(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071450
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/31 20060101AFI20240517BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20240517BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/42
A61K8/41
A61K8/06
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043580
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2023129093の分割
【原出願日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2022126617
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】對間 秀利
(57)【要約】
【課題】肌に塗布したときの吸収感や保湿感に優れ、水で濡れた肌に塗布したときにも塗
りのばしやすく、ベタツキやヌルツキがなく、被膜感・保護感が得られる水中油型乳化組
成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上 2~20質量%、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9である水中油型乳化組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上 2~20質量%、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9である水中油型乳化組成物。
【請求項2】
成分(B)が、アシルアミノ酸ジエステルを含む請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
成分(C)が、カチオン界面活性剤である請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
成分(D)として、セラミド類を全組成中に1質量%以上含有する請求項1~3のいず
れか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤 0.1~5質量%、
(D)セラミド類 1~20質量%、
(E)水
を含有する水中油型乳化組成物。
【請求項6】
さらに、(F)HLB13以上の非イオン性界面活性剤を0.1質量%未満含む、請求
項1~5のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項7】
さらに、(G)カチオン性ポリマーを含有する請求項1~6のいずれか1項記載の水中
油型乳化組成物。
【請求項8】
さらに、(H)トコフェロール及びその誘導体から選ばれる1種以上を含有する請求項
1~7のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項9】
水で濡れた皮膚に塗布して使用する、請求項1~8のいずれか1項記載の水中油型乳化
組成物。
【請求項10】
皮膚に塗布した後水ですすいで使用する、請求項1~8のいずれか1項記載の水中油型
乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴直後から就寝時での身体の乾燥状態に対して、保湿効果のある化粧料などを
塗布することにより、全身保湿ケアが行われている。
保湿効果の高いセラミド類等を含有する組成物として、例えば、天然型セラミドと、多
価アルコールと、ノニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を含
有するセラミド分散組成物(特許文献1)や、スフィンゴシン、擬似スフィンゴシン、こ
れらの塩、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤から選ばれる化合物、セラミド類
、グリセリンモノ脂肪酸エステル、高級アルコール、水を含有する乳化組成物(特許文献
2)などが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-30705号公報
【特許文献2】特開2007-22997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乾燥性敏感肌の人においては、入浴後に全身の肌に化粧料等を塗布しても、その効果を
十分に持続・改善することが困難であり、全身の肌の乾燥や肌荒れを繰り返してしまうと
いう課題があった。例えば、化粧料を塗布した後、汗をかいたり水がかかると化粧料が流
れて肌からとれてしまい、保湿効果が損なわれることがあった。また、入浴後、濡れた肌
をタオルで拭いてから全身の肌に化粧料を塗布しようとすると、タオルで肌を拭く時間が
かかり、さらに肌を拭いて乾いた状態の肌に化粧料を塗り広げるには、化粧料が伸びにく
く、塗り広げる時間がかかってしまう。そのため、タオルで濡れた肌を拭く時間と全身の
肌に化粧料塗り広げる時間とが合わさって時間がかかり、その間に肌が乾燥し始めてしま
うという課題もあった。
また、保湿効果の高い化粧料は、ベタツキやヌルツキを感じやすかった。
さらに、化粧料塗布後のベタツキは抑えられても、依然として化粧料が肌に塗布された
ことが気になる人は、塗布した後にシャワー等で化粧料を流したいが、流すと化粧料は肌
から流れてしまい、保湿感や塗布後の光沢感などの効果が得られないという課題もあった
。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、特定の2種以上の液状油を特定の割合で含有し、さらにカチオン界面活
性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上、セラミド類、25℃でペースト状の炭化水
素油、25℃でペースト状のエステル油から選ばれる1種以上を含有する水中油型乳化組
成物が、乾いた肌に塗布したときの水中油型乳化組成物の吸収感や、その後に水で流した
後も保湿感に優れ、水で濡れた肌に塗布したときには塗りのばしやすく、ベタツキやヌル
ツキがなく、被膜感・保護感が得られ、また濡れた肌に塗布して水で流しても、肌の光沢
感に優れ、ベタツキがないことを見出した。
【0006】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上 2~20質量%、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9である水中油型乳化組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤 0.1~5質量%、
(D)セラミド類 1~20質量%、
(E)水
を含有する水中油型乳化組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水中油型乳化組成物は、水で濡れた肌に塗布したときには、タオルで拭いても
水中油型乳化組成物が肌に残るため、被膜感・保護感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】試験例において、水中油型乳化組成物を塗布した部位から採取する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる成分(A)は、25℃液状の炭化水素油である。
本発明において、液状とは、25℃における粘度が10000mPa・s以下であるこ
とをいう。粘度は、B型粘度計(VISCOMETER TVB-10、東機産業社製)、ローターNo.
4、12rpm、1分で測定するものである。
成分(A)の炭化水素油としては、例えば、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン
、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパ
ラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソドデカン等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イ
ソパラフィン、軽質イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2
種以上を含むのが好ましく、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、α-オ
レフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、流動パラフ
ィン、流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上を
含むのがさらに好ましく、流動パラフィンを含むのがよりさらに好ましい。
【0011】
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、安定性、乾いた肌に塗布したと
きの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時
のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光
沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上で
あるのが好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、4質
量%以上がよりさらに好ましく、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下が
より好ましく、7質量%以下がさらに好ましく、6.5質量%以下がよりさらに好ましく
、6質量%以下がことさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.1
~20質量%であるのが好ましく、1~10質量%がより好ましく、1~7質量%がさら
に好ましく、2~6.5質量%がよりさらに好ましく、4~6質量%がことさらに好まし
い。
【0012】
成分(B)は、25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる
1種以上である。
成分(B)のうち、高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、ウ
ンデシレン酸等が挙げられる。これらのうち、乾いた肌に塗布してから水洗した後の保湿
感、濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した
後の肌の光沢感を向上させる観点から、オレイン酸、イソステアリン酸から選ばれる1種
以上を含むのが好ましい。
【0013】
また、高級アルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、デシルアルコール、2
-オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルア
ルコール等が挙げられる。これらのうち、乾いた肌に塗布してから水洗した後の保湿感、
濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の
肌の光沢感を向上させる観点から、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコー
ル、オレイルアルコールが好ましく、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールか
ら選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましい。
【0014】
エステル油としては、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油及びテトラエス
テル油が挙げられ、25℃で液状であればいずれでもよい。
モノエステル油としては、炭素数2~24の脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジ
カルボン酸のモノエステルが挙げられ、具体例としては、2-エチルヘキサン酸セチル、
オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸
ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミ
リスチル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸
オクチル、パルミチン酸2-ヘキシルデシルステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチ
ル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、イソデシルベンゾエート、メトキ
シケイヒ酸オクチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル
、コハク酸2-エチルヘキシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、安息香酸アルキル(C
12~C15)等が挙げられる。
モノエステル油としては、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの
吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌ
ルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感
、ベタツキのなさを向上させる観点から、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソト
リデシル、ミリスチン酸オクチルドデシルから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ま
しく、イソノナン酸イソノニルを含むのがより好ましい。
【0015】
ジエステル油としては、炭素数3~18のジカルボン酸のジエステル、多価アルコール
のジ脂肪酸エステル等が挙げられ、具体例としては、ジカプリル酸プロピレングリコール
、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、ジイソステアリン
酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミ
リスチン酸グリセリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、コハク酸ジ2-エチル
ヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-エチルヘキサ
ン酸エチレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデ
シル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等が挙げられる。また、アシルアミノ酸エステ
ルとして、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチルドデシル
)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)等
のアシルアミノ酸ジエステルが挙げられる。
ジエステル油としては、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸
収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌル
ツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、
ベタツキのなさを向上させる観点から、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン
酸ネオペンチルグリコール、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-
オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オク
チルドデシル)から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、ジカプリン酸ネオペ
ンチルグリコール、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチル
ドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデ
シル)から選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、ジカプリン酸ネオペンチ
ルグリコール、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルド
デシル)から選ばれる1種以上を含むのがさらに好ましく、ラウロイル-L-グルタミン
酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)を含むのがよりさらに好ましい。ジエス
テル油としては、アシルアミノ酸エステルが好ましい。
【0016】
トリエステル油としては、トリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、1以上の構成脂
肪酸が炭素数6~22の脂肪酸トリグリセリドであるのが好ましく、水中油型乳化組成物
の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布し
たときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、
肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、構成脂
肪酸のうち2以上が炭素数6~22であるものがより好ましく、構成脂肪酸の全てが炭素
数6~22であるものがさらに好ましい。
かかるトリグリセリン脂肪酸エステルとしては、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセ
リル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリ2-エ
チルへキサン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸グリセリ
ル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸
グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリ
ミリスチン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリ
リノール酸グリセリル、トリパルミトレイン酸グリセリル等が挙げられる。また、トリヤ
シ油脂肪酸グリセリル、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油
、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、アボカド油、キャノーラ油、キョウニン油、米胚芽油
、米糠油等の植物油などが挙げられる。
【0017】
これらのうち、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水
洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのな
さ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキ
のなさを向上させる観点から、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリ
ル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、トリ2-エチルへキサン酸グリ
セリル、トリカプリル酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸グリセリル、トリステアリン
酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリオ
レイン酸グリセリル、植物油から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、トリ(
カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、植物油から
選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、トリ(カプリル・カプリン酸)グリ
セリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、オリーブ油、ホホバ油から選ばれる1種
又は2種以上を含むのがさらに好ましく、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、オ
リーブ油から選ばれる1種以上を含むのがよりさらに好ましく、トリ(カプリル・カプリ
ン酸)グリセリルを含むのがことさらに好ましい。
【0018】
テトラエステル油としては、4価以上の多価アルコールのテトラ脂肪酸エステルが挙げ
られ、具体的には、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリッ
ト、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラオクタン酸ペンタエリスリット
、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリットが挙げられる。
【0019】
成分(B)としては、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収
感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツ
キのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベ
タツキのなさを向上させる観点から、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油か
ら選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、ジエステル油を含むのがより好ましく
、アシルアミノ酸ジエステルを含むのがさらに好ましい。
また、成分(B)としては、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したとき
の吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時の
ヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢
感、ベタツキのなさを向上させる観点から、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィ
トステリル・2-オクチルドデシル)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナ
ン酸イソノニル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルから選ばれる1種又は2種以
上を含むのが好ましく、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オ
クチルドデシル)を含むのがより好ましい。
【0020】
成分(B)は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、水中油型
乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた
肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝
の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点か
ら、全組成中に0.5質量%以上であるのが好ましく、1質量%以上がより好ましく、1
.5質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がよりさらに好ましく、10質量%以下
であるのが好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、4
質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.5~1
0質量%であるのが好ましく、1~8質量%がより好ましく、1.5~6質量%がさらに
好ましく、2~4質量%がよりさらに好ましい。
【0021】
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、安定性
や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの
塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布
して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、0.1以上であ
るのが好ましく、0.45以上がより好ましく、1.1以上がさらに好ましく、10以下
が好ましく、7以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対す
る成分(A)の質量割合(A)/(B)は、0.1~10であるのが好ましく、0.45
~7がより好ましく、1.1~3がさらに好ましい。
【0022】
本発明において、成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)は、水中油型乳化
組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に
塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保
湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、
全組成中に1質量%以上であるのが好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以
上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、30質量%以下であるのが好
ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%
以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)は
、全組成中に1~30質量%であるのが好ましく、2~20質量%がより好ましく、3~
15質量%がさらに好ましく、5~10質量%がよりさらに好ましい。
【0023】
本発明において、成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)
/((A)+(B))は、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸
収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌル
ツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、
ベタツキのなさを向上させる観点から、0.05以上であり、0.1以上が好ましく、0
.15以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、0.35以上がよりさらに好
ましく、0.9以下であり、0.8以下が好ましく、0.75以下がより好ましく、0.
7以下がさらに好ましく、0.5以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)及び(B
)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B))は、0.05~0
.9であり、0.1~0.8が好ましく、0.15~0.75がより好ましく、0.3~
0.7がさらに好ましく、0.35~0.5がよりさらに好ましい。
【0024】
成分(C)は、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上である。
成分(C)のカチオン界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればい
ずれでも良く、例えば、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、アミン塩型カチオ
ン界面活性剤が挙げられ、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好ましい。なお
、アミン塩型カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩が挙げられる。
このようなカチオン界面活性剤の中でも、下記一般式(1)で表わされる第4級アンモ
ニウム塩型カチオン界面活性剤が好ましい。
【0025】
【0026】
〔式(1)中、
R1は、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、
R2は、炭素数1~4のアルキル基を示し、
R3及びR4は、各々独立して、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数6以上の直鎖、
分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し、
AN-は、塩形成アニオンを示す。〕
【0027】
一般式(1)中、R1、R3及びR4で示される「直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽
和の炭化水素基」の炭素数は、6~30が好ましく、8~24がより好ましく、12~2
2がさらに好ましく、16~20がよりさらに好ましい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基が挙げられる。こ
れらの中では、アルキル基、アルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
上記アルキル基の炭素数は、上記と同様に、6~30が好ましく、8~24がより好ま
しく、12~22がさらに好ましく、16~20がよりさらに好ましい。また、上記アル
キル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、1-メチルデシル基、ドデシル基、1-メチルウンデシル基、1-エチルデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、ベヘニル基等が挙げられる。
上記アルケニル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、デセニル基、ウンデセニル
基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基等が挙げられる。
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0028】
R2、R3及びR4で示される「炭素数1~4のアルキル基」の炭素数は、1又は2が好
ましく、1がより好ましい。また、このアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例え
ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基等が挙げられる。
【0029】
R3及びR4の組み合わせとしては、R3及びR4がともに、炭素数1~4のアルキル基で
ある組み合わせ、R3及びR4のうち1つが炭素数1~4のアルキル基であり、残余が炭素
数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み合わせ、R3
及びR4がともに、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基
である組み合わせが挙げられる。これら組み合わせの中では、R3及びR4がともに、炭素
数1~4のアルキル基である組み合わせ、R3及びR4のうち1つが炭素数1~4のアルキ
ル基であり、残余が炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基
である組み合わせが好ましく、R3及びR4のうち1つが炭素数1~4のアルキル基であり
、残余が炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である組み
合わせがより好ましい。
【0030】
また、一般式(1)中、AN-は、塩形成アニオンを示す。例えば、ハロゲン化物イオ
ン(例えば、塩化物イオン、ヨウ化物イオン)、硫酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン
、乳酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、モノアルキル硝酸イオ
ン(例えば、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン)等が挙げられ、ハロゲン化物イオン
が好ましい。
【0031】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デ
シルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシル
トリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシル
トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメ
チルアンモニウム等のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩類;塩化ジデシルジメチル
アンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニ
ウム塩類;トリアルキルメチルアンモニウム塩類などが挙げられる。
これらのうち、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩類、ジアルキルジメチルアンモ
ニウム塩類から選ばれる1種以上を含むのが好ましく、ジアルキルジメチルアンモニウム
塩類を含むのがより好ましい。また、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウムから選ばれる1種以上を含むのが好ましく、塩化ジステアリ
ルジメチルアンモニウムを含むのがより好ましい。
【0032】
成分(C)の両性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれ
でも良く、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型界面活性剤
、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤、2-アルキル
-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾ
リニウムベタイン型界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン
型界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤、ア
ミノ酸系両性界面活性剤などが挙げられる。
これらのうち、乳化性、水中油型乳化組成物の安定性を向上させる観点から、アミノ酸
系両性界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤、イミダ
ゾリニウムベタイン型界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、
アミノ酸系両性界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤
から選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、アミノ酸系両性界面活性剤、ス
ルホベタイン型界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、ア
ミノ酸系界面活性剤を含むのがよりさらに好ましい。
これら両性界面活性剤としては、例えば、N-[3-アルキル(12,14)オキシ-
2-ヒドロキシプロピル]-L-アルギニン塩酸塩(アミセーフLMA-60、味の素社
製)、ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD、花王社製)、ラウリ
ルアミドプロピルベタイン(アンヒトール20AB、花王社製)等の市販品を好適に使用
することができ、なかでも、N-[3-アルキル(12,14)オキシ-2-ヒドロキシ
プロピル]-L-アルギニン塩酸塩(アミセーフLMA-60(味の素社製)が好ましい
。
【0033】
成分(C)としては、乳化性、水中油型乳化組成物の安定性を向上させる観点から、ま
た、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの
塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布
して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、カチオン界面活
性剤が好ましい。
【0034】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、乳化性、水中油型乳化組成物の
安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布した
ときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌
に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、含有量は
、全組成中に0.1質量%以上であるのが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、
0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がよりさらに好ましく、5質量%
以下であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく
、1質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.1
~5質量%であるのが好ましく、0.2~3質量%がより好ましく、0.3~2質量%が
さらに好ましく、0.5~1質量%がよりさらに好ましい。
また、成分(C)が、カチオン界面活性剤の場合、乳化性、水中油型乳化組成物の安定
性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したとき
の塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗
布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、含有量は、全
組成中に0.1質量%以上であるのが好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.
3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がよりさらに好ましく、5質量%以下
であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1
質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(C)が、カチオン界面活性剤の場合の含
有量は、全組成中に0.1~5質量%であるのが好ましく、0.2~3質量%がより好ま
しく、0.3~2質量%がさらに好ましく、0.5~1質量%がよりさらに好ましい。
【0035】
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、水中油
型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れ
た肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌
朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点
から、0.1以上であるのが好ましく、1以上がより好ましく、2.8以上がさらに好ま
しく、20以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。また
、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、0.1~20であるのが
好ましく、1~6.8がより好ましく、2.8~5がさらに好ましい。
【0036】
成分(D)は、セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状の
エステル油から選ばれる1種以上である。
本発明において、ペースト状とは、25℃における粘度が10000mPa・sより大
きいことをいう。粘度は、成分(A)と同様にして測定される。また、稠度が100~4
30のものを言う。ここで稠度は、JIS K 2235 5.10に準拠して測定されるものである。J
IS K 2235 5.10は石油ワックス用の測定法であるが、本発明では、石油ワックス以外の成
分(D)についても、JIS K 2235 5.10で測定されるものである。
成分(D)の25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油とし
ては、稠度が130以上であるのが好ましく、150以上がより好ましく、170以上が
さらに好ましく、400以下が好ましく、350以下がより好ましく、300以下がさら
に好ましく、250以下がよりさらに好ましい。稠度としては、130~400が好まし
く、130~350がより好ましく、150~300がさらに好ましく、170~250
がよりさらに好ましい。
【0037】
成分(D)のうち、セラミド類としては、天然セラミド、スフィンゴシン誘導体などの
他、特開昭62-228048号公報、特開昭63-216812号公報、特開昭63-
227513号公報、特開昭64-29347号公報、特開昭64-31752号公報、
特開平8-319263号公報などに記載のセラミド類似構造物質が例示される。具体的
には、乾いた肌に塗布して水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したあとの被膜感・保護
感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点から、次の
一般式(2)及び(3)から選ばれる化合物が好ましく、一般式(2)の化合物がより好
ましい。
【0038】
【0039】
〔式中、R1bは炭素数10~26の炭化水素基、R2bは炭素数9~25の炭化水素基を示
し、Xは-(CH2)n-(ここでnは2~6の整数を示す)を示す。〕
【0040】
【0041】
(式中、R11及びR12は同一又は異なって炭素数1~40のヒドロキシル化されていても
よい炭化水素基を示し、R13は炭素数1~6のアルキレン基又は単結合を示し、R14は水
素原子、炭素数1~12のアルコキシ基又は2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ基を示
す。ただし、R13が単結合のとき、R14は水素原子である。)
【0042】
なお、前記一般式(2)及び(3)中、炭化水素基としてはアルキル基又はアルケニル
基が好ましい。
【0043】
一般式(2)の化合物の例としては、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-
N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドが挙げられ、一般式(3)の化合物の例としては
長鎖二塩基酸 ビス3-メトキシプロピルアミドが挙げられる。
一般式(2)で表わされる化合物は、擬似型セラミド類であり、セラミド機能成分であ
り、セラミドの働きを補い、肌状態(水分量など)を改善することができる。
【0044】
成分(D)のうち、ペースト状の炭化水素油としては、例えば、ワセリン、炭化水素油
等が挙げられる。
【0045】
成分(D)のうち、ペースト状のエステル油としては、植物性ワックスであるシア脂、
イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカダミアナッ
ツ油脂肪酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニ
ル・オクチルドデシル)、ラノリン脂肪酸コレステリル等のコレステロール類誘導体;
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシ
ル)、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、ジリノール酸ジ(
フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のフィトステロー
ル類誘導体;
ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、ロジン酸ジペンタエリトリット、トリ
ポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル等のジペンタエリトリット脂肪酸エス
テル類;
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、トリラノリン脂肪
酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル等のトリグリセライド類;
硬化油等の部分的に水素添加されたトリグリセライド類、ラノリン、軟質ラノリン脂肪酸
、ラノステロール類誘導体、ラノリン脂肪酸エステル;
ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステ
アリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル
ビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージ
リノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)トリ水添ロジン酸グリセ
リル等のダイマージリノール酸エステル;
ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2等のアジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エス
テル;
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)
、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル
)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルド
デシル)等のアシルアミノ酸エステルなどが挙げられる。
【0046】
成分(D)としては、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収
感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツ
キのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベ
タツキのなさを向上させる観点から、ダイマージリノール酸エステル、アシルアミノ酸エ
ステル、ワセリン、セラミド類から選ばれる1種以上を含むのが好ましく、ワセリン、セ
ラミド類から選ばれる1種以上を含むのがより好ましく、セラミド類を含むのがさらに好
ましく、セラミド類のうち、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロ
キシエチルヘキサデカナミドを含むのがよりさらに好ましい。
また、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後
の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜
感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを
向上させる観点から、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル
油から選ばれる1種以上と、セラミド類から選ばれる1種以上とを両方含有することが好
ましく、25℃でペースト状の炭化水素油から選ばれる1種以上とセラミド類から選ばれ
る1種以上とを両方含有することがより好ましく、ワセリンとセラミド類から選ばれる1
種以上とを両方含有することがさらに好ましく、ワセリンとN-(ヘキサデシロキシヒド
ロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドとを両方含むことがよりさら
に好ましい。
【0047】
また、乾いた肌に塗布して水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したあとの被膜感・保
護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点から、成
分(D)として、セラミド類を全組成中に0.01質量%以上含有するのが好ましく、0
.05質量%以上含有するのがより好ましく、1質量%以上含有するのがさらに好ましく
、2質量%以上含有するのがよりさらに好ましく、20質量%以下含有するのが好ましく
、10質量%以下含有するのがより好ましく、8質量%以下含有するのがさらに好ましく
、6質量%以下含有するのがよりさらに好ましく、4質量%以下含有するのがことさらに
好ましい。成分(D)としてセラミド類は、全組成中に0.01~20質量%含有するの
が好ましく、0.01~10質量%含有するのがより好ましく、0.05~8質量%含有
するのがさらに好ましく、1~6質量%含有するのがよりさらに好ましく、2~4質量%
含有するのがことさらに好ましい。
【0048】
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、水中油型乳化組成物の安定性や
、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの塗
りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布し
て水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、含有量は、全組成
中に0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5
質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がよりさらに好ましく、2質量%以上がとり
わけ好ましく、3質量%以上がことさらに好ましく、30質量%以下であるのが好ましく
、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、12質量%以下が
よりさらに好ましく、10質量%以下がとりわけ好ましく、7質量%以下がことさらに好
ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.01~30質量%であるのが好ま
しく、0.1~20質量%がより好ましく、0.5~15質量%がさらに好ましく、1~
12質量%がよりさらに好ましく、2~10質量%がとりわけ好ましく、3~7質量%が
ことさらに好ましい。
【0049】
本発明において、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、安定性
や、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの
塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさ、被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布
して水で流した後の肌の光沢感、ベタツキのなさを向上させる観点から、0.05以上で
あるのが好ましく、0.1以上がより好ましく、0.14以上がさらに好ましく、1以下
が好ましく、0.23以下がより好ましく、0.18以下がさらに好ましい。また、成分
(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、0.05~1であるのが好まし
く、0.1~0.23がより好ましく、0.14~0.18がさらに好ましい。
【0050】
本発明において、成分(E)の水の含有量は、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた
肌に塗布したときの吸収感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌル
ツキのなさを向上させる観点から、全組成中に30質量%以上であるのが好ましく、35
質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、90質量%以下が好まし
く、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E
)の水の含有量は、全組成中に30~90質量%であるのが好ましく、35~70質量%
がより好ましく、40~60質量%がさらに好ましい。
【0051】
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、(F)HLB13以上の非イオン性界面活性
剤を含有することができる。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は
、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活
性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン性界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、各非イオ
ン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
【0052】
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン性界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン性界面活性剤Xの重量(g)を示す。
【0053】
非イオン性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、
例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコ
レスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリエーテル変性シ
リコーンなどのシリコーン系界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、アルキルサッカライド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流すと、油性成分
が肌に残りにくくなるのを防いで、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布した
ときの吸収感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさを
向上させる観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上を含むのが好ましく、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステルを含むのがより好ましい。
【0054】
成分(F)の非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、濡れた
肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流すと、油性成分が肌に残りにくくなるの
を防いで、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布した
ときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上さ
せる観点から、含有量は、全組成中に0.1質量%未満であるのが好ましく、0.05質
量%未満がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
【0055】
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、HLB13未満の非イオン性界面活性剤を含
有することもできる。
HLB13未満の非イオン性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであ
れば制限されず、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリ
オキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポ
リエーテル変性シリコーンなどのシリコーン系界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げら
れる。
【0056】
HLB13未満の非イオン性界面活性剤としては、濡れた肌に塗布した後の被膜感・保
護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点から、H
LB12未満であるのが好ましく、10未満がより好ましく、8未満がさらに好ましい。
これらのうち、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流すと、油性成分
が肌に残りにくくなるのを防いで、水中油型乳化組成物の安定性や、乾いた肌に塗布した
ときの吸収感、濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、塗布時のヌルツキのなさを
向上させる観点から、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を含むのが好ましく、グリセリン脂肪酸エステ
ルを含むのがより好ましい。
【0057】
HLB13未満の非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、濡
れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流すと、油性成分が肌に残りにくくな
るのを防いで、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布
したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向
上させる観点から、含有量は、全組成中に3質量%以下であるのが好ましく、2質量%以
下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ま
しく、実質的に含有しないことがことさらに好ましい。
【0058】
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、(G)カチオン性ポリマーを含有することが
でき、水中油型乳化組成物と皮膚の馴染みがよく皮膚への吸収感が向上して、濡れた肌に
塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残りやすくなり、乾
いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの被膜感
・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を良好にすることがで
きる。
カチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化澱粉、カチ
オン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化
フェヌグリークガム、カチオン化キサンタンガム、ジアリルジアルキル四級アンモニウム
塩の重合体、ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ジアリ
ルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド/アクリル酸共重合物、ビニルイミダ
ゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジ
メチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルア
ミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレー
ト共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタ
ム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム
共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルア
ミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリメタクリロイルエチルジメ
チルベタイン、エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル
硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重
合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、四級化ジメチルア
ミノエチルメタクリレート/ジアルキルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレング
リコール共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン
共重合体(米国サンドス社,カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407
号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。
【0059】
これらのうち、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成
分が肌に残りやすくなり、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れ
た肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の
光沢感を向上させる観点から、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリ
レート共重合物、ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ジ
アリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド/アクリル酸共重合物、四級化ジ
メチルアミノエチルメタクリレート/ジアルキルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエ
チレングリコール共重合体、カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース、エチル[(
メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジメチル
アクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリ塩化メタクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ま
しく、ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、四級化ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート/ジアルキルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレ
ングリコール共重合体、エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウ
ムエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコ
ール共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムから選ばれ
る1種又は2種以上を含むのがより好ましく、エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル
]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル
酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムから選ばれる1種以上を含むのがさらに好ましく、エチル[(メタクリロイル
オキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド
・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体を含むのがよりさらに好ましい。
【0060】
成分(G)は、1種又は2種以上を用いることができ、濡れた肌に塗布した後、タオル
で拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残りやすくなり、乾いた肌に塗布して水
洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布
して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点から、含有量が多い方が好ましく、一方
、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水で濡れた肌に塗布するときのヌルツキのなさ、濡
れた肌に塗布して水ですすいだ後のベタツキのなさを向上させる観点からは、含有量は少
ない方が好ましい。よって、乾いた肌に塗布して水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布し
たときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上
させる観点から、また乾いた肌に塗布したときの吸収感、水で濡れた肌に塗布するときの
ヌルツキのなさ、濡れた肌に塗布して水ですすいだ後のベタツキのなさを向上させる観点
から、含有量は、全組成中に0.001質量%以上であるのが好ましく、0.01質量%
以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、1質量%以下であるのが好
ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.1
5質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(G)の含有量は、全組成中に0.00
1~1質量%であるのが好ましく、0.01~0.5質量%がより好ましく、0.02~
0.2質量%がさらに好ましく、0.02~0.15質量%がよりさらに好ましい。
【0061】
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、(H)トコフェロール及びその誘導体を含有
することができ、成分(A)、(B)及び(D)を含む油性成分と相まって、水中油型乳
化組成物中の油性成分の皮膚との親和性がよくなり、皮膚への吸収・収着性が向上するた
め、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残り
やすくなり、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布し
たときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を良好
にすることができる。
ここでトコフェロールは、非水溶性の成分であり、天然ビタミンE(すなわちd-α、
d-β、d-γ、d-δ-トコフェロールの混合物)、β-、γ-又はδ-トコフェロー
ルならびにそれらの混合物をも含む。また、トコフェロール誘導体としては、トコフェロ
ールの前駆物質、特にトコフェロールのエステル、例えば、酢酸トコフェロール、ニコチ
ン酸トコフェロール、トコフェロールサクシネート、トコフェロールリノレート、トコフ
ェロールオレエート等が挙げられる。
【0062】
これらのうち、成分(A)、(B)及び(D)を含む油性成分と相まって、水中油型乳
化組成物中の油性成分の皮膚との親和性がよくなり、皮膚への吸収感が向上するため、濡
れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残りやすく
なり、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したとき
の被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる
観点から、トコフェロール分子骨格中ヒドロキシル基が修飾されたエステル体よりも、ト
コフェロール分子骨格中にヒドロキシル基をもつヒドロキシル基が未修飾の成分が好まし
い。また、成分(A)、(B)及び(D)を含む油性成分と相まって、水中油型乳化組成
物中の油性成分の皮膚との親和性がよくなり、皮膚への吸収感が向上するため、濡れた肌
に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残りやすくなり、
乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの被膜
感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点か
ら、天然ビタミンE、d-δ-トコフェロールから選ばれる1種以上を含むのが好ましい
。
【0063】
成分(H)は、1種又は2種以上を用いることができ、成分(A)、(B)及び(D)
を含む油性成分と相まって、水中油型乳化組成物中の油性成分の皮膚との親和性がよくな
り、皮膚への吸収感が向上するため、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水
で流しても、油性成分が肌に残りやすくなり、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗し
た後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して
水で流した後の肌の光沢感を向上させる観点から、また、含有量が多すぎて水中油型乳化
組成物の安定性や乾いた肌に塗布した後の吸収感、濡れた肌に塗布するときの塗り延ばし
やすさ、濡れた肌に塗布して水で流し後のベタツキのなさを損うことを防止する観点から
、含有量は、全組成中に0.01質量%以上であるのが好ましく、0.04質量%以上が
より好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.08質量%以上がよりさらに
好ましく、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3
質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(H
)の含有量は、全組成中に0.01~1質量%であるのが好ましく、0.04~0.5質
量%がより好ましく、0.05~0.3質量%がさらに好ましく、0.08~0.2質量
%がよりさらに好ましい。
【0064】
本発明においては、水中油型乳化組成物の皮膚への吸収・収着性が向上するため、濡れ
た肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油性成分が肌に残りやすくな
り、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、濡れた肌に塗布したときの
被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の肌の光沢感を向上させる観
点から、成分(G)及び(H)を含有するのが好ましい。
【0065】
本発明の水中油型乳化組成物は、前記成分以外に、通常化粧料に用いられる成分、例え
ば、成分(A)、(B)及び(D)以外の油成分、成分(C)及び(F)以外の界面活性
剤、成分(G)以外の水溶性高分子、酸化防止剤、香料、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤
、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、清涼剤、着色剤等を含有することがで
きる。
但し、組成物の安定性を保ち、水中油型乳化組成物と皮膚の馴染みがよく皮膚への吸収
・収着性を向上させ、濡れた肌に塗布した後、タオルで拭き取ったり、水で流しても、油
性成分が肌に残りやすくなり、乾いた肌に塗布したときの吸収感、水洗した後の保湿感、
濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感、翌朝の保湿感、肌に塗布して水で流した後の
肌の光沢感を良好にするため、アニオン界面活性剤の含有量は、全組成中に0.5質量%
以下であることが好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、実質的に含有しないこと
がさらに好ましい。
【0066】
本発明の水中油型乳化組成物は、通常の方法に従って製造することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、水中油型乳化化粧料として好適であり、化粧下地、フ
ァンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイ
ブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止め
クリーム等の紫外線防御化粧料;スキンケア乳液、スキンケアクリーム、BBクリーム、
美容液等のスキンケア化粧料などの皮膚化粧料として適用することができる。なかでも、
スキンケア化粧料が好ましく、スキンケア乳液、スキンケアクリームがより好ましく、ス
キンケアクリームがさらに好ましい。
【0067】
本発明の水中油型乳化組成物は、乾いた肌に塗布したときには、肌に吸収するため、吸
収感やその後に水で流しても保湿感が維持される。水で濡れた肌に塗布したときには、タ
オルで濡れた肌を予め拭く時間がかからず、また濡れた肌には塗りのばしやすく、時間が
かからずに塗布することができ、しかも塗布時のヌルツキがなく、タオルで拭いても水中
油型乳化組成物が肌に残るため、被膜感・保護感が得られる。水で濡れた肌に塗布して水
で流しても、水中油型乳化組成物の油性成分が肌に残るため、肌の光沢感が得られ、ベタ
ツキを感じない良好な使用感が得られるものである。さらに、安定性にも優れている。
【0068】
本発明の水中油型乳化組成物は、水で濡れた皮膚に塗布して使用することができる。ま
た、皮膚に塗布した後水ですすいで使用することもできる。
本発明の水中油型乳化組成物は、乾いた肌に塗布して使用できるほか、水で濡れた肌に
塗布して使用することもできる。また、水で濡れた肌に塗布してシャワー等ですすいで使
用することもできる。
入浴後に水で濡れた肌には、全身に塗りのばしやすく、その後タオルで水をふき取って
も、本発明の水中油型乳化組成物は肌に残ることができる。
また、塗布した後に水で洗い流した場合でも、本発明の水中油型乳化組成物中の油性成
分は肌に残ることができる。
いずれの場合にも、本発明の水中油型乳化組成物中の油性成分は、肌に残るので、特に
保湿成分の効果などを十分に得ることができる。
特に、濡れた肌に塗布すると、(1)予め濡れた肌をタオルでふく必要がなく、しかも
肌への塗り延ばしがしやすく簡単に塗布できるためスキンケアに時間がかからない、(2
)塗布時のヌルツキがない、(3)入浴した場合、入浴に伴い角層の保湿成分(セラミド
などの角層細胞間脂質やNMF)が失われた肌は入浴後すぐに乾燥が始まるが、入浴後の
濡れた肌にすぐにそのまま塗れるため、肌の乾燥が始まるのを防止できる。そのため、使
用法として、濡れた肌に塗布するほうが、乾いた肌に塗布するよりも好適である。一方、
濡れた肌に塗布して水で流してもよいが、水中油型乳化組成物中の非油性成分も肌に残す
ことができるため、水で流す使用方法よりも、濡れた肌に塗布して水で流さない使用方法
が最も好ましい。
【0069】
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物等を開示する。
【0070】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上 2~20質量%、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9である水中油型乳化組成物。
【0071】
<2>成分(A)が、好ましくは、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、
α-オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上を含み、流動パラフィン、流動
イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマーから選ばれる1種又は2種以上を含むのがよ
り好ましく、流動パラフィンを含むのがさらに好ましい、前記<1>記載の水中油型乳化
組成物。
<3>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、1質
量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がよりさらに好
ましく、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%
以下がさらに好ましく、6.5質量%以下がよりさらに好ましく、6質量%以下がことさ
らに好ましい、前記<1>又は<2>記載の水中油型乳化組成物。
【0072】
<4>成分(B)が、好ましくは、高級脂肪酸を含み、オレイン酸、イソステアリン酸か
ら選ばれる1種以上を含むのがより好ましい、前記<1>~<3>のいずれか1記載の水
中油型乳化組成物。
<5>成分(B)が、好ましくは、高級アルコールを含み、イソステアリルアルコール、
オレイルアルコールから選ばれる1種以上を含むのがより好ましい、前記<1>~<4>
のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<6>成分(B)が、好ましくは、エステル油を含み、モノエステル油、ジエステル油、
トリエステル油から選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、ジエステル油を
含むのがさらに好ましく、アシルアミノ酸ジエステルを含むのがよりさらに好ましい、前
記<1>~<5>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<7>成分(B)が、好ましくは、アシルアミノ酸ジエステルを含む、前記<1>~<6
>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0073】
<8>成分(B)が、好ましくは、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリ
ル・2-オクチルドデシル)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソ
ノニル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルから選ばれる1種又は2種以上を含み
、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)を含
むのがより好ましい、前記<1>~<7>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<9>成分(B)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以上であって、1質
量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がよりさら
に好ましく、10質量%以下であるのが好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量
%以下がさらに好ましく、4質量%以下がよりさらに好ましい、前記<1>~<8>のい
ずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0074】
<10>成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、0.
1以上であって、0.45以上がより好ましく、1.1以上がさらに好ましく、10以下
が好ましく、7以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい、前記<1>~<9>のい
ずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<11>成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、好ましくは、全組成中に
1質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、
5質量%以上がよりさらに好ましく、30質量%以下であるのが好ましく、20質量%以
下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がよりさらに好ま
しい、前記<1>~<10>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<12>成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)
+(B))が、好ましくは、0.1以上であって、0.15以上がより好ましく、0.3
以上がさらに好ましく、0.35以上がよりさらに好ましく、0.8以下が好ましく、0
.75以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましく、0.5以下がよりさらに好ま
しい、前記<1>~<11>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0075】
<13>成分(C)が、カチオン界面活性剤であって、好ましくは、第4級アンモニウム
塩型カチオン界面活性剤であって、下記一般式(1)で表わされる第4級アンモニウム塩
型カチオン界面活性剤がより好ましい、前記<1>~<12>のいずれか1記載の水中油
型乳化組成物。
【0076】
【0077】
〔式(1)中、
R1は、炭素数6以上の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、
R2は、炭素数1~4のアルキル基を示し、
R3及びR4は、各々独立して、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数6以上の直鎖、
分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し、
AN-は、塩形成アニオンを示す。〕
【0078】
<14>成分(C)が、両性界面活性剤であって、アミノ酸系両性界面活性剤、スルホベ
タイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型界面活
性剤から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、アミノ酸系両性界面活性剤、
スルホベタイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤から選ばれる1種又は2種以
上を含むのがより好ましく、アミノ酸系両性界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤か
ら選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、アミノ酸系界面活性剤を含むの
がよりさらに好ましい、前記<1>~<12>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0079】
<15>成分(C)が、好ましくは、カチオン界面活性剤である、前記<1>~<13>
のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<16>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、0
.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上
がよりさらに好ましく、5質量%以下であるのが好ましく、3質量%以下がより好ましく
、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましい、前記<1>~<
15>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<17>成分(C)が、カチオン界面活性剤であって、含有量が、好ましくは、全組成中
に0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさ
らに好ましく、0.5質量%以上がよりさらに好ましく、5質量%以下であるのが好まし
く、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がより
さらに好ましい、前記<1>~<13>、<15>のいずれか1記載の水中油型乳化組成
物。
<18>成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、好ましくは、0.
1以上であって、1以上がより好ましく、2.8以上がさらに好ましく、20以下が好ま
しく、6.8以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい、前記<1>~<17>のい
ずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0080】
<19>成分(D)が、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステ
ル油であって、好ましくは、稠度が130以上であって、150以上がより好ましく、1
70以上がさらに好ましく、400以下が好ましく、350以下がより好ましく、300
以下がさらに好ましく、250以下がよりさらに好ましい、前記<1>~<18>のいず
れか1記載の水中油型乳化組成物。
<20>成分(D)が、セラミド類であって、好ましくは、次の一般式(2)及び(3)
から選ばれる化合物であって、一般式(2)の化合物がより好ましく、N-(ヘキサデシ
ロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドがさらに好ましい
、前記<1>~<18>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0081】
【0082】
〔式中、R1bは炭素数10~26の炭化水素基、R2bは炭素数9~25の炭化水素基を示
し、Xは-(CH2)n-(ここでnは2~6の整数を示す)を示す。〕
【0083】
【0084】
(式中、R11及びR12は同一又は異なって炭素数1~40のヒドロキシル化されていても
よい炭化水素基を示し、R13は炭素数1~6のアルキレン基又は単結合を示し、R14は水
素原子、炭素数1~12のアルコキシ基又は2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ基を示
す。ただし、R13が単結合のとき、R14は水素原子である。)
【0085】
<21>成分(D)が、ペースト状の炭化水素油であって、ワセリン、炭化水素油が好ま
しい、前記<1>~<19>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<22>成分(D)が、ペースト状のエステル油であって、シア脂、コレステロール類誘
導体、フィトステロール類誘導体、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル類、トリグリセ
ライド類、ラノリン、軟質ラノリン脂肪酸、ラノステロール類誘導体、ラノリン脂肪酸エ
ステル、ダイマージリノール酸エステル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、
アシルアミノ酸エステルが好ましい、前記<1>~<19>のいずれか1記載の水中油型
乳化組成物。
【0086】
<23>成分(D)が、好ましくは、ダイマージリノール酸エステル、アシルアミノ酸エ
ステル、ワセリン、セラミド類から選ばれる1種以上を含み、ワセリン、セラミド類から
選ばれる1種以上を含むのがより好ましく、セラミド類を含むのがさらに好ましく、セラ
ミド類のうち、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘ
キサデカナミドを含むのがよりさらに好ましい、前記<1>~<22>のいずれか1記載
の水中油型乳化組成物。
<24>成分(D)が、好ましくは、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペース
ト状のエステル油から選ばれる1種以上と、セラミド類から選ばれる1種以上とを両方含
有し、25℃でペースト状の炭化水素油から選ばれる1種以上とセラミド類から選ばれる
1種以上とを両方含有することがより好ましく、ワセリンとセラミド類から選ばれる1種
以上とを両方含有することがさらに好ましく、ワセリンとN-(ヘキサデシロキシヒドロ
キシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミドとを両方含むことがよりさらに
好ましい、前記<1>~<23>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0087】
<25>成分(D)として、セラミド類を全組成中に0.01質量%以上含有するのが好
ましく、0.05質量%以上含有するのがより好ましく、1質量%以上含有するのがさら
に好ましく、2質量%以上含有するのがよりさらに好ましく、20質量%以下含有するの
が好ましく、10質量%以下含有するのがより好ましく、8質量%以下含有するのがさら
に好ましく、6質量%以下含有するのがよりさらに好ましく、4質量%以下含有するのが
ことさらに好ましい、前記<1>~<24>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<26>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.01質量%以上であって、
0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上が
よりさらに好ましく、2質量%以上がとりわけ好ましく、3質量%以上がことさらに好ま
しく、30質量%以下であるのが好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%
以下がさらに好ましく、12質量%以下がよりさらに好ましく、10質量%以下がとりわ
け好ましく、7質量%以下がことさらに好ましい、前記<1>~<25>のいずれか1記
載の水中油型乳化組成物。
【0088】
<27>成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、好ましくは、0.
05以上であって、0.1以上がより好ましく、0.14以上がさらに好ましく、1以下
が好ましく、0.23以下がより好ましく、0.18以下がさらに好ましい、前記<1>
~<26>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<28>成分(E)の水の含有量が、好ましくは、全組成中に30~90質量%であって
、35~70質量%がより好ましく、40~60質量%がさらに好ましい、前記<1>~
<27>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0089】
<29>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤 0.1~5質量%、
(D)セラミド類 1~20質量%、
(E)水
を含有する水中油型乳化組成物。
【0090】
<30>さらに、(F)HLB13以上の非イオン性界面活性剤の含有量が、好ましくは
、全組成中に0.1質量%未満であって、0.05質量%未満がより好ましく、実質的に
含有しないことがさらに好ましい、前記<1>~<29>のいずれか1記載の水中油型乳
化組成物。
<31>成分(F)が、好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上を含み、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルを含むのがより好ましい、前記<30>記載の水中油型乳化組成物。
【0091】
<32>さらに、HLB13未満の非イオン性界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組
成中に3質量%以下であって、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ま
しく、0.5質量%以下がよりさらに好ましく、実質的に含有しないことがことさらに好
ましい、前記<1>~<31>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<33>HLB13未満の非イオン性界面活性剤が、好ましくは、HLB12未満の非イ
オン性界面活性剤であって、HLB10未満の非イオン性界面活性剤がより好ましく、H
LB8未満の非イオン性界面活性剤がさらに好ましい、前記<32>記載の水中油型乳化
組成物。
<34>HLB13未満の非イオン性界面活性剤が、好ましくは、ポリエーテル変性シリ
コーン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を
含み、グリセリン脂肪酸エステルを含むのがより好ましい、前記<32>又は<33>記
載の水中油型乳化組成物。
【0092】
<35>さらに、(G)カチオン性ポリマーを含有するのが好ましい、前記<1>~<3
4>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<36>成分(G)が、好ましくは、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメ
タクリレート共重合物、ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合
物、ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド/アクリル酸共重合物、四
級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ジアルキルアクリルアミド/ジメタクリル酸
ポリエチレングリコール共重合体、カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース、エチ
ル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジ
メチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリ塩化メタ
クリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上を含み、
ジアリルジアルキル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、四級化ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート/ジアルキルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリ
コール共重合体、エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチ
ル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共
重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種
又は2種以上を含むのがより好ましく、エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメ
チルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリ
エチレングリコール共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニ
ウムから選ばれる1種以上を含むのがさらに好ましく、エチル[(メタクリロイルオキシ
)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメ
タクリル酸ポリエチレングリコール共重合体を含むのがよりさらに好ましい、前記<35
>記載の水中油型乳化組成物。
<37>成分(G)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.001質量%以上であって
、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましく、1質量%
以下であるのが好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに
好ましく、0.15質量%以下がよりさらに好ましい、前記<35>又は<36>記載の
水中油型乳化組成物。
【0093】
<38>さらに、(H)トコフェロール及びその誘導体を含有するのが好ましい、前記<
1>~<37>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<39>成分(H)が、好ましくは、天然ビタミンE、d-δ-トコフェロールから選ば
れる1種以上を含む、前記<38>記載の水中油型乳化組成物。
<40>成分(H)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.01質量%以上であって、
0.04質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.08質
量%以上がよりさらに好ましく、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下が
より好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ま
しい、前記<38>又は<39>記載の水中油型乳化組成物。
【0094】
<41>成分(G)及び(H)を含有するのが好ましい、前記<35>~<40>のいず
れか1記載の水中油型乳化組成物。
<42>アニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以下であ
って、0.1質量%以下がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい、前
記<1>~<41>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
【0095】
<43>水中油型乳化化粧料であるのが好ましく、スキンケア化粧料がより好ましく、ス
キンケア乳液、スキンケアクリームがさらに好ましく、スキンケアクリームがよりさらに
好ましい、前記<1>~<42>のいずれか1記載の水中油型乳化組成物。
<44>水で濡れた皮膚に塗布して使用する、前記<1>~<43>のいずれか1記載の
水中油型乳化組成物。
<45>皮膚に塗布した後水ですすいで使用する、前記<1>~<43>のいずれか1記
載の水中油型乳化組成物。
<46>濡れた肌に塗布して水で流さないで使用する、前記<1>~<43>のいずれか
1記載の水中油型乳化組成物。
【0096】
<47>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)アシルアミノ酸エステルを含む25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エス
テル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9である水中油型乳化組成物。
【0097】
<48>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)アシルアミノ酸エステルを含む25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エス
テル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、
(E)水
を含有する水中油型乳化組成物。
【0098】
<49>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1~5質量%、
(D)セラミド類、25℃でペースト状の炭化水素油、25℃でペースト状のエステル油
から選ばれる1種以上 2~20質量%、
(E)水
を含有し、
成分(A)及び(B)の合計含有量(A)+(B)が、1~30質量%であり、
成分(A)及び(B)の合計量に対する成分(B)の質量割合(B)/((A)+(B)
)が、0.05~0.9であって、濡れた皮膚に塗布するスキンケア方法又は皮膚に塗布
した後水ですすぐスキンケア方法に供するための水中油型乳化組成物。
【0099】
<50>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃液状の炭化水素油、
(B)25℃で液状の高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油から選ばれる1種以上、
(C)カチオン界面活性剤 0.1~5質量%、
(D)セラミド類 1~20質量%、
(E)水
を含有し、濡れた皮膚に塗布するスキンケア方法又は皮膚に塗布した後水ですすぐスキン
ケア方法に供するための水中油型乳化組成物。
【実施例0100】
実施例1~24、比較例1~7
表1-表4に示す成分を用いて水中油型乳化組成物を製造し、乳化物(クリーム)の調
製の可否、室温1週間後の安定性、乾いた肌に塗布したときの吸収感、乾いた肌に塗布し
てから水洗した後の保湿感、水で濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ、水で濡れ
た肌に塗布したときの塗布時のヌルツキのなさ、水で濡れた肌に塗布したときの被膜感・
保護感、水で濡れた肌に塗布した翌朝の保湿感、水で濡れた肌に塗布してシャワーで流し
たときの肌の光沢感、水で濡れた肌に塗布してシャワーで流したときのベタツキのなさを
評価した。結果を表1-表4に併せて示す。
なお、表中、配合成分が混合物である場合の含有量は、原料(混合物)での含有量を示
す。
【0101】
(製造方法)
85℃に加熱したポリオール(グリセリン等)、少量の水と、カチオン界面活性剤又は
両性界面活性剤とを混合し、界面活性剤相を得た。次に、85℃で混合溶解させた油性成
分を界面活性剤相に徐々に加えた。さらに、残りの水溶性成分を徐々に加え、攪拌混合し
て転相乳化させた。十分攪拌した後、冷却して、水中油型乳化組成物を得た。
【0102】
(評価方法)
(1)乳化物(クリーム)の調製の可否:
各水中油型乳化組成物80mLを、110mLの透明ガラス容器(規格瓶#11、東京
硝子器械社)に入れて密封し、室温(25℃)で12時間静置した。静置後の外観を目視
により観察し、以下の基準で判定した。
○:均一な一層であり、水性成分や油性成分の分離を認めない。クリーム状乳化物である
。
×:水性成分や油性成分が分離し、全体としてクリーム状乳化物を保持していない。
【0103】
(2)室温1週間後の安定性:
各水中油型乳化組成物80mLを、110mLの透明ガラス容器(規格瓶#11、東京
硝子器械社)に入れて密封し、室温(25℃)で1週間静置した。静置後の外観を目視に
より観察し、以下の基準で判定した。
○:均一な一層であり、水性成分や油性成分の分離を認めない。クリーム状乳化物である
。
×:水性成分や油性成分が分離し、全体としてクリーム状乳化物を保持していない。
【0104】
(3)乾いた肌に塗布したときの吸収感:
専門パネラー5名により、片腕の前腕を、キュレル泡ボディウォッシュ(花王社製)で
洗い、シャワー水ですすぎタオルでよく拭いた。(濡れていない)片方の手の平に、各水
中油型乳化組成物0.5gをとり、反対側の洗って乾いた前腕に手の平で塗布したときの
「吸収感」について、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で示した。
5点:肌への吸収性がとてもよいと感じる。
4点:肌への吸収性がよいと感じる。
3点:肌への吸収性がややよいと感じる。
2点:肌への吸収性があまりよいと感じない。
1点:肌への吸収性がよいとは感じない。
【0105】
(4)乾いた肌に塗布してから水洗した後の保湿感:
専門パネラー5名により、片腕の前腕を、キュレル泡ボディウォッシュ(花王社製)で
洗い、シャワー水ですすぎタオルでよく拭いた。(濡れていない)片方の手の平に、各水
中油型乳化組成物0.5gをとり、反対側の洗って乾いた前腕に塗り広げた。約30分後
、水中油型乳化組成物を塗布した前腕を約40℃のシャワーで流して、タオルで押さえる
ように過剰な水分を拭った。シャワーで流した後の「保湿感」について、シャワーで流す
前の保湿感と比較して、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で示した。
5点:シャワーで流す前と保湿感が変わらない。
4点:シャワーで流す前と保湿感がほとんど変わらない。
3点:シャワーで流す前より保湿感は少し減ったが依然として保湿感がある。
2点:シャワーで流す前より保湿感が減ったが少し保湿感が残っている。
1点:シャワーで流した後は保湿感がない。
【0106】
(5)水で濡れた肌に塗布したときの塗りのばしやすさ:
専門パネラー5名により、夜、片腕の前腕を、キュレル泡ボディウォッシュ(花王社製
)で洗い、シャワー水ですすいだ。軽く濡れた片方の手の平に、各水中油型乳化組成物0
.5gをとり、反対側のシャワーで流して軽く濡れた前腕に塗り広げた。約1分後、タオ
ルで押さえるように過剰な水分を拭った。軽く濡れた肌に水中油型乳化組成物を手の平で
塗布するときの「塗りのばしやすさ」について、以下の基準で評価した。結果を、5名の
合計点で示した。
5点:とても塗りのばしやすい。
4点:塗りのばしやすい。
3点:やや塗りのばしやすい。
2点:あまり塗りのばしやすくない。
1点:塗りのばしにくい。
【0107】
(6)水で濡れた肌に塗布したときの塗布時のヌルツキのなさ:
(5)と同様にして、軽く濡れた肌に水中油型乳化組成物を手の平で塗布するときの「
ヌルツキのなさ」について、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で示した。
5点:ヌルつかない。
4点:ほとんどヌルつかない。
3点:あまりヌルつかない。
2点:ややヌルつく。
1点:ヌルつく。
【0108】
(7)水で濡れた肌に塗布したときの被膜感・保護感:
(5)と同様にして、各水中油型乳化組成物を軽く濡れた前腕に塗り広げ、約1分後、
タオルで押さえるように過剰な水分を拭ってから約2分後、専門パネラーが肌が「膜で覆
われてて保護されている感じ」ついて、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で
示した。
5点:肌が膜で覆われて保護されている感じがとてもある。
4点:肌が膜で覆われて保護されている感じがある。
3点:肌が膜で覆われて保護されている感じがややある。
2点:肌が膜で覆われて保護されている感じが若干ある。
1点:肌が膜で覆われて保護されている感じがない。
【0109】
(8)水で濡れた肌に塗布した翌朝の保湿感:
(5)と同様にして、各水中油型乳化組成物を軽く濡れた前腕に塗り広げ、約1分後、
タオルで押さえるように過剰な水分を拭った。翌朝、肌の保湿感について、塗布していな
い部位と比較して、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で示した。
5点:塗布していない部分に比べてとても潤っている。
4点:塗布していない部分に比べて潤っている。
3点:塗布していない部分に比べてやや潤っている。
2点:塗布していない部分に比べて若干潤っている。
1点:塗布していない部分と同じで潤っていない。
【0110】
(9)水で濡れた肌に塗布してシャワーで流したときの肌の光沢感:
専門パネラー5名により、片腕の前腕をキュレル泡ボディウォッシュ(花王社製)で洗
い、シャワー水ですすいだ。軽く濡れた片方の手の平に各水中油型乳化組成物0.5gを
とり、反対側のシャワーで流して軽く濡れた前腕に塗り広げた。約30秒後、約40℃の
シャワー水をかけて流し、タオルで押さえるように過剰な水分を拭った。その後、水中油
型乳化組成物を塗布していた腕の光沢感について、以下の基準で評価した。結果を、5名
の合計点で示した。
5点:とても光沢感がある。
4点:光沢感がある。
3点:やや光沢感がある。
2点:あまり光沢感がない。
1点:光沢感がない。
【0111】
(10)水で濡れた肌に塗布してシャワーで流したときのベタツキのなさ:
(9)と同様にして、シャワーで流した後、水中油型乳化組成物を塗布していた腕のベ
タツキのなさについて、以下の基準で評価した。結果を、5名の合計点で示した。
5点:ベタツキを感じない。
4点:ほとんどベタツキを感じない。
3点:あまりベタツキを感じない。
2点:ややベタツキを感じる。
1点:ベタツキを感じる。
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
*1:スクワラン:岸本特殊肝油社製、スクワラン、
*2:流動パラフィン:Sonneborn,LLC製、ケイドール、
*3:N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)
:味の素社製、エルデュウPS-203、
*4:ジカプリン酸ネオペンチルグリコール:日清オイリオグループ社製、エステモール
N-01、
*5:イソノナン酸イソノニル:日清オイリオグループ社製、サラコス99、
*6:トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:花王社製、ココナードMT、
*7:塩化ジステアリルジメチルアンモニウム:Evonik Operations
GmbH製、VARISOFT TA100、
*8:塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム:日油社製、カチオン VB-800E(塩
化ベヘニルトリメチルアンモニウム80%とエタノール20%の混合物)、
*9:N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム:日本サーファクタント工業社
製、NIKKOL SMT、
*10:モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:花王社製、レオドールTW-
S120V、
*11:ベヘン酸グリセリル:太陽化学社製、サンソフト NO.8100-CK、
*12:モノステアリン酸ソルビタン:花王社製、レオドール SP-S10V、
*13:ワセリン:Sonneborn,LLC製、スーパーホワイトプロペット、
*14:N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデ
カナミド:花王社製、ソフケアセラミド SL-E、
*15:イソステアリン酸コレステリル:花王社製、エキセパール IS-CE-A、
*16:N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチ
ルドデシル):味の素社製、エルデュウPS-306、
*17:ジリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘ
ニル):日本精化社製、PLANDOOL-H、
*18:濃グリセリン:花王社製、化粧品用濃グリセリン、
*19:ソルビトール:三菱商事ライフサイエンス社製、ソルビット W-70(ソルビ
トール70%と水30%の混合物)、
*20:ポリエチレングリコール600:三洋化成工業社製、PEG-600(-G)、
*21:d-δ-トコフェロール:タマ生化学社製、D-δ-トコフェロール、
*22:エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩
・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体:
(エチル[(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムエチル硫酸塩・N,
N-ジメチルアクリルアミ30%とポリエチレングリコール70%の混合物)、
*23:ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム:BASF Pe
rsonal Care and Nutrition GmbH製、コスメディア ウ
ルトラジェル 300(ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム9
7%とイソプロパノール3%の混合物)、
*24:キサンタンガム:住友ファーマフード&ケミカル社製、ケルデント、
*25:ステアリルアルコール:花王社製、カルコール8098、
*26:セタノール:花王社製、カルコール6098、
*27:コレステロール:日本精化社製、コレステロールJSQI、
*28:メチルポリシロキサン:信越化学工業社製、シリコーン KF-96A-10C
S、
*29:アラントイン:川研ファインケミカル社製、S-アラントイン、
*30:ユーカリエキス:香栄興業社製、ユーカリエキスK、
*31:フェノキシエタノール:東邦化学工業社製、ハイソルブEPH、
*32:コハク酸:日本触媒社製、コハク酸、
*33:アルギニン:味の素社製、L-アルギニン Cグレード
*34:ラウリルヒドロキシスルホベタイン液:花王社製、アンヒトール20HD(ラウ
リルヒドロキシスルホベタイン30質量%と水70質量%の混合物)
【0117】
本発明の水中油型乳化組成物は、肌に塗布すれば肌によく収着・吸収され、その後水や
タオルで拭いても取り去られない特徴を有する。特に、油性成分は肌に効率的に残存する
。そこで、一部の実施例と比較例について、濡れた肌に塗布してタオルで拭いた後の肌に
残った油性成分の量を、セラミドを例として測定した。濡れた肌に塗布してタオルで拭い
た後に肌に残った油性成分(セラミド)の残存率は、肌の被膜感・保護感や翌朝の保湿感
と相関し、本発明の水中油型乳化組成物は、油性成分(セラミド)の残存率が高いので、
肌の被膜感・保護感や翌朝の保湿感を良好にできるものである。
【0118】
試験例
実施例3~6、比較例2の水中油型乳化組成物について、皮膚に塗布したときのセラミ
ド残存率を測定した。結果を表5に示す。
【0119】
(試験方法)
(1)前腕内側の試験部位を、キュレル泡ボディウォッシュ(花王社製)を用いて洗浄し
、ぬるま湯で洗い流し、タオルで拭いた。
(2)洗浄後の前腕内側の被験部位(5×6cm)に、82μLの水中油型乳化組成物を
マイクロマンでとり、153μLの水道水を加えて混ぜて均一に塗布した。
(3)1分放置後、紙タオルで2回抑えてタオルドライした。
(4)水中油型乳化組成物を塗布していた部位について、D-SQUAMEテープ(Clinical and
Derm 社、直径2.3cm円状)で同じ箇所を深さ方向に5回採取した。採取した箇所と
は別の箇所からも同様に5回採取し、計4か所から採取した(
図1参照)。
(5)バイアル瓶に採取したテープ20枚をすべて入れ、アセトン/ジエチルエーテル/
エタノール=3/3/4、5mLを加え、ボルテックスして抽出後、乾固した。さらに、
メタノール5mLを入れて、蓋をして超音波洗浄機(~50℃)で1.5時間抽出した。
抽出液中のN-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサ
デカナミド(成分(D1))をHPLC(UV,ODSカラム)、メタノール/アセトニ
トリル=7/3で定量した。
(6)分析値から、塗布部位にタオルドライ後に付着した(紙タオルに拭き取られずに残
った)N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカ
ナミド(成分(D1))の量と、水中油型乳化組成物中の配合量(質量%)と塗布量から
、下記式により、セラミド残存率を求めた。
なお、残存率計算に当たっては、塗布面積(5×6cm
2)に対して回収面積(1.1
5×1.15×3.14×4cm
2)の点を考慮した。また、塗布部位には剤が均一に塗
布されているものとして計算した。
また、各水中油型乳化組成物について、2回、(1)~(6)を実施して残存率を求め
、2回の平均値を測定値とした。
【0120】
セラミド残存率(%)=(20枚のテープから回収された成分(D1)の総量)/(回収
面積1.15×1.15×3.14cm2に塗布された水中油型乳化組成物中の成分(D
1)の含有量)×100
【0121】