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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071447
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20240517BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20240517BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65H5/38
B65H3/44
B41J29/38 302
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043408
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2020056705の分割
【原出願日】2020-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮瀬 悟吏
(72)【発明者】
【氏名】刑部 吉記
(72)【発明者】
【氏名】桑山 剛
(72)【発明者】
【氏名】森川 淳
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】大野 泰生
(72)【発明者】
【氏名】千葉 湧人
(57)【要約】
【課題】画像記録装置の稼働率の低下を抑制すること。
【解決手段】プリンタ100において、搬送路440Bは、供給トレイ410Bと、プラテン470Bおよび記録ヘッド480Bの間とを繋ぐ。搬送路440Aは、搬送路440Bより内側で、供給トレイ410Aと、プラテン470Aおよび記録ヘッド480Aの間とを繋ぐ。外側カバー540は、搬送路440Bの外側の閉位置P2aで搬送路440Bを閉塞し、閉位置P2aから離れることで搬送路440Bを開放する開位置P2bに移動する。内側カバー530は、搬送路440Aにおける外側の装着位置で上記搬送路440Aを閉塞し、装着位置から離れることで搬送路440Aを開放する。内側カバー530は、外側カバー540が搬送路440Bを開放したときに装着位置に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1トレイと、
第2トレイと、
第1記録エンジンと、
第2記録エンジンと、
上記第1トレイと、上記第1記録エンジンとを繋ぎ、第1シートが搬送される第1搬送路と、
上記第1搬送路よりも、上記第1シートが搬送される搬送向きと交差する交差方向における一方側で、上記第2トレイと、上記第2記録エンジンとを繋ぎかつ上記第1搬送路と繋がっておらず、第2シートが搬送される第2搬送路と、
上記第1搬送路における上記交差方向の他方側の第1閉位置で上記第1搬送路を閉塞し、上記第1閉位置から離れることで上記第1搬送路を開放する第1開位置に移動する第1カバーと、
上記第2搬送路における上記他方側の第2閉位置で上記第2搬送路を閉塞し、上記第2閉位置から離れることで上記第2搬送路を開放する第2開位置に移動する第2カバーとを備え、
上記第2カバーは、上記第1カバーが上記第1搬送路を開放したときに上記第2閉位置に位置する画像記録装置。
【請求項2】
上記第2カバーが上記第1カバーと対向する方向において、上記第2カバーの少なくとも一部が上記第1カバーと重なっている請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第1トレイおよび上記第1記録エンジンは、上下方向に互いに離間し、
上記第2トレイおよび上記第2記録エンジンは、上記上下方向において上記第1トレイおよび上記第1記録エンジンの間に位置し、
上記第1トレイおよび上記第2トレイは、第1供給トレイおよび第2供給トレイであって、
上記第1搬送路は、上記第1供給トレイから湾曲しつつ上記第1記録エンジンに至る外側搬送路であり、
上記第2搬送路は、上記第2供給トレイから湾曲しつつ上記第2記録エンジンに至り、上記外側搬送路よりも内側で上記外側搬送路に沿って延びる内側搬送路であり、
上記第1カバーは、上記第1閉位置で上記外側搬送路における外側を形成し、上記第1閉位置から離れることで上記外側搬送路を開放する外側カバーであり、
上記第2カバーは、上記第2閉位置で上記内側搬送路における外側を形成し、上記第2閉位置から離れることで上記内側搬送路を開放する内側カバーである請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記第1供給トレイは、上記第1記録エンジンより下方に位置し、
上記第2供給トレイは、上記第2記録エンジンより下方に位置する請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記内側カバーは、上記外側搬送路の内側を形成する請求項3または4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記第2カバーが上記第1カバーと対向する方向において、上記外側カバーは、上記内側カバーを内包する請求項3から5のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記内側カバーを、上記第2閉位置でロックするロック状態と、上記ロック状態を解除する解除状態とに切り替えるロック機構を備え、
上記外側カバーは、上記第1閉位置で上記ロック機構を閉塞し、上記第1閉位置から離れることで上記ロック機構を外部に露出させる請求項3から6のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記内側搬送路は、上記第2トレイから上方に延びつつ上記第2記録エンジンに向かって湾曲している請求項7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
上記外側カバーを回転可能に支持する外側シャフトと、
上記外側シャフトより上方の位置で上記外側シャフトと平行であり、上記内側カバーを回転可能に支持する内側シャフトとを備える請求項3から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項10】
上記外側シャフトは、上記外側搬送路の上流端部より下方に位置し、
上記内側シャフトは、上記上下方向において上記内側搬送路の上流端部および上記外側搬送路の上流端部の間に位置する請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
開口を有する筐体を備え、
上記第1供給トレイおよび上記第2供給トレイは、上記開口を通じて上記筐体内で第1装着位置および第2装着位置から離間する引出向きに移動可能であり、
上記外側カバーを回転可能に支持する外側シャフトと、
上記外側シャフトより上記引出向きに離れた位置で上記外側シャフトと平行であり、上記内側カバーを回転可能に支持する内側シャフトとを備える請求項3から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項12】
上記外側搬送路より外側に位置し、上記外側カバーおよび上記内側カバーを回転可能に支持する共通シャフトを備える請求項3から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項13】
上記内側カバーにおいて、上記共通シャフトの軸心方向の両側から延出し、上記共通シャフトにおいて上記外側カバーよりも外側の位置で上記共通シャフトに回転可能に支持される2個一対のアームを備える請求項12に記載の画像記録装置。
【請求項14】
上記内側カバーは、筐体に対し着脱可能である請求項3から8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項15】
上記内側カバーは、上記第2閉位置から外側へと移動する請求項3から14のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項16】
上記第2カバーは、上記第2搬送路を開放する過程で、上記第1搬送路を横切る、請求項1から15のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項17】
第1トレイと、
第2トレイと、
第1記録エンジンと、
第2記録エンジンと、
上記第1トレイと、上記第1記録エンジンとを繋ぎ、第1シートが搬送される第1搬送路と、
上記第1搬送路よりも、上記第1シートが搬送される搬送向きと交差する交差方向における一方側で、上記第2トレイと、上記第2記録エンジンとを繋ぎ、第2シートが搬送される第2搬送路と、
上記第1搬送路における上記交差方向の他方側の第1閉位置で上記第1搬送路を閉塞し、上記第1閉位置から離れることで上記第1搬送路を開放する第1開位置に移動する第1カバーと、
上記第2搬送路における上記他方側の第2閉位置で上記第2搬送路を閉塞し、上記第2閉位置から離れることで上記第2搬送路を開放する第2開位置に移動する第2カバーと、 コントローラと、を備え、
上記第2カバーは、上記第1カバーが上記第1搬送路を開放したときに上記第2閉位置に位置しており、
上記コントローラは、
上記第1記録エンジンによる上記第1シートに対する第1画像記録動作に並行して上記第2記録エンジンによる上記第2シートに対する第2画像記録動作を制御し、
上記第1カバーが上記第1閉位置から離れたときに、上記第1画像記録動作および上記第2画像記録動作のうち、上記第1画像記録動作のみを停止する画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下記の画像記録装置が開示されている。画像記録装置では、上段トレイから給送されたシートは、内側搬送路を介して下段の記録エンジンに搬送される。また、下段トレイから給送されたシートは、筐体において内側搬送路よりも外側に形成された外側搬送路を介して上段の記録エンジンに搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-337011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像記録装置では、内側搬送路および外側搬送路の少なくとも一方でシートが詰まることがある。以下、本明細書では、搬送路でシートが詰まることをジャムとも称する。シート詰まりを解消するために、外側搬送路の開放に連動して内側搬送路も開放可能な構成とすることが考えられる。しかし、この構成では、外側搬送路のみでシートが詰まっている場合でも、内側搬送路も開放される。そのため、上段の記録エンジンは、画像記録の動作が可能であるにも関わらず、動作を停止する。即ち、画像記録装置の稼働率が低下する。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、稼働率の低下を抑制可能な画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像記録装置は、第1トレイと、第2トレイと、第1記録エンジンと、第2記録エンジンと、上記第1トレイと、上記第1記録エンジンとを繋ぐ、第1シートの第1搬送路と、上記第1搬送路よりも、上記第1シートが搬送される搬送向きと交差する交差方向における一方側で延び、上記第2トレイと、上記第2記録エンジンとを繋ぐ、第2シートの第2搬送路と、上記第1搬送路における上記交差方向の他方側の第1閉位置で上記第1搬送路を閉塞し、上記第1閉位置から離れることで上記第1搬送路を開放する第1開位置とに移動する第1カバーと、上記第2搬送路における上記他方側の第2閉位置で上記第2搬送路を閉塞し、上記第2閉位置から離れることで上記第2搬送路を開放する第2カバーとを備え、上記第2カバーは、上記第1カバーが上記第1搬送路を開放したときに上記第2閉位置に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像記録装置の稼働率の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A),(B)は、プリンタ100を模式的に示す正面図および背面図である。
図2】プリンタ100の内部構成を示す模式図であり、(A),(B)は、外側カバー540が閉位置P2aおよび開位置P2bにあるときをそれぞれ示す。
図3】(A)は、プリンタ100の構成を示すブロック図であり、(B)は、シートセンサ550A,550Bの検知位置P4a,P4bを示す模式図である。
図4】(A)は、左斜め後方から見たときの内ガイド510および外ガイド520を模式的に示す斜視図であり、(B)は、左斜め後方から見たときの、装着位置にある内側カバー530を模式的に示す斜視図である。
図5】(A)は、右斜め前方から見たときの内側カバー530を模式的に示す斜視図であり、(B)は、右斜め前方から見たときの外側カバー540を模式的に示す斜視図である。
図6】第1変形例に係る内側カバー530のロック機構700L,700Rを示す模式図であり、(A)は、ロック状態を示し、(B)は、解除状態を示している。
図7】第2変形例に係る内側カバー530を示す模式図である。
図8】第3変形例に係る内側カバー530を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明においては、プリンタ100が使用可能に設置された設置状態(図1図2の状態)を基準として上下方向7が定義され、前面201L,201Rを手前側として前後方向8が定義され、プリンタ100を前面201L,201R側から見て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8および左右方向9は、互いに直交している。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。換言すれば、向きは方向の一成分である。
【0010】
[プリンタ100の概略構成]
図1図2に示すように、プリンタ100は、筐体200内に、供給トレイ410A,410B、給送機構430A,430B、搬送路440A,440B、搬送ローラ対450A,450B、排出ローラ対460A,460B、中間搬送ローラ対490と、プラテン470A,470B、および記録ヘッド480A,480Bを備える。プリンタ100は、排出トレイ420A,420B、内ガイド510、外ガイド520、内側カバー530、および外側カバー540を備える。
【0011】
図3(A)に示すように、プリンタ100は、シートセンサ550A,550B、コントローラ560およびディスプレイ570をさらに備える。
【0012】
なお、プリンタ100は、画像記録装置の一例である。
【0013】
[筐体200]
図1において、筐体200は、略直方体の外形形状を有する外装体であり、筐体200内の各種フレーム(図示せず)により支持されている。
【0014】
図1(A)において、筐体200は、前面201L,201R、内側面202L,202R、奥面203A,203B、外側面204L,204R、および上面205を有しており、筐体200の内部空間を外部空間から区画する。
【0015】
図1(A)において、前面201L,201Rは、正面視で矩形形状であり、前面201Lは、前面201Rの左方に間隔をあけて位置する。前面201L,201Rの間の空間において下側の部分は、開口201A,201Bになっている。開口201Aは、開口201Bよりも上にある。開口201A,201Bは、開口の一例である。
【0016】
内側面202Lは、前面201Lの右端において上側の部分から後方へと延び、内側面202Rは、前面201Rの左端において上側の部分から後方へと延びている。
【0017】
奥面203A,203Bの各々は、正面視で、左右方向9に長い概ね矩形形状であり、内側面202L,202Rの後端同士を繋いでいる。奥面203Aは、奥面203Bより下方および前方に位置する(図2(A)参照)。
【0018】
図1(A)において、奥面203A,203Bの下端付近の位置には、左右方向9に細長いスリットが排出口444A,444Bとしてそれぞれ形成されている。正面視で、排出口444A,444Bからは排出ローラ対460A,460Bの一部がそれぞれ覗いている。
【0019】
図1(B)に示すように、筐体200は、後面206L,206R、内側面207L,207Rをさらに有する。
【0020】
後面206L,206Rは、後方からの平面視で、概ね矩形形状であり、後面206Lは、後面206Rより左方に、外側カバー540の左右寸法と同じまたはそれより僅かに大きい間隔をあけて位置する。
【0021】
内側面207Lは、後面206Lの右端から前方へと延び、内側面207Rは、後面206Rの左端から前方へと延びている。内側面207L,207Rは、上下方向7および前後方向8に拡がっており、後述の通紙中心面Cから左方および右方に互いに等距離だけ離間している。
【0022】
[供給トレイ410A,410B]
図2において、供給トレイ410A,410Bは、開口201A,201B(図1(A)参照)を通じて筐体200内で後方に移動し、装着位置P0a,P0bにそれぞれ位置する。供給トレイ410A,410Bは、筐体200内で装着位置P0a,P0bから前方(引出向きの一例)に移動し、開口201A,201Bを通じて筐体200から引き出される。装着位置P0a,P0bは、第2装着位置および第1装着位置の一例である。
【0023】
図2において、供給トレイ410A,410Bの各々は、上下方向7に薄い箱状の形状であり、上下方向7に積まれた複数のシート1A,1Bを底部411A,411Bでそれぞれ支持する。シート1A,1Bは、底部411A,411Bに設けられたシートガイド(図示せず)により、シート1A,1Bの幅方向における中心が通紙中心面C(図1参照)に揃うように支持される。通紙中心面Cは、排出口444A,444B、搬送路440A,440B(図4参照)の左右方向9における概ね中心を通過し、上下方向7および前後方向8に平行な仮想面である。
【0024】
供給トレイ410A,410Bの各々は、様々なサイズのシート1A,1Bを支持可能である。以下、シート1A,1Bの最大幅を、最大幅W1a,W1b(図4参照)と称する。最大幅W1aは、最大幅W1b以下である。本実施形態では、最大幅W1a,W1bは互いに同じである。
【0025】
なお、供給トレイ410Aは、第2トレイおよび第2供給トレイの一例である。供給トレイ410Bは、第1トレイおよび第1供給トレイの一例である。シート1A,1Bは、第2シートおよび第1シートの一例である。
【0026】
[排出トレイ420A,420B]
図2に示すように、排出トレイ420A,420Bは、前面201L,201R(図1参照)の間において、排出口444A,444Bより僅かに下方の位置から前方へと延びている。排出トレイ420A,420Bは、排出口444A,444Bから排出されたシート1A,1Bを上面421A,421Bでそれぞれ支持する。
【0027】
[給送機構430A,430B]
図2に示すように、給送機構430Aは、給送ローラ431Aと、給送アーム432Aとを備え、給送アーム432Aに収容される駆動伝達機構(図示せず)により、搬送モータ551A(図2参照)の駆動力を給送ローラ431Aに伝達する。これにより、給送ローラ431Aは、回転し、供給トレイ410A上の最上層のシート1Aを後方へ送る。
【0028】
給送機構430Bは、給送機構430Aと同様の構成を有し、搬送モータ551B(図2図3参照)、給送ローラ431Bおよび給送アーム432Bにより、供給トレイ410B上の最上層のシート1Bを後方へ送る。なお、給送ローラ431Bは、搬送モータ551Bとは異なるモータからの駆動力により回転してもよい。この場合において、搬送モータ551Bとは異なるモータは、給紙ローラ431Bにより近い位置に配置されることが考えられる。
【0029】
シート1A,1Bは、給送機構430A,430Bにより後方へ送られた後、供給トレイ410A,410Bの後端に位置するガイド面412A,412Bにより後方且つ上方へとそれぞれ案内され、搬送路440A,440Bの供給口443A,443Bにそれぞれ送り込まれる。
【0030】
[搬送路440A,440B]
図2に示されるように、筐体200内には、搬送路440A,440Bがそれぞれ形成されている。搬送路440Aは、第2搬送路および内側搬送路の一例である。搬送路440Bは、第1搬送路および外側搬送路の一例である。
【0031】
搬送路440Aは、図2図4中一点鎖線で示され、最大幅W1aより若干大きい左右寸法を有する。搬送路440Aは、湾曲部441Aと、直線部442Aとを有する。湾曲部441Aは、供給口443Aを有する。供給口443Aは、ガイド面412Aの上端のすぐ上に位置する。即ち、湾曲部441Aは、供給トレイ410Aと繋がっている。湾曲部441Aは、供給口443Aから上方へ延びつつ湾曲して、排出口444Aと概ね同じ上下位置で前方に向かう。直線部442Aは、湾曲部441Aの下流端と連続し、湾曲部441Aの下流端から前方に概ね直線的に延びて、排出口444Aに至る。
【0032】
搬送路440Bは、図2図4中二点鎖線で示され、筐体200内において搬送路440Aよりも外側で、供給トレイ410Bと排出口444Bとを繋ぐ。換言すると、搬送路440Aは、搬送路440Bに対して、搬送向き5Bと交差する交差方向における一方側(即ち、内側)で、供給トレイ410Bと排出口444Bとを繋ぐ。搬送路440Bは、最大幅W1bより若干大きい左右寸法を有する。
【0033】
具体的には、搬送路440Bは、湾曲部441Bと、直線部442Bとを有する。
【0034】
湾曲部441Bは、供給口443Bを有する。供給口443Bは、ガイド面412Bの上端より上方且つ僅かに後方に位置する。即ち、湾曲部441Bは、供給トレイ410Bと繋がっている。湾曲部441Bは、供給口443Bから上方へと、筐体200内で湾曲部441Aの外側(即ち、後方)を通って延びる。湾曲部441Bは、湾曲部441Aの下流端より上方で且つ排出口444Bと概ね同じ上下位置で前方へと屈曲する。
【0035】
直線部442Bは、湾曲部441Bの下流端と連続しており、直線部442Aの外側(即ち、上方)で前方に概ね直線的に延びて、排出口444Bに至る。
【0036】
搬送路440A,440Bにおいて、シート1A,1Bは、搬送向き5A,5Bにそれぞれ送られる。
【0037】
[搬送ローラ対450A,450B]
図2(B)に示すように、搬送ローラ対450Aは、湾曲部441Aの下流端(即ち、直線部442Aの上流端)の位置(以下、「ニップ位置」とも称する)P1aで互いに当接し合う2個一対のローラを有する。2個のローラの一方は、搬送モータ551A(図3参照)で発生する駆動力により回転する。2個のローラの他方は、一方のローラに上方から当接し、一方のローラの回転により従動回転する。
【0038】
搬送ローラ対450Bは、湾曲部441Bの下流端(即ち、直線部442Bの上流端)に位置し且つ搬送モータ551B(図2図3参照)から駆動力により回転する点を除き、搬送ローラ対450Aと同様である。なお、搬送ローラ対450Bが当接し合う上下位置をニップ位置P1b(図2(B)参照)とも称する。なお、図2では、搬送モータ551Aの図示は省略されている。
【0039】
搬送ローラ対450A,450Bは、回転することで、湾曲部441A,441Bで搬送されたシート1A,1Bをニップし前方へとそれぞれ送る。これにより、シート1A,1Bは、直線部442A,442Bにおいて搬送される。
【0040】
[排出ローラ対460A,460B]
図2に示すように、排出ローラ対460Aは、筐体200内で、直線部442Aにおいてプラテン470Aおよび排出口444Aの間の位置で、互いに当接し合う2個のローラを有する。2個のローラの一方は、搬送モータ551A(図3参照)で発生する駆動力により回転する。2個のローラの他方は、拍車であり、一方のローラに上方から当接し、一方のローラの回転により従動回転する。
【0041】
排出ローラ対460Bは、筐体200内で、直線部442Bにおいてプラテン470Bおよび排出口444Bの間に位置する点を除き、排出ローラ対460Aと同様である。そのため、排出ローラ対460Bの詳説を控える。
【0042】
排出ローラ対460A,460Bは、回転することで、直線部442A,442Bで搬送されたシート1A,1Bをニップし前方へと送る。これにより、シート1A,1Bは、排出口444A,444Bから排出される。
【0043】
[プラテン470A,470B]
図2において、プラテン470Aは、前後方向8において、搬送ローラ対450Aおよび排出ローラ対460Aの間に位置する。プラテン470Bは、前後方向8において、搬送ローラ対450Bおよび排出ローラ対460Bの間であって、プラテン470Aより後方に位置する。プラテン470A,470Bは、直線部442A,442Bの直下で前後方向8および左右方向9に拡がる上面で、直線部442A,442Bで搬送されるシート1A,1Bをそれぞれ支持する。
【0044】
[記録ヘッド480A,480B]
図2に示すように、記録ヘッド480A,480Bは、上下方向7において、プラテン470A,470Bから上方に僅かに離れてそれぞれ位置する。即ち、直線部442Aは、プラテン470Aおよび記録ヘッド480Aの間に繋がり、直線部442Bは、プラテン470Bおよび記録ヘッド480Bの間に繋がっている。
【0045】
記録ヘッド480Bは、記録ヘッド480Aよりも後方にずれて位置する。
【0046】
記録ヘッド480A,480Bは、プラテン470A,470Bで支持されるシート1A,1Bへとインクをそれぞれ吐出する。これにより、シート1A,1Bの各々には、画像が記録される。記録ヘッド480A,480Bは、シリアルヘッドやラインヘッドである。記録ヘッド480A,480Bは、インクジェット方式により画像を記録するが、これに限らず、電子写真方式や熱転写方式等により画像を記録してもよい。
【0047】
なお、プラテン470Aおよび記録ヘッド480Aの組み合わせは、第2記録エンジンの一例であり、プラテン470Bおよび記録ヘッド480Bの組み合わせは、第1記録エンジンの一例である。
【0048】
[内ガイド510,外ガイド520]
図4(A)に示すように、内ガイド510および外ガイド520の各々は、内側面207L,207Rの間で、筐体200内でフレームに据え付けられている。なお、図4(A)には要部以外の構成は図示されていない。また、内側面207Lに関しては一部のみが破線で示されている。これらの点は、図4(B)でも同様である。
【0049】
図2図4(A)において、内ガイド510は、前後方向8に薄く且つ左右方向9に長い形状を有する。内ガイド510は、前後方向8において搬送ローラ対450Aの僅かに後方で、上下方向7において供給口443Aとニップ位置P1aとの間に位置する。
【0050】
図4(A)において、内ガイド510は、湾曲部441Aの内側(即ち、前側及び下側)を区画するガイド面511を有する。ガイド面511は、湾曲部441Aの下端位置(即ち、供給口443Aの上下位置)において湾曲部441Aより前方の位置から上方へ延びつつ湾曲して前方に向かい、ニップ位置P1aより僅かに下方且つ後方の位置に至る。
ガイド面511は、湾曲部441Aより若干大きい左右寸法を有し、通紙中心面Cを基準として互いに左右対称(以下、単に、「左右対称」と称する)な形状である。
【0051】
図2図4(A)において、外ガイド520は、前後方向8に薄く且つ左右方向9に長い形状を有する。外ガイド520は、前後方向8において搬送ローラ対450Bの僅かに後方で、上下方向7においてニップ位置P1bと、装着位置の内側カバー530(図4(B)参照)の上端との間に位置する。
【0052】
なお、以下、特に断り書きが無い場合には、用語「内側カバー530」は、「装着位置の内側カバー530」を意味する。
【0053】
図4(A)に示すように、外ガイド520は、湾曲部441Bの内側(即ち、前側及び下側)において上寄りの部分を区画するガイド面521を有する。ガイド面521は、内側カバー530の外ガイド面534(図4(B)参照)の上端から上方へ延びつつ湾曲して前方に向かい、ニップ位置P1bより僅かに下方且つ後方の位置に至る。ガイド面521は、湾曲部441Bより若干大きい左右寸法を有し、左右対称な形状である。
【0054】
[内側カバー530]
内側カバー530は、筐体200において内側面207L,207Rの間の装着位置に取り付けられる。内側カバー530は、第2カバーの一例であり、装着位置は、第2閉位置の一例である。装着位置は、図4(B)に示すように、内ガイド510と概ね同じ左右位置であり、図2(A)に示すように、筐体200内において内ガイド510より外側(即ち、後方)の位置である。内側カバー530は、図2(B)に示すように、装着位置から後方へと取り外すことが可能である。
【0055】
図4(B)に示すように、内側カバー530は、外ガイド面534を有する。外ガイド面534は、湾曲部441Bの内側(即ち、前側)において下寄りの部分を区画する。外ガイド面534は、湾曲部441Bの下端位置(即ち、供給口443Bの上下位置)において湾曲部441Bより前方の位置から上方へ延びて、ガイド面521の下端に至る。即ち、湾曲部441Bの内側は、ガイド面521および外ガイド面534により区画される。外ガイド面534は、湾曲部441Bより若干大きい左右寸法を有し、左右対称な形状である。
【0056】
図5(A)に示すように、内側カバー530は、内ガイド面533を有する。内ガイド面533は、湾曲部441Aの外側(即ち、後側)を区画する。内ガイド面533は、供給口443Aの後端から上方へ延びつつ湾曲して前方に向かい、ニップ位置P1aより僅かに上方且つ後方の位置に至る(図4(B)参照)。内ガイド面533は、湾曲部441Aより若干大きい左右寸法を有し、左右対称な形状である。
【0057】
なお、内ガイド面533および外ガイド面534は、単一の湾曲面で構成されてもよいが、左右方向9に間隔をあけて並ぶ多数のリブの先端面で構成されてもよい。
【0058】
図5(A)に示すように、内側カバー530は、側面535L、535R、および凸部536L,536Rをさらに有している。
【0059】
側面535Rは、内ガイド面533および外ガイド面534の右端同士を繋ぐ。凸部536Rは、側面535Rから右方に突出し、左右方向9からの平面視で矩形形状の突出端面を有している。凸部536Rには、凹部538A,538Bが設けられている。凹部538Aは、凸部536Rの右前角において上寄りの位置で凹んでいる。詳細には、凹部538Aは、上面、下面、後面および左面により区画され、前方および右方に開放された形状を有する。凹部537Bは、凸部536Rにおいて凹部538Aよりも下方に位置する点を除き、凹部538Aと同様であるため、その説明を控える。
【0060】
側面535Lおよび凸部536Lは、側面535Rおよび凸部536Rと左右対称である。また、凸部536Lには、凹部538A,538Bと左右対称である凹部537A,537Bがそれぞれ設けられる。
【0061】
[位置決めピン211A,211B,212A,212B]
図5(A)に示すように、プリンタ100は、位置決めピン211A,211B,212A,212Bを有する。位置決めピン212Aは、筐体200の内側面207Rにおいて、装着位置の凹部538Aと同じ前後位置および上下位置から左方に突出する。位置決めピン212Bは、内側面207Rにおいて、装着位置の凹部538Bと同じ前後位置および上下位置から左方に突出する。位置決めピン211A,211Bは、筐体200の内側面207Lにおいて、位置決めピン212A,212Bと左右対称な位置から右方に突出する。
【0062】
位置決めピン211A,211B,212A,212Bには、凹部537A,537B,538A,538Bがそれぞれ嵌まり込む。これにより、内側カバー530は、装着位置(図2(A),図4(B)参照)に位置決められ、搬送路440Aの湾曲部441Aを閉塞する。また、後述の外側カバー540が開位置P2b(図2(B)参照)にあるときに、内側カバー530にユーザが後向きの力を加えることで、凹部537A,537B,538A,538Bは、位置決めピン211A,211B,212A,212Bから後方に離脱する。これにより、内側カバー530は、装着位置から後方へと移動し、湾曲部441Aを外部に開放する。
【0063】
なお、図5(A)には、筐体200の内側面207L,207Rの一部が示されている。また、内側面207Rは破線で示されている。この点は、図5(B)でも同様である。
【0064】
[シャフト213L,213R]
図5(B)に示すように、プリンタ100は、円柱形状のシャフト213L,213Rを有する。シャフト213Lは、筐体200の内側面207Lにおける左外側シャフト位置から右方に突出する。左外側シャフト位置は、湾曲部441Bおよび供給トレイ410Bの後端より後方で、且つ、供給トレイ410Bのガイド面412Bの上端よりも下方の位置である(図2参照)。
【0065】
シャフト213Rは、内側面207Rにおいて左外側シャフト位置と左右対称な右外側シャフト位置から、左方に突出する。
【0066】
シャフト213L,213Rは、左右方向9に沿う軸心216を共有する。シャフト213L,213Rは、閉位置P2a(図2(A)参照)および開位置P2b(図2(B)参照)の間で外側カバー540を回動可能に、外側カバー540の下端付近を支持する。
なお、シャフト213L,213Rは、外側シャフトの一例である。
【0067】
図2(A)に示すように、閉位置P2aは、外側カバー540が搬送路440Bの湾曲部441Bの外側(交差方向の他方側の一例)を区画するときの外側カバー540の位置である。なお、閉位置P2aは、第1閉位置の一例である。
【0068】
図2(B)に示すように、開位置P2bは、閉位置P2aから、軸心216の周方向において筐体200から離れる向き(以下、「離隔向き」とも称する)に離れた位置である。開位置P2bはさらに、外ガイド520のガイド面521と、内側カバー530の外ガイド面534とが外部空間に露出する外側カバー540の位置でもある。なお、開位置P2bは、第1開位置の一例である。
【0069】
なお、以下、特に断り書きが無い場合には、用語「外側カバー540」は、「閉位置P2aの外側カバー540」を意味する。
【0070】
[外側カバー540]
図1(B)において、外側カバー540は、左右方向9において内側面207L,207Rの間の空間を覆う。図2(B)に示すように、外側カバー540の上端は、ニップ位置P1bより上方に、外側カバー540の下端は、ガイド面412Bの上端より下方に位置する。なお、外側カバー540は、第1カバーの一例である。
【0071】
図2に示すように、外側カバー540は、供給トレイ410A,410Bより後方に位置し、外ガイド520および内側カバー530の外側(即ち、後方)に位置する。詳細には、外側カバー540は、上端部を除き、外ガイド520および内側カバー530の後方に位置する。
【0072】
図5(B)に示すように、外側カバー540は、ガイド面541を有する。ガイド面541は、図2(A)に示すように、湾曲部441Bの外側(即ち、前側および下側)を区画する。ガイド面541は、ガイド面412Bより後方の位置から上方へ延びて、ニップ位置P1bより僅かに上方且つ後方の位置に至り、湾曲部441Bの外側を区画する。
【0073】
図5(B)に示すように、ガイド面541は、左右対称な形状である。ガイド面541は、湾曲部441Bより若干大きく且つ内側カバー530の左右寸法より大きな左右寸法を有する。ガイド面541は、外ガイド面534より大きな上下寸法を有する。ガイド面541の外形は、後方からの平面視で、外側カバー540が閉位置P2aに位置するとき、装着位置の内側カバー530を内包する。
【0074】
なお、ガイド面541は、単一の湾曲面で構成されてもよいが、左右方向9に間隔をあけて並ぶ多数のリブの先端面で構成されてもよい。
【0075】
図1(B)に示すように、外側カバー540は、後面542を有する、後面542は、後面206L,206Rの間において外部に露出する。後面542において中央部より若干上方の位置には、外側カバー540の開閉操作時にユーザが手を掛けるための凹部が手掛け543として形成されている。
【0076】
図5(B)に示すように、外側カバー540は、突出部545L,545Rを有している。
【0077】
突出部545Lは、左右方向9に薄い板状形状であり、外側カバー540の上端から下端に亘って、ガイド面541より左方の位置から前方に突出している。突出部545Lにおいて左方の側面546Lの下端付近には、軸孔547Lが位置する。
【0078】
突出部545Rは、突出部545Lと左右対称であり、右方の側面546Rにおいて、軸孔547Lと対称な軸孔547Rが位置する。軸孔547L,547Rには、シャフト213L,213Rが挿通される。
【0079】
突出部545L,545Rの各々において上端付近には、凹部548L,548Rが設けられている。凹部548Lは、突出部545Lの突出端面から後方に凹んでいる。詳細には、凹部548Lは、上面、下面および後面により区画され、前方および左右両方に開放された形状を有する。凹部548Rは、凹部548Rと左右対称である。
【0080】
[位置決めピン214L,214R]
図5(B)に示すように、プリンタ100は、位置決めピン214L,214Rを有する。位置決めピン214Lは、筐体200の内側面207Lにおいて、凹部548Lと同じ前後位置および上下位置から右方に突出する。位置決めピン214Rは、内側面207Lにおいて、凹部548Rと同じ前後位置および上下位置から右方に突出する。
【0081】
位置決めピン214L,214Rは、凹部548L,548Lにそれぞれ嵌まり込む。
これにより、外側カバー540は、閉位置P2aに位置決められ、搬送路440Bの湾曲部441Bを閉塞する。また、外側カバー540の手掛け543(図1(B)参照)にユーザが手を掛けてユーザが離隔向きの力を加えることで、凹部548L,548Rは、位置決めピン214L,214Rから離隔向きに離脱する。これにより、外側カバー540は、閉位置P2aから開位置P2bへと移動し、湾曲部441Bを外部に開放する(図1(B)参照)。
【0082】
なお、内側面207R,207Lには、外側カバー540が開位置P2bよりも離隔向きに移動させないようにストッパ部材が設けられていてもよい。ストッパ部材はなくともよい。この場合、外側カバー540の離隔向きへの移動は、プリンタ100の設置面等により規制される。
【0083】
[中間搬送ローラ対490]
図3(B)に示すように、外ガイド520の下端付近には、収容空間522が形成されている。収容空間522は、左右方向9からの平面視で駆動ローラ490Aの外径よりも僅かに大きい概ね円形形状であり、左右方向9に延びる。収容空間522の後端は、湾曲部441Bへと開放され、ガイド面521内で延びる開口になっている。
【0084】
外側カバー540には、収容空間548が形成されている。収容空間548は、左右方向9からの平面視で従動ローラ490Bの外径よりも僅かに大きい概ね円形形状であり、左右方向9に延びる。収容空間548の前端は、湾曲部441Bへと開放され、ガイド面541内で延びる開口になっている。
【0085】
また、収容空間548は、湾曲部441Bを挟んで収容空間522と前後方向8において対向している。
【0086】
中間搬送ローラ対490は、駆動ローラ490Aと、従動ローラ490Bとを有する。
【0087】
駆動ローラ490Aおよび従動ローラ490Bは、収容空間522,548内において左右方向9に沿って延びる。駆動ローラ490Aは、駆動ローラ490Aの軸心周りに回転可能に、外ガイド520において収容空間522の左右両側に設けられる軸受(図示せず)により支持されている。従動ローラ490Bは、従動ローラ490Bの軸心周りに回転可能に、外側カバー540において収容空間548の左右両側に設けられる軸受(図示せず)により支持されている。駆動ローラ490Aおよび従動ローラ490Bは、収容空間522,548の開口から僅かに後方および前方に突出して、湾曲部441Bで当接し合う。
【0088】
駆動ローラ490Aは、搬送モータ551B(図2図3参照)で発生する駆動力により回転する。従動ローラ490Bは、駆動ローラ490Aの回転により従動回転する。中間搬送ローラ490対は、回転することで、湾曲部441Aよりも長い経路長の湾曲部441Bで搬送されるシート1A,1Bをニップし搬送向き5Bへと送る。
【0089】
ここで、図2に示すように、搬送モータ551Bは、筐体200において、プラテン470Bと搬送ローラ対450Aとの間の空間に位置する。
【0090】
[シートセンサ550A,550B]
図3(B)において、シートセンサ550A,550Bは、搬送路440A,440Bにおいて搬送ローラ対450A,450Bよりも僅かに上流側の検知位置P4a,P4bに設けられる。シートセンサ550A,550Bは、図3(A)に示すように、シート信号S1a,S1bをコントローラ560にそれぞれ出力する。シート信号S1a,S1bは、シート1A,1Bが検知位置P4a,P4bに無いとき、後述のシート閾値以上のレベルをそれぞれ有する。シート信号S1a,S1bは、シート1A,1Bが検知位置P4a,P4bに有るとき、シート閾値未満のレベルをそれぞれ有する。
【0091】
[コントローラ560]
図3(A)において、コントローラ560は、筐体200内に設けられた制御回路基板上に実装されたCPU、ROM、RAM、EEPROM、およびASIC等を有する。CPU、ROM、RAM、EEPROM、およびASICは、内部バスにより相互に通信可能に接続されている。ROMには、プリンタ100の動作を制御するためのプログラムなどが記憶される。CPUは、プログラムをRAMやEEPROMを使いつつ実行する。
【0092】
コントローラ560は、プリンタ100と通信可能な情報処理装置により送信されたジョブを受け付けると、画像データに基づく画像を条件情報に従って記録するために、プリンタ100の構成各部を制御する。
【0093】
詳細には、コントローラ560は、2つのジョブの一方に含まれる画像データに基づく画像を記録ヘッド480Aを用いて記録し、且つ他方に含まれる画像データに基づく画像を記録ヘッド480Bを用いて記録するようにプリンタ100の構成各部を制御する。
【0094】
他にも、コントローラ560は、複数の画像を示す画像データを1つのジョブに含む場合、一部の画像を記録ヘッド480Aを用いて記録し、且つ残りの画像を記録ヘッド480Bを用いて記録するようにプリンタ100の構成各部を制御してもよい。
【0095】
[ディスプレイ570]
ディスプレイ570は、前面201Rにおいて上端付近に位置する。ディスプレイ570は、コントローラ560により送信される画像データに基づく各種画像を表示する。なお、ディスプレイ570は、筐体200において他の位置に設けられていてもよい。
【0096】
[プリンタ100の動作]
図2(A)に示すように、プリンタ100が画像記録可能な状態では、供給トレイ410A,410Bは、筐体200内に位置する。内側カバー530は、装着位置に位置し、外側カバー540は、閉位置P2aに位置する。これにより、ユーザは、搬送路440A,440Bにアクセス不能となっている。
【0097】
コントローラ560は、ジョブを受け付けると、記録ヘッド480A,480Bを用いた画像記録を開始した後、シートセンサ550A,550Bからシート信号S1a,S1bを定期的に受信する。コントローラ560は、シート信号S1a,S1bが、給送機構430A,430Bの給送開始から所定時間が経過する間にレベル閾値未満になったか否かを判断する。
【0098】
シート信号S1a,S1bの双方がレベル閾値未満と判断した場合、搬送路440A,440Bでジャムは発生していないため、コントローラ560は、記録ヘッド480A,480Bを用いた画像記録を続行する。
【0099】
シート信号S1aがレベル閾値未満でないと判断した場合、搬送路440Aでジャムが発生しているとして、コントローラ560は、記録ヘッド480A,480Bを用いた画像記録を停止する。
【0100】
画像記録の停止後、コントローラ560はさらに、ディスプレイ570に画像データを送信して、ディスプレイ570に第1ガイダンス画像を表示させる。第1ガイダンス画像は、外側カバー540および内側カバー530を開放して、搬送路440Aで詰まっているシート1Aを除去することを示す画像である。ユーザは、第1ガイダンス画像が示す内容に従って、閉位置P2aの外側カバー540を開位置P2bに移動させた後、装着位置の内側カバー530を取り外す。内側カバー530が取り外される過程で、内ガイド面533は、搬送路440Bの湾曲部441Bを横切る。その後、ユーザは、搬送路440Aで詰まっているシート1Aを除去する。
【0101】
シート信号S1bがレベル閾値未満でないと判断した場合、搬送路440Bでジャムが発生しているとして、コントローラ560は、記録ヘッド480Bを用いた画像記録を停止する。この場合、コントローラ560は、記録ヘッド480Aを用いた画像記録を続行させる。
【0102】
画像記録の停止後、コントローラ560はさらに、ディスプレイ570に第2ガイダンス画像を表示させる。第2ガイダンス画像は、外側カバー540を開放して、搬送路440Bで詰まっているシート1Bを除去することを示す画像である。ユーザは、第2ガイダンス画像が示す内容に従って、閉位置P2aの外側カバー540を開位置P2bに移動させた後、搬送路440Bで詰まっているシート1Bを除去する。
【0103】
コントローラ560は、ユーザによるジャム処理が終了すると、停止させた画像記録を再開する。
【0104】
[実施形態の作用・効果]
実施形態によれば、外側カバー540が閉位置P2aから開位置P2bに移動した後も、内側カバー530は、装着位置で留まり、搬送路440Aを形成した状態を維持する。
そのため、搬送路440Bでジャムが発生した場合でも、記録ヘッド480Aを用いた画像記録を停止させる必要がない。これにより、プリンタ100の稼働率の低下を抑制できる。
【0105】
また、搬送路440A,440Bは、湾曲部441A,441Bを有するため、プリンタ100を低背化できる。
【0106】
また、供給トレイ410A,410Bの各々は、筐体200において、記録ヘッド480A,480Bの双方よりも下方に位置するため、ユーザの使い勝手がよい。
【0107】
また、内側カバー530が搬送路440Aの外側を区画し且つ搬送路440Bの内側を区画する。そのため、プリンタ100によれば、搬送路440Aの外側および搬送路440Bの内側を個々に区画する2個のカバーとの比較において、プリンタ100を小型化できる。
【0108】
また、後方からの平面視で、外側カバー540は内側カバー530を内包するため、外側カバー540が閉位置P2aにあるとき、ユーザは、内側カバー530を操作できない。そのため、搬送路440Bでジャムが発生した場合において記録ヘッド480Aを用いた画像記録が実行中に、内側カバー530を外側カバー540の開操作よりも先に取り外す等の誤操作が防止される。
【0109】
内側カバー530は、取り外される過程で内ガイド面533が湾曲部441Bの位置を横切るように構成されている。これにより、搬送路440Aの湾曲部441Aを簡単に開放できる。
【0110】
[変形例]
以下、プリンタ100の各種変形例について説明する。以下の変形例の説明では、実施形態に対する相違点について詳説し、実施形態との共通点については説明を控えるか簡素化する。
【0111】
[第1変形例(ロック機構700L,700R)]
図6は、第1変形例に係る内側カバー530を示す模式図である。図6の内側カバー530は、図5(A)の構成と比較すると、ロック機構700L,700Rを備える点とで相違する。
【0112】
ロック機構700Rは、内側カバー530を装着位置でロックするロック状態(図6(A)参照)と、ロック状態を解除する解除状態(図6(B)参照)とに切り替える。具体的には、ロック機構700Rは、ストッパ部材701Rと、レバー706Rとを有する。
【0113】
内側カバー530において、凹部538Aは、下面の前端付近に開口702Rを有する。凸部536Rは、後面に開口703Rを有する。内側カバー530内には、開口702Rから後方へと延び開口703Rに至る収容空間704Rが形成されている。ストッパ部材701Rは、開口702Rの前端付近に収容されている。
【0114】
ストッパ部材701Rの下端からは、収容空間704Rを通って開口703Rに至るレバー706Rが延びている。レバー706Rは、前端および後端の中間位置で、左右方向9に延びるシャフト707R周りに揺動可能に内側カバー530に支持されている。シャフト707Rには、ねじりばね(図示せず)が取り付けられ、これにより、ストッパ部材701Rは上方に付勢されている。
【0115】
ストッパ部材701Rは、上位置P5a(図6(A)参照)と、下位置P5b(図6(B)参照)との間で上下動する。上位置P5aは、ねじりばねにモーメントが加わっていないときのストッパ部材701Rの上端の位置であって、凹部538Aの下面よりも上方の位置である。下位置P5bは、凹部538Aの下面と実質的に同じまたは下面より下方の位置である。
【0116】
なお、ロック機構700Lは、ロック機構700Rと左右対称であり、図6(A)と同様の構成を有し、ロック機構700Rと同様に動作する。そのため、ロック機構700Lの説明を控える。
【0117】
ユーザは、内側カバー530を装着位置に取り付ける過程で、まず、外側カバー540を開位置P2bへと移動させる。その後、ユーザは、レバー706Rの後端に指を掛けて開口703R内で上方に移動させる。これにより、ストッパ部材701Rには下向きの力が加わり、ストッパ部材701Rは、ねじりばねによる付勢力に抗して、上位置P5aから下位置P5bに移動する。この状態で、ユーザは、内側カバー530を装着位置に装着する。その後、ユーザは、レバー706Rから指を離す。その結果、ストッパ部材701Rには、ねじりばねの付勢力により下位置P5bから上位置P5aに移動する。これにより、ロック機構700Rは、ロック状態となる。
【0118】
ユーザは、内側カバー530を装着位置から取り外す過程で、外側カバー540を開位置P2bへと移動させた後、レバー706Rの後端を上方に指で移動させる。これにより、ストッパ部材701Rは、上位置P5aから下位置P5bに移動し、解除状態となる。
解除状態で、ユーザは、内側カバー530を装着位置から離脱させる。
【0119】
ロック機構700L,700Rがロック状態になることで、装着位置の内側カバー530に、搬送路440Aの湾曲部441Aで搬送されるシート1Aが当接し、内側カバー530に後向きの力が加わったとしても、内側カバー部材530が後方に位置ずれまたは離脱することが抑制される。また、プリンタ100が画像記録可能な状態では、外側カバー部材540が閉位置P2aにあるとき、内側カバー部材530は、外側カバー部材540により遮蔽されるため、ユーザはロック機構700L,700Rを操作できない。
【0120】
[第2変形例(内側カバー530)]
図7は、第2変形例に係る内側カバー530を示す模式図である。図7の内側カバー530は、図4(B),図5(A)の構成と比較すると、外ガイド520と内側カバー530とが一体である点と、凹部537B,538Bに代えて軸孔221L,221Rを有する点とで相違する。また、内側面207L,207Rは、位置決めピン211B,212Bに代えてシャフト231L,231Rを有している点で相違する。
【0121】
[シャフト231L,231R]
図7(A)において、シャフト231Lは、内側面207Lにおいて、前述の左外側シャフト位置より上方且つ前方の左内側シャフト位置から、シャフト213Lと平行に右方に突出する。より詳細には、左内側シャフト位置は、上下方向7において、供給口443A,443Bの間、即ち、搬送路440A,440Bの上流端の間である。シャフト231Rは、左内側シャフト位置と左右対称な右内側シャフト位置から、シャフト213Rと平行に左方に突出する。シャフト231L,231Rは、左右方向9に沿う軸心232を共有する。
【0122】
シャフト231L,231Rは、内側シャフトの一例である。また、シャフト213L,213Rは、外側シャフトの一例である。
【0123】
[軸孔221L,221R]
軸孔221Lは、内側カバー530において、側面535Lの下端付近に位置する。軸孔221Rは、内側カバー530の側面535Rにおいて、軸孔221Lと左右対称な位置に形成される。軸孔221L,221Rには、シャフト231L,231Rがそれぞれ挿通される。
【0124】
上記構成により、内側カバー530は、図7(B)に示すように、閉位置P6aおよび開位置P6bの間で、軸心232の周方向に、外ガイド520とともに回動可能に、筐体200により支持される。閉位置P6aは、凹部537A,538Aが位置決めピン211A,212Aに嵌まり込み、内側カバー530が搬送路440Aの湾曲部441Aの外側(交差方向の他方側の一例)を区画しているときの内側カバー530の位置である。なお、閉位置P6aは、第2閉位置の他の例である。開位置P6bは、閉位置P6aから、軸心232の周方向において湾曲部441Aから離れる向きに離れた位置である。開位置P6bはさらに、内ガイド510のガイド面511が外部空間に露出する内側カバー530の位置でもある。
【0125】
上記構成によれば、ユーザは、2個の凹部537A,538Aを2個の位置決めピン211A,212Aに嵌めればよいため、ガイド面511を露出させ易い。また、シャフト231L,231Rは、搬送路440A,440Bの上流端の間から突出し、シャフト213L,213Rは、搬送路440Bの上流端よりも下方から突出するため、ガイド面511と、ガイド面521および外ガイド面534とを露出させ易い。
【0126】
内側カバー530が閉位置P6aおよび開位置P6bの間で移動する過程で、内ガイド面533は、搬送路440Bの湾曲部441Bの位置を横切ることになる。これにより、搬送路440Aの湾曲部441Aを簡単に開放できる。
【0127】
[第3変形例(内側カバー530,外側カバー540)]
図8は、第3変形例に係る内側カバー530を示す模式図である。図8の内側カバー530は、図7(B)の構成と比較すると、軸孔221L,221Rに代えて、2個一対のアーム223L,223Rを有している点で相違する。内側面207L,207Rは、シャフト231L,231Rを有していない点で相違する。
【0128】
図8において、アーム223Rは、内側カバー530の右下隅から、外側カバー540の右方を通ってシャフト213Rに至る。詳細には、アーム223Rは、基部224Rと、連結部225Rとを有している。基部224Rは、内側カバー530の側面535Rにおける下端付近の位置から右方に、外側カバー540の側面546Rより僅かに右方に位置まで突出する。連結部225Rは、左右方向9に薄く細長い板状形状である。連結部225Rは、基部224Rの突出端から後方へと延び、側面546Rのすぐ右方を通過して、シャフト213Rよりも僅かに後方の位置に至る。連結部225Rの先端部には、シャフト213Rが挿通される軸孔226Rが形成されている。
【0129】
アーム223Lは、基部224R、連結部225Rおよび軸孔226Rと左右対称な基部224L、連結部225Lおよび軸孔226Lを有している。
【0130】
上記の通り、アーム223L,223Rは、シャフト213L,213Rの軸心232()が延びる軸心方向の左側および右側から延出する。アーム223L,223Rは、シャフト213L,213Rにおいて外側カバー540よりも左方および右方の位置で、軸孔226L,226Rを介してシャフト213L,213Rに回転可能に支持される。これにより、シャフト213L,213Rを、内側カバー530および外側カバー540が共用できる。なお、シャフト213L,213Rは、共通シャフトの一例である。
【0131】
なお、第3変形例では、アーム223L,223Rは、内側カバー530の左下隅および右下隅から、外側カバー540の左方および右方を通ってシャフト213L,213Rに至る。しかし、これに限らず、連結部225Rは、基部224Rの突出端から、外側カバー540において側面546Rより左方に形成されたスリット状の空隙を通じてシャフト213Rに至ってもよい。
【0132】
「その他の変形例」
搬送路440A,440Bは、所謂S字状経路またはストレート経路であってもよい。
【0133】
S字状経路の場合、記録ヘッド480Aおよびプラテン470Aの間と、排出トレイ420Aとを、搬送路440Aにおいて湾曲部441Aとは別の湾曲部が繋ぐ。記録ヘッド480Bおよびプラテン470Bの間と、排出トレイ420Bとを、搬送路440Bにおいて湾曲部441Bとは別の湾曲部が繋ぐ。これら別の湾曲部用に、内側カバー530および外側カバー540と同様の内側カバーおよび外側カバーが設けられてもよい。この場合、排出トレイ420A,420Bは、第1トレイおよび第2トレイの一例である。
【0134】
ストレート経路の場合、供給トレイ410A,410Bと排出トレイ420A,420Bとは前後方向8や左右方向9に離れて位置する。搬送路440Aは、供給トレイ410Aと排出トレイ420Aとを直線部だけで繋ぎ、搬送路440Bは、供給トレイ410Bと排出トレイ420Bとを直線部だけで繋ぐ。これら直線部に、内側カバー530および外側カバー540と同様の内側カバーおよび外側カバーが設けられてもよい。
【0135】
奥面203A,203Bは、前後方向8において互いに同じ位置にあってもよい。同様に、供給トレイ410A,搬送ローラ対450B、記録ヘッド480B、プラテン470B、排出ローラ対460Bは、供給トレイ410B、搬送ローラ対450A、記録ヘッド480A、プラテン470A、排出ローラ対460Aの真上にあってもよい。
【0136】
前後方向8において、内側カバー530の少なくとも一部が外側カバー540と重複していればよい。これによっても、外側カバー540が閉位置P2aにあるとき、ユーザは、内側カバー530を操作し難くなるため、誤操作が抑制される。
【符号の説明】
【0137】
100・・・プリンタ(画像記録装置)
200・・・筐体
213L,213R・・・シャフト(外側シャフト,共通シャフト)
231L,231R・・・シャフト(内側シャフト)
410A・・・供給トレイ(第2トレイ,第2供給トレイ)
410B・・・供給トレイ(第1トレイ,第1供給トレイ)
420A,420B・・・排出トレイ(第1トレイ,第2トレイ)
440A・・・搬送路(第2搬送路,内側搬送路)
440B・・・搬送路(第1搬送路,外側搬送路)
470A,470B・・・プラテン(第2記録エンジン,第1記録エンジン)
480A,480B・・・記録ヘッド(第2記録エンジン,第1記録エンジン)
530・・・内側カバー(第2カバー)
540・・・外側カバー(第1カバー)
700L,700R・・・ロック機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1トレイと、
第2トレイと、
第1記録エンジンと、
第2記録エンジンと、
上記第1トレイと、上記第1記録エンジンとを繋ぎ、第1シートが搬送される第1搬送路と、
上記第1搬送路よりも、上記第1シートが搬送される搬送向きと交差する交差方向における一方側で、上記第2トレイと、上記第2記録エンジンとを繋ぎかつ上記第1搬送路と繋がっておらず、第2シートが搬送される第2搬送路と、
上記第1搬送路における上記交差方向の他方側の第1閉位置で上記第1搬送路を閉塞し、上記第1閉位置から離れることで上記第1搬送路を開放する第1開位置に移動する第1カバーと、
上記第2搬送路における上記他方側の第2閉位置で上記第2搬送路を閉塞し、上記第2閉位置から離れることで上記第2搬送路を開放する第2開位置に移動する第2カバーとを備え、
上記第1カバーは、上記第1カバーが上記第1閉位置にある際の上記一方側に上記第1シートをガイドする第1ガイド面を有し、
上記第2カバーは、上記第2カバーが上記第2閉位置にある際の上記一方側に上記第2シートをガイドする第2ガイド面を有する、画像記録装置。
【請求項2】
上記第2カバーは、上記第2カバーが上記第2閉位置にある際の上記他方側に上記第1シートをガイドする第3ガイド面を有する、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像記録装置であって、
上記第1カバーは、上記第1カバーが上記第1閉位置にある際の上記他方側に上記画像形成装置の外面を有する。
【請求項4】
上記第1トレイおよび上記第1記録エンジンは、上下方向に互いに離間し、
上記第2トレイおよび上記第2記録エンジンは、上記上下方向において上記第1トレイおよび上記第1記録エンジンの間に位置し、
上記第1トレイおよび上記第2トレイは、第1供給トレイおよび第2供給トレイであって、
上記第1搬送路は、上記第1供給トレイから湾曲しつつ上記第1記録エンジンに至る外側搬送路であり、
上記第2搬送路は、上記第2供給トレイから湾曲しつつ上記第2記録エンジンに至り、上記外側搬送路よりも内側で上記外側搬送路に沿って延びる内側搬送路であり、
上記第1カバーは、上記第1閉位置で上記外側搬送路における外側を形成し、上記第1閉位置から離れることで上記外側搬送路を開放する外側カバーであり、
上記第2カバーは、上記第2閉位置で上記内側搬送路における外側を形成し、上記第2閉位置から離れることで上記内側搬送路を開放する内側カバーである請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記第1供給トレイは、上記第1記録エンジンより下方に位置し、
上記第2供給トレイは、上記第2記録エンジンより下方に位置する請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記第1カバーを回転可能に支持する第1シャフトと、
上記第1シャフトより上方の位置で上記第1シャフトと平行であり、上記第2カバーを回転可能に支持する第2シャフトとを備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記第1シャフトは、上記第1搬送路の上流端部より下方に位置し、
上記第2シャフトは、上記上下方向において上記第2搬送路の上流端部および上記第1搬送路の上流端部の間に位置する請求項6に記載の画像記録装置。