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特開2024-71716ゲームシステム、ゲームシステムの動作方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071716
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムの動作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
A63F9/00 512C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056167
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2019216953の分割
【原出願日】2019-11-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1:平成31年4月5日 ドラマ藤沢店(神奈川県藤沢市本藤沢5-6-8) 2:平成31年4月5日 ドラマ港北インター店(神奈川県横浜市都筑区東方町321-6) 3:平成31年4月11日 アミューズメントパーク ネバーランド(神奈川県横浜市都筑区中川中央1-36-16) 4:平成31年4月26日 ゲームパニック三郷店(埼玉県三郷市ピアラシティ1-1-200) 5:平成31年4月26日 鉄腕24浜野店(千葉県千葉市中央区浜野町1025-59) 6:令和1年5月24日 楽市街道箱崎店(福岡県福岡市東区箱崎5-1-8) 7:令和1年7月16日 楽市街道箱崎店(福岡県福岡市東区箱崎5-1-8) 8:令和1年5月31日 ホムスタ玉津店(兵庫県神戸市西区丸塚2-9-18メガパレス2F) 9:令和1年5月30日 イオン北戸田(埼玉県戸田市美女木東1-3-1) 10:令和1年5月31日 シルクハット川崎ダイス(川崎市川崎区駅前本町8 ダイスビル地下2F) 11:令和1年6月28日 シルクハット川崎ダイス(川崎市川崎区駅前本町8 ダイスビル地下2F) 12:令和1年5月31日 アミパラ倉敷(倉敷市西中新田624-1) 13:令和1年5月31日 YAZ寝屋川店(大阪府寝屋川市石津中町25-26) 14:令和1年6月5日 イオン与野(埼玉県さいたま市中央区本町西5-2-9) 15:令和1年6月6日 ラウンドワン南砂店(東京都江東区南砂六丁目7番15号) 16:令和1年7月12日 エースレーン草津(滋賀県草津市野路3丁目1-5) 17:令和1年7月19日 アミューズメントベネクス浦和店(埼玉県さいたま市南区辻7-2-8) 18:令和1年8月6日 キャロム青梅(東京都青梅市千ヶ瀬町4-326-1) 19:令和1年9月19日~ ダウンロード販売 20:令和1年9月24日~ 製品出荷 21:令和1年9月24日 「パチスロ『GI優駿倶楽部』がメダルゲーム「FEATURE PREMIUM」シリーズとして登場!」 22:平成31年4月25日 「GI優駿倶楽部が「フィーチャープレミアム」に新登場!ロケテスト開催!!」 23:令和1年9月10日 「GI優駿倶楽部/ゲーム紹介」 24:令和1年7月5日 「パチスロ攻略マガジン」 2019年8月号 P.46
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】菅 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 庸輔
(72)【発明者】
【氏名】山根 清彦
(72)【発明者】
【氏名】坪田 和男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 暢洋
(72)【発明者】
【氏名】山村 樹
(57)【要約】
【課題】相異なる種類の第1価値媒体および第2価値媒体のゲームにおける役割を簡便に相違させる。
【解決手段】ゲームシステム1は、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1付与部211と、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2付与部212と、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部213とを具備し、前記ゲーム制御部213は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、前記遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1変換部と、
前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2変換部と、
前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部とを具備し、
前記ゲーム制御部は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、遊技者に有利に前記ゲームを進行させる
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、その動作方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
相異なる種類の価値媒体を利用可能なゲームが従来から提案されている。特許文献1には、例えば硬貨等の貨幣とメダル(トークンコイン)とを利用可能なゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4193202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術においては、貨幣をメダルに変換する両替機能を搭載した電子遊技装置に対して、1回のゲームの開始に必要な枚数のメダルを、貨幣およびメダルの双方により投入可能である。特許文献1の技術においては、遊技者が投入した貨幣またはメダルがクレジットに変換され、遊技者がクレジットを消費することでゲームが実行される。特許文献1の技術のもとでは、貨幣およびメダルの投入量が1種類のクレジットの数量に換算される。したがって、貨幣の投入とメダルの投入との各々についてクレジットを個別に管理することは困難である。なお、以上の説明においては貨幣またはメダルが投入される場合を想定したが、相異なる種類の価値媒体を投入可能な任意の構成のもとで同様の課題が想定される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係るゲームシステムは、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1変換部と、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2変換部と、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部とを具備し、前記ゲーム制御部は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、前記遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【0006】
本発明のひとつの態様に係るゲームシステムの動作方法は、第1価値媒体が投入された場合に遊技者に第1遊技価値を付与し、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に前記遊技者に第2遊技価値を付与し、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させ、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、前記遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【0007】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1変換部、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2変換部、および、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記ゲーム制御部は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、前記遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図2】ゲームシステムにおける制御装置の機能的な構成を例示するブロック図であ る。
図3】ゲーム画面の模式図である。
図4】制御装置が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図5】抽選ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図6】第4実施形態における抽選ゲーム処理の具体的な手順を例示するフローチャ ートである。
図7】第7実施形態において第2クレジットの増加を制限するための処理の具体的 な手順を例示するフローチャートである。
図8】第8実施形態において制御装置が実行する処理の具体的な手順を例示するフ ローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。ゲームシステム1は、抽選ゲームを遊技者に提供するためのコンピュータシステムである。ゲームシステム1は遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンター等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。例えばカジノにおいて使用されるゲームシステム1は、ゲーミングマシンとも称呼され得る。
【0011】
抽選ゲームは、抽選を含むゲームである。抽選ゲームには、ゲームの結果が抽選のみにより決定されるゲームと、抽選に加えて抽選以外の要素(例えば遊技者による操作)もゲームの結果に反映されるゲームとが含まれる。前者のゲームにおいては、当選/落選(非当選)または当選の種類(大当たり/小当たり)が抽選により決定され、当選に対する報酬が遊技者に付与される。後者のゲームにおいては、例えば抽選結果が当選であり、かつ、遊技者による操作の結果が所定の条件を充足する場合に、当選に対する報酬が遊技者に付与される。抽選ゲームは、例えば、複数の絵柄の組合せ(すなわち役)により当選/非当選が決定されるスロットゲーム、ボールを利用するビンゴゲーム、または、競走馬等の複数の要素の順位を予想するレースゲーム等である。
【0012】
なお、遊技者にとっての有利/不利が相違する複数のゲームモードの何れかが選択される構成においては、抽選結果をゲームモードの移行に利用してもよい。ゲームモードの移行に抽選結果を利用する構成においては、ゲームモードを移行するか否かを抽選結果に応じて決定してもよいし、例えば抽選結果に応じて遊技者に付与されるポイントが所定数に到達した場合にゲームモードを移行してもよい。以上のようにゲームモードの移行に抽選結果が利用されるゲームも抽選ゲームに含まれる。また、ゲームシステム1は、1人の遊技者がプレイするシングル・ステーション型マシン、および、複数の遊技者が同時にプレイするマルチ・ステーション型マシンの何れでもよい。ゲームシステム1においては、1以上の選択肢に対してベットするベット式の抽選ゲームが実行される。
【0013】
ゲームシステム1は、価値媒体の投入を受付け、ゲームシステム1により管理される電子データであるクレジットに当該価値媒体を変換する。価値媒体は、クレジットに変換される価値を有する有体または無体の媒体である。有体の価値媒体は、例えば物理メダル(トークンコイン)、物理貨幣(現金)またはチケットである。無体の価値媒体は、例えば電子メダル、電子貨幣(電子マネー)またはポイントである。無体の価値媒体の数量は、例えばICカード等の記録媒体に電子データとして記憶される。
【0014】
クレジットは、抽選ゲームの対価として消費される。ゲームシステム1は、遊技者による所定の操作(以下「消費操作」という)に応じてクレジットを消費することで抽選ゲームを開始し、当該抽選ゲームの結果に応じた数量のクレジットを報酬として付与する。消費操作は、具体的にはクレジットをベットするベット操作である。消費操作によりクレジットが消費されたタイミングで抽選ゲームが開始される。また、ゲームシステム1は、遊技者による所定の操作(以下「払出操作」という)に応じてクレジットの残量に対応する数量の価値媒体を払出することが可能である。なお、クレジットとして投入される価値媒体の種類と、クレジットに応じて払出される価値媒体の種類とは、同種および異種の何れでもよい。
【0015】
ゲームシステム1は、第1価値媒体および第2価値媒体の投入を受付ける。第1価値媒体および第2価値媒体は、相異なる種類の価値媒体である。具体的には、第1価値媒体は、遊技施設内においてのみ流通する価値媒体であり、例えばメダル(物理メダルまたは電子メダル)である。第2価値媒体は、一般社会で流通する価値媒体であり、例えば貨幣(物理貨幣または電子貨幣)である。第1実施形態における第2価値媒体は100円硬貨である。
【0016】
第1実施形態におけるクレジットは、第1クレジットと第2クレジットとに区別される。第1クレジットは、ゲームシステム1に投入された第1価値媒体から変換される遊技価値である。第2クレジットは、ゲームシステム1に投入された第2価値媒体から変換される遊技価値である。第1クレジットは「第1遊技価値」の一例であり、第2クレジットは「第2遊技価値」の一例である。以上の通り、第1実施形態においては、第1価値媒体に対応する第1クレジットと第2価値媒体に対応する第2クレジットとが個別に管理される。
【0017】
遊技者は、遊技施設に設置された媒体提供装置(図示略)から第1価値媒体を取得可能である。具体的には、遊技者は、自身が所有する第2価値媒体を媒体提供装置に投入することで第1価値媒体を取得できる。例えば、媒体提供装置は、例えば物理貨幣または電子貨幣の投入と引換に物理メダルまたは電子メダルを遊技者に提供するメダル貸出機である。媒体提供装置は、遊技者が投入した第2価値媒体の数量に対して所定の変換率Q0を乗算した数量の第1価値媒体を遊技者に対して提供する。変換率Q0は、遊技施設毎に設定される所定の正数である。例えば変換率Q0は「100」に設定される。すなわち、第2価値媒体の1枚に対して100枚の第1価値媒体が遊技者に提供される。以上の例示から理解される通り、遊技施設に来場した遊技者は、第2価値媒体と引換に媒体提供装置から提供される第1価値媒体をゲームシステム1に投入するほか、第2価値媒体自体をゲームシステム1に投入することが可能である。なお、媒体提供装置に投入される第2価値媒体の数量に応じて変換率Q0を段階的に変化させてもよい。
【0018】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、制御装置21と記憶装置22と表示装置23と操作装置24と受付装置25と払出装置26とを具備するコンピュータシステムで実現される。なお、ゲームシステム1は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合でも実現される。
【0019】
制御装置21は、ゲームシステム1の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0020】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体で記憶装置22は構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置22を構成してもよい。記憶装置22は、例えば第1クレジットおよび第2クレジットの各々の数量を記憶する。
【0021】
表示装置23は、制御装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置23として利用される。操作装置24は、遊技者による指示を受付ける入力機器である。例えば遊技者による接触を検知するタッチパネル、または、遊技者が操作する操作子が、操作装置24として利用される。第1実施形態の操作装置24は、前述の消費操作を受付ける消費ボタン(ベットボタン)と、払出操作を受付ける払出ボタンとを含む。
【0022】
受付装置25は、遊技者による価値媒体の投入を受付ける機構である。第1実施形態の受付装置25は、第1受付部251と第2受付部252とを具備する。第1受付部251は、第1価値媒体(物理メダルまたは電子メダル)の投入を受付ける機構である。具体的には、第1受付部251は、物理メダルが投入される投入口と、投入口に対する物理メダルの投入を検出する検出器とを具備する。また、第1価値媒体として電子メダルが利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器、または、遊技者の電子メダル口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器が、第1受付部251として利用される。
【0023】
第2受付部252は、第2価値媒体(物理貨幣または電子貨幣)の投入を受付ける機構である。具体的には、第2受付部252は、物理貨幣(すなわち硬貨等の現金)が投入される投入口と、投入口に対する物理貨幣の投入を検出する検出器とを具備する。また、第2価値媒体として電子貨幣(電子マネー)が利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子貨幣の引出処理を実行する通信機器、または、電子決済サーバとの通信により電子決済を実行する通信機器が、第2受付部252として利用される。
【0024】
払出装置26は、価値媒体の払出を実行する機構である。第1実施形態の払出装置26は、第1価値媒体(物理メダルまたは電子メダル)の払出を実行する。具体的には、払出装置26は、受付装置25が受付けた物理メダルを貯留する貯留容器と、貯留容器に貯留された物理メダルを1枚ずつ排出する排出装置と、排出装置による物理メダルの排出を検出する検出器とを具備する。なお、第1価値媒体として電子メダルが利用される構成においては、例えばICカード等の記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器、または、遊技者の電子メダル口座を管理する口座管理サーバとの通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器が、払出装置26として利用される。
【0025】
図2は、制御装置21の機能的な構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、第1実施形態の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(第1変換部211,第2変換部212、ゲーム制御部213,払出制御部214)を実現する。
【0026】
第1変換部211は、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1クレジットに変換する。すなわち、第1変換部211は、第1受付部251が受付けた第1価値媒体を、当該第1価値媒体の投入量に応じた数量の第1クレジットに変換する。第1実施形態の第1変換部211は、第1価値媒体の投入量に対して所定の変換率Q1を乗算した数量の第1クレジットに第1価値媒体を変換する。変換率Q1は所定の正数である。具体的には、変換率Q1は例えば「1」に設定される。したがって、第1価値媒体の投入量と同数の第1クレジットが遊技者に付与される。すなわち、第1価値媒体の単位量(1枚)の投入毎に第1クレジットが単位量(例えば「1」)ずつ増加する。
【0027】
第2変換部212は、第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2クレジットに変換する。すなわち、第2変換部212は、第2受付部252が受付けた第2価値媒体を、当該第2価値媒体の投入量に応じた数量の第2クレジットに変換する。第1実施形態の第2変換部212は、第2価値媒体の投入量に対して所定の変換率Q2を乗算した数量の第2クレジットに第2価値媒体を変換する。変換率Q2は、例えば前述の変換率Q0を下回る正数である。具体的には、変換率Q2は、例えば「10」に設定される。すなわち、1枚の第2価値媒体が10枚の第2クレジットに変換される。前述の例示の通り変換率Q0が「100」に設定され、かつ、変換率Q2が「10」に設定された構成においては、変換率Q2は変換率Q0の1/10である。したがって、第2クレジットの価値は、第1クレジットの価値の10倍である。
【0028】
ゲーム制御部213は、消費操作を契機としてクレジットを消費することで、1回の抽選ゲームの進行を制御する。消費操作毎に、抽選ゲームが繰返し進行される。抽選ゲームにおいて実行される抽選は、例えば番号等の複数の抽選要素の何れかを無作為に選択する処理である。第1実施形態における抽選は、制御装置21が実行する演算により複数の抽選要素の何れかを選択する電子抽選である。第1実施形態のゲーム制御部213は、遊技者が抽選ゲームにおいて当選する確率(以下「当選確率」という)Pを制御することが可能である。
【0029】
ゲーム制御部213は、抽選ゲームの進行を表す図3のゲーム画面Gを表示装置23に表示させる。図3に例示される通り、ゲーム画面Gは、第1領域G1と第2領域G2とを含む画像である。第1領域G1には、抽選ゲームの進行の状況を表す画像が表示される。第2領域G2には、第1クレジットの数量と第2クレジットの数量とが表示される。ゲーム画面Gは、抽選ゲームの進行に応じて随時に更新される。
【0030】
第1実施形態における1回の抽選ゲームにおいては、1回の消費操作により所定の数量(以下「消費単位」という)の第1クレジットが消費され、抽選により当選した遊技者には、配当に応じた数量の第1クレジットが報酬として付与される。第1クレジットの消費単位は、例えば「3」である。また、消費操作の時点において第2クレジットが残存する場合、所定の消費単位(例えば「3」)の第2クレジットが第1クレジットとともに消費される。すなわち、第1クレジットが消費される抽選ゲームにおいては、第2クレジットの残量に応じて、第2クレジットが消費される場合と消費されない場合とがある。なお、消費操作毎に第1クレジットが「1」ずつ消費されてもよい。
【0031】
ゲーム制御部213は、第2クレジットが消費される抽選ゲームにおいては、第2クレジットが消費されない場合と比較して遊技者に有利な条件で当該抽選ゲームを進行させる。遊技者に有利な条件とは、抽選ゲームの目的の達成(すなわち報酬の獲得)を遊技者が目指すうえで当該抽選ゲームに関する条件が遊技者にとって好都合であることを意味する。具体的には、第1実施形態のゲーム制御部213は、第2クレジットが消費される抽選ゲームにおける当選確率Pを、第2クレジットが消費されない抽選ゲームにおける当選確率Pよりも高い数値に設定する。したがって、第2クレジットが消費される抽選ゲームにおいては遊技者が当選し易い。以上の説明から理解される通り、遊技者は、第2価値媒体から変換される第2クレジットを消費することで、当該抽選ゲームにおいて報酬を獲得し易い。遊技者が単位時間内に獲得できる報酬の数量の期待値が増加するとも換言される。なお、第2クレジットの消費により遊技者に有利な条件で進行される抽選ゲームにおいては、遊技者に有利な条件であることを報知するために、表示装置23による画像の表示または放音装置(図示略)による音楽の再生により、特別な演出が実行される。
【0032】
なお、抽選に加えて例えば遊技者による操作がゲームの結果に反映される抽選ゲームにおいては、例えば、遊技者の操作を補助する処理(以下「操作補助」という)を実行すること、または、操作補助の頻度を上昇させることが、遊技者に有利な条件として例示される。操作補助は、例えば、遊技者の操作のタイミングが結果に反映されるゲームにおいて、当該操作のタイミングを例えば画像または音声により遊技者に案内する動作である。また、例えば、遊技者の操作の順番が結果に反映されるゲームにおいては、当該操作の順番を画像または音声により遊技者に案内する動作が、操作補助に相当する。
【0033】
図2の払出制御部214は、価値媒体の払出を制御する。遊技者は、第1クレジットが残存する場合、操作装置24の払出ボタンを操作することで、第1クレジットの残量に相当する数量の価値媒体の払出を指示することが可能である。価値媒体の払出が遊技者から指示された場合、払出制御部214は、第1クレジットの数量に応じた数量の第1価値媒体を払出装置26の検出器が検出するまで、払出装置26の排出装置を動作させる。具体的には、第1クレジットの数量に変換率Q1の逆数1/Q1を乗算した数量の第1価値媒体が払出される。例えば変換率Q1が「1」に設定された構成では、第1クレジットと同数の第1価値媒体が払出される。
【0034】
以上のように第1クレジットの数量に応じた第1価値媒体が払出される一方、第2クレジットの数量に応じた価値媒体(第1価値媒体または第2価値媒体)の払出は制限される。具体的には、第2クレジットが残存する状態で遊技者が払出ボタンを操作しても、第2クレジットの数量は維持される。したがって、遊技者は、基本的には、第2クレジットの全量を消費することで第2クレジットの残量がない状態で、払出ボタンを操作する。
【0035】
なお、遊技者がゲームシステム1の利用を終了する時点において、第2クレジットの端数が残存する場合がある。第2クレジットの端数とは、第2クレジットの消費単位を下回る数量である。したがって、例えば第2クレジットの消費単位が「1」以外である場合に端数が発生し得る。第2クレジットの端数が残存する場合、第2クレジットの残量が消費単位の倍数になることを期待して、遊技者が第2価値媒体を投入することで第2クレジットの数量を増加させることが促進される。すなわち、抽選ゲームのプレイを遊技者が継続する意欲を高めることが可能である。例えば、第2価値媒体の1枚が変換される第2クレジットの数量(例えば「10」)を、第2クレジットの消費単位(例えば「3」)で割り切れない数値に設定すると、第2クレジットに必ず端数が残存する。なお、第2クレジットが残存した状態で遊技者がゲームシステム1の利用を終了することも可能である。以上の状態では、直後に当該ゲームシステム1を利用する他の遊技者が、直前の遊技者の第2クレジットを引続き消費できる。ただし、第2クレジットの残量を他の遊技者が引続き消費できないように、価値媒体の払出が指示された時点において第2クレジットの残量を消去してもよい。また、第2クレジットの残量を消去するか否かを操作装置24に対する操作に応じて遊技者が選択できるようにしてもよい。
【0036】
なお、第2クレジットの数量に応じた価値媒体の払出を制限する他の目的は、第1クレジットの数量に応じた第1価値媒体の払出とともに第2クレジットの数量に応じた第1価値媒体の払出が実行されることを、防止することにある。前述の通り、第2クレジットの価値は第1クレジットの価値を上回るため、第2クレジットが第1価値媒体として払出されると、抽選ゲームにおける有利な状態を遊技者が充分に得られず、結果的に遊技者に不利になる可能性がある。以上の事情により、第1実施形態においては、第2クレジットの数量に応じた価値媒体の払出を制限する。
【0037】
図4は、制御装置21が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。図4の処理が開始されると、第1変換部211は、第1受付部251が第1価値媒体の投入を受付けたか否かを判定する(S1)。第1受付部251が第1価値媒体の投入を受付けた場合(S1:YES)、第1変換部211は、第1価値媒体の投入量に応じた数量の第1クレジットに第1価値媒体を変換する(S2)。具体的には、第1変換部211は、記憶装置22に記憶された第1クレジットの数量を、第1価値媒体の投入量に対して変換率Q1を乗算した数量だけ増加させる。他方、第1受付部251が第1価値媒体の投入を受付けない場合(S1:NO)、第1価値媒体から第1クレジットへの変換(S2)は実行されない。
【0038】
第2変換部212は、第2受付部252が第2価値媒体の投入を受付けたか否かを判定する(S3)。第2受付部252が第2価値媒体の投入を受付けた場合(S3:YES)、第2変換部212は、第2価値媒体の投入量に応じた数量の第2クレジットに第2価値媒体を変換する(S4)。具体的には、第2変換部212は、記憶装置22に記憶された第2クレジットの数量を、第2価値媒体の投入量に対して変換率Q2を乗算した数量だけ増加させる。他方、第2受付部252が第2価値媒体の投入を受付けない場合(S3:NO)、第2価値媒体から第2クレジットへの変換(S4)は実行されない。
【0039】
ゲーム制御部213は、遊技者から消費操作を受付けたか否かを判定する(S5)。消費操作を受付けた場合(S5:YES)、ゲーム制御部213は、抽選ゲーム処理S6を実行する。抽選ゲーム処理S6は、抽選ゲームを進行させる一連の処理である。他方、消費操作を受付けない場合(S5:NO)には抽選ゲーム処理S6は実行されない。以上の説明から理解される通り、消費操作は、抽選ゲームの開始の契機に相当する。なお、抽選ゲーム処理S6の具体的な手順については後述する。
【0040】
払出制御部214は、遊技者から払出操作を受付けたか否かを判定する(S7)。払出操作を受付けた場合(S7:YES)、払出制御部214は、現時点で残存する第1クレジットの数量に応じた数量の第1価値媒体の払出を払出装置26に実行させる(S8)。前述の通り、第2クレジットの残量に応じた価値媒体(第1価値媒体または第2価値媒体)の払出は実行されない。他方、価値媒体の払出が指示されない場合(S7:NO)、払出制御部214は、第1価値媒体の払出を実行しない。したがって、第1クレジットおよび第2クレジットの数量は維持される。払出操作を受付けない場合(S7:NO)、または第1価値媒体の払出を実行した場合(S8)、制御装置21は、前述のステップS1に処理を移行する。
【0041】
図5は、ゲーム制御部213が実行する抽選ゲーム処理S6の具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態において、1回の消費操作に応じた第1クレジットの消費単位は「3」である。また、第2クレジットの消費単位も同様に「3」である。抽選ゲーム処理S6を開始すると、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第1クレジットの数量から、消費単位である「3」を減算する(Sa61)。
【0042】
ゲーム制御部213は、第2クレジットに消費単位を上回る残量があるか否かを判定する(Sa62)。第2クレジットの残量が消費単位を下回る場合(Sa62:NO)、ゲーム制御部213は、第2クレジットを消費することなく、抽選ゲームにおける当選確率Pを数値PLに設定する(Sa63)。
【0043】
他方、第2クレジットの残量が消費単位以上である場合(Sa62:YES)、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第2クレジットの数量から消費単位を減算する(Sa64)。すなわち、第2クレジットの消費単位が第1クレジットの消費単位とともに抽選ゲームのために消費される。以上の手順で第2クレジットが消費されると、ゲーム制御部213は、当選確率Pを数値PHに設定する(Sa65)。数値PHは、第2クレジットが消費されない場合の当選確率Pの数値PLを上回る(PH>PL)。
【0044】
当選確率Pを設定すると(Sa63,Sa65)、ゲーム制御部213は、当選確率Pのもとで抽選を実行する(Sa66)。すなわち、当選/落選が確率的に決定される。以上の説明から理解される通り、第2価値媒体から変換される第2クレジットを消費することで当選確率Pが上昇するから、抽選ゲームにおいて多数の報酬の獲得を目指す遊技者にとって有利な状況となる。以上の説明から理解される通り、第2クレジットは、抽選ゲームを有利に進行させるために消費されるポイントとも換言される。
【0045】
ゲーム制御部213は、抽選結果が当選であるか否かを判定する(Sa67)。抽選結果が当選である場合(Sa67:YES)、ゲーム制御部213は、配当に応じた数量の第1クレジットを報酬として付与する(Sa68)。具体的には、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第1クレジットの数量に配当に応じた数量を加算する。なお、配当は抽選ゲームの内容に応じて適宜に設定される。他方、抽選結果が落選である場合(Sa67:NO)、ゲーム制御部213は抽選ゲーム処理S6を終了する。以上が抽選ゲーム処理S6の具体的な手順である。
【0046】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、第1価値媒体から変換される第1クレジットと第2価値媒体から変換される第2クレジットとが個別に管理される。したがって、第1価値媒体および第2価値媒体の双方に対応する1種類のクレジットを取扱う構成と比較して、第1価値媒体と第2価値媒体との役割を相違させる運用が簡便に実現される。具体的には、第1実施形態の例示の通り、第1価値媒体から変換される第1クレジットを抽選ゲームにおいて消費するとともに、第2価値媒体から変換される第2クレジットを、抽選ゲームを有利に進行させるために消費する、という運用が簡便に実現される。
【0047】
また、第1実施形態においては、第2価値媒体から変換される第2クレジットが消費される場合に、第2クレジットが消費されない場合と比較して抽選ゲームが遊技者に有利に進行する。したがって、遊技者による第2価値媒体の投入を促進できる。例えば、遊技者が保有する第1価値媒体のみを遊技者が多量に利用(投入)する状況では、当該遊技者がゲームシステム1を長時間にわたり占有する状況にも関わらず、遊技施設の収益の増加を充分に見込めない可能性がある。第2価値媒体から変換される第2クレジットを消費することで遊技者が抽選ゲームを有利に展開できる第1実施形態によれば、遊技者が単位時間内に獲得できる報酬の数量の期待値が増加するから、第2価値媒体(物理貨幣または電子貨幣)の投入が促進され、結果的に遊技施設の収益が増加し易いという利点がある。また、第1実施形態においては、第2クレジットの残量に対する第2価値媒体の払出は禁止されるから、遊技者による第2クレジットの消費を促進することが可能である。また、第2価値媒体の払出を実行する機構をゲームシステム1に設置することが不要であるから、ゲームシステム1の構成が簡略化される。
【0048】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明において使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0049】
第1実施形態においては、第2クレジットの消費単位が第1クレジットとともに抽選ゲームにおいて消費される構成を例示した。第2実施形態および後述の第3実施形態においては、第1クレジットのみが抽選ゲームにおいて消費される場合がある。すなわち、第2クレジットに消費単位以上の残量がある場合でも、抽選ゲームにおいて第2クレジットが消費されない場合がある。以上の通り、第1実施形態においては第2クレジットが優先的に消費され、第2実施形態または第3実施形態においては第2クレジットが優先的には消費されない。第2実施形態は、第2クレジットの消費に遊技者が直接的に関与する形態である。他方、第3実施形態は、抽選ゲームの進行状況に応じて第2クレジットが消費される形態である。なお、第2実施形態と第3実施形態とを併合してもよい。
【0050】
第2実施形態における操作装置24は、第2クレジットの消費を遊技者が指示するための操作ボタンを含む。抽選ゲームを有利に展開したい場合、遊技者は操作ボタンを操作する。
【0051】
第2実施形態のゲーム制御部213は、ステップSa62において、第2クレジットの消費が有効であるか否かを判定する。例えば、操作ボタンに対する操作を受付け、かつ、第2クレジットに消費単位以上の残量がある場合に、第2クレジットの消費が有効であると判定される(Sb62:YES)。なお、操作ボタンの操作を受付けた場合に、第2クレジットの残量が消費単位を下回るまで第2クレジットの消費単位を反復的に消費する構成も想定される。また、操作ボタンの1回の操作毎に、第2クレジットの消費単位を1回だけ消費する構成も想定される。第2クレジットの消費が有効である場合(Sb62:NO)、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第2クレジットの数量から消費単位を減算し(Sa64)、当選確率Pを数値PHに設定する(Sa65)。
【0052】
他方、第2クレジットの残量が消費単位を下回る場合、または、操作ボタンに対する操作を受付けない場合には、第2クレジットの消費は無効であると判定される(Sb62:NO)。第2クレジットの消費が無効である場合(Sb62:YES)、ゲーム制御部213は、当選確率Pを数値PLに設定する(Sa63)。すなわち、第2クレジットは消費されない。他方、第2クレジットの消費以外の動作は第1実施形態と同様である。
【0053】
[第3実施形態]
第3実施形態におけるゲームシステム1は、特別モードおよび通常モードの何れかに設定される。特別モードおよび通常モードの何れにおいても抽選ゲームが実行される。ただし、特別モードは、通常モードと比較して遊技者が抽選ゲームを有利に展開できる動作モードである。例えば、特別モードは、複数の絵柄の組合せにより当選/落選が決定されるスロットゲームにおいて、通常モードよりも特定の役が成立し易い(したがって遊技者が報酬を獲得し易い)動作モードである。
【0054】
ゲーム制御部213は、動作モードに関する所定の抽選(以下「動作モード抽選」という)を、通常モードにおいて反復的に実行する。動作モード抽選は、当選/非当選を確率的に決定する電子抽選である。動作モード抽選の結果が当選である場合、ゲーム制御部213は、動作モードを通常モードから特別モードに移行する。他方、動作モード抽選の結果が落選である場合、ゲーム制御部213は、動作モードを通常モードに維持する。
【0055】
動作モード抽選は、通常モードにおいて第2クレジットの消費を条件として実行される。具体的には、ゲーム制御部213は、第2クレジットの数量から消費単位を減算したうえで動作モード抽選を実行する動作を、第2クレジットの数量が消費単位を下回るまで反復的に実行する。第2クレジットの数量が消費単位を下回ると、動作モードは特別モードから通常モードに移行する。以上の通り、第3実施形態においては第2クレジットが通常モードにおいて消費される。他方、動作モードが特別モードである期間内においては第2クレジットは消費されない。以上の説明から理解される通り、第3実施形態においては、第2クレジットが消費される期間または状態が限定される。
【0056】
[第4実施形態]
第1実施形態においては、第2クレジットの残量がある場合に当該第2クレジットの消費単位が第1クレジットとともに抽選ゲームのために消費される形態を例示した。第4実施形態においては、第1クレジットおよび第2クレジットの一方が抽選ゲームのために選択的に消費される。
【0057】
第4実施形態の操作装置24は、第1クレジットに関する消費操作(以下「第1消費操作」という)を受付ける第1消費ボタンと、第2クレジットに関する消費操作(以下「第2消費操作」という)を受付ける第2消費ボタンとを含む。1回の第1消費操作による第1クレジットの消費単位は例えば「3」である。また、1回の第2消費操作による第2クレジットの消費単位も同様に「3」である。なお、第1実施形態と同様に、操作装置24に1個の消費ボタンを設置し、第2クレジットが残存する場合には第2クレジットを消費し、第2クレジットの数量が消費単位を下回る場合に第1クレジットを消費してもよい。
【0058】
図6は、第4実施形態における抽選ゲーム処理S6の具体的な手順を例示するフローチャートである。第1クレジットおよび第2クレジットの双方に残量がある状況では、遊技者は、操作装置24を操作することで第1クレジットおよび第2クレジットの一方の消費を指示することが可能である。すなわち、遊技者は、第1クレジットおよび第2クレジットの一方を選択する。
【0059】
抽選ゲーム処理S6を開始すると、ゲーム制御部213は、第1消費操作を受付けたか否かを判定する(Sb61)。
【0060】
第1消費操作を受付けた場合(Sb61:YES)、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第1クレジットの数量から、消費単位である「3」を減算する(Sb62)。また、ゲーム制御部213は、抽選ゲームにおける当選確率Pを数値PLに設定する(Sb63)。
【0061】
他方、第2消費操作を受付けた場合(Sb61:NO)、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第2クレジットの数量から、消費単位である「3」を減算する(Sb64)。また、ゲーム制御部213は、抽選ゲームにおける当選確率Pを数値PHに設定する(Sb65)。第1実施形態と同様に、第2クレジットが消費される場合の当選確率Pの数値PHは、第2クレジットが消費されない場合の当選確率Pの数値PLを上回る(PH>PL)。
【0062】
当選確率Pを設定すると(Sb63,Sb65)、ゲーム制御部213は、当選確率Pのもとで抽選を実行する(Sb66)。以上の説明から理解される通り、第2価値媒体から変換される第2クレジットの消費により当選確率Pが上昇するから、抽選ゲームにおいて多数の報酬の獲得を目指す遊技者にとって有利な状況となる。遊技者が単位時間内に獲得できる報酬の数量の期待値が増加するとも換言される。
【0063】
ゲーム制御部213は、遊技者が抽選で当選したか否かを判定する(Sb67)。遊技者が当選した場合(Sb67:YES)、ゲーム制御部213は、第1実施形態と同様に、配当に応じた数量の第1クレジットを報酬として付与する(Sb68)。具体的には、ゲーム制御部213は、記憶装置22に記憶された第1クレジットの数量に配当に応じた数量を加算する。なお、配当は抽選ゲームの内容に応じて適宜に設定される。第4実施形態における抽選ゲーム処理S6の具体的な手順は以上の通りである。以上の説明から理解される通り、第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0064】
なお、以上の説明においては第1クレジットおよび第2クレジットのうち遊技者が選択したクレジットが消費される構成を例示したが、第1クレジットと第2クレジットとの切替の方法は以上の例示に限定されない。例えば、第2クレジットが優先的に消費され、第2クレジットの残量が消費単位を下回る数量に到達した場合に第1クレジットの消費が開始される構成も想定される。
【0065】
[第5実施形態]
第1実施形態から第4実施形態においては、第2クレジットが消費された場合の当選確率Pを、第2クレジットが消費されない場合の当選確率Pの数値PLよりも高い数値PHに設定した。第5実施形態および後述の第6実施形態においては、第2クレジットの消費により抽選ゲームを遊技者に有利に進行させるための具体的な処理が、第1実施形態および第4実施形態とは相違する。
【0066】
第5実施形態のゲーム制御部213は、抽選ゲームに必要な時間長を第2クレジットの消費の有無に応じて制御する。具体的には、ゲーム制御部213は、第2クレジットが消費される抽選ゲームの時間長を、第2クレジットが消費されない抽選ゲームの時間長よりも短い時間に設定する。すなわち、第2クレジットの消費により抽選ゲームの時間長が短縮される。
【0067】
具体的には、第2クレジットが消費されない抽選ゲームの時間長は、例えば6秒に設定される。6秒よりも短い時間で抽選ゲームの結果が確定した場合でも、6秒が経過するまで次回の消費操作の受付けは禁止される。他方、第2クレジットが消費される抽選ゲームにおいては、6秒が経過しなくても次回の消費操作の受付けが可能となる。遊技者の操作に応じて進行する抽選ゲームにおいて第2クレジットが消費された場合、遊技者の操作を速めることで、抽選ゲームの進行の速度を速めることが可能である。
【0068】
抽選ゲームの時間長を短縮するための他の態様としては、例えば、抽選ゲームの進行の速度を上昇させる処理、抽選ゲームを構成する複数の段階の一部を省略する処理、または、抽選ゲームに関する演出を短縮もしくは省略する処理が想定される。抽選ゲームの時間長が短縮されることで、単位時間内に遊技者が獲得できる報酬の数量の期待値が増加する。したがって、抽選ゲームにおいて多数の報酬の獲得を目指す遊技者にとって有利な状況となる。
【0069】
なお、第1クレジットと第2クレジットとが個別に管理される構成、および、第2クレジットの消費により抽選ゲームが遊技者に有利に進行する構成は、第1実施形態と同様である。したがって、第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、第1実施形態と同様に第2クレジットが第1クレジットとともに1回の抽選ゲームのために消費されてもよいし、第4実施形態と同様に第1クレジットおよび第2クレジットの一方が選択的に抽選ゲームのために消費されてもよい。
【0070】
[第6実施形態]
第6実施形態においては、第1実施形態と同様に、第2クレジットの残量がある場合に、第2クレジットの所定量が第1クレジットとともに1回の抽選ゲームのために消費される。第2クレジットの残量がない場合には、第1クレジットのみが抽選ゲームのために消費される。第6実施形態においては、抽選ゲームにおける抽選結果が当選である場合に、第1クレジットの消費単位に倍率Rを乗算した数量の第1クレジットが報酬として遊技者に付与される。
【0071】
第6実施形態のゲーム制御部213は、抽選ゲームでの当選時に遊技者が獲得できる報酬の数量を、第2クレジットの消費の有無に応じて制御する。具体的には、ゲーム制御部213は、抽選ゲームにおける報酬の算定に適用される倍率Rが、当該抽選ゲームおける第2クレジットの消費の有無に応じて設定される。例えば、ゲーム制御部213は、抽選ゲームにおいて第2クレジットが消費される場合には倍率Rを数値RHに設定し、第2クレジットが消費されない場合には倍率Rを数値RLに設定する。数値RHは数値RLを上回る数値である(RH>RL)。
【0072】
以上の構成においては、第2クレジットが消費される抽選ゲームにおける第1クレジットの所定量に対する報酬の数量が、第2クレジットが消費されない抽選ゲームにおける当該所定量に対する報酬の数量を上回る。以上のように報酬の数量が第2クレジットの消費により増加することで、単位時間内に遊技者が獲得できる報酬の数量の期待値が増加する。したがって、抽選ゲームにおいて多数の報酬の獲得を目指す遊技者にとって有利な状況となる。なお、第1クレジットと第2クレジットとが個別に管理される構成は第1実施形態と同様である。したがって、第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0073】
[第7実施形態]
前述の通り、第2クレジットの数量に応じた価値媒体の払出は制限(典型的には禁止)される。したがって、第2価値媒体の投入により過度に多数の第2クレジットが遊技者に付与された状態では、遊技者が第2クレジットの全量を消費し切れない可能性がある。例えば、遊技施設の閉店の直前に来場した遊技者が多数の第2価値媒体を投入した場合、遊技者が第2クレジットの全量を遊技施設の閉店迄に消費できない可能性がある。以上の事情を考慮して、第7実施形態においては、第2クレジットの数量が上限値に到達した状態においては、第2クレジットのさらなる増加が制限される。
【0074】
図7は、第7実施形態において第2クレジットの増加を制限するための処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば、図4におけるステップS1の直前に図7の処理が実行される。
【0075】
処理を開始すると、制御装置21は、第2クレジットの数量が上限値に到達したか否かを判定する(Sc1)。第2クレジットの数量が上限値に到達した場合(Sc1:YES)、制御装置21は、第2クレジットの数量の増加が制限される状態(以下「制限状態」という)にゲームシステム1を制御する。制限状態は、例えば、第2受付部252における第2価値媒体の投入口が閉塞機構(図示略)により閉塞された状態である。すなわち、制限状態においては遊技者が第2価値媒体を投入口に投入できない。ただし、制限状態は以上の例示に限定されない。例えば、第2受付部252における投入口に投入された第2価値媒体が直接的に排出装置の排出口から排出される状態も制限状態の一例である。第2価値媒体が直接的に排出口から排出される制限状態においては、投入口に投入された第2価値媒体が検出されない。したがって、遊技者が第2価値媒体を投入口に投入しても第2クレジットは増加しない。なお、制限状態において第2価値媒体が投入された場合に、当該第2価値媒体の投入量に応じた数量の第1クレジットを遊技者に付与してもよい。
【0076】
他方、第2クレジットの数量が上限値を下回る場合(Sc1:NO)、制御装置21は、第2クレジットの数量の増加が許容される状態(以下「受付状態」という)にゲームシステム1を制御する(Sc3)。受付状態は、第2受付部252が第2価値媒体の投入を受付けた場合に、第2変換部212が第2価値媒体を第2クレジットに変換する状態である。以上の説明から理解される通り、第2クレジットが上限値に到達した場合にゲームシステム1は制限状態に制御され、第2クレジットが上限値を下回る場合にゲームシステム1は受付状態に制御される。
【0077】
第7実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第7実施形態において、第2クレジットの数量が上限値に到達した状態では第2クレジットの増加が制限されるから、第2クレジットの数量が適切な範囲に制限される。したがって、例えば、第2クレジットの数量が過大となり遊技者が全量を消費し切れない状態となる可能性を低減できる。
【0078】
[第8実施形態]
前述の各形態においては、第2価値媒体が第2クレジットに変換される構成を例示した。第8実施形態においては、遊技者が投入した第2価値媒体が第1クレジットおよび第2クレジットに変換される。具体的には、第2受付部252が第2価値媒体の投入を受付けた場合、第1変換部211が第2価値媒体を第1クレジットに変換し、かつ、第2変換部212が当該第2価値媒体を第2クレジットに変換する。例えば、第2価値媒体の単位量(例えば「1枚」)の投入により第1クレジットの所定量(例えば「10」)と第2クレジットの所定量(例えば「10」)とが遊技者に付与される。
【0079】
図8は、第8実施形態において制御装置21が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。第8実施形態においては第1実施形態のステップS4が図8のステップS4aに置換される。
【0080】
第1受付部251が受付けた第1価値媒体が第1クレジットに変換される処理(S1,S2)は第1実施形態と同様である。第2受付部252が第2価値媒体を受付けた場合(S3)、第1変換部211が第2価値媒体を第1クレジットに変換するとともに第2変換部212が当該第2価値媒体を第2クレジットに変換する。すなわち、第2価値媒体の投入量に応じた数量が第1クレジットおよび第2クレジットの双方に加算される。第1クレジットまたは第2クレジットを消費する動作は第1実施形態と同様である。なお、抽選ゲーム処理S6においては、第1実施形態と同様に第1クレジットの消費単位が消費され(Sa61)、消費単位を上回る数量の第2クレジットが残存する場合には第2クレジットの消費単位が消費される(Sa64)。
【0081】
第8実施形態においては、第2価値媒体の投入により第1クレジットおよび第2クレジットの双方が増加するから、遊技者による第2価値媒体の投入を促進できるという前述の効果は格別に顕著である。
【0082】
なお、第2価値媒体から変換される第2クレジットを、第1クレジットと区別するために「ポイント」として取扱うことも想定される。ポイントは、抽選ゲームを有利に展開するための情報として表示装置23(第2領域G2)に表示される。遊技者は、表示装置23に表示されたポイントを視認することで、抽選ゲームを有利に展開できる状況がどのくらい継続されるのかを把握できる。以上の構成のもとで第2価値媒体が第2クレジット(ポイント)のみに変換されるとすれば、第2価値媒体が、抽選ゲームのプレイのために消費されるクレジットに変換されないと遊技者に誤認される可能性がある。第8実施形態においては、第2価値媒体が第1クレジットおよび第2クレジットの双方に変換されるから、第2価値媒体がクレジットに変換されないと遊技者に誤認される可能性が低減される。
【0083】
第1実施形態から第7実施形態においては、前述の通り、第2価値媒体から変換された第2クレジットの払出が禁止される。他方、第8実施形態においては、第2価値媒体から変換された第2クレジットの払出は前述の各形態と同様に禁止される一方、第1変換部211が当該第2価値媒体から変換した第1クレジットについては払出が許容される。以上の説明から理解される通り、本発明においては、第2価値媒体から変換された全部のクレジットについて払出が禁止される訳ではない。
【0084】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0085】
(1)前述の各形態においては、制御装置21が実行する演算により複数の抽選要素の何れかを確率的に選択する電子抽選を例示したが、例えば球体等の有体の抽選体を利用して複数の抽選要素の何れかを選択する物理抽選を抽選ゲームにおいて実行してもよい。物理抽選が実行される構成においても前述の各形態と同様に、当選確率P(第1実施形態)、抽選ゲームの時間長(第5実施形態)、または報酬の数量(第6実施形態)が、第2クレジットの消費の有無に応じて制御される。
【0086】
(2)第1クレジットおよび第2クレジットが消費されるゲームの種類は、抽選ゲームに限定されない。例えば、遊技者を表すキャラクタが洞窟または建造物等の探索場所を探索する探索ゲーム、または、遊技者を表すキャラクタが他のキャラクタと対戦する対戦ゲームを、ゲーム制御部213が制御してもよい。なお、遊技者に有利にゲームを進行させるための具体的な構成は、ゲームの種類に依存する。例えば、対戦ゲームにおいては、遊技者のキャラクタに関するパラメータの制御により当該キャラクタを強化することで、遊技者に有利にゲームが進行する状態となる。また、探索ゲームにおいては、探索場所に関するパラメータの制御により探索場所のサイズまたは所要時間を低減することで、遊技者に有利にゲームが進行する状態となる。
【0087】
(3)前述の各形態においては、第2クレジットの数量に応じた価値媒体の払出が禁止される構成を例示したが、第2クレジットの数量に応じた価値媒体の払出を許容してもよい。例えば、払出制御部214が、第2クレジットの数量に応じた第1価値媒体または第2価値媒体の払出を払出装置26に実行させてもよい。
【0088】
(4)前述の各形態においては、抽選ゲームにおいて第1クレジットの消費単位が消費される場合を例示したが、第1クレジットの消費量は消費単位に限定されない。例えば、遊技者が指定した消費量の第1クレジットを抽選ゲームにおいて消費してもよい。第2クレジットについても同様であり、消費量は消費単位に限定されない。例えば、遊技者が指定した消費量の第2クレジットを抽選ゲームにおいて消費してもよい。第2クレジットの消費量が大きいほど抽選ゲームが有利に展開される構成も好適である。
【0089】
(5)遊技者に有利に抽選ゲームを進行させるための構成として、第1実施形態においては当選確率Pを上昇させる構成を例示し、第5実施形態においては抽選ゲームの時間長を短縮する構成を例示し、第6実施形態においては当選時の報酬の数量を増加させる構成を例示した。抽選ゲームの目的は報酬の獲得であるから、遊技者に有利に抽選ゲームを進行させる以上の各構成は、単位時間内に遊技者が獲得できる報酬の数量の期待値を増加させる構成として包括される。また、遊技者に有利に抽選ゲームを進行させる以上の各構成は、所定量の報酬を遊技者が獲得するための所要時間を短縮させる構成とも換言される。なお、遊技者に有利にゲームを進行させるための複数の処理を併合してもよい。
【0090】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0091】
本発明のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1変換部(211)と、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2変換部(212)と、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部(213)とを具備し、前記ゲーム制御部(213)は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【0092】
以上の態様によれば、第1価値媒体から変換される第1遊技価値と第2価値媒体から変換される第2遊技価値とが個別に管理される。したがって、第1価値媒体および第2価値媒体の双方に対応する1種類のクレジットが処理される構成と比較して、第1価値媒体と第2価値媒体との役割を相違させる運用が簡便に実現される。また、第2価値媒体から変換される第2遊技価値が消費される場合に、当該第2遊技価値が消費されない場合と比較してゲームが遊技者に有利に進行する。したがって、遊技者による第2価値媒体の投入が促進される。
【0093】
「価値媒体(第1価値媒体,第2価値媒体)」は、ゲームのために消費される遊技価値に変換される価値を有する有体または無体の媒体である。有体の価値媒体は、例えば物理メダル(トークンコイン)、貨幣(コイン)またはチケットである。無体の価値媒体は、例えば電子メダル、電子貨幣(電子マネー)またはポイントである。第1価値媒体と第2価値媒体とは相互に別種の価値媒体である。例えば第1価値媒体は物理メダルまたは電子メダルであり、第2価値媒体は物理貨幣または電子貨幣である。第1価値媒体は、ゲームに専用される代用貨幣であり、第2価値媒体は実貨幣(法定通貨)であるとも換言される。また、第1価値媒体は、ゲームの結果に応じて遊技者に払出可能な価値媒体であり、第2価値媒体は、遊技者に対して払出不能な価値媒体と表現してもよい。すなわち、ゲームをプレイする前後において、遊技者が保有する数量を増加させることが可能な価値媒体が第1価値媒体である。
【0094】
「遊技価値」は、ゲームのプレイのための対価として消費される価値である。例えばクレジット等の数値データが「遊技価値」の典型例である。遊技価値の「消費」は、例えば抽選ゲームにおいては「ベット」とも換言される。また、「第2遊技価値が消費される場合」には、第2遊技価値のみが消費される場合と、第1遊技価値および第2遊技価値の双方が消費される場合と、が包含される。
【0095】
ゲームについて遊技者に「有利」であるとは、遊技者がゲームの目的を達成するうえで、当該ゲームの進行に関する条件が遊技者にとって好都合であることを意味する。例えば、当選/落選が確率的に選択される抽選ゲームにおいては、当選の確率が上昇した状態が「有利」な状態に相当する。また、1回のゲームの時間長が短いほど遊技者が目的を効率的に達成できるから、1回のゲームの時間長が短縮された状態も「有利」な状態に相当する。さらに、報酬の獲得を目的とするゲームにおいては、ゲームの結果に応じて遊技者に付与される報酬の数量が大きい状態が「有利」な状態に相当する。
【0096】
付記1の具体例(付記2)において、前記第2価値媒体が投入された場合に、前記第1変換部が当該第2価値媒体を前記第1遊技価値に変換するとともに、前記第2変換部が当該第2価値媒体を前記第2遊技価値に変換する。以上の態様においては、第2価値媒体が第1遊技媒体および第2遊技媒体に変換される。したがって、遊技者は第1価値媒体および第2価値媒体の双方を投入する必要がない。
【0097】
付記1または付記2の具体例(付記3)に係るゲームシステム(1)は、前記第1遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出を実行する払出制御部(214)を具備し、前記第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出は制限される。以上の態様によれば、第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が制限されるから、第2遊技価値を、遊技者に有利にゲームを進行させるために専用させることが可能である。
【0098】
「価値媒体の払出」は、例えば、有体の価値媒体を遊技者に対して排出すること、または、遊技者が所有する口座に無体の価値媒体(例えば電子メダル)を転送することである。
「価値媒体の払出が制限される」とは、第1遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出と比較して、第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が制限されることを意味する。「制限」の典型例は「禁止」であるが、第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が完全に禁止されることまでは必要ではない。例えば、複数の条件の何れかが成立した場合に第1遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が実行される構成を想定すると、複数の条件のうち一部の条件が成立した場合に第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止される構成は、「価値媒体の払出が制限される」構成に相当する。例えば、遊技者からの指示を契機として、第1遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出を払出制御部(214)が実行する構成を想定すると、遊技者からの指示を契機とした、第2遊技価値の数量に応じた数量の価値媒体の払出が禁止される構成は、他の条件のもとでの払出が許容される場合でも、「価値媒体の払出が制限される」構成に包含される。
【0099】
付記3の具体例(付記4)において、前記第2変換部(212)は、前記第2遊技価値の数量が上限値に到達した状態においては、当該第2遊技価値の数量の増加を制限する。第2遊技価値に応じた価値媒体の払出は制限されるから、第2遊技価値の数量に上限を設定しない構成では、第2遊技価値が過度に多量となり、当該第2遊技価値の全量を遊技者が消費できない可能性がある。第2遊技価値の数量が上限値に到達した状態では第2遊技価値が追加されない前述の態様によれば、第2遊技価値の数量を適切な範囲に制限できるという利点がある。
【0100】
付記1から付記4の何れかの具体例(付記5)において、前記ゲームは、当選/落選が抽選により決定される抽選ゲームであり、前記ゲームを有利に進行させることは、前記第2遊技価値が消費される前記ゲームにおいて前記遊技者が当選する確率(P)を、前記第2遊技価値が消費されない前記ゲームにおいて前記遊技者が当選する確率(P)よりも高い数値に設定することを含む。以上の態様によれば、第2遊技価値の消費により抽選ゲームにおける当選の確率(P)が上昇するから、抽選ゲームでの当選を目指す遊技者にとって有利な状況となる。
【0101】
「抽選」は、例えば球体等の抽選体を利用した物理抽選、および、演算装置による演算処理により実現される電子抽選の何れでもよい。
【0102】
付記1から付記5の何れかの具体例(付記6)において、前記ゲームを有利に進行させることは、前記第2遊技価値が消費される前記ゲームの時間長を、前記第2遊技価値が消費されない前記ゲームの時間長よりも短くすることを含む。以上の態様によれば、第2遊技価値の消費によりゲームの時間長が短縮されるから、ゲームにおける目的の達成を目指す遊技者にとって有利な状況となる。
【0103】
「ゲームの時間長を短くする」とは、1回のゲームに必要な時間を短縮することを意味する。例えば、ゲームの進行の速度を上昇させること、ゲームを構成する複数の段階の一部を省略すること、または、ゲームに関する演出のための動作を短縮もしくは省略すること等が想定される。
【0104】
付記1から付記6の何れかの具体例(付記7)において、前記ゲームは、当選/落選が抽選により決定され、当該抽選における当選により、前記第1遊技価値の消費量に応じた数量の報酬が前記遊技者に付与される抽選ゲームであり、前記ゲームを有利に進行させることは、前記第2遊技価値が消費される前記ゲームにおける前記第1遊技価値の所定量に対する報酬の数量を、前記第2遊技価値が消費されない前記ゲームにおける前記第1遊技価値の前記所定量に対する報酬の数量よりも大きい数値に設定することを含む。以上の態様によれば、第1遊技価値の所定量に対する報酬の数量が第2遊技価値の消費により増加するから、多数の報酬の獲得を目指す遊技者にとって有利な状況となる。
【0105】
報酬の数量は、例えば第1遊技価値の消費量に倍率(オッズ)を乗算した数値に設定される。したがって、「前記第1遊技価値の所定量に対する報酬の数量を大きい数値に設定すること」は、例えば倍率を増加させることを含む。
【0106】
付記1から付記7の何れかの具体例(付記8)において、前記ゲームにおいては前記第1遊技価値が消費され、前記第2遊技価値の残量がある場合に、前記第1遊技価値とともに当該第2遊技価値が消費される。以上の態様においては、第1遊技価値を消費したゲームを基本としつつ、第2価値媒体から変換される第2遊技価値を当該ゲームのために消費することで、遊技者に有利にゲームが進行する。
【0107】
付記1から付記7の何れかの具体例(付記9)において、前記ゲームにおいては、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の一方が選択的に消費される。以上の態様においては、第1遊技価値を消費したゲームと、第2遊技価値を消費した遊技者に有利なゲームとが選択的に実行される。
【0108】
「第1遊技価値および第2遊技価値の一方が選択的に消費される」とは、第2遊技価値が消費されずに第1遊技価値が消費されるゲームと、第1遊技価値が消費されずに第2遊技価値が消費されるゲームとの各々が実行されることを意味する。例えば、第1遊技価値および第2遊技価値の一方が優先的に消費され、当該遊技価値の全量を消費した場合に他方が消費される構成、または、第1遊技価値および第2遊技価値のうち遊技者が選択した遊技価値がゲームのために消費される構成が想定される。
【0109】
本発明のひとつの態様(付記10)に係るゲームシステム(1)の動作方法は、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換し、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換し、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させ、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【0110】
本発明のひとつの態様(付記11)に係るプログラムは、第1価値媒体が投入された場合に当該第1価値媒体を第1遊技価値に変換する第1変換部(211)、前記第1価値媒体とは別種の第2価値媒体が投入された場合に当該第2価値媒体を第2遊技価値に変換する第2変換部(212)、および、前記第1遊技価値および前記第2遊技価値の少なくとも一方が消費されるゲームを進行させるゲーム制御部(213)としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記ゲーム制御部(213)は、前記第2遊技価値が消費される場合に、前記第2遊技価値が消費されずに前記第1遊技価値が消費される場合と比較して、遊技者に有利に前記ゲームを進行させる。
【符号の説明】
【0111】
1…ゲームシステム、21…制御装置、211…第1変換部、212…第2変換部、213…ゲーム制御部、214…払出制御部、22…記憶装置、23…表示装置、24…操作装置、25…受付装置、251…第1受付部、252…第2受付部、26…払出装置。
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