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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071443
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240517BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H04N1/00 519
H04N1/00 L
B41J29/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042687
(22)【出願日】2024-03-18
(62)【分割の表示】P 2022184074の分割
【原出願日】2019-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 篤
(57)【要約】
【課題】近距離無線通信が可能な新規な構成の原稿読取装置を提供する。
【解決手段】原稿読取装置31が搭載された画像形成装置1は、原稿を支持する原稿台321が上面に設けられ、原稿台321に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部を収容する筐体32と、筐体32の上方に設けられ、一端部に配置された回動軸心を中心に他端部が原稿台321を覆う閉位置と原稿台321を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえ33と、を備える。原稿押さえ33が有するADF34の他端部は、閉位置にあるときに原稿台321の上面と交差する端面34Aを有し、端面34Aに近距離無線通信を行う外部機器を載置する位置を示すNFCマーク71が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を支持する原稿台が上面に設けられ、前記原稿台に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部を収容する筐体と、
前記筐体の上方に設けられ、一端部に配置された回動軸心を中心に他端部が前記原稿台を覆う閉位置と前記原稿台を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえと、を備え、
前記原稿押さえの前記他端部は、前記閉位置にあるときに前記原稿台の上面と交差する端面を有し、
前記端面に近距離無線通信を行う外部機器を載置する位置を示すマークが設けられることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記原稿押さえは、原稿を原稿台に自動搬送する自動原稿送り装置を有し、
前記自動原稿送り装置が前記端面を有することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記原稿台の副走査方向一方側に設けられ、前記原稿読取装置を操作するための操作パネルを備え、
前記自動原稿送り装置は、前記副走査方向において前記操作パネルと同じ側に設けられることを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
前記操作パネルは、前記マークに対する角度が変位可能に設けられることを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、前記副走査方向の長さが前記筐体の前記副走査方向の長さより短く形成され、
前記操作パネルにおける前記筐体の中央寄りの側面にUSBポートが設けられることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
前記自動原稿送り装置は、前記原稿押さえの前記一端部側にモータを有することを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の原稿読取装置。
【請求項7】
前記近距離無線通信のための基板が、前記原稿押さえ内部の前記マークと対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の原稿読取装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の原稿読取装置と、
シートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によってICカードやスマートフォン等の外部機器と通信可能な画像形成装置が知られている。例えば特許文献1には、原稿読取装置を構成するADF(Auto Document Feeder)の原稿トレイや排出トレイの上面にNFCを配置した画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-115780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、特許文献1の構成によれば、静置原稿も読み取ることができるようにADFの原稿トレイや排出トレイは開閉可能となっている。よって、原稿トレイや排出トレイの上面のNFC位置に外部機器を載置したまま原稿トレイや排出トレイを開いてしまう可能性があり、その場合、外部機器が床に落下する可能性があり、新規な構成の原稿読取装置等が求められている。
【0005】
本発明は、近距離無線通信が可能な新規な構成の原稿読取装置を提供することを目的とする。また、その原稿読取装置を備えた画像形成装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置(1)は、原稿を支持する原稿台(321)が上面に設けられ、前記原稿台(321)に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部を収容する筐体(32)と、前記筐体(32)の上方に設けられ、一端部に配置された回動軸心を中心に他端部が前記原稿台(321)を覆う閉位置と前記原稿台(321)を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえ(33)と、を備え、前記原稿押さえ(33)の前記他端部は、前記閉位置にあるときに前記原稿台(321)の上面と交差する端面(34A)を有し、前記端面(34A)に近距離無線通信を行う外部機器を載置する位置を示すマーク(71)が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原稿押さえの他端部の端面に近距離無線通信のマークを設けることにより、マークに外部機器をかざす際、ユーザは外部機器が落下しないように手に持ったままにする必要がある。よって、外部機器を原稿読取装置上に載置したまま原稿押さえを開いてしまうことを抑制できる。また、近距離無線通信のマークは原稿読取装置の上部におけるユーザ側に設けられるため、ユーザはマークを視認しやすい。よって、従来にない新規な構成の原稿読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の画像形成装置の斜視図である。
図2】一実施形態の画像形成装置の正面図である。
図3】一実施形態の画像形成装置の平面図である。
図4】一実施形態の画像形成装置の右側面図である。
図5図3のA-A断面拡大図であって排出ストッパが使用位置にある状態を示す図である。
図6】変形例1の画像形成装置の斜視図である。
図7】変形例2の画像形成装置の右側面図である。
図8】変形例3の画像形成装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、シートトレイ27が引き出される側を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1の第2筐体3側を上、第1筐体2側を下とし、各方向を定める。本実施形態において、左右方向は排出ローラ28のシート排出方向と直交する幅方向の一例であるとともに、原稿読取装置31の副走査方向の一例でもある。
【0010】
[画像形成装置の全体構成]
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置1の斜視図、図2はその正面図、図3はその平面図、図4はその右側面図、図5図3のA-A断面拡大図であって排出ストッパ62が使用位置にある状態を示す図である。画像形成装置1は、いわゆる胴内排出型と呼ばれる形態を有する。画像形成装置1は、第1筐体2と、第2筐体3と、脚部4と、操作パネル5とを備えている。
【0011】
第1筐体2は、外観を構成する略直方体形状のカバー20を有している。カバー20は、前面21と、背面22と、左面23と、右面24と、上面25と、底面26とを有する。前面21の下部にはシートトレイ27を挿抜するための開口部211が形成されている。
【0012】
第1筐体2には、画像形成前のシートを支持するシートトレイ27と、シートトレイ27からシートを搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されてきたシートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部から第1筐体2外へシートを搬送する排出機構とが収容されている。排出機構の搬送方向の最下流部には、シートを排出する排出ローラ28が設けられている。
【0013】
シートトレイ27は、開口部211を介して第1筐体2に収容される収容位置(図1に示す位置)と開口部211を介して第1筐体2から前方へ引き出される引出位置との間でスライド可能である。画像形成部の構成には特に限定はなく、電子写真方式、インクジェット方式、サーマルヘッド方式などの構成を用いることができる。
【0014】
また、第1筐体2の上面25には排出機構によって排出されるシートを支持する排出トレイ6が設けられている。排出トレイ6は第1筐体2の上面25に後側から前側に向かって凸状に湾曲しつつ登るように傾斜した形状に形成されている。これにより、画像が形成されたシートは、排出機構によって後側から前側に向かって排出トレイ6に排出される。
【0015】
排出トレイ6は、排出トレイ6における幅方向の中央部に設けられた突出部61と、突出部61に設けられた排出ストッパ62とを有している。突出部61は、排出トレイ6の他の面よりも上方へ突出し、後方へ向かって下方に傾斜した台状部材である。排出ストッパ62は、後端部が突出部61に回動可能に支持された略矩形の板状部材である。排出ストッパ62は、突出部61の上端部に沿って水平に位置する収納位置(図4に示す位置)と、前端部が立ち上がった使用位置(図5に示す位置)との間で揺動する。排出ストッパ62が使用位置にあるとき、排出トレイ6に排出されたシートは排出ストッパ62に当接して排出トレイ6上に規制される。
【0016】
このような突出部61により、排出されたシートの幅方向の両端部が持ち上がるようにカールしている場合でも、シートの幅方向の中央部が持ち上げられて支持されることによって、カールを軽減することができる。また、シートが排出トレイ6に支持されている状態において、シート下の突出部61の周辺にシートを掴むための空間を形成することができる。なお、突出部61は必須の構成ではなく、省略することもできる。
【0017】
また、第1筐体2の上面25には画像形成装置1の電源スイッチ29が設けられている。電源スイッチ29は、視認しやすく操作しやすいように、第1筐体2の上面25における排出ストッパ62よりも前側であって、幅方向において排出トレイ6の幅外に配置することが好ましい。本実施形態において電源スイッチ29は、第1筐体2の上面25における右前部分に設けられている。
【0018】
第2筐体3は、第1筐体2の上方に設けられ、原稿読取装置31を備えている。原稿読取装置31は、原稿を支持する原稿台321が上面に設けられ、原稿台321に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部を収容する筐体32を有している。また、原稿読取装置31は、筐体32の上方に設けられ、一端部の一例としての後端部に配置された回動軸心を中心に他端部の一例としての前端部が原稿台321を覆う閉位置と原稿台321を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえ33を有している。
【0019】
原稿押さえ33は、その上部に、原稿を原稿台321に自動搬送する自動原稿送り装置(以下、ADF(auto document feeder)と記す)34を備えている。ADF34の前端面34Aは、閉位置にあるときに原稿台321の上面と交差する角度に形成されている。本実施形態においてADF34の前端面34Aは、原稿台321の上面と直角に形成されている。また、ADF34の後端部側には、ADF34の駆動源であるモータ341が設けられている。
【0020】
脚部4は、左脚部41と、右脚部42と、後脚部43とを有している。左脚部41、右脚部42、後脚部43は、それぞれ第1筐体2の上面において、左端部、右端部、後端部に配置され、第2筐体3を持ち上げて支持する。これにより、第2筐体3は排出トレイ6の上方にシートが排出される排出空間63を介して設置される。また、左脚部41と右脚部42と第1筐体2の上面と第2筐体3の下面とによって画像形成装置1の前面側に開口部44が形成され、開口部44を通じて排出空間63が前方に開放されている。よって、ユーザは開口部44を通じて排出トレイ6に排出されたシートを取り出すことができる。
【0021】
本実施形態において、右脚部42の前端面42Aは、第2筐体3の前端面3Aよりも後側に配置されている。これにより、排出空間63の右側が大きく開放され、排出トレイ6に排出されたシートを右側から取り出しやすくなる。
【0022】
操作パネル5は、略直方体形状のパネルであり、左右方向の長さが第2筐体3の左右方向の長さより短く形成されている。本実施形態では、操作パネル5の左右方向の長さは第2筐体3の左右方向の長さの半分以下である。操作パネル5は、左端部が第2筐体3の左端部と面一となるように、第2筐体3の前端面3Aから前方へ突出して設けられる。なお、操作パネル5は、第2筐体3において排出ローラ28よりもシート排出方向下流側に設けられれば、その配置には特に限定はない。操作パネル5は、上面51に液晶パネル等の表示具と画像形成部及び画像読取部を操作するためのタッチパネルや操作ボタン等の操作具とを備えている。
【0023】
[NFC]
図2に示すように、ADF34の前端面34Aには、NFC機能を有するICカードやスマートフォン等の外部機器を載置する位置を示すNFCマーク71が印刷されている。NFCマーク71の大きさや形状には特に限定はない。また、NFCマーク71は印刷以外であってもよく、例えば、透光性部材で構成し、透光性部材の直下に発光ダイオード等の光源を配置してマークが光る構成としてもよい。ユーザは、このNFCマーク71を目安にして外部機器を載置することで、外部機器と画像形成装置1との間で無線通信させることができる。
【0024】
このように、NFCマーク71をADF34の前端面34Aに設けることにより、NFCマーク71に外部機器をかざす際、ユーザは外部機器が落下しないように手に持ったままにする必要がある。よって、外部機器を原稿読取装置31上に載置したまま原稿押さえ33を開いてしまうことを抑制できる。また、ADF34に厚みがあることによって生じる前端面34Aのスペースを有効に利用してNFCマーク71を配置することができる。また、NFCマーク71は原稿読取装置31の上部におけるユーザ側に設けられるため、ユーザはNFCマーク71を視認しやすい。よって、従来にない新規な構成の原稿読取装置31とそれを備えた画像形成装置1とを提供することができる。
【0025】
NFCマーク71は、画像形成装置1の幅方向において操作パネル5と同じ側に配置することが好ましい。そのためには、NFCマーク71が配置されるADF34を操作パネル5と同じ側に配置する必要がある。本実施形態では、ADF34と操作パネル5とが画像形成装置1における左側に配置されているため、NFCマーク71も画像形成装置1における左側であって、操作パネル5と左右方向に重なる位置に配置されている。
【0026】
この構成によれば、NFCマーク71と操作パネル5とが幅方向の同じ側に配置されることにより、ユーザは同じ方向を確認するだけでNFCマーク71と操作パネル5の両方を確認することができ、視認しやすい。
【0027】
NFC基板70は、外部機器との良好な無線通信を実現するために、ADF34内部のNFCマーク71と対向する位置に設けられる。本実施形態では、NFCマーク71の真後ろであるADF34の前端面34Aの内側に沿ってNFC基板70が配置される。NFC基板70は、略矩形の板状の回路基板であり、ループアンテナ72をはじめ通信回路や検出回路等を搭載している。
【0028】
ループアンテナ72は、NFCマーク71の真後ろに位置するようにNFC基板70の前面に配置される。ループアンテナ72は、外部機器と通信するための電波を送受信する機能を有する。通信回路は、送受信される電波を信号処理する機能を有する。検出回路は、ループアンテナ72に流れる電流を検出することにより、ループアンテナ72にて送受信される電波の強度を検出する機能を有する。
【0029】
本実施形態では、ADF34の前端部側にNFCマーク71及びNFC基板70が配置され、ADF34の後端部側にモータ341が配置されている。このように、モータ341と反対側にNFCマーク71及びNFC基板70を配置することにより、モータ341のノイズによる通信性能の低下を抑制することができる。
【0030】
[USB]
図4に示すように、画像形成装置1には、USBメモリやデジタルカメラ等のUSB機器の端子を接続するためのUSBポート81が設けられている。USBポート81は、操作パネル5における中央寄りの側面に配置される。本実施形態では、操作パネル5の右面52にUSBポート81が設けられている。操作パネル5の右面52におけるUSBポート81の位置には特に限定はない。操作パネル5の右面52におけるUSBポート81近傍には、USBマーク82が印刷されている。ユーザは、USBマーク82又はUSBポート81を視認することで、USBポート81の位置を認識することができる。
【0031】
このように、USBポート81を操作パネル5における中央寄りの側面に設けることにより、USBポート81に差し込まれたUSB機器が、平面視で第1筐体2の側方へ突出しにくくなるため、ユーザがUSB機器に衝突して破損する危険性を抑制できるとともに、USB機器を着脱するスペースが確保される。また、USBポート81が排出トレイ6より上方に配置されることにより、ユーザはUSBポート81を視認しやすい。また、ユーザは同じ方向を確認するだけで操作パネル5とUSBポート81の両方を確認することができ、視認しやすい。
【0032】
また、USBポート81を操作パネル5の側面に設けることにより、USBポート81の視認性と操作パネル5の操作性とを両立させることができる。さらに、USBポート81に差し込まれたUSB機器によってNFCマーク71が覆われることが抑制され、USBポート81にUSB機器が接続されている状態でもNFCマーク71の視認性を確保することができる。
【0033】
USB基板80は、操作パネル5内部に設けられる。USB基板80は、略矩形の板状の回路基板であり、USBポート81及び変換回路を搭載している。USBポート81は、USB基板80の上面において右方へ突出するように配置されている。変換回路は、USBポート81の信号線を所定のピッチに変換する回路である。
【0034】
[変形例1]
図6は変形例1の画像形成装置9の斜視図である。変形例1の画像形成装置9が上記の画像形成装置1と異なる点は、原稿読取装置91がADFを備えていない点と、NFCマーク92及びNFC基板93の位置であり、その他の構成は上記の画像形成装置1と同様である。以下の変形例1から変形例3の説明では、主に上記の画像形成装置1と異なる点について説明し、上記の画像形成装置1と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0035】
原稿読取装置91は、上記の原稿押さえ33からADF34をなくした板状の原稿押さえ94を備えている。原稿押さえ94の前端面94Aは、閉位置にあるときに原稿台321の上面と交差する角度に形成されている。変形例1において原稿押さえ94の前端面94Aは、原稿台321の上面と直角に形成されている。
【0036】
NFCマーク92は、上記のNFCマーク71と同条件を満たす位置に設けられる。図6では、原稿押さえ94の前端面94Aにおける操作パネル5の上方にNFCマーク92が設けられている。NFC基板93は、上記のNFC基板70を原稿押さえ94の厚みに合わせた形状にしたものであり、原稿押さえ94内部のNFCマーク92と対向する位置に設けられる。
【0037】
このように、原稿読取装置91がADFを備えていない構成においてもNFCマーク92を原稿押さえ94の前端面94Aに設けることにより、上記の画像形成装置1と同様の効果を得ることができる。
【0038】
[変形例2]
図7は変形例2の画像形成装置10の右側面図である。変形例2の画像形成装置10が上記の画像形成装置1と異なる点は、操作パネル101が揺動可能である点であり、その他の構成は上記の画像形成装置1と同様である。
【0039】
操作パネル101は、その後端部に左右方向に延びる回動軸部102を有している。回動軸部102は、第2筐体3に設けられた図示しない凹部に回動可能に支持されている。これにより、操作パネル101は、回動軸部102を中心に、その上面103が前下がりとなる傾斜位置(図7に実線で示す位置)と、上面103が水平となる水平位置(図7
二点鎖線で示す位置)との間で揺動可能となっている。換言すると、操作パネル101はNFCマーク71に対する角度が変位可能に設けられているともいえる。
【0040】
変形例2の構成によれば、ユーザは目線に合わせて操作パネル101の角度を適宜変位させることにより、NFCマーク71と操作パネル101の両方を一目で確認しやすくなる。また、操作パネル101とNFCマーク71とが互いに近づいて配置されている場合でも、操作パネルの101を傾斜位置にするなど適宜変位させることにより、操作パネル101とNFCマーク71にかざす外部機器との干渉を抑制でき、操作性に優れる。
【0041】
[変形例3]
図8は変形例3の画像形成装置11の右側面図である。変形例3の画像形成装置11が上記の画像形成装置1と異なる点は、操作パネル111が揺動可能である点であり、その他の構成は上記の画像形成装置1と同様である。
【0042】
操作パネル111は、底面の前端部付近に左右方向に延びる回動軸部112を有している。回動軸部112は、左脚部41に設けられた図示しない凹部に回動可能に支持されている。これにより、操作パネル111は、回動軸部112を中心に、その上面113が水平となる水平位置(図8に実線で示す位置)と、上面113が前下がりとなる傾斜位置(図8に二点鎖線で示す位置)との間で揺動可能となっている。換言すると、操作パネル111はNFCマーク71に対する角度が変位可能に設けられているともいえる。
【0043】
変形例3の構成によれば、ユーザは操作パネル111を水平位置にするなど適宜変位させることにより、NFCマーク71と操作パネル111の両方を一目で確認しやすくなる。また、操作パネル111とNFCマーク71とが互いに近づいて配置されている場合でも、操作パネルの111を傾斜位置にするなど適宜変位させることにより、操作パネル111とNFCマーク71にかざす外部機器との干渉を抑制でき、操作性に優れる。
【0044】
[実施形態の効果]
上記の原稿読取装置91は、原稿を支持する原稿台321が上面に設けられ、原稿台321に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部を収容する筐体32を備える。また原稿読取装置91は、筐体32の上方に設けられ、一端部に配置された回動軸心を中心に他端部が原稿台321を覆う閉位置と原稿台321を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえ94とを備える。原稿押さえ94の他端部は、閉位置にあるときに原稿台321の上面と交差する前端面94Aを有する。そして、前端面94Aに近距離無線通信を行う外部機器を載置する位置を示すNFCマーク92が設けられる。
【0045】
この構成によれば、原稿押さえ94の他端部の端面にNFCマーク92を設けることにより、NFCマーク92に外部機器をかざす際、ユーザは外部機器が落下しないように手に持ったままにする必要がある。よって、外部機器を原稿読取装置91上に載置したまま原稿押さえ94を開いてしまうことを抑制できる。また、NFCマーク92は原稿読取装置91の上部におけるユーザ側に設けられるため、ユーザはNFCマーク92を視認しやすい。よって、従来にない新規な構成の原稿読取装置91を提供することができる。
【0046】
上記の原稿読取装置31によれば、原稿押さえ33は、原稿を原稿台321に自動搬送するADF34を有し、ADF34が端面34Aを有する。
【0047】
この構成によれば、ADF34の端面34Aのスペースを有効に利用することができる。
【0048】
上記の画像形成装置1によれば、原稿台321の副走査方向一方側に設けられ、原稿読取装置31を操作するための操作パネル5を備え、ADF34は、副走査方向において操作パネル5と同じ側に設けられる。
【0049】
この構成によれば、NFCマーク71と操作パネル5とが同じ側に配置されることにより、ユーザは同じ方向を確認するだけでNFCマーク71と操作パネル5の両方を確認することができ、視認しやすい。
【0050】
上記の画像形成装置10によれば、操作パネル101は、NFCマーク71に対する角度が変位可能に設けられる。
【0051】
この構成によれば、操作パネル101の角度を変位させることにより、ユーザはNFCマーク71と操作パネル101の両方を一目で確認しやすくなる。また、操作パネル101とNFCマーク71とが互いに近づいて配置されている場合でも、操作パネル101の角度を変位させることにより、操作パネル101とNFCマーク71にかざす外部機器との干渉を抑制でき、操作性に優れる。
【0052】
上記の画像形成装置1によれば、操作パネル5は、副走査方向の長さが筐体32の副走査方向の長さより短く形成され、操作パネル5における筐体32の中央寄りの右面52にUSBポート81が設けられる。
【0053】
この構成によれば、USBポート81に差し込まれたUSB機器が、平面視で筐体32の側方へ突出しにくくなるため、ユーザがUSB機器に衝突して破損する危険性を抑制できるとともに、USB機器を着脱するスペースが確保される。
【0054】
上記の画像形成装置1によれば、ADF34は、原稿押さえ33の一端部側にモータ341を有する。
【0055】
この構成によれば、モータ341と反対側にNFCマーク71及びNFC基板70が配置されるため、モータ341のノイズによる通信性能の低下を抑制することができる。
【0056】
上記の画像形成装置1によれば、近距離無線通信のためのNFC基板70が、原稿押さえ33内部のNFCマーク71と対向する位置に設けられる。
【0057】
この構成によれば、NFCマーク71の近傍にNFC基板70を配置することで、良好な無線通信を実現することができる。
【符号の説明】
【0058】
1、9、10、11 画像形成装置
5、101、111 操作パネル
6 排出トレイ
32 筐体
33 原稿押さえ
34 自動原稿送り装置
70、93 NFC基板
71、92 NFCマーク(マーク)
81 USBポート
321 原稿台
341 モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を支持する原稿台と、後端部に配置された回動軸心を中心に前端部が前記原稿台を覆う閉位置と前記原稿台を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえと、を有し前記原稿台に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部と、
シートに画像を形成する画像形成部であって、前記画像読取部の下方に位置する画像形成部と、
前記画像読み取り部の前方に位置し、前記画像形成部及び前記画像読取部を操作するための操作パネルと、
を有する画像形成装置であって、
前記画像形成部は、画像が形成されたシートを排出方向に向けて排出する排出ローラと、排出されたシートを支持する排出トレイと、を更に有し、
前記画像形成装置の第1方向を向く第1面に、近距離無線通信を行う対象をかざす位置を示すマークが設けられ、前記操作パネルにおける前記第1方向と交差する第2方向を向く第2面にUSBポートが設けられており、前記操作パネルの前記第2面は、前記排紙方向と交差する方向を向くことを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記画像形成装置を前方から見た時の左右方向において、前記マークは、前記USBポートよりも前記画像形成装置の端部側に位置する、請求項1に記載の画像形成装置
【請求項3】
前記画像形成装置を前方から見た時の左右方向において、前記操作パネルの前記第2面は、前記画像形成装置の中央寄りに位置する、請求項1に記載の画像形成装置
【請求項4】
前記画像形成装置を前方から見た時の左右方向を中心に、前記操作パネルは回動可能である、請求項1に記載の画像形成装置
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記画像形成部を収容する第1筐体と、前記画像読取部を収容する第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体との間に位置し、前記第2筐体を前記第1筐体の上方に位置するよう支持する脚部と、を有し、
前記脚部は、前記画像形成装置を前方から見た時の左右方向において、左方に位置する左脚部と、前記排出トレイを挟んで前記左脚部よりも右方に位置する右脚部と、を有し、
前記マークは、前記左脚部と前記左右方向で重なる位置にある、請求項1に記載の画像形成装置
【請求項6】
前記画像形成装置を前方から見た時の左右方向において、前記画像形成装置の左端と前記USBポートと、の間に前記マークが位置する、請求項1に記載の画像形成装置
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、近距離無線通信が可能な新規な構成の画像形成装置を提供すること目的とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の画像形成装置(1)は、原稿を支持する原稿台(321)と、後端部に配置された回動軸心を中心に前端部が前記原稿台(321)を覆う閉位置と前記原稿台(321)を開放する開位置との間で揺動可能な原稿押さえ(33)と、を有し前記原稿台(321)に支持された原稿の画像を読み取る画像読取部と、シートに画像を形成する画像形成部であって、前記画像読取部の下方に位置する画像形成部と、前記画像読み取り部の前方に位置し、前記画像形成部及び前記画像読取部を操作するための操作パネル(5)と、を有する画像形成装置(1)であって、前記画像形成部は、画像が形成されたシートを排出方向に向けて排出する排出ローラ(28)と、排出されたシートを支持する排出トレイ(6)と、を更に有し、前記画像形成装置(1)の第1方向を向く第1面(34A)に、近距離無線通信を行う対象をかざす位置を示すマーク(71)が設けられ、前記操作パネル(5)における前記第1方向と交差する第2方向を向く第2面(52)にUSBポート(81)が設けられており、前記操作パネル(5)の前記第2面(52)は、前記排紙方向と交差する方向を向く
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば、従来にない新規な構成の画像形成装置を提供することができる。