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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071404
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】加湿呼吸装置制御
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A61M16/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033697
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022148799の分割
【原出願日】2013-09-30
(31)【優先権主張番号】61/707,629
(32)【優先日】2012-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】マッコーリー アラステア エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】ヤトセヴィッチ イゴー オレゴヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ブディラジャ ニマンシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ ドンシュー
(57)【要約】
【課題】流路における加湿空気の湿度および/または温度を制御する加湿呼吸装置および/または操作方法を提供すること。
【解決手段】患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、空気流路と、加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラとを備え、コントローラは、患者の呼気湿度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、装置。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して前記患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、
空気流路と、
加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラを備え、
前記コントローラは、前記患者の呼気湿度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達湿度を達成するため、前記流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、加湿呼吸装置。
【請求項2】
前記流路の一部を形成する患者インターフェースと結合された導管をさらに備える、請求項1に記載の加湿呼吸装置。
【請求項3】
前記コントローラが湿度を制御するよう構成される前記流路の前記ポイントは、前記導管の終端部の前記患者インターフェースまたはその近くである、請求項2に記載の加湿呼吸装置。
【請求項4】
前記患者インターフェースはマスクであり、前記コントローラは、患者の呼気湿度および流量から計算される目標湿度を達成するため、前記流路の前記ポイントにおいて前記湿度を制御し、目標湿度、患者の呼気湿度および流量間の関係は、前記マスクへの水蒸気の質量流量と前記マスクからの水蒸気の質量流量とのバランスに基づく、請求項2または3に記載の加湿呼吸装置。
【請求項5】
前記水蒸気の質量流量バランスは、
【数1】
であり、式中、
1回の呼吸サイクルで平均化された水蒸気の質量流出量
【数2】
は、前記マスクで混合された空気中に存在し、排出/バイアス孔を通じて流れ出た水蒸気の量に等しく、
1回の呼吸サイクルで平均化された患者からの水蒸気の質量流入量
【数3】
は、CPAP伝達湿度、患者の呼気湿度および患者のピーク流量の関数であり、
1回の呼吸サイクルで平均化されたCPAP装置からの水蒸気の質量流入量
【数4】
は、CPAP伝達湿度および流量(例えば、平均/バイアス流量およびピーク流量)の関数である、請求項4に記載の加湿呼吸装置。
【請求項6】
前記関係は、
EOH_AH=f(A,JB,Mh,hp) (5)
によって定義され、式中、
Pは、前記患者(呼気)によって前記マスクに提供された前記湿度であり、
Aは、前記患者の前記ピーク流量であり、
Bは、前記平均流量(バイアス流量+漏れ流量)であり、
hは、前記所望のマスク湿度であり、
EOH_AHは、前記ホースの終端部の(絶対)湿度である、請求項4または5に記載の加湿呼吸装置。
【請求項7】
前記関係は、
EOH_AH=(Mask_AH-(A/(JB *pi))*Patient_AH)/(l-A/(JB *pi)) (6)
によって定義され、式中、
Aは、前記患者のピーク流量であり、
Bは、前記平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、前記患者によって吐き出された前記空気の前記温度および湿度である、請求項4、5または6に記載の加湿呼吸装置。
【請求項8】
前記コントローラが湿度を制御するよう構成される前記流路の前記ポイントは、前記加湿器出口またはその近くである、請求項2に記載の加湿器を有する加湿呼吸装置。
【請求項9】
前記流量を検知するための流量センサを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項10】
前記流量は、
平均流速、
ピーク流速、
1回換気量
のうちの1つまたは複数である、流量の1つまたは複数の特性を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項11】
患者の呼気湿度は、
既定値、
センサを使用して検知された値、
BMI、身長、体重、人体容積もしくは他の任意の適切な患者の生理的特性のうちの1つもしくは複数から計算された値
のうちの1つまたは複数である、請求項1~10のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項12】
前記コントローラは、ヒータプレート温度を制御することによって、例えば、前記ヒータプレートに供給される電力のデューティサイクルを制御することによって、湿度を制御するように前記加湿器を操作するよう構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項13】
前記コントローラは、マスク情報、例えば、マスクの内部容積に基づいて湿度を制御するように前記加湿呼吸装置を操作するようさらに構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項14】
患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して前記患者に伝達する方法であって、前記患者の呼気湿度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップを含む、方法。
【請求項15】
前記流路の前記ポイントにおいて前記湿度を制御するステップは、患者の呼気湿度および流量から計算される目標湿度を達成するためであり、目標湿度、患者の呼気湿度および流量間の関係は、マスクへの水蒸気の質量流量とマスクからの水蒸気の質量流量とのバランスに基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
患者の最も近くで所望の湿度および温度の加湿空気を生成して前記患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、
空気流路と、
加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラを備え、
前記コントローラは、前記患者の呼気湿度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達湿度を達成するため、前記流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成され、
前記コントローラは、前記患者の呼気温度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達温度を達成するため、前記流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、加湿呼吸装置。
【請求項17】
患者の最も近くで所望の湿度および温度の加湿空気を生成して前記患者に伝達する方法であって、
前記患者の呼気湿度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップと、
前記患者の呼気温度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達温度を達成するため、前記流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
患者の最も近くで所望の温度の加湿空気を生成して前記患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、
空気流路と、
加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラを備え、
前記コントローラは、前記患者の呼気温度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達温度を達成するため、前記流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、加湿呼吸装置。
【請求項19】
前記流路の一部を形成する患者インターフェースと結合された導管をさらに備える、請求項18に記載の加湿呼吸装置。
【請求項20】
前記コントローラが温度を制御するよう構成される前記流路の前記ポイントは、前記導管の終端部の前記患者インターフェースまたはその近くである、請求項19に記載の加湿呼吸装置。
【請求項21】
前記患者インターフェースはマスクであり、前記加湿器は、患者の呼気温度および流量から計算される目標温度を達成するため、前記流路の前記ポイントにおいて前記温度を制御し、目標温度、患者の呼気温度および流量間の関係は、前記マスクへの熱流量と前記マスクからの熱流量とのバランスに基づく、請求項19または20に記載の加湿呼吸装置。
【請求項22】
前記熱流量バランスは、
【数5】
であり、式中、
熱流出量は、バイアス孔を通じて流出した空気JBによって運ばれる熱エネルギー(マスク温度および平均流量の関数)と、前記マスク表面を通じて大気中に失われた熱(マスク温度、周囲温度および前記マスクを通じる熱損失係数の関数)とを含み、
熱流入量は、CPAP流量によって運ばれる熱エネルギー(例えば、平均流量、ピーク流量およびCPAP伝達温度の関数)と、患者によって運ばれ、前記マスクに流入する熱エネルギー(例えば、患者の呼気温度、CPAP伝達温度および患者のピーク流量の関数)とを含む、請求項4に記載の加湿呼吸装置。
【請求項23】
前記関係は、
EOH_T=f(A,JB,Mt,TP,TA) (11)
によって定義され、式中、
Pは、前記患者(呼気)によって前記マスクに提供された前記温度であり、
Aは、前記患者の前記ピーク流量であり、
Bは、前記平均流量(バイアス流量+漏れ流量)であり、
Aは、例えば、センサによって測定された周囲温度であり、
tは、前記所望のマスク温度であり、
EOH_Tは、前記ホースの終端部の温度である、請求項21または22に記載の加湿呼吸装置。
【請求項24】
前記関係は、
【数6】
によって定義され、式中、
【数7】
であり、
effは、前記マスクを通じる有効熱伝導係数であり、
Sは、前記マスクの表面積であり、
pおよびρは、一定(平均)処理圧力での空気比熱および(平均)密度を指し、
Aは、前記患者のピーク流量であり、
Bは、前記平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、前記患者によって吐き出された前記空気の前記温度および湿度である、請求項21、22または23に記載の加湿呼吸装置。
【請求項25】
前記コントローラが温度を制御するよう構成される前記流路の前記ポイントは、前記加湿器出口またはその近くである、請求項19に記載の加湿呼吸装置。
【請求項26】
前記流量を検知するための流量センサを備える、請求項18~25のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項27】
前記流量は、
平均流速、
ピーク流速、
1回換気量
のうちの1つまたは複数である、流量の1つまたは複数の特性を含む、請求項18~26のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項28】
患者の呼気温度は、
既定値、
センサを使用して検知された値、
BMI、身長、体重、人体容積もしくは他の任意の適切な患者の生理的特性のうちの1つもしくは複数から計算された値
のうちの1つまたは複数である、請求項18~27のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項29】
前記コントローラは、前記伝達される加湿空気を加熱するため、前記導管のヒータへの通電を制御することによって、またはその代替として、ヒータプレート装置に通電することによって、温度を制御するように前記加湿器を操作するよう構成される、請求項18~28のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項30】
前記コントローラは、入力空気温度に基づいて温度を制御するように前記加湿器を操作するようさらに構成され、任意選択により、前記入力空気温度は、大気温度または既定値である、請求項18~29のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項31】
前記コントローラは、マスク情報に基づいて湿度を制御するように前記加湿呼吸装置を操作するようさらに構成され、任意選択により、前記マスク情報は、
マスクの内部容積、
マスクの表面積、
マスクの材料
のうちの1つまたは複数である、請求項18~30のいずれか一項に記載の加湿呼吸装置。
【請求項32】
患者の最も近くで所望の温度の加湿空気を生成して前記患者に伝達する方法であって、前記患者の呼気温度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップを含む、方法。
【請求項33】
前記流路の前記ポイントにおいて前記温度を制御するステップは、患者の呼気温度および流量から計算される目標温度を達成するためであり、目標温度、患者の呼気温度および流量間の関係は、マスクへの熱流量とマスクからの熱流量とのバランスに基づく、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の湿度および温度の加湿空気を患者に提供するための加湿呼吸装置およびその制御に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿を提供する呼吸装置では、その意図は、所望の患者の快適性および/または治療を達成するため、所望の湿度および/または温度の加湿空気を患者に提供することである。所望の湿度および/または温度を提供するには、患者において(すなわち、患者の口および/または鼻付近で)加湿空気の湿度および/または温度を達成して維持することが必要とされるが、その理由は、この湿度および温度が患者に最終的に伝わる空気の湿度および温度であるためである(注:「~付近で」は「~においてまたは~の近くで」または「~の最も近くで」と呼ぶこともできる)。理論上、このことは、患者の最も近くで所望の湿度および/または温度が達成され維持されるまで、流れ生成器から患者まで(例えば、導管および患者インターフェースを介して)、呼吸装置の流路を通過する空気を加熱および/または加湿することを伴う。
【0003】
しかし、患者の最も近くでの湿度および/または温度の制御は可能であるが、それは技術的および経済的に難しい。例えば、患者の最も近くの加湿空気の湿度および/または温度を検出するためのセンサの使用は、高価であり、技術上および健康上の困難を有する。したがって、従来制御されるものは、患者の最も近くの加湿空気の湿度および/または温度ではなく、むしろ、監視しやすいポイントである流路の他の何らかのポイントにおける加湿空気の湿度および/または温度である。目標温度および/または湿度は、特定のポイント(加湿器出口または導管/ホースの終端部)に対して決定され、それが、制御される温度および/または湿度である。この手法における困難は、流路のそのポイントにおける目標温度および/または湿度の達成および維持により、患者の最も近くで所望の湿度および/または温度が達成され、患者に伝達されることが保証されるわけではないことである。加湿空気の湿度および/または温度は、患者に届く頃には変化している可能性がある。例えば、導管の終端部の空気の温度および/または湿度が目標で維持される場合、患者インターフェースで提供される湿度および温度の変動は、患者インターフェースを介して患者に伝達される実際の温度および/または湿度がホースの終端部のものとは未知の形で異なることを意味する。これにより、患者における空気の実際の温度/湿度を知ることが難しくなり、加湿空気の所望の温度および/または湿度を患者に伝達することが難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、所望の湿度および/または温度で加湿空気を患者に伝達する能力を改善する形で、流路における加湿空気の湿度および/または温度を制御する加湿呼吸装置および/または操作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、空気流路と、加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラとを備え、コントローラは、患者の呼気湿度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、装置にあると言われている。
【0006】
好ましくは、装置は、流路の一部を形成する患者インターフェースと結合された導管をさらに備える。
【0007】
好ましくは、コントローラが湿度を制御するよう構成される流路のポイントは、導管の終端部の患者インターフェースまたはその近くである。
【0008】
好ましくは、患者インターフェースはマスクであり、コントローラは、患者の呼気湿度および流量から計算される目標湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御し、目標湿度、患者の呼気湿度および流量間の関係は、マスクへの水蒸気の質量流量とマスクからの水蒸気の質量流量とのバランスに基づく。
【0009】
好ましくは、水蒸気の質量流量は、
【数1】
であり、式中、
1回の呼吸サイクルで平均化された水蒸気の質量流出量
【数2】
は、マスクで混合された空気中に存在し、排出/バイアス孔を通じて流れ出た水蒸気の量に等しく、
1回の呼吸サイクルで平均化された患者からの水蒸気の質量流入量
【数3】
は、CPAP伝達湿度、患者の呼気湿度および患者のピーク流量の関数であり、
1回の呼吸サイクルで平均化されたCPAP装置からの水蒸気の質量流入量
【数4】
は、CPAP伝達湿度ならびに平均/バイアス流量およびピーク流量の関数である。
【0010】
好ましくは、関係は、
EOH_AH =f(A,JB,Mh,hP) (5)
によって定義され、式中、
Pは、患者(呼気)によってマスクに提供された湿度であり、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量(バイアス流量+漏れ流量)であり、
hは、マスク湿度であり、
EOH_AHは、ホースの終端部の(絶対)湿度である。
【0011】
好ましくは、関係は、
EOH_AH=(Mask_AH-(A/(JB *pi))*Patient_AH)/(1-A/(JB *pi)) (6)
によって定義され、式中、
Aは、患者のピーク流量であり、
Jは、平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、患者によって吐き出された空気の温度および湿度である。
【0012】
好ましくは、コントローラが湿度を制御するよう構成される流路のポイントは、加湿器出口またはその近くである。
【0013】
好ましくは、装置は、流量を検知するための流量センサを備える。
【0014】
好ましくは、流量は、
平均流速、
ピーク流速、
1回換気量
のうちの1つまたは複数である、流量の1つまたは複数の特性を含む。
【0015】
好ましくは、患者の呼気湿度は、
既定値、
センサを使用して検知された値、
BMI、身長、体重、人体容積もしくは他の任意の適切な患者の生理的特性のうちの1つもしくは複数から計算された値
のうちの1つまたは複数である。
【0016】
好ましくは、コントローラは、ヒータプレート温度を制御することによって、例えば、ヒータプレートに供給される電力のデューティサイクルを制御することによって、湿度を制御するように加湿器を操作するよう構成される。
【0017】
好ましくは、コントローラは、マスク情報、例えば、マスクの内部容積に基づいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するようさらに構成される。
【0018】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して患者に伝達する方法であって、患者の呼気湿度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップを含む、方法にあると言われている。
【0019】
好ましくは、流路のポイントにおいて湿度を制御するステップは、患者の呼気湿度および流量から計算される目標湿度を達成するためであり、目標湿度、患者の呼気湿度および流量間の関係は、マスクへの水蒸気の質量流量とマスクからの水蒸気の質量流量とのバランスに基づく。
【0020】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、空気流路と、加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラとを備え、コントローラは、患者の呼気湿度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成され、コントローラは、患者の呼気温度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、装置にあると言われている。
【0021】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して患者に伝達する方法であって、患者の呼気湿度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップと、患者の呼気温度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップとを含む、方法にあると言われている。
【0022】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の温度の加湿空気を生成して患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、空気流路と、加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラとを備え、コントローラは、患者の呼気温度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、装置にあると言われている。
【0023】
好ましくは、装置は、流路の一部を形成する患者インターフェースと結合された導管をさらに備える。
【0024】
好ましくは、コントローラが温度を制御するよう構成される流路のポイントは、導管の終端部の患者インターフェースまたはその近くである。
【0025】
好ましくは、患者インターフェースはマスクであり、加湿器は、患者の呼気温度および流量から計算される目標温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御し、目標温度、患者の呼気温度および流量間の関係は、マスクへの熱流量とマスクからの熱流量とのバランスに基づく。
【0026】
好ましくは、熱流量は、
【数5】
であり、式中、
熱流出量は、バイアス孔を通じて流出した空気JBによって運ばれる熱エネルギー(マスク温度および平均流量の関数)と、マスク表面を通じて大気中に失われた熱(マスク温度、周囲温度およびマスクを通じる熱損失係数の関数)とを含み、
熱流入量は、CPAP流量によって運ばれる熱エネルギー(平均流量、ピーク流量およびCPAP伝達温度の関数)と、患者によって運ばれ、マスクに流入する熱エネルギー(患者の呼気温度、CPAP伝達温度および患者のピーク流量の関数)とを含む。
【0027】
好ましくは、関係は、
EOH_T =f(A,JB,Mt,TP,TA) (11)
によって定義され、式中、
Pは、患者(呼気)によってマスクに提供された温度であり、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量(バイアス流量+漏れ流量)であり、
Aは、例えば、センサによって測定された周囲温度であり、
tは、マスク温度であり、
EOH_Tは、ホースの終端部の温度である。
【0028】
好ましくは、関係は、
【数6】
によって定義され、式中、
【数7】
であり、
effは、マスクを通じる有効熱伝導係数であり、
Sは、マスクの表面積であり、
pおよびρは、一定(平均)処理圧力での空気比熱および(平均)密度を指し、
Aは、患者のピーク流量であり、
Jは、平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、患者によって吐き出された空気の温度および湿度である。
【0029】
好ましくは、コントローラが温度を制御するよう構成される流路のポイントは、加湿器出口またはその近くである。
【0030】
好ましくは、装置は、流量を検知するための流量センサを備える。
【0031】
好ましくは、流量は、
平均流速、
ピーク流速、
1回換気量
のうちの1つまたは複数である、流量の1つまたは複数の特性を含む。
【0032】
好ましくは、患者の呼気温度は、
既定値、
センサを使用して検知された値、
BMI、身長、体重、人体容積もしくは他の任意の適切な患者の生理的特性のうちの1つもしくは複数から計算された値
のうちの1つまたは複数である。
【0033】
好ましくは、コントローラは、伝達される加湿空気を加熱するため、導管のヒータへの通電を制御することによって、またはその代替として、ヒータプレート装置に通電することによって、温度を制御するように加湿器を操作するよう構成される。
【0034】
好ましくは、コントローラは、入力空気温度に基づいて温度を制御するように加湿器を操作するようさらに構成され、任意選択により、入力空気温度は、大気温度または既定値である。
【0035】
好ましくは、コントローラは、マスク情報に基づいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するようさらに構成され、任意選択により、マスク情報は、
マスクの内部容積、
マスクの表面積、
マスクの材料
のうちの1つまたは複数である。
【0036】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の温度の加湿空気を生成して患者に伝達する方法であって、患者の呼気温度および流量に基づいて患者の最も近くで所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するように加湿呼吸装置を操作するステップを含む、方法にあると言われている。
【0037】
好ましくは、流路のポイントにおける温度は、患者の呼気温度および流量から計算される目標温度を達成するためであり、目標温度、患者の呼気温度および流量間の関係は、マスクへの熱流量とマスクからの熱流量とのバランスに基づく。
【0038】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を患者に伝達するための流路を備える加湿呼吸装置であって、加湿器は、湿度に対して患者が行った貢献に基づいて患者の最も近くで所望の伝達湿度を達成するため、流路のポイントにおいて湿度を制御するよう構成されたコントローラを備える、装置にあると言われている。
【0039】
別の態様では、本発明は、所望の湿度を患者に伝達するように加湿呼吸装置を制御する方法であって、患者の呼気湿度および流量に関する入力を受信するステップと、患者の呼気湿度および流量に基づいて出力湿度を提供するように加湿呼吸装置を操作するステップとを含む、方法にあると言われている。
【0040】
別の態様では、本発明は、患者の最も近くで所望の温度の加湿空気を患者に伝達するための流路を備える加湿呼吸装置であって、加湿器は、温度に対して患者が行った貢献に基づいて患者の最も近くで所望の伝達温度を達成するため、流路のポイントにおいて温度を制御するよう構成されたコントローラを備える、装置にあると言われている。
【0041】
別の態様では、本発明は、所望の温度を患者に伝達するように加湿呼吸装置を制御する方法であって、患者の呼気温度および流量に関する入力を受信するステップと、患者の呼気温度および流量に基づいて出力温度を提供するように加湿呼吸装置を操作するステップとを含む、方法にあると言われている。
【0042】
この明細書では、特許明細書、他の外部の文書または他の情報源が参照されている場合、これは、一般に、本開示の特徴を論じるための文脈を提供することを目的とする。特に記述がない限り、そのような外部の文書への参照は、そのような文書またはそのような情報源が、いかなる権限においても、先行技術であること、あるいは、当技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものと解釈してはならない。
【0043】
用語「備える(comprising)」は、この明細書で使用される場合、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。用語「備える」を含むこの明細書の各記述を解釈する際、その用語によって前置きされた1つまたは複数のもの以外の特徴も存在し得る。「備える(「comprise」および「comprises」)」などの関連用語も同じように解釈されたい。
【0044】
本発明が関係する当業者であれば、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、構造における多くの変更や、本発明の大幅に異なる実施形態および応用が連想されよう。本開示および本明細書の記述は、単なる例示であり、いかなる意味においても制限することを意図しない。
【0045】
この発明が関係する当技術分野における公知の均等物を有する特定の整数について本明細書で言及する場合、そのような公知の均等物は、まるで個別に記載されるかのように本明細書に組み込まれると考えられる。
【0046】
ここでは、以下の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】加湿空気の湿度および/または温度を変更する下流貢献を有する流路に沿って加湿空気を患者に提供する加湿呼吸装置の概略図である。
図1B】一般的な加湿呼吸装置制御を示す概略図である。
図2】加圧された加湿空気を患者に提供する加湿器を備えるCPAP装置の詳細な概略図である。
図3】一実施形態による、加湿空気を患者に提供する加湿呼吸装置(図2に示されるものなど)の高レベルの概略的な一般化である。
図4】加湿呼吸装置制御の概略図である。
図5図4に示される制御において使用される目標温度および湿度モデルの概略図である。
図6A】加湿呼吸装置のマスクにおける流量バランスを示す概略図である。
図6B】加湿呼吸装置のマスクにおける流量バランスを示す概略図である。
図7】呼吸流量の正弦波近似を示す。
図8図5のモデルの一部を形成し得る目標湿度モデルの概略図である。
図9図5のモデルの一部を形成し得る目標温度モデルの概略図である。
図10】総合的な加湿呼吸装置制御の概略的なプロセスフロー図である。
図11A】加湿呼吸装置のマスクにおける流量バランスを示す概略図である。
図11B】加湿呼吸装置のマスクにおける流量バランスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、加湿空気を患者に供給するための加湿呼吸装置およびその操作方法に関する。優先権出願の米国特許出願第61/707629号明細書は、その全体が参照によりこの明細書に組み込まれる。加湿呼吸装置は、それ自体が単独で加湿器であることも、CPAP(持続陽圧呼吸)装置、自動滴定装置、バイレベル装置、または、他のPAP装置(3~20cmH2Oもしくは同程度で動作する)もしくは加湿器を備える高流量呼吸装置など、追加の呼吸支援を提供するための他のハードウェアと組み合わされた加湿器であることもあり得る。加湿呼吸装置およびその操作方法は、所望の湿度および/または温度の(「またはそれに近い」を意味することも考えられる)加湿空気を生成して患者に伝達する。加湿呼吸装置およびその操作方法は、実際に患者に伝達される加湿空気の所望の湿度および/または温度を達成することを目的とする。すなわち、加湿呼吸装置およびその操作方法は、患者の最も近く/近位の(すなわち、患者におけるまたは患者の近くの)加湿空気が所望の湿度および/または温度であるように、空気流路の加湿空気の湿度および/または温度を制御する。
【0049】
図1Aを参照すると、加湿呼吸装置は、空気加湿能力(ボックス10)を有し、CPAPまたは同様のものなどの他の能力のためのハードウェアと共に、加湿用の加湿器10aと、流れ生成器10bと、コントローラ10cとを備える。流路11は、加湿空気13を患者12に伝達する。流路は、呼吸装置ボックス10とは別々に示されているが、呼吸装置の一部と見なすことができ、流路は、加湿器内の内部ダクトおよび空気経路などのハードウェア自体の部品を含み得る。患者インターフェースもまた、一般に、流路および加湿呼吸装置の一部と見なすことができる。一般論として、加湿空気13の温度および/または湿度は、加湿呼吸装置流路の何らかのポイント(目標ポイント)14で制御される。流路の残りの部分のさらに下流(患者で終端)でコンポーネントおよび入力(例えば、患者入力)によって提供される湿度および/または温度への下流貢献15のモデルが決定され、目標温度/湿度モデルが考案され、コントローラ10cに実装される。
【0050】
目標ポイントにおける目標温度および/または湿度は、モデルから決定される。この目標温度および/または湿度は、目標温度および/または湿度に達した場合に下流の影響からの湿度および温度への残りの貢献15により患者の最も近くの実際の温度および/または湿度が所望の値に(または所望の値の近くに)なるように、モデルを使用して決定される。加湿呼吸装置度および/または任意の周辺コンポーネント(ファン、加熱管、マスクおよび同様のものなど)は、目標ポイントにおける目標温度および/または湿度が達成されて維持されるように、加湿呼吸装置流路を通過する加湿空気の湿度および/または温度を制御するように操作される。
【0051】
流路における空気の目標温度および/または湿度は、例えば、クローズドループフィードバックを使用して(センサまたは同様のものを使用)、または、モデルもしくは他の予測メカニズムを使用してなど、加湿呼吸装置に対する通常の制御方法のいずれかを使用して達成することができる。
【0052】
図1Bを参照すると、患者における必要な所望の温度および湿度を達成するため、加湿呼吸装置制御18が提供される。制御は、患者における所望の温度および湿度を伝達するために達成しなければならないパラメータの関連値を決定するための(パラメータ)モデル16と、それらのパラメータ値を達成するように加湿装置を操作するための制御機能性(例えば、モデル/方程式の形態)17とを含む。モデルは、患者貢献/目標パラメータモデル16、ならびに、例えば、装置ヒータプレート温度および呼吸管ヒータ電力を制御するための加湿呼吸装置制御モデルを含む。加湿呼吸装置制御18は、中でも特に、周囲温度19a、ユーザ設定19b、周囲湿度19cおよび患者フィードバック(患者の流量19f、患者の温度19d、患者の湿度19eを含む)を使用する。制御出力パラメータ20、信号または他の制御メカニズムは、ヒータプレート温度20aおよび加熱された呼吸管の電力20bなどの出力であり、患者における所望の温度および湿度を達成するように制御加湿呼吸装置の操作を制御するために使用される。
【0053】
目標温度/湿度を計算する際、関連モデルは、実際には、加湿空気の湿度および温度への患者の貢献を考慮する。貢献は、例えば、患者の呼吸の温度および/または湿度、ならびに、呼吸流量特性(「流量」、「患者の流量」または「流量特性」とも呼ばれる)によるものであり得る。任意選択により、マスクタイプ自体に関連するものを含む他のパラメータを使用することもできる。例えば、パラメータは、マスクの内部容積、マスクの表面積および/またはマスクの材料を含み得る。患者の貢献を使用することで、コントローラ109(図3を参照)は、達成された場合に患者における/患者に伝達される加湿空気の所望のパラメータを達成する空気流路の他の何らかのポイントにおける空気の必要な目標温度および/または湿度を計算することができる。
【0054】
1 本発明の第1の実施形態
1.1 概要
図2~4の概要では、加湿呼吸装置の可能な非限定的な実施形態が示される。この場合、その実施形態は、図2に示される組み込まれた加湿器を備えるCPAP装置1である。加湿機能を有する流量治療装置または加湿器単独でさえも含む、加湿を提供する呼吸装置のいかなる種類も使用できることが理解されよう。
【0055】
図2は、呼吸ガスの供給を伝達するためのPAP装置100と、ヒータを備える呼吸導管101と、患者インターフェース102とを備える加湿呼吸装置1の一実施形態を示すブロック図を示す。
【0056】
呼吸導管101(「ホース」または「管」とも呼ばれる)は、PAP装置100の出口から患者インターフェース102まで延在する。患者インターフェースは、吸気と呼気の両方の段階の間、マスクにおいて一定の圧力を維持することによって一定に維持されるバイアス流速のバイアス流動孔を備える適切ないかなる密閉患者インターフェース(顔全体マスク、鼻マスク、直接鼻マスク、口頭マスクまたは同様のものなど)でもあり得る。
【0057】
PAP装置は、送風機103を備える。好ましくは、送風機は、電動モータによって駆動されるファンを備える。空気は、ファンによって、入口104を通じてPAP装置に引き込まれる。加圧された空気は、患者への供給のためにファンを出る。あるいは、制御可能な流れ生成器は、高圧ガス源を誘導し、高圧源からのガスの流量を規制することができる。
【0058】
PAP装置は、加湿器115を備える。代替の実施形態では、加湿器115は、PAP装置およびPAP装置の一部から分離することができる。示される加湿器115は、加湿器を通過する空気が貯水槽107から大量の水蒸気を吸い上げるパスオーバー型加湿器である。貯水槽は、ヒータ108によって加熱される。加湿器は、好ましくは、PAP装置のハウジングに組み込まれる。あるいは、加湿器は、PAP装置のハウジング内の別々のコンポーネントでも、PAP装置と加湿器との間に導管を接続した状態でPAP装置から分離してもよい。パスオーバー型以外の他のタイプの加湿器も使用することができる。いくつかの形態では、複数の加湿器を使用することができる。加湿空気は、加熱された呼吸管101の終端部(後に、ホースの終端部EOHと呼ばれる)を出て、患者の呼気と混合され、次いで、鼻、顔全体または口頭マスク102上のバイアス孔から流出する。いくつかの実施形態では、代わりに、加熱されない呼吸管を使用することができる。
【0059】
PAP装置は、コントローラ109を備える。コントローラ109は、PAP装置、管ヒータ101aおよび他の周辺機器を含む加湿呼吸装置を制御するために使用される。また、コントローラ109は、本発明のモデルも操作する。コントローラは、ユーザインターフェース(UI)113およびセンサから入力を受信する。ユーザインターフェースは、ノブ、多数のボタン、画面またはそれらの任意の組合せなどの適切ないかなるユーザインターフェースの形態でもあり得る。ユーザインターフェースは、PAP装置がユーザに情報を表示できるようにし、ユーザがPAP装置に(より具体的には、コントローラに)情報を入力できるようにもする。また、コントローラにも、外部のデータ源に接続するためのインターフェース114を提供することができる。
【0060】
コントローラは、1つまたは複数のセンサから入力を受信するための入力部(示されるように、112、110、201、111、117、119など)を備え、入力部は、ファンの上流もしくは下流または装置の外側の温度、流量、湿度および/または圧力センサを備え得る。示されるように、流量センサは、患者またはユーザに供給されるガスの流量特性(容積、速度または位相など)を決定する。流量センサは、ファンの上流110または下流111、112に配置することができる。また、周囲温度および湿度センサ201、110も使用することができ、同センサは、送風機入口、加湿器入口または他の任意の適切な場所に位置し得る。任意選択により、ホースの終端部112および/またはマスク117の温度および/または湿度センサを必要に応じて使用することができる。任意選択により、ヒータプレート温度センサ119が使用される。示されるセンサは、使用できるセンサの一構成である。他の任意の構成のセンサおよび他の任意のタイプのセンサも使用することができる。示されるものより少数のまたは多くのセンサが存在し得る。センサは、流量、湿度、温度および/または圧力、患者の同様のもの(例えば、マスクまたは他の任意の適切なポイントで測定される患者の呼気流量)、あるいは、流路の任意のポイント、周囲環境または装置もしくは周辺コンポーネントの他の任意のポイントにおける加湿または無加湿流量のいずれかを検知するため、適切ないかなる場所にも提供することができる。装置は、電源によって給電される。
【0061】
加湿呼吸装置は、空気13流量が移動するいかなる部分も備え得る空気流路30を備える。加湿呼吸装置は、送風機入口、送風機103、加湿器へのダクト118、水室を通じる流路115、水室からの排出管、導管101および患者インターフェース102を備え得る。この実施形態では、所望の温度および湿度は、患者の鼻/口の近くのマスクのものであり、これは、患者に伝達される温度および湿度である。目標ポイントは、空気流路の適切なポイントであり、この実施形態では、導管の終端部(「ホースの終端部」31と呼ばれる、図3を参照)であるが、その理由は、導管の終端部が、湿度および/または温度を目標値に制御できる流路のポイントであるためである。患者インターフェースは、顔全体、鼻または口頭マスクである。マスク102自体および患者は、導管の終端部の湿度および/または温度が患者の最も近くの(すなわち、マスクのおよび口/鼻の近くの)ものとは異なるように、貢献を提供する。例えば、ホースの終端部からマスクへの熱損失に起因して、また、患者の呼気からマスク空間への湿度および熱の追加に起因して、マスクにおける空気の相対湿度は、ホースの終端部よりはるかに高いものであり得る。これにより、相対湿度が100%を超えた場合、マスクにおける凝縮を引き起こす可能性がある。
【0062】
図3を参照すると、図2の加湿装置は、空気流路30を備え、空気流の湿度および温度に影響を及ぼす下流患者/マスク貢献を有する装置としてモデル化されている。患者貢献(および/または、任意選択により、マスク貢献)は、所望のマスク温度および湿度をもたらす導管の終端部の目標温度および/または湿度を決定する(入力に基づいて)モデルを導出するために使用される。図1Bに示される一般事例の実施形態である図4を参照すると、コントローラは、目標ポイント31における目標温度および/または湿度(マスクにおける所望の温度および湿度を達成する)を決定し、ヒータプレート108および呼吸管電力101aを制御して、目標ポイント31における目標温度および/または湿度を達成/維持するため、総合的な加湿器制御プログラム41の一部としてモデル40(いくつかある機能性の中で特に)を実装している。所望の温度および湿度(すなわち、マスク湿度および温度)は、モデルへの入力42d、42e(所望のマスク温度および湿度)として取り入れられる。また、周囲温度19a、周囲湿度19c、平均流量42a、患者のピーク流量または1回換気量42b、ならびに任意選択により、マスクタイプ42c、患者の温度19d、患者の湿度19eおよび同様のもののうちの1つまたは複数も入力として取り入れることができる。
【0063】
流路の空気の目標温度および/または湿度は、例えば、クローズドループフィードバックを使用して(センサまたは同様のものを使用)、または、モデルもしくは他の予測メカニズムを使用してなど、加湿呼吸装置に対する通常の制御方法のいずれかを使用して達成することができる。目標温度および/または湿度は、この実施形態では、ヒータプレート温度設定および加熱された呼吸管の電力設定を使用して達成される。これらについては、後に、図10を参照して説明する。
【0064】
この実施形態では、コントローラは、目標温度と目標湿度の両方を決定するよう構成され、目標ポイントでそれらの両方を達成/維持するよう構成される。しかし、代替の実施形態では、コントローラは、それらの両方の代わりに、目標温度のみを決定して達成するか、または、目標湿度のみを決定して達成するようにプログラムされる場合がある。目標温度と目標湿度の両方が必要とされる場合、コントローラは、それらの両方を決定して制御するための単一のモデル、または、それらの各々を別々に決定して制御するための別々のモデル(本実施形態の場合のような)で構成することができる。目標温度または目標湿度のうちの1つしか必要とされない場合は、別々のモデルが使用される。
【0065】
1.2 第1の実施形態の詳細な説明
ここでは、図5~10を参照して、実施形態についてより詳細に説明する。
【0066】
1.2.1 目標温度および湿度モデルの一般的な説明
本実施形態は、別々のモデルを使用して、目標温度および湿度を決定し、その結果、これらのパラメータは、別々の実装形態で決定および制御することができる。しかし、最初に、概説目的で、また、どのようにモデルが導出されるかについての論考をサポートするため、図5、6A、6Bを参照して、組み合わされた目標温度および湿度モデルの簡単な説明について説明する(図5は、総合的な制御の一部として図4に示されるモデルの簡易バージョンである)。それに続いて、目標温度および湿度を決定するための別々のモデルの詳細な説明を提供する。しかし、この説明は、単なる例示を目的として提供され、制限するものと見なすべきではない。
【0067】
以前に述べられるように、この実施形態では、所望の温度は、マスクにおける温度であり、「マスク温度(Mt)または(Mask_T)」と呼ばれる。所望の湿度は、マスクにおける湿度であり、「マスク(絶対)湿度(Mh)または(mask_AH)」と呼ばれる。これらは、患者/医師設定によって指定されるか、測定パラメータを使用して決定されるか、または、両方の組合せを使用して決定される。これらのパラメータの決定については、後に説明する。図5を参照すると、決定された時点で、Mh、Mtは、導管(ホース)の終端部の(目標)湿度(EOH_AH)44bおよび温度(EOH_T)44aを生成するための他の入力と共に、湿度および温度に対する(「逆」)患者貢献モデルに基づく目標湿度および温度モデル50への入力42d、42eである既知のパラメータとなる。また、モデル50への入力は、任意選択により、患者によって吐き出された空気の温度および湿度である、患者の温度19dおよび患者の絶対湿度(AH)19eを含む。直接入力よりむしろ、これらは、モデルに本質的に含めることができるが(図5の場合のように)、依然としてモデル入力と見なすことができる。例として、文献から得られた平均値(例えば、34℃、85%、32mg/L)を使用することができる。また、マスクタイプまたはマスクパラメータもモデルへの入力であり得、マスクタイプは、CPAPによって検出されるか、または、ユーザによって入力される。しかし、代替の実装形態では、モデルを簡素化するため、平均的なマスクタイプが使用される。あるいは、値は、身長、体重、年齢、BMI、吸気温度または湿度、1回換気量、鼻または口呼吸、肺病(例えば、COPD)、鼻炎/風邪、気管支血液流量、水分補給レベルなどの生理的な患者特性/パラメータを使用して計算することができる。
【0068】
モデル50は、以下に基づく。バランスの取れたシステムの場合、CPAP呼吸装置によって提供された流量は、患者の流量と平均/バイアス流量の負の合計に等しい。これは、図6A、6Bに示されている。定速でマスクへ流入するCPAP流量およびバイアス孔から流出する流量が存在する。図6A、6Bは、マスクを制御ボリュームと見なす吸気および呼気プロセスにおける空気流を示す。患者の流量は、モデルを目的とする正弦曲線によって近似することができる。CPAP流量波形は、図7に示されている。平均流量は、一定であると想定することができる。
【0069】
質量保存によれば、密度は同じ状態のままであると想定すると、システムの容積流量は、以下の方程式で表すことができる。
CPAP+Vpatient+Vbias=0 (16)
【0070】
これは、以下の方程式13と同等である。
【0071】
CPAP流量は、大抵の場合、システムへの流入量を表す正の符号を有するが、バイアス流量は、常に、システムからの流出量を表す負の符号を有するべきである。患者の流量は、呼気の間は正の符号を有し、吸気の間は負の符号を有する。しかし、特に大量の呼気では、CPAP流量は、その方向が逆になり、装置に逆流し、負の流量をもたらし得る。
【0072】
EOH空気温度および湿度レベルは、この特定の分析における既知の入力パラメータと見なすことができる。また、コントローラから利用可能なリアルタイムのCPAP流速およびバイアス流速のセンサ測定値は、入力パラメータ(流量特性)として取り入れることもできる。別の入力要素は、分析に対して一定であると想定される周囲の室内条件である。平均的な患者の呼気組成は、対象患者に主に依存し、個人によってかなり異なる。これまで行われた研究の大部分は、呼気における摂氏34~35度の温度および75~95%の湿度レベルが一般に許容可能な値であることを示唆している。患者の平均的な呼吸パターンを想定するよりむしろ、検出されたCPAPおよびバイアス流速に基づいて、平均流量および振幅(またはピーク流量)を計算し、正弦/余弦のような適切な関数を使用して呼吸パターンをモデル化する。モデル入力のいくつかは、CPAP流量波形を使用することから決定することができる。例えば、平均流量は、749以上のサンプル(10ミリ秒のセンササンプリングで15秒)にわたる動的流れの移動平均を計算することによって得ることができる。各呼吸に対するピーク流量は、各呼吸に対する最大流量と平均流量との差を計算することによって得ることができる。平均ピーク流量を得るため、15回の呼吸においてまたは設定された時間において、このピーク流量の移動平均を計算することができる。また、ピーク流量は、先に言及したものなどの生理的パラメータから計算することもできる。
【0073】
上記の組み合わされた目標温度および湿度モデルは、概要として提供された。ここでは、この実施形態のモデルについて、別々のモデルとして以下で詳細に説明する。
【0074】
1.2.2 目標湿度モデル
図8を参照すると、決定された時点で、Mhは、導管(ホース)の終端部の(目標)湿度(EOH_AH)44bを生成するための他の入力と共に、湿度に対する(「逆」)患者貢献モデルに基づく目標湿度モデルへの入力である既知のパラメータとなる。
【0075】
湿度に対する患者貢献モデルは、一般に、以下の関数として定義することができ、
h=f(flow characteristic,hC,hP) (1)
式中、
Cは、CPAP装置によってマスクに提供された湿度(この場合、ホースの終端部の湿度(EOH_AHでもある))であり、
Pは、患者(呼気)によってマスクに提供された湿度であり、
流量特性は、患者の1つまたは複数の呼吸流量特性を表す。
【0076】
患者貢献モデルは、目標湿度モデル50を定義する以下の関数に再構成される。
EOH_AH=f(flow characteristic,Mh,hP,) (2)
【0077】
一実施形態では、実際の流量特性を指定する患者貢献モデルの関数上の定義は、以下の通りであり、
h=f(A,JB,hC,hP) (3)
式中、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量(バイアス流量+漏れ流量)である。
【0078】
それに加えて、マスクタイプも入力として使用することができるが、これは必須ではなく、代わりにマスクに対する平均を使用することができ、関数に本質的に含めることができる。
【0079】
この関数の一例は、水蒸気質量バランスに基づくように、
AHmaskmask+AHCPAPCPAP+AHpatientpatient=AHmixturetotal (4a)である。
【0080】
マスクの容積は、絶えず流入空気で勢いよく流されるため、残りの項(AHmaskmask)=0である。したがって、方程式は、以下のようになる。
AHCPAPCPAP+AHpatientpatient=AHmixturetotal (4b)
【0081】
ホースの終端部の(絶対)湿度を求めるため、実際の流量特性を指定する患者貢献モデルの関数上の定義(3)は、
EOH_AH=f(A,JB,Mh,hp) (5)
に再構成することができる(図8に示されるように)。
【0082】
方程式(5)の関数の特定の例は、以下の方程式によって実装することができ、
EOH_AH=(Mask_AH-(A/(JB *pi))*Patient_AH)/(l-A/(JB *pi)) (6)
式中、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、患者によって吐き出された空気の温度および湿度である。
【0083】
したがって、方程式(6)は、ホースの終端部の目標ポイントにおける目標湿度を決定するための目標湿度モデルの一実装形態である。
【0084】
1.2.3 目標温度モデル
図9を参照すると、決定された時点で、Mtは、導管(ホース)の終端部の(目標)温度(EOH_T)44aを生成するための他の入力と共に、温度に対する(「逆」)患者貢献モデルに基づく目標温度モデルへの入力である既知のパラメータとなる。
【0085】
温度に対する患者貢献モデルは、一般に、以下通り定義することができ、
t=f(flow characteristic,TC,TP) (7)
式中、
Cは、CPAP装置によってマスクに提供された温度(この場合、ホースの終端部の温度(EOH_T)44a)であり、
Pは、患者(呼気)によってマスクに提供された温度であり、
流量特性は、患者の1つまたは複数の呼吸流量特性を表す。
【0086】
患者貢献モデルは、目標温度モデル50を定義する以下の関数に再構成される。
EOH_T=f(flow characteristic,Mt,TP) (8)
【0087】
一実施形態では、実際の流量特性を指定する患者貢献モデルの関数上の定義は、以下の通りであり、
t=f(A,JB,TC,TP,TA) (9)
式中、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量(バイアス流量+漏れ流量)であり、
Aは、例えば、センサによって測定される周囲温度である。
【0088】
それに加えて、マスクタイプも入力として使用することができるが、これは必須ではなく、代わりにマスクに対する平均を使用することができ、関数に本質的に含めることができる。
【0089】
エネルギーバランス方程式に基づくこの関数の一例は、以下の通りである。
【数8】
(マスクにおける空気のエネルギー変化=CPAPから流入する空気のエネルギー+患者から流入する空気のエネルギー-バイアス孔を通じて流出する空気のエネルギー-大気中に失われた熱)
【0090】
定常状態では、マスクにおける空気のエネルギー変化Δ(mmaskpmask)は0になる。したがって、方程式は以下の通りになる。
【数9】
【0091】
ホースの終端部の温度を求めるため、実際の流量特性を指定する患者貢献モデルの関数上の定義(9)は、
EOH_T=f(A,JB,Mt,TP,TA) (11)
に再構成することができる。
【0092】
この関数の特定の例は、以下の方程式によって実装することができ、
【数10】
式中、
【数11】
であり、
effは、マスクを通じる有効熱伝導係数であり、
Sは、マスクの表面積であり、
pおよびρは、一定(平均)処理圧力での空気比熱および(平均)密度を指し、
Aは、患者のピーク流量であり、
Bは、平均流量であり、
Patient_TおよびPatient_AHは、患者によって吐き出された空気の温度および湿度である。
【0093】
したがって、方程式(12)は、ホースの終端部の目標ポイントにおける目標湿度を決定するための目標温度モデルの一実装形態である。
【0094】
したがって、方程式(6)は目標湿度を決定するために、そして、方程式(12)は目標温度を決定するために、それぞれ使用することができ、次いで、それらの目標湿度および温度は、コントローラにプログラムされた制御方法を使用して達成することができる。あるいは、ニューラルネットワークを使用して、上記で説明される入力を用いて目標湿度および温度を決定することもできる。
【0095】
1.2.4 目標湿度および温度モデルの導出
ここでは、患者貢献、目標温度および目標湿度モデルの導出について説明する。
【0096】
1.2.4.1 背景定義
以下の略語が使用される。
インデックス:「C」-「CPAP」、「P」-「患者」、「B」-「バイアス(流量)」、「M」-マスクにおけるもの(混合)、「A」-「周囲の」、
X,X=C,P,B-容積流量、hX,X=C,P,M-絶対湿度(mgH2OL-1空気中)、TX,X=C,P,M-温度(℃)、
LUNGは、1回の呼吸当たりの換気量であり、br_periodは、呼吸時間であり、RFは、呼吸数である。
【0097】
図6A、6Bを参照すると、質量保存の法則によれば、密度は同じ状態のままであると想定すると、示されるシステムは、以下のように記載することができる。
C(t)+JP(t)-JB=0 (13)
【0098】
排気圧が一定の場合(大気の)、JBもまた一定である。例示目的のため、分かり易いように、患者の流量に対する肺への/肺からの流量の正弦的時間依存性JP=Asin(ωt)が想定され、式中、Aは、振幅または患者のピーク流量である。
【0099】
図11aを参照して、マスク90をオープンシステムまたは制御ボリュームと見なすと、関与する熱力学的相互作用は、主に、異なる流体の混合である。呼気段階の間は、マスク内部の残りの空気91(すなわち、最後の呼吸サイクルからの混合物)は、流入CPAP空気92および患者の呼気93と混合されるが、吸気段階の間は、マスク内部の残りの空気は、大量の流入CPAP空気によって大部分が勢いよく流し出される。これは、図11aに示される物質対流および拡散プロセスである。
【0100】
大部分のCPAP装置操作環境では、室内は、マスク内部の空気より低い温度を有し、システム内から外への熱交換をもたらす。呼吸サイクルは、熱力学的な循環プロセスと見なすことができ、各呼気は比較的同様のものであり、マスクの残りの空気は吸気の間に流入CPAP空気によって勢いよく流し出され、マスク状態を初期状態に戻すことが想定される。したがって、吸気および呼気プロセスの各サイクルで平均化されたマスク内部の平均空気温度は、ほぼ一定に維持されるはずである。この理由で、対流95a、95bおよび伝導94を伴う定常状態熱伝達プロセスは、図11bに示されるように考えられている。
【0101】
上記で言及される密閉マスクにおける熱力学的プロセスは、狭い空間における速度の急速な変動の性質による乱流混合である可能性が高い。流動は、拡散プロセスを促進する大きな界面表面積を生じさせるため、乱流は、分子混合プロセスにおいて効果的な支援である。
【0102】
乱流混合は、通常、3つのレベル、すなわち、(1)密度一致流体の混合などの受動混合、(2)加速場における異なる密度の流体の場合のレイリーテイラー不安定性流動などの力学とつながりのある混合、および、(3)圧力上昇など、流体を変化させる混合に分類される。マスク内部の空気混合は、関与する流体(すなわち、空気)が同様の密度のものであるため、第1のカテゴリに収まる。そのような混合プロセスに対し、流動力学を説明するための混合分析は不要である。したがって、混合プロセスに起因する各呼吸サイクルの間の流れパターンの変化を考慮する必要はない。
【0103】
1.2.4.2 目標湿度モデルの導出
1回の呼吸サイクルで平均化された水蒸気質量(m)率バランスは、
【数12】
であり、式中、
1回の呼吸サイクルで平均化された水蒸気の質量流出量
【数13】
は、マスクで混合された空気中に存在し、排出/バイアス孔を通じて流れ出た水蒸気の量に等しく、
1回の呼吸サイクルで平均化された患者からの水蒸気の質量流入量
【数14】
は、CPAP伝達湿度、患者の呼気湿度および患者のピーク流量の関数であり、
1回の呼吸サイクルで平均化されたCPAP装置からの水蒸気の質量流入量
【数15】
は、CPAP伝達湿度および流量特性(平均/バイアス流量および/またはピーク流量など)の関数である。
【0104】
形態の複雑性により、簡素化を行うことができる。呼吸サイクルの間、何らかの離散ポイントにおける水蒸気の質量のスカラー保存が適用される。これは、流入CPAP空気がバイアス孔を介して出る前にマスク内部の呼気および残りの空気とよく混合されることを想定する。数学的表現は、以下の通りである(マスクへの水蒸気の質量流入量は、水蒸気の質量流出量に等しい)。
AHmaskmask+AHCPAPCPAP+AHpatientpatient=AHmixturetotal (4a)
【0105】
マスクの容積は、絶えず流入空気で勢いよく流されるため、残りの項(AHmaskmask)=0である。したがって、方程式は、以下のようになる。
AHCPAPCPAP+AHpatientpatient=AHmixturetotal (4b)
【0106】
上記の方程式から、マスクにおける空気の平均湿度は、
マスク湿度=function(A,JB,hC,hP) (3)
と記載することができる。
【0107】
上記の方程式を目標湿度について解くと、
EOH_AH=f(A,JB,Mh,hp) (5)
が得られ、以前に述べられるように、
EOH_AH=(Mask_AH-(A/(JB *pi))*Patient_AH)/(l-A/(JB *pi)) (6)
である。
【0108】
1.2.4.3 目標温度モデルの導出
温度に対して同じ手法を使用すると、マスクシステムに対する熱エネルギーバランス方程式は、以下のように記載することができ、
【数16】
式中、
熱流出量は、バイアス孔を通じて流出した空気JBによって運ばれる熱エネルギー(マスク温度および平均流量の関数)と、マスク表面を通じて大気中に失われた熱(マスク温度、周囲温度およびマスクを通じる熱損失係数の関数)とを含み、
熱流入量は、CPAP流量によって運ばれる熱エネルギー(平均流量、ピーク流量およびCPAP伝達温度の関数)と、患者によって運ばれ、マスクに流入する熱エネルギー(患者の呼気温度、CPAP伝達温度および患者のピーク流量の関数)とを含む。
【0109】
空気混合プロセスは、吸気と呼気の両方の間に空気がバイアス孔を介してシステムを出る前に完了することが想定される。呼気段階は、混合空気がさらなる熱および湿度を得る際のプロセスである。
【0110】
1.前回のステップから得られたマスク温度は、現在のステップでマスク温度を計算するために使用され、したがって、以下の方程式によって表される反復モデルが得られる。
【0111】
2.モデル出力は、各呼吸サイクルの間、時間の関数としてのマスク空気温度を与え、平均値が計算され、実験測定値と比較される。しかし、結果は、大部分が一方向におけるエラーを示した。
【0112】
熱力学第二法則から、熱は、温度の高い物体から温度の低い物体に流れることが知られている。CPAP操作環境の大部分において、マスク内部の空気は、周囲の室温より高い温度を有する可能性が高く、マスク内部から大気中に失われる熱が存在することになる。
【0113】
熱損失を含むエネルギーバランス方程式は、以下の通りである。
【数17】
(マスクにおける空気のエネルギー変化=CPAPから流入する空気のエネルギー+患者から流入する空気のエネルギー-バイアス孔を通じて流出する空気のエネルギー-大気中に失われた熱)
【0114】
定常状態では、マスクにおける空気のエネルギー変化Δ(mmaskpmask)は0になる。したがって、方程式は以下の通りになる。
【数18】
【0115】
熱抵抗の概念を使用すると、
【数19】
である。
【0116】
マスクの複雑な形態により、これらの熱抵抗を理論的に計算することは非常に難しい。したがって、実験測定値を使用して、熱抵抗に対する統計的関係を得るため、実験的手法が取り入れられた。
【0117】
上記の方程式をマスク温度について解くと、マスクにおける空気の平均温度は、
マスク温度=f(A,JB,TC,TP,TA) (9)
と記載することができる。
【0118】
上記の方程式を目標温度について解くと、
EOH_T=f(A,JB,Mt,TP,TA) (11)
が得られ、以前に述べられるように、
【数20】
である。
effおよびSmaskは、この特定の実装形態に対して名目上のマスクタイプに対して実験的に測定された。代替の変形形態では、マスクタイプは、モデルへの入力として含めることができ、マスクタイプは、CPAPによって検出されるか、または、TPおよびhPは、患者によって吐き出された空気の温度および絶対空気湿度である。一実装形態に対し、例えば、文献から得られた平均値(すなわち、34℃、85%、32mg/L)を使用することができる。
【0119】
1.2.5 加湿呼吸装置制御
コントローラは、ホースの終端部における目標温度および湿度を決定するため、方程式(6)、(12)を使用して上記のモデルを実装するよう構成される。それらの目標が決定された時点で、コントローラは、目標ポイント(ホースの終端部)においてそれらの目標を達成するように加湿呼吸装置を操作するようにも構成される。このことは、図4の概要で示され、この実施形態に対する総合的な装置制御(コントローラによって実装される)の詳細な例は、図10に示される。
【0120】
それらの図を参照すると、ユーザまたは医師は、ユーザ入力制御インターフェース114を介して加湿呼吸装置に好ましい温度および/または湿度設定を入力する。周囲温度19aもまた、例えば、呼吸装置の外側に位置する温度センサから、コントローラへの入力として受信される。コントローラ109は、所望のマスク湿度42eおよび温度42dを決定するために周囲温度19aおよびユーザ設定19bを使用するルックアップテーブルまたは同様の実装形態を含む。例えば、マスク相対湿度(Mask_RH)、マスク温度(Mask_T)42dおよびマスク絶対湿度(Mask_AH)42eは、5℃~35℃の周囲温度の各快適性設定に対して事前に決定され、これらは、コントローラのルックアップテーブルにプログラムされる。これらの値は、患者トライアルまたは他の実験的な方法からのフィードバックに基づいて定義される。所望のMask_T 42dおよびMask_AH 42eは、各ユーザ設定および異なる周囲温度に対してユニットメモリの2つのルックアップテーブルを使用して決定することができる。
【0121】
次に、コントローラ109は、目標温度および湿度モデル50を実装する方程式(6)、(12)への入力として、所望のマスク湿度42eおよび温度42dを使用する。また、コントローラ109は、適切なセンサ/入力から受信した際に、それらの方程式への入力として、平均流量42a、ピーク流量42bおよび周囲温度19aも使用する。次いで、目標温度および目標湿度モデル50は、以前に説明されるように、目標のホースの終端部の湿度(EOH_AH)44bおよび温度(EOH_T)44aを出力する。
【0122】
次いで、コントローラ109は、目標湿度および温度を達成して維持するように加湿呼吸装置を操作する。この実施形態では、コントローラは、目標湿度を制御するようにヒータプレート(HP)108を制御することによって、および、目標温度を制御するように呼吸管のヒータ(HBT)101aを制御することによって、この操作を行う。目標湿度を達成するようにヒータプレート108を制御するため、コントローラ109は、目標のホースの終端部の湿度44bを達成する目標ヒータプレート温度43aを出力するニューラルネットワークモデルまたは方程式120への入力として、周囲温度19a、周囲湿度19c(センサによって測定されるか、または、モデルを通じて決定される)および平均流量42aと共に、目標湿度(ホースの終端部の温度44a)を使用する。また、コントローラ109は、任意選択により、モデル120への入力をフィードバックとして読み取るホースの終端部の湿度センサ122も使用する。同様に、目標温度(ホースの終端部の温度44a)を達成するように加熱された呼吸管を制御するため、コントローラ109は、目標のホースの終端部の温度44aを達成するため、加熱された呼吸管101に対する目標電力43bを出力するニューラルネットワークモデルまたは方程式121への入力として、周囲温度19a、平均流量42aおよびヒータプレート温度43aと共に、目標温度を使用する。また、コントローラ109は、任意選択により、または、代替として、モデル121への入力をフィードバックとして読み取るホースの終端部の温度センサ123も使用する。ヒータプレート目標温度43aおよびHBT目標電力43bに基づいて、コントローラ109は、制御電圧を生成して、ヒータプレート108および呼吸管ヒータ101aにそれぞれ伝え、それらを制御して、目標ヒータプレート温度43aおよび呼吸管電力43bを達成して維持し、ホースの終端部における目標温度/湿度44a、44bを達成する。
【0123】
上記の実施形態は、出力湿度および温度を測定するためのセンサが存在しないオープンループシステムとして起動することができる。しかし、任意選択により、マスクまたはホースの終端部の湿度および/または温度を測定するためのセンサが存在し得る。センサが存在する場合は、以下のことが起こる。
【0124】
センサ117がマスク102の温度を測定するために実装された場合、フィードバック制御ループに従って、HBT電力43bは、目標マスク温度42dを維持するように調整される。この場合、目標温度モデル(T)50およびニューラルネットワークモデル(HBT)121を迂回させる。この場合、ヒータプレート108用の目標湿度モデル50およびニューラルネットワークモデル120のみが使用されることになる。
【0125】
同様に、センサ117がマスク102の湿度(AHまたはRH)を測定するために実装された場合、フィードバック制御ループに従って、HP温度/電力43aは、目標マスク湿度42eを維持するように調整される。この場合、目標湿度モデル(AH)50およびニューラルネットワークモデル(HP)120を迂回させる。この場合、呼吸管ヒータ用の目標温度モデル50およびニューラルネットワークモデル121のみが使用されることになる。
【0126】
センサ123がホースの終端部の温度を測定するために実装された場合、フィードバック制御ループに従って、HBT電力43bは、目標EOH T 44aを維持するように調整される。この場合、ニューラルネットワークモデル(HBT)121を迂回させる。
しかし、患者貢献モデル(T)50は、マスク温度目標42aからEOH T 44aを計算するために依然として使用されることになる。
【0127】
センサ122がホースの終端部の湿度を測定するために実装された場合、フィードバック制御ループに従って、HP温度/電力43aは、目標EOH湿度44bを維持するように調整される。この場合、ニューラルネットワークモデル(HP)120を迂回させる。
しかし、患者貢献モデル(AH)50は、マスクAH目標42eからEOH AH 44bを計算するために依然として使用されることになる。
【0128】
示される湿度制御モデル120は、ニューラルネットワークモデルまたは一連の方程式などの機械学習アルゴリズムであり得る。ニューラルネットワークモデルは、EOH目標(AHおよびT)44b、44aを達成するため、異なる条件の下でHP 43aおよびHBT設定43bを予測するようにコントローラに実装することができる。モデル120は、物理システムの関係を模倣するため、実験データからの既知の入力および出力パラメータを使用して訓練される。次いで、モデル120は、異なるセットの入力を使用して出力された必要な設定を予測するようにコントローラに実装される。好ましくは、HPモデル120を最初に起動する。このモデルは、異なる条件(周囲T、周囲AHおよび流量)の下で目標EOH AH 44bを維持するため、HP温度43aを決定する。HBTモデル121は、入力としてHP設定43aを取り入れ、HBT電力43bを制御し、異なる条件(周囲Tおよび流量)の下で残りのEOH_T 44a要件を補償する。
【0129】
モデルは、任意選択により、別の効果を考慮に入れるための追加の機能性を備え得る。
水室の形態が原因で夜の間に水室内の水位が減少すると、吸湿能力ひいては伝達される湿度レベルも減少する。水位の減少を補償することにより、夜の間中、一定のレベルの湿度を維持することができる。
【0130】
上記は、以下のステップを使用して行われる。
【0131】
ステップ1-水位推定値の計算
水位推定値は、以下の通り、入力、すなわち、周囲の絶対湿度(Amb_AH)、目標のホースの終端部の出力湿度(EOH_AH)、平均流量(L/min)および夜のCPAPランタイムを使用して計算される。
- 初期のWL(治療開始時の水位)は、全水室容積であると想定することができる。
- ユニットAH=EOH_AH-Amb_AH [CPAPによって追加されたAH(mg/L)]
- 蒸発率=ユニットAH*平均流量 [蒸発率(mg/min)]
- 蒸発した水(mg)=蒸発率*ランタイム(時間)*60
- 水位(mgまたはml)=初期のWL-蒸発した水
【0132】
ステップ2-HP設定の計算
数学的モデルについては、上記で、ヒータプレート温度、周囲温度、入力湿度および流速の関数として出力湿度(または吸湿)を関係付ける図10を参照して説明した。水位は、モデルへの入力としても追加される。この方程式を再構成することにより、ヒータプレート温度設定を得ることができる。あるいは、水位は、ニューラルネットワークモデルへの入力として追加することができる。
【0133】
1.2.6 湿度および温度制御モデル
ここでは、数学的なHP 120およびHBT 121モデルの例についてさらに詳細に説明する。モデルは、2つのサブシステム、すなわち、湿度モデル(主に加湿器室)120と温度モデル121(主に加熱された呼吸管)に分割される。以下で説明するモデルは、特定の加湿呼吸装置構成に関連する。構成が変更された場合、方程式が変更される。
図2に戻ると、呼吸装置構成は、水室内の水を蒸発させるためのヒータプレートの上部にある約400mlの水を保持する水室を有する。供給電力を変化させることによって一定の温度を維持するためにPIDフィードバックループに供給されるヒータプレートの温度(THPL)119を測定するためのセンサが存在する。流入空気は、水面上を流れ、湿度を吸い上げる。この湿度は、ホース101を通じて運ばれ、ホース101は、温度降下に起因するレインアウトを防ぐため、HBT(呼吸管のヒータ)101aを使用して、その表面全体が加熱される。管内の電力(PHBT)は、以前に説明されるように、ホースの終端部において所望の温度44aを得るように制御される。
【0134】
1.3 代替の実施形態
上記は、一実施形態である。当業者であれば、他の多くの実施形態が考察されよう。異なるヒータプレート120および加熱された呼吸管121制御モデルおよび実装形態と共に、目標温度および湿度モデル50の異なる実装形態(目標温度および湿度モデル50を定義する異なる方程式)を考察することができる。その上、上記の実施形態は、目標ポイントとしてホースの終端部を使用し、使用されるモデルは、マスク貢献の湿度および温度に影響を及ぼす患者貢献に関連する。呼吸装置の流路の他の目標ポイントを使用することができ、呼吸装置の下流部分によって行われる湿度および温度への貢献を補償するための適切なモデルが使用される。例えば、目標ポイントとして加湿器出口を使用することができ、モデルは、患者および呼吸管貢献を考慮に入れることになる。
【0135】
代替の一実施形態では、加熱されない呼吸管(すなわち、加熱なしの呼吸管)が存在し、唯一の制御パラメータは、ヒータプレート温度119である。これは、マスクにおけるAH 42eおよび温度42dを独立して制御できないことを意味するが、その理由は、両方ともヒータプレート設定によって決定されるためである。方程式は、特定の周囲温度、周囲湿度、平均流量、および、所望のmask_RHまたはEOH_RHに対するHP設定を決定するために使用することができる。
【0136】
本明細書に記載される実施形態は、マスク湿度およびマスク温度を患者の最も近くの所望の温度/湿度と呼ぶが、これは、制限するものと見なしてはならない。モデルは、流路の他のポイントにおける所望の温度/湿度を達成するために作成することができる。
【0137】
さらなる実施形態では、患者についてのさらなる情報(身長、体重、肺容量、年齢、性別、BMIなど)もしくは環境(周囲温度、吸気温度など)、または、患者が鼻呼吸であるかもしくは口呼吸であるかに基づいて、パラメータ(患者の呼気湿度および温度ならびに1回換気量)を推定することが可能である。
【0138】
患者の呼吸を正弦波状のものと想定できない際のマスクにおける平均湿度および温度を表す別の方法は、
マスク湿度=function(VLUNG,RF,JB,hC,hP
マスク温度=function(VLUNG,RF,JB,TC,TP,TA
であり、式中、RF=呼吸数である。
【0139】
体表面積(BSA)、体重(W)および身長(H)を通じる1回換気量に対する実験的関係を考案することができるため、上記の関数のVLUNGの代わりにこれらを置き換えることができる。
【0140】
また、上記の関数のRFは、br_periodと置き換えることができる。
【0141】
パラメータのリスト
この明細書全体を通じて、様々なパラメータが使用される。いくつかの事例では、異なる方程式の異なるシンボルまたは頭字語によって同じパラメータが表されている。明確にするため、方程式で使用される一連のパラメータおよびそのシンボルを以下に記載する。
マスクにおける所望の絶対湿度は、Mask_AH、Mh、hM、マスク湿度、AHmixture、AHmaskと呼ばれる。
マスクにおける所望の相対湿度は、Mask_RHと呼ばれる。
マスクにおける所望の温度は、Mask_T、Mt、TM、マスク温度、Tmaskと呼ばれる。
患者の呼吸管の終端部における空気の絶対湿度は、EOH_AH、hC、AHCPAPと呼ばれる。
患者の呼吸管の終端部における空気の相対気湿度は、EOH_RHと呼ばれる。
患者の呼吸管の終端部における空気の温度はEOH_T、TC、TCPAPと呼ばれる。
患者の呼気の絶対湿度は、Patient_AH、hP、患者湿度、AHPatientと呼ばれる。
患者の呼気の温度は、Patient_T、TP、患者の温度、TPatientと呼ばれる。 マスクのバイアス孔を出る(およびマスクを通じて漏れ出す)一般に一定の流速は、平均流量、Avg Flow、JB、av.Flowと呼ばれる。
想定された正弦波状の患者の流速の振幅は、ピーク流量、Aと呼ばれる。
周囲温度は、Amb_T、TA、Amb.Temperature、周囲温度、Tambと呼ばれる。
周囲湿度は、Amb_AH、周囲湿度と呼ばれる。
一定(平均)処理圧力での空気の比熱および(平均)密度はそれぞれ、Cpおよびρと呼ばれる。
マスクを通じる有効熱伝導係数は、keffと呼ばれる。
マスクの表面積は、Sと呼ばれる。
ヒータプレートは、HPと呼ばれる。
呼吸管のヒータは、HBTと呼ばれる。
ヒータプレートの温度は、THPLと呼ばれる。
加熱管の電力は、PHBTと呼ばれる。
ニューラルネットワークは、NNと呼ばれる。
1回の呼吸当たりの換気量は、VLUNGと呼ばれる。
呼吸時間は、br_periodと呼ばれる。
呼吸数は、RFと呼ばれる。
CPAPの容積の流速は、VCPAP,JCと呼ばれる。
患者の呼吸の容積の流速は、Vpatient,JPと呼ばれる。
バイアス孔を通じて出る容積の流速は、Vbias,JB,Vtotalと呼ばれる。
マスクの容積は、Vmaskと呼ばれる。
マスクにおける空気の絶対湿度は、AHmaskと呼ばれる。
マスクを通じて大気中に失われた熱は、Qlostと呼ばれる。
マスク内部の強制対流抵抗は、Rinと呼ばれる。
マスクを通じる伝導抵抗は、Rcondと呼ばれる。
マスクから周囲への自然対流抵抗は、Routと呼ばれる。
マスクの内部表面の温度は、TinWallと呼ばれる。
マスクの外部表面の温度は、ToutWallと呼ばれる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の最も近くで所望の湿度の加湿空気を生成して前記患者に伝達するための加湿呼吸装置であって、
空気流路と、
加湿呼吸装置の操作を制御するためのコントローラを備え、
前記コントローラは、前記患者の呼気湿度および流量に基づいて前記患者の最も近くで前記所望の伝達湿度を達成するため、前記流路のポイントにおいて湿度を制御するように加湿呼吸装置を操作するよう構成される、加湿呼吸装置。
【外国語明細書】