(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071609
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】浴室用椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 9/00 20060101AFI20240517BHJP
A61H 33/06 20060101ALI20240517BHJP
A47K 3/12 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A61H33/06 Y
A47K3/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051866
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2019138328の分割
【原出願日】2019-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2019038962
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】598087841
【氏名又は名称】株式会社幸和製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】山口 聡
(72)【発明者】
【氏名】海野 恭平
(57)【要約】
【課題】「浴室内は狭いので椅子全体としての幅寸法が小さい」こと、および、「ユーザが容易に立ち座りできるように、両肘掛けの間の幅寸法が大きい」ことを両立する浴室用椅子を提供する。
【解決手段】浴室用椅子10を、前脚12と、後脚14と、ユーザが腰掛ける座部16と、座部16の両側に配設された一対の肘掛け24とで構成する。そして、上面視における、肘掛け24同士の最大内寸法L1を320mm以上とし、肘掛け24の最小幅寸法L5を35mm以下とし、浴室用椅子の全体幅寸法を460mm以下とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前脚と、後脚と、ユーザが腰掛ける座部と、前記座部の両側に配設された一対の肘掛けとを備える浴室用椅子であって、
上面視における前記肘掛け同士の最大内寸法が320mm以上であり、かつ、
上面視における前記肘掛けの最小幅寸法が35mm以下であり、
前記浴室用椅子の全体幅寸法は、460mm以下であり、
前記肘掛けは、水平となる位置から後方に向けて上下方向に回動可能となっており、かつ、前記座部に腰掛けた状態の前記ユーザが向かう方向の端部である前方端部と、前記前方端部よりも後方端側に形成された最小幅部とを有しており、
前記最大内寸法は、前記肘掛け同士における前記最小幅部の内寸法であり、
上面視において、前記座部は、前方部分の幅が後方部分の幅に比して広く、両側端縁から外側に向かう凸部を有しており、
前記両肘掛けは、互いに向かい合う内側端縁に凹部を有している
浴室用椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に浴室内で使用される椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、介護等に使用される浴室用椅子が多数開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された浴室用椅子は、肘掛けの形状に関し、その中央線からの左右の幅寸法を互いに相違させており、左右の肘掛けを交換することにより、両肘掛けの間の幅寸法を変更できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
浴室用椅子には、様々な寸法的要求が存在している。一例を挙げると、「浴室内は狭いので椅子全体としての全体幅寸法が小さい」ことや、「入浴者が容易に立ち座りできるように、両肘掛け同士の最大内寸法が大きい」ことである。
【0006】
このように様々な寸法的要求に応じて選べるよう、従来の浴室用椅子は、小さいものから順に「コンパクト」、「ミドル」、そして「ワイド」といった大略3つの寸法分類に属するように設計されていた。
【0007】
しかしながら、従来の浴室用椅子では、それが属する分類が小さい寸法分類になると、当該浴室用椅子の全体幅寸法が小さくなると共に両肘掛け同士の最大内寸法も小さくなってしまい、例えば、浴室用椅子の全体幅寸法は「コンパクト」の分類に属するものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法はより大きな「ミドル」の分類に属するようものは存在していなかった。
【0008】
これには様々な理由が考えられるが、従来の浴室用椅子では、肘掛けが入浴者(以下、「ユーザ」という。)の立ち上がり又は座る際の握持手段としてのみに着目されていたことが最大の要因と思われる。
【0009】
これに対し、発明者らは、肘掛けを「ユーザの座位を保持する手段」として着目することにより、例えば、全体幅寸法が「コンパクト」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ミドル」に分類される浴室用椅子や、全体幅寸法が「ミドル」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ワイド」に分類される浴室用椅子を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面によれば、
前脚と、後脚と、ユーザが腰掛ける座部と、前記座部の両側に配設された一対の肘掛けとを備える浴室用椅子であって、
上面視における前記肘掛け同士の最大内寸法が320mm以上であり、かつ、
上面視における前記肘掛けの最小幅寸法が35mm以下であり、
前記浴室用椅子の全体幅寸法は、460mm以下であり、
前記肘掛けは、水平となる位置から後方に向けて上下方向に回動可能となっており、かつ、前記座部に腰掛けた状態の前記ユーザが向かう方向の端部である前方端部と、前記前方端部よりも後方端側に形成された最小幅部とを有しており、
前記最大内寸法は、前記肘掛け同士における前記最小幅部の内寸法であり、
上面視において、前記座部は、前方部分の幅が後方部分の幅に比して広く、両側端縁から外側に向かう凸部を有しており、
前記両肘掛けは、互いに向かい合う内側端縁に凹部を有している
浴室用椅子が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上面視における、両肘掛け同士の最大内寸法、および、肘掛けの最小幅寸法をそれぞれ320mm以上、および、35mm以下に規定することにより、例えば、全体幅寸法が「コンパクト」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ミドル」に分類される浴室用椅子や、全体幅寸法が「ミドル」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ワイド」に分類される浴室用椅子を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の斜視図である。
【
図2】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の正面図である。
【
図3】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の背面図である。
【
図4】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の平面図である。
【
図5】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の底面図である。
【
図6】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の左側面図である。
【
図7】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の肘掛け24を分解した状態を示す一部分解斜視図である。
【
図8】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の肘掛け24を分解した状態を示す一部分解左側面図である。
【
図9】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10の肘掛け24を構成するカバー部材126を示す平面図である。
【
図10】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10における、肘掛け24と座部16との位置関係を示す概略平面図である。
【
図11】本発明が適用された実施形態に係る浴室用椅子10における、肘掛け24と座部16と前脚12の脚ゴム32および後脚14の脚ゴム48との位置関係を示す概略平面図である。
【
図12】変形例1に係る、肘掛け24のフレーム120における平板部134を示す断面図である。
【
図13】変形例4に係る浴室用椅子10の底面図である。
【
図14】変形例4に係る浴室用椅子10の底面図(カバー211を外した状態)である。
【
図15】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の右側面から見たA-A断面図である。
【
図16】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の正面図である。
【
図17】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の背面図である。
【
図18】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の右側面図である。
【
図19】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の平面図である。
【
図20】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態)の底面図である。
【
図21】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み途中状態)の右側面から見たB-B断面図である。
【
図22】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み途中状態)の正面図である。
【
図23】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み途中状態)の背面図である。
【
図24】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み完了状態)の右側面から見たC-C断面図である。
【
図25】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み完了状態)の正面図である。
【
図26】変形例4に係る浴室用椅子10(折り畳み完了状態)の背面図である。
【
図27】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態、かつ、肘掛け24を倒した状態)の正面図である。
【
図28】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態、かつ、肘掛け24を倒した状態)の背面図である。
【
図29】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態、かつ、肘掛け24を倒した状態)の右側面図である。
【
図30】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態、かつ、肘掛け24を倒した状態)の平面図である。
【
図31】変形例4に係る浴室用椅子10(組み立て状態、かつ、肘掛け24を倒した状態)の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(浴室用椅子10の構成について)
図1から
図6を用いて、本実施形態に係る浴室用椅子10(以下、単に「椅子10」と記載することがある。)の構成について説明する。本実施形態に係る椅子10は、大略、一対の前脚12と、一対の後脚14と、座部16と、リンク接続バー18と、リンクバー20と、背もたれ22と、肘掛け24とを備えている。なお、椅子10を折り畳むことができるようにする機構については、本発明の必須構成要素ではなく、折り畳み機構を設けることなく固定式の椅子10としてもよい。
【0014】
また、本明細書を通じて、椅子10の座部16に腰掛けた状態のユーザが向かう方向を「前方」といい、この反対方向を「後方」という。
【0015】
前脚12は、断面円形のパイプ材を曲げることによって形成された部材である。本実施形態において、前脚12は、椅子10を展開した状態(つまり、
図1から
図6に示す状態)で、後方から前方に向かって、やや前方の下方向に向けて延びる背もたれ支持部26と、これに続いて水平方向に延びる水平部28と、さらにこの水平部28に続いて再び前方の下方向に向けて延びる前脚部30とで一体的に構成されている。また、前脚部30の下方先端には脚ゴム32が取り付けられている。
【0016】
一対の前脚12は、それぞれの背もたれ支持部26における上側端が水平方向に延びる背もたれ取付部34で互いに連結されている。つまり、本実施形態における一対の前脚12は、1本のパイプ材を曲げることによって形成されている。もちろん、複数のパイプ材を組み合わせて一対の前脚12を構成してもよい。
【0017】
なお、本実施形態における前脚12の下端部は二重パイプ構造になっており、外パイプ36の表面には所定の間隔で複数個の高さ調節孔38が形成されており、内パイプ40からは、当該内パイプ40の表面から出没自在であって、いずれかの高さ調節孔38に嵌め込まれる高さ調節ピン42が設けられている。これにより、前脚12における前脚部30の長さを調節して、床から座部16までの高さを調節することができる。
【0018】
後脚14は、前脚12と同様に、断面円形のパイプ材を曲げることによって形成された部材である。本実施形態において、後脚14は、椅子10を展開した状態で前方から後方に向かって、水平方向からやや後方下向きに延びる座部支持部44と、これに続いて後方の下方向に延びる後脚部46とで一体的に構成されている。また、後脚部46の下方先端にも脚ゴム48が取り付けられている。また、本実施形態において、一つの後脚14は、それぞれ別のパイプ材で構成されている。
【0019】
また、前脚12と同様、後脚14の下端部も二重パイプ構造になっており、外パイプ50の表面には所定の間隔で複数個の高さ調節孔52が形成されており、内パイプ54からは、当該内パイプ54の表面から出没自在であって、いずれかの高さ調節孔52に嵌め込まれる高さ調節ピン56が設けられている。
【0020】
本実施形態において、後脚14は、前脚12よりも内側に配設されている。また、一対の前脚12と一対の後脚14とは、前脚12における水平部28の中央部と、後脚14における座部支持部44の先端部とでそれぞれ互いに回動可能に軸支されている。具体的には、前脚12における水平部28の中央部に前脚側軸支孔58が形成されているとともに、後脚14における座部支持部44の先端部に後脚側軸支孔60が形成されており、これらに軸支ピン62が挿通されることにより前脚12と後脚14とが互いに回動自在になっている。また、
図6に示すように、本実施形態における前脚12と後脚14との軸支位置(つまり、前脚側軸支孔58等が形成されている位置)は、前脚12の前端と、後脚14の後端との間の中間位置にある。なお、後脚14を前脚12に軸支させる前脚側軸支孔58の位置は、上述のように前脚12における水平部28の中央部に限定されず、例えば、水平部28における前方側、つまり、前脚部30に近い位置に前脚側軸支孔58を設けてもよい。
【0021】
また、本実施形態において、後脚14の座部支持部44における後脚側軸支孔60よりもやや後方には、座部16を後脚14で軸支する座部軸支ピン64が嵌挿される座部軸支孔66が形成されている。つまり、本実施形態における一対の後脚14は、座部16を回動可能に軸支する「支軸脚」となっている。また、前脚12に対して後脚14が軸支される位置(例えば、後脚側軸支孔60の位置)は、支軸脚(つまり、後脚14)に対して座部16が軸支される位置(つまり、座部軸支孔66)よりも前方にある。
【0022】
さらに、本実施形態において、後脚14の座部支持部44における座部軸支孔66の位置には、椅子10を展開したときにおいて前脚12の水平部28を下から支える前脚支持部63が外向きに突設されている。この前脚支持部63は、上述した座部軸支ピン64の一部を後脚14から外向きに突出させ、この座部軸支ピン64をパイプ状の前脚支持部材65の中心に挿通することによって構成されている。
【0023】
座部16は、ユーザが腰掛けるための座面を有する部材であり、水平状態と跳ね上げた状態との間で前脚12や後脚14に対して回動可能になっている。具体的に説明すると、上述のように、座部16は、支軸脚である一対の後脚14間において、座部軸支ピン64によって回動可能に軸支されている。このため、本実施形態における座部16の後方両側面には、座部軸支ピン64を受け入れる座部軸支ピン穴68がそれぞれ形成されている。また、本実施形態において、座部16の座面形状は、前方部分の幅が比較的広く、逆に後方部分の幅が比較的狭い形状となっている(
図1および
図4を参照)。つまり、座部16は、その平面視において、両側端縁から外側に向かう凸部108を有している。
【0024】
また、
図5に示すように、座部16の底面における前方中央部には、椅子10が展開されて当該座部16が水平状態にあるときにリンク接続バー18に係合するストッパ70が設けられている。本実施形態におけるストッパ70は、係合ツメ72が形成されたその下端部が座部16の底面に対して揺動可能に取り付けられており、当該係合ツメ72がリンク接続バー18に係合することで座部16の水平状態を維持できるようになっている。
【0025】
また、座部16の底面における、後方端部の座部軸支ピン穴68が形成された位置よりもやや前方には、一対のブラケット78が設けられている。このブラケット78は、互いに平行に対向する一対のブラケット板材80でそれぞれ構成されており、一対のブラケット板材80は、リンクバー20の他端部が嵌まる程度の間隔をあけて配置されている。
【0026】
なお、一対のブラケット78を設ける位置は、上述のような座部16の底面における後方端部の座部軸支ピン穴68が形成された位置よりも前方に限定されるものではなく、当該座部軸支ピン穴68が形成された位置よりも後方であってもよい。
【0027】
また、本実施形態における座部16は、比較的硬質の材料で形成された座部底部材に対して、比較的軟質の材料で形成された座部表面部材を重ねることによって構成されているが、もちろん、1種類の材料で座部16を構成してもよいし、3種類以上の材料で座部16を構成してもよい。
【0028】
リンク接続バー18は、断面円形の中実棒材を曲げることによって形成された部材であり、一方の前脚12における水平部28と前脚部30とが互いに連結する部分の内側面にその一端が接続されており、他方の前脚12における水平部28と前脚部30とが互いに連結する部分の内側面にその他端が接続されている。また、本実施例におけるリンク接続バー18は、略一直線状に形成されているが、この形状に限定されるものではない。
【0029】
上述した座部16におけるストッパ70の係合ツメ72は、リンク接続バー18の中央部に係合するようになっている。
【0030】
このように、本実施形態における一対の前脚12は、それらの間でリンク接続バー18が架設された「リンク脚」となっている。
【0031】
リンクバー20は、一端がリンク接続バー18に対して回動可能に接続されており、他端が座部16の底面に対して回動可能に接続された部材である。
【0032】
なお、本実施形態では、「支軸脚」である一対の後脚14同士の間に補強バー21が架設されているが、この補強バー21は本発明の必須の構成要素ではない。
【0033】
背もたれ22は、座部16に腰掛けた状態のユーザの背中を後方から支えるための部材であり、上述のように、一対の前脚12の上側端を互いに連結する背もたれ取付部34に取り付けられている。もちろん、背もたれ22は、例えば、一対の前脚12における背もたれ支持部26に取り付けてもよいし、他の部材に取り付けてもよい。
【0034】
本実施形態において、背もたれ22が取り付けられる背もたれ取付部34は、その中央部35が後方に突出するように湾曲して形成されている。これにより、当該中央部35と背もたれ22の後方面との間に隙間37が形成されることになり(
図4を参照)、椅子10を持ち上げて移動させる場合等において当該隙間37に指を差し入れて中央部35を把持しやすくなる。
【0035】
肘掛け24は、座部16に腰掛けた状態のユーザが肘を掛けるための部材である。本実施形態では、一対の前脚12における背もたれ支持部26の高さ方向の略中央部から前方に突出するように一対の肘掛け24が取り付けられている。また、各肘掛け24における前脚12への取り付け部である肘掛け取付部98は、当該前脚12に対して肘掛け24の先端が回動可能となるように構成されており、かつ、椅子10を展開した状態において当該肘掛け24が略水平となる位置で回動が止まるようになっている。もちろん、肘掛け24は、他の部材に取り付けてもよい。
【0036】
この肘掛け24について詳述する。
図7および8に示すように、肘掛け24は、大略、フレーム120と、一対の側面カバー122と、軸支部材124と、カバー部材126とで構成されている。また、肘掛け24が取り付けられる前脚12における背もたれ支持部26の中央部からは、前方に向けて肘掛け取付ブラケット130が突設されている。さらに、当該肘掛け取付ブラケット130には、ブラケットカバー132が被せられている。
【0037】
フレーム120は、肘掛け24の「骨」にあたる部材であり、大部分が前後方向に延びるとともに水平幅方向が薄い平板で形成されている。フレーム120は、この平板部134と、後方端(肘掛け取付ブラケット130側の端)に当該平板部134と略平行に配設された挟持板部136とで一体に構成されている。なお、平板部134と挟持板部136とは互いに離間するように構成されており、これら平板部134と挟持板部136との間の隙間に、ブラケットカバー132が被された状態の肘掛け取付ブラケット130が挿設されるようになっている。
【0038】
さらに、平板部134および挟持板部136には、軸支部材124が挿設される軸支部材挿設孔138がそれぞれ形成されている。
【0039】
一対の側面カバー122は、フレーム120に被せたカバー部材126の両側面に配置するカバーであり、一方の側面カバー122には、軸支部材124が挿設される軸支部材挿設第2孔140が形成されており、他方の側面カバー122における内側面からは、軸支部材124の先端部が嵌挿される軸支部材嵌挿突部142が突設されている。
【0040】
軸支部材124は、前脚12における背もたれ支持部26の中央部から突設された肘掛け取付ブラケット130に対して肘掛け24を回動自在に取り付けるための部材であり、本実施形態では、先端部に雄ネジが形成されたピンが使用されている。もちろん、肘掛け取付ブラケット130に対して肘掛け24を回動自在に取り付けることができるのであれば、ピン以外の部材を使用してもよい。
【0041】
このように、本実施形態では、フレーム120の平板部134および挟持板部136、一対の側面カバー122、および、軸支部材124で肘掛け取付部98が構成されている。
【0042】
カバー部材126は、フレーム120に被せて使用する、比較的軟質の素材(例えば、エラストマー)で形成された部材である。本実施形態に係るカバー部材126は、
図9に示すように、前脚12に取り付けられた際に反対側の肘掛け24に向かい合う内側端縁144において、カバー部材126の内側に湾曲するように形成された凹部146が形成されている。これにより、カバー部材126は、その平面視において、比較的幅広の前方端部148と、前方端部148よりも後方端側に形成された最小幅部150とを有している。
【0043】
また、カバー部材126の後方端部152は、上述したフレーム120の挟持板部136が設けられた部分を覆うようになっているので、その幅方向寸法が最小幅部150よりも大きくなっている。
【0044】
本明細書全体を通して、上面視(平面視)における、両肘掛け24における最小幅部150の内面同士の間の距離を肘掛け24同士の「最大内寸法L1」といい(
図4参照)、この最大内寸法L1は、320mm以上であることが好適である。最大内寸法L1を320mm以上に設定することで、大半のユーザが必要以上に肘掛け24に当たることなく、座部16に腰を下ろすことができるからである。
【0045】
また、本明細書全体を通して、上面視(平面視)における、両肘掛け24における最小幅部150の幅寸法を肘掛け24の「最小幅寸法L5」といい(
図4参照)、この最小幅寸法L5は、35mm以下であることが好適である。
【0046】
次に、椅子10における、肘掛け24と座部16と前脚12および後脚14との位置関係について説明する。
図10には、前脚12、後脚14、および、これらに取り付けられた脚ゴム32,48がすべて肘掛け24よりも内側(平面視における椅子10の中央部側)に位置している場合の概略平面図を示しているので、一対の肘掛け24および座部16のみが描かれている。
【0047】
この場合、肘掛け24同士の最大内寸法L1と、座部16における両凸部108の外端同士の寸法(以下、座部16の「両端寸法L2」という)との関係を考えたとき、「最大内寸法L1」と「両端寸法L2」とが同じケース(
図10(a)を参照)、「最大内寸法L1」よりも「両端寸法L2」の方が大きいケース(
図10(b)を参照)、さらに、「最大内寸法L1」よりも「両端寸法L2」の方が小さいケース(
図10(c)を参照)が考えられる。
【0048】
なお、「最大内寸法L1」よりも「両端寸法L2」の方が大きいケース(
図10(b)を参照)において、さらに、「両端寸法L2」が、両肘掛け24の外端同士の寸法(以下、肘掛け24の「外端寸法L3」という)よりも大きいケースは考えにくい。なぜならば、このようなケースでは、両肘掛け24が邪魔になって座部16における両外側端部が有効に使用できなくなり、無駄が多くなるからである。
【0049】
本明細書全体を通して、この椅子10全体における平面視での幅方向の最大寸法を「最大幅寸法」という。つまり、
図10に示す各ケースの場合、肘掛け24の外端寸法L3が椅子10における「全体幅寸法」となる。
【0050】
図11には、前脚12に取り付けられた脚ゴム32、および、後脚14に取り付けられた脚ゴム48のうち、脚ゴム32が肘掛け24よりも外側(平面視における椅子10の中央部から離れた側)に位置している場合の概略平面図を示している。もちろん、脚ゴム48の方が外側に位置している場合も考え方は同じである。
【0051】
この場合、肘掛け24同士の最大内寸法L1と、座部16の両端寸法L2との関係を考えたとき、
図10に示した場合と同様に、「最大内寸法L1」と「両端寸法L2」とが同じケース(
図11(a)を参照)、「最大内寸法L1」よりも「両端寸法L2」の方が大きいケース(
図11(b)を参照)、さらに、「最大内寸法L1」よりも「両端寸法L2」の方が小さいケース(
図11(c)を参照)が考えられる。
【0052】
なお、この場合も上述したことと同じ理由で、「両端寸法L2」が、両肘掛け24の外端寸法L3よりも大きいケースは考えにくい。
【0053】
図11に示す各ケースの場合、前脚12に取り付けられた脚ゴム32の外端同士の寸法L4が椅子10における「最大幅寸法」となる。もちろん、脚ゴム32が存在しない場合は、前脚12の外端同士の寸法が「最大幅寸法」となり、前脚12よりも後脚14の方が間隔をあけて配置されている場合であれば、後脚14の外端同士や、後脚14に取り付けられた脚ゴム48の外端同士の寸法が「全体幅寸法」となる。
【0054】
(浴室用椅子10の特徴)
本実施形態にかかる椅子10によれば、肘掛け24同士の最大内寸法L1、および、肘掛け24の最小幅寸法L5をそれぞれ320mm以上、および、35mm以下に規定することにより、例えば、全体幅寸法が「コンパクト」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ミドル」に分類される浴室用椅子や、全体幅寸法が「ミドル」に分類されるものでありながら、両肘掛け同士の最大内寸法が「ワイド」に分類される浴室用椅子を提供することができる。
【0055】
例えば、「コンパクト」に分類される、椅子10の全体幅寸法が400mmから410mmの椅子10の場合、肘掛け24の最小幅寸法L5を35mm以下に規定して肘掛け24同士の最大内寸法L1を320mmから375mmにすることが考えられる。
【0056】
また、「ミドル」に分類される、椅子10の全体幅寸法が450mmから460mmの椅子10の場合、肘掛け24の最小幅寸法L5を35mm以下に規定して肘掛け24同士の最大内寸法L1を370mmから425mmにすることが考えられる。
【0057】
このような肘掛け寸法を採用することにより、全体幅寸法を充分に確保しながら、肘掛け24同士の最大内寸法L1を確保することができ、設計自由度を高めることができる。
【0058】
また、肘掛け24に、比較的幅広の前方端部148と、前方端部148よりも後方端側に形成された最小幅部150とを設けることにより、座部16に腰掛けたユーザの胴部が肘掛け24の最小幅部150に干渉しにくく、かつ、肘掛け24の前方端部148をユーザが立ち上がる際の「手がかり」にしやすくなり、使い勝手のよい浴室用椅子10を提供することができる。
【0059】
さらに、座部16に両側端縁から外側に向かう凸部108を形成するとともに、両肘掛け24において、互いに向かい合う内側端縁144に凹部146を形成することにより、椅子10の平面視において肘掛け24の最小幅部150付近まで座部16を配置できるようになり、肘掛け24や座部16が配置されていないためにユーザが不安を感じるような領域をより減らすことができる。
【0060】
(変形例1)
上述した実施形態では、肘掛け24を構成するフレーム120の平板部134を前後方向に延びるとともに水平幅方向が薄い平板で構成しているが、より高い強度をフレーム120に求めるのであれば、
図12に示すように、平板部134に所定の曲がり部160を設ける等して断面二次モーメントが増加する形状とするのが好適である。
【0061】
(変形例2)
上述した実施形態では、フレーム120に対して別体のカバー部材126を被せて肘掛け24を構成していたが、これらフレーム120とカバー部材126とを一体的に成形してもよい。また、適切な強度と表面の柔らかさとを備える材料を用いて一つの部材でフレーム120とカバー部材126とを兼ねてもよい。
【0062】
(変形例3)
また、上述した実施形態では、フレーム120の後方端に挟持板部136を配設し、この挟持板部136と平板部134とで前脚12から突設された肘掛け取付ブラケット130を挟むようにして肘掛け24を前脚12に取り付けていたが、これとは逆に、フレーム120を平板部134のみで構成し、前脚12から突設する肘掛け取付ブラケット130を二重にしてこれらの間に平板部134を挿設することによって肘掛け24を前脚12に取り付けてもよい。
【0063】
(変形例4)
上述した実施形態では、座部16の底面における前方中央部にストッパ70が設けられており、座部16が水平状態にあるときに当該ストッパ70の係合ツメ72がリンク接続バー18に係合することにより、座部16の水平状態が維持されるようになっていたが、これに代えて、
図13および
図14に示すようなストッパ機構200を浴室用椅子10に設けてもよい。
【0064】
この変形例1に係る椅子10は、このストッパ機構200が存在することの他、座部16の後方両側面に挿設されていた一対の座部軸支ピン64が、一方の後脚14における座部軸支孔66から他方の後脚14における座部軸支孔66に至るように架設された座部支持バー202に代わっており、座部16の底面中央部やや後方に形成された座部支持バー挿通孔203に当該座部支持バー202が挿通されることによって座部16が回動可能となっていること、および、前脚12および後脚14が閉じる方向にこれら両脚12,14を付勢する両脚付勢機構250が設けられていることが、上述した実施形態と異なっている。
【0065】
ストッパ機構200は、大略、レバー204と、ストッパ206と、リンク208と、付勢部材210と、カバー211とで構成されている。
【0066】
レバー204は、座部16の後方端に配設された部材であり、断面視(
図15)において、当該レバー204の下端側でかつ前方側の端部が当該座部16の底面に対して回動自在に取りつけられている。具体的には、座部16の底面に対して平行に配設されており座部16の幅方向に伸びるレバー回動軸212が挿通されるレバー回動軸挿通孔214がレバー204の下端側かつ前方側の端部に形成されている。レバー204に形成されたこのレバー回動軸挿通孔214にレバー回動軸212が挿通されることにより、レバー204は、座部16の後方に向けて上下方向に起倒回動する。
【0067】
ストッパ206は、座部16の底面における前方側に配設された部材であり、当該ストッパ206の上端側でかつ座部16の前方側の端部が当該座部16の底面に対して回動自在に取りつけられている。具体的には、座部16の底面に対して平行に配置されておりかつ座部16の幅方向に伸びるストッパ回動軸216が挿通されるストッパ回動軸挿通孔218がストッパ206の上端側でかつ座部16の前方側の端部に形成されている。ストッパ206に形成されたこのストッパ回動軸挿通孔218にストッパ回動軸216が挿通されることにより、ストッパ206は、座部16の下方に起倒回動する。
【0068】
また、ストッパ206の前方側には、リンク接続バー18に係合するストッパ係合部220が形成されている。
【0069】
リンク208は、直線状の棒材であり、その一端がレバー204における前方側の上下方向略中央部に回動可能に取りつけられており、他端がストッパ206における後方側の上端部に回動可能に取りつけられている。これにより、レバー204とストッパ206とは、リンク208を介して連動(回動)するようになっており、レバー204を上方に起こすとストッパ206が下方に回動し、逆に、レバー204を下方に倒すとストッパ206が上方に回動するように、リンク208の長さが設定されている。
【0070】
また、レバー204に対するリンク208の一端の取付位置は、当該レバー204を下方に倒したときに、レバー回動軸212よりも上方にあったレバー204が下方に位置するように設定されている。これにより、付勢部材210によってストッパ206が下方に回動するように付勢されていても、当該付勢力に抗してレバー204を下方に倒してレバー204をレバー回動軸212よりも下方に移動させると、手を放してもレバー204が当該付勢力によって勝手に上方に戻るように回動するのを避けることができる。
【0071】
付勢部材210は、上述したように、ストッパ206が下方に回動する方向に当該ストッパ206を付勢する部材である。本実施形態では、付勢部材210として「巻きバネ」が使用されており、当該巻きバネの上端が座部16の底面に固定されているとともに、下端がストッパ206を付勢するようになっている。なお、付勢部材210は、ストッパ206を下方に回動する方向に付勢できるものであれば、巻きバネに限定されることはなく、ねじりバネ等といった他の種類の部材を使用できる。
【0072】
カバー211は、座部16の底面中央部を覆う部材であり、本実施形態では、ストッパ206の一部、付勢部材210、そして、レバー204を覆っている。また、本実施形態では、レバー回動軸212は、当該カバー211の後端面に取りつけられている。
【0073】
両脚付勢機構250は、両脚付勢部材252と、両脚付勢部材係止部材254と、両脚付勢部材嵌挿部材256とを備えている。
【0074】
両脚付勢部材252は、前脚12および後脚14に対してこれら両脚12,14が閉じる方向の付勢力を生じさせる部材であり、本実施形態では、ねじりバネが使用されている。なお、両脚付勢部材252は、両脚12,14が閉じる方向の付勢力を生じさせられるものであれば、ねじりバネに限定されることはなく、他の種類の部材を使用できる。
【0075】
両脚付勢部材係止部材254は、両脚付勢部材(ねじりバネ)252の一方端を係止させるための一対の部材であり、本実施形態では、両脚付勢部材252よりも前方で、かつ、各前脚12の水平部28から内向きかつ水平にそれぞれ突設されている。
【0076】
両脚付勢部材嵌挿部材256は、両脚付勢部材252としてのねじりバネの中央部孔に嵌挿することによって両脚付勢部材252を固定取り付けするための部材であり、本実施形態では、前脚12と後脚14とを回動可能に軸支する軸支ピン62を座部16の中心に向けて内方向に延ばすようにして形成されている。
【0077】
なお、本実施形態において、両脚付勢部材252を構成するねじりバネの他方端は、座部支持バー202に取り付けられている。
【0078】
次に、本実施形態に係る椅子10を折り畳む手順について説明する。
図15から
図20に示すように、座部16を略水平状態にした「組み立て状態」において、ストッパ機構200のレバー204を、付勢部材210の付勢力に抗して、上方から下方に回動させる。すると、
図21から
図23に示すように、後方に引かれたレバー204を介して、ストッパ206も下方から上後方に回動する。これにより、ストッパ206のストッパ係合部220がリンク接続バー18から外れた状態になる。この状態で例えば背もたれ22等を持って椅子10を上方に持ち上げると、両脚付勢機構250の両脚付勢部材252からの付勢力によって前脚12および後脚14が閉じていき、これにより座部支持バー202を中心にして座部16が上方に回動していく(
図21参照)。
【0079】
座部16が座部支持バー202を中心にして上方に回動していくと、図示するように、レバー204の後方端部が補強バー21に当接する(もちろん、椅子10におけるいずれか別の部材に当接してもよい)。さらに前脚12および後脚14を閉じていき座部16の上方への回動を進めていくと、当該補強バー21に押されたレバー204が座部16に対して相対的に上方に回動して座部16が水平状態のときの状態に戻っていき、リンク208がレバー回動軸212よりも上側に戻った段階で、付勢部材210の付勢力によってストッパ206が下方に回動するように押圧され、リンク208を介してレバー204も上方に回動して座部16が水平状態であったときの位置に戻る。
【0080】
レバー204の位置が戻った段階で、椅子10の折り畳みが完了する(
図24から
図26参照)。
【0081】
折り畳んだ状態の椅子10を再び「組み立て状態」にするには、両脚付勢機構250からの付勢力に抗してユーザーが前脚12および後脚14を開いていく。すると、これに伴って座部16の前方端部が下方に移動させていき、前脚12および後脚14が開ききったところで座部16の底面に設けられたストッパ206のストッパ係合部220がリンク接続バー18に係合することにより、椅子10が再び「組み立て状態」になる(
図27から
図31参照)。
【0082】
このように、変形例4に係る実施形態によれば、座部16の底面に手を回すことなく、座部16の後方端から突設されたレバー204を下方に回動させるだけで座部16を回動可能にすることができる。
【0083】
また、座部16を回動可能にした段階でレバー204から手を放しても当該レバー204が不所望に元の位置(上方)に戻らないので、レバー204を操作しつつ座部16の前方端を上方に回動させるといった両手作業が不要となり、例えば高齢者であっても椅子10の組み立て・折り畳みを容易に行うことができる。
【0084】
さらに、座部16の前方端を上方に回動させている途中でレバー204が補強バー21に当接して自動的に元の位置に戻るので、レバー204の位置を戻し忘れる心配がない。
【0085】
変形例4に係る実施形態によれば、座部16の後方端から突説されたレバー204を操作した手をそのまま鉛直上方に移動させて、椅子10の背もたれ22や背もたれ取付部34の中央部35を把持し、然る後、椅子10を上方に持ち上げるだけで、つまり、手を鉛直上方に移動させるだけで簡単に椅子10を折り畳んだ状態にすることができる。
【0086】
加えて、両脚付勢機構250によって前脚12および後脚14は常に閉じる方向に付勢されているので、これら両脚12,14の間隔が不所望に開くことがない。
【0087】
また、再び椅子10を「組み立てた状態」にする場合も、両脚付勢機構250に付勢力に抗して両脚12,14を開いていくだけで、座部16の前方端が自重で下方に回動していき、当該座部16の底面に設けられたストッパ206のストッパ係合部220がリンク接続バー18に係合するので、手で座部16の前方端を下方に回動させる必要がない。
【0088】
さらに言えば、例えば背もたれの上部にレバーが設けられている椅子等のように、当該レバーを握りながら椅子を折り畳むといった動作が不要となる。また、当該レバーを握りやすくするために背もたれに貫通孔を設ける必要もない。
【0089】
なお、上述した実施例4では、レバー204を上方から下方に回動させることによってストッパ206がリンク接続バー18に係合した状態を解除できるようになっていたが、これに代えて、レバー204を下方から上方に回動させることによってストッパ206が解除状態となるようにリンク208を設定してもよい。
【0090】
また、上述した実施例4では、座部16が後脚14に対して回動可能に取りつけられており、椅子10を折り畳んだときに座部16の前方端が跳ね上がるようになっていたが、これに代えて、座部16を前脚12に対して回動可能に取りつけて、椅子10を折り畳んだときに座部16の後方端が跳ね上がるようにしてもよい。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
10…浴室用椅子(椅子)、12…前脚、14…後脚、16…座部、18…リンク接続バー、20…リンクバー、21…補強バー、22…背もたれ、24…肘掛け、26…背もたれ支持部、28…水平部、30…前脚部、32…(前脚12の)脚ゴム、34…背もたれ取付部、35…(背もたれ取付部34の)中央部、36…(前脚12の)外パイプ、37…隙間、38…(前脚12の)高さ調節孔、40…(前脚12の)内パイプ、42…(前脚12の)高さ調節ピン、44…座部支持部、46…後脚部、48…(後脚14の)脚ゴム、50…(後脚14の)外パイプ、52…(後脚14の)高さ調節孔、54…(後脚14の)内パイプ、56…(後脚14の)高さ調節ピン、58…前脚側軸支孔、60…後脚側軸支孔、62…軸支ピン、63…前脚支持部、64…座部軸支ピン、65…前脚支持部材、66…座部軸支孔、68…座部軸支ピン穴、70…ストッパ、72…係合ツメ、78…ブラケット、80…ブラケット板材、98…肘掛け取付部、108…(座部16の)凸部
120…フレーム、122…側面カバー、124…軸支部材、126…カバー部材
130…肘掛け取付ブラケット、132…ブラケットカバー、134…平板部、136…挟持板部、138…軸支部材挿設孔、140…軸支部材挿設第2孔、142…軸支部材嵌挿突部、144…(カバー部材126の)内側端縁、146…凹部、148…前方端部、150…最小幅部、152…後方端部、160…曲がり部
200…ストッパ機構、202…座部支持バー、203…座部支持バー挿通孔、204…レバー、206…ストッパ、208…リンク、210…付勢部材、211…カバー、212…レバー回動軸、214…レバー回動軸挿通孔、216…ストッパ回動軸、218…ストッパ回動軸挿通孔、220…ストッパ係合部
250…両脚付勢機構、252…両脚付勢部材、254…両脚付勢部材係止部材、256…両脚付勢部材嵌挿部材