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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071427
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】店舗システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20240517BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240517BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G06Q20/20
G06Q30/06
G07G1/12 331H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039967
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2019223245の分割
【原出願日】2019-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 晴喜
(57)【要約】
【課題】モバイル端末を介して入力されたデータに誤りがある場合でも、そのデータを破棄することなく誤りを正すことで、サーバの負荷を軽減する。
【解決手段】店舗システムは、サーバと店舗端末とを含む。サーバは、複数のモバイル端末でそれぞれ入力された購買商品に基づくデータを受信する。サーバは、受信した購買商品に基づくデータを記憶する。店舗端末は、記憶されたデータから、いずれかのモバイル端末で入力された購買商品に基づくデータを取得する。店舗端末は、取得したデータの修正を指示する。サーバは、記憶されるデータについて、指示された修正を実行する。
【選択図】 図1



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモバイル端末でそれぞれ入力された購買商品に基づくデータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した購買商品に基づくデータを記憶する記憶手段と、
を備えたサーバと、
前記記憶手段で記憶されたデータから、いずれかの前記モバイル端末で入力された購買商品に基づくデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得したデータの修正を指示する修正指示手段と、
を備えた店舗端末と、
を含み、
前記サーバは、
前記記憶手段により記憶されるデータについて、前記修正指示手段により指示された修正を実行する修正手段と、
をさらに備える、店舗システム。
【請求項2】
前記店舗端末は、
前記モバイル端末を選択する選択手段と、
購買商品に基づくデータを入力する入力手段と、
をさらに備え、
前記サーバは、
前記入力手段により入力された購買商品に基づくデータを、前記選択手段により選択された前記モバイル端末から入力された購買商品に基づくデータとして前記記憶手段に追加する追加手段と、
をさらに備える、請求項1記載の店舗システム。
【請求項3】
前記店舗端末は、
前記選択手段により選択されたモバイル端末で入力された購買商品に基づくデータのリストを表示する表示手段、
をさらに備え、
前記修正指示手段は、前記リストに表示されたデータの修正を指示する、
請求項2記載の店舗システム。
【請求項4】
複数のモバイル端末でそれぞれ入力された購買商品に基づくデータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した購買商品に基づくデータを基に商品販売データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された商品販売データを記憶する第1記憶手段と、
前記生成手段により生成された商品販売データと商品販売データの生成には至らなかった購買商品に基づくデータとを記憶する第2記憶手段と、
を備えたサーバと、
前記第2記憶手段で記憶されたデータから、いずれかの前記モバイル端末で入力された購買商品に基づくデータを基に生成された商品販売データ及び商品販売データの生成には至らなかった購買商品に基づくデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した商品販売データ又は購買商品に基づくデータの修正を指示する修正指示手段と、
を備えた店舗端末と、
を含み、
前記サーバは、
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段により記憶されるデータについて、前記修正指示手段により指示された修正を実行する修正手段と、
をさらに備える、店舗システム。
【請求項5】
前記店舗端末は、
前記モバイル端末を選択する選択手段と、
購買商品に基づくデータを入力する入力手段と、
をさらに備え、
前記サーバは、
前記入力手段により入力された購買商品に基づくデータを基に生成される商品販売データを、前記選択手段により選択された前記モバイル端末から入力された購買商品に基づくデータで生成されたものとして前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段に追加する追加手段と、
をさらに備える、請求項4記載の店舗システム。
【請求項6】
前記店舗端末は、
前記選択手段により選択されたモバイル端末で入力された購買商品に基づくデータから生成された商品販売データ及び商品販売データの生成には至らなかった購買商品に基づくデータのリストを表示する表示手段と、
をさらに備え、
前記修正指示手段は、前記リストに表示されたデータの修正を指示する、
請求項5記載の店舗システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者がモバイル端末を操作して購買商品に基づくデータを入力することで、会計時における当該データの入力操作を簡略化した店舗システムがある。しかし、モバイル端末を介して入力されたデータが必ずしも正しいとは限らない。例えば、値札とは異なる売価で商品が登録されたり、設定された値引が正しく行われなかったりすることがある。このような場合、現状の店舗システムでは、モバイル端末を介して入力されたデータは破棄される。データは店員によって会計機に入力し直される。このとき店員は、誤りのあるデータに対して売価変更、値引額の設定等の処理を行う。従来は、このように対処していたため、モバイル端末を介して入力されたテータの処理に要していたサーバの負荷が無駄となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-117299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、モバイル端末を介して入力されたデータに誤りがある場合でも、そのデータを破棄することなく誤りを正すことができ、サーバのデータ処理に要する負荷を軽減できる店舗システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、店舗システムは、サーバと店舗端末とを含む。サーバは、受信手段、記憶手段及び修正手段を有する。受信手段は、複数のモバイル端末でそれぞれ入力された購買商品に基づくデータを受信する。記憶手段は、受信手段で受信した購買商品に基づくデータを記憶する。修正手段は、記憶手段により記憶されるデータについて、後述する修正指示手段により指示された修正を実行する。店舗端末は、取得手段及び修正指示手段を有する。取得手段は、記憶手段で記憶されたデータから、いずれかのモバイル端末で入力された購買商品に基づくデータを取得する。修正指示手段は、取得手段により取得したデータの修正を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】店舗システムの一実施形態を概略的に示すブロック図。
図2】モバイル端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3】監視端末の要部回路構成を示すブロック図。
図4】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図5】端末コントローラの要部回路構成を示すブロック図。
図6】取引情報ファイルのデータ構造を示す模式図。
図7】モバイル情報ファイルのデータ構造を示す模式図。
図8】モバイル端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図9】端末コントローラのプロセッサが実行する利用開始通知コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図10】端末コントローラのプロセッサが実行する商品登録通知コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図11】端末コントローラのプロセッサが実行する会計通知コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図12】仮想POSサーバのプロセッサが実行する利用開始要求コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図13】仮想POSサーバのプロセッサが実行する商品登録要求コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図14】仮想POSサーバのプロセッサが実行する会計要求コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図15】監視端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図16】監視端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図17】監視端末のプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図18】端末コントローラのプロセッサが実行する修正通知コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図19】仮想POSサーバのプロセッサが実行する修正要求コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
図20】モバイル端末において表示される監視画面の一表示例を示す図。
図21】モバイル端末において表示される状態表示部の一表示例を示す図。
図22】モバイル端末において表示されるリストを含む画像の一表示例を示す図。
図23】モバイル端末において表示される編集ポップアップ画像の一表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、店舗システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態では、ショッピングカートを利用する消費者が、そのカートに取り付けられたモバイル端末を操作して、自ら購買商品に基づくデータを入力するようにした店舗システムを例示する。
【0008】
図1は、店舗システム100の一実施形態を概略的に示すブロック図である。店舗システム100は、店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、会計機30、端末コントローラ40、アクセスポイント50、モバイル端末60、監視端末70及び通信ネットワーク80を含む。通信ネットワーク80は、有線LAN(Local Area Network)である。すなわち通信ケーブルに、店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、会計機30、端末コントローラ40及びアクセスポイント50がそれぞれ接続されて、通信ネットワーク80が構成されている。通信ネットワーク80は、無線LANであってもよい。
【0009】
アクセスポイント50は、モバイル端末60及び監視端末70とともに無線LANを構成する機器である。アクセスポイント50は、無線LANで接続されたモバイル端末60又は監視端末70と、有線LANで接続された各機器との間で授受されるデータ中継拠点となる。アクセスポイント50の台数は1台に限定されない。店舗の規模、レイアウト等を考慮して、2台以上のアクセスポイント50が通信ネットワーク80に接続されていてもよい。
【0010】
モバイル端末60は、店舗システム100が構成された店舗での消費者の買物行動を支援するための可搬型電子機器である。モバイル端末60は、典型的には消費者が操作者となる。モバイル端末60は、例えばショッピングカートに取り付けられて使用される。モバイル端末60は、店舗から消費者に貸し出されて、消費者が携帯してもよい。モバイル端末60は、消費者が所有するスマートフォン、タブレット端末等の情報端末であってもよい。
【0011】
図2は、モバイル端末60の要部回路構成を示すブロック図である。モバイル端末60は、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線デバイス64、タッチパネル65、スキャナ66及びシステム伝送路67を備える。システム伝送路67は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。モバイル端末60は、システム伝送路67に、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線デバイス64、タッチパネル65及びスキャナ66を接続する。モバイル端末60では、プロセッサ61、メインメモリ62及び補助記憶デバイス63と、これらを接続するシステム伝送路67とによってコンピュータが構成される。
【0012】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、モバイル端末60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0013】
メインメモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0014】
補助記憶デバイス63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス63となり得る。補助記憶デバイス63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス63は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0015】
無線デバイス64は、無線LANを介してアクセスポイント50との間でデータの無線通信を行うための機器である。
【0016】
タッチパネル65は、モバイル端末60の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル65は、種々の画像を表示する。そしてタッチパネル65は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ61へと出力する。
【0017】
スキャナ66は、バーコードの読み取りに供せられる機器である。スキャナ66は、レーザ光で走査して光学的にバーコードを読み取る機器であってもよいし、カメラで撮影されたバーコードを含む画像を処理してバーコードを読み取る機器であってもよい。
【0018】
モバイル端末60は、アプリケーションプログラムの1種として、買物支援プログラムAPL1を補助記憶デバイス63にインストールしている。買物支援プログラムAPL1を補助記憶デバイス63にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に買物支援プログラムAPL1を記録して、あるいはネットワークを介した通信により買物支援プログラムAPL1を配信して、補助記憶デバイス63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。買物支援プログラムAPL1のインストール先は、メインメモリ62であってもよい。
【0019】
監視端末70は、モバイル端末60の動作状態をモニタリングするための電子機器である。監視端末70は、モバイル端末60と併せて会計機30の動作状態をモニタリングしてもよい。監視端末70は、典型的には、アテンダントと称される店員が操作者となる。監視端末70は、アテンダントが待機する場所に据え置きされて使用される。監視端末70は、アテンダントが持ち出し可能な可搬型電子機器であってもよい。監視端末70は、店舗端末の一例である。
【0020】
図3は、監視端末70の要部回路構成を示すブロック図である。監視端末70は、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線デバイス74、タッチパネル75、スキャナ76及びシステム伝送路77を備える。システム伝送路77は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。監視端末70は、システム伝送路77に、プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線デバイス74、タッチパネル75及びスキャナ76を接続する。監視端末70では、プロセッサ71、メインメモリ72及び補助記憶デバイス73と、これらを接続するシステム伝送路77とによってコンピュータが構成される。
【0021】
プロセッサ71、メインメモリ72、補助記憶デバイス73、無線デバイス74、タッチパネル75及びスキャナ76に対する説明は、モバイル端末60に対するプロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線デバイス64、タッチパネル65及びスキャナ66に対する説明と重複するので、ここでの説明は省略する。
【0022】
監視端末70は、アプリケーションプログラムの1種として監視支援プログラムAPL2を補助記憶デバイス73にインストールしている。監視支援プログラムAPL2を補助記憶デバイス73にインストールする方法も特に限定されるものではない。買物支援プログラムAPL1と同等の方法をそのまま適用することができる。監視支援プログラムAPL2のインストール先は、メインメモリ72であってもよい。
【0023】
会計機30は、消費者との商取引を決済するための端末である。会計機30は、仮想POSサーバ20から商取引の会計データを取得し、その会計データを基に商取引を決済する。会計機30は、現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、ポイント決済、コード決済(モバイル決済又はスマートフォン決済等とも称される)等、周知の決済方式により商取引を決済することができる。
【0024】
会計機30には、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、消費者が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。店舗システム100は、有人会計機とセルフ会計機の双方を備えていてもよいし、いずれか一方だけを備えていてもよい。有人会計機としては、従来周知のPOS端末を適用することができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
【0025】
店舗サーバ10は、店舗業務全般を支援する。その支援のために店舗サーバ10は、商品データベース、会員データベース等の種々のデータベースを管理する。
【0026】
商品データベースは、店舗で販売されている各商品のデータを記述した商品レコードの集合体である。商品レコードは、商品コード、商品名、価格、値引情報等のデータ項目で構成される。商品コードは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。各商品には、商品コードを示すバーコードが付されている。値引情報は、値引額、割引率等の商品値引に関する情報である。
【0027】
会員データベースは、ポイント会員等として会員登録を行った消費者、いわゆる会員に関するデータを記述した会員レコードの集合体である。会員レコードには、会員コード、累積ポイント等のデータ項目を含む。会員コードは、各会員を識別するために会員毎に設定された一意の識別コードである。累積ポイントは、会員との商取引においてその会員である消費者に付与されたポイントを累積したものである。
【0028】
仮想POSサーバ20は、モバイル端末60と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行う。すなわち仮想POSサーバ20は、モバイル端末60のタッチパネル65又はスキャナ66から入力されるデータを基に購買商品の登録処理を行う。仮想POSサーバ20で登録処理された購買商品のデータは、モバイル端末60のタッチパネル65に表示される。
【0029】
図4は、仮想POSサーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インターフェース24及びシステム伝送路25を備える。システム伝送路25は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ20は、システム伝送路25に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インターフェース24を接続する。仮想POSサーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路25とによってコンピュータが構成される。
【0030】
プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23に対する説明は、モバイル端末60に対するプロセッサ61、メインメモリ62及び補助記憶デバイス63に対する説明と重複するので、ここでの説明は省略する。
【0031】
通信インターフェース24は、通信ネットワーク80を介して接続される各部との間でデータ通信を行うための回路である。
【0032】
かかる構成の仮想POSサーバ20は、複数の取引情報ファイルTFLを保存するための記憶領域を補助記憶デバイス23に形成している。取引情報ファイルTFLのデータ構造については後述する。
【0033】
端末コントローラ40は、アクセスポイント50を介して無線LANで接続されるモバイル端末60及び監視端末70の動作を制御する。端末コントローラ40は、買物支援プログラムAPL1が実行されているモバイル端末60との間でデータコマンドを授受することにより、モバイル端末60をPOS端末の入出力インターフェースとして機能させる。端末コントローラ40は、監視支援プログラムAPL2が実行されている監視端末70との間でデータコマンドを授受することにより、監視端末70を、モバイル端末60の状態監視機器として機能させることができる。
【0034】
図5は、端末コントローラ40の要部回路構成を示すブロック図である。端末コントローラ40は、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、通信インターフェース44及びシステム伝送路45を備える。システム伝送路45は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。端末コントローラ40は、システム伝送路45に、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43及び通信インターフェース44を接続する。端末コントローラ40では、プロセッサ41、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43と、これらを接続するシステム伝送路45とによってコンピュータが構成される。
【0035】
プロセッサ41、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43に対する説明は、モバイル端末60に対するプロセッサ61、メインメモリ62及び補助記憶デバイス63に対する説明と重複するので、ここでの説明は省略する。
【0036】
通信インターフェース44は、通信ネットワーク80を介して接続される各部との間でデータ通信を行うための回路である。
【0037】
かかる構成の端末コントローラ40は、複数のモバイル情報ファイルMFLを保存するための記憶領域を補助記憶デバイス23に形成している。モバイル情報ファイルMFLのデータ構造については後述する。
【0038】
図6は、取引情報ファイルTFLのデータ構造を示す模式図である。図示するように、取引情報ファイルTFLは、端末IDを記述するための領域A1と、複数の登録データを記憶するための領域A2と、第1ステータスS1を記憶するための領域A3とで構成される。端末IDは、各モバイル端末60を個々に識別するためにメインメモリ62又は補助記憶デバイス63に設定された一意のコードである。登録データは、正常登録データである。正常登録データは、商品コード、商品名、価格、点数、値引額及びエラーフラグの各項目データで構成される。エラーフラグは“0”である。第1ステータスS1は、取引情報ファイルTFLの状態を識別するための情報である。取引情報ファイルTFLの状態には、商品登録開始前の第1状態と、商品登録開始後の第2状態と、会計宣言後の第3状態と、会計終了後の第4状態とがある。本実施形態では、第1状態を表す第1ステータスS1を“0”とし、第2状態を表す第1ステータスS1を“1”とし、第3状態を表す第1ステータスS1を“2”とし、第4状態を表す第1ステータスS1を“3”とする。
【0039】
図7は、モバイル情報ファイルMFLのデータ構造を示す模式図である。図示するように、モバイル情報ファイルMFLは、端末IDを記述するための領域B1と、複数の登録データを記憶するための領域B2と、第2ステータスS2を記憶するための領域B3とで構成される。登録データは、前述した正常登録データ以外にエラー登録データを含む。エラー登録データは、バーコードデータとエラーフラグの各項目データで構成される。エラーフラグは“1”である。第2ステータスS2は、モバイル情報ファイルMFLの状態を識別するための情報である。モバイル情報ファイルMFLの状態もまた取引情報ファイルTFLと同様に第1乃至第4の状態がある。そして本実施形態では、第1状態を表す第2ステータスS2を“0”とし、第2状態を表す第2ステータスS2を“1”とし、第3状態を表す第2ステータスS2を“2”とし、第4状態を表す第2ステータスS2を“3”とする。
【0040】
図8は、モバイル端末60のプロセッサ61が買物支援プログラムAPL1に従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図9乃至図11は、モバイル端末60の情報処理に応答して、端末コントローラ40のプロセッサ41が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。図12乃至図14は、端末コントローラ40の情報処理に応答して、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を用いて、消費者がモバイル端末60を使用して購買商品に基づくデータを入力し、その購買商品の会計を終えるまでの店舗システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
【0041】
はじめに消費者は、買物を始める前にモバイル端末60を起動する。モバイル端末60は、例えばショッピングカートに取り付けられている。モバイル端末60が起動すると、プロセッサ61は、図8の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ61は、ACT101として利用開始宣言を待ち受ける。例えばプロセッサ61は、タッチパネル65に買物開始ボタンを表示させる。そしてプロセッサ61は、買物開始ボタンがタッチされるのを待ち受ける。
【0042】
消費者は、買物開始ボタンにタッチする。このタッチ入力を受けてプロセッサ61は、ACT101においてYESと判定し、ACT102へと進む。プロセッサ61は、ACT102として利用開始通知を行うように無線デバイス64を制御する。この制御により、無線デバイス64から利用開始通知コマンドが無線送信される。利用開始通知コマンドは、無線LANで接続されたアクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。利用開始通知コマンドには、当該モバイル端末60に設定された端末IDが含まれる。
【0043】
端末コントローラ40のプロセッサ41は、通信インターフェース44を介して利用開始通知コマンドを受信すると、図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ41は、ACT201として利用開始要求を行うように通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から利用開始要求コマンドが出力される。利用開始要求コマンドは、通信ネットワーク80を介して仮想POSサーバ20へと送信される。利用開始要求コマンドには、利用開始通知コマンドから検出された端末IDが含まれる。
【0044】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース24を介して利用開始要求コマンドを受信すると、図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ21は、ACT301として利用開始要求コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT302としてその端末IDで識別されるモバイル端末60の利用可否判定を行う。
【0045】
具体的にはプロセッサ21は、取引情報ファイルTFLのなかに、前記端末IDが領域A1にセットされ、第1ステータスS1が“3”以外の取引情報ファイルTFLが存在するか否かを検索する。第1ステータスS1が“3”以外の取引情報ファイルTFLは、利用開始宣言が行われたが会計は終了していないモバイル端末60に対応したものである。したがって、該当する取引情報ファイルTFLを検出した場合、プロセッサ21は、モバイル端末60を利用不可と判定する。該当する取引情報ファイルTFLを検出できなかった場合には、プロセッサ21は、モバイル端末60を利用可と判定する。
【0046】
モバイル端末60を利用不可と判定した場合、プロセッサ21は、ACT302においてNOと判定し、ACT303へと進む。プロセッサ21は、ACT303として拒否応答を行うように通信インターフェース24を制御する。
【0047】
モバイル端末60を利用可と判定した場合には、プロセッサ21は、ACT302においてYESと判定し、ACT304へと進む。プロセッサ21は、ACT304として補助記憶デバイス23に取引情報ファイルTFLを作成する。そしてプロセッサ21は、ACT305としてその取引情報ファイルTFLの領域A1に、利用開始要求コマンドから検出された端末IDをセットする。またプロセッサ21は、ACT306としてその取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1を“0”とする。さらにプロセッサ21は、ACT307として許可応答を行うように通信インターフェース24を制御する。
【0048】
ACT303又はACT307の制御により、通信インターフェース24から拒否応答コマンド又は許可応答コマンドが出力される。拒否応答コマンド又は許可応答コマンドは、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。拒否応答コマンド又は許可応答コマンドには、利用開始要求コマンドから検出された端末IDが含まれる。
【0049】
図9の説明に戻る。
利用開始要求を行った端末コントローラ40のプロセッサ41は、ACT202として許可応答コマンドを待ち受けている。ここで、通信インターフェース204を介して拒否応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT202においてNOと判定し、ACT203へと進む。プロセッサ41は、ACT203として拒否通知を行うように通信インターフェース44を制御する。
【0050】
一方、許可応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT202においてYESと判定し、ACT204へと進む。プロセッサ41は、ACT204として補助記憶デバイス43にモバイル情報ファイルMFLを作成する。そしてプロセッサ41は、ACT205としてそのモバイル情報ファイルMFLの領域B1に、許可応答コマンドから検出された端末IDをセットする。またプロセッサ41は、ACT206としてそのモバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2を“0”とする。さらにプロセッサ41は、ACT207として許可通知を行うように通信インターフェース44を制御する。
【0051】
ACT203又はACT207の制御により、通信インターフェース44から拒否通知コマンド又は許可通知コマンドが出力される。拒否通知コマンド又は許可通知コマンドは、通信ネットワーク80を介してアクセスポイント50から無線送信される。拒否通知コマンド又は許可通知コマンドには、拒否応答コマンド又は許可応答コマンドから検出された端末IDが含まれる。アクセスポイント50から無線送信された拒否通知コマンド又は許可通知コマンドは、そのコマンドに含まれる端末IDが設定されたモバイル端末60で受信される。
【0052】
図8の説明に戻る。
利用開始通知を行ったモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT103として許可通知コマンドを待ち受けている。ここで、無線デバイス64を介して拒否通知コマンドを受信した場合には、プロセッサ61は、ACT103においてNOと判定する。プロセッサ61は、利用開始宣言に対する処理をエラーとして終了する。したがって消費者は、モバイル端末60を利用することができない。例えば消費者は、ショッピングカートを交換し、交換後のカートのモバイル端末60に対して利用開始宣言を行う。
【0053】
一方、許可通知コマンドを受信した場合には、プロセッサ61は、ACT103においてYESと判定し、ACT104へと進む。プロセッサ61は、ACT104としてタッチパネル65に登録画面を表示させる。登録画面は、購買商品の商品名、価格、点数、値引額等を表示するための明細領域と、購買商品の合計点数、合計金額等を表示するための合計領域とを備えたものである。また、登録画面には、消費者が会計への移行を宣言するための会計ボタンも表示されている。会計ボタンは、ソフトウェアによってタッチパネル65の画面上に再現された操作子の一例である。なお、登録画面のレイアウトについては、特に限定されるものではない。
【0054】
登録画面を表示したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT105として商品登録を受け付けたか否かを判断する。商品登録を受け付けていない場合、プロセッサ61は、ACT105においてNOと判定し、ACT106へと進む。プロセッサ61は、ACT106として更新通知コマンドを受信したか否かを確認する。更新通知コマンドを受信していない場合、プロセッサ61は、ACT106においてNOと判定し、ACT107へと進む。プロセッサ61は、ACT107として会計宣言を受け付けたか否かを確認する。会計宣言を受け付けていない場合、プロセッサ61は、ACT107においてNOと判定し、ACT105へと戻る。ここにプロセッサ61は、ACT105乃至ACT107において、商品登録が行われるか、更新通知コマンドを受信するか、会計宣言が行われるのを待ち受ける。
【0055】
登録画面を確認した消費者は、売場にて購買商品を入手する毎に、その購買商品のバーコードをスキャナ66で読み取らせてからショッピングカートへと投入する。
【0056】
ACT105乃至ACT107の待ち受け状態にあるプロセッサ61は、スキャナ66でバーコードが読み取られると、商品登録有りと判定する。プロセッサ61は、ACT105においてYESと判定し、ACT108へと進む。プロセッサ61は、ACT108として商品登録通知を行うように無線デバイス64を制御する。この制御により、無線デバイス64から商品登録通知コマンドが無線送信される。商品登録通知コマンドは、アクセスポイント50を介して端末コントローラ40へと送信される。商品登録通知コマンドには、スキャナ66で読み取られたバーコードのデータと当該モバイル端末60の端末IDとが含まれる。
【0057】
端末コントローラ40のプロセッサ41は、通信インターフェース44を介して商品登録通知コマンドを受信すると、図10の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ41は、ACT211として商品登録通知コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ41は、ACT212としてその端末IDがセットされたモバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が“0”又は“1”であるか否かを確認する。当該モバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が“0”又は“1”以外の場合、プロセッサ41は、ACT212においてNOと判定する。プロセッサ41は、商品登録通知に対する処理をエラーとして終了する。
【0058】
モバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が“0”又は“1”の場合には、プロセッサ41は、ACT212においてYESと判定し、ACT213へと進む。プロセッサ41は、ACT213として商品登録要求を行うように通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から商品登録要求コマンドが出力される。商品登録要求コマンドは、通信ネットワーク80を介して仮想POSサーバ20へと送信される。商品登録要求コマンドには、商品登録通知コマンドから検出されたバーコードのデータと端末IDとが含まれる。なお、以下では、第2ステータスS2が“0”又は“1”のモバイル情報ファイルMFLを登録モバイル情報ファイルMFL1と称する。
【0059】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース24を介して商品登録要求コマンドを受信すると、図13の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ21は、ACT311として商品登録要求コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT312としてその端末IDがセットされた取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“0”又は“1”であるか否かを確認する。取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“0”又は“1”以外の場合、プロセッサ21は、ACT312においてNOと判定する。プロセッサ21は、商品登録要求に対する処理をエラーとして終了する。
【0060】
取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“0”又は“1”である場合には、プロセッサ21は、ACT312においてYESと判定し、ACT313へと進む。プロセッサ21は、ACT313として商品登録要求コマンドから検出したバーコードのデータで、商品データを店舗サーバ10に問い合わせる。なお、以下では、第1ステータスS1が“0”又は“1”の取引情報ファイルTFLを登録取引情報ファイルTFL1と称する。
【0061】
商品データの問合せに対して店舗サーバ10のプロセッサ11は、バーコードのデータが商品コードであるか否かを確認する。商品コードの場合、プロセッサ11は、その商品コードで商品データベースを検索する。そしてプロセッサ11は、当該商品コードを含む商品レコードを検出すると、正常応答コマンドを仮想POSサーバ20へと送信する。正常応答コマンドには、商品レコードを構成する商品コード、商品名、価格、値引情報等の商品データが含まれる。
【0062】
一方、商品データベースを検索したが、該当する商品レコードを検出できなかった場合、あるいは、バーコードのデータが商品コードでなかった場合、プロセッサ11は、エラー応答コマンドを仮想POSサーバ20へと送信する。商品には、商品コードのバーコード以外にも、例えば生産者、製造会社等を識別するためのバーコード等が付されている場合がある。このようなバーコードを消費者が誤って読み取ってしまった場合、プロセッサ11は、エラー応答コマンドを仮想POSサーバ20へと送信する。エラー応答コマンドには、商品登録要求コマンドから検出したバーコードのデータが含まれる。
【0063】
商品データの問合せを行った仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、ACT314として正常応答コマンドを待ち受けている。ここで、通信インターフェース24を介してエラー応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ21は、ACT314においてNOと判定し、ACT315へと進む。プロセッサ21は、ACT315としてエラー登録データを生成する。エラー登録データには、エラー応答コマンドから検出されたバーコードのデータと、“1”のエラーフラグとが含まれる。エラー登録データを生成したプロセッサ21は、ACT320へと進む。ACT320の処理については後述する。
【0064】
一方、通信インターフェース24を介して正常応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ21は、ACT314においてYESと判定し、ACT316へと進む。プロセッサ21は、ACT316として正常登録データを生成する。正常登録データには、正常応答コマンドから検出された商品データと、“0”のエラーフラグとが含まれる。
【0065】
正常登録データを生成したプロセッサ21は、ACT317としてその正常登録データを登録取引情報ファイルTFL1に登録する。またプロセッサ21は、ACT318として登録取引情報ファイルTFL1の第1ステータスS1が“0”であるか否かを確認する。第1ステータスS1が“0”の場合、プロセッサ21は、ACT318においてYESと判定し、ACT319へと進む。プロセッサ21は、ACT319としてその第1ステータスS1を“0”から“1”に変更する。第1ステータスS1が既に“1”に変更されている場合には、プロセッサ21は、ACT318においてNOと判定し、ACT319の処理をスキップする。
【0066】
ACT319の処理を終えるか、ACT319の処理をスキップすると、プロセッサ21は、ACT320へと進む。プロセッサ21は、ACT320として登録データを端末コントローラ40へと送信するように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から正常登録データ又はエラー登録データが出力される。正常登録データ又はエラー登録データは、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。
【0067】
図10の説明に戻る。
商品登録要求コマンドを送信した端末コントローラ40のプロセッサ41は、ACT214として登録データを待ち受けている。通信インターフェース44を介して正常登録データ又はエラー登録データを受信すると、プロセッサ41は、ACT214においてYESと判定し、ACT215へと進む。プロセッサ41は、ACT215としてその正常登録データ又はエラー登録データを登録モバイル情報ファイルMFL1に登録する。またプロセッサ41は、ACT216として登録モバイル情報ファイルMFL1の第2ステータスS2が“0”であるか否かを確認する。第2ステータスS2が“0”の場合、プロセッサ41は、ACT216においてYESと判定し、ACT217へと進む。プロセッサ21は、ACT217としてその第2ステータスS2を“0”から“1”に変更する。第2ステータスS2が既に“1”に変更されている場合には、プロセッサ41は、ACT216においてNOと判定し、ACT217の処理をスキップする。
【0068】
ACT217の処理を終えるか、ACT217の処理をスキップすると、プロセッサ41は、ACT218へと進む。プロセッサ21は、ACT218として更新通知コマンドを送信するように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から更新通知コマンドが出力される。更新通知コマンドは、通信ネットワーク80を介してアクセスポイント50から無線送信される。更新通知コマンドには、登録モバイル情報ファイルMFL1のデータと商品登録通知コマンドから検出された端末IDとが含まれる。アクセスポイント50から無線送信された更新通知コマンドは、そのコマンドに含まれる端末IDが設定されたモバイル端末60で受信される。
【0069】
図8の説明に戻る。
商品登録通知コマンドの送信を制御したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT105乃至ACT107の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態において、無線デバイス64を介して更新通知コマンドを受信すると、プロセッサ61は、ACT106においてYESと判定し、ACT109へと進む。プロセッサ61は、ACT109として更新通知コマンドからモバイル情報ファイルMFLのデータを検出する。そしてプロセッサ61は、ACT110としてそのデータを基に、登録画面を更新する。すなわちプロセッサ61は、正常登録データについては、明細領域に商品名、価格、点数、値引額等が表示されるように登録画面を更新する。またプロセッサ61は、合計領域の合計点数及び合計金額も更新する。プロセッサ61は、エラー登録データについては、明細領域にエラー内容を示すデータが表示されるように登録画面を更新する。こうして、登録画面を更新し終えたプロセッサ61は、ACT105乃至ACT107の待ち受け状態に戻る。
【0070】
このように、モバイル端末60を利用して買物を行う消費者は、先ず、モバイル端末60を起動する。そうすると、仮想POSサーバ20においては、当該モバイル端末60の端末IDがセットされた取引情報ファイルTFLが作成される。端末コントローラ40においては、同端末IDがセットされたモバイル情報ファイルMFLが作成される。
【0071】
次に、消費者は、モバイル端末60のスキャナ66で購買商品のバーコードを読み取る。そうすると、このバーコードデータが端末コントローラ40を介して仮想POSサーバ20へと送信される。ここで、バーコードデータが購買商品の商品コードを示すものであった場合、仮想POSサーバ20では、その購買商品に係る正常登録データが生成される。そしてこの正常登録データは、取引情報ファイルTFLに記憶される。これに対し、例えばバーコードデータが購買商品の商品コードを示すものでなかった場合、仮想POSサーバ20では、エラー登録データが生成される。エラー登録データは、取引情報ファイルTFLには記憶されない。
【0072】
仮想POSサーバ20で生成された正常登録データまたはエラー登録データは、端末コントローラ40へと送信される。端末コントローラ40においては、正常登録データ及びエラー登録データがモバイル情報ファイルMFLに記憶される。そしてモバイル情報ファイルMFLのデータがモバイル端末60へと送信される。モバイル端末60においては、モバイル情報ファイルMFLに記憶されている登録データのリストがタッチパネル65に表示される。
【0073】
したがって消費者は、タッチパネル65に表示されたリストから、購買商品の価格、値引額等を確認することができる。また消費者は、登録エラーが発生したことも確認することができる。
【0074】
さて、購買商品の価格、値引額等に問題がなく、また、登録エラーが発生していない消費者は、買物を終えると、登録画面の会計ボタンにタッチする。会計ボタンがタッチされると、モバイル端末60のプロセッサ61は、ACT107においてYESと判定し、ACT111へと進む。プロセッサ61は、ACT111として会計通知を行うように無線デバイス64を制御する。この制御により、無線デバイス64から会計通知コマンドが無線送信される。会計通知コマンドは、アクセスポイント50を介して端末コントローラ40へと送信される。会計通知コマンドには、当該モバイル端末60の端末IDが含まれる。
【0075】
端末コントローラ40のプロセッサ41は、通信インターフェース44を介して会計通知コマンドを受信すると、図11の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ41は、ACT221として会計通知コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ41は、ACT222としてその端末IDがセットされたモバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が“1”であるか否かを確認する。当該モバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が“1”以外の場合、プロセッサ41は、ACT222においてNOと判定する。プロセッサ41は、会計通知に対する処理をエラーとして終了する。
【0076】
モバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2が “1”の場合には、プロセッサ41は、ACT222においてYESと判定し、ACT223へと進む。プロセッサ41は、このモバイル情報ファイルMFLの第2ステータスS2を“1”から”2”へと変更する。またプロセッサ41は、ACT224として会計要求を行うように通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から会計要求コマンドが出力される。会計要求コマンドは、通信ネットワーク80を介して仮想POSサーバ20へと送信される。会計要求コマンドには、会計通知コマンドから検出された端末IDが含まれる。なお、以下では、第2ステータスS2を“1”から“2”へと変更したモバイル情報ファイルMFLを会計モバイル情報ファイルMFL2と称する。
【0077】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース24を介して会計要求コマンドを受信すると、図14の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ21は、ACT331として会計要求コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT332としてその端末IDがセットされた取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“1”であるか否かを確認する。取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“1”以外の場合、プロセッサ21は、ACT332においてNOと判定する。プロセッサ21は、会計要求に対する処理をエラーとして終了する。
【0078】
取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1が“1”である場合には、プロセッサ21は、ACT332においてYESと判定し、ACT333へと進む。プロセッサ21は、ACT333としてその取引情報ファイルTFLの第1ステータスS1を“1”から“2”へと変更する。なお、以下では、第1ステータスS1を“1”から“2”へと変更した取引情報ファイルTFLを会計取引情報ファイルTFL2と称する。
【0079】
プロセッサ21は、ACT334として会計許可通知を行うように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から会計許可通知コマンドが出力される。会計許可通知コマンドは、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。会計許可通知コマンドには、会計要求コマンドから検出した端末IDが含まれる。
【0080】
図11の説明に戻る。
会計要求コマンドを送信した端末コントローラ40のプロセッサ41は、ACT225として会計許可通知コマンドを待ち受ける。通信インターフェース44を介して会計許可通知コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT225においてYESと判定し、ACT226へと進む。プロセッサ41は、ACT226として会計実行通知を行うように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から会計実行通知コマンドが出力される。会計実行通知コマンドは、通信ネットワーク80を介してアクセスポイント50から無線送信される。会計実行通知コマンドには、会計通知コマンドから検出された端末IDが含まれる。アクセスポイント50から無線送信された会計実行通知コマンドは、そのコマンドに含まれる端末IDが設定されたモバイル端末60で受信される。
【0081】
図8の説明に戻る。
会計通知を行ったモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT112として会計実行通知を待ち受ける。無線デバイス64を介して会計実行通知コマンドを受信すると、プロセッサ61は、ACT112においてYESと判定し、ACT113へと進む。プロセッサ61は、ACT113として端末IDを示すバーコードをタッチパネル65に表示させる。以上で、プロセッサ61は、利用開始宣言に対する情報処理を終了する。
【0082】
タッチパネル65にバーコードが表示されたことを確認した消費者は、会計機30に向かう。そして消費者は、会計機30に設けられたスキャナで、タッチパネル65に表示されているバーコードを読み取らせる。会計機30で読み取られたバーコードのデータは、店舗サーバ10へと出力される。
【0083】
図14の説明に戻る。
会計許可通知コマンドを送信した仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、ACT335として会計取引情報ファイルTFL2のデータを店舗サーバ10へと送信するように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から会計取引情報ファイルTFL2のデータが出力される。このデータは、通信ネットワーク80を介して店舗サーバ10へと送信される。
【0084】
店舗サーバ10は、仮想POSサーバ20から受信した会計取引情報ファイルTFL2のデータを一時保存する。そして、会計機30からバーコードのデータを取得すると、店舗サーバ10は、そのバーコードで表されている端末IDがセットされた会計取引情報ファイルTFL2を検索する。店舗サーバ10は、該当する会計取引情報ファイルTFL2のデータを、会計機30へと出力する。会計機30は、会計取引情報ファイルTFL2のデータを基に、消費者が購買した商品の決済処理を実行する。店舗サーバ10は、会計機30での決済処理が終了すると、会計終了コマンドを仮想POSサーバ20に出力する。
【0085】
プロセッサ21は、ACT336として会計終了コマンドを待ち受ける。そしてプロセッサ21は、通信インターフェース24を介して会計終了コマンドを受信すると、ACT336においてYESと判定し、ACT337へと進む。プロセッサ21は、ACT337として会計取引情報ファイルTFL2の第1ステータスS1を“2”から“3”へと変更する。またプロセッサ21は、ACT338として会計終了通知を行うように通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から会計終了通知コマンドが出力される。会計終了通知コマンドは、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。会計終了通知コマンドには、会計要求コマンドから検出した端末IDが含まれる。
【0086】
図11の説明に戻る。
会計実行通知を行った端末コントローラ40のプロセッサ41は、ACT227として会計終了通知コマンドを待ち受ける。通信インターフェース44を介して会計終了通知コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT227においてYESと判定し、ACT228へと進む。プロセッサ41は、ACT228として会計モバイル情報ファイルMFL2の第2ステータスS2を“2”から“3”へと変更する。以上で、プロセッサ41は、会計通知コマンドの受信処理を終了する。
【0087】
このように、購買商品の価格、値引額等に問題がなく、また、登録エラーが発生していない消費者は、モバイル端末60のタッチパネル65に表示されたバーコードを会計機30のスキャナで読み取らせることにより、その会計機30を利用して購買商品の決済を行うことができる。
【0088】
しかしながら、購買商品の価格が値札と違っていることに気が付いたり、値引額が異なっていることに気が付いた消費者は、大抵の場合、会計の前にアテンダントと称される店員に申し出るであろう。登録エラーが発生している消費者も同様である。このような申し出を受けた店員は、監視端末70を利用して、登録データの誤りを修正することとなる。そこで次に、監視端末70を利用して登録データの誤りを修正する場合の動作説明を、図15乃至図23を用いて行う。
【0089】
図15乃至図17は、監視端末70のプロセッサ71が監視支援プログラムAPL2に従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図18は、監視端末70の情報処理に応答して、端末コントローラ40のプロセッサ41が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。図19は、端末コントローラ40の情報処理に応答して、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。図20乃至図23は、監視端末70のタッチパネル75に表示される種々の画像の一例である。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
【0090】
はじめに、監視端末70のプロセッサ71は、ACT401として端末コントローラ40からモバイル情報ファイルMFLを収集する。具体的にはプロセッサ71は、モバイル情報ファイルを収集するように無線デバイス74を制御する。この制御により、無線デバイス74から収集コマンドが無線送信される。収集コマンドは、無線LANで接続されたアクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。通信インターフェース44を介して収集コマンドを受信した端末コントローラ40のプロセッサ41は、補助記憶デバイス43で記憶しているモバイル情報ファイルMFLの中から、第2ステータスS2が“3”以外のモバイル情報ファイルMFLを一括して取得する。そしてプロセッサ41は、その取得したモバイル情報ファイルMFLを監視端末70へと送信するように通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44からモバイル情報ファイルMFLのデータが出力される。このデータは、アクセスポイント50を介して無線送信され、監視端末70で受信される。
【0091】
こうして、端末コントローラ40からモバイル情報ファイルMFLを収集したならば、プロセッサ71は、ACT402としてそのモバイル情報ファイルMFLを記憶する。モバイル情報ファイルMFLの記憶先は、メインメモリ72の揮発性メモリ領域であってもよいし、補助記憶デバイス73であってもよい。以下では、収集したモバイル情報ファイルMFLを収集モバイル情報ファイルMFL3と称する。
【0092】
プロセッサ71は、ACT403として収集モバイル情報ファイルMFL3のデータを基に監視画面SC1(図20を参照)の画像データを生成する。そしてプロセッサ71は、その画像データをタッチパネル75に出力して、監視画面SC1を表示させる。
【0093】
図20は、監視画面SC1の一表示例である。図示するように監視画面SC1には、モバイル端末60の状態表示エリア90と、次頁ボタンBT1とが表示されている。状態表示エリア90には、5行×3列のマトリクス状に計15個の状態表示部Txが配置されている。因みに、状態表示部Txの“x”は、1以上の整数を示している。次頁ボタンBT1は、状態表示エリア90に表示される状態表示部Tx(T1~T15)を次の状態表示部Tx(T16~T30)に切り替えることを指示するボタンの画像である。なお、状態表示エリア90を次の状態表示部Tx(T16~T30)に切り替えた後は、次頁ボタンBは前頁ボタンとなる。あるいは、次頁ボタンBと並んで前頁ボタンが表示される。前頁ボタンは、状態表示エリア90に表示された他の状態表示部Tx(T16~T30)を元の状態表示部Tx(T1~T15)を戻すことを指示するボタンの画像である。このような次頁ボタンBおよび前頁ボタンは、ソフトウェアによってタッチパネル75の画面上に再現された操作子の一例である。なお、監視画面SC1のレイアウトについては、特に限定されるものではない。
【0094】
状態表示エリア90に表示される複数の状態表示部Txは、一つ一つが1台のモバイル端末60に対応している。
図21は、状態表示部Txの一表示例である。一例としては、状態表示部Txは、対応するモバイル端末60の端末ID“MBxx”を表示する。状態表示部Txは、対応するモバイル端末60が待機中であるのか、登録中であるのか、会計中であるのかをそれぞれ識別する第1マークM1を表示する。そして第1マークM1は、対応するモバイル端末60の端末IDがセットされた収集モバイル情報ファイルMFL3の第2ステータスS2が商品登録開始前の第1状態を示す“0”であるとき、「待機中」が点灯する。第1マークM1は、同第2ステータスS2が商品登録開始後の第2状態を示す“1”であるとき、「登録中」が点灯する。第1マークM1は、同第2ステータスS2が会計宣言後の第3状態を示す“2”であるとき、「会計中」が点灯する。なお、第2ステータスS2が会計終了後の第4状態を示す“3”のモバイル情報ファイルMFLは収集されていない。したがって、当該モバイル情報ファイルMFLの端末IDに対応した状態表示部Txは、状態表示エリア90に表示されない。
【0095】
状態表示部Txは、さらに第2マークM2、第3マークM3及び第4マークMC4を表示する。第2マークM2は、収集モバイル情報ファイルMFL3に商品登録エラーのエラー登録データが記憶されている場合に点灯する。第3マークM3は、値引エラーのエラー登録データが記憶されている場合に点灯する。第4マークMC4は、年齢制限のある商品の正常登録データが記憶されている場合に点灯する。なお、状態表示部Txに表示されるマークの種類は、上述した第1マークM1乃至第4マークN4に限定されるものではない。
【0096】
さて、監視端末70のオペレータであるアテンダント担当の店員は、消費者から例えば登録データの修正依頼を受け付けると、その消費者が商品登録に使用しているモバイル端末60の端末IDを認識する。例えば各モバイル端末60のタッチパネル65には、当該モバイル端末60に設定された端末IDが表示されているので、店員は、この表示からモバイル端末60の端末IDを認識する。
【0097】
端末IDを認識した店員は、状態表示エリア90に表示されている複数の状態表示部Txの中から、当該端末IDが表示された状態表示部Tx1を探す。そして、該当する状態表示部Tx1を見付けると、店員は、その状態表示部Tx1にタッチする。しかして店員は、消費者から修正依頼を受けた登録データを登録したモバイル端末60を指定する。
【0098】
図15の説明に戻る。
監視画面SC1を表示した監視端末70のプロセッサ71は、ACT404としてモバイル端末60が指定されるのを待ち受けている。プロセッサ71は、上述した店員の操作によりモバイル端末60が指定されたことを検知すると、ACT404においてYESと判定し、ACT405へと進む。プロセッサ71は、ACT405としてその指定されたモバイル端末60の端末IDを取得する。そしてプロセッサ71は、ACT406として当該端末IDがセットされた収集モバイル情報ファイルMFL3の第2ステータスS2を調べる。ここで、第2ステータスS2が“1”である場合、プロセッサ71は、領域B2に登録されている登録データのリストLS1(図22を参照)をタッチパネル75に表示させる。
【0099】
図22は、リストLS1を含む画像SC2の一表示例である。画像SC2には、指定されたモバイル端末60の状態表示部Txと、そのモバイル端末60による登録データのリストLS1とが表示されている。リストLS1には、正常登録データについては、商品名、点数、価格が表示されている。エラー登録データについては、エラー内容を示す情報が表示されている。また、各登録データと関連付けて選択ボタンBT2が表示されている。また、画像SC2には、追加ボタンBT3と終了ボタンBT4も表示されている。このような選択ボタンBT2、追加ボタンBT3及び終了ボタンBT4は、ソフトウェアによってタッチパネル75の画面上に再現された操作子の一例である。なお、画像SC2のレイアウトについては、特に限定されるものではない。
【0100】
さて、リストLS1を確認した店員は、消費者から登録データの修正依頼を受けた場合、その登録データに関連付けられた選択ボタンBT2にタッチする。また店員は、新たな商品登録の依頼を受けた場合には、追加ボタンBT3にタッチする。店員は、リストLS1の確認を終える場合には、終了ボタンBT4にタッチする。
【0101】
図15の説明に戻る。
【0102】
画像SC2を表示した監視端末70のプロセッサ71は、ACT408として選択ボタンBT2がタッチされたか否かを確認する。選択ボタンBT2がタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT408においてNOと判定し、ACT409へと進む。プロセッサ71は、ACT409として追加ボタンBT3がタッチされたか否かを確認する。追加ボタンBT3がタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT409においてNOと判定し、ACT410へと進む。プロセッサ71は、ACT410として終了ボタンBT4がタッチされたか否かを確認する。終了ボタンBT4がタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT410においてNOと判定し、ACT408へと戻る。ここにプロセッサ71は、ACT408乃至ACT410において、選択ボタンBT2がタッチされるか、追加ボタンBT3がタッチされるか、終了ボタンBT4がタッチされるのを待ち受ける。
【0103】
ACT408乃至ACT410の待ち受け状態において、選択ボタンBT2がタッチされると、プロセッサ71は、ACT408においてYESと判定し、図16のACT421へと進む。プロセッサ71は、ACT421として当該選択ボタンBT2が関連付けられた登録データが正常登録データであるのかエラー登録データであるのかを確認する。登録データが正常登録データである場合、プロセッサ71は、ACT421においてYESと判定し、ACT422へと進む。プロセッサ71は、ACT422として編集ポップアップ画像SC3(図23を参照)をタッチパネル75に表示させる。
【0104】
図23は、編集ポップアップ画像SC3の一表示例である。図示するように編集ポップアップ画像SC3には、選択ボタンBT2によって選択された正常登録データの商品名が表示されている。また編集ポップアップ画像SC3には、数量、単価、値引額及び金額の編集エリアED1が表示されている。そして編集エリアED1には、正常登録データの数量(点数)、単価(価格)、値引額及び金額が表示されている。因みに金額は、単価に数量を乗算した金額から値引額を減額した金額である。さらに編集エリアED1には、確定ボタンBT5と取消ボタンBT6とが表示されている。このような確定ボタンBT5及び取消ボタンBT6は、ソフトウェアによってタッチパネル75の画面上に再現された操作子の一例である。なお、編集ポップアップ画像SC3のレイアウトについては、特に限定されるものではない。
【0105】
例えば消費者から正常登録データの価格が間違っているとの指摘を受け、その誤りを確認できた場合、店員は、タッチパネル75を操作して、編集エリアED1の単価を正しい金額に修正する。具体的には、編集エリアED1の単価エリアがタッチされると、テンキーボタンが表示されるので、店員は、テンキーボタンを操作して正しい単価を単価エリアに入力する。同様に、消費者から正常登録データの値引額が間違っているとの指摘を受け、その誤りを確認できた場合には、店員は、タッチパネル75を操作して、編集エリアED1の値引額を正しい金額に修正する。そして、編集エリアED1の修正を終えると、店員は、確定ボタンBT5にタッチする。一方、消費者から正常登録データの取消依頼を受けた場合には、店員は、取消ボタンBT6にタッチする。
【0106】
図16の説明に戻る。
編集ポップアップ画像SC3を表示した監視端末70のプロセッサ71は、ACT423として取消ボタンBT6がタッチされたか否を確認する。取消ボタンBT6がタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT423においてNOと判定し、ACT424へと進む。プロセッサ71は、ACT424として確定ボタンBT5がタッチされたか否を確認する。確定ボタンBT5がタッチされていない場合、プロセッサ71は、ACT424においてNOと判定し、ACT423へと戻る。ここにプロセッサ71は、ACT423及びACT424において、取消ボタンBT6がタッチされるか、確定ボタンBT5がタッチされるのを待ち受ける。
【0107】
ACT423及びACT424の待ち受け状態において、確定ボタンBT5がタッチされた場合、プロセッサ71は、ACT424においてYESと判定し、ACT425へと進む。プロセッサ71は、ACT425として正常登録データを編集する。すなわちプロセッサ71は、例えば編集エリアED1の単価が修正された場合には、該当する正常登録データの価格を修正後の金額に書き換える。プロセッサ71は、例えば編集エリアED1の値引額が修正された場合には、該当する正常登録データの値引額を修正後の金額に書き換える。その後、プロセッサ71は、ACT427へと進む。ACT427の処理については後述する。
【0108】
一方、タッチされた選択ボタンBT2に関連付けられた登録データがエラー登録データであった場合には、プロセッサ71は、ACT421においてNOと判定する。また、編集ポップアップ画像SC3の取消ボタンBT6がタッチされた場合には、プロセッサ71は、ACT423においてYESと判定する。そしてプロセッサ71は、いずれの場合もACT426へと進む。プロセッサ71は、ACT426として登録データを削除する。すなわち、選択ボタンBT2に関連付けられた登録データがエラー登録データであった場合には、プロセッサ71は、そのエラー登録データを収集モバイル情報ファイルMFL3から削除する。同様に、取消ボタンBT6がタッチされた場合には、選択ボタンBT2に関連付けられた正常登録データを収集モバイル情報ファイルMFL3から削除する。その後、プロセッサ71は、ACT427へと進む。
【0109】
プロセッサ71は、ACT427として修正通知を行うように無線デバイス74を制御する。この制御により、無線デバイス74から修正通知コマンドが無線送信される。修正通知コマンドは、無線LANで接続されたアクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク80を介して端末コントローラ40へと送信される。修正通知コマンドには、登録データが編集された収集モバイル情報ファイルMFL3のデータが含まれる。
【0110】
端末コントローラ40のプロセッサ41は、通信インターフェース44を介して修正通知コマンドを受信すると、図18の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ41は、ACT231として、修正通知コマンドに含まれている収集モバイル情報ファイルMFL3から登録データを取得する。そしてプロセッサ41は、ACT232としてその収集モバイル情報ファイルMFL3と同じ端末IDがセットされたモバイル情報ファイルMFLの登録データを、収集モバイル情報ファイルMFL3から取得した登録データと一致するように修正する。
【0111】
モバイル情報ファイルMFLの修正を終えると、プロセッサ41は、ACT233として正常登録データを変更する修正があったか否かを確認する。正常登録データを変更する修正がなかった場合、プロセッサ41は、ACT233においてNOと判定し、修正通知コマンドの受信処理を終了する。
【0112】
一方、正常登録データを変更する修正があった場合には、プロセッサ41は、ACT233においてYESと判定し、ACT234へと進む。プロセッサ41は、修正要求を行うように通信インターフェース44を制御する。以上でプロセッサ41は、修正通知コマンドの受信処理を終了する。この制御により、通信インターフェース44から修正要求コマンドが出力される。修正要求コマンドは、通信ネットワーク80を介して仮想POSサーバ20へと送信される。修正要求コマンドには、正常登録データが変更されたモバイル情報ファイルMFLのデータが含まれる。
【0113】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース24を介して修正要求コマンドを受信すると、図19の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ21は、ACT341として、修正要求コマンドに含まれているモバイル情報ファイルMFLから正常登録データを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT342としてそのモバイル情報ファイルMFLと同じ端末IDがセットされた取引情報ファイルTFLの正常登録データを、モバイル情報ファイルMFLから取得した正常登録データと一致するように修正する。以上で、プロセッサ21は、修正要求コマンドの受信処理を終了する。
【0114】
このように、監視端末70においてモバイル情報ファイルMFLに記憶された登録データが修正されると、その修正内容が、端末コントローラ40に記憶されている同一のモバイル情報ファイルMFLに反映される。また、正常登録データが修正された場合には、その修正内容が、仮想POSサーバ20に記憶されている取引情報ファイルTFLにも反映される。
【0115】
図15の説明に戻る。
ACT408乃至ACT410の待ち受け状態において、追加ボタンBT3がタッチされると、プロセッサ71は、ACT409においてYESと判定し、図17のACT431へと進む。プロセッサ71は、ACT431として商品登録を待ち受ける。
【0116】
消費者から商品の登録要求を受けた店員は、その商品に付されているバーコードをスキャナ76で読み取り操作する。スキャナ76でバーコードが読み取られると、プロセッサ71は、ACT431においてYESと判定し、ACT432へと進む。プロセッサ61は、ACT432として商品登録通知を行うように無線デバイス74を制御する。この制御により、無線デバイス74から商品登録通知コマンドが無線送信される。商品登録通知コマンドは、アクセスポイント50を介して端末コントローラ40へと送信される。商品登録通知コマンドには、スキャナ76で読み取られたバーコードのデータと、指定された状態表示部Txに関連付けられた端末IDとが含まれる。
【0117】
商品登録通知コマンドを受信した端末コントローラ40のプロセッサ41は、図10を用いて説明したACT211乃至ACT218の処理を同様に実行する。また、ACT213において端末コントローラ40から出力される商品登録要求コマンドを受信した仮想POSサーバ20のプロセッサ21も、図13を用いて説明したACT311乃至ACT320の処理を同様に実行する。
【0118】
したがって、監視端末70において商品のバーコードがスキャニングされると、そのバーコードのデータを基に生成される正常登録データが、指定された端末IDの取引情報ファイルTFLとモバイル情報ファイルMFLとにそれぞれ追加される。
【0119】
ACT408乃至ACT410の待ち受け状態において、終了ボタンBT4がタッチされた場合には、プロセッサ71は、ACT410においてYESと判定し、ACT411へと進む。プロセッサ71は、ACT411として画像SC2を消去する。そしてプロセッサ71は、ACT401へと戻る。
【0120】
以上の説明から明らかなように、端末コントローラ40及び仮想POSサーバ20は、受信手段を備えている。すなわち端末コントローラ40は、モバイル端末60から送信される商品登録通知コマンドを、通信インターフェース44を介して受信する。商品登録通知コマンドには、購買商品に基づくデータとしてバーコードのデータが含まれている。仮想POSサーバ20は、端末コントローラ40から送信される商品登録要求コマンドを、通信インターフェース24を介して受信する。商品登録要求コマンドにも、購買商品に基づくデータとしてバーコードのデータが含まれている。
【0121】
仮想POSサーバ20は、生成手段を備えている。すなわち仮想POSサーバ20は、バーコードのデータを基に正常登録データまたはエラー登録データを生成する。正常登録データは、購買商品の商品名、価格、点数、値引額等を含む。正常登録データは、商品販売データの一例である。エラー登録データは、バーコードのデータを含む。エラー登録データは、と商品販売データの生成には至らなかった購買商品に基づくデータの一例である。
【0122】
仮想POSサーバ20は、第1記憶手段を備えており、端末コントローラ40は、第2記憶手段を備えている。すなわち仮想POSサーバ20は、正常登録データを取引情報ファイルTFLで記憶する。端末コントローラ40は、正常登録データとエラー登録データとをモバイル情報ファイルMFLで記憶する。
【0123】
監視端末70は、取得手段を構成する。すなわち監視端末70は、モバイル情報ファイルMFLで記憶されたデータから、いずれかのモバイル端末60で入力された購買商品に基づくデータを基に生成された商品販売データ及び商品販売データの生成には至らなかった購買商品に基づくデータを取得する。
【0124】
監視端末70は、選択手段を構成する。すなわち監視端末70は、監視画面SC1に表示された状態表示部Txの選択入力を、タッチパネル75を介して受け付けることで、その状態表示部Txに対応したモバイル端末60を選択する。
【0125】
監視端末70は、表示手段を構成する。すなわち監視端末70は、状態表示部Txが選択されると、その状態表示部Txに対応したモバイル端末60で入力された購買商品に基づくデータから生成された正常登録データ及びエラー登録データのリストLX1を含む画像SC2をタッチパネル75に表示する。
【0126】
監視端末70は、修正指示手段を構成する。すなわち監視端末70は、編集ポップアップ画像SC3をタッチパネル75に表示させて、リストLX1に表示された正常登録データ又はエラー登録データの修正を受け付ける。そして監視端末70は、修正通知コマンドを端末コントローラ40へと出力して、修正指示を行う。
【0127】
端末コントローラ40及び仮想POSサーバ20は、修正手段を備えている。すなわち端末コントローラ40は、修正通知コマンドに従い、モバイル情報ファイルMFLに記憶された正常登録データ又はエラー登録データを修正する。また端末コントローラ40は、修正要求コマンドを仮想POSサーバ20へと出力する。仮想POSサーバ20は、修正要求コマンドに従い、取引情報ファイルTFLの正常登録データを修正する。
【0128】
監視端末70は、入力手段を備えている。すなわち監視端末70は、スキャナ76で読み取られたバーコードのデータを購買商品に基づくデータとして入力する。そして監視端末70は、入力データを含む商品登録通知コマンドを端末コントローラ40へと出力される。
【0129】
端末コントローラ40及び仮想POSサーバ20は、追加手段を備えている。すなわち端末コントローラ40は、商品登録通知コマンドに従い、モバイル情報ファイルMFLに正常登録データを追加する。また端末コントローラ40は、商品登録要求コマンドを仮想POSサーバ20へと出力する。仮想POSサーバ20は、商品登録要求コマンドに従い、取引情報ファイルTFLに正常登録データを追加する。
【0130】
かかる構成を有した監視端末70、端末コントローラ40及び仮想POSサーバ20を備えた店舗システム100によれば、消費者がモバイル端末60を介して入力したデータに誤りがある場合でも、そのデータを破棄することなく店員が監視端末70を操作して誤りを正すことができる。したがって、モバイル端末60を介して入力したデータを処理する端末コントローラ40及び仮想POSサーバ20のデータ処理に要する負荷を軽減することができる。
【0131】
また、消費者または店員が会計機30にデータを入力し直す手間もなくなるので、会計に要する処理時間も短縮される。また、人的負荷も軽減される。したがって、効率の良い店舗運営を図ることができる。
【0132】
以上、店舗システム100の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、端末コントローラ40と仮想POSサーバ20とによって店舗システム100のサーバを構成した。サーバはこのような構成に限定されるものではない。例えば1つのサーバで端末コントローラ40と仮想POSサーバ20の機能を実現してもよい。この場合、モバイル情報ファイルMFLと取引情報ファイルTFLは、モバイル情報ファイルMFLに集約してもよい。その場合、会計機30においては、モバイル情報ファイルMFLにエラー登録データが含まれている場合には、決済処理をエラーとすればよい。そうすることにより、受信手段、生成手段、記憶手段及び修正手段を備えたサーバと、取得手段及び修正指示手段を備えた監視端末70とから構成される店舗システムを実現することができる。また、監視端末70が選択手段及び入力手段を備え、サーバが追加手段を備えた店舗システム100も実現することができる。さらに、監視端末70が表示手段を備えた店舗システム100も実現することができる。
【0133】
また、生成手段は、必ずしも必要とするものではない。すなわちサーバは、複数のモバイル端末60でそれぞれ入力された購買商品に基づくデータを受信し、モバイル情報ファイルMFLで記憶する。監視端末70は、モバイル情報ファイルMFLに記憶されたデータから、いずれかのモバイル端末60で入力された購買商品に基づくデータを取得し、修正を指示する。サーバは、モバイル情報ファイルMFLで記憶したデータについて、指示された修正を実行する。このような構成の店舗システムであっても、モバイル端末60を介して入力されたデータに誤りがある場合に、そのデータを破棄することなく誤りを正すことができ、サーバのデータ処理に要する負荷を軽減することができる。
【0134】
前記実施形態では、モバイル情報ファイルMFLと取引情報ファイルTFLにセットされるモバイル端末60の識別情報を端末IDとした。当該識別情報は、端末IDに限定されるものではない。例えば、モバイル端末60からの利用開始通知を受けた端末コントローラ40が任意に生成した一意の識別コードを、そのモバイル端末60の識別情報として一時的に使用するようにしてもよい。
【0135】
監視端末70の入力手段を構成する入力デバイスは、スキャナ76に限定されない。タッチパネル、キーボード、RFIDリーダ等の入力デバイスにより入力手段を構成してもよい。
【0136】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
10…店舗サーバ、20…仮想POSサーバ、21,41,61,71…プロセッサ、22,42,62,72…メインメモリ、23,43,63,73…補助記憶デバイス、24,44…通信インターフェース、30…会計機、40…端末コントローラ、50…アクセスポイント、60…モバイル端末、64,74…無線デバイス、65,75…タッチパネル、66,76…スキャナ、70…監視端末、100…店舗システム、MFL…モバイル情報ファイル、TFL…取引情報ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
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図20
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図22
図23