨床医は、圧縮伸延器のアクチュエータを作動させて、骨を互いに向かって、かつ/または遠ざかって移動させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮伸延器であって、
第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アームと、
第2の骨部分に挿入された第2のピンを受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームと、
前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記第1および第2の係合アームを互いに遠ざけて移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざけて移動させるように構成され、また前記第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させる、アクチュエータと、を備え、
前記第1のピン受容穴が、非ゼロ度の角度で前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、圧縮伸延器。
【請求項2】
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、請求項1に記載の圧縮伸延器。
【請求項3】
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して2度~20度の範囲の角度で角度付けされている、請求項2に記載の圧縮伸延器。
【請求項4】
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して6度~15度の範囲の角度で角度付けされている、請求項2に記載の圧縮伸延器。
【請求項5】
前記第1のピン受容穴が、矢状面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項6】
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して5度~12度の範囲の角度で角度付けされている、請求項5に記載の圧縮伸延器。
【請求項7】
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して7度~10度の範囲の角度で角度付けされている、請求項5に記載の圧縮伸延器。
【請求項8】
前記第1の係合アームが、第3のピン受容穴をさらに備え、
前記第2の係合アームが、第4のピン受容穴をさらに備え、
第1のピン受容穴が、第1の平面において非ゼロ度の角度で前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、
前記第1のピン受容穴が、第2の平面において非ゼロ度の角度で前記第4のピン受容穴に対して角度付けされている、請求項1~7のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項9】
前額面において前記第1の平面および前記第2の平面が矢状面である、請求項8に記載の圧縮伸延器。
【請求項10】
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第4のピン受容穴に平行であり、前記第2のピン受容穴が、前記前額面において前記第3のピン受容穴に平行である、請求項8または9のいずれかに記載の圧縮伸延器。
【請求項11】
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに接続されたシャフトを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項12】
前記シャフトがねじ切りされ、前記アクチュエータが前記シャフトに結合されたノブを含む、請求項11に記載の圧縮伸延器。
【請求項13】
前記アクチュエータが、ねじ付きの前記シャフトに平行に延在する少なくとも1つのねじなしシャフトをさらに備える、請求項11または12のいずれかに記載の圧縮伸延器。
【請求項14】
前記第1の係合アームが遠位端から近位端まで延在し、前記ねじ付きのシャフトが前記近位端に隣接する前記第1の係合アームに固定的に接続され、前記少なくとも1つのねじなしシャフトが前記近位端に隣接する前記第1の係合アームに固定的に接続され、
前記第2の係合アームが遠位端から近位端まで延在し、前記少なくとも1つのねじなしシャフトが、延在する前記近位端に隣接する少なくとも1つのねじなし開口部、および前記ねじ付きのシャフトが延在する前記近位端に隣接するねじ付き開口部を含む、請求項13に記載の圧縮伸延器。
【請求項15】
前記第1の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、
前記第2の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、
前記第1の係合アームの前記遠位端が、前記第1の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第1のピンブロックを画定し、
前記第2の係合アームの前記遠位端が、前記第2の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第2のピンブロックを画定する、請求項1~14のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項16】
前記第1の係合アームの前記近位端および前記第2の係合アームの前記近位端が、それぞれ、前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックから非ゼロ度の角度で上向きに角度付けされている、請求項15に記載の圧縮伸延器。
【請求項17】
前記非ゼロ度の角度が40度~80度の範囲である、請求項16に記載の圧縮伸延器。
【請求項18】
前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックが各々、切り欠きを画定する、請求項15~17のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項19】
前記第1のピン受容穴および前記第2のピン受容穴が各々、0.5ミリメートル~4ミリメートルの範囲の直径を有する円形の開口部を画定する、請求項1~18のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項20】
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームから1ミリメートルから2.5ミリメートルの範囲の距離だけ遠ざかって移動させるように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の圧縮伸延器。
【請求項21】
方法であって、
第1のピンが第2のピンと実質的に平行になるように、前記第1のピンを第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを第2の骨部分に挿入することと、
少なくとも、圧縮伸延器の第1の係合アームの第1のピン受容穴を通って前記第1のピンを位置決めし、前記圧縮伸延器の第2の係合アームの第2のピン受容穴を通って前記第2のピンを位置決めすることによって、前記第1のピンおよび前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することであって、前記圧縮伸延器が、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを含む、挿入することと、を含み、
前記第1のピン受容穴が、前記第2のピン受容穴に対して非ゼロ度の角度で角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に対して移動させる、方法。
【請求項22】
前記第1のピンおよび前記第2のピンを挿入する前に、骨形成ガイドの第1の固定開口部を前記第1の骨部分の上に、かつ、前記骨形成ガイドの第2の固定開口部を前記第2の骨部分の上に位置決めすることであって、前記第1および第2の固定開口部が互いに平行である、位置決めすることをさらに含み、
前記第1のピンおよび前記第2のピンを挿入することが、前記第1のピンを前記第1の固定開口部を通って前記第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを前記第2の固定開口部を通って前記第2の骨部分に挿入することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のピンに、かつ第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入する前に、前記第1のピンを前記第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを前記第2の骨部分に挿入したままにして、前記骨形成ガイドを前記第1のピンおよび前記第2のピンから滑脱させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記骨形成ガイドが少なくとも1つの切断スロットを含み、前記第1の骨部分の端部を少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、前記第2の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、をさらに含む、請求項22または23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記骨形成ガイドが少なくとも1つの切断スロットを含み、前記骨形成ガイドを前記第1のピンおよび前記第2のピンから滑脱させる前に、前記第1の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、前記第2の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、をさらに含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記圧縮伸延器上で前記アクチュエータを作動させて、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームから遠ざかって移動させ、次に、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざかって移動させることをさらに含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の係合アームが前記第2の係合アームから遠ざかって移動する間に、前記第1の骨部分と前記第2の骨部分との間の空間を洗浄することと、
続いて、前記圧縮伸延器上で前記アクチュエータを作動させて、前記第1の骨部分が前記第2の骨部分に対して圧縮されるまで、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームに向かって移動させ、次に、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させることと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の係合アームが前記第2の係合アームに向かって移動し、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に対して圧縮させる間、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に固定することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記前額面において前記第2の骨部分に対して回転させる、請求項21~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して2度~20度の範囲の角度で角度付けされている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して6度~15度の範囲の角度で角度付けされている、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のピン受容穴が、矢状面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記矢状面において前記第2の骨部分に対して足底側に回転させる、請求項21~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して5度~12度の範囲の角度で角度付けされている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して7度~10度の範囲の角度で角度付けされている、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のピン受容穴が、少なくとも2つの平面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を少なくとも2つの平面において前記第2の骨部分に対して移動させる、請求項21~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記2つの平面が、前額面および矢状面を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに移動可能に接続されたねじ付きシャフトを備える、請求項21~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の骨部分が中足骨であり、前記第2の骨部分が楔状骨である、請求項21~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記中足骨が第1の中足骨であり、前記楔状骨が内側楔状骨である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
圧縮伸延器であって、
第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アームであって、前記第1の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、前記第1の係合アームの前記遠位端が、前記第1の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第1のピンブロックを画定する、第1の係合アームと、
第2の骨部分に挿入された第2のピンを受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームであって、前記第2の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、前記第2の係合アームの前記遠位端が、前記第2の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第2のピンブロックを画定する、第2の係合アームと、
前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記第1および第2の係合アームを互いに遠ざかって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざかって移動させるように構成され、また前記第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させるように構成されている、アクチュエータと、を備え、
前記第1の係合アームの前記近位端および前記第2の係合アームの前記近位端が、それぞれ、前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックから非ゼロ度の角度で上向きに角度付けされている、圧縮伸延器。
【請求項41】
前記非ゼロ度の角度が、40度~80度の範囲である、請求項40に記載の圧縮伸延器。
【請求項42】
前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックが各々、切り欠きを画定する、請求項40または41のいずれかに記載の圧縮伸延器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年7月11日に出願された米国仮出願第62/696,565号および2019年2月13日に出願された米国仮出願第62/805,228号の利益を主張する。これらの出願の各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、骨を再位置決めするための装置および技術、より具体的には、足の骨を再位置決めするための装置および技術に関する。
【背景技術】
【0003】
足の骨など、人体の骨は解剖学的にずれている可能性がある。例えば、骨の変形の一般的なタイプの1つは外反母趾である。これは進行性の足の変形であり、第1の中足指節関節が影響を受け、多くの場合、重大な機能障害および足の痛みを伴う。中足指節関節は横方向にずれており、指骨が内転している間に第1の中足骨が外転する。これは、多くの場合、軟部組織の発達、および外反母趾と呼ばれる足の内側の骨の隆起につながる。
【0004】
外反母趾の変形を矯正するために外科的介入が使用される場合がある。外反母趾の変形を矯正するための様々な異なる外科的処置が存在し、第1の中足骨の異常な骨の拡大を取り除くこと、および/または隣接する中足骨に対して第1の中足骨を再整列させることを試みることが含まれる場合がある。効率的で、正確で、かつ再現性のある臨床結果を促進できる外科的器具は、骨の再整列技術を実施する施術者にとって有用である。
【発明の概要】
【0005】
概して、本開示は、外科的骨再整列処置中に使用することができる装置および技術を対象としている。いくつかの例では、外反母趾の変形を矯正するための外科的処置などの外科的処置中に使用することができる圧縮伸延器装置が説明されている。圧縮伸延器は、第1および第2のピン受容穴をそれぞれ画定する第1および第2の係合アームを含むことができる。第1および第2のピン受容穴は、互いに対して角度付けされてもよい。圧縮伸延器はまた、第1および第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを含み得る。例えば、圧縮伸延器の第1および第2の係合アームは、ねじ付きロッドを介して互いに移動可能に接続され得る。ねじ付きロッドに取り付けられたアクチュエータノブの回転が、第1および第2の係合アームを互いに対して移動させる可能性がある。
【0006】
圧縮伸延器は、1つ以上の他の外科用器具も使用される外科的処置中に使用することができる。例えば、圧縮伸延器は、圧縮伸延器を使用して後で伸延され、かつ/または一緒に圧縮される骨を形成するために骨形成ガイドも展開される処置中に使用することができる。骨形成ガイドは、2つの異なる骨部分にピン留めすることができ、これは、関節によって分離された2つの異なる骨、または同じ骨の2つの部分(例えば、骨折または脱臼によって分離された)であり得る。いずれの場合も、骨形成ガイドの一端を一方の骨部分にピン留めし、骨形成ガイドの別の端を他の骨部分にピン留めすることができる。骨形成ガイドは、骨形成ガイド上の一対の固定開口部を通って互いに平行に延在する一対のピンを使用して、任意選択で、平行ピンに対して非ゼロ度の角度で傾斜または角度付けされてもよい、骨形成ガイド上の1つ以上の追加の固定開口部を通って延在することができる1つ以上の追加のピンとともに、2つの骨部分にピン留めすることができる。いくつかの構成では、骨形成ガイドは、2つの骨の対向する端面を形成するために骨形成器具(例えば、切断器具)が挿入される1つ以上のスロットを画定する。
【0007】
骨形成ガイドを利用して2つの骨部分を形成した後、臨床医は、平行に整列したピン(例えば、一対の平行ピン)を骨部分に残したまま、骨形成ガイドを通って骨部分に挿入された任意の角度付けされたピン(例えば、非平行ピン)を取り外すことができる。骨形成ガイドは、骨形成ガイドの固定開口部がピンの遠位端から外れるまで、平行に整列したピンに沿って滑脱させる、または平行移動することができる。この時点で、骨形成ガイドをピンから分離して、ピンを骨部分に残すことができる。次に、圧縮伸延器は、平行に整列されたピンを圧縮伸延器の第1および第2のピン受容穴に通すことにより、ピンの上に設置することができる。圧縮伸延器の第1および第2のピン受容穴は、2つのピンの遠位端と整列させることができ、次いで、圧縮伸延器は、ピンを骨部分に向かって滑脱させるか、または平行移動することができる。
【0008】
圧縮伸延器の第1および第2のピン受容穴が各々に対して角度付けされている場合、圧縮伸延器をピンに設置するプロセスにより、ピンを移動させる。特に、ピンは、互いに実質的に平行に整列されている状態から、2つ以上の平面などの1つ以上の平面において圧縮伸延器によって画定された非ゼロ度の角度でピンが互いに対して角度付けされる位置に移動することができる。その結果、ピンが挿入される第1および第2の骨部分は、ピンの角度移動に対応する距離を移動する可能性がある。
【0009】
圧縮伸延器をピンに設置した後、臨床医は、アクチュエータを作動させて、第1および第2の係合アームを互いに遠ざかって移動させ、その結果、骨部分を互いに遠ざかって移動させることができる。これは、固定を見越して骨間空間を洗浄するために、骨部分間の拡大された分離ギャップを提供することができる。例えば、臨床医は、2つの骨部分の間の骨間空間から骨片および/または組織破片を取り除いて、一方または両方の骨部分の端面をさらに切断するか、または形成するか、さもなければ固定の準備をし得る。臨床医はまた、アクチュエータを作動させて、第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させ、その結果、骨部分を互いに向かって移動させることができる。臨床医は、骨部分の端面が互いに押し付けられるまで、第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させ、その結果、骨部分に圧縮力が加えられてもよい。次に、いくつかの例では、臨床医は、1つ以上の固定部材を骨部分に適用することによって骨部分を固定する。
【0010】
一例では、第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アーム、および第2の骨部分に挿入された第2の骨部分を受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームを含む圧縮伸延器が説明される。圧縮伸延器はまた、第1の係合アームおよび第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを含む。アクチュエータは、第1および第2の係合アームを互いに遠ざかって移動させて、第1の骨部分を第2の骨部分から遠ざかって移動させるように構成され、また第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、第1の骨部分を第2の骨部分に向かって移動させるように構成されている。この例では、第1のピン受容穴が、非ゼロ度の角度で第2のピン受容穴に対して角度付けされているいることを明記する。
【0011】
別の例では、骨形成ガイドの第1の固定開口部を第1の骨部分の上に、かつ骨形成ガイドの第2の固定開口部を第2の骨部分の上に位置決めすることを含む方法が説明される。この例では、第1および第2の固定開口部が互いに平行であることを明記する。例示的な方法はまた、第1のピンを第1の固定開口部を通って第1の骨部分に、かつ第2のピンを第2の固定開口部を通って第2の骨部分に挿入することを伴う。第1のピンを第1の骨部分に挿入し、第2のピンを第2のピンに挿入したまま、骨形成ガイドを第1のピンおよび第2のピンから滑脱させた後、本方法は、第1のピンに、かつ第2のピンに圧縮伸延器を挿入することを伴う。この例は、少なくとも、圧縮伸延器の第1の係合アームの第1のピン受容穴を通って第1のピンを位置決めし、圧縮伸延器の第2の係合アームの第2のピン受容穴を通って第2のピンを位置決めすることによって、圧縮伸延器が第1および第2のピンに挿入されることを明記する。圧縮伸延器は、第1の係合アームおよび第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを有する。この例は、第1のピン受容穴が、第2のピン受容穴に対して非ゼロ度の角度で角度付けされ、その結果、第1のピンに、かつ第2のピンに圧縮伸延器を挿入することが、第1の骨部分を第2の骨部分に対して移動させることを明記する。
【0012】
1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面および以下の記載において記載する。他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1Aおよび図1Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な前額面回転ずれ位置をそれぞれ示す足の正面図。
図1B図1Aおよび図1Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な前額面回転ずれ位置をそれぞれ示す足の正面図。
【0014】
図2A図2Aおよび図2Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な横断面ずれ位置をそれぞれ示す足の上面図。
図2B図2Aおよび図2Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な横断面ずれ位置をそれぞれ示す足の上面図。
【0015】
図3A図3Aおよび図3Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な矢状面ずれ位置をそれぞれ示す足の側面図。
図3B図3Aおよび図3Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な矢状面ずれ位置をそれぞれ示す足の側面図。
【0016】
図4図4は、開示による、例示的な圧縮伸延器の斜視図。
【0017】
図5図5は、ピン受容穴間の例示的な角度オフセットを示す、図4の例示的な圧縮伸延器の前額面図。
【0018】
図6図6は、ピン受容穴間の例示的な角度オフセット示す、図4の例示的な圧縮伸延器の矢状面図。
【0019】
図7図7は、圧縮伸延器で使用できる例示的な骨形成ガイドの上面図。
【0020】
図8図8は、圧縮伸延器で使用できる例示的な骨形成ガイド、スペーサー、および組織除去器具チェック部材の斜視図。
【0021】
図9図9は、関節に挿入された骨形成器具を描いた足の側面斜視図。
【0022】
図10図10は、第1の中足骨の整列前の足の骨位置決めガイドを描いた足の斜視図。
【0023】
図11図11は、第1の中足骨の整列後の足の骨位置決めガイドを描いた足の斜視図。
【0024】
図12図12は、第1の中足骨の整列後、かつ関節空間にスペーサーを挿入した後の足の骨位置決めガイドを描いた足の斜視図。
【0025】
図13図13は、足に位置決めされた骨形成ガイドを描いた足の斜視図。
【0026】
図14図14は、骨形成ガイドにピンを挿入した足の骨形成ガイドを描いた足の斜視図。
【0027】
図15図15は、骨形成ガイドの取り外しを描いた足の斜視図。
【0028】
図16図16は、第1の骨と第2の骨との間の関節を横切る骨板を描いた足の側面斜視図。
【0029】
図17図17および図18は、第1の係合アームおよび第2の係合アームの代替構成を示す圧縮伸延器のそれぞれ正面斜視図および側面図。
図18図17および図18は、第1の係合アームおよび第2の係合アームの代替構成を示す圧縮伸延器のそれぞれ正面斜視図および側面図。
【0030】
図19図19は、切り欠きを画定する骨接触部分を有する圧縮伸延器の例示的な展開を示す足の斜視図。
【0031】
1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面および以下の記載において記載する。他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
概して、本開示は、1つ以上の骨のずれを矯正するための装置および技術を対象としている。開示された装置および技術は、一方の骨部分が別の骨部分に対して再整列される外科的処置において実装することができる。いくつかの例では、この技術は、足または手の1つ以上の骨に対して実施され、骨は、人体の他の部分の骨と比較して比較的小さい。例えば、前述の説明は、概して、足、より具体的には、足の中足骨および楔状骨に対して実施される例示的な技術に言及している。しかしながら、開示された技術は、脛骨、腓骨、尺骨、上腕骨、大腿骨、またはさらに他の骨などの他の骨に対して実施することができ、特に明記しない限り、本開示はこの点に関して限定されない。しかしながら、いくつかの用途では、開示された技術は、外反母趾矯正手術などにおいて、中足骨(例えば、第1の中足骨)と第2の中足骨および/または楔状骨(例えば、内側、または第1の楔状骨)との間のずれを矯正するために使用される。
【0033】
図1図3は、本開示に従って発生し、かつ矯正され得る解剖学的ずれの例を示す、足200の異なる図である。このようなずれは、外反母趾(hallux valgus)(外反母趾(bunion))、自然な成長の変形、または解剖学的なずれを引き起こす他の状態によって引き起こされる可能性がある。図1Aおよび図1Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な前額面回転ずれ位置をそれぞれ示す、足200の正面図である。図2Aおよび図2Bは、正常な第1の中足骨位置および例示的な横断面のずれ位置をそれぞれ示す、足200の上面図である。図3Aおよび図3Bは、通常の第1の中足骨位置および例示的な矢状面のずれ位置をそれぞれ示す、足200の側面図である。図1B図2B、および図3Bは各々、それぞれの平面のずれを単独で示しているが、実際には、中足骨は、3つの平面のうちの任意の2つ、または3つすべての平面におけるずれである可能性がある。したがって、図1B図2B、および図3Bの各々における単一の平面のずれの描写は、例示を目的とするものであり、中足骨は、望ましくは矯正される複数の平面におけるずれである可能性があることを理解されたい。
【0034】
図1Aおよび図2Aを参照すると、足200は、第1の中足骨210、第2の中足骨212、第3の中足骨214、第4の中足骨216、および第5の中足骨218を含む複数の骨から構成される。中足骨は、遠位で指骨220に接続され、より具体的には、各々がそれぞれの基節骨に接続されている。第1の中足骨210は内側楔状骨222に近位に接続され、第2の中足骨212は中間楔状骨224に近位に接続され、第3の中足骨は外側楔状骨226に近位に接続される。第4および第5の中足骨216、218は、立方骨228に近位に接続されている。中足骨とそれぞれの楔状骨との間の関節230(例えば、第1の中足骨210および内側楔状骨222)は、足根中足骨(「TMT(tarsometatarsal)」)関節と呼ばれる。中足骨とそれぞれの基節骨との間の関節232は、中足指節関節と呼ばれる。隣接する中足骨(例えば、第1の中足骨210および第2の中足骨212)の間の角度234は、中足骨間角度(「IMA(intermetatarsal angle)」)と呼ばれる。
【0035】
前述のように、図1Aは、第1の中足骨210の典型的な位置を示す足200の前額面図である。冠状面としても知られている前額面は、概して、体を前部と後部に分割する任意の垂直面と見なされる。足200において、前額面は、垂直に延在する平面であり、足の長さに沿って近位から遠位に延在する軸に垂直である。図1Aは、前額面の典型的な回転位置にある第1の中足骨210を示している。図1Bは、線238によって示されるように、地面に対する回転角236によって特徴付けられた前額面回転変形を伴う第1の中足骨210を示している。
【0036】
図2Aは、横断面において第1の中足骨210の典型的な位置を示す足200の上面図である。水平面、軸平面、または体軸横断面としても知られている横断面は、体を上位部分と下位部分に分割する任意の平面と見なされる。足200において、横断面は、水平方向に延在する平面であり、足を横切って背側から足底側(上から下)に延在する軸に垂直である。図2Aは、横断面に典型的なIMA234を伴う第1の中足骨210を示している。図2Bは、第1の中足骨210の遠位端が第2の中足骨212に対して内側に旋回することによって引き起こされるより大きなIMAによって特徴付けられた横断面回転変形を伴う第1の中足骨210を示す。
【0037】
図3Aは、矢状面において第1の中足骨210の典型的な位置を示す足200の側面図である。矢状面は、体を右半分と左半分に分割する矢状縫合に平行な平面である。足200において、矢状面は、垂直に延在する平面であり、足の長さに沿って近位から遠位に延在する軸に垂直である。図3Aは、矢状面において典型的な回転位置を伴う第1の中足骨210を示している。図3Bは、線238によって示されるように、地面に対する回転角240によって特徴付けられた矢状面回転変形を伴う第1の中足骨210を示している。
【0038】
本開示による圧縮伸延器は、骨(複数可)の解剖学的ずれを矯正するために、骨位置決め処置中に有用であり得る。いくつかの用途では、圧縮伸延器は、中足骨と隣接する楔状骨との間の再整列を確立し、かつ/または維持するのに役立つ。再整列を受けている中足骨は、上記の図1図3に関して図示され、かつ議論されているように、前額面、横断面、および/または矢状面において解剖学的にずれている可能性がある。したがって、再整列は、再整列のためにずれた中足骨を解放し、その後、1つ以上の平面、2つ以上の平面、または3つすべての平面において中足骨を再整列させることを含み得る。中足骨を好適に再整列した後、中足骨を固定して、再整列された位置を保持し、かつ維持することができる。
【0039】
中足骨は、様々な解剖学的に整列された、およびずれた位置を有することができるが、いくつかの例では、「解剖学的に整列された位置(anatomically aligned position)」という用語は、第2の中足骨212の長軸に対する第1の中足骨210の長軸の角度が、横断面および/または矢状面において約10度以下(例えば、9度以下)であることを意味する。特定の実施形態では、解剖学的ずれは、横断面および前額面の両方において矯正することができる。横断面において、第1の中足骨210と第2の中足骨212との間の通常のIMA234は約9度未満である。約9度~約13度のIMA234は、第1の中足骨および第2の中足骨の軽度のずれと見なされる。約16度を超えるIMA234は、第1の中足骨および第2の中足骨の重度のずれと見なされる。いくつかの実施形態において、本開示による方法および/または装置は、第2の中足骨に対して異なる角度で第1の中足骨を位置決めすることにより、約-5度の負の角度まで、または第2の中足骨と干渉するまでを含めて、IMAを10度超から約10度以下(例えば、9度以下のIMA、または約1~5度のIMA)に縮小することによって、第1の中足骨210を解剖学的に整列させるために利用される。
【0040】
前額面に関して、通常の第1の中足骨は、その稜隆起が概して地面に垂直であるように、かつ/またはその種子骨が概して地面に平行であり、中足骨の下に位置決めされるように位置決めされる。この位置は、0度の中足骨の回転として定義できる。ずれた第1の中足骨において、中足骨は、約4度~約30度以上で軸方向に回転し得る。いくつかの実施形態では、本開示による方法および/または装置は、中足骨を隣接する楔状骨に対して回転させることによって、中足骨の回転を約4度以上から4度未満(例えば、約0から2度)に低減することによって、中足骨を解剖学的に整列させるために利用される。
【0041】
本開示による圧縮伸延器は、骨および/または足根中足骨関節の端面へのアクセスを提供するために、隣接する楔状骨からずれた中足骨を伸延するのに有用であり得る。圧縮伸延器はまた、中足骨および隣接する楔状骨に圧縮力を加えて(例えば、骨の端面を形成した後)、骨を一緒に押して固定を容易にするのに有用であり得る。追加的または代替的に、圧縮伸延器は、中足骨と隣接する楔状骨との間の相対移動、例えば、一方の骨の他方の骨に対する回転および/または旋回を付与し、かつ/または維持することができる。例えば、圧縮伸延器のピン受容穴によって提供された角度オフセットは、中足骨を解剖学的にずれた位置から解剖学的に整列した位置に移動させるのに効果的であり得る。圧縮伸延器が中足骨および楔状骨に挿入されたピン上を平行移動するとき、ピン受容穴の角度オフセットが、ピンをピン受容穴によって決定された角度整列にほぼ平行な状態から移動させる可能性がある。この移動によって引き起こされた楔状骨に対する中足骨の結果として生じる移動は、中足骨を整列された位置に位置決めするのに役立つ。
【0042】
図4は、開示による例示的な圧縮伸延器100の斜視図である。圧縮伸延器100は、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104を有するものとして図示されている。圧縮伸延器100はまた、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104に動作可能に結合されたアクチュエータ106を含む。アクチュエータ106を作動させて、2つの係合アームを互いに向かって、および互いに遠ざかって移動させ、2つのアーム間の分離距離を調整することができる。さらに、より詳細に論じられるように、各係合アームは、骨に挿入されたピンを受容するように構成される少なくとも1つのピン受容穴を含む。
【0043】
例えば、第1の係合アーム102は、第1のピン受容穴108を含み得、第2の係合アーム104は、第2のピン受容穴110を含み得る。第1のピン受容穴108は、第1のピン112を受容することができ、第2のピン受容穴110は、第2のピン114を受容することができる。第1のピン112および第2のピン114は、処置中の異なる骨または骨部分に挿入することができる。骨の再整列処置の場合、例えば、第1のピン112を中足骨(例えば、第1の中足骨210)に挿入することができ、第2のピン114を楔状骨(例えば、内側楔状骨222)に挿入することができる。ピン受容穴は、圧縮伸延器100を、穴を通って下にある骨に挿入されたピンを介して圧縮され、かつ/または伸延されている骨に固定することができる。追加的または代替的に、ピン受容穴を使用して、第1のピン112が挿入される一方の骨と第2のピン114が挿入される別の骨との間の相対的な移動を付与することができる。
【0044】
例えば、第1のピン受容穴108および第2のピン受容穴110は、圧縮伸延器100が実質的に平行なピンのセットに挿入されるときに、角度付けされた受容穴が、ピンを互いに対して移動させて、ピン受容穴と整列させるように、非ゼロ度の角度で互いに対して角度付けされ得る。圧縮伸延器100の角度付けされたピン受容穴によって課された移動の方向および程度は、圧縮伸延器が使用されている所望の外科的用途に応じて変化し得る。例えば、外反母趾処置などのずれた中足骨の場合、前額面の回転および/または矢状面の平行移動を付与するために、ピン受容穴が角度付けされてもよい。結果として、圧縮伸延器100が中足骨および隣接する楔状骨のピン位置に設置されると、角度付けされたピン受容穴は、中足骨が楔状骨に対して前額面において回転し、かつ/または矢状面において平行移動し(例えば、下向きまたは足底側に)、中足骨のずれを矯正するのに役立ち得る。
【0045】
図5は、第1のピン受容穴108と第2のピン受容穴110との間の例示的な角度オフセットを示す、圧縮伸延器100の前額面図である。この例において、2つのピン受容穴は、前額面において角度116だけ互いに対して角度付けされている。角度116は、前額面の観点からそれぞれの受容穴を通って挿入された2つの線形ピン(例えば、第1のピン112および第2のピン114)の間で測定され得る。第1のピン受容穴108と第2のピン受容穴110との間の角度オフセットの程度は変化し得るが、中足骨再整列処置の場合、角度116は、2°~20°、例えば6°~15°、または8°~12°、または約10°の範囲であり得る。2つのピン受容穴は、圧縮伸延器100が第1および第2のピン112、114に設置されるときに中足骨を横方向に回転させる方向にオフセットされ得る。例えば、圧縮伸延器100が足の内側に位置決めされる場合、第1のピン受容穴108は、第1のピン112を第2のピン114に対して足の外側に向かって回転させるように角度付けされてもよい。
【0046】
前額面角度を提供することに加えて、または提供する代わりに、圧縮伸延器100が第1および第2のピン112、114に設置される場合、圧縮伸延器100は矢状面回転を付与するように構成され得る。例えば、中足骨および楔状骨においてそれぞれ位置決めされた実質的に平行な第1および第2のピン112、114に設置される場合、第1および第2のピン穴108、110の角度は、中足骨を回転させるか、または足底側に屈曲させることができる(例えば、中足骨の遠位端は、TMT関節を中心に足底側に回転する)。
【0047】
図6は、第1のピン受容穴108と第2のピン受容穴110との間の別の例示的な角度オフセットを示す、圧縮伸延器100の矢状面図である。この例において、2つのピン受容穴は、矢状面において角度118だけ互いに対して角度付けされている。角度118は、矢状面の観点からそれぞれの受容穴を通って挿入された2つの線形ピン(例えば、第1のピン112および第2のピン114)の間で測定され得る。第1のピン受容穴108と第2のピン受容穴110との間の角度オフセットの程度は変化し得るが、中足骨再整列処置の場合、角度118は、5°~12°、例えば7°~10°、または8°~9°、または約8.5°の範囲であり得る。2つのピン受容穴は、圧縮伸延器100が第1および第2のピン112、114に設置されるときに、中足骨を矢状面で回転させる(例えば、下向きまたは足底側に)方向にオフセットされ得る。
【0048】
概して、ピン受容穴として説明される特徴は、圧縮伸延器100の本体を通って直線的に延在し、骨に挿入されたピンを通すように構成された(例えば、寸法決めされ、かつ/または成形された)空間であり得る。ピン受容穴は、任意の多角形(例えば、正方形、長方形)または弧状(例えば、湾曲、楕円形)の形状を有し得るが、ピン受容穴は、典型的に、円形の断面形状を有し得る。いくつかの例では、ピン受容穴は、0.5mm~4mmなどの、0.1mm~10mmの範囲の直径を有する。ピン受容穴は、10mm~25mmなどの、5m~ら50mmの範囲の長さ(例えば、第1の係合アーム102または第2の係合アーム104の厚さを通って延在する)を有し得る。
【0049】
圧縮伸延器100は、任意の好適な数のピン受容穴を有することができる。概して、圧縮伸延器100の両側に複数のピン受容穴を提供することは、圧縮伸延器を使用する臨床医に代替の角度付けまたは移動オプションを提供するのに有用であり得る。例えば、圧縮伸延器100は、第1のピン112および/または第2のピン114と共に使用するための複数のピン受容穴を有し得る。外科的処置の間、臨床医は、第1のピン112および/または第2のピン114が挿入される複数のピン受容穴から特定のピン受容穴を選択することができる。臨床医は、第1および第2のピン112、114上に圧縮伸延器を設置する際に、第1の骨が第2の骨に対して移動することを臨床医が望む移動の量および方向に基づいて、ピン受容穴の組み合わせを選択することができる。所望のピン受容穴の組み合わせを選択した後、臨床医は、第1および第2のピン112、114の遠位端を対応する選択されたピン受容穴に向け、次に圧縮伸延器100をピンの遠位端から近位端に向かって下向きに平行移動させることができる。
【0050】
圧縮伸延器100は、第1のピン112および/または第2のピン114のための複数のピン受容穴を有し得るが、本開示は、この点に関して限定されないことを理解されたい。他の構成では、圧縮伸延器100は、第1のピン112および/または第2のピン114を挿入することができる単一のピン受容穴のみを有し得る。さらに他の構成では、圧縮伸延器100は、1つ以上のスロット内で回転し、かつ/または滑脱して調整可能な角度を提供する1つ以上のピン受容穴(複数可)を有し得、臨床医が第1および/または第2のピン受容穴108、110の角度整列を調整できるようにする。
【0051】
図4の例では、圧縮伸延器100は、第1のピン112に関連する2つのピン受容穴、および第2のピン114に関連する2つのピン受容穴を有するものとして図示されている。特に、図4は、第1の係合アーム102が前述の第1のピン受容穴108を有し、第2の係合アーム104が前述の第2のピン受容穴110を有することを図示している。加えて、第1の係合アーム102は、第3のピン受容穴120を有し、第2の係合アーム104は、第4のピン受容穴122を有することが図示されている。第1および第2の係合アーム102、104は各々、より少ないピン受容穴(例えば、1つ)またはより多くのピン受容穴(例えば、3つ、4つ、またはそれ以上)を有し得る。
【0052】
いくつかの構成では、第3のピン受容穴120は、第1のピン受容穴108が第2のピン受容穴110に対して角度付けされる第1の平面とは異なる第2の平面において、非ゼロ度の角度で、第4のピン受容穴122に対して角度付けされる。例えば、第1のピン受容穴108は、前額面および/または矢状面において、第2のピン受容穴110に対して角度付けされ得る。第3のピン受容穴120は、前額面において第2のピン受容穴110に平行であり得るが、矢状面において第2のピン受容穴に対して角度付けされている。さらに、第4のピン受容穴122は、前額面において第1のピン受容穴108に平行であり得るが、矢状面において第1のピン受容穴に対して角度付けされている。第3および第4のピン受容穴120、122は、互いに対して、かつ/または上記の任意の角度で第1および第2のピン受容穴108、110に対して角度付けされ得る。図4に図示されるように構成された場合、前額面および矢状面の両方の移動を望む臨床医は、第1および第2のピン穴108、110を使用することができる。対照的に、臨床医が前額面の移動ではなく矢状面の移動を望む場合、臨床医は、第1および第4のピン受容穴108、122を使用することができる。
【0053】
上で簡単に論じたように、圧縮伸延器100は、圧縮伸延器が固定されている骨を圧縮させ、かつ伸延させるために開閉することができる。移動を容易にするために、圧縮伸延器100は、アクチュエータ106を有するものとして図示されている。アクチュエータ106は、第2の係合アーム104に対する第1の係合アーム102の移動を制御するように構成される。アクチュエータ106は、回転移動、滑脱移動、または他の相対的な平行移動など、2つの係合アーム間の制御可能な相対的な移動を提供する任意の特徴を使用して実装することができる。いくつかの構成では、アクチュエータ106は、伸延中に、1mm~45mmの範囲の距離、1mm~5mmの範囲の距離、または1mm~2.5mmの範囲の距離など、第1および第2の係合アーム102、104を互いに少なくとも1mm遠ざかって移動させるように構成される。アクチュエータ106は、圧縮伸延器100が取り付けられている骨の面が好適に圧縮されるまで、かつ/または第1および第2の係合アーム102、104の側壁面が互いに接触するまで、圧縮中に作動され得る。
【0054】
図4の例では、アクチュエータ106は、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104に接続されたシャフト124を含むものとして図示されている。シャフト124はねじ切りされ得、アクチュエータ106は、シャフトに結合されたノブ126をさらに含み得る。ノブ126の一方向の回転は、第1の係合アーム102を第2の係合アーム104により近づけて移動させ得、一方、ノブの反対方向の回転は、第1の係合アームを第2の係合アームから遠ざかって移動させることができる。
【0055】
アクチュエータ106を圧縮伸延器100に固定するために、アクチュエータは、アームのうちの1つに固定的に接続され得る。例えば、アクチュエータ106のシャフト124は、その長さに沿って第1の係合アーム102に固定的に取り付けられ、アームに対して回転可能であり得る。結果として、ノブ126が回転されると、第2の係合アーム104は、シャフト124の長さに沿って、第1の係合アーム102に向かって、かつ/または第1の係合アーム102から遠ざかって移動することができる。これは、第1の係合アーム102がアクチュエータ106に対して固定位置に留まっている間、2つのアーム間の相対的な移動を提供する。
【0056】
図4において、第1の係合アーム102は、遠位端128Aから近位端128Bまで延在するように図示されている。同様に、第2の係合アーム104は、遠位端130Aから近位端130Bまで延在するように図示されている。アクチュエータ106は、図示の構成におけるアームの近位半分など、それぞれ第1および第2の係合アーム102、104の近位端128B、130Bに隣接して位置決めされる。アクチュエータ106をピン受容穴からオフセットすることは、例えば、圧縮伸延器100が骨に設置されたピンに挿入されたときに臨床医がアクチュエータを操作するためのクリアランスを提供するために有用であり得る。足の手術の場合、第1および第2の係合アーム102、104は、第1のピン受容穴108が中足骨に挿入された第1のピン112と係合し、第2のピン受容穴110が楔状骨と係合した第2のピン114と係合している間、処置されている足から内側にオフセットされるようにアクチュエータ106を位置決めするのに影響する長さを有し得る。
【0057】
シャフト124に沿った移動中に第2の係合アーム104に対して第1の係合アーム102を安定させるのに役立つために、圧縮伸延器100はまた、ねじ付きシャフトに平行に延在する1つ以上のねじなしシャフトを含み得る。図4において、例えば、アクチュエータ106は、第1のねじなしシャフト132Aおよび第2のねじなしシャフト132B(まとめて「ねじなしシャフト132」と呼ばれる)を有する。ねじなしシャフト132は、ねじ付きシャフト124と平行に延在し、ねじ付きシャフトに沿って第1の係合アーム102に向かって、かつ第1の係合アーム102から遠ざかって移動するときに、第2の係合アーム104を安定させるのに役立つ。ねじ付きシャフト124は、第2の係合アーム104の側壁のねじ付き開口部を通って延在するように図示され、ねじなしシャフト132は、係合アームの側壁のねじなし開口部を通って延在するように図示されている。
【0058】
第1の係合アーム102および第2の係合アーム104は、様々な異なるサイズおよび形状を有することができる。概して、各係合アームは、アクチュエータ106からピン受容穴をオフセットする長さを画定することができる。いくつかの例では、第1の係合アーム102の遠位端128Aは、第1のピンブロック134を画定し、かつ/または第2の係合アーム104の遠位端130Aは、第2のピンブロック136を画定する。ピンブロックは、ピン受容穴を画定し、ピン受容穴が延在するそれぞれの係合アームの領域であり得る。第1および第2のピンブロック134、136は、係合アームの残りの部分の厚さよりも厚い厚さを有することができる。例えば、示されるように、ピンブロック134、136は、係合アームおよび/またはアクチュエータ106の残りの部分から下向きに(例えば、足底側に)延在することができる。
【0059】
図4において、第1の係合アーム102は、第2の係合アーム104と同じ長さを有するものとして図示されている。結果として、第1の係合アームの遠位端128Aは、第2の係合アームの遠位端130Aと平行である。他の構成では、オフセットを提供するために、一方の係合アームが他方の係合アームよりも長くなる場合がある。例えば、第1の係合アーム102は、第2の係合アーム104よりも長くてもよく、例えば、第1の係合アームを、処置されている足に適用したときに、第2の係合アーム104よりもさらに横方向に延在させる。この構成は、外反母趾矯正処置中に、楔状骨に対する中足骨の横断面移動(例えば、回転)を付与し、IM角度を閉じるのに役立つ可能性がある。
【0060】
圧縮伸延器100は、金属(例えば、ステンレス鋼)および/またはポリマー材料などの任意の好適な材料または材料の組み合わせから製造することができる。いくつかの構成では、圧縮伸延器100は、X線および熱可塑性プラスチックおよび炭素繊維材料などの他の形態の放射線によって比較的透過可能であるように、放射線透過性材料から製造される。このような材料は、骨位置決めガイドが骨上に位置決めされているときに、画像化装置を使用して骨の視覚化を妨げないようにするのに有用である。
【0061】
本開示による圧縮伸延器は、少なくとも2つのピンが異なる骨または同じ骨の異なる部分に挿入される外科的処置の一部として使用され得る。少なくとも2つのピンは、ほぼ平行に整列して挿入され得、かつ/またはピンは、実質的に平行になるように(例えば、圧縮伸延器100の設置前に)外科的処置中に再整列され得る。2つのピンは、ピンが並んで位置決めされ、3つの平面の各々において2つのピン間で連続的に実質的に同じ距離を有するという点で実質的に平行であり得る(例えば、距離は、任意の所与の平面の長さ全体で、異なる平面において異なる連続距離で、10%未満、例えば5%未満だけ変化する)。圧縮伸延器100は、平行ピンを装置のピン受容穴にねじ込むことによって平行ピンに挿入することができ、それにより、ピンを実質的に平行な整列からピン受容穴の角度によって決定された角度付けされた整列に移動させる。次に、圧縮伸延器100を使用して、ピンが挿入される骨部分を伸延させ(例えば、アクチュエータ106を作動させて骨部分を互いに遠ざかって引くことにより)、かつ/またはピンが挿入される骨部分を圧縮させてもよい(例えば、アクチュエータ106を作動させて骨部分を互いに向かって移動させることによって)。
【0062】
いくつかの例では、圧縮伸延器100は、中足骨が2つまたは3つの平面などの1つ以上の平面において隣接する楔状骨および/または中足骨に対して再整列される中足骨再整列処置の一部として使用される。圧縮伸延器100を使用することができる骨再整列技術および装置の例に関する追加の詳細が使用され、2015年12月28日に出願され、2017年4月18日に発行された「BONE POSITIONING AND PREPARING GUIDE SYSTEMS AND METHODS」と題された米国特許第9,622,805号、2016年7月14日に出願され、2018年4月10日に発行された「BONE POSITIONING GUIDE」と題された米国特許第9,936,994号、および2016年8月14日に出願された「TARSAL-METATARSAL JOINT PROCEDURE UTILIZING FULCRUM」と題された米国特許公開第2017/0042599号に記載されてもよい。これらの文書の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
圧縮伸延器100が設置されているピンは、外科技術中に使用された別の医療機器をピン留めし、かつ/またはガイドするために使用され得る。例えば、第1および第2のピン112、114を使用して、第1の医療機器を、処置されている骨または骨部分にピン留めすることができる。医療機器は、ピンを骨または骨部分に挿入したままにして、平行ピン上で取り外すことができ、その後、圧縮伸延器100をピン上に配置することができる。
【0064】
例えば、中足骨再整列処置の場合、第1および第2のピン112、114を使用して、処置されている足に骨形成ガイドをピン留めすることができる。骨形成ガイドは、中足骨の端面と対応する楔状骨の隣接する端面を形成するために使用できる。骨形成ガイドは、第1および第2のピンならびにピンに設置された圧縮伸延器100から取り外すことができる。圧縮伸延器100が第1および第2のピン112、114上に位置決めされると、角度的に整列されたピン受容穴は、第1の中足骨を1つ以上の平面において移動させて再整列を容易にし得る。圧縮伸延器100は、例えば、関節の洗浄を容易にするために、中足骨と楔状骨との間の関節空間を開くように操作され得、固定のために2つの骨を一緒に圧縮させるようにさらに操作され得る。
【0065】
図7は、圧縮伸延器100を伴う外科的処置の一部として使用され得る例示的な骨形成ガイド150を図示する。いくつかの例では、骨形成ガイド150は、第1の形成面を画定するための第1のガイド面160を画定する本体154、および第2の形成面を画定するための第2のガイド面164を含む。組織除去器具(例えば、のこぎり、回転バー、オステオトームなど、図示せず)を表面に整列させて組織を除去することができる(例えば、軟骨または骨を除去し、かつ/または骨を切断する)。第1および第2のガイド面160、164は、距離(例えば、約2ミリメートル~約10ミリメートル、例えば、約4~約7ミリメートル)だけ互いに離間させることができる。示される実施形態では、第1および第2のガイド面は平行であり、その結果、ガイド面を使用する隣接する骨への切断は、ほぼ平行になる。
【0066】
いくつかの構成では、図7に示されるように、第1の対向面166は、第1のガイド面160に隣接して位置決めされ、かつ/または第2の対向面168は、第2のガイド面164に隣接して位置決めされる。このような構成では、第1のガイド面と第1の対向面との間の距離が第1のガイドスロットを画定し、第2のガイド面と第2の対向面との間の距離が第2のガイドスロットを画定する。各スロットは、骨端を形成するための組織除去器具を受容するように寸法決めすることができる。第1および第2のスロットは、平行または斜めであり得る。図示の例では、対向面は各々ギャップを含み、その結果、表面は単一の連続した表面ではない。他の実施形態では、対向面は、任意のそのようなギャップを欠く単一の連続した表面であり得る。
【0067】
開口部170は、第1のガイド面と第2のガイド面との間の本体154によって画定することができる。開口部は、施術者が骨の形成中に骨への視覚的な経路を有すること、かつ/または器具を受容することを可能にするのに有用なガイド面間の領域であり得る。示される構成では、開口部は、本体を横切って、第1の対向面166の反対側の表面172から、第2の対向面168の反対側の表面174までの距離で延在する。
【0068】
図示の骨形成ガイドはまた、本体154から第1の方向に延在する第1の端部176、および本体から第2の方向に延在する第2の端部178を含む。第2の方向は、第1の方向とは異なる場合がある(例えば、反対方向)。示されるように、第1の端部および第2の端部の各々は、骨形成ガイドを下にある骨に固定するための固定ピンを受容するように構成された少なくとも1つの固定開口部180を含むことができる。例えば、骨形成ガイド150の第1の端部176は、第1のピン112(図4)が挿入される第1の固定開口部を画定し得、骨形成ガイド150の第2および178は、第2のピン114(図4)が挿入される第2の固定開口部を画定し得る。これらの2つの固定開口部は、第1および第2のピン112、114が互いに平行な穴を通って延在するように、平行に整列させることができる。骨形成ガイド150の第1の端部176および/または第2の端部178はまた、2つの平行な固定開口部に対して角度付けされている(非ゼロ度の角度で)か、さもなければ傾斜している1つ以上の追加の固定開口部を画定し得る。
【0069】
使用中、臨床医は、2つの平行ピンを固定開口部180を通って挿入することができ、任意選択で、1つ以上の角度付けされた固定開口部を通って1つ以上の角度付けされたピンを挿入することができる。平行ピンと角度付けされたピンのこの組み合わせは、骨形成ガイド150が、処置中の下にある骨から取り外されるのを防止し得る。臨床医が骨形成ガイドの使用を完了したら、角度付けされたピン(複数可)を取り外して、2本の平行ピンを下にある骨に挿入したままにし得る。骨形成ガイド150は、平行ピンから上下に滑脱されるか、さもなければ移動され得、その後、圧縮伸延器100をピンの上に挿入することができる。
【0070】
図7に示されるいくつかの例では、骨形成ガイド150はまた、第1の端部176と係合した第1の調整可能な安定化部材182および/または第2の端部178と係合した第2の調整可能な安定化部材184を含むことができる。部材の各々は、ねじ切りされ、端部によって画定されたねじ付き開口部に係合することができる。安定化部材を調整することにより、各端部の高さを骨に対して調整することができる。いくつかの実施形態では、示されるように、安定化部材は、それらが固定ピンを受容することができるようにカニューレが挿入される。
【0071】
図8を参照すると、骨形成ガイド150は、本体154から下向きに延在するスペーサー188を含むか、またはスペーサー188と共に使用され得る。スペーサー188は、関節内(例えば、TMT関節内)に配置されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、スペーサー188は、骨形成ガイドの本体と選択的に係合可能であり、そこから取り外し可能である。スペーサーは、関節空間内に延在するように構成された第1の部分190、および本体154と係合可能な第2の部分192を有し得る。示される実施形態では、スペーサーは、スペーサーが第1のガイド面と第2のガイド面との間で本体から延在するように、開口部170内に受容することができる。このようなスペーサーは、関節に対して所望の位置に本体を位置決めするため、かつ2つ以上の平面(例えば、2つ以上の前額面、平面、横断面、および矢状面から選択された3つの平面)において切断される骨に対してガイドを適切に位置決めするために有用であり得る。スペーサーと第1のガイド面との間の距離は、第1の骨からの組織除去(例えば、切断される骨または軟骨)の長さを画定することができ、スペーサーと第2のガイド面との間の距離は、第2の骨からの組織除去(例えば、切断される骨または軟骨)の長さを画定することができる。
【0072】
図8にも示されているように、骨形成ガイド150は、組織除去位置チェック部材194を含むか、またはそれと共に使用され得る。組織除去チェック部材194は、本体154と係合可能であり、第1の骨および第2の骨まで延在するように構成され得る。組織除去位置チェック部材は、第1および第2の骨と接触するように延在するように構成された第1の部分196、および本体と係合可能な第2の部分198を有することができる。示される実施形態では、組織除去チェック部材194は、第1および第2のガイド面の両方で本体154内に延在するように構成される。組織除去位置チェック部材194は、施術者が、表面によってガイドされた組織除去器具が形成される骨に接触する場所を見ることができるようにするのに有用であり得る。
【0073】
骨形成ガイド150によって容易にされた骨形成は、例えば、関節によって分離された隣接する骨の前縁、または例えば骨整列および/もしくは融合処置において、骨折によって分離された単一の骨の異なる部分の間の接触を容易にするために有用であり得る。骨は、1つ以上の骨形成技術を使用して形成することができる。いくつかの用途では、骨は骨を切断することによって形成される。骨を横方向に切断して、反対側の骨部分に面する新しい骨端を確立することができる。追加的または代替的に、骨は、骨の端部を細片化することによって形成され得る。骨端は、回転バー、オステオトーム、ドリルなどの任意の項t系なツールを使用して細片化することができる。骨端は、反対側の骨部分との変形可能な接触を容易にするために、骨端をすり潰し、穴をあけ、破砕し、パルプ化し、かつ/または小さな欠片に破壊することによって細片化することができる。
【0074】
圧縮伸延器100を利用する外科技術の間に、骨は、解剖学的にずれた位置から別の骨に対して解剖学的に整列された位置に移動され得る。さらに、移動された骨の端部および隣接する端部の対向する端部の両方が、固定のために形成され得る。いくつかの用途では、移動された骨および/または他の骨の少なくとも1つの端部は、骨を整列された位置に移動した後に形成される。他の用途では、移動された骨および/または他の骨の少なくとも1つの端部は、骨を整列された位置に移動する前に形成される。
【0075】
別の骨に対する一方の骨の移動は、1つ以上の器具および/または技術を使用して達成することができる。いくつかの例では、骨の移動は、骨が力に応答して平行移動し、かつ回転するように、単一の位置で1つの骨に力を加える骨位置決め装置を使用して達成される。これは、例えば、骨係合部材、先端、骨係合部材と先端を互いに向かって押し付ける機構、および機構を作動させるアクチュエータを含む骨位置決めガイドを使用して達成することができる。追加的または代替的に、骨の移動は、圧縮伸延器が実質的に平行なピン上に位置決めされるときに、一方の骨の別の骨に対する移動を付与し、ピンをそれらの実質的に平行な整列から移動させ、1つの平面(例えば、正面平面、矢状面、横断面)、2つ以上の平面、または3つすべての平面において、下にある骨の移動をもたらすことによって、圧縮伸延器100を使用して達成することができる。なおさらなる追加または代替として、臨床医は、骨との直接接触によって、または間接的に(例えば、Kワイヤの挿入、テナキュラムによる把持など)のいずれかによって骨を物理的に把持し、自身の手を骨に移動することによって移動を容易にすることができる。
【0076】
移動がどのように達成されるかに関係なく、外科技術は支点を利用する場合と利用しない場合がある。支点は、一方の骨が別の骨に対して回転し、かつ/または旋回する構造を提供し得る。支点は、移動している隣接する骨の間に空間を確立し、かつ/または維持することができ、回転および/または旋回中の骨の横方向の平行移動または基部のシフトを防止する。例えば、第1の中足骨210の最も近位の基部が第2の中足骨212の最も近位の基部に向かってシフトするのを回避するの役立つために、臨床医は、第1の中足骨を移動させる前の中足骨(例えば、隣接するそれぞれの中足骨)の基部において、第1の中足骨210と第2の中足骨212との間のノッチに支点を挿入することができる。支点は、第1の中足骨と第2の中足骨との間の基部圧縮を最小化するか、または回避するのに役立ちながら、第1の中足骨210が回転し、かつ/または旋回できる点を提供することができる。加えて、支点を使用すると、第1の中足骨210および内側楔状骨222が、骨の端面上に位置決めされたガイドスロットに対してより良い角度になり、支点を使用しない場合よりもガイドスロットを通るより良い切断角度を提供する。これは、中足骨の最初の再整列後の第1の中足骨210の不要なスプリングバックまたはリターンポジショニングを低減するか、または排除するのに役立つ。
【0077】
次に、本開示による圧縮機伸延器を利用して骨整列処置を実行するための例示的な方法を、第1の中足骨210、内側楔状骨222、および第2の中足骨212を有する足200を描く図7図16に関してここで説明する。特に明記されていない限り、例示的なステップは任意の順序で実行でき、説明されている順序で実施する必要はない。
【0078】
従来の外科的形成およびアクセスの後、骨形成器具296を関節(例えば、第1の足根骨中足骨関節)に挿入して、図9で示すように、軟組織を解放し、かつ/または第1の中足骨210の基部から足底の炎症を切除することができる。足底炎症を切除することは、第1の中足骨210から足底炎症を切断することを伴い得るので、第1の中足骨の面は概して平面である。このステップは、関節を移動させて変形の矯正を容易にするのに役立つ。いくつかの実施形態では、第1の中足骨の背外側炎症もまた、変形矯正のための空間を作成するために切除され得る(例えば、第1の中足骨の回転に対して)。特定の実施形態では、内側楔状骨に面する中足骨基部の部分は、この移動させるステップ中に除去することができる。
【0079】
切開を行うことができ、骨位置決め器具を使用する場合は、骨位置決めガイド10の先端50を、第2の中足骨212などの第1の中足骨210以外の中足骨の外側に挿入する。図10に示されるように、先端は、第2の中足骨212および第3の中足骨214界面の基部に近位に位置決めすることができる。骨係合部材40の表面は、第1の中足骨210の近位部分に配置することができる。いくつかの実施形態では、骨係合部材は、第1の中足骨210の内側隆起に係合する。示されるように、位置決めガイドの本体20は、概して、第2の中足骨212の長軸に垂直であり得る。
【0080】
基部のシフトを回避するのに役立つために、臨床医は、骨位置決めガイド10を作動させるか、さもなければ第1の中足骨を内側楔状骨に対して移動させる前に、中足骨の基部(例えば、隣接するそれぞれの楔状骨)の第1の中足骨210と第2の中足骨212との間のノッチに支点を挿入することができる。支点は、第1の中足骨と第2の中足骨との間の基部圧縮を最小化するか、または回避するのに役立ちながら、第1の中足骨210が回転し、かつ/または旋回できる点を提供することができる。
【0081】
骨位置決めガイド10を利用する用途では、骨位置決めガイド上のアクチュエータを作動させて、角度(第1の中足骨と第2の中足骨との間の横断面角度)を低減し、第1の中足骨をその軸を中心に回転させる(前額面軸回転)。第1の中足骨210は、骨位置決めガイドの先端50に対して骨係合部材40の骨位置決めガイドを移動させることによって、内側楔状骨222に対して適切に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、このような移動は、楔状骨に対して第1の中足骨を同時に旋回させ、その長手方向軸を中心に第1の中足骨を解剖学的に正しい位置に回転させて、横断面変形および前額面変形を矯正する。しかしながら、再び、圧縮伸延器100を利用する他の用途は、骨位置決めガイド10を利用せずに実施され得る。
【0082】
骨位置決めガイド10が使用されるかどうかとは無関係に、例示的な技術は、図12に図示されるように、第1の中足骨と内側楔状骨との間の関節内に位置決めされ得る関節スペーサー188の位置決めを含み得る。骨形成ガイド150は、図13に示されるように関節スペーサー188上に配置され、関節スペーサーと係合して、関節に対する骨形成ガイドの位置および配向を設定することができる。他の実施形態では、骨形成ガイド150は、位置決めを援助するために関節スペーサー188を使用せずに骨上に配置される。
【0083】
図14に描かれるように、1つ以上の固定ピンを骨形成ガイド150の開口部に挿入して、ガイドを第1の中足骨210および内側楔状骨222に固定することができる。骨形成ガイド150の開口部に挿入された固定ピンは、第1の固定ピン112および第2の固定ピン114を含む。第1および第2の固定ピン112、114は、実質的に平行に整列して挿入され得る。第1および第2の固定ピン112、114は、ピンが挿入される骨の表面から少なくとも25mm、例えば少なくとも50mm、または少なくとも75mm突出することができる。組織除去ステップ中の骨形成ガイド150の移動を防止するのに役立つために、1つ以上の追加のピンを斜めにまたは収束する配向に挿入することができる。ピンの挿入後、スペーサー188(使用される場合)は、選択的に係合可能なスペーサーを有する実施形態において任意選択で除去され得る。
【0084】
いくつかの用途では、内側楔状骨222に面する第1の中足骨210の端部は、骨形成ガイド150のガイド面によってガイドされる組織除去器具296で形成することができる(例えば、第1のガイド面および最初に面する表面によって画定されたスロットを通って挿入される)。いくつかの実施形態では、第1の中足骨210の端部形成は、例えば、第1の中足骨210の端部を形成する前に骨位置決めガイド10を作動させることによって、骨を少なくとも部分的に整列させた後に行われる。他の実施形態では、第1の中足骨210端部形成は、例えば、再整列を引き起こすために圧縮伸延器100を設置する前に第1の中足骨210の端部を形成することによって、骨の整列の前に行われる。
【0085】
第1の中足骨210の端部を形成することに加えて、第1の中足骨210に面する内側楔状骨222の端部は、骨形成ガイド150のガイド面によってガイドされる組織除去器具296で形成することができる(例えば、第2のガイド面および第2の対向面によって画定されたスロットを通って挿入される)。いくつかの実施形態では、内側楔状骨222の端部形成は、骨の整列後に行われる。さらに他の実施形態では、内側楔状骨222の端部形成は、骨の整列の前に行われる。骨または軟骨の切断を含む実施形態では、楔状骨の切断および中足骨の切断は、平行で、一致する切断であり得る。いくつかの例では、鋸刃を第1のスロットを通って挿入して内側楔状骨の部分を切断することができ、鋸刃を第2のスロットを通って挿入して第1の中足骨の部分を切断することができる。
【0086】
図15に示すように、任意の角度付けされた/収束するピンを取り外すことができ、骨形成ガイド150を、実質的に平行な第1および第2のピン112、114から持ち上げることができる。これらの実質的に平行なピンは、圧縮伸延器100を受容することができる。例えば、臨床医は、第1のピン受容穴108の下側が第1のピン112の上に位置決めされ、第2のピン受容穴110の下側が第2のピン114の上に位置決めされるように圧縮伸延器100を位置決めすることができる。次に、臨床医は、例えば、圧縮伸延器の下側が下にある骨に隣接するか、または接触するまで、圧縮伸延器100をピン上で下にある骨に向かって滑脱させることができる。臨床医は、圧縮伸延器をピンの上に設置する前に、分離距離が第1のピン112と第2のピン114との間の間隔に対応するまでアクチュエータ106を作動させることによって、第1の係合アーム102と第2の係合アーム104との間の間隔を調整することができる。圧縮伸延器100をピンに挿入するプロセスにおいて、第1のピン受容穴108と第2のピン受容穴110との間の角度は、第1および第2のピン112、114をそれらの実質的に平行な整列からピン受容穴の角度位置に対応する非平行な整列にシフトさせることができる。第1および第2のピン112、114が互いに対して移動するとき、第1の中足骨210は、内側楔状骨222に対して、第2のピン114に対する第1のピン112の移動に対応する方向および距離を移動することができる。
【0087】
骨位置決めガイド10が利用される用途では、骨形成ガイド150が取り外され、圧縮伸延器100が設置される前または後に、骨位置決めガイドが取り外されてもよい。いずれの場合も、いくつかの例では、オリーブピン、kワイヤ、または他の固定構造などの一時的な固定装置を使用して、骨形成ガイド150を取り外し、圧縮伸延器100を設置しながら、下にある骨(例えば、内側楔状骨222に対する第1の中足骨210)の位置を維持することができる。
【0088】
下にある骨(例えば、第1の中足骨210および内側楔状骨222)にピン留めされた圧縮伸延器100を用いて、アクチュエータ106を作動させて、下にある骨を伸延させることができる。例えば、臨床医は、ノブ126を回して、第2の係合アーム104を第1の係合アーム102から遠ざかって移動させ、下にある骨の間のギャップを開くかまたは拡大させることができる。第1の中足骨210および内側楔状骨222にピン留めすると、臨床医はアクチュエータ106を作動させてTMT関節を開くことができる。
【0089】
下にある骨が伸延された状態で、臨床医は、骨の間の空間および/または一方または両方の骨の端面を洗浄するか、さもなければ形成することができる。臨床医は、過剰な軟骨、骨、および/または本来存在する可能性がある、または注入を阻害する可能性のある骨形成ステップ中に作成された可能性がある他の細胞破片を除去することによって、空間を洗浄することができる。
【0090】
臨床医が圧縮伸延器100を利用して下にある骨を洗浄のために伸延するかどうかとは無関係に、臨床医はアクチュエータ106を作動させて骨を一緒に圧縮して永久固定注入することができる。臨床医は、ノブ126を回して、例えば、下にある骨の端面が互いに接触するまで、かつ/または圧縮力がピン112、114を介して端面に加えられるまで、第2の係合アーム104を第1の係合アーム102に向かって移動させることができる。圧縮伸延器100を介して2つの端面が一緒に押し付けられた状態で、臨床医は、骨または骨部分を一緒に暫定的または恒久的に固定することができる。例えば、1つ以上の骨固定装置を、関節を横切って2つの骨に適用して、異なる平面に位置決めされた2つの骨プレートなど、融合のために関節を安定化させることができる。図16は、第1の中足骨および内側楔状骨の背内側に位置決めされた第1の骨プレート310、ならびに第1の中足骨および内側楔状骨の内側足底側に位置決めされた第2の骨プレート320を含む例示的な固定装置構成を図示する。他の実施形態では、第2の骨プレート320は、楔状骨の内側から関節空間を横切る第1の中足骨の足底側に位置決めされたらせん状の骨プレートであり得る。プレートは骨ねじを挿入することで適用できる。第1の骨プレート310および/または第2の骨プレート320として使用できる骨プレートの例は、「Bone Plating System and Method」と題され、参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月7日に出願された米国特許公開第US2016/0192970号に記載されている。骨固定装置の構成の他のタイプを使用することができ、本開示はこの点に関して限定されない。
【0091】
上記のように、圧縮伸延器100は、様々な異なるサイズ、形状、および構成を有することができる。図17および図18は、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の代替構成を示す圧縮伸延器100のそれぞれ正面斜視図および側面図である。この例に示されるように、第1のピンブロック134および第2のピンブロック136は、それぞれ、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の残りの部分から垂直に(例えば、90度の角度で)延在することはない。むしろ、第1のピンブロック134および第2のピンブロック136からそれぞれ離れて延在する第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の近位端は、非ゼロ度の角度140で延在する。第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の近位端をそれらのそれぞれのピンブロックから離れる角度に構成することは、アームをピンブロックの見えないところに位置決めするのに役立ち、対応して、外科的視界に役立ち得る。これは、アームの近位部分によって運ばれるアクチュエータ106を含む第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の近位端を、処置中の部位を視覚的に妨害することから取り除くのに役立つことができる。
【0092】
図17および図18の図示の構成では、第1の係合アーム102および第2の係合アーム104の近位端は、例えば、重力および/または第1のピンブロック134および第2のピンブロック136が使用中に位置決めされる手術部位に対して、上向きに角度付けされるように図示されている。様々な例において、角度140は、1度~90度、例えば40度~80度、または50度~70度の範囲であり得る。使用中、角度が提供された角度付けされたアームがアクチュエータ106を手術部位から外側に(例えば、内側に)位置決めすることができる。
【0093】
角度付けされた係合アームを備えた圧縮伸延器100を構成することに加えて、またはその代わりに、第1のピンブロック134および第2のピンブロック136は、処置中の骨上に位置決めされるように輪郭を描くことができる。おそらく図18に最もよく図示されているように、各ピンブロックの末端または骨接触部分142は、ほぼ円形の骨に対して位置決めされるように構成された輪郭のある端部を画定し得る。輪郭のある面は、処置中の骨のほぼ背側部分に位置決めされるように構成された背側または上壁面144、および、処置中の骨のほぼ側面部分に位置決めされるように構成された側壁面146(例えば、内側側壁面)を含んでもよい。図示の例では、表面は他の曲率半径で、または接合曲率半径なしで交差する壁面セグメントとして接合され得るが、上壁面144は、連続的な曲率半径を介して側壁表面146に接合される。いずれの場合でも、上面壁144および側壁表面146は、組み合わせて、圧縮伸延器100の使用中に骨が位置決めされるポケットまたは空洞を画定し得る。
【0094】
圧縮伸延器100の一方または両方のピンブロックをポケット付きで構成することは、ポケットの開放側に切り欠き開口部を提供するのに有用であり得る。この切り欠き開口部により、臨床医は、圧縮伸延器100の配置中にピンブロックおよび/または骨の位置を視覚的に観察することができる。加えて、切り欠き開口部は、例えば、圧縮伸延器100がピンによって固定されている骨に取り付けられたままである間、骨固定装置の配置を可能にすることができる。
【0095】
図19は、切り欠きを画定する骨接触部分142を有する圧縮伸延器100の例示的な展開を示す足の斜視図である。この例に示されるように、第2のピンブロック136の骨接触部分142は、内側楔状骨222の上に位置決めされる。圧縮伸延器100は、内側楔状骨222および第1の中足骨210に依然としてピン留めされたまま、骨面から背側に持ち上げられる。骨接触部分142で画定された切り欠きは、骨プレート310を挿入することができる空洞を提供する。このように使用すると、圧縮伸延器100が処置中の中足骨および楔状骨に依然としてピン留めされたまま、骨プレート(または他の固定要素)を関節(例えば、足根骨中足骨関節)全体に取り付けることができる。そのように使用される場合、臨床医は、恒久的に固定する前に、中足骨を別の骨(例えば、対向する楔状骨)に暫定的に固定する場合としない場合がある。
【0096】
圧縮伸延器装置および技術が説明されている。いくつかの例では、開示による圧縮伸延器は、本明細書に記載の骨位置決めガイドおよび/または形成ガイドなどの関連する外科用器具を含む使い捨ての滅菌キットに含まれる。滅菌キットに含まれ得る他の構成要素には、骨固定装置、骨固定ねじ、ピン受容穴に挿入するためのピンなどが含まれる。
【0097】
様々な実施例を記載してきた。これらおよび他の実施例は、以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
様々な実施例を記載してきた。これらおよび他の実施例は、以下の特許請求の範囲内にある。
[構成1]
圧縮伸延器であって、
第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アームと、
第2の骨部分に挿入された第2のピンを受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームと、
前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記第1および第2の係合アームを互いに遠ざけて移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざけて移動させるように構成され、また前記第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させる、アクチュエータと、を備え、
前記第1のピン受容穴が、非ゼロ度の角度で前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、圧縮伸延器。
[構成2]
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、構成1に記載の圧縮伸延器。
[構成3]
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して2度~20度の範囲の角度で角度付けされている、構成2に記載の圧縮伸延器。
[構成4]
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して6度~15度の範囲の角度で角度付けされている、構成2に記載の圧縮伸延器。
[構成5]
前記第1のピン受容穴が、矢状面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、構成1~4のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成6]
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して5度~12度の範囲の角度で角度付けされている、構成5に記載の圧縮伸延器。
[構成7]
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して7度~10度の範囲の角度で角度付けされている、構成5に記載の圧縮伸延器。
[構成8]
前記第1の係合アームが、第3のピン受容穴をさらに備え、
前記第2の係合アームが、第4のピン受容穴をさらに備え、
第1のピン受容穴が、第1の平面において非ゼロ度の角度で前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、
前記第1のピン受容穴が、第2の平面において非ゼロ度の角度で前記第4のピン受容穴に対して角度付けされている、構成1~7のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成9]
前額面において前記第1の平面および前記第2の平面が矢状面である、構成8に記載の圧縮伸延器。
[構成10]
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第4のピン受容穴に平行であり、前記第2のピン受容穴が、前記前額面において前記第3のピン受容穴に平行である、構成8または9のいずれかに記載の圧縮伸延器。
[構成11]
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに接続されたシャフトを備える、構成1~10のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成12]
前記シャフトがねじ切りされ、前記アクチュエータが前記シャフトに結合されたノブを含む、構成11に記載の圧縮伸延器。
[構成13]
前記アクチュエータが、ねじ付きの前記シャフトに平行に延在する少なくとも1つのねじなしシャフトをさらに備える、構成11または12のいずれかに記載の圧縮伸延器。
[構成14]
前記第1の係合アームが遠位端から近位端まで延在し、前記ねじ付きのシャフトが前記近位端に隣接する前記第1の係合アームに固定的に接続され、前記少なくとも1つのねじなしシャフトが前記近位端に隣接する前記第1の係合アームに固定的に接続され、
前記第2の係合アームが遠位端から近位端まで延在し、前記少なくとも1つのねじなしシャフトが、延在する前記近位端に隣接する少なくとも1つのねじなし開口部、および前記ねじ付きのシャフトが延在する前記近位端に隣接するねじ付き開口部を含む、構成13に記載の圧縮伸延器。
[構成15]
前記第1の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、
前記第2の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、
前記第1の係合アームの前記遠位端が、前記第1の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第1のピンブロックを画定し、
前記第2の係合アームの前記遠位端が、前記第2の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第2のピンブロックを画定する、構成1~14のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成16]
前記第1の係合アームの前記近位端および前記第2の係合アームの前記近位端が、それぞれ、前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックから非ゼロ度の角度で上向きに角度付けされている、構成15に記載の圧縮伸延器。
[構成17]
前記非ゼロ度の角度が40度~80度の範囲である、構成16に記載の圧縮伸延器。
[構成18]
前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックが各々、切り欠きを画定する、構成15~17のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成19]
前記第1のピン受容穴および前記第2のピン受容穴が各々、0.5ミリメートル~4ミリメートルの範囲の直径を有する円形の開口部を画定する、構成1~18のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成20]
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームから1ミリメートルから2.5ミリメートルの範囲の距離だけ遠ざかって移動させるように構成されている、構成1~19のいずれか一つに記載の圧縮伸延器。
[構成21]
方法であって、
第1のピンが第2のピンと実質的に平行になるように、前記第1のピンを第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを第2の骨部分に挿入することと、
少なくとも、圧縮伸延器の第1の係合アームの第1のピン受容穴を通って前記第1のピンを位置決めし、前記圧縮伸延器の第2の係合アームの第2のピン受容穴を通って前記第2のピンを位置決めすることによって、前記第1のピンおよび前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することであって、前記圧縮伸延器が、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータを含む、挿入することと、を含み、
前記第1のピン受容穴が、前記第2のピン受容穴に対して非ゼロ度の角度で角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に対して移動させる、方法。
[構成22]
前記第1のピンおよび前記第2のピンを挿入する前に、骨形成ガイドの第1の固定開口部を前記第1の骨部分の上に、かつ、前記骨形成ガイドの第2の固定開口部を前記第2の骨部分の上に位置決めすることであって、前記第1および第2の固定開口部が互いに平行である、位置決めすることをさらに含み、
前記第1のピンおよび前記第2のピンを挿入することが、前記第1のピンを前記第1の固定開口部を通って前記第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを前記第2の固定開口部を通って前記第2の骨部分に挿入することを含む、構成21に記載の方法。
[構成23]
前記第1のピンに、かつ第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入する前に、前記第1のピンを前記第1の骨部分に、かつ前記第2のピンを前記第2の骨部分に挿入したままにして、前記骨形成ガイドを前記第1のピンおよび前記第2のピンから滑脱させることをさらに含む、構成22に記載の方法。
[構成24]
前記骨形成ガイドが少なくとも1つの切断スロットを含み、前記第1の骨部分の端部を少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、前記第2の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、をさらに含む、構成22または23のいずれかに記載の方法。
[構成25]
前記骨形成ガイドが少なくとも1つの切断スロットを含み、前記骨形成ガイドを前記第1のピンおよび前記第2のピンから滑脱させる前に、前記第1の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、前記第2の骨部分の端部を前記少なくとも1つの切断スロットを通って切断することと、をさらに含む、構成22~24のいずれか一つに記載の方法。
[構成26]
前記圧縮伸延器上で前記アクチュエータを作動させて、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームから遠ざかって移動させ、次に、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざかって移動させることをさらに含む、構成21~25のいずれか一つに記載の方法。
[構成27]
前記第1の係合アームが前記第2の係合アームから遠ざかって移動する間に、前記第1の骨部分と前記第2の骨部分との間の空間を洗浄することと、
続いて、前記圧縮伸延器上で前記アクチュエータを作動させて、前記第1の骨部分が前記第2の骨部分に対して圧縮されるまで、前記第1の係合アームを前記第2の係合アームに向かって移動させ、次に、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させることと、をさらに含む、構成26に記載の方法。
[構成28]
前記第1の係合アームが前記第2の係合アームに向かって移動し、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に対して圧縮させる間、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に固定することをさらに含む、構成27に記載の方法。
[構成29]
前記第1のピン受容穴が、前額面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記前額面において前記第2の骨部分に対して回転させる、構成21~28のいずれか一つに記載の方法。
[構成30]
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して2度~20度の範囲の角度で角度付けされている、構成29に記載の方法。
[構成31]
前記第1のピン受容穴が、前記前額面において前記第2のピン受容穴に対して6度~15度の範囲の角度で角度付けされている、構成29に記載の方法。
[構成32]
前記第1のピン受容穴が、矢状面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を前記矢状面において前記第2の骨部分に対して足底側に回転させる、構成21~31のいずれか一つに記載の方法。
[構成33]
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して5度~12度の範囲の角度で角度付けされている、構成32に記載の方法。
[構成34]
前記第1のピン受容穴が、前記矢状面において前記第2のピン受容穴に対して7度~10度の範囲の角度で角度付けされている、構成32に記載の方法。
[構成35]
前記第1のピン受容穴が、少なくとも2つの平面において前記第2のピン受容穴に対して角度付けされ、その結果、前記第1のピンに、かつ前記第2のピンに前記圧縮伸延器を挿入することが、前記第1の骨部分を少なくとも2つの平面において前記第2の骨部分に対して移動させる、構成21~34のいずれか一つに記載の方法。
[構成36]
前記2つの平面が、前額面および矢状面を含む、構成35に記載の方法。
[構成37]
前記アクチュエータが、前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに移動可能に接続されたねじ付きシャフトを備える、構成21~36のいずれか一つに記載の方法。
[構成38]
前記第1の骨部分が中足骨であり、前記第2の骨部分が楔状骨である、構成21~37のいずれか一つに記載の方法。
[構成39]
前記中足骨が第1の中足骨であり、前記楔状骨が内側楔状骨である、構成38に記載の方法。
[構成40]
圧縮伸延器であって、
第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アームであって、前記第1の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、前記第1の係合アームの前記遠位端が、前記第1の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第1のピンブロックを画定する、第1の係合アームと、
第2の骨部分に挿入された第2のピンを受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームであって、前記第2の係合アームが、遠位端から近位端まで延在し、前記第2の係合アームの前記遠位端が、前記第2の係合アームのリマインダーよりも厚い厚さを有する第2のピンブロックを画定する、第2の係合アームと、
前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記第1および第2の係合アームを互いに遠ざかって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざかって移動させるように構成され、また前記第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させるように構成されている、アクチュエータと、を備え、
前記第1の係合アームの前記近位端および前記第2の係合アームの前記近位端が、それぞれ、前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックから非ゼロ度の角度で上向きに角度付けされている、圧縮伸延器。
[構成41]
前記非ゼロ度の角度が、40度~80度の範囲である、構成40に記載の圧縮伸延器。
[構成42]
前記第1のピンブロックおよび前記第2のピンブロックが各々、切り欠きを画定する、構成40または41のいずれかに記載の圧縮伸延器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮伸延器であって、
第1の骨部分に挿入された第1のピンを受容するための第1のピン受容穴を有する第1の係合アームと、
第2の骨部分に挿入された第2のピンを受容するための第2のピン受容穴を有する第2の係合アームと、
前記第1の係合アームおよび前記第2の係合アームに動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記第1および第2の係合アームを互いに遠ざけて移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分から遠ざけて移動させるように構成され、また前記第1および第2の係合アームを互いに向かって移動させて、前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に向かって移動させる、アクチュエータと、を備え、
前記第1のピン受容穴が、非ゼロ度の角度で前記第2のピン受容穴に対して角度付けされている、圧縮伸延器。
【外国語明細書】